JP2001339837A - ワイヤハーネス巻取装置の組立方法および組立治具 - Google Patents
ワイヤハーネス巻取装置の組立方法および組立治具Info
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Abstract
イヤハーネス巻取装置の組立方法とその組立治具を提供
する。 【解決手段】 たとえば自動車のラゲージドアの開閉扉
動作にワイヤハーネス20を追従させて必要な長さだけ
巻取ケースから自在に引き出したり、巻き戻す場合、巻
取ケースに出入りする部分の長さのワイヤハーネス20
の電線束21に保護チューブ22を被せる。その際、電
線通し治具30に各電線を束ねた状態で保持させ、電線
通し治具30を保護チューブ22に針通しのごとくに挿
通させる。また、上記巻取ケースはケース本体12,ケ
ース蓋13,巻取ドラム14、そして巻取ばねなどから
なり、それら各部材の組立時にワイヤハーネス20を各
部材に絡ませながら収容する。その場合、ケース本体1
2とケース蓋13を分解状態でケース仮組み治具40上
の隣り合わせ位置に位置決めしておく。
Description
電線・ケーブルなどハーネス類を繰り出しかつ巻き取る
ワイヤハーネス巻取装置の組立方法と組立治具に関す
る。
引き出し、巻き戻して収容できるようにした巻取装置と
して、たとえば特開平9−84244号公報に記載のケ
ーブル巻き取り機構ほか、本願出願人によって特開平1
1−116145号公報に記載のフラットケーブル巻取
装置を含む多くの提案がなされている。
に開示された技術やこれまで製品化されてきたその種の
巻取装置にあっては、共通する次の問題点がある。
巻取ドラムが回転自在に軸支され、ばねの力で電線・ケ
ーブルなどのハーネスを巻き取って収容した状態から、
ばね力に抗してハーネスを必要な長さだけ引き出すよう
に構成されている。その場合、巻取ケースが大型化や肥
大化するのを抑えながら、ハーネスの引き出し長さは極
力長くといった要望を実現するために、装置内の構成や
部品に様々な工夫が凝らされている。そのため、ますま
す部品点数や組立工程が増加し、組立作業が複雑で熟練
を要するものとなってきている。
業に併せてハーネスを巻取ドラムに巻き取らせ、その状
態で巻取ケースに組み込んでハーネス端部を引き出した
形にするまでのハーネス組み込み作業は非常に手間を要
し、作業工数を増加させるひとつのネックとなってい
る。
軽減して生産性を高めるためのワイヤハーネス巻取装置
の組立方法とその組立治具を提供することにある。
に、本発明にかかる請求項1に記載のワイヤハーネス巻
取装置の組立方法は、複数本の電線からなるワイヤハー
ネス20を巻き取りかつ長く引き出し可能に収容する巻
取ケース11がケース本体12およびケース蓋13を有
し、またケース内部に巻取ドラム14および巻取ばね1
5が備わっており、構造本体に固定された巻取ケース1
1から引き出したワイヤハーネス20の一端側をその構
造本体に電気的に接続し、また巻取ケース11から引き
出したワイヤハーネス20の他端側を可動体に電気的に
接続して、構造本体に対して可動体が開閉扉動作する場
合に、開扉動作に追従してワイヤハーネス20の他端側
が巻取ばね15に抗して長く引き出されるようになって
おり、この引き出される部分のワイヤハーネス20の他
端側が保護チューブ22に挿通して保護されているワイ
ヤハーネス巻取装置10を組み立てるにあたり、前記ワ
イヤハーネス20の他端側における各電線を電線通し治
具30に保持させ、その電線保持状態の電線通し治具3
0を前記保護チューブ22に挿通させることにより、各
電線を保護チューブ22に挿通させた状態にするととも
に、その保護チューブ22の一端側を前記巻取ドラム1
4に結合させてつなぐハーネス・ドラム仮止め工程と、
前記巻取ケース11を形成するケース本体12とケース
蓋13を分解状態でケース仮組み治具40上の隣り合う
位置に位置決めしてセットする一方で、前記ハーネス・
ドラム仮止め工程でつながれた前記ワイヤハーネス20
と前記巻取ドラム14を前記ケース本体12に組み込
