JP2001340022A - トマトの三品種側枝三本仕立苗 - Google Patents

トマトの三品種側枝三本仕立苗

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JP2001340022A
JP2001340022A JP2000163992A JP2000163992A JP2001340022A JP 2001340022 A JP2001340022 A JP 2001340022A JP 2000163992 A JP2000163992 A JP 2000163992A JP 2000163992 A JP2000163992 A JP 2000163992A JP 2001340022 A JP2001340022 A JP 2001340022A
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JP2000163992A
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Sadaichi Sato
貞一 佐藤
Eiji Ichihashi
映二 市橋
Eiji Takaoka
英治 高岡
Haruki Sayama
春樹 佐山
Eiji Ishimura
英二 石村
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Nippon Del Monte Corp
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Nippon Del Monte Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】容積の小さいサイズのポットを用い、少ない培
養土、少ない床面積で、短い育苗時間で、大量に作出す
ることができ、また接木活着率の高いトマトの三品種側
枝三本仕立苗を得る。 【解決手段】二枚の子葉A1、B1、C1及び複数の本
葉A2、B2、C2を有する三品種の穂木苗A、B、C
を、任意の二本の穂木苗と一本の台木苗とに分け、該穂
木苗はその子葉と第一本葉の間及び子葉の直下をそれぞ
れ切断して子葉を有する穂木とし、また該台木苗はその
子葉と第一本葉の間を1箇所切断して子葉を有する摘芯
台木とし、該穂木を該摘芯台木に直列に接木し、該穂木
及び該摘芯台木それぞれ二枚の子葉のうち一方の子葉の
付根を残して他方の付根を切断し、残した付根から側枝
A−2、B−2、C−2を発生させて、側枝を一本づつ
伸長させてトマトの三品種側枝三本仕立苗F1を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、一株で色、形状、
大きさなどの異なる三品種のトマトを多量に収穫できる
接木苗、とくに容積の小さいサイズのポットを用い、少
ない培養土、少ない床面積で、短い育苗時間で、大量に
作出することができ、また接木活着率の高いトマトの三
品種側枝三本仕立苗に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図3に示す如く、かなり成長した
台木苗を用い、この成長点を摘芯し、葉の付根から出る
腋芽をとり葉腋にツマ楊枝で穴をあけ、いろいろな品種
の苗を胚軸の先を尖らせてさし込み、一株に橙、桃、黄
のトマトを成らせることのできるトマト苗の作出法が知
られている(森俊人著「まるごと楽しむトマト百科」社
団法人、農山漁村文化協会、’96年9月20日発行、
第28〜29頁参照)。
【0003】しかし、この方法は台木として、かなり成
長した苗を使用するので、大苗にするための大きなサイ
ズのポットを必要とし、それに伴い培土量が多くなり、
床面積のスペースが広く、育苗期間も長くかかり、また
穂木を台木苗の葉の付根に設けた穴に差し込む場合、差
込穴の幅、深さ加減で台木苗と穂木の密着具合が左右さ
れ、接木活着率が悪い問題を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、容積の小さ
いサイズのポットを用い、少ない培養土、少ない床面積
で、短い育苗時間で、大量に作出することができ、また
接木活着率の高いトマトの三品種側枝三本仕立苗を得る
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、図1に示
