JP2001342167A - シッフ塩基の製造法 - Google Patents
シッフ塩基の製造法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 使用する原料化合物の種類や反応条件に影響
されること無く、ケトン化合物とアミン化合物とから常
に高い収率でシッフ塩基を製造する方法を提供する。 【解決手段】 ベンゼンやトルエンのような水と共沸組
成を形成する有機溶媒の存在下に、プロピオフェノン等
のケトン化合物とエトキシエチルアミン等のアミン化合
物とを脱水縮合させてシッフ塩基を製造する方法におい
て、副生する水と前記有機溶媒とを共沸させて反応系外
に留出させて凝縮させた後、得られた凝縮液を塩化ナト
リウム等の塩又は水酸化ナトリウム等の塩基と接触させ
て該凝縮液を水層と有機層とに分離し、分離した該有機
層を反応系内に戻しながら前記脱水縮合を行う。
されること無く、ケトン化合物とアミン化合物とから常
に高い収率でシッフ塩基を製造する方法を提供する。 【解決手段】 ベンゼンやトルエンのような水と共沸組
成を形成する有機溶媒の存在下に、プロピオフェノン等
のケトン化合物とエトキシエチルアミン等のアミン化合
物とを脱水縮合させてシッフ塩基を製造する方法におい
て、副生する水と前記有機溶媒とを共沸させて反応系外
に留出させて凝縮させた後、得られた凝縮液を塩化ナト
リウム等の塩又は水酸化ナトリウム等の塩基と接触させ
て該凝縮液を水層と有機層とに分離し、分離した該有機
層を反応系内に戻しながら前記脱水縮合を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シッフ塩基の製造
方法に関する。
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シッフ塩基は、医・農薬中間体として重
要な化合物である。一般に、シッフ塩基の製造方法とし
ては、ベンゼン、トルエン等の水と共沸する有機溶媒
中、ベンゼンスルホン酸や三ふっ化ホウ素等のルイス酸
触媒の存在下でケトンとアミンとを脱水縮合させる方法
が知られている{新実験科学講座 14巻 有機化合物の
合成と反応III 1399頁(丸善株式会社、昭和61年
発行)}。該方法においては、副生する水と有機溶媒と
を共沸させて反応系外に留出させて凝縮させた後、得ら
れた凝縮液を水層と有機層とに分離し、分離した該有機
層を反応系内に戻しながら脱水縮合が行われている。
要な化合物である。一般に、シッフ塩基の製造方法とし
ては、ベンゼン、トルエン等の水と共沸する有機溶媒
中、ベンゼンスルホン酸や三ふっ化ホウ素等のルイス酸
触媒の存在下でケトンとアミンとを脱水縮合させる方法
が知られている{新実験科学講座 14巻 有機化合物の
合成と反応III 1399頁(丸善株式会社、昭和61年
発行)}。該方法においては、副生する水と有機溶媒と
を共沸させて反応系外に留出させて凝縮させた後、得ら
れた凝縮液を水層と有機層とに分離し、分離した該有機
層を反応系内に戻しながら脱水縮合が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記製造法では、沸点
が反応温度付近であるアミン化合物や水と共沸するアミ
ン化合物を用いた場合には、反応系外に留出さた凝縮液
が有機層と水層とに分離し難くなり水を含んだ液が反応
系内に戻ってしまうため、反応が完結せず、目的物を単
離するためには未反応のケトン化合物及アミンアミン化
合物を除去するための蒸留、再結晶等の精製を行なう必
要があった。
が反応温度付近であるアミン化合物や水と共沸するアミ
ン化合物を用いた場合には、反応系外に留出さた凝縮液
が有機層と水層とに分離し難くなり水を含んだ液が反応
系内に戻ってしまうため、反応が完結せず、目的物を単
離するためには未反応のケトン化合物及アミンアミン化
合物を除去するための蒸留、再結晶等の精製を行なう必
要があった。
【0004】本発明は、このような精製を行なう必要の
ないシッフ塩基の製造法を提供することを目的とする。
ないシッフ塩基の製造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った。その結果、上記従来の製
造方法によりシッフ塩基を製造する際に、副生する水と
共沸して反応系外に留出した凝縮液を塩又は塩基と接触
させた場合には、該凝縮液にアミン化合物が含まれてい
る場合でも容易に水層と有機層とに分離し、水を除去し
た有機層を反応系内に戻すことができ、転化率が向上す