み、かつそのワイヤハーネス20を前記ケース蓋13ま
で引き回した後、ケース蓋13をケース本体12に結合
して組立後の巻取ケース11からワイヤハーネス20の
一端側と他端側を引き出した状態にハーネス・ケース組
立工程と、を含むことを特徴とする。
構造本体を開閉扉動作する可動体との間に配索する場
合、その可動体の開閉扉動作にワイヤハーネス20を追
従させて必要な長さだけ巻取ケース11から自在に引き
出したり、巻き戻す必要がある。ワイヤハーネス20を
そうした巻取ケース11からの引き出し動作や巻き戻し
動作から保護するために、ワイヤハーネス20が巻取ケ
ース11から出入りする部分の長さを保護チューブ22
に通す。ワイヤハーネス20は複数本の電線の電線束2
1からなっており、その電線の一本ずつを保護チューブ
22に挿通させるのでは非常な作業手間がかかる。それ
を能率良く行うため、電線通し治具30を用いて各電線
を束ねた状態で保持させ、そうした電線保持状態の電線
通し治具30を保護チューブ22に針通しのごとくに挿
通させる。
ケース蓋13,巻取ドラム14、そして巻取ばね15な
どからなっているが、それら各部材を結合して組み立て
る際、同時にワイヤハーネス20を各部材に絡ませなが
ら収容する。従来、その種のワイヤハーネス組み込み作
業は面倒で熟練を要するものであったが、巻取ケース1
1の主要部材であるケース本体12とケース蓋13を分
解状態でケース仮組み治具40上の隣り合わせ位置に位
置決めすることで、ワイヤハーネス20の引き回し収容
にかかる作業が非常に円滑で効率的に行える。
取装置の組立方法は、前記ハーネス・ケース組立工程に
おいて、前記ケース仮組み治具40上に前記ケース本体
12が位置決めセットされた状態で、そのケース本体1
2の中心部のドラム回転支軸12aの軸周りに前記巻取
ばね15を仮組状態でセットすることを特徴とする。
て、ケース仮組み治具40上のケース本体12に巻取ば
ね15を仮組状態でセットしておく。それから上記ハー
ネス・ドラム仮止め工程においてワイヤハーネス20側
の保護チューブ22がつながれた状態の巻取ドラム14
をその巻取ばね15の一端部15aに連結する。したが
って、ケース仮組み治具40上では、ケース本体12と
巻取ドラム14の両部材に対して巻取ばね15の連結が
手際良く行える。
取装置の組立方法は、前記ワイヤハーネス20の一端側
を前記保護チューブ22を介して接続する前記構造本体
が自動車のアッパーバックパネル50である場合に、前
記ワイヤハーネス20の他端側を接続する前記可動体が
ラゲージドア51であることを特徴とする。
の具体例として、自動車のアッパーバックパネル50と
ラゲージドア51に適用することができ、生産ライン上
でそれらアッパーバックパネルおよびラゲージドア間に
ワイヤハーネス巻取装置10を後付けで能率的に配索す
ることができる。
イヤハーネス巻取装置の組立治具は、複数本の電線から
なるワイヤハーネス20を巻き取りかつ長く引き出し可
能に収容する巻取ケース11がケース本体12およびケ
ース蓋13を有し、またケース内部に巻取ドラム14お
よび巻取ばね15が備わっており、構造本体に固定され
た巻取ケース11から引き出したワイヤハーネス20の
一端側をその構造本体に電気的に接続し、また巻取ケー
ス11から引き出したワイヤハーネス20の他端側を可
動体に電気的に接続して、構造本体に対して可動体が開
閉扉動作する場合に、開扉動作に追従してワイヤハーネ
ス20の他端側が巻取ばね15に抗して長く引き出され
るようになっており、この引き出される部分のワイヤハ
ーネス20の他端側が保護チューブ22に挿通して保護
されているワイヤハーネス巻取装置10において、電線
通し治具30が、前記ワイヤハーネス20の他端側にお
ける各電線を差し込んで保持する筒形状の集束キャップ
部31を有し、この集束キャップ部31の後部は各電線
を差し込み可能に開口されかつ前部が先細形状に閉じら
れて、この先細前部から前記保護チューブ22に挿通可
能となっており、また集束キャップ部31の後方へ延び
て各電線の差し込みを沿わせてガイドする案内へら部3