すように、三品種のトマト苗(A,B,C)を、それぞ
れ容積の小さなセルを碁盤の目状に並んで有する育苗ト
レイ(a)で別々に大量に育て、そのまま育苗トレイ上
で、子葉及び複数の本葉を有する苗に育苗した。
【0006】そして、これらを任意の二本の穂木苗
(B、C)と、残り一本の台木苗(A)とに分け、該穂
木苗(B,C)はその子葉と第一本葉の間及び子葉の直
下をそれぞれ(d)において切断して子葉を有する穂木
(B−1,C−1)とし、また該台木苗Aはその子葉と
第一本葉の間を(d)において1箇所切断して子葉を有
する摘芯台木(A−1)とし、該穂木(B−1,C−
1)を該摘芯台木(A−1)に直列に接木し、該穂木及
び該摘芯台木それぞれ二枚の子葉の付根から側枝(A−
2,A−3)、(B−2,B−3)、(C−2,C−
3)発生させ、伸長させた。
【0007】一方また、図2に示すように、二枚の子葉
及び複数の本葉を有する三品種の穂木苗(A,B,C)
と、これとは別に育苗した台木苗(D)を用意し、該穂
木苗の子葉(A1,B1,C1)と第一本葉(A2,B
2,C2)の間及び子葉(A1,B1,C1)の直下を
それぞれdにおいて切断して子葉を有する穂木(A−
1,B−1,C−1)とし、また該台木苗(D)は、そ
の子葉と第一本葉の間をdにおいて一箇所切断して子葉
を有する摘芯台木(D−1)とし、該穂木(A−1,B
−1,C−1)を台木(D−1)に直列に接木し、該穂
木及び該摘芯台木それぞれ二枚の子葉の付根から側枝
(A−2,A−3)、(B−2,B−3)、(C−2,
C−3)を発生させ、伸長させた。
【0008】そして、このように処理することにより、
一株のトマト苗で三品種の果実、例えば赤トマト、黄色
トマト及び橙トマトが成るトマト苗が簡便に、効率良
く、しかも大量生産できることを知った。また育苗トレ
イ上で接木ができるので接木の効率が高く、またキュウ
リモザイクウイルスの弱毒ウイルスを接種しようとする
場合、穂木苗及び台木苗のうち一つの苗に接種するだけ
でよいので、該弱毒ウイルスは通常の接木苗作成の1/
3又は1/4の使用量で済み、さらに狭いガーデンでの
菜園であっても一株で三品種の果実を得ることができ、
さらに菜園の彩りを鮮やかにすることができるトマトの
三品種側枝三本仕立苗を提供できることを知った。
【0009】しかし、接木苗のそれぞれの穂木の二枚の
子葉の付根から側枝(A−2,A−3)、(B−2,B
−3)、(C−2,C−3)を発生させるときは、果実
の大きさが不揃いで、平均的に小さく(小玉が多い)、
株毎に収量がバラツキ、高品位のトマトが得られない問
題点を有することが判明した。そこで、本発明者らは、
このように問題点を解消するため更に検討を重ねた結
果、遂に本発明を完成した。
【0010】即ち本発明は、二枚の子葉及び複数の本葉
を有する三品種の穂木苗を、任意の二本の穂木苗と一本
の台木苗とに分け、該穂木苗はその子葉と第一本葉の間
及び子葉の直下をそれぞれ切断して子葉を有する穂木と
し、また該台木苗はその子葉と第一本葉の間を1箇所切
断して子葉を有する摘芯台木とし、該穂木を該摘芯台木
に直列に接木し、該穂木及び該摘芯台木それぞれ二枚の
子葉のうち一方の子葉の付根を残して他方の付根を切断
し、残した付根から側枝を発生させて、側枝を一本づつ
伸長させてなるトマトの三品種側枝三本仕立苗である。
【0011】また本発明は、二枚の子葉及び複数の本葉
を有する三品種の穂木苗と、台木苗を使用し、該穂木苗
の子葉と第一本葉の間及び子葉の直下をそれぞれ切断し
て子葉を有する穂木とし、これらを該台木苗に直列に接
木し、それぞれ穂木の二枚の子葉のうち一方の子葉の付
根を残して他方の付根を切断し、残した付根から側枝を
発生させて、側枝を一本づつ伸長させてなるトマトの三
品種側枝三本仕立苗である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づき本発
明のトマトの三品種側枝三本仕立苗の作出法を具体的に
説明する。
【0013】図1は、本発明のトマトの三品種側枝三本
仕立苗の作出法を示す概略説明図、図2は別の作出法を
示す概略図である。本発明において、トマトの品種の組
合せとしては、果実の色、形状、大きさ、又は熟する時
期などを異にする少なくとも三つの品種の組合せなどが
挙げられる。