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
解決すべく鋭意研究を行った。その結果、上記従来の製
造方法によりシッフ塩基を製造する際に、副生する水と
共沸して反応系外に留出した凝縮液を塩又は塩基と接触
させた場合には、該凝縮液にアミン化合物が含まれてい
る場合でも容易に水層と有機層とに分離し、水を除去し
た有機層を反応系内に戻すことができ、転化率が向上す
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】即ち、本発明は、水と共沸組成を形成する
有機溶媒の存在下にケトン化合物とアミン化合物とを脱
水縮合させてシッフ塩基を製造する方法において、副生
する水と前記有機溶媒とを共沸させて反応系外に留出さ
せて凝縮させた後、得られた凝縮液を塩又は塩基と接触
させて該凝縮液を水層と有機層とに分離し、分離した該
有機層を反応系内に戻しながら前記脱水縮合を行うこと
を特徴とするシッフ塩基の製造方法である。
有機溶媒の存在下にケトン化合物とアミン化合物とを脱
水縮合させてシッフ塩基を製造する方法において、副生
する水と前記有機溶媒とを共沸させて反応系外に留出さ
せて凝縮させた後、得られた凝縮液を塩又は塩基と接触
させて該凝縮液を水層と有機層とに分離し、分離した該
有機層を反応系内に戻しながら前記脱水縮合を行うこと
を特徴とするシッフ塩基の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では、水と共沸組成を形成
する有機溶媒の存在下にケトン化合物とアミン化合物と
を脱水縮合させてシッフ塩基を製造する。
する有機溶媒の存在下にケトン化合物とアミン化合物と
を脱水縮合させてシッフ塩基を製造する。
【0008】このとき原料の一つとして使用するケトン
化合物は特に制限されず、脂肪族ケトン化合物および芳
香族ケトン化合物が使用できるが、原料入手の容易さ等
から、炭素数6〜15の脂肪族ケトン化合物、又は炭素
数8〜20の芳香族ケトン化合物を用いるのが好適であ
る。これらケトン化合物を具体的に例示すれば、シクロ
ヘキサノン、2−ヘキサノン、3−ヘプタノン、5−ノ
ナノン、2−オクタノン、メチルアセトフェノン、プロ
ピオフェノン、n−ブチロフェノン、iso−ブチロフ
ェノン等が挙げられる。
化合物は特に制限されず、脂肪族ケトン化合物および芳
香族ケトン化合物が使用できるが、原料入手の容易さ等
から、炭素数6〜15の脂肪族ケトン化合物、又は炭素
数8〜20の芳香族ケトン化合物を用いるのが好適であ
る。これらケトン化合物を具体的に例示すれば、シクロ
ヘキサノン、2−ヘキサノン、3−ヘプタノン、5−ノ
ナノン、2−オクタノン、メチルアセトフェノン、プロ
ピオフェノン、n−ブチロフェノン、iso−ブチロフ
ェノン等が挙げられる。
【0009】また、もう一つの原料であるアミン化合物
は、特に限定されないが、水との分離性の観点から、常
圧下での沸点が90〜140℃である脂肪族アミンを使
用するのが好適である。中でも、原料入手の容易さ等か
ら、炭素数3〜6の脂肪族アミン化合物が特に好適に用
いられる。このようなアミン化合物を具体的に例示すれ
ば、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、
ヘキシルアミン、メトキシエチルアミン、エトキシエチ
ルアミン、プロポキシエチルアミン、ブトキシエチルア
ミン、メトキシプロピルアミン、エトキシプロピルアミ
ン、プロポキシプロピルアミン、メトキシブチルアミン
等が挙げられる。これらアミン化合物とケトン化合物と
は化学量論的に反応するので、アミン化合物は通常ケト
ン化合物1モルに対して1モル以上使用すればよいが、
過剰使用防止の観点から、ケトン化合物1モルに対して
1〜2モル使用するのが好適である。
は、特に限定されないが、水との分離性の観点から、常
圧下での沸点が90〜140℃である脂肪族アミンを使
用するのが好適である。中でも、原料入手の容易さ等か
ら、炭素数3〜6の脂肪族アミン化合物が特に好適に用
いられる。このようなアミン化合物を具体的に例示すれ
ば、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、
ヘキシルアミン、メトキシエチルアミン、エトキシエチ
ルアミン、プロポキシエチルアミン、ブトキシエチルア
ミン、メトキシプロピルアミン、エトキシプロピルアミ
ン、プロポキシプロピルアミン、メトキシブチルアミン