3を有してなっていることを特徴とする。
1から引き出されかつ巻き取られる部分のワイヤハーネ
ス20は保護チューブ22に通して保護が図られるが、
その保護チューブ22にワイヤハーネス20の電線束2
1の各電線を一本ずつ通すのでは非常に手間である。し
たがって、各電線を電線通し治具30の集束キャップ部
31に差し込んでまとめて保持させ、そうした電線通し
治具30を針通しのように保護チューブ22に通すこと
で大幅に作業アップさせることができる。
ワイヤハーネス巻取装置の組立治具は、複数本の電線か
らなるワイヤハーネス20を巻き取りかつ長く引き出し
可能に収容する巻取ケース11がケース本体12および
ケース蓋13を有し、またケース内部に巻取ドラム14
および巻取ばね15が備わっており、構造本体に固定さ
れた巻取ケース11から引き出したワイヤハーネス20
の一端側をその構造本体に電気的に接続し、また巻取ケ
ース11から引き出したワイヤハーネス20の他端側を
可動体に電気的に接続して、構造本体に対して可動体が
開閉扉動作する場合に、開扉動作に追従してワイヤハー
ネス20の他端側が巻取ばね15に抗して長く引き出さ
れるようになっており、この引き出される部分のワイヤ
ハーネス20の他端側が保護チューブ22に挿通して保
護されているワイヤハーネス巻取装置10において、ケ
ース仮組み治具40が、前記ケース本体12を内側上側
に向けてはめ込んで位置決めするための位置決め凹部4
2を有し、これに隣り合って前記ケース蓋13を内側上
側に向けてはめ込んで位置決めするための位置決め凹部
43を有し、前記位置決め凹部42の内部適所に前記巻
取ばね15を仮決めするための適宜数の当てピン42a
・・・を設けてなっていることを特徴とする。
治具40上でケース本体12をセットする位置決め凹部
42では、巻取ばね15を仮決めするための当てピン4
2a等を要所要所に点在して設けておくことで、それら
当てピン42a等が貫通した状態のケース本体12の内
側で巻取ばね15を能率良く仮決めできる。
ネス巻取装置の組立方法と組立治具の各実施の形態につ
いて、図面に基づいて詳細に説明する。
巻取装置10を示す組立斜視図と分解斜視図である。ワ
イヤハーネス20は、この場合たとえば複数本の電線を
束ねたり撚ったりした電線束21からなっているもの
で、その電線束全長の一部を保護チューブ22に通した
状態でワイヤハーネス巻取装置10の巻取ケース11に
収容されている。保護チューブ22は、その全長方向の
一端側と他端側の各端部にブラケット23,24が設け
られている。
形などされた円筒形状のケース本体12と、これに凹凸
部同士による弾性嵌合で結合される同じく樹脂製のケー
ス蓋13からなっている。ケース本体12は円筒形状の
内部中心に設けたドラム回転支軸12aを有し、この支
軸周りにはばねガイド板12cなどが設けられ、また円
筒周壁の一部を開口する形で外側に突出した断面コ字形
状のハーネス引き出し口部12bが設けられている。そ
うしたケース本体12を塞ぐケース蓋13は、外部表面
のほぼ中心位置から突出したハーネス固定口部13a
と、外周縁から外側に突出して断面コ字形状のハーネス
引き出し口部13bが設けられている。このハーネス引
き出し口部13bは上記ケース本体12に設けたハーネ
ス引き出し口部12bと上下に合わさって結合される。
さらに、ケース蓋13の中心から外部に突出して軸受部
13cが設けられ、この軸受部13cでは後述の図8
(b)に示すように、止ねじ16でケース本体12に固
定するようになっている。
ーネス20を必要長さだけ引き出し、また巻き戻すため
の巻取ドラム14が収容されている。この巻取ドラム1
4は、ドラム本体を形成する巻取胴14aの中心部に上
記ケース本体12側のドラム回転支軸12aが挿通する
筒状の軸受部14bを有し、上記ケース蓋13側の軸受
部13cとを結ぶ図でいう上下方向の垂直線を回転中心
にして回転自在に軸支されている。また、巻取胴14a
の厚さ方向両側に円形鍔状のフランジ14c,14cを
張り出して設けて断面凹形の周溝を形成しており、その
凹周溝でワイヤハーネス20の巻き付けを案内する。そ
