JP3574759B2 - ワイヤハーネス巻取り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに組み付けるワイヤハーネス巻取り装置、例えば、自動車などの車両の車体側とこれに開閉可能に取り付けられるドアとの間に配索するワイヤハーネスに使用するのに好適なワイヤハーネス巻取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車などの車両用のドアには、パワーウィンドウ用のモータ、ドアマウントスピーカなどの各種の電装品が組み付けられており、これらの電装品と車体側にある電源、コントロール部、各種センサなどとを電気的に接続するために、車体側とドアとの間にワイヤハーネスを配索する必要がある。
図11は、本願出願人による先の先願である特願平9ー285637号に記載されているフラットケーブル巻取り装置を示している。この巻取り装置は、先端部が移動コネクタ70に連結され、基端部が固定コネククタ71に連結されたフラットケーブル72と、固定コネククタ71が設けられた固定状態の軸部材73と、軸部材73に支持されてその外周で回転するキャリア74と、キャリア74をフラットケーブル72の巻き取り方向と反対方向に引き出し、キャリア74の回転に伴って軸部材73の外周面およびキャリア74の外周面に相互に逆向きとなるように巻き取るようになっている。
【0003】
また、図12および図13は、特開昭63ー176272号公報に開示された従来のフラットケーブル巻取り装置を示している。この巻取り装置にあっては、フラットケーブル80の一端に移動コネクタ81が、その他端に固定コネクタ82がそれぞれ設けられている。フラットケーブル80の長さ方向の中間点が、巻取リール83の側面に設けた開口部84を通り、該開口部84付近で巻取リール83上に固定されている。その中間点から移動コネクタ81までのフラットケーブル80の一側半分は、巻取リール83上に卷回され、巻取ばねに抗してケース85から引出し可能である。フラットケーブル80の残り半分は、巻取リール83の外に置き、巻取リール83の軸芯延長上に巻き締め可能な状態に置かれている。そして、固定コネクタ82は、ケース85上に、外部に露出するように設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記前者及び後者の従来技術は下記の問題点をそれぞれ有している。
(1)いずれもフラットケーブル用の巻取り装置であり、固定体と可動体との間に配索する複数の電線(断面が円形の電線)からなるワイヤハーネスに組み付けるのが難しい。(2)可動体の動きに応じてフラットケーブルがケースから引き出されたりケース内に巻き戻される度に、フラットケーブルに力が加わり、フラットケーブルが受けるストレス(負荷)が大きいので、フラットケーブルが断線する虞がある。(3)他の電線と接続するためのコネクタをフラットケーブルの両端に設ける必要があるとともに、他の電線側にもコネクタが必要であり、また、フラットケーブル自体のコストも高いため、製造コストが増大してしまう。(4)フラットケーブルをケース内に組み付ける作業が煩雑である。例えば、上記後者の従来技術では、フラットケーブル80の中間点を巻取リール83の開口部84に通し、その一側半分を巻取リール83上に卷回するという煩雑な作業が必要になる。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、長尺のワイヤハーネスに任意の位置で容易に組付け可能で、電線のストレスが少なく、取付部材とチューブを確実に結合でき、多種類のチューブを使用可能で、さらに、製造コストの低減を図ったワイヤハーネス巻取り装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに組み付けるワイヤハーネス巻取り装置において、互いに結合可能な上下のカバーからなり2つのハーネス導出口を有するケースを備え、上下のカバーのいずれか一方に回転可能に支持され、ケース内を第1収容部と第2収容部に仕切る仕切板と、該仕切板の上側および下側にそれぞれ設けた支軸および巻取胴とを有するローラが、ケース内に回転可能に設けられ、ワイヤハーネスは、仕切板の外周部に設けた切欠部に、ワイヤハーネスを通した筒部を有する取付部材を介して組み付けられ、ワイヤハーネスのうち、第2収容部側に延びる可動側ワイヤハーネスには、一端が取付部材に固定された可撓性のあるチューブを所定長さにわたって被せてあり、該チューブは、その一端を取付部材の端部と重ねた状態で、内側に接着材の付いた収縮チューブにより取付部