等が挙げられる。これらアミン化合物とケトン化合物と
は化学量論的に反応するので、アミン化合物は通常ケト
ン化合物1モルに対して1モル以上使用すればよいが、
過剰使用防止の観点から、ケトン化合物1モルに対して
1〜2モル使用するのが好適である。
【0010】本発明で使用する有機溶媒は、水と共沸組
成を形成する有機溶媒であれば特に制限されず使用でき
るが、反応条件の制御のし易さ等の観点から常圧下での
沸点が80〜140℃である有機溶媒を用いるのが好適
である。好適に使用できる上記有機溶媒としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これら有機
溶媒の使用量は特に限定されず、用いる装置の大きさや
経済性を考慮して上限を設定すればよいが、使用するケ
トン化合物とアミン化合物の合計質量の0.5〜200
倍、特に1〜100倍の範囲であるのが好適である。
成を形成する有機溶媒であれば特に制限されず使用でき
るが、反応条件の制御のし易さ等の観点から常圧下での
沸点が80〜140℃である有機溶媒を用いるのが好適
である。好適に使用できる上記有機溶媒としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これら有機
溶媒の使用量は特に限定されず、用いる装置の大きさや
経済性を考慮して上限を設定すればよいが、使用するケ
トン化合物とアミン化合物の合計質量の0.5〜200
倍、特に1〜100倍の範囲であるのが好適である。
【0011】本発明の製造方法では、ケトン化合物とア
ミン化合物との脱水縮合反応により副生する水を上記有
機溶媒と共沸させて一旦反応系外に留出させて凝縮させ
た後、得られた凝縮液を塩又は塩基と接触させて該凝縮
液を水層と有機層とに分離し、分離した有機層のみを反
応系内に戻しながら反応を行なう。このような方法を採
用することにより、反応系から水を確実に除去すること
が可能となり、化学平衡を右(生成系)側にずらすこと
により反応を完結させることが可能となる。なお、凝縮
液を塩又は塩基と接触させない場合には、前記したよう
に、使用するアミン化合物の種類や反応条件によっては
凝縮液が水層と有機層とに分離せず、反応系から有効に
水を除去できず、反応を完結することができない。
ミン化合物との脱水縮合反応により副生する水を上記有
機溶媒と共沸させて一旦反応系外に留出させて凝縮させ
た後、得られた凝縮液を塩又は塩基と接触させて該凝縮
液を水層と有機層とに分離し、分離した有機層のみを反
応系内に戻しながら反応を行なう。このような方法を採
用することにより、反応系から水を確実に除去すること
が可能となり、化学平衡を右(生成系)側にずらすこと
により反応を完結させることが可能となる。なお、凝縮
液を塩又は塩基と接触させない場合には、前記したよう
に、使用するアミン化合物の種類や反応条件によっては
凝縮液が水層と有機層とに分離せず、反応系から有効に
水を除去できず、反応を完結することができない。
【0012】本発明の製造方法は、分離器付きの還流装
置を有する反応器を用い、例えば次のような手順により
好適に行なうことができる。
置を有する反応器を用い、例えば次のような手順により
好適に行なうことができる。
【0013】即ち、まず反応器内に水と共沸組成を有す
る有機溶媒、ケトン化合物、及びアミン化合物を導入
し、上記有機溶媒と水との共沸組成物の沸点(以下、共
沸温度ともいう)以上の温度で攪拌する等してケトン化
合物とアミン化合物とを接触させ縮合反応を行なう。こ
のとき、各反応試剤の導入順序は特に限定されず、予め
三者を反応器内に仕込んでおいてもよいし、最初に溶媒
のみを仕込んでおき、加熱攪拌下でケトン化合物とアミ
ン化合物を別々にあるいは予め混合して供給してもよい
し、さらに、有機溶媒とケトン化合物(又はアミン化合
物)を予め反応器に仕込んでおき、加熱攪拌下でアミン
化合物(又はケトン化合物)を供給してもよい。また、
反応温度は共沸温度以上であればよいが、製造の容易さ
から共沸温度〜共沸温度より30℃高い温度、特に共沸
温度〜共沸温度より20℃高い温度とするのが好適であ
る。また、反応圧力は、常圧、減圧、加圧下のいずれで
行なうこともできるが、製造の容易さから常圧で行なう
のが好適である。なお、反応をより効率的に行なうため
には、ベンゼンスルホン酸や三ふっ化ホウ素等のルイス
酸触媒を使用するのが好適である。これら触媒の使用量
は特に限定されないが、通常、ケトン化合物1モルに対
して0.5モル以下、好ましくは0.2モル以下であ