【0014】(播種、接木苗の育成操作)図1におい
て、赤色トマト、黄色トマト及び橙色トマトのそれぞれ
の種を、床土を充填したセル状の穴を有するそれぞれの
育苗トレイ(a)に播種して、それぞれ赤色トマト穂木
苗A、黄色トマト穂木苗B及び橙色トマト穂木苗Cを育
成した。育苗トレイ(a)は38穴〜288穴の規格で
よいが、128穴〜200穴規格のトレイが苗の生育、
育苗スペース、接木の作業効率などの面から好ましい。
育苗トレイ(a) は三品種とも同じ規格のものを用い
ることがそれぞれの苗の生育を均等にする上で望まし
い。三品種の穂木苗(A,B,C)の生育ステージが本
葉2.0〜4.0枚期で、子葉(A1,B1,C1)上
の茎径が1〜3mmで、該子葉と第一本葉(A2,B
2,C2)との節間長が0.5〜2.0cmになったら
接木を行う。接木支持具Gはチューブ(スリーブ)及び
ピンなどが上げられるが、これらの支持具を用いた接木
の仕方にこだわるものではない。なお、本実施例では接
木支持具Gは、チュ−ブ型のナスニックス社製のス−パ
−ウイズ17を用いた。
【0015】(弱毒ウイルスの接種操作)穂木苗の生育
ステージが本葉0.5枚以上の生育期(本実施例では、
本葉1.5枚、播種後25日目)になったら、任意の穂
木苗のうち、いずれか一つの品種の穂木苗(例えばA)
の葉面に、キユウリモザイクウイルスの弱毒ウイルス液
(ワクチン)(J)を噴霧器(K)などを用いて付着さ
せ、その上からローラー(図面簡略のため図示せず)で
擦り、該弱毒ウイルスを接種する(特許第290859
4号参照)。あるいはその他の方法により、Aの穂木苗
に弱毒ウイルスを接種する。
【0016】Aの穂木苗のみに接種しても、接木後弱毒
ウイルスは苗全体に移行し、弱毒ウイルス感染苗とな
る。したがって、B及び/又はCの穂木苗へ予め弱毒ウ
イルスを接種する操作は不要となる利点を有する。
【0017】(接木操作)図1において、赤色トマト穂
木苗A、黄色トマト穂木苗B及び橙色トマト穂木苗Cの
三株のトマト穂木苗を、任意の二株の穂木苗(B,C)
と、残り1株の台木苗Aとに分け、該穂木苗(B,C)
はその子葉(B1,C1)と第一本葉(B2,C2)の
間及び子葉(B1,C1)の直下を、破線で示す部位d
でそれぞれ切断して、子葉を有する穂木(B−1,C−
1)を得た。一方該台木苗Aは子葉A1と第一本葉A2
の間において、子葉A1の少し上の茎を、破線で示す部
位dで切断して苗を二つに分け、切断面から自根部まで
を摘芯台木(A−1)とし、切断面から上側は使用する
ことなく廃棄した。そして前記該穂木(B−1,C−
1)を該下摘芯台木(A−1)に直列に接木した。そし
て、接木苗E−1を作成した。
【0018】(接木後の養生)接木が完了したら直ちに
その接木苗E−1を育苗トレイごと、湿度93〜98
%、温度27℃〜30℃、薄曇り条件のもと3〜6日間
養生する(本実施例では湿度95%、温度25〜34
℃、薄曇りの条件のもと、5日間養成)。その後直射日
光の当たらない場所に育苗トレイを移して徐々に外気に
馴らす操作、順化処理(詳細は特開平10−32312
4参照)を約1週間行う。
【0019】(最上段部の摘芯)なお、穂木のうち最上
段部(図1において穂木苗Cの場合)の摘芯は、接木の
前が好ましいが、接木中又は順化の時期におこなっても
よい。しかし、順化の時期を過ぎて摘芯を行うときは、
摘芯台木(A−1)及び穂木(B−1)の子葉の付根か
らの側枝(A−2,A−3)、(B−2,B−3)の発
生が遅れ、生育のバランスが悪くなるので好ましくな
い。
【0020】本発明においてこの最上段部の穂木の摘芯
は、重要であって、摘芯を行わないときは、それより下
段の穂木の子葉の付根から側枝が発生しないか、又は発
生してもこの側枝は十分に成長することはない。したが
って、ここから発生する側枝からは品質の良好な果実を
収量よく収穫することは期待できない。
【0021】(子葉のそれぞれの付根からの側枝の伸
長)このように、最上段の穂木(C−1)の摘芯を行な
うと、該穂木(C−1)、それより下段の穂木(B−
1)及び摘芯台木(A−1)のそれぞれ二枚の子葉(C
1,B1,A1)の付根から側枝が発生するので、該穂
木(C−1,B−1)及び該台木(A−1)それぞれ2
枚の子葉のうち一方の子葉の付根を残して他方の子葉の
付根(腋芽)、例えば(A−3,B−2,C−3)を切
