JP2001338820A - ギャップ付き変圧器及びこれを用いた非接触給電装置並びにx線ct装置 - Google Patents
ギャップ付き変圧器及びこれを用いた非接触給電装置並びにx線ct装置Info
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Abstract
漏れ磁束による電力伝達効率の低下を防ぎ,1次巻線に
供給した電力を前記ギャップを介して2次巻線側に伝達
することが可能なギャップ付き変圧器及びこのギャップ
付き変圧器を用いて電力を負荷側に非接触で伝達する非
接触給電装置並びにこの非接触給電装置を用いて電源か
らX線管側へ非接触で電力を供給することができるX線
CT装置を提供する。 【解決手段】 1次側鉄心11に1次巻線21を巻き、ギャ
ップを介して前記1次側鉄心11に対向して2次側鉄心12
を配置し、この2次側鉄心12に2次巻線22を巻き、かつ
前記1次側鉄心11と2次側鉄心12の磁束走行方向に対し
て平行に銅板(導体層)31〜34を設けてギャップ付き変
圧器を構成する。このギャップ付き変圧器の1次巻線21
に交流電圧源を接続して前記2次巻線22に接続された負
荷に前記交流電圧源の電力を非接触で供給することがで
きる非接触給電装置とする。この非接触給電装置をX線
CT装置のスキャナ回転部に設けて電源からX線管側へ
非接触で電力の供給を可能とする。
Description
介して1次側から供給される交流電力を2次側へ伝達可
能なギャップ付き変圧器及びこれを用いた非接触給電装
置並びにX線CT装置に係り,特に,1次巻線で発生し
た磁束が2次側巻線と鎖交しない磁束の漏れを抑制し,
効率良く電力を伝達可能なギャップ付き変圧器及びこれ
を用いて電力を負荷側に非接触で伝達する非接触給電装
置並びに電源からX線管側へ非接触で電力を供給するこ
とができるX線CT装置に関する。
ビームを被検体に照射し、該被検体を透過したX線を前
記X線管と対向する位置に配置したX線検出器で検出
し、この検出したデータを画像処理して前記被検体の断
層像を得るものである。前記X線検出器は、円弧状に配
列された数百にも及ぶ検出素子群で構成され、被検体を
挟んでX線管に対向して配置されており、検出器素子の
数に対応した数の放射状に分布するX線通路を形成し、
X線管と検出器が一体となって被検体の周りを少なくと
も180度以上回転させて一定の角度ごとに被検体の透過
X線を検出する。
間で広い範囲のスキャンが可能”、“体軸方向に連続し
たデータが得られ、これによって3次元画像の生成が可
能になる”などの特徴により、ヘリカルスキャンやスパ
イラルスキャンと呼ばれるら旋CTが急激に普及した。
このら旋CTは、撮影中に積極的に撮影位置を移動させ
ることで広範囲の多層の撮影にかかる時間を大幅に短縮
して、3次元のCT撮影を可能としたものである。
たスキャナ本体が連続回転スキャンを行うと同時に寝台
を体軸方向に連続移動させることによって、X線管を被
検体に対し相対的にら旋運動をさせる。このように、ら
旋スキャンは撮影中、連続回転スキャンと並行して撮影
位置も変えているため、全体の撮影時間が短縮される。
また、撮影中に体軸方向にも連続走査しているため、3
次元データを収集していることになる。
キャナ回転盤を連続して回転させる必要があり、そのた
めにはスキャナ回転盤に搭載したX線管に連続して電力
を供給するための手段が必要となる。この手段には、ス
リップリングとブラシから成る電力供給機構が用いら
れ、前記スキャナ回転盤にX線管と共に該X線管に高電
圧(以下、この電圧を管電圧と呼ぶことにする)を印加