うしたフランジ14cの上側のものの周縁一部が切欠さ
れて、そこは後述するハーネス保護用の保護チューブ2
2の一端側をつないで固定するための保護チューブ係止
凹部14dとなっている。
体12と巻取ドラム14との間にコイルばねによる巻取
ばね15が装着されている。すなわち、この巻取ばね1
5でもってワイヤハーネス20を巻取ケース11内部に
巻き戻して収容する正回転方向へ復帰付勢している。し
たがって、ワイヤハーネス20はその巻取ばね15のば
ね力に抗してケース本体12から外部に繰り出されるこ
とになる。
つつ、図3以下の図面を用いて巻取ケース11の組立作
業に併せてワイヤハーネス20を組み込むことにより、
ワイヤハーネス巻取装置10として組立完了するまでの
作業工程と作用について説明する。
本の電線を束ねた電線束21からなっており、電線束2
1の各電線端部にはそれぞれコネクタや端子金具類の端
子21aが結合され、電子・電気機器との結線によって
回路を形成する。
21を保護チューブ22に挿通させる作業工程を含んで
いるが、その挿通作業を手際良く実行して作業効率を高
めるために、本実施の形態として専用の電線通し治具3
0が準備されている。
記複数本の電線21のすべてを差し込めるだけの内径を
有した集束キャップ部31を有し、この集束キャップ部
31の最先端部は円錐形の先細形状に閉じたチューブ通
し部32となっている。また、本治具30の細長い後端
部にはそうした集束キャップ部31から尾長のごとき延
びる案内へら部33を有して構成されている。
らなる電線束21の各電線を本治具30の集束キャップ
部31に案内へら部33でガイドして滑らせるようにし
て差し入れ、電線束21の各電線をそのようにして保持
した本治具30を、その集束キャップ部31の先端先細
のチューブ通し部32から保護チューブ22にこの場合
一端側のブラケット23側から挿入させる。
かなり長尺であるため、これに複数本からなる電線束2
1の各電線を一本ずつ挿通させるのでは非常に手間がか
かる。それを解消するべく、電線束21を本治具30に
簡易に保持させた状態であたかも「糸通し」のようにし
て保護チューブ22に挿通させ、それにより挿通作業が
非常に簡便かつ短縮して効率アップを図っている。
をかかる電線通し治具30を介して保護チューブ22に
挿通し終えた状態を示し、この状態で電線通し治具30
はそれまで保持した複数本からなる電線束21から取り
外されて用を足し終える。この場合、保護チューブ22
の他端側のブラケット24から抜けた電線束21は、図
3(d)に示すように、配索の都合上、そのブラケット
24から出た部分を折り曲げ、ブラケット24の端部2
4aに結束テープ25でもって緊縛される。
テープ23で緊縛された電線束21はそこからさらに長
く延びる部分を別の結束テープ26でもって螺旋巻きな
どして、たとえば340mm程度の長さ部分まで荒巻き
される。さらに、図3(f)に示すように、そうした荒
巻きした先部の電線束21にクリップ27をその台座2
7aで結束テープ28によって緊縛して固定する。図3
(g)は、以上図3(a)〜(f)までの手順によって
複数本からなる電線束21を保護チューブ22に挿通さ
せて組み電線とした状態のワイヤハーネス20を示して
いる。
ハーネス20が巻取ケース11の内部に、この場合本実
施の形態として準備されたケース仮組み治具40を用い
て以下図4〜図7に示す工程手順で組み込まれる。
取ケース11がそのケース本体12とケース蓋13を分
解した状態でケース仮組み治具40上に位置決めしてセ
ットされる。このケース仮組み治具40は、平板ブロッ
ク形状の本体41の上面にケース本体12の形状に倣っ
て凹状に形成された位置決め凹部42と、ケース蓋13
の形状に倣って凹状に形成された位置決め凹部43が隣
り合わせに設けられている。したがって、位置決め凹部
42にはケース本体12が上向きに嵌合してセットさ
れ、位置決め凹部43にはケース蓋13が内面を上向き
にして嵌合してセットされる。
決め凹部42にセットされたケース本体12に対して、
そのドラム回転支軸12aの軸周りに巻取ばね15が装