断し、残した子葉の付根から側枝(A−2,B−3,C
−2)を発生させて、該側枝を一本づつ伸長させる。
【0022】本発明において、2枚の子葉のうち一方の
子葉の付根を残して他方の子葉の付根(腋芽)を切断す
ることは、重要であって、接木苗E−1のそれぞれの穂
木の二枚の子葉の付根から側枝(C−2,C−3)、
(B−2,B−3)、(A−2,A−3)を発生させる
ときは、果実の大きさが不揃いで、平均的に小さく(小
玉が多い)、株毎に収量がバラツキ、高品位のトマトが
得られない。なお、図2の接木苗E−2においては、台
木(D)の二枚の子葉及びその付根から生じる側枝(腋
芽)は切断することとする。
【0023】(通常の育苗管理)このように播種、穂木
苗の育成、弱毒ウイルスの接種、接木、養生及び摘芯な
どを行い通常の育苗管理を行って生育させ、接木から約
10〜20日後、育苗トレイの穴に根鉢を形成したら、
床土を詰めたポリポットなどの移植鉢に植え換える。鉢
上げ後通常の温度、水管理などを行い鉢上げ苗を育苗管
理を行いトマトの三品種側枝三本仕立苗(F−1)(図
1参照)又は(F−2)(図2参照)を得る。なお、鉢
上げ用ポリポットは9〜12cmサイズが一般的であ
る。
【0024】
【実施例】
【0025】実施例1 (穂木苗の育成)図1において、Aを赤色トマトとし、
Bを黄色トマトとし、Cを橙色トマトとし、aを床土を
充填した128のセル状の孔を有する育苗トレイとし
て、通常の穂木苗の育苗方法に従い、育苗管理した。
【0026】(弱毒ウイルスの接種)苗の生育ステ−ジ
が、本葉1.5枚(播種後25日)の時期に、赤色トマ
トの葉面にキユウリモザイクウイルス弱毒ウイルス液
(ワクチン)(J)を噴霧器(K)により付着させ、そ
の上からロ−ラ−で擦り、該弱毒ウイルスを接種した
(特許第2908594号参照)。
【0027】播種後35日育成して、接木に好適な、子
葉及び複数の本葉を有し、接木に適した穂木苗を育苗し
た。この穂木苗は、生育ステージが本葉4.0枚期で、
子葉(A1,B1,C1)上の茎径が約2mmで、該子
葉と第一本葉(A2,B2,C2)との節間長が1.5
〜2.0cmで、通常の接木支持具を用いて接木を行な
う場合、支障のない大きさであった。
【0028】(接木操作)赤色トマト穂木苗A、黄色ト
マトB及び橙色トマトCの三本のトマト苗を、任意の二
本の穂木苗(B,C)と、残り1本の台木苗Aとに分
け、該穂木苗(B,C)はその子葉(B1,C1)と第
一本葉(B2,C2)の間及び子葉(B1,C1)の直
下を、破線で示す部位dでそれぞれ切断して、子葉を有
する穂木(B−1,C−1)とした。一方該台木苗Aは
子葉A1と第一本葉A2の間において、子葉A1の少し
上の茎を、破線で示す部位dで切断して苗を二つに分
け、切断面から自根部までを摘芯台木(A−1)とし、
切断面から上側は使用することなく廃棄した。そして前
記該穂木(B−1,C−1)を該下摘芯台木(A−1)
に直列に接木し、接木苗E−1を得た。
【0029】(接木後の養成、馴化処理)接木が完了し
たら直ちにその接木苗を育苗トレイごと湿度95%、温
度27〜32℃、薄曇りの条件のもと、5日間養成し
た。その後直射日光の当たらない場所に育苗トレイを移
して除々に外気に馴らす操作、馴化処理(特開平10−
323124参照)を約一週間行い、苗が根鉢を形成し
たので、床土を詰めた9cmポリポットに苗を移し換
え、通常の育苗管理を行なった。
【0030】本実施例では、最上段の穂木(C−1)の
摘芯が接木時に行なわれているためう、該穂木(C−
1)、それより下段の穂木(B−1)及び摘芯台木(A
−1)のそれぞれ二枚の子葉(C1,B1,A1)の付
根から側枝(C−2,C−3)、(B−2,B−3)、
(A−2,A−3)が発生するが、該穂木(C−1,B
−1)及び該台木(A−1)それぞれ2枚の子葉のうち
一方の子葉の付根を残して他方の子葉の付根(腋芽)
(A−3,B−2,C−3)を切断し、残した子葉の付
根から側枝(A−2,B−3,C−2)を発生させて、
該側枝を一本づつ伸長させた。こうして本発明のトマト
の三品種側枝三本仕立苗を得た。
【0031】こうして、容積の小さいサイズのポットを
用い、少ない培養土、少ない床面積で、幼苗期に育苗ト
レイ上で短い育苗時間で、接木活着率の高いトマトの三
品種側枝三本仕立苗F−1を得ることができた。
【0032】実施例2 図2において、Aを赤色トマトとし、Bを黄色トマトと