る。この様にして反応を行なった場合、反応の進行に伴
い水が副生するが、反応温度が共沸温度以上となってい
るため、副生した水は溶媒と共沸して蒸気となる。
る有機溶媒、ケトン化合物、及びアミン化合物を導入
し、上記有機溶媒と水との共沸組成物の沸点(以下、共
沸温度ともいう)以上の温度で攪拌する等してケトン化
合物とアミン化合物とを接触させ縮合反応を行なう。こ
のとき、各反応試剤の導入順序は特に限定されず、予め
三者を反応器内に仕込んでおいてもよいし、最初に溶媒
のみを仕込んでおき、加熱攪拌下でケトン化合物とアミ
ン化合物を別々にあるいは予め混合して供給してもよい
し、さらに、有機溶媒とケトン化合物(又はアミン化合
物)を予め反応器に仕込んでおき、加熱攪拌下でアミン
化合物(又はケトン化合物)を供給してもよい。また、
反応温度は共沸温度以上であればよいが、製造の容易さ
から共沸温度〜共沸温度より30℃高い温度、特に共沸
温度〜共沸温度より20℃高い温度とするのが好適であ
る。また、反応圧力は、常圧、減圧、加圧下のいずれで
行なうこともできるが、製造の容易さから常圧で行なう
のが好適である。なお、反応をより効率的に行なうため
には、ベンゼンスルホン酸や三ふっ化ホウ素等のルイス
酸触媒を使用するのが好適である。これら触媒の使用量
は特に限定されないが、通常、ケトン化合物1モルに対
して0.5モル以下、好ましくは0.2モル以下であ
る。この様にして反応を行なった場合、反応の進行に伴
い水が副生するが、反応温度が共沸温度以上となってい
るため、副生した水は溶媒と共沸して蒸気となる。
【0014】次いで、蒸気となった共沸組成物は反応系
外で定法により冷却することにより液化され、集められ
た凝縮液は、塩又は塩基と接触させられた後に分離器内
で静置することにより比重差等により水層と有機層とに
分離され、分離された有機層のみが反応系に戻される。
なお、水層は分離器内にそのまま残しておいても、必要
に応じて適宜抜き出してもよい。
外で定法により冷却することにより液化され、集められ
た凝縮液は、塩又は塩基と接触させられた後に分離器内
で静置することにより比重差等により水層と有機層とに
分離され、分離された有機層のみが反応系に戻される。
なお、水層は分離器内にそのまま残しておいても、必要
に応じて適宜抜き出してもよい。
【0015】このとき、凝縮液と接触させる塩または塩
基は、特に制限されず公知の塩または塩基が使用でき
る。本発明で使用できる塩又は塩基を具体的に例示すれ
ば、塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化
ナトリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物等が、塩基と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカ
リ金属水酸化物等の塩基が挙げられる。これら塩又は塩
基は、固体または水溶液の状態で使用できるが、操作性
の観点から水溶液の形で使用するのが好適である。これ
ら塩又は塩基の使用量は特に限定されないが、凝縮液が
水層と有機層とに確実に分離されるという観点から、分
離した水層中における塩又は塩基の濃度が30質量%以
上、特に40質量%以上となる量使用するのが好適であ
る。そのためには、例えば、原料の使用量から副生する
水の総量を計算し、その全てが加わったときの水層にお
ける塩又は塩基の濃度が30質量%、特に40質量%以
上となるような十分に高い濃度の塩又は塩基の水溶液を
使用すればよい。
基は、特に制限されず公知の塩または塩基が使用でき
る。本発明で使用できる塩又は塩基を具体的に例示すれ
ば、塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化
ナトリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物等が、塩基と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカ
リ金属水酸化物等の塩基が挙げられる。これら塩又は塩
基は、固体または水溶液の状態で使用できるが、操作性
の観点から水溶液の形で使用するのが好適である。これ
ら塩又は塩基の使用量は特に限定されないが、凝縮液が
水層と有機層とに確実に分離されるという観点から、分
離した水層中における塩又は塩基の濃度が30質量%以
上、特に40質量%以上となる量使用するのが好適であ
