JP2001337412A - 熱現像カラー画像記録材料 - Google Patents

熱現像カラー画像記録材料

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JP2001337412A
JP2001337412A JP2000111917A JP2000111917A JP2001337412A JP 2001337412 A JP2001337412 A JP 2001337412A JP 2000111917 A JP2000111917 A JP 2000111917A JP 2000111917 A JP2000111917 A JP 2000111917A JP 2001337412 A JP2001337412 A JP 2001337412A
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JP2000111917A
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Kazunobu Kato
和信 加藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で、保存安定性に優れた熱現像カラー
画像記録材料を提供すること。 【解決手段】 有機銀塩、還元剤、色像形成材料、およ
び有機バインダーを含む有機銀塩層と該有機銀塩層とは
異なる感光性ハロゲン化銀粒子を含む感光性層とを支持
体上に有し、さらに電子伝達剤を含有する熱現像カラー
画像記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱現像カラー画像
記録方法に関するものであり、特に高感度で、保存安定
性に優れた熱現像カラー画像記録材料に関するものであ
る。
【0002】本技術の産業上の利用分野は、種々の分野
が有り得る。例えば、印刷工業分野で用いられるカラー
プルーフ材料、あるいは各種多色カラー写真材料になど
である。
【0003】
【従来の技術】有機銀塩を利用した熱現像画像記録材料
による画像形成方法は、例えば、米国特許第3,152,904
号、同3,457,075号、およびJ.クロスタベール(Kloster
boer)による「熱によって処理される銀システム ( Th
ermally Processed SilverSystems)」(イメージン
グ・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(ImagingPr
ocesses and Materials) Neblette 第8版、J.スタージ
(Sturge)、V.ウォールワーズ(Walworth)、A.シ
ェップ(Shepp) 編集、第279頁、1989年)に記載されて
いる。このような感光材料は、還元可能な非感光性の銀
源(例えば有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えばハ
ロゲン化銀)、および銀の還元剤を通常有機バインダー
マトリックス中に分散した状態で含有している。感光材
料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃以
上)に加熱した場合に、還元可能な銀源(酸化剤として
機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を
生成する。この酸化還元反応は露光で発生した潜像の触
媒作用によって促進される。露光領域中の還元可能な銀
塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これ
は非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。ま
た、これらの感光材料は、通常有機バインダーの有機溶
剤溶液を用いて、その中に有機銀塩とハロゲン化銀が分
散され、有機溶媒に溶かした還元剤を添加されるのが一
般的であった。また、ハロゲン化銀は、有機銀塩結晶の
表面に接触して配置させることが画像形成上重要な用件
であると認識されてきた。例えば、M.R. V. Sahyun, Th
ermally Developable Photographic Materials(TDPM) :
AReview of the State -of -the -Art in mechanist
ic Understanding, J.Imaging Sci. & Technology, 4
2, 23 (1998)に記載されている。
【0004】有機銀塩を利用した熱現像カラー画像記録
材料は、前述のJ. クロスタベールらの著書第290頁のCO
LOR TPSMの項に記載されている。そこに記載されている
ように、1970年代より、カラー画像を作成する試みがな
されているが未だに実用に供されていない。有機銀塩熱
現像方式で有効に機能する発色システムが見出されてい
ない。困難にしている原因の一つは、発色に必要なカプ
ラー類が熱現像に悪い影響を有していて、現像を起こら
なくさせたり、かぶらせたりするため、充分な発色現像
ができないことにある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱現像カラ
ー画像記録材料に関するものであり、特に高感度で、保
存安定性に優れた熱現像カラー画像記録材料に関するも
のである。また、本発明は上記の従来技術の問題を解決
する新たな構成の熱現像カラー画像記録材料に関するも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、有
機銀塩、還元剤、色像形成材料、および有機バインダー
を含む有機銀塩層と該有機銀塩層とは異なる感光性ハロ
ゲン化銀を含む感光性層とを支持体上に有し、さらに電
子伝達剤を含有する熱現カラー画像記録材料によって解
決できることを本発明者は見出した。
【0007】本発明によれば、感光性層の現像を引金に
して有機銀塩層で色素像形成反応を起こし、その結果と
してカラー画像を作成することができる。有機銀塩層に
は、画像形成に寄与する感光性ハロゲン化銀粒子を含ま
ない。従来のように感光性層で色素像形成反応を行う場
合に比べて、カプラーなどの発色剤による感光性や現像
に対する悪影響が排除できるため、高感度、高い保存安
定性が実現できる。
【0008】本発明の好ましい実施態様として、有機銀
塩層には感光性ハロゲン化銀を実質的に含まない態様;
有機銀塩層にはハロゲンプレカーサーを含有する態様;
