JP2001340753A - 反応方法および反応装置 - Google Patents
反応方法および反応装置Info
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Abstract
反応を、回分式に、同時に実施できる方法およびその反
応装置を提供すること。 【解決手段】1または2以上の反応試剤からなる第一反
応試剤群中の任意の第一反応試剤と1または2以上の反
応試剤からなる第二反応試剤群中の任意の第二反応試剤
の微細反応流路内への導入操作と溶媒の該流路内への導
入操作を交互に行ない、該流路内に、少なくとも2以上
の反応相と溶媒相を交互に形成させて反応させる方法お
よび微細反応流路、任意の第一反応試剤と溶媒を交互に
前記流路内に送液する第一送液手段、任意の第二反応試
剤と溶媒を交互に前記流路内に送液する第二送液手段、
第一送液手段と前記流路とを結ぶ第一送液路および第二
送液手段と前記流路を結ぶ第二送液路とからなる反応装
置。
Description
応装置に関する。
合、該標的化合物の最適な合成ルートを迅速に決定する
ことは極めて重要である。かかる標的化合物の最適合成
ルートの設計は、従来研究者の知識、経験、勘等に依存
することが多かったが、近年該合成ルートを提案する手
段として、例えばLHASAプログラムをはじめとする
種々の合成反応に関するコンピュータ・プログラムを用
いるシステムが開発されていることから、該システムを
有効に利用することが、効率的な最適合成ルートの迅速
な決定という点で、重要となってきている。これらのシ
ステムは、標的化合物を入力することにより、該標的化
合物を合成可能な合成ルートが提案されるものである
が、提案されるルート数が100を超える場合も少なく
ない。このようなシステムを用いて、標的化合物の最適
合成ルートを決定する場合には、提案された合成ルート
の中で、どのルートが現実に起こり得るものであるのか
どうかを迅速に検証し、確認することが重要であるが、
これまでのところ、提案されたルートを、簡便、迅速に
検証することができる方法あるいはシステムは知られて
いなかった。
イクロリアクタは、熱交換が効率的であり、急激な発熱
を伴う反応等への適用が可能で、熱的に不安定な化合物
等の合成に有利である、試剤量が少なく、経済的であ
り、廃液発生量が少なく、環境負荷の低減がはかれる、
省スペース化も実現できる等種々の利点を有している。
しかも、同じ反応を大規模プラントで行なった場合とマ
イクロリアクタで行なった場合とでは、後者の方の反応
収率が格段に高いという利点も有している。このような
ことから、マイクロリアクタは、例えば上記したような
多くの合成ルートの検証を迅速に行なう場合に、特に有
効であると考えられるが、これまで提案されているマイ
クロリアクタ(例えば特開平10−337173号公
報、特表平10−507406号公報等)は、ひとつの
反応を連続的に行なうためのものであり、連続流路を用
いて、複数の反応を、回分式に、同時に行なうことので
きるマイクロリアクタは知られてはいなかった。
と、本発明者は、少量の反応試剤で、簡便かつ迅速に複
数の反応を、回分式に、同時に実施できる方法およびそ
の反応装置について鋭意検討し、本発明に至った。
たは2以上の反応試剤からなる第一反応試剤群中の任意
の第一反応試剤と1または2以上の反応試剤からなる第
二反応試剤群中の任意の第二反応試剤とを微細反応流路
中で、断続的に反応させる方法であって、任意の第一反
応試剤と任意の第二反応試剤の該流路内への導入操作と
溶媒の該流路内への導入操作を交互に行ない、該流路内
に、少なくとも2以上の反応相と溶媒相を交互に形成さ
せることを特徴とする反応方法を提供するものであり、
また、1または2以上の反応試剤からなる第一反応試剤
群中の任意の第一反応試剤と溶媒を交互に微細反応流路
内に送液する第一送液手段、1または2以上の反応試剤
からなる第二反応試剤群中の任意の第二反応試剤と溶媒
を交互に微細反応流路内に送液する第二送液手段、微細
反応流路、第一送液手段と微細反応流路とを結ぶ第一送
液路および第二送液手段と微細反応流路を結ぶ第二送液
路とからなることを特徴とする反応装置を提供するもの
である。
詳細に説明する。図1に本発明の一実施の形態にかかる
反応装置の模式図を示し、図2に本発明の別の一実施の
形態にかかる反応装置の模式図を示した。
応試剤からなる第一反応試剤群6中の任意の第一反応試
剤と1または2以上の反応試剤からなる第二反応試剤群
7中の任意の第二反応試剤を該反応流路5内に導入する
操作と溶媒8を該反応流路5内に導入する操作を交互に