る。そのためには、例えば、原料の使用量から副生する
水の総量を計算し、その全てが加わったときの水層にお
ける塩又は塩基の濃度が30質量%、特に40質量%以
上となるような十分に高い濃度の塩又は塩基の水溶液を
使用すればよい。
【0016】凝縮液と塩又は塩基とを接触させ、水層と
有機層とに分離する方法は特に限定されないが、例え
ば、(1)予め分離器内に所定量の塩又は塩基を含む水
溶液を仕込み、該水溶液中に凝縮液を導入し、自然に両
者を接触させると同時に水層と有機層とに分離し、有機
層のみを反応系に戻す方法、(2)予め所定量の塩又は
塩基を含む水溶液が仕込まれた容器内に凝縮液を導入
し、攪拌混合した後、その一部を連続的に抜き出して分
離器に導入し、静置して分液した後、有機層を反応系
に、水層を凝集液と塩又は塩基とを接触させる上記容器
内に戻す方法等によって好適に行なうことができる。
有機層とに分離する方法は特に限定されないが、例え
ば、(1)予め分離器内に所定量の塩又は塩基を含む水
溶液を仕込み、該水溶液中に凝縮液を導入し、自然に両
者を接触させると同時に水層と有機層とに分離し、有機
層のみを反応系に戻す方法、(2)予め所定量の塩又は
塩基を含む水溶液が仕込まれた容器内に凝縮液を導入
し、攪拌混合した後、その一部を連続的に抜き出して分
離器に導入し、静置して分液した後、有機層を反応系
に、水層を凝集液と塩又は塩基とを接触させる上記容器
内に戻す方法等によって好適に行なうことができる。
【0017】本発明の製造方法によれば、反応原料であ
るケトン化合物やアミン化合物が前記共沸組成物ととも
に蒸発しても、確実に凝縮液が水層と有機層に分離さ
れ、これら原料が反応系内に戻されると同時に副生する
水を反応系内から除去することができ、縮合反応を完結
させることができ、用いたケトン化合物及びアミン化合
物に応じたシッフ塩基を高収率で得ることができる。例
えば、R1C(=O)R2で示されるケトン化合物とH2
NR3で示されるアミン化合物を反応させた場合には、
R1C(R2)=NH2R3で示されるシッフ塩基を得るこ
とができる。なお、上記各式に於いて、R1、及R2は、
例えばそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基であ
り、R3は例えばアルキル基又はアルコキシアルキル基
である。
るケトン化合物やアミン化合物が前記共沸組成物ととも
に蒸発しても、確実に凝縮液が水層と有機層に分離さ
れ、これら原料が反応系内に戻されると同時に副生する
水を反応系内から除去することができ、縮合反応を完結
させることができ、用いたケトン化合物及びアミン化合
物に応じたシッフ塩基を高収率で得ることができる。例
えば、R1C(=O)R2で示されるケトン化合物とH2
NR3で示されるアミン化合物を反応させた場合には、
R1C(R2)=NH2R3で示されるシッフ塩基を得るこ
とができる。なお、上記各式に於いて、R1、及R2は、
例えばそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基であ
り、R3は例えばアルキル基又はアルコキシアルキル基
である。
【0018】このようにして得られたシッフ塩基は、例
えば、蒸留、再結晶、シリカゲルクロマトカラム等によ
って単離することができる。
えば、蒸留、再結晶、シリカゲルクロマトカラム等によ
って単離することができる。
【0019】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するため、以下
に実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
に実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0020】実施例1 N−(1−フェニル−2、2−ジメチル)エチリデン−2
−エトキシエチルアミンの製造 40質量%水酸化ナトリウム水溶液60gを入れた内容
量100mlのDean-Starkを付けた1L(リットル)の
フラスコに、トルエン300ml、エトキシエチルアミ
ン100g、イソブチロフェノン110g並びにパラト
ルエンスルホン酸1水和物0.1gを入れ、6時間加熱
還流させた後、反応溶液を減圧濃縮して、目的物156
g(純度99.3質量%、収率95%、但し収率は原料
ケトン化合物のモル数基準である。以下、同じ。)を得
た。 なお、該反応では、副生した水はトルエンと共沸
し、Dean-Stark内で凝縮させた後、前記水酸化ナトリウ