するための高電圧発生装置などを搭載し、この高電圧発
生装置などに前記電力供給機構を介して前記X線管から
所要のX線を発生するための電力を供給する。このよう
に、高電圧発生装置はスキャナ回転盤に搭載されて高速
に回転されるために、その重量はできるだけ軽い方が望
ましい。このため、X線高電圧装置には、前記高電圧発
生装置の高電圧変圧器を小型、軽量化でき、かつ管電圧
の脈動を小さくできるインバータ式X線高電圧装置が用
いられる。
シによる電力供給機構による従来のX線CT装置は、ス
リップリングとブラシの機械的摺接による電力供給方法
であるので、前記スリップリングとブラシとの間に大電
流が流れることによって,その接触部分に摩耗や腐食が
生じるものであった。すなわち、上記スキャナ回転部に
搭載されている高電圧変圧器は、出力側に百数十kVも
の高電圧を発生させるもので、入力側との絶縁のために
内部に十分な絶縁距離を設けてあり、このために数μH
〜数十μHの漏れインダクタンスがある。また、上記ス
リップリングとブラシとを介して流れる電流は、最大で
約400Aにもなる。このような状態で、上記スキャナ
回転部が回転するときにスリップリングとスキャナ固定
部に設けたブラシとの間に小さな隙間が生じると、上記
漏れインダクタンスの影響で電流は流れ続けようとし、
上記隙間にアークが発生して局所的に高温になることが
ある。そして、この高温によって上記スリップリングや
ブラシが摩耗したり腐食することがあるので、上記スリ
ップリングの研磨やブラシの交換などの保守点検を定期
的に行わなければならず、保守点検に多くの労力と費用
とを要するものである。
として,電源からX線管側へ電力を機械的摺接によらな
い非接触で供給する電磁誘導作用を利用した方法が特開
平7-204192号に開示されている。これは、スキャナ回転
部に設けられ電源からX線管側へ電力を供給する手段と
して、上記インバータ式X線高電圧装置のインバータ回
路の出力側に接続されると共にスキャナ回転部の固定枠
の周上に配置されたリング状の第一の鉄心に第一の巻線
を巻き付け、スキャナ回転部の回転枠の周上に配置され
たリング状の第二の鉄心に第二の巻線を巻き付けて成
り、上記第一の巻線で発生する磁束が上記各鉄心を介し
て第二の巻線に鎖交させて該第二の巻線に誘起した電圧
を利用するものである。
て、上記X線管とX線検出器を回転させるために、スキ
ャナ回転部の固定枠に配置された第一の鉄心と回転枠に
配置された第二の鉄心の間にはギャップが必要となる。
したがって、前記電磁誘導送電手段はギャップ付き変圧
器の1次側を固定にし、2次側を回転させる回転変圧器
の原理を応用したものと言える。
の1次側鉄心に巻かれた1次側巻線と、前記1次側鉄心
とギャップを設けて対向して配置された2次側鉄心と、
この2次側鉄心に巻かれた2次側巻線とで構成される。
このギャップ付き変圧器において、1次巻線に外部から
交流電圧が供給されるとこの電流によって1次巻線の周
囲,特に,1次側鉄心に磁束が発生し、この1次巻線に
よって発生する磁束の多くは,前記ギャップを介して2
次側鉄心に到達し,そのまま2次巻線と鎖交して再び1
次側鉄心に戻り,1次巻線と鎖交して1次側から供給し
た電力を2次側に伝達する。以上のことから、前記電磁
誘導送電手段のスキャナ回転部の固定枠の周上に配置さ
れたリング状の第一の鉄心と第一の巻線は、前記ギャッ
プ付き変圧器の1次側鉄心と1次側巻線に対応し、前記
電磁誘導送電手段のスキャナ回転部の回転枠の周上に配
置されたリング状の第二の鉄心と第二の巻線は、前記ギ
ャップ付き変圧器の2次側鉄心と2次側巻線に対応して
おり、前記ギャップ付き変圧器の原理で1次側から供給