行ない、該反応流路5内に、少なくとも2以上の第一反
応試剤と第二反応試剤が接触してできる反応相9と溶媒
相10とを交互に形成させて、断続的に反応を実施する
ものである。したがって、微細反応流路5内に、2以上
の反応相と溶媒相が形成されるため、複数の反応を同時
併行的に行なうことができる。しかも、反応が起こる反
応相が連続することなく、溶媒相が反応相間に存在する
ため、送液した反応試剤による流路の汚れ、反応相への
他試剤の混入等を避けることができる。
応試剤からなる第一反応試剤群6中の任意の第一反応試
剤と溶媒8を交互に微細反応流路5内に送液する第一送
液手段1、1または2以上の反応試剤からなる第二反応
試剤群7中の任意の第二反応試剤と溶媒8を交互に微細
反応流路5内に送液する第二送液手段2、微細反応流路
5、第一送液手段1と微細反応流路5とを結ぶ第一送液
路3および第二送液手段2と微細反応流路5を結ぶ第二
送液路4とからなる。
たは2以上の反応試剤および溶媒を切替えて送液するこ
とができるものであれば特に限定されない。かかる送液
手段としては、例えばシリンジ型微量ポンプ、ダイアフ
ラム型微量ポンプ、プランジャー型微量ポンプ等の微量
ポンプ、エレクトロハイドロダイナミックポンプ等が挙
げられる。また、電気浸透法を利用して反応試剤等を送
液してもよいし、電気泳動ポンプを使用して送液しても
よい。
が、層流となるよう設定され、微細反応流路5内の流れ
のレイノルズ数が通常2000以下、好ましくは100
0以下となるよう、微細反応流路5のサイズに応じて決
定される。
は、任意の第一反応試剤と任意の第二反応試剤の該流路
内への導入操作と溶媒の該流路内への導入操作を交互に
行ない、微細反応流路5内に、少なくとも2以上の反応
相と溶媒相が交互に形成されるよう運転される。そのた
め、かかる第一送液手段1、第二送液手段2は、例えば
送液制御装置等により制御されることが好ましい。
一反応試剤から構成され、かかる第一反応試剤の種類は
特に制限されない。第一反応試剤は、通常単一成分であ
るが、混合しても反応しない2以上の成分が混合された
混合物であってもよい。第一反応試剤が固体や粘性の高
い液体の場合には、後述する溶媒8に溶解させて溶液と
して用いればよい。もちろん第一反応試剤が送液手段に
より容易に送液可能な粘性の低い液体の場合に、後述す
る溶媒8が第一反応試剤に混合されていても何ら問題な
い。第二反応試剤群7についても、第一反応試剤群と同
様である。
あればよく、例えば水、メタノール等のアルコール系溶
媒等、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン等
の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトニトリル等のニトリル
系溶媒等が挙げられる。
れないが、実用的には5〜15cmである。該反応流路
5の形状は特に制限されず、例えば管状であってもよい
し、例えばシリコン基板上にエッチングにより形成した
溝状でもよい。溝状の場合、その上部をガラス製部材等
でカバーしておくことが好ましい。
く、円形、正方形に代表される多角形、楕円形、半円
形、半楕円形等任意の形状が選ばれる。該反応流路5の
断面の面積は、通常1mm2以下であり、その下限は特
になく、該反応流路5内を第一反応試剤等の反応試剤お
よび溶媒が少なくとも流れればよく、反応試剤、溶媒の
粘度等に応じて、適宜決定すればよい。
該反応流路5内の反応の様子等の視覚による観察、CC
Dカメラ等による光学的な観察等が行なえるように、透
明部材で形成されることが好ましい。
熱手段および/または冷却手段を該反応流路5に設けて
もよく、加熱手段としては、例えばレーザー光照射によ
る加熱、導電性コイル等による誘導加熱、誘電加熱等が
挙げられる。冷却手段としては、例えば冷媒による冷
却、ペルチエ素子による電子冷却等が挙げられる。かか
る加熱手段および/または冷却手段も、パーソナルコン
ピュータ等の制御装置で制御することが実用的である。
合は、反応相9を微細反応流路5外へ取り出して分析し
てもよいし、該反応相9を取り出すことなく、該反応流
路5内で分析してもよい。前者の場合、図2に示すよう
に、微細反応流路5に、反応相9を取り出す反応相取出
し口11が設けられる。該取出し口11は、微細反応流
路5の側壁に設けてもよいが、第一反応試剤および第二
反応試剤は、微細反応流路5内を層流で流れ、その反応
は、第一反応試剤と第二反応試剤とが接触する界面で主
に起こるため、該反応相9の第一反応試剤と第二反応試
剤の界面付近に取出し口11の一方の端を位置させるこ
とが好ましい。該取出し口11から取り出された反応相