し、Cを橙色トマトとし、また台木苗Dを新メイト(サ
カタのタネ社製)とし、aを床土を充填した128のセ
ル状の孔を有する育苗トレイとして、通常の穂木苗の育
苗方法に従い、育苗管理した。
【0033】(弱毒ウイルスの接種)苗の生育ステ−ジ
が、本葉1.5枚(播種後25日)の時期に、台木Dの
葉面にキユウリモザイクウイルス弱毒ウイルス液(ワク
チン)(J)を噴霧器(K)により付着させ、その上か
らロ−ラ−で擦り、該弱毒ウイルスを接種した(特許第
2908594号参照)。
【0034】播種後35日育成して、接木に好適な、子
葉及び複数の本葉を有し、接木に適した穂木苗及び台木
苗を育苗した。この穂木苗及び台木苗は、生育ステージ
が本葉4.0枚期で、子葉(A1,B1,C1)上の茎
径が約2mmで、該子葉と第一本葉(A2,B2,C
2)との節間長が1.5〜2.0cmで、通常の接木支
持具を用いて接木を行なう場合、支障のない大きさであ
った。
【0035】(接木操作)赤色トマト穂木苗A、黄色ト
マトB及び橙色トマトCの三本のトマト苗を、その子葉
(A1,B1,C1)と第一本葉(A2,B2,C2)
の間及び子葉(A,B1,C1)の直下を、破線で示す
部位dでそれぞれ切断して、子葉を有する穂木(A−
1,B−1,C−1)とした。一方該台木苗Dは子葉D
1と第一本葉D2の間において、子葉D1の少し上の茎
を、破線で示す部位dで切断して苗を二つに分け、切断
面から自根部までを摘芯台木(D−1)とし、切断面か
ら上側は使用することなく廃棄した。そして前記該穂木
(A−1,B−1,C−1)を該摘芯台木(D−1)に
直列に接木し、接木苗E−2を得た。
【0036】(接木後の養成、馴化処理)接木が完了し
たら直ちにその接木苗を育苗トレイごと湿度95%、温
度27〜32℃、薄曇りの条件のもと、5日間養成し
た。その後直射日光の当たらない場所に育苗トレイを移
して除々に外気に馴らす操作、馴化処理(特開平10−
323124参照)を約一週間行い、苗が根鉢を形成し
たので、床土を詰めた9cmポリポットに苗を移し換
え、通常の育苗管理を行なった。
【0037】本実施例では、最上段の穂木(C−1)の
摘芯が接木時に行なわれているためう、該穂木(A−
1,B−1,C−1)のそれぞれ二枚の子葉(A1,B
1,C1)の付根から側枝(A−2,A−3)、(B−
2,B−3)、(C−2,C−3)が発生するが、該穂
木(C−1,B−1)及び該台木(A−1)それぞれ2
枚の子葉のうち一方の子葉の付根を残して他方の子葉の
付根(腋芽)(A−3,B−2,C−3)を切断し、残
した子葉の付根から側枝(A−2,B−3,C−2)を
発生させて、該側枝を一本づつ伸長させる。なお、台木
Dの二枚の子葉の付根は切断して側枝を発生させなかっ
た。こうして、容積の小さいサイズのポットを用い、少
ない培養土、少ない床面積で、幼苗期に育苗トレイ上で
短い育苗時間で、接木活着率の高いピ−マンの多品種側
枝多本仕立苗F−2を得ることができた。
【0038】
【本発明の効果】本発明は、容積の小さいサイズのポッ
トを用い、少ない培養土、少ない床面積で、幼苗期に育
苗トレイ上で短い育苗時間で作出することができ、また
接木活着率の高いトマトの三品種側枝三本仕立苗を得る
ことができる。例えば一株で赤トマト、黄色トマト及び
橙トマトが収穫できるトマト苗が簡便に、効率良く、し
かも大量生産できる。あるいは、一株で普通の大玉赤色
トマトと小玉赤色トマト(ミニトマト)、小玉黄色トマ
ト(同)が収穫できるトマト苗を得ることができる。ま
た育苗トレイ上で接木ができるので接木の効率が高く、
キュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスは穂木苗及び
台木苗のうち、一つの苗のみに接種するので該弱毒ウイ
ルスは、通常の接木苗作成の1/3又は1/4の使用量
で済みコストが軽減される利点を有する。また狭い菜園
であっても、一株の苗で三品種のカラートマトが多量に
収穫できるので、菜園の彩りを鮮やかにすることができ
る。最近、ガーデニングブームを反映し、黄色、赤色、
橙色の大玉トマトや小玉トマトをそれぞれ別々に栽培
し、ガーデンの彩りを楽しむ、家庭菜園愛好家が増えて
いるが、本発明はこれらの愛好家の期待に十分応えるも
のと思われる。また、一般に普及している育苗トレイ幼