材に固定され、前記巻取胴の外周に巻き付けられてその他端側が前記2つのハーネス導出口の一方から外に延び、さらに、その他端側は可動側ワイヤハーネスに固定した取付具に固定され、ワイヤハーネスのうち、第1収容部側に延びる固定側ワイヤハーネスは、ローラの支軸に緩く巻かれ、2つのハーネス導出口の他方に固定されて該ハーネス導出口から外に延び、さらに、巻取胴内には、可動側ワイヤハーネスを巻き取る方向にローラを付勢する巻取ばねが収容されていることを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、(1)固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに組み付ける際に、まず、ローラを上下のカバーの一方に回転可能に取り付けた状態で、仕切板の切欠部がケースの一方のハーネス導出口に臨む位置にくるまでローラを回転させ、この回転位置にローラを保持した状態で、ワイヤハーネスを通した取付部材を切欠部に組み付ける。この後、ローラの保持を解除すると、巻取ばねの付勢力によりローラがワイヤハーネスを巻き取る方向に回転するので、可動側ワイヤハーネスに被せたチューブが巻取胴の外周に自動的に巻き取られる。この後、固定側ワイヤハーネスをケースの他方のハーネス導出口に固定し外に出す。最後に上下のカバーを結合することにより、組付けが完了する。このように、ワイヤハーネスを取付部材を介して切欠部に取り付けた後、引き出していたチューブを離すと、チューブと共に可動側ワイヤハーネスが自動的に巻き取られるので、ワイヤハーネスへの組付けが容易になる。また、固定側ワイヤハーネスについては、その余長分をケースの第1収容部内に収納できるので、長尺のワイヤハーネスに任意の位置で組み付け可能である。(2)取付具に引出し方向の引張力が作用すると、この引張力がチューブおよび取付部材を介してローラに伝わり、ローラが巻取ばねの付勢力に抗して回転して可動側ワイヤハーネスがチューブと共にケース外へ引き出される。また、引張力がなくなると、ローラが巻取ばねの付勢力で巻取方向に回転し、この回転が取付部材およびチューブを介して取付具に伝わり、可動側ワイヤハーネスがチューブと共に巻取胴の外周に巻き取られる。このように、可動側ワイヤハーネスが引き出される際および巻き取られる際に、引張力および巻取ばねの付勢力がワイヤハーネスに加わらず、ワイヤハーネスの各電線が受けるストレスが少ない。(3)チューブは、その一端を取付部材の端部と重ねた状態で、内側に接着材の付いた収縮チューブにより取付部材に固定されているので、取付部材とチューブとが確実に結合され、るとともに、取付部材と結合されるチューブとして多種類のチューブを使用できる。(4)固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに直接組み付けるので、コネクタが不要であり、低コストで製造できる。さらに、(5)可動側ワイヤハーネスがチューブおよび取付部材によりケース内の各部から保護される。
【0008】
請求項2に係る発明は、切欠部は、仕切板の外周からL字形に延びており、取付部材の筒部の外周には、L字形の切欠部の縁に沿って差し込むガイド溝が形成され、該ガイド溝をL字形の切欠部にまっすぐに差し込んで横にずらすことにより、ガイド溝が切欠部の奥側の直線部に抜け止めされて係止されることを特徴とする。
かかる構成によれば、取付部材の筒部の外周に設けたガイド溝を、L字形の切欠部にまっすぐに差し込んで横にずらすことにより、ガイド溝が切欠部の奥側の直線部に抜け止めされて係止されるので、ワイヤハーネスが取付部材を介してローラの仕切板に確実に固定される。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、取付部材は、その筒部の両側面に設けた係止爪を、仕切板の、前記切欠部の近傍に設けた2つの突起に係合させることにより仕切板に固定されることを特徴とする。
かかる構成によれば、取付部材は、その筒部の両側面に設けた係止爪を、仕切板に設けた2つの突起に係合させることにより仕切板に固定されるので、ワイヤハーネスが取付部材を介しローラの仕切板により確実に固定される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るワイヤハーネス巻取り装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明に係るワイヤハーネス巻取り装置の実施の形態の一例を示しており、図1は同装置の内部構造を示す斜視図、図2は同装置の外観を示す斜視図、図3は同装置の分解斜視図、図4は同装置の縦断面図である。