9は、別途分析手段により分析してもよいし、該取出し
口11に分析手段を接続しておき、接続された分析手段
に送り、分析してもよい。分析手段も制御装置で制御す
ることが実用的である。
応試剤とが反応したかどうか、もしくは反応して生成す
る化合物の有無を検出できる手段であれば、どんな手段
であってもよく、例えばガスクロマトグラフィ、液体ク
ロマトグラフィ等のクロマトグラフィ、例えばLC−M
S、TOF−MS等の質量分析手段、例えばLC−NM
R、キャピラリー分離NMR等の核磁気共鳴分析手段、
例えばIR等の赤外分光分析手段、例えばLC−MS/
NMR等の前記各種分析手段を複数組み合わせた分析手
段等が挙げられる。
明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
(A)を、第二送液手段2からフェニルイソシアネート
(B)を、それぞれ微細反応流路5へ導入し、その両者
を反応させて、N−フェニルカルバミン酸エチル(C)
を得る反応系を例にとり、微細反応流路内で十分反応が
進行するかどうかシミュレーションを行なった(米国F
luent社のソフト(FLUENTTM)を用い、有限
体積法に基づき実施した)。
おりとした。微細反応流路5は、その内径が1mmの微
細管とし、エタノール(A)およびフェニルイソシアネ
ート(B)の注入速度を、0.2mm/sとした(エタ
ノール過剰系となる)。また、相互拡散係数は、化学工
学便覧(改訂5版)(丸善,1988年)p.102
図1.70(各種混合有機溶媒系の相互拡散係数)をも
とに、最小値に近い1×10-9m2/sと仮定し、粘度
は、エタノールの20℃における粘度(1.18cP)
を用いた(微細反応流路中の液体の流れは、層流であ
る)。シミュレーションの際のメッシュ(要素)分割図
を図3に示した。
エタノール(A)、フェニルイソシアネート(B)およ
びN−フェニルカルバミン酸エチル(C)の濃度の合流
地点からの距離依存性を、図4に示した。
両者の反応がほぼ完結することがわかる。すなわち、反
応相の長さが20mm程度であれば、エタノールおよび
フェニルイソシアネートの反応が十分進行することにな
るため、微細反応流路5内に、長さが20mm程度の反
応相を複数設けるように、反応試剤の導入量を調整すれ
ば、微細反応流路5内で複数の反応を行なうことが可能
となる。
反応を、同時に実施することができるため、例えば目的
とする標的化合物の最適な合成ルートを、迅速に決定す
る場合等において有利な方法または反応装置といえる。
図である。
模式図であり、レーザー光照射により加熱を行ない、送
液手段と加熱手段を制御装置で制御し、反応相取出し口
を設けた反応装置である。
(要素)分割図である。
タノール(A)、フェニルイソシアネート(B)および
生成物であるN−フェニルカルバミン酸エチル(C)の
微細反応流路内の濃度の距離依存性を示した図である。
Claims (8)
- 【請求項1】1または2以上の反応試剤からなる第一反
応試剤群中の任意の第一反応試剤と1または2以上の反
応試剤からなる第二反応試剤群中の任意の第二反応試剤
とを微細反応流路中で、断続的に反応させる方法であっ
て、任意の第一反応試剤と任意の第二反応試剤の該流路
内への導入操作と溶媒の該流路内への導入操作を交互に
行ない、該流路内に、少なくとも2以上の反応相と溶媒
相を交互に形成させることを特徴とする反応方法。 - 【請求項2】1または2以上の反応試剤からなる第一反
応試剤群中の任意の第一反応試剤と溶媒を交互に微細反
応流路内に送液する第一送液手段、1または2以上の反
応試剤からなる第二反応試剤群中の任意の第二反応試剤
と溶媒を交互に微細反応流路内に送液する第二送液手
段、微細反応流路、第一送液手段と微細反応流路とを結
ぶ第一送液路および第二送液手段と微細反応流路を結ぶ
第二送液路とからなることを特徴とする反応装置。 - 【請求項3】微細反応流路に反応相取出し口を備えた請
求項2に記載の反応装置。 - 【請求項4】反応相取出し口に分析手段が接続された請
求項3に記載の反応装置。 - 【請求項5】微細反応流路内を流れる反応試剤および溶
媒のレイノルズ数が2000以下である請求項1に記載
の反応方法。 - 【請求項6】微細反応流路を流れる反応試剤および溶媒
のレイノルズ数が2000以下である請求項2に記載の
反応装置。 - 【請求項7】微細反応流路の断面積が1mm2以下であ
る請求項1に記載の反応方法。 - 【請求項8】微細反応流路の断面積が1mm2である請
求項2に記載の反応装置。
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