着される。この場合、位置決め凹部42においては、そ
の巻取ばね15を所定位置にセットするための位置決め
治具である当てピン42a,42b,42cなどが垂直
に立ち上げて設けてある。たとえば、巻取ばね15の一
側の係止端フック15aを当てピン42aに当接させて
固定し、他側の係止端フック15bは当てピン42bに
当接させて固定する。また、巻取ばね15の本体部に内
側から当てピン42cを当接させることにより、巻取ば
ね15のばらけを防ぎ、ばね姿勢が正常になるようにし
ている。それにより、ケース本体12の支軸周りで巻取
ばね15がその両端を仮決めした状態で次回の巻取ドラ
ム15との連結に備える。たとえば、この巻取ドラム1
5に巻取ばね15の一側係止端15aを係止して連結
し、他側係止端15bをケース本体12側に係止して連
結する。そうした巻取ばね15によって、巻取ドラム1
5をハーネス巻取方向の正回転方向へ付勢し、その付勢
力に抗してワイヤハーネス20を巻取ケース11から外
部に引き出すことができる。
上記図3(g)に示す形状で準備されたワイヤハーネス
20を巻取ドラム14に仮決め後、先述の図4(b)で
示したケース仮組み治具40上のケース本体12への組
み込みに備える。
ブ22を巻取ドラム14の上側フランジ14cに設けた
保護チューブ係止凹部14dに横方向から差し入れるよ
うにして通す。通した後、保護チューブ22の一端側の
ブラケット24をその保護チューブ係止凹部14dに上
方から下方へワンタッチで落とし込んで嵌合させる。図
5(b)は、ブラケット24をこの裏面側のクリップ部
24bで保護チューブ係止凹部14dに弾性嵌合によっ
て係止させた状態を示す側面図である。
上記図5(a),(b)で保護チューブ22を介してワ
イヤハーネス20が仮組状態でつながれた形の巻取ドラ
ム14をそのまま、ケース仮組み治具40上の位置決め
凹部42で位置決めされているケース本体12の軸周り
に落とし込んで組み込む。
ム14の筒形状の軸受部14bをケース本体12のドラ
ム回転支軸12aに上方から落とし込んで嵌合させる。
その際、保護チューブ22の他端側のブラケット23
は、ケース本体14側のハーネス引き出し口部12bか
ら外部に出るようにして組み込まれる。
に、保護チューブ22の一端側のブラケット24から延
び出る集束状態の電線束21の先端部をケース仮組み治
具40の位置決め凹部43で位置決め中のケース蓋13
まで引き回す。ケース蓋13ではその引き回した電線束
21を上向き姿勢のハーネス固定口部13aに沿わせ、
ケース蓋13の外部に引き出しておくようにする。
されてきた電線束21に固定している上記クリップ27
〔図3(g)参照〕をケース蓋13側の係止孔にクリッ
ク嵌合でもってワンタッチで係合させ、電線束21の位
置ずれを防ぐ。このように、クリップ27を介して電線
束21をケース蓋13側のハーネス固定口部13a近傍
に確実に固定しておくことで、装置使用中においてハー
ネス繰り出しと巻き戻しの作動を支障なく円滑とするこ
とができる。
において、隣り合って位置決め状態にあるうケース本体
12からケース蓋13へと電線束21を引き回した仮決
め状態を示す平面図である。すなわち、ワイヤハーネス
20は、電線束21が保護チューブ22に挿通した状態
でケース本体12にハーネス引き出し口部12bから引
き入れられ、巻取ドラム14に仮組状態で保持されてケ
ース蓋13に引き回され、そのハーネス固定口部13a
から引き出された状態のごときにセットされる。ケース
仮組み治具40上では、そうした引き回し状態の電線束
21の中途をワイヤハーネス引き回し用のガイドピン4
4に当接させて仮決め状態にする。
上記図7において引き回し電線束21を介して繋がった
ケース本体12とケース蓋13をケース仮組み治具40
上の各位置決め凹部42,43から取り外し、互いに凹
凸嵌合させて結合する。
組み治具40から取り外したケース本体12に対してケ
ース蓋13を被せるようにして結合させる。その際、引
き回された電線束21を巻取ドラム14のドラム本体に
一巻きする程度に巻き付かせる。図8(b)は、ケース