ワイヤハーネス巻取り装置は、固定体と可動体との間、例えば、自動車などの車両の車体側とこれに開閉可能に取り付けられるドアとの間の電気的接続を行う装置であり、固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに組み付けられる。例えば、この巻取り装置は、自動車などの車両のフロントドア、バックドア、サンルーフ、ラゲージドア(トランクルームのドア)等に使用される。この巻取り装置は、図1〜図4に示すように、互いに結合可能な上下のカバー1,2からなるケース3を有し、該ケース3内にはローラ4が回転可能に設けられている。
【0011】
下カバー2は、図3,図4に示すように、中央部に支持筒部5が突設された底壁6と、該底壁6の周縁に立設された対向する一対の周壁7,8とを有する。支持筒部5は、上下端が開口しかつ高さ方向のほぼ中間に段差部5aを有する円筒部で、下側円筒部5bより小径の上側円筒部5cにはボルト挿通孔9が形成されている。また、各周壁7,8の両端により、支持筒部5の軸心に関してほぼ対称な位置にハーネス導出口10,11が形成されている。一方、上カバー1は、中央に円形孔12を有する下カバー2の蓋体であり、周縁の複数箇所(本例では6箇所)にロック孔13を有する突出片14が形成されている。該各突出片14のロック孔13を、下カバー2の各周壁7,8にそれぞれ突設した複数の(全部で6つの)係合突起15にそれぞれ嵌合させることにより、上下のカバー1,2が結合されるようになっている。
【0012】
ローラ4は、図3,図4に示すように、ケース3内を第1収容部16と第2収容部17に仕切る仕切板18と、仕切板18の中心部から上側および下側にそれぞれ設けた支軸19および円筒形の巻取胴20と、巻取胴20の下端から仕切板18に平行に延び下カバー2の底壁6に面接触する底板29とを有し、ケース3内に回転可能に設けられている。支軸19は前記上側円筒部5cが挿通する貫通孔21を有し、支軸19の下部には支持筒部5の段差部5aに回転可能に嵌合する円形凹部22が形成され、又、支軸19の上部にはボルト23の頭部および座金24を収容する円形凹部25が形成されている。ローラ4の支軸19は、該支軸19の円形凹部22を支持筒部5の段差部5aに嵌合させた状態で、座金24を介してボルト挿通孔9に通したボルト23とナット26で締結することにより、段差部5aと座金24との間でフリーになって支持筒部5の下側円筒部5bに回転可能に保持される。このようにローラ4を下カバー2に回転可能に組み付けた状態で、ローラ4の底板29が下カバー2の底壁6に面接触することにより、ローラ4がケース3内で円滑に回転できるようになっている。
【0013】
仕切板18の外周には、図6に示すように、ワイヤハーネス27を通すL字形の切欠部28が設けられている。この切欠部28は、仕切板18の外周から真っ直ぐに延びた入口側の直線部28aと、該直線部28aの奥からほぼ直角に曲がった奥側の直線部28bとからなる。ワイヤハーネス27は複数の電線(断面が円形の電線)からなる連続した長尺のものである。該ワイヤハーネス27は、切欠部28に、ワイヤハーネス27を通した矩形の筒部40を有する取付部材39を介して組み付けられるようになっている。
【0014】
該取付部材39の外周には、L字形の切欠部28の縁に沿って差し込むガイド溝41が軸方向両側に設けたフランジ部42,42の間に形成されている。この取付部材39は、ガイド溝41を切欠部28の入口側の直線部28aにまっすぐに差し込んで横にずらすことにより、ガイド溝41が切欠部28の奥側の直線部28bに抜け止めされて係止されるようになっている。また、取付部材39は、筒部40の両側面に設けた係止爪40a,40aを、仕切板18の、切欠部28の近傍に設けた2つの突起43,43に係合させることにより仕切板18に固定される。
【0015】
ワイヤハーネス27のうち、取付部材39から第2収容部17側に延びる可動側ワイヤハーネス27aには、一端が取付部材39に固定された可撓性のあるチューブ44を所定長さにわたって被せてある。該チューブ44は、その一端を取付部材39の端部39aと重ねた状態で、内側にホットメルト等の接着材45の付いた収縮チューブ46により取付部材39に固定されている(図7,図8参照)。また、チューブ44は、巻取胴20の外周に巻き付けられてその他端側が一方のハーネス導出口10から外に延び、その他端は可動側ワイヤハーネス27aに固定した取付具48(図7,図9参照)に樹脂モールド49又は接着等により固定されている。
【0016】