ム水溶液と接触して該水溶液中に取り込まれ、分離した
有機層のみが反応系内に戻されている。他の実施例にお
いても、Dean-Stark内では同様の現象が起こっている。
−エトキシエチルアミンの製造 40質量%水酸化ナトリウム水溶液60gを入れた内容
量100mlのDean-Starkを付けた1L(リットル)の
フラスコに、トルエン300ml、エトキシエチルアミ
ン100g、イソブチロフェノン110g並びにパラト
ルエンスルホン酸1水和物0.1gを入れ、6時間加熱
還流させた後、反応溶液を減圧濃縮して、目的物156
g(純度99.3質量%、収率95%、但し収率は原料
ケトン化合物のモル数基準である。以下、同じ。)を得
た。 なお、該反応では、副生した水はトルエンと共沸
し、Dean-Stark内で凝縮させた後、前記水酸化ナトリウ
ム水溶液と接触して該水溶液中に取り込まれ、分離した
有機層のみが反応系内に戻されている。他の実施例にお
いても、Dean-Stark内では同様の現象が起こっている。
【0021】実施例2 N−(1−フェニル−2−エチル)エチリデン−2−エト
キシエチルアミンの製造 40質量%水酸化ナトリウム水溶液60gを入れた内容
量100mlのDean-Starkを付けた1Lのフラスコに、
トルエン300ml、エトキシエチルアミン100g、
プロピオフェノン120g並びにパラトルエンスルホン
酸1水和物0.1gを入れ、7時間加熱還流させた後、
反応溶液を減圧濃縮して、目的物177g(純度99.
2質量%、収率95%)を得た。
キシエチルアミンの製造 40質量%水酸化ナトリウム水溶液60gを入れた内容
量100mlのDean-Starkを付けた1Lのフラスコに、
トルエン300ml、エトキシエチルアミン100g、
プロピオフェノン120g並びにパラトルエンスルホン
酸1水和物0.1gを入れ、7時間加熱還流させた後、
反応溶液を減圧濃縮して、目的物177g(純度99.
2質量%、収率95%)を得た。
【0022】実施例3 N−(1−フェニル−2、2−ジメチル)エチリデン−2
−メトキシエチルアミンの製造 40%水酸化ナトリウム水溶液60gを入れた内容量1
00mlのDean-Starkを付けた1Lのフラスコに、トル
エン300ml、メトキシエチルアミン75g、iso
ーブチロフェノン 110g並びにパラトルエンスルホ
ン酸1水和物 0.01gを入れ、6時間加熱還流させ
た後、反応溶液を減圧濃縮して、目的物146g(純度
99.2質量%、収率95%)を得た。
−メトキシエチルアミンの製造 40%水酸化ナトリウム水溶液60gを入れた内容量1
00mlのDean-Starkを付けた1Lのフラスコに、トル
エン300ml、メトキシエチルアミン75g、iso
ーブチロフェノン 110g並びにパラトルエンスルホ
ン酸1水和物 0.01gを入れ、6時間加熱還流させ
た後、反応溶液を減圧濃縮して、目的物146g(純度
99.2質量%、収率95%)を得た。
【0023】実施例4 N−(1−フェニル−2、2−ジメチル)エチリデン−2
−エトキシエチルアミンの製造 40質量%水酸化ナトリウム水溶液60gを入れた内容
量100mlのDean-Starkを付けた1Lのフラスコに、
トルエン300ml、エトキシエチルアミン100g、
isoーブチロフェノン110gを入れ、7時間加熱還
流させた後、反応溶液を減圧濃縮して、目的物154g
(純度99.1質量%、収率94%)を得た。
−エトキシエチルアミンの製造 40質量%水酸化ナトリウム水溶液60gを入れた内容
量100mlのDean-Starkを付けた1Lのフラスコに、
トルエン300ml、エトキシエチルアミン100g、
isoーブチロフェノン110gを入れ、7時間加熱還
流させた後、反応溶液を減圧濃縮して、目的物154g
(純度99.1質量%、収率94%)を得た。
【0024】比較例1 内容量100mlのDean-Starkを付けた1Lのフラスコ
に、トルエン300ml、エトキシエチルアミン100
g、isoーブチロフェノン110g並びにパラトルエ
ンスルホン酸1水和物0.01gを入れ、6時間加熱還
流させた後、減圧濃縮して、目的物116g(純度8
5.4質量%、収率61%)を得た。
に、トルエン300ml、エトキシエチルアミン100
g、isoーブチロフェノン110g並びにパラトルエ
ンスルホン酸1水和物0.01gを入れ、6時間加熱還
流させた後、減圧濃縮して、目的物116g(純度8
5.4質量%、収率61%)を得た。
【0025】実施例5〜14 ケトン化合物、アミンアミン化合物、塩又は塩基(いず