蓋13でケース本体12を閉塞した状態を示し、ケース
蓋13の中心部の軸受部13cにおいて止ねじ16をね
じ込むことで、ケース蓋13をケース本体12に固定す
る。ケース本体12側のハーネス引き出し口部12bと
ケース蓋13側のハーネス引き出し口部13bは上下で
互いに接合し、そこからワイヤハーネス20の一端側の
電線束21が保護チューブ22を介して引き出され、か
つワイヤハーネス20の他端側からは電線束21がケー
ス蓋13側のハーネス固定口部13aから引き出された
形となる。この状態で図1に示すワイヤハーネス巻取装
置10の組立が終了する。
ス巻取装置10の組立を終了するまでの作業は、さほど
の熟練度を必要とせず、非常に効率的に行うことができ
る。作業工程を概ね分類すると以下の通りである。
線通し治具30を用いて保護チューブ22に手際よく挿
通させ、かつ全線にわたる大部分を結束テープで集束す
る。そうして下準備されたワイヤハーネス20を巻取ド
ラム14に対して、保護チューブ22の一端側を結合し
てつないだ状態で次のハーネス・ケース組立工程に備え
るハーネス・ドラム仮止め工程。
ているケース本体12とケース蓋13に対して、上記ハ
ーネス・ドラム仮止め工程において保護チューブ22を
介して巻取ドラム14につながれた状態のワイヤハーネ
ス20を引き回して組み込むハーネス・ケース組立工
程。
この種のワイヤハーネス巻取装置の組み立てと比較して
非常に作業工程を削減でき、しかも各工程ではさほどの
熟練度を必要とせず簡易な作業が可能となって、生産効
率を大幅に高めることができる。
装置10は、取付例として自動車のボディ・パネルであ
るアッパーバックパネルと、トランクルームのラゲージ
ドアとの間に装着することで、そのドア周辺にワイヤハ
ーネス20を簡便に配索をすることができる。
パネル50に対してラゲージドア51を開閉扉動作させ
る際のドア閉扉時とドア開扉時を示すそれぞれの要部断
面図である。
その巻取ケース11を車体ボディ・パネルの上記アッパ
ーバックパネル50に固定される。その際、ケース蓋1
3のハーネス固定口部13aから引き出されたワイヤハ
ーネス20の一端側電線束21の各電線はコネクタや端
子を介してアッパーバックパネル50側の電気回路に接
続される。
し口部12b,13bから引き出されたワイヤハーネス
20の他端側電線束21の各電線は、上記ラゲージドア
51に固定された保護チューブ22の一端側ブラケット
23から出て、ラゲージドア51側の電気回路に接続さ
れる。
は、図9のように、ラゲージドア51が閉じられている
状態では、ワイヤハーネス20の長さの大部分は巻取ケ
ース11内で巻取ドラム14に巻き取られて収容されて
いる。
に、ラゲージドア51が開けられると、そのドア開き動
作に追従してワイヤハーネス20が保護チューブ22共
々、巻取ケース11内部の巻取ばね15に抗して必要な
長さだけ引き出される。
に、本発明でいう構造本体として自動車のアッパーバッ
クパネルに例をとり、可動体としてラゲージドアに例を
とって本実施の形態にかかるワイヤハーネス巻取装置の
取付例を示したが、構造本体や可動体はその例に限ら
ず、一般産業機器や装置への適用ももちろん可能であ
る。
求項1に記載のワイヤハーネス巻取装置の組立方法は、
構造本体にワイヤハーネス巻取装置を固定し、その構造
本体を開閉扉動作する可動体との間に配索する場合、そ
の可動体の開閉扉動作にワイヤハーネスを追従させて必
要な長さだけ巻取ケースから自在に引き出したり、巻き
戻す必要がある。ワイヤハーネスをそうした巻取ケース
からの引き出し動作や巻き戻し動作から保護するため
に、ワイヤハーネスが巻取ケースから出入りする部分の
長さを保護チューブに通す。ワイヤハーネスは複数本の
電線の電線束からなっており、その電線の一本ずつを保
護チューブに挿通させるのでは非常な作業手間がかか
る。それを能率良く行うため、電線通し治具を用いて各
電線を束ねた状態で保持させ、そうした電線保持状態の
電線通し治具を保護チューブに針通しのごとくに挿通さ
せる。
体,ケース蓋,巻取ドラム、そして巻取ばねなどからな
っているが、それら各部材を結合して組み立てる際、同