取付具48は、可動側ワイヤハーネス27aを、固定体又可動体のいずれか一方のハーネス取付部50(例えば、ドア側のインナーパネル)に固定するためのもので、その他方のハーネス取付部に設けた係止部(例えば、T字形の係止孔或いは溝)に係合させるようになっている。取付具48には、図9に示すように、ハーネス取付部50側に設けたT字形の係止穴51に係止される係合突部52が設けられている。該係合突部52を係止穴51に差し込んでスリット51a側へ変位させると、係合突部52がスリット51aで係止されるようになっている。なお、取付具48の本体部48a側に係止穴を設け、ハーネス取付部50側に取付具48と同様の取付具を設けてもよい。
また、取付部材39から第1収容部16側に延びる固定側ワイヤハーネス27bは、ローラ4の支軸19に緩く巻かれるとともに、ケース3の他方のハーネス導出口11にテープ巻き33やバンド等により固定されて該ハーネス導出口11から外に延びている(図5参照)。また、ケース3は、固定体又は可動体のいずれか他方に固定されるようになっている。例えば、ケース3には、前記取付具48のような不図示の固定具を備えている。
【0017】
そして、巻取胴20内には、可動側ワイヤハーネス27aを巻き取る方向、すなわちチューブ41を巻取胴20の外周に巻き取る方向(以下、巻取方向という)にローラ3を付勢する巻取ばね34が収容されている。この巻取ばね34としてゼンマイばねが使用されている。この巻取ばね34は、取付具48に引張力が作用し、この力がチューブ44及び取付部材39を介してローラ4に伝わり該ローラ4が回転すると縮径し、引張力がなくなると、縮径状態からの復元力でローラ4を巻取方向に回転付勢するように、巻取胴20内に収容されている。そのために、巻取ばね34の一端34aは支持筒部5に固定され、その他端34bは巻取胴20に固定されている。なお、巻取ばね34として、ゼンマイばねに代えてねじりコイルばね或いはうず巻きばねを使用してもよい。
【0018】
次に、上記構成を有するワイヤハーネス巻取り装置のワイヤハーネスへの組付け手順を、図10に基づいて説明する。ここでは、ワイヤハーネス巻取り装置を、自動車などの車両の車体側(固定体)とドア(可動体)との間に配索するワイヤハーネスに組み付ける場合について説明する。
(1)まず、巻取ばね34をローラ4の巻取胴20内に上述したように収容させたローラ4を、図4に示すように、下カバー2にボルト23とナット26により回転可能に組み付けておく。この状態で、図10(A)に示すように、ローラ4を、切欠部28が下カバー2の一方のハーネス導出口10に臨む位置にくるまで回転させる。ここでは、例えば、仕切板18に図10(A)に示すような棒差込み穴54を設けており、この穴54に棒53を差し込み、この棒53でローラ4を回転させるようにしている。
(2)ここで、取付具48の本体部48aを治具52に係止することにより、前記回転位置にローラ4を保持し、この状態で、取付部材39を切欠部28に組み付ける(図10(B)参照)。このとき、取付部材39は、ガイド溝41を切欠部28の入口側の直線部28aにまっすぐに差し込んで横にずらすことにより、ガイド溝41が切欠部28の奥側の直線部28bに抜け止めされて係止されるとともに、係止爪40a,40aを、仕切板18の突起43,43に係合させることにより仕切板18に固定される。この後、ローラ4の保持を解除すると、巻取ばね34の付勢力によりローラ4が巻取方向に回転するので、可動側ワイヤハーネス27aに被せたチューブ44が巻取胴20の外周に自動的に巻き取られる(図10(C)参照)。
【0019】
(3)次に、固定側ワイヤハーネス27bを、巻取胴20に巻かれた可動側ワイヤハーネス27aの長さに応じた適宜の長さローラ4の支軸19に緩く巻く(図10(C)参照)。この後、固定側ワイヤハーネス27bを、テープ巻き33等によりケース3の他方のハーネス導出口11に固定し、該ハーネス導出口11から外に出す(図5参照)。
(4)この後、上下のカバー1,2を結合する。最後に、取付具48を固定体又は可動体のいずれか一方に固定するとともに、ケースを例えば不図示の取付具などにより固定体又は可動体の他方に固定することにより、ワイヤハーネス27への全ての組付け作業が完了する。
【0020】
次に、上記ワイヤハーネス巻取り装置の動作を説明する。
