JP3574758B2 - ワイヤハーネス巻取り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに組み付けるワイヤハーネス巻取り装置、例えば、自動車などの車両の車体側とこれに開閉可能に取り付けられるドアとの間に配索するワイヤハーネスに使用するのに好適なワイヤハーネス巻取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車などの車両用のドアには、パワーウィンドウ用のモータ、ドアマウントスピーカなどの各種の電装品が組み付けられており、これらの電装品と車体側にある電源、コントロール部、各種センサなどとを電気的に接続するために、車体側とドアとの間にワイヤハーネスを配索する必要がある。
図11は、本願出願人による先の先願である特願平9ー285637号に記載されているフラットケーブル巻取り装置を示している。この巻取り装置は、先端部が移動コネクタ70に連結され、基端部が固定コネククタ71に連結されたフラットケーブル72と、固定コネククタ71が設けられた固定状態の軸部材73と、軸部材73に支持されてその外周で回転するキャリア74と、キャリア74をフラットケーブル72の巻き取り方向と反対方向に引き出し、キャリア74の回転に伴って軸部材73の外周面およびキャリア74の外周面に相互に逆向きとなるように巻き取るようになっている。
【0003】
また、図12および図13は、特開昭63ー176272号公報に開示された従来のフラットケーブル巻取り装置を示している。この巻取り装置にあっては、フラットケーブル80の一端に移動コネクタ81が、その他端に固定コネクタ82がそれぞれ設けられている。フラットケーブル80の長さ方向の中間点が、巻取リール83の側面に設けた開口部84を通り、該開口部84付近で巻取リール83上に固定されている。その中間点から移動コネクタ81までのフラットケーブル80の一側半分は、巻取リール83上に卷回され、巻取ばねに抗してケース85から引出し可能である。フラットケーブル80の残り半分は、巻取リール83の外に置き、巻取リール83の軸芯延長上に巻き締め可能な状態に置かれている。そして、固定コネクタ82は、ケース85上に、外部に露出するように設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記前者及び後者の従来技術は下記の問題点をそれぞれ有している。
(1)いずれもフラットケーブル用の巻取り装置であり、固定体と可動体との間に配索する複数の電線(断面が円形の電線)からなるワイヤハーネスに組み付けるのが難しい。
【0005】
(2)可動体の動きに応じてフラットケーブルがケースから引き出されたりケース内に巻き戻される度に、フラットケーブルに力が加わり、フラットケーブルが受けるストレス(負荷)が大きいので、フラットケーブルが断線する虞がある。
(3)他の電線と接続するためのコネクタをフラットケーブルの両端に設ける必要があるとともに、他の電線側にもコネクタが必要であり、また、フラットケーブル自体のコストも高いため、製造コストが増大してしまう。
(4)フラットケーブルをケース内に組み付ける作業が煩雑である。例えば、上記後者の従来技術では、フラットケーブル80の中間点を巻取リール83の開口部84に通し、その一側半分を巻取リール83上に卷回するという煩雑な作業が必要になる。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、長尺のワイヤハーネスに任意の位置で容易に組付け可能にし、電線のストレスを少なくし、外観上の見映えを向上させ、さらに、コネクタを不要にして製造コストを低減できるワイヤハーネス巻取り装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに組み付けるワイヤハーネス巻取り装置において、上下のカバーが結合されて2つのハーネス導出口を形成するケースと、該ケース内に回転可能に設けられ、該ケース内を第1収容部と第2収容部に仕切る仕切板と、該仕切板の上側および下側にそれぞれ設けた支軸および巻取胴とを有するローラとを備え、ワイヤハーネスを通した取付部材が、仕切板の外周に設けた切欠部に組み付けられ、取付部材から第2収容部側に延びる可動側ワイヤハーネスには、一端が取付部材に固定された可撓性のあるチューブを所定長さにわたって被せてあり、該チューブは巻取胴の外周に巻き付けられてその他端側がケースの一方のハーネス導出口から外に延びており、該チューブの他端は、固定体又は可動体のいずれか一方のハーネス取付部に固定するための取付具を介して可動側ワイヤハーネスに固定され、取付部材から第1収容部側に延びる固定側ワイヤハーネスは、取付部材に固定され、ローラの支軸に緩く巻かれるとともに、ケースの他方のハーネス導出口に固定されて外に延び、さらに、巻取胴内には、該巻取胴の外周にチューブが巻き付く巻取方向にローラを付勢する巻取ばねが収容されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、(1)固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに組み付ける際に、まず、仕切板の切欠部がケースの一方のハーネス導出口に臨む位置にくるまで、ローラを回転させる。