時にワイヤハーネスを各部材に絡ませながら収容する。
従来、その種のワイヤハーネス組み込み作業は面倒で熟
練を要するものであったが、巻取ケースの主要部材であ
るケース本体とケース蓋を分解状態でケース仮組み治具
上の隣り合わせ位置に位置決めすることで、ワイヤハー
ネスの引き回し収容にかかる作業が非常に円滑で効率的
に行える。
取装置の組立方法は、ハーネス・ケース組立工程におい
て、ケース仮組み治具上のケース本体に巻取ばねを仮組
状態でセットしておく。それから上記ハーネス・ドラム
仮止め工程においてワイヤハーネス側の保護チューブが
つながれた状態の巻取ドラムをその巻取ばねの一端部に
連結する。したがって、ケース仮組み治具上では、ケー
ス本体と巻取ドラムの両部材に対して巻取ばねの連結が
手際良く行える。
取装置の組立方法は、構造本体および可動体のそれぞれ
具体例として、自動車のアッパーバックパネルとラゲー
ジドアに適用することができ、生産ライン上でそれらア
ッパーバックパネルおよびラゲージドア間にワイヤハー
ネス巻取装置を後付けで能率的に配索することができ
る。
イヤハーネス巻取装置の組立治具は、巻取ケースから引
き出されかつ巻き取られる部分のワイヤハーネスは保護
チューブに通して保護が図られるが、その保護チューブ
にワイヤハーネスの電線束の各電線を一本ずつ通すので
は非常に手間である。したがって、各電線を電線通し治
具の集束キャップ部に差し込んでまとめて保持させ、そ
うした電線通し治具を針通しのように保護チューブに通
すことで大幅に作業アップさせることができる。
ワイヤハーネス巻取装置の組立治具は、ケース仮組み治
具上でケース本体をセットする位置決め凹部では、巻取
ばねを仮決めするための当てピンを要所要所に点在して
設けておくことで、それら当てピンが貫通した状態のケ
ース本体の内側に巻取ばねを能率良く仮決めすることが
できる。
ヤハーネス巻取装置を示す組立斜視図である。
る。
ハーネス・ドラム仮止め工程において、電線通し治具で
ワイヤハーネスを保護チューブに通し、そのワイヤハー
ネスを結束テープで緊縛して形成する組立順序を示すい
ずれも斜視図である。
ハーネス・ケース組立工程において、ケース仮組み治具
上にケース本体とケース蓋を位置決めして巻取ばねを仮
組みした状態を示す斜視図と平面図である。
ムにワイヤハーネスを保護チューブを介して仮組みして
次工程のハーネス・ケース組立工程に備えるまでの組立
順序を示す斜視図と側面図である。
ムにワイヤハーネスを保護チューブを介して仮組みした
ものを次工程のハーネス・ケース組立工程においてケー
ス仮組み治具上のケース本体とケース蓋に組み込む態様
を示すそれぞれ平面図である。
み治具上のケース本体からケース蓋へワイヤハーネスを
引き回して組み込む態様を示す全体の平面図である。
工程においてケース本体に対してケース蓋を凹凸嵌合な
どで弾性結合させて組み立てる態様を示す結合前の分解
斜視図と組立斜視図である。
車のアッパーバックパネルとラゲージドアとの間に装着
した適用例を示すドア閉扉時の断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 複数本の電線からなるワイヤハーネスを
巻き取りかつ長く引き出し可能に収容する巻取ケースが
ケース本体およびケース蓋からなって、その内部に巻取
ドラムおよび巻取ばねが備わり、構造本体に固定された
巻取ケースから引き出したワイヤハーネスの一端側をそ
の構造本体に電気的に接続し、また巻取ケースから引き
出したワイヤハーネスの他端側を可動体に電気的に接続
して、構造本体に対して可動体が開閉扉動作する場合
に、開扉動作に追従してワイヤハーネスの他端側が巻取
ばねに抗して長く引き出されるようになっており、この
引き出される部分のワイヤハーネスの他端側が保護チュ
ーブに挿通して保護されているワイヤハーネス巻取装置
の組立方法であって、 前記ワイヤハーネスの他端側における各電線を電線通し
治具に保持させ、その電線保持状態の電線通し治具を前
記保護チューブに挿通させることにより、各電線を保護
チューブに挿通させた状態にするとともに、その保護チ