まず、可動側ワイヤハーネス27aおよびこれに被せたチューブ44がケース3内に巻き取られている状態で、前記ドアなどの開動作などにより、取付具48に引出し方向の引張力が作用すると、この引張力がチューブ44および取付部材39を介してローラ4に伝わり、ローラ4が巻取ばね34の付勢力に抗して回転して可動側ワイヤハーネス27aがチューブ44と共にケース3外へ引き出される。また、前記ドアなどの閉動作などにより、前記引張力がなくなると、ローラ4が巻取ばね34の付勢力で巻取方向に回転し、この回転が取付部材39を介してチューブ44に伝わり、可動側ワイヤハーネス27aに被せたチューブ44が巻取胴20の外周に巻き取られる。このため、可動側ワイヤハーネス27aが引き出される際および巻き取られる際に、引張力および巻取ばね34の付勢力がワイヤハーネス27に加わらず、ワイヤハーネス27の各電線が受けるストレスが少ない。
また、固定側ワイヤハーネス27bについては、ローラ4が巻取ばね34の付勢力に抗して回転する際には、支軸19に緩く巻き付く方向に動き、ローラ4が巻取方向に回転する際には、その緩く巻かれた状態から緩む方向に動く。なお、第1収容部16内での固定側ワイヤハーネス27bの巻き方向を、上記一例とは逆にしてもよい。
【0021】
上記一例に係るワイヤハーネス巻取り装置によれば、ワイヤハーネス27を取付部材39を介して仕切板18の切欠部28に取り付けた後、引き出していたチューブ44を離すと、チューブ44と可動側ワイヤハーネス27aが自動的に巻き取られるので、ローラ4をワイヤハーネスに容易に組み付けることができる。また、固定側ワイヤハーネス27bについては、その余長分をケース3の第1収容部16内に収納できるので、長尺のワイヤハーネス27に任意の位置で組み付けることができる。(2)可動側ワイヤハーネス27aが引き出される際および巻き取られる際に、引張力および巻取ばね34の付勢力がワイヤハーネス27に加わらず、ワイヤハーネス27の各電線が受けるストレスが少ない。これによって、各電線の断線が防止される。(3)チューブ44は、その一端を取付部材39の端部39aと重ねた状態で、内側に接着材45の付いた収縮チューブ46により取付部材39に固定されているので、取付部材39とチューブ44とが確実に結合されるとともに、取付部材39と結合するチューブとして多種類のチューブを使用できる。(4)固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネス27に直接組み付けるので、コネクタが不要であり、低コストで製造できる。さらに、(5)可動側ワイヤハーネス27aが、チューブ44および取付部材39によりケース3内の各部から保護される。
【0022】
また、上記一例によれば、取付部材39のガイド溝41を、切欠部28の入口側の直線部28aにまっすぐに差し込んで横にずらすことにより、ガイド溝41が切欠部28の奥側の直線部28bに抜け止めされて係止されるので、ワイヤハーネス27が、取付部材39を介してローラ4の仕切板18に確実に固定される。
また、上記一例によれば、取付部材39は、その係止爪40a,40aを仕切板に設けた2つの突起43,43に係合させることにより仕切板18に固定されるので、ワイヤハーネス27が仕切板18により確実に固定される。
【0023】
さらに、固定側ワイヤハーネス27bについては、その余長分をケース3の第1収容部16内に収納できるので、長尺のワイヤハーネスに任意の位置で組み付け可能である。
【0024】
さらに、ケース3のハーネス導出口10付近では、可動側ワイヤハーネス27aは外から見えず、これに被せたチューブ44が見えるので(図1,図2参照)、装置の外観上の見映えが良い。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、長尺のワイヤハーネスに任意の位置で容易に組み付けることができ、電線のストレスが少なくその断線を防止することができ、ケースに収容されたワイヤハーネスをチューブと取付部材により保護することができる。また、取付部材とチューブを確実に結合することができ、多種類のチューブが使用可能となる。また、コネクタが不要なのでその分製造コストを低減することができる。さらに、ケースの一方のハーネス導出口から出ているワイヤハーネスにはチューブを被せてあるので、外観上の見映えが良い。
【0026】
請求項2に係る発明によれば、ワイヤハーネスを取付部材を介してローラの仕切板に確実に固定することができる。
【0027】
また、請求項3に係る発明によれば、ワイヤハーネスをローラの仕切板により確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤハーネス巻取り装置の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図2】図1に示す一例の外観を示す斜視図。
【図3】図1に示す一例の分解斜視図。