した電力を2次側に非接触で伝達することによって、ス
リップリンク゛とブラシによる機械的摺接による電力伝
送手段の摩耗や腐食を防止し、保守点検を容易にすると
共に、装置全体の信頼性向上が可能となる。
おいては、1次巻線に流れる電流によって生じる磁束の
うちの一部は2次側鉄心まで到達せず,1次側鉄心付近
で戻って1次巻線だけと鎖交するものがある。また,2
次側鉄心には到達するものの,2次巻線とは完全に鎖交
せずに途中でバイパスして1次側鉄心に戻るものもあ
る。
ャップがある上記のギャップ付き変圧器においては,1
次巻線で生じた磁束はギャップを越えて2次側鉄心に到
達することができずにもっと近くを通ろうとする磁束が
増加するために,1次巻線及び2次巻線と鎖交しない磁
束,すなわち,漏れ磁束が多く生じる傾向にある。この
漏れ磁束は、1次巻線から供給されて2次側に伝達する
電力を制限してしまう。1次巻線から見るとこの漏れイ
ンダクタンスは周波数の高い交流電流を著しく制限する
ものである。
は,2次側が開放のとき1次側から見たインダクタン
ス,すなわち,励磁インダクタンスが低下し,その分,
無負荷でも1次巻線に大きな電流が流れて,1次巻線や
1次側および2次側鉄心,1次電流を供給するインバー
タ回路などに大きな損失を発生させ,結果的に,電力変
換伝達効率を低下させるという問題があった。
プ付き変圧器は,鉄心間のギャップが比較的大きな磁気
抵抗として働き,本来、磁束を通したい経路以外に磁束
が漏れ,この漏れ磁束が一次巻線,二次巻線の電磁的結
合を低下させるという問題をもっており、ギャップが大
きいときはなおさらその傾向が強い。
合が低いと,等価的には1次巻線に大きなインダクタン
ス(漏れインダクタンス)が直列に挿入されているよう
に作用し,1次巻線の電流を制限してしまうばかりでな
く,1次巻線に供給される交流電圧に対して流れる電流
が位相遅れを生じ力率が著しく低下して大きな電力を伝
達できないという問題が生る。このような問題を有する
ギャッブ付き変圧器と同じ原理の上記電磁誘導送電手段
においも、スキャナ回転部の固定枠に配置された第一の
鉄心と回転枠に配置された第二の鉄心との間にギャップ
を必要とするために、上記ギャップ付き変圧器と同様の
問題が生じ、この点の改善が望まれていた。すなわち、
ギャップの存在によって生じる漏れ磁束を低減して電力
の伝達効率をあげることが必要である。
用して電力を非接触で伝達する非接触給電方式は、上記
X線CT装置の他に、経皮的電力伝達型の心臓用ペース
メーカ,電気自動車用の給電装置,電話器や電動歯ブラ
シなどの給電に応用されるようになってきており、機械
的な電気接点がないので該接点の腐食や汚れによる機器
の信頼性が高い。また,高速で動作するものに対して静
止側から電力を無接点で供給できるので,無人搬送装
置,リニアモータカーなどへ応用され,さらに,電力伝
達される装置の操作者の感電を防止するなど,実応用面
で非常に有効な利点を持っている。
応用した非接触給電装置は、その多くの利点を活かして
多分野への適用が展開されつつあるが、反面、上記した
ようにギャップの存在によって生じる電力伝達効率の低
下という問題が残されている。そこで、本発明の目的
は,1次、2次鉄心間のギャップによって生じる漏れ磁
束による電力伝達効率の低下を防ぎ,1次巻線に供給し
た電力を前記ギャップを介して2次巻線側に伝達するこ
とが可能なギャップ付き変圧器及びこのギャップ付き変
圧器を用いて電力を負荷側に非接触で伝達する非接触給
電装置並びにこの非接触給電装置を用いて電源からX線
管側へ非接触で電力を供給することができるX線CT装
置を提供することにある。