この回転位置にローラを保持した状態で、取付部材を切欠部に組み付ける。この後、ローラの保持を解除すると、巻取ばねの付勢力によりローラが巻取方向に回転するので、可動側ワイヤハーネスに被せたチューブが前記いずれか一方のカバー内に引かれ、巻取胴の外周に自動的に巻き取られる。次に、固定側ワイヤハーネスを、支軸に緩く巻き、ケースの他方のハーネス導出口に固定し、該ハーネス導出口から外に出す。最後に上下のカバーを結合することにより、前記組付けが完了する。また、固定側ワイヤハーネスについては、その余長分をケースの第1収容部内に収納できので、外観上の見映えが向上するとともに長尺のワイヤハーネスに任意の位置で容易に組み付け可能である。(2)取付具に引張力が作用すると、この引張力が取付具に固定されたチューブおよび取付部材を介してローラに伝わり、ローラが巻取ばねの付勢力に抗して回転して可動側ワイヤハーネスがチューブと共にケース外へ引き出される。また、引張力が解除されると、ローラが巻取ばねの付勢力で巻取方向に回転し、この回転が取付部材およびチューブを介して取付具に伝わり、可動側ワイヤハーネスがチューブと共に巻取胴の外周に巻き取られる。このように、可動側ワイヤハーネスの引出し時と巻取り時のいずれの場合にもワイヤハーネスに力が加わらず、ワイヤハーネスの各電線が受けるストレスが少ない。(3)また、固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに直接組み付けるので、コネクタが不要であり、低コストで製造できる。さらに、(4)可動側ワイヤハーネスはチューブで保護されて巻取胴に接触しないとともに、同ワイヤハーネスは取付部材で保護されて切欠部にも接触しないので、ワイヤハーネスがローラに対して保護される。
【0008】
請求項2に係る発明は、固定側ワイヤハーネスは、取付部材にテープ巻きにより固定されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、取付部材に対する固定側ワイヤハーネスのテープ巻きを、該ワイヤハーネスの取付部材からの取り出し方向がローラの中心側へ向かうようにすることにより、取付部材に与えるストレスを緩和させるように、ワイヤハーネスの取り出し方向を規制できる。
【0009】
請求項3に係る発明は、仕切板の、切欠部の近傍には係止孔が設けられており、取付部材には、係止孔に嵌合する係合突部が設けられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、可動側ワイヤハーネスが取付部材を介して切欠部に簡単にかつ確実に組み付けられるので、ワイヤハーネスへの組付けがより簡単にかつより確実になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るワイヤハーネス巻取り装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明に係るワイヤハーネス巻取り装置の実施の形態の一例を示しており、図1は同装置の内部構造を示す斜視図、図2は同装置の外観を示す斜視図、図3は同装置の分解斜視図、図4は同装置の縦断面図である。
【0011】
ワイヤハーネス巻取り装置は、固定体と可動体との間、例えば、自動車などの車両の車体側とこれに開閉可能に取り付けられるドアとの間の電気的接続を行う装置であり、固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに組み付けられる。例えば、この巻取り装置は、自動車などの車両のフロントドア、バックドア、サンルーフ、ラゲージドア(トランクルームのドア)等に使用される。この巻取り装置は、図1〜図4に示すように、上下のカバー1,2が結合されて2つのハーネス導出口を形成するケース3と、該ケース3内に回転可能に設けられたローラ4とを備える。
【0012】
下カバー2は、図3,図4に示すように、中央部に支持筒部5が突設された底壁6と、該底壁6の周縁に立設された対向する一対の周壁7,8とを有する。支持筒部5は、上下端が開口しかつ高さ方向のほぼ中間に段差部5aを有する円筒部で、下側円筒部5bより小径の上側円筒部5cにはボルト挿通孔9が形成されている。また、各周壁7,8の両端により、支持筒部5の軸心に関してほぼ対称な位置にハーネス導出口10,11が形成されている。一方、上カバー1は、中央に円形孔12を有する下カバー2の蓋体であり、周縁の複数箇所(本例では6箇所)にロック孔13を有する突出片14が形成されている。該各突出片14のロック孔13を、下カバー2の各周壁7,8にそれぞれ突設した複数の(全部で6つの)係合突起15にそれぞれ嵌合させることにより、上下のカバー1,2が結合されるようになっている。