れも40質量%の水溶液)を表1に示す化合物とした以
外は実施例1と同様な条件下でシッフ塩基を製造した。
結果を表1に示す。
れも40質量%の水溶液)を表1に示す化合物とした以
外は実施例1と同様な条件下でシッフ塩基を製造した。
結果を表1に示す。
【0026】
【表1】 共沸組成物の凝縮液を塩又は塩基と接触させない比較例
1においては、シッフ塩基の収率および純度が低くなっ
ているのに対し、共沸組成物の凝縮液を塩又は塩基と接
触させた実施例においては、何れの場合も収率90%以
上で純度99%以上の高純度シッフ塩基が得られてい
る。
1においては、シッフ塩基の収率および純度が低くなっ
ているのに対し、共沸組成物の凝縮液を塩又は塩基と接
触させた実施例においては、何れの場合も収率90%以
上で純度99%以上の高純度シッフ塩基が得られてい
る。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、副生する水と溶媒とに
よって形成される共沸組成物とともに原料化合物が蒸発
しても、蒸気の凝縮液を水層と有機層とに分離し、有機
層のみを反応系に戻すことができるので、使用する原料
化合物の種類や反応条件に影響されること無く常に高い
収率でシッフ塩基を製造することができる。
よって形成される共沸組成物とともに原料化合物が蒸発
しても、蒸気の凝縮液を水層と有機層とに分離し、有機
層のみを反応系に戻すことができるので、使用する原料
化合物の種類や反応条件に影響されること無く常に高い
収率でシッフ塩基を製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 水と共沸組成を形成する有機溶媒の存在
下にケトン化合物とアミン化合物とを脱水縮合させてシ
ッフ塩基を製造する方法において、副生する水と前記有
機溶媒とを共沸させて反応系外に留出させて凝縮させた
後、得られた凝縮液を塩又は塩基と接触させて該凝縮液
を水層と有機層とに分離し、分離した該有機層を反応系
内に戻しながら前記脱水縮合を行うことを特徴とするシ
ッフ塩基の製造方法。 - 【請求項2】 分離した水層中における塩又は塩基の濃
度が30質量%以上となるように凝縮液と塩又は塩基と
を接触させることを特徴とする請求項1記載のシッフ塩
基の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000166955A JP2001342167A (ja) | 2000-06-05 | 2000-06-05 | シッフ塩基の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000166955A JP2001342167A (ja) | 2000-06-05 | 2000-06-05 | シッフ塩基の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001342167A true JP2001342167A (ja) | 2001-12-11 |
Family
ID=18670188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000166955A Pending JP2001342167A (ja) | 2000-06-05 | 2000-06-05 | シッフ塩基の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001342167A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007223967A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Konishi Co Ltd | イミン系化合物又はオキサゾリジン系化合物の製造方法 |
-
2000
- 2000-06-05 JP JP2000166955A patent/JP2001342167A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007223967A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Konishi Co Ltd | イミン系化合物又はオキサゾリジン系化合物の製造方法 |
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