苗接木方法の接木支持具、育苗トレイをそのまま用いて
トマトの三品種側枝三本仕立苗を得ることができる利点
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトマトの三品種側枝三本仕立苗の作出
方法を示す概略説明図である(実施例1)。
【図2】本発明の別のトマトの三品種側枝三本仕立苗の
作出方法を示す概略説明図である(実施例2)。
【図3】1株で三品種のトマトが収穫できる、トマト苗
の作出方法を示す概略説明図である(従来法)。
【符号の説明】
a…育苗トレイ A…穂木苗 A1…子葉 A2…第一本葉 A−1…穂木(摘芯台木) A−2…側枝 A−3…側枝 B…穂木苗 B1…子葉 B2…第一本葉 B−1…穂木 B−2…側枝 B−3…側枝 C…穂木苗 C1…子葉 C2…第一本葉 C−1…穂木 C−2…側枝 C−3…側枝 D…台木苗 D1…子葉 D−1…摘芯台木 E−1…接木苗(実施例1) E−2…接木苗(実施例2) F−1…トマトの三品種側枝三本仕立苗(実施例1) F−2…トマトの、別の三品種側枝三本仕立苗(実施例
2) G…接木支持具 J…キユウリモザイクウイルス弱毒ウイルス液 K…噴霧器 d…切断部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐山 春樹 東京都中央区日本橋小網町4番13号 日本 デルモンテ株式会社内 (72)発明者 石村 英二 東京都中央区日本橋小網町4番13号 日本 デルモンテ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二枚の子葉及び複数の本葉を有する三品種
    の穂木苗を、任意の二本の穂木苗と一本の台木苗とに分
    け、該穂木苗はその子葉と第一本葉の間及び子葉の直下
    をそれぞれ切断して子葉を有する穂木とし、また該台木
    苗はその子葉と第一本葉の間を1箇所切断して子葉を有
    する摘芯台木とし、該穂木を該摘芯台木に直列に接木
    し、該穂木及び該摘芯台木それぞれ二枚の子葉のうち一
    方の子葉の付根を残して他方の付根を切断し、残した付
    根から側枝を発生させて、側枝を一本づつ伸長させてな
    るトマトの三品種側枝三本仕立苗。
  2. 【請求項2】二枚の子葉及び複数の本葉を有する三品種
    の穂木苗と、台木苗を使用し、該穂木苗の子葉と第一本
    葉の間及び子葉の直下をそれぞれ切断して子葉を有する
    穂木とし、これらを該台木苗に直列に接木し、それぞれ
    穂木の二枚の子葉のうち一方の子葉の付根を残して他方
    の付根を切断し、残した付根から側枝を発生させて、側
    枝を一本づつ伸長させてなるトマトの三品種側枝三本仕
    立苗。
  3. 【請求項3】使用する穂木苗が、本葉2〜3枚期の幼苗
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれ
    かに記載のトマトの三品種側枝三本仕立苗。
  4. 【請求項4】三品種の穂木苗が、相互に果実色を異にす
    る穂木苗の組合せである請求項1〜請求項3のいずれか
    に記載のトマトの三品種側枝三本仕立苗。
  5. 【請求項5】最上段にもってくる穂木苗の子葉と第一本
    葉の間の切断を接木前、接木中又は順化の時期に行って
    得られる請求項1〜請求項4のいずれかに記載のトマト
    の三品種側枝三本仕立苗。
  6. 【請求項6】穂木苗及び台木苗のうち少なくとも一品種
    の苗が、キユウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスを接
    種したものである請求項1〜請求項5のいずれかに記載
    のトマトの三品種側枝三本仕立苗。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011167095A (ja) * 2010-02-17 2011-09-01 Toyohide Terada バラの接ぎ木方法
JP2014030368A (ja) * 2012-08-01 2014-02-20 Sakata Seed Corp 新規トマト多本仕立接木苗及びその作成方法

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