【0013】
ローラ4は、図3,図4に示すように、ケース3内を第1収容部16と第2収容部17に仕切る仕切板18と、仕切板18の中心部から上側および下側にそれぞれ設けた支軸19および円筒形の巻取胴20と、巻取胴20の下端から仕切板18に平行に延び下カバー2の底壁6に面接触する底板29とを有し、ケース3内に回転可能に設けられている。支軸19は前記上側円筒部5cが挿通する貫通孔21を有し、支軸19の下部には支持筒部5の段差部5aに回転可能に嵌合する円形凹部22が形成され、又、支軸19の上部にはボルト23の頭部および座金24を収容する円形凹部25が形成されている。ローラ4の支軸19は、該支軸19の円形凹部22を支持筒部5の段差部5aに嵌合させた状態で、座金24を介してボルト挿通孔9に通したボルト23とナット26で締結することにより、段差部5aと座金24との間でフリーになって支持筒部5の下側円筒部5bに回転可能に保持される。このようにローラ4を下カバー2に回転可能に組み付けた状態で、ローラ4の底板29が下カバー2の底壁6に面接触することにより、ローラ4がケース3内で円滑に回転できるようになっている。
【0014】
仕切板18の外周には、図6に示すように、ワイヤハーネス27を通す矩形状の切欠部28が設けられている。ワイヤハーネス27は複数の電線(断面が円形の電線)からなる連続した長尺のものであり、該ワイヤハーネス27の一部を通した取付部材39が、切欠部28に組み付けられるようになっている(図6参照)。
【0015】
ワイヤハーネス27のうち、取付部材39から第2収容部17側に延びる可動側ワイヤハーネス27aには、一端が取付部材39に固定された可撓性のあるチューブ40を所定長さにわたって被せてある。該チューブ40は、巻取胴20の外周に巻き付けられてその他端側が一方のハーネス導出口10から外に延びている。チューブ40の一端は取付部材39に樹脂モールド47により固定され、その他端は可動側ワイヤハーネス27aに固定した取付具48に樹脂モールド49により固定されている。
【0016】
切欠部28は矩形の孔であり、該切欠部28の近傍に矩形の係止孔41が設けられている。取付部材39は、ワイヤハーネス27が挿通しかつ切欠部28に嵌合する矩形の筒部42と、該筒部42と一体の保持板部43とを有する。該保持板部43は、筒部42の軸心に直交する方向に該筒部42の両側に延び、その一端側には、取付部材39から第1収容部16内に延びる固定側ワイヤハーネス27bがテープ巻き44により固定され、その他端側には、係止孔41に嵌合する係合突部45が突設されている。該係合突部45の両側面には、該係合突部45を係止孔41に係止される係止爪46がそれぞれ設けられている。
【0017】
前記取付具48は、可動側ワイヤハーネス27aを、固定体又可動体のいずれか一方のハーネス取付部50(例えば、ドア側のインナーパネル)に固定するためのものである。該取付具48には、図8に示すように、可動側ワイヤハーネス27aと共に樹脂モールド49によりチューブ40に固定された本体部48aと、該本体部に突設したクランプ48bとからなる。該取付部48は、クランプ48bをハーネス取付部50側に設けた係止部(例えば、T字形の係止孔或いは溝)51に差し込んでスリット51a側へ変位させると、クランプ48bがスリット51aで係止されてハーネス取付部50に固定されるようになっている。なお、取付具48の本体部部48a側にT字形の係止孔或いは溝などの係止部を設け、ハーネス取付部50側にその係止部に係合するクランプを設けてもよい。
【0018】
また、ワイヤハーネス27のうち、取付部材39から第1収容部16内に延びる固定側ワイヤハーネス27bは、取付部材39にテープ巻き44により固定され、ローラ4の支軸19に緩く巻かれるとともに、ケース3の他方のハーネス導出口11にテープ巻き33やバンド等により固定されてから外に延びている。ケース3は、前記固定体又は可動体のいずれか他方に固定されるように、不図示の固定具を備えている。
【0019】
そして、巻取胴20内には、該巻取胴20の外周にチューブ40が巻き付く巻取方向にローラ3を付勢する巻取ばね(ゼンマイばね)34が収容されている。すなわち、巻取ばね34は、取付具48に引張力が作用し、この力がチューブ40及び取付部材39を介してローラ4に伝わり該ローラ4が回転すると、縮径し、その引張力がなくなると、縮径状態からの復元力でローラ4を巻取方向に回転付勢するように、巻取胴20内に収容されている。巻取ばね34の一端34aは支持筒部5の下側円筒部5bに固定され、その他端34bは巻取胴20に固定されている。
【0020】