【図4】図1に示す一例の縦断面図。
【図5】図1に示すケースにワイヤハーネスを固定した部位を示す平面図。
【図6】図1に示すローラへのワイヤハーネスの組付けを説明するための斜視図。
【図7】図6に示すワイヤハーネスとその関連部材を示す側面図。
【図8】図7に示す取付部材とチューブの結合部を示す断面図。
【図9】図1に示すチューブの固定構造を示す分解斜視図。
【図10】図1に示す一例におけるワイヤハーネスへの組付け手順を示す説明図。
【図11】従来例を示す横断面図。
【図12】別の従来例を示す斜視図。
【図13】図12に示す従来例の内部を示す平面図。
【符号の説明】
1………………………上カバー
2………………………下カバー
3………………………ケース
4………………………ローラ
10,11……………ハーネス導出口
16……………………第1収容部
17……………………第2収容部
18……………………仕切板
19……………………支軸
20……………………巻取胴
27……………………ワイヤハーネス
27a…………………可動側ワイヤハーネス
27b…………………固定側ワイヤハーネス
28……………………切欠部
28a…………………直線部
34……………………巻取ばね
39……………………取付部材
40……………………筒部
40a…………………係止爪
41……………………ガイド溝
43……………………突起
44……………………チューブ
45……………………接着材
46……………………収縮チューブ
48……………………取付具
Claims (3)
- 固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに組み付けるワイヤハーネス巻取り装置において、
互いに結合可能な上下のカバーからなり2つのハーネス導出口を有するケースを備え、
前記上下のカバーのいずれか一方に回転可能に支持され、前記ケース内を第1収容部と第2収容部に仕切る仕切板と、該仕切板の上側および下側にそれぞれ設けた支軸および巻取胴とを有するローラが、前記ケース内に回転可能に設けられ、
前記ワイヤハーネスは、前記仕切板の外周部に設けた切欠部に、ワイヤハーネスを通した筒部を有する取付部材を介して組み付けられ、
前記ワイヤハーネスのうち、前記第2収容部側に延びる可動側ワイヤハーネスには、一端が前記取付部材に固定された可撓性のあるチューブを所定長さにわたって被せてあり、
該チューブは、その一端を前記取付部材の端部と重ねた状態で、内側に接着材の付いた収縮チューブにより取付部材に固定され、前記巻取胴の外周に巻き付けられてその他端側が前記2つのハーネス導出口の一方から外に延び、さらに、その他端側は前記可動側ワイヤハーネスに固定した取付具に固定され、
前記ワイヤハーネスのうち、前記第1収容部側に延びる固定側ワイヤハーネスは、前記ローラの支軸に緩く巻かれ、前記2つのハーネス導出口の他方に固定されて該ハーネス導出口から外に延び、さらに、
前記巻取胴内には、前記可動側ワイヤハーネスを巻き取る方向に前記ローラを付勢する巻取ばねが収容されていることを特徴とするワイヤハーネス巻取り装置。 - 前記切欠部は、前記仕切板の外周からL字形に延びており、前記取付部材の筒部の外周には、前記L字形の切欠部の縁に沿って差し込むガイド溝が形成され、該ガイド溝を前記L字形の切欠部にまっすぐに差し込んで横にずらすことにより、前記ガイド溝が切欠部の奥側の直線部に抜け止めされて係止されることを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネス巻取り装置。
- 前記取付部材は、その筒部の両側面に設けた係止爪を、前記仕切板の、前記切欠部の近傍に設けた2つの突起に係合させることにより仕切板に固定されることを特徴とする請求項1又は2記載のワイヤハーネス巻取り装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-06-18 JP JP17342499A patent/JP3574759B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN106608565A (zh) * | 2017-02-28 | 2017-05-03 | 株洲联诚集团有限责任公司 | 一种工程用大型收线盘 |
CN106608565B (zh) * | 2017-02-28 | 2018-10-26 | 株洲联诚集团控股股份有限公司 | 一种工程用大型收线盘 |
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