よって達成される。 (1)第一の鉄心と,これに巻かれた第一の巻線と,ギ
ャップを介して第一の鉄心に対向して配置された第二の
鉄心と,この第二の鉄心に巻かれた第二の巻線とからな
るギャップ付き変圧器において,前記第一の鉄心と第二
の鉄心内の磁束走行方向に沿って導体層を設ける。
一の巻線に交流電圧源を接続して前記第二の巻線に接続
された負荷に前記交流電圧源の電力を非接触で供給す
る。
からの直流電圧を交流に変換するインバータと、該イン
バータからの交流電圧を昇圧する高電圧変圧器と、該高
電圧変圧器の出力電圧を整流する整流器と、該整流器か
ら直流電圧を供給してX線を放射するX線管と、該X線
管から放射され被検体を透過した透過X線量分布を検出
すると共にその検出信号を増幅するX線検出部と、前記
X線管と前記X線検出部とを対向させて被検体の周りに
回転させるスキャナ回転部と、該スキャナ回転部のX線
検出部からの出力信号を処理して診断部位の断層像を再
構成する画像処理装置と、該画像処理装置からの出力信
号を入力して断層像を表示する画像表示装置と、前記ス
キャナ回転部には電源からX線管側へ電力を供給する手
段とを備えて成るX線CT装置において、前記電力供給
手段は、前記インバータの出力側に接続され、かつ前記
スキャナの固定枠に配置された第一の鉄心と、この第一
の鉄心に巻かれた第一の巻線と、前記高電圧変圧器の入
力側に接続され、かつ前記スキャナ回転部の回転枠に前
記第一の鉄心に対向して配置された第二の鉄心と、この
第二の鉄心に巻かれた第二の巻線と、前記第一の鉄心と
第二の鉄心内の磁束走行方向に沿って設けた導体層との
組み合わせから成り、前記第一の巻線により生成された
主磁束が前記第二の巻線により形成される主要導磁器に
導かれるように構成する。
器及びこのギャップ付き変圧器を用いた非接触給電装置
並びにこの非接触給電装置を用いたX線CT装置につい
て実施例を用いて詳細に説明する。
変圧器)の第一の実施例である。11は1次側鉄心,21は
1次側鉄心に巻かれた1次巻線,12は1次側鉄心11にギ
ャップを設けて配置された2次側鉄心,22は2次側鉄心
に巻かれた2次巻線,31と32,33と34はそれぞれ1次側
鉄心11と2次側鉄心12の溝に配置された銅板である。こ
の銅板31〜34は,1次巻線と1次側鉄心,2次巻線と2
次側鉄心の間に挟まれていると同時に,両鉄心の内側に
鉄心に沿って張られており,鉄心内に発生する1次巻線
21及び2次巻線22と鎖交する主磁束の方向に対して平行
に配置するのが特徴である。
は,1次巻線に供給される電流によって生じた磁束が1
次側鉄心内を通るとき,その一部が鉄心外に漏れて1次
巻線へ最短距離の経路で戻るのを阻止するはたらきがあ
る。すなわち,銅板31,32を横切ろうとする磁束がある
と,銅板に渦電流が生じて横切る磁束と反対向きの磁束
が発生し,それを打ち消すはたらきがある。結局,磁束
は銅板を横切ることができず2次側鉄心の方向へ進み,
その殆どは2次側鉄心に到達する。
同様の理由によって,銅板33,34を横切ることができ
ず,結果的には2次巻線22と鎖交して再び1次側鉄心に
戻る。こうして1次巻線で発生した磁束のほとんどは2
次巻線に鎖交することになり,1次巻線に供給された電
力が効率良く2次巻線へ伝達されることになる。
の変圧器)の第二の実施例である図2は変圧器がリング
状で、鉄心は中空になっており、(a)は1次側を上から
見た図、(b)は1次側、2次側を組み合わせた図であ
る。このリング状の変圧器は回転する物体間に電力を伝
達するのに適している。図2において,11'は1次側鉄
心,21'は1次側鉄心に巻かれた1次巻線,12'は1次側