次に、上記構成を有するワイヤハーネス巻取り装置のワイヤハーネスへの組付け手順を、図9に基づいて説明する。ここでは、ワイヤハーネス巻取り装置を、自動車などの車両の車体側(固定体)とドア(可動体)との間に配索するワイヤハーネスに組み付ける場合について説明する。
(1)まず、巻取ばね34をローラ4の巻取胴20内に上述したように収容させたローラ4を、図4に示すように、下カバー2にボルト23とナット26により回転可能に組み付けておく。この状態で、図9(A)に示すように、ローラ4の仕切板18に設けた棒差込み穴54に棒53を差し込み、仕切板18の切欠部28が下カバー2の(ケース3の)一方のハーネス導出口10に臨む位置にくるまで、ローラ4を回転させる。
(2)ここで、取付具48の本体部48aを治具52に係止することにより、前記回転位置にローラ4を保持し、この状態で、取付部材39を切欠部28に組み付ける(図9(B)参照)。このとき、取付部材39の筒部42を切欠部28に嵌合させてから、係合突部45が係止孔41に嵌合するように取付部材39を押し下げると、係合突部45の両側にある係止爪46が係止孔41に係止される。これによって、取付部材39が切欠部28に固定される。この後、ローラ4の保持を解除すると、巻取ばね34の付勢力によりローラ4が巻取方向に回転するので、可動側ワイヤハーネス27aに被せたチューブ40が下カバー2内に引き込まれ、巻取胴20の外周に自動的に巻き取られる(図9(C)参照)。
(3)次に、取付部材39にテープ巻き44により固定された固定側ワイヤハーネス27bを、ローラ4の支軸19に緩く巻く(図9(C)参照)。この後、固定側ワイヤハーネス27bを、テープ巻き33等により他方のハーネス導出口11に固定し、該ハーネス導出口11から外に出す。
【0021】
(4)この後、上下のカバー1,2を結合する。最後に、取付具48を固定体又は可動体のいずれか一方に固定するとともに、ケースに設けた不図示の固定具を固定体又は可動体の他方に固定することにより、前記組付けが完了する。
【0022】
次に、上記ワイヤハーネス巻取り装置の動作を説明する。
まず、可動側ワイヤハーネス27aおよびこれに被せたチューブ40がケース3内に巻き取られている状態で、前記ドアなどの開閉体を開けることにより、取付具48にハーネス引出し方向の引張力が作用すると、この引張力がチューブ40および取付部材39を介してローラ4に伝わり、ローラ4が巻取ばね34の付勢力に抗して回転して可動側ワイヤハーネス27aがチューブ40と共にケース3外へ引き出される。また、前記ドアが閉じられることにより、前記引張力がなくなると、ローラ4が巻取ばね34の付勢力で巻取方向に回転し、この回転が取付部材39およびチューブ40を介して取付具48に伝わり、可動側ワイヤハーネス27aがチューブ40と共に巻取胴20の外周に巻き取られる。このため、可動側ワイヤハーネス27aが引き出される際および巻き取られる際に、引張力がワイヤハーネス27に加わらず、ワイヤハーネス27の各電線が受けるストレス(負荷)が少ない。
【0023】
また、固定側ワイヤハーネス27bについては、ローラ4が巻取ばね34の付勢力に抗して回転する際には、この回転に伴い支軸19に緩く巻き付いていき、ローラ4が前記付勢力により巻取方向に回転する際には、支軸19の回りで緩んでいく。なお、第1収容部16内での固定側ワイヤハーネス27bの巻き方向を逆にしてもよい。
【0024】
上記一例に係るワイヤハーネス巻取り装置によれば、固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネス27への組付けが容易であり、しかも、固定側ワイヤハーネス27bの余長をケース3の第1収容部16内に収納できる。したがって、外観上の見映えが向上するとともに、長尺のワイヤハーネスに任意の位置で容易に組み付けることができる。
また、上記一例によれば、可動側ワイヤハーネス27aが引き出される際および巻き取られる際に、引張力が可動側ワイヤハーネス27aに加わらず、ワイヤハーネス27の各電線が受けるストレスが少ない。したがって、ワイヤハーネス27の各電線が断線するのを防止することができる。
また、固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネス27に組み付けるので、上記従来例のようなコネクタが不要となり、その分製造コストを低減することができる。
また、上記一例によれば、可動側ワイヤハーネス27aに取付具48を設けてあるので、可動側ワイヤハーネス27aを固定体又は可動体のいずれか一方のハーネス取付部に簡単に固定することができる。
【0025】
また、上記一例によれば、ローラ4の支軸19の円形凹部22を支持筒部5の段差部5aに嵌合させた状態で、座金24を介してボルト挿通孔9に通したボルト23とナット26で締結するだけで、支軸19が段差部5aと座金24との間でフリーになって支持筒部5の下側円筒部5bに回転可能に保持されるので、ローラ4を下カバー2に簡単に組み付けることができる。