感光性層が還元剤を含有する態様;有機バインダーが水
分散されたポリマーラテックスより形成される態様;還
元剤が水中に固体分散された微粒子である態様;ハロゲ
ンプレカーサーが水中に固体分散された微粒子である態
様;電子伝達剤がヒドラジン誘導体、アルケン誘導体、
イソオキサゾール誘導体又はアセタール化合物である態
様;色像形成材料が一般式(6)〜(23)で表される化合物
である態様;色像形成材料が水中に固体分散された微粒
子である態様及びこれらの態様の任意の2以上の組合せ
を挙げることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の熱現カラー画像記録材料は、有機銀塩、還元
剤、色像形成材料、および有機バインダーを含む有機銀
塩層(銀供給層ともいう)と該有機銀塩層とは異なる感
光性ハロゲン化銀を含む感光性層とを支持体上に有し、
さらに電子伝達剤を含有するところに特徴を有する。こ
れにより、高感度で、かつ保存性に優れた画像を生成す
ることができる。
【0010】(有機銀塩)本発明の有機銀塩は、光に対
して比較的安定であるが、露光された光触媒(感光性ハ
ロゲン化銀の潜像など)及び還元剤の存在下で、80℃或
いはそれ以上に加熱された場合に銀画像を形成する銀塩
である。有機銀塩は銀イオンを還元できる源を含む任意
の有機物質であってよい。有機酸の銀塩、特に(炭素数
が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪カルボン酸の
銀塩が好ましい。配位子が4.0〜10.0の範囲の錯安定定
数を有する有機または無機銀塩の錯体も好ましい。銀供
給物質は、好ましくは画像形成層の約5〜70質量%を構成
することができる。好ましい有機銀塩はカルボキシル基
を有する有機化合物の銀塩を含む。これらの例は、脂肪
族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩を含
むがこれらに限定されることはない。脂肪族カルボン酸
の銀塩の好ましい例は、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、
ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロ
ン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸
銀、フマル酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、酪酸銀及び
樟脳酸銀、これらの混合物などを含む。
【0011】メルカプト基またはチオン基を含む化合物
の銀塩及びこれらの誘導体を使用することもできる。こ
れらの化合物の好ましい例としては、3-メルカプト-4-
フェニル-1,2,4-トリアゾールの銀塩、2-メルカプトベ
ンズイミダゾールの銀塩、2-メルカプト-5-アミノチア
ジアゾールの銀塩、2-(エチルグリコールアミド)ベン
ゾチアゾールの銀塩、S-アルキルチオグリコール酸(こ
こでアルキル基の炭素数は12〜22である)の銀塩などの
チオグリコール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩などのジチ
オカルボン酸の銀塩、チオアミドの銀塩、5-カルボキシ
ル-1-メチル-2-フェニル-4-チオピリジンの銀塩、メル
カプトトリアジンの銀塩、2-メルカプトベンズオキサゾ
ールの銀塩、米国特許第4,123,274号に記載の銀塩、例
えば3-アミノ-5-ベンジルチオ-1,2,4-チアゾールの銀塩
などの1,2,4-メルカプトチアゾール誘導体の銀塩、米国
特許第3,301,678号に記載の3-(3-カルボキシエチル)-4-
メチル-4-チアゾリン-2-チオンの銀塩などのチオン化合
物の銀塩を含む。さらに、イミノ基を含む化合物も使用
することができる。これらの化合物の好ましい例として
は、ベンゾトリアゾールの銀塩及びそれらの誘導体、例
えばメチルベンゾトリアゾール銀などのベンゾトリアゾ
ールの銀塩、5-クロロベンゾトリアゾール銀などのハロ
ゲン置換ベンゾトリアゾールの銀塩、米国特許第4,220,
709号に記載のような1,2,4-トリアゾールまたは1-H-テ
トラゾールの銀塩、イミダゾール及びイミダゾール誘導
体の銀塩などを含む。例えば、米国特許第4,761,361号
及び同第4,775,613号に記載のような種々の銀アセチリ
ド化合物をも使用することもできる。
【0012】本発明に用いることができる有機銀塩の形
状としては特に制限はなく、針状、鱗片状、塊状など種
々の形状を用いることができる。特に好ましいのは、針
状、および鱗片状である。針状結晶の場合、短軸0.01μ
m以上0.20μm以下、長軸0.10μm以上5.0μm以下が好ま
しく、短軸0.01μm以上0.15μm以下、長軸0.10μm以上
4.0μm以下がより好ましい。有機銀塩の粒子サイズ分布
は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸
それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割っ
た値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは8
0%以下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形
状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微
鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の
方法として、有機銀塩の体積荷重平均直径の標準偏差を
求める方法があり、体積荷重平均直径で割った値の100
分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは
80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法とし
ては例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射
し、その散乱光のゆらぎの時間変化にたいする自己相関
関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積荷重
平均直径)から求めることができる。
【0013】本発明に用いることのできる有機銀塩は、
好ましくは脱塩をすることができる。脱塩を行