鉄心11にギャップを設けて配置された2次側鉄心,22'
は2次側鉄心12'に巻かれた2次巻線,31'と32',33'と
34'はそれぞれ1次側鉄心11'と2次側鉄心12'の溝に配
置された銅板である。この銅板31'〜34'は,1次巻線2
1'と1次側鉄心11',2次巻線22'と2次側鉄心12'の間
に挟まれていると同時に,両鉄心の内側に鉄心に沿って
張られている。この場合も主磁束の方向と平行に銅板を
配置している。
巻線21'によって鉄心11'の中に生じた磁束が鉄心の内側
に漏れることなく,効率良く2次側鉄心12'に到達し,
更に,2次巻線22'に鎖交して,漏れ磁束の少ない磁気
結合の高いギャップ付き変圧器を実現する。
に示すように,銅板31'と銅板32'はわずかな間隔を置い
て互いに絶縁されて配置されている。これは,これらの
銅板がリング状に接続されていると,1次巻線21'で生
じた磁束によって,この銅板にリングに沿って電流が流
れ,鉄心の磁束をほとんど全て打ち消してしまうのを防
ぐためである。図3は本発明のギャップ付き変圧器(E
型鉄心の側面に銅板を設けた変圧器)の第三の実施例で
ある。
にあたる部分に磁束が漏れることを防いだが,こうした
場合においても鉄心の端面から磁束が漏れることがある
ため,これが漏れ磁束となる。そこで,図3の実施例で
は側面に鉄心断面とほぼ同形状の銅板35〜38を配置して
この側面から生じる磁束をも閉じ込めることができる。
鉄心の内側及び外側に銅板を設けた変圧器)の第四の実
施例である。上記の第一〜第三の実施例では,鉄心の溝
の内側に磁束が漏れることを防ぎ,磁気的結合を向上さ
せるものである。これに対して,図4では,鉄心の外側
にも銅板を配置することによって,鉄心の外側に漏れる
磁束を鉄心内に閉じ込めることが可能である。この場
合,磁束のほとんど全てが鉄心の中を通過するために,
1次巻線でみた励磁インピーダンスを高めることがで
き,それに伴って,励磁電流を低減し,励磁電流によっ
て生じる損失を低減し,電力伝達効率の高いギャップ付
き変圧器を構成することが可能である。
の趣旨は,本来,鉄心内を走行させたい磁束の方向に沿
って鉄心に導体を配置することによって,鉄心から漏れ
て1次巻線及び2次巻線と鎖交しない無効な漏れ磁束を
低減し,さらにはまた,所要の励磁インピーダンスを確
保して電力伝達効率を低下させることなく,ギャップを
介した1次側と2次側の電磁的結合を可能にすることに
ある。
の鉄心について述べたが,これはU型,EI型,C型な
どさまざまな断面形状の鉄心に適用可能である。
させたい磁束の走行方向に沿って導体板を配置すること
により,1次巻線と2次巻線の磁気的結合を高め,その
結果,漏れ磁束や漏れインダクタンスを低減して効率良
い電力伝達を実現しようというものである。このとき,
導体は電気抵抗の小さいものを選ぶほうが磁束の通過を
阻止する効果が高く,その際に流れる渦電流によって生
じる損失,発熱も小さい。しかし,必ずしも導体として
銅板を用いる必要はなく,アルミニューム,銀など他の
電気伝導度の高い物質を用いることができる。また,実
装上は,この導体板は薄いものが有利であるが,上記,
渦電流によって生じる損失を低減するために,ある程度
の厚さが必要な場合もある。
の間に入れることによって,電磁誘導により非接触で前
記負荷に電力を供給することが可能となる。その非接触
給電装置の一例を図5に示す。図5において、51は直流
電源,52はこの直流電源51から直流電圧を受電し,高周
波の交流に変換するインバータ回路,21aはインバータ
回路52の出力側に接続された1次巻線,11aは1次巻線
が巻かれている1次側鉄心,12aは1次側鉄心31aにギャ
ップを介して対向して配置された2次側鉄心,22aは2
次側鉄心12aに巻かれた2次巻線,53は2次巻線22aに接
続された負荷である。ここで負荷22aは,抵抗性の負荷
である場合もあるし,更に,整流回路やコンバータ,イ
ンバータに代表される電力変換回路を含む場合や,バッ
テリー,照明機器,電動機などである場合もあり,特
に,ここでは負荷の種類を限定しない。
プを介して1次、2次側に分かれた変圧器を通して効率
良く電力を供給できることが重要であり,図1〜図4で
説明した漏れ磁束を低減したギャップ付き変圧器を適用
することができる。本発明による非接触給電装置は、電
動歯ブラシ,心臓ペースメーカ,電話器,電気自動車,
X線CT装置,搬送機械,ロボット,など,接点の保
護,感電防止,無接点の相対動作機器などあらゆる非接
触給電部に用いることができる。
置 上記(2)のギャップ付き変圧器による非接触給電装置
をインバータ回路と高電圧変圧器との間に入れることに
よって,電磁誘導により非接触でX線CT装置のX線管
に電力を供給することが可能となる。
原理の電磁誘導送電手段を用いた本発明によるX線CT
装置の実施例を示す全体構成のブロック図である。この
X線CT装置は,被検体の診断部位にX線を放射しその
透過X線量分布を検出して断層像を再構成して画像とし
て表示するもので,図1に示すように,電源1と,イン
バータ回路2と,高電圧発生回路520と,X線管560と、
X線検出部550と,画像処理装置9と,画像表示装置10
とを有し,上記電源1からX線管560へ電力を供給する
手段としてスキャナ回転部5に電磁誘導送電手段4を備
え,さらにX線検出部550から画像処理装置9へ検出信
号を送る手段としてスキャナ回転部に設けた前記X線検
出部550からの出力信号を光に変換する発光素子7cとス
キャナ固定部に設けた光を電気信号に変換する受光素子
8cとによる信号伝送手段とを備えて成る。
る直流電圧を発生するもので,図1においては商用の交
流電源101と,この交流電源の電圧を所望の直流電圧に
変換するコンバータ回路102と,このコンバータ回路の
出力電圧を平滑するコンデンサ103とから成る。なお、
この電源1の入力電源としての商用電源は、単相交流電
源を例としてあげたが、これは三相交流電源でも良く、
また、前記電源1は,直流電圧を発生するものであれば
上記の構成に限らず、例えばバッテリであっても良い。
された直流電圧を高周波の交流に変換するもので、この
変換された高周波交流電圧を共振コンデンサ3とこれと
直列に接続される回路のインダクタンス(電磁誘導送電
手段4、高電圧変圧器524の漏れインダクタンスなどの
回路系に存在するインダクタンス成分であるが、前記高
電圧変圧器524の漏れインダクタンスがほとんどを占め
る)との共振作用によって生じる電力をX線管560に供
給する。
設けた第一の巻線401とスキャナ回転部に設けた第二の
巻線402などから成り、後述の機構による電磁誘導作用
により前記インバータ回路2の出力電圧をスキャナ回転
部5に搭載した高電圧変圧器524に非接触で送電する。
この高電圧変圧器524の出力電圧を直流電圧に変換する
高電圧整流器525とで構成され、該高電圧整流器525で直
流に変換した高電圧をX線管560に印加し、X線管560か
らX線を放射する。
され被検体を透過した透過X線量分布を検出すると共に
その検出信号を増幅するもので,上記の透過X線量分布
を検出する検出器551と,この検出器551からの検出信号
を増幅するプリアンプ552とから成る。
らの出力信号を入力して処理し,被検体6の診断部位の
断層像を再構成するものである。画像表示装置10は,上
記画像処理装置9からの出力信号を入力して断層像を表
示するもので,例えばテレビモニタから成る。
高電圧発生回路520と、高電圧整流器525と、X線管560
と、X線検出部550が搭載され,上記X線管6とX線検
出部550とが被検体6を挟んで対向し上記被検体6の周
りを回転するようになっている。
用の開口部が形成された回転枠を有し,この回転枠の一
側面に、上記高電圧発生回路520、X線管560、X線検出
部550を搭載し、前記回転枠の胴部の周りには検出信号
伝送用の発光素子7Cを(図6の7c)を設け、この発光
素子に対向してスキャナの固定枠に受光素子8C(図6の
8c)を設けて、これらによって被検体を透過したX線
検出信号を画像処理装置9に伝送する。
構造である。同図(a)はスキャナの被検体挿入用開口
部55と固定枠57と回転枠56との位置関係を示す断面図、
(b)は図2(a)の破線で囲んで示した電磁誘導送電
手段4の部分を拡大した斜視図である。
側にて軸方向に所定距離だけ離して設けた軸受406a,40
6bによって回転可能に取り付けられている。固定枠57の
内側面と回転枠56の外周面にはそれぞれ対向して第一の
鉄心404と第二の鉄心405が配置され、前記第一の鉄心40
4と第二の鉄心405内の磁束走行方向に対して平行に銅板
(導体層)が設けられている。
されていても良い。また,一方の鉄心が一体で,他方の
鉄心が分割されているという組み合わせでも良い。第一
の鉄心404に設けた溝には、インバータ回路2の出力側
に接続された第一の巻線401が嵌め込み固定され、第二
の鉄心405に設けた溝には,高電圧変圧器524の入力側に
接続された第二の巻線402が嵌め込み固定される。電磁
誘導送電手段4を上記のように構成することにより,図
6に示すインバータ回路2から供給された交流電流が第
一の巻線401に流れると,図7(b)に示すように,対
向する第一の巻線401及び第二の巻線402,及び対向する
円形で断面がコの字形の第一の鉄心404と、同じく円形
で断面がコの字形の第二の鉄心405とで構成された外鉄
形のギャップ付き変圧器に磁気回路が形成され磁束φが
発生する。すると,前記第一の鉄心404と第二の鉄心405
内の磁束走行方向に対して平行に設けられた銅板(導体
層)でギャップによって生じる漏れ磁束を低減し、前記
磁束φに鎖交している第二の巻線402に電圧が誘起さ
れ,この第二の巻線402から図6に示す高電圧変圧器524
に交流電圧を供給することができる。このようにして、
X線管560の管電圧を発生する高電圧発生回路520に非接
触で電力を供給することができるようになる。
に図1のE型鉄心を用いたギャップ付き変圧器の原理を
応用した例をあげて説明したが、本発明はこれに限定す
るものではなく、他の図2、図3、図4に示したギャッ
プ付き変圧器と同じ原理の電磁誘導送電手段を用いても
良い。
1次、2次鉄心内の磁束走行方向に対して平行に設けた
銅板(導体層)で前記1次、2次鉄心間のギャップによ
って生じる漏れ磁束を低減するようにしたので、この漏
れ磁束による伝達電力低下を防ぎ,1次巻線に供給され
た電力を鉄心間のギャップを介して大電力を2次巻線側
に伝達することが可能なギャップ付き変圧器を提供する
ことができる。このギャップ付き変圧器の鉄心間のギャ
ップを利用して鉄心磁気特性の有効利用や,機械的な電
気接点がない電力伝達機能を実現でき,特に、非接触給
電装置は、接点の腐食や汚れによる機器の信頼性低下を
防ぎ,感電防止にも有効であり、この非接触給電装置の
電磁誘導送電手段をX線CT装置に利用することによっ
て、電源からX線管側へ非接触で電力を供給することが
できる。したがって、“短時間で広い範囲のスキャンが
可能”、“体軸方向に連続したデータが得られ、これに
よって3次元画像の生成が可能になる”などの特徴を有
するら旋CTの高画質化及び高信頼性化に大きく寄与す
るものとなる。
た変圧器)の第一の実施例図。
の第二の実施例図。
に銅板を設けた変圧器)の第三の実施例図。
及び外側に銅板を設けた変圧器)の第四の実施例図。
触給電装置の一実施例図。
電磁誘導送電手段を用いたX線CT装置の全体構成のブ
ロック図。
…スキャナ回転部、6…被検体、11,11',11a…1次側
鉄心、12,12',12a…2次側鉄心、21,21',21a…1次
巻線、22,22',22a…2次巻線、31〜38,31'〜34',31
a,32a…銅板51…直流電源、52…インバータ回路、53…
負荷、55…スキャナ開口部、56…スキャナ回転枠、57…
スキャナ固定枠、101…商用交流電源、102…コンバータ
回路401…第一の巻線、402…第二の巻線、404…第一の
鉄心、405…第二の鉄心、406〜409…銅板、520…高電圧
発生装置、524…高電圧変圧器、525…高電圧整流器 56
0…X線管、550…X線検出部
Claims (3)
- 【請求項1】 第一の鉄心と,これに巻かれた第一の巻
線と,ギャップを介して第一の鉄心に対向して配置され
た第二の鉄心と,この第二の鉄心に巻かれた第二の巻線
とからなるギャップ付き変圧器において,前記第一の鉄
心と第二の鉄心内の磁束走行方向に沿って導体層を設け
たことを特徴とするギャップ付き変圧器。 - 【請求項2】 第一の鉄心と,これに巻かれた第一の巻
線と,ギャップを介して第一の鉄心に対向して配置され
た第二の鉄心と,この第二の鉄心に巻かれた第二の巻線
とからなるギャップ付き変圧器と、このギャップ付き変
圧器の第一の巻線に交流電圧源を接続して前記第二の巻
線に接続された負荷に前記交流電圧源の電力を供給する
非接触給電装置において,前記第一の鉄心と第二の鉄心
内の磁束走行方向に沿って導体層を設けたことを特徴と
する非接触給電装置。 - 【請求項3】 直流電圧を発生する電源と、該電源から
の直流電圧を交流に変換するインバータと、該インバー
タからの交流電圧を昇圧する高電圧変圧器と、該高電圧
変圧器の出力電圧を整流する整流器と、該整流器から直
流電圧を供給してX線を放射するX線管と、該X線管か
ら放射され被検体を透過した透過X線量分布を検出する
と共にその検出信号を増幅するX線検出部と、前記X線
管と前記X線検出部とを対向させて被検体の周りに回転
させるスキャナ回転部と、該スキャナ回転部のX線検出
部からの出力信号を処理して診断部位の断層像を再構成
する画像処理装置と、該画像処理装置からの出力信号を
入力して断層像を表示する画像表示装置と、前記スキャ
ナ回転部には電源からX線管側へ電力を供給する手段と
を備えて成るX線CT装置において、前記電力供給手段
は、前記インバータの出力側に接続され、かつ前記スキ
ャナの固定枠に配置された第一の鉄心と、この第一の鉄
心に巻かれた第一の巻線と、前記高電圧変圧器の入力側
に接続され、かつ前記スキャナ回転部の回転枠に前記第
一の鉄心に対向して配置された第二の鉄心と、この第二
の鉄心に巻かれた第二の巻線と、前記第一の鉄心と第二
の鉄心内の磁束走行方向に沿って設けた導体層との組み
合わせから成り、前記第一の巻線により生成された主磁
束が前記第二の巻線により形成される主要導磁器に導か
れるように構成したことを特徴とするX線CT装置。
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