【0026】
また、上記一例によれば、図10に示すように、取付部材39に対する固定側ワイヤハーネス27bのテープ巻き44を、同ワイヤハーネス27bの取付部材39からの取り出し方向がローラ4の中心側へ向かうように(その取り出し方向がローラ4の円形の外周より内側を向くように)変更することにより、取付部材39に与えるストレスを緩和させるように、ワイヤハーネスの取り出し方向を規制できる。
なお、上記一例において、前記巻取ばね34を、ゼンマイばねに代えてねじりコイルばね或いはうず巻きばねを使用してもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、長尺のワイヤハーネスに任意の位置で容易に組み付けることができ、電線のストレスを少なくすることができるとともに、外観上の見映えが向上する。また、コネクタが不要であるので、製造コストを低減することができる。
【0028】
請求項2に係る発明によれば、取付部材に対する固定側ワイヤハーネスのテープ巻きを変更することにより、取付部材に与えるストレスを緩和させるように、ワイヤハーネスの取り出し方向を規制できる。
【0029】
請求項3に係る発明によれば、ワイヤハーネスへの組付けをより簡単にかつより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤハーネス巻取り装置の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図2】図1に示す一例の外観を示す斜視図。
【図3】図1に示す一例の分解斜視図。
【図4】図1に示す一例の縦断面図。
【図5】図1に示すケースにワイヤハーネスを固定した部位を示す平面図。
【図6】図1に示すローラへのワイヤハーネスの組付けを説明するための斜視図。
【図7】図6に示すワイヤハーネスとその関連部材を示す側面図。
【図8】図1に示すチューブの固定構造を示す分解斜視図。
【図9】図1に示す一例におけるワイヤハーネスへの組付け手順を示す説明図。
【図10】図1に示す取付部材からの固定側ワイヤハーネスの引き出し方向の説明図。
【図11】従来例を示す横断面図。
【図12】別の従来例を示す斜視図。
【図13】図12に示す従来例の内部を示す平面図。
【符号の説明】
1・・・上カバー
2・・・下カバー
3・・・ケース
4・・・ローラ
10,11・・一方のハーネス導出口
16・・・・第1収容部
17・・・・第2収容部
18・・・・仕切板
19・・・・支軸
20・・・・巻取胴
27・・・・ワイヤハーネス
27a・・・可動側ワイヤハーネス
27b・・・固定側ワイヤハーネス
28・・・・切欠部
34・・・・巻取ばね
39・・・・取付部材
40・・・・チューブ
41・・・・係止孔
44・・・・テープ巻き
45・・・・係合突部
48・・・・取付具
50・・・・ハーネス取付部
Claims (3)
- 固定体と可動体との間に配索するワイヤハーネスに組み付けるワイヤハーネス巻取り装置において、
上下のカバーが結合されて2つのハーネス導出口を形成するケースと、
該ケース内に回転可能に設けられ、該ケース内を第1収容部と第2収容部に仕切る仕切板と、該仕切板の上側および下側にそれぞれ設けた支軸および巻取胴とを有するローラとを備え、
前記ワイヤハーネスを通した取付部材が、前記仕切板の外周に設けた切欠部に組み付けられ、
前記取付部材から前記第2収容部側に延びる可動側ワイヤハーネスには、一端が前記取付部材に固定された可撓性のあるチューブを所定長さにわたって被せてあり、
該チューブは前記巻取胴の外周に巻き付けられてその他端側が前記ケースの一方のハーネス導出口から外に延びており、該チューブの他端は、前記固定体又は可動体のいずれか一方のハーネス取付部に固定するための取付具を介して前記可動側ワイヤハーネスに固定され、
前記取付部材から前記第1収容部側に延びる固定側ワイヤハーネスは、前記取付部材に固定され、前記ローラの支軸に緩く巻かれるとともに、前記ケースの他方のハーネス導出口に固定されて外に延び、さらに、
前記巻取胴内には、該巻取胴の外周に前記チューブが巻き付く巻取方向に前記ローラを付勢する巻取ばねが収容されていることを特徴とするワイヤハーネス巻取り装置。 - 前記固定側ワイヤハーネスは、前記取付部材にテープ巻きにより固定されていることを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネス巻取り装置。
- 前記仕切板の、前記切欠部の近傍には係止孔が設けられており、前記取付部材には、前記係止孔に嵌合する係合突部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のワイヤハーネス巻取り装置。
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