ューブの一端側を前記巻取ドラムに結合させてつなぐハ
ーネス・ドラム仮止め工程と、 前記巻取ケースを形成するケース本体とケース蓋を分解
状態でケース仮組み治具上の隣り合う位置に位置決めし
てセットし、その一方で前記ハーネス・ドラム仮止め工
程で形成された前記ワイヤハーネスおよび前記巻取ドラ
ムをそれぞれ前記ケース本体に組み込み、かつそのワイ
ヤハーネスを前記ケース蓋まで引き回した後、ケース蓋
をケース本体に結合して組立後の巻取ケースからワイヤ
ハーネスの一端側と他端側を引き出した状態にするハー
ネス・ケース組立工程と、を含むことを特徴とするワイ
ヤハーネス巻取装置の組立方法。 - 【請求項2】 前記ハーネス・ケース組立工程において
前記ケース仮組み治具上に前記ケース本体が位置決めセ
ットされた状態で、そのケース本体の中心部のドラム回
転支軸の軸周りに前記巻取ばねを仮組状態でセットする
ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス巻取
装置の組立方法。 - 【請求項3】 前記ワイヤハーネスの一端側を前記保護
チューブを介して接続する前記構造本体が自動車のアッ
パーバックパネルである場合に、前記ワイヤハーネスの
他端側を接続する前記可動体がラゲージドアであること
を特徴とする請求項1または2に記載のワイヤハーネス
巻取装置の組立方法。 - 【請求項4】 複数本の電線からなるワイヤハーネスを
巻き取りかつ長く引き出し可能に収容する巻取ケースが
ケース本体およびケース蓋からなって、その内部に巻取
ドラムおよび巻取ばねが備わり、構造本体に固定された
巻取ケースから引き出したワイヤハーネスの一端側をそ
の構造本体に電気的に接続し、また巻取ケースから引き
出したワイヤハーネスの他端側を可動体に電気的に接続
して、構造本体に対して可動体が開閉扉動作する場合
に、開扉動作に追従してワイヤハーネスの他端側が巻取
ばねに抗して長く引き出されるようになっており、この
引き出される部分のワイヤハーネスの他端側が保護チュ
ーブに挿通して保護されているワイヤハーネス巻取装置
において、 前記ワイヤハーネスの他端側における各電線を差し込ん
で保持する筒形状の集束キャップ部を有し、この集束キ
ャップ部の後部は各電線を差し込み可能に開口されかつ
前部が先細形状に閉じられて、この先細前部から前記保
護チューブに挿通可能となっており、また集束キャップ
部の後方へ延びて各電線の差し込みを沿わせてガイドす
る案内へら部を有してなっていることを特徴とする組立
治具。 - 【請求項5】 複数本の電線からなるワイヤハーネスを
巻き取りかつ長く引き出し可能に収容する巻取ケースが
ケース本体およびケース蓋からなって、その内部に巻取
ドラムおよび巻取ばねが備わり、構造本体に固定された
巻取ケースから引き出したワイヤハーネスの一端側をそ
の構造本体に電気的に接続し、また巻取ケースから引き
出したワイヤハーネスの他端側を可動体に電気的に接続
して、構造本体に対して可動体が開閉扉動作する場合
に、開扉動作に追従してワイヤハーネスの他端側が巻取
ばねに抗して長く引き出されるようになっており、この
引き出される部分のワイヤハーネスの他端側が保護チュ
ーブに挿通して保護されているワイヤハーネス巻取装置
において、 前記ケース本体を上側に向けてはめ込んで位置決めする
ための位置決め凹部を有し、これに隣り合って前記ケー
ス蓋を上側に向けてはめ込んで位置決めするための位置
決め凹部を有し、前記位置決め凹部の内部適所に前記巻
取ばねを仮決めするための適宜数の当てピンを設けてな
っていることを特徴とする組立治具。
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JP2000154178A JP3670933B2 (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | ワイヤハーネス巻取装置の組立方法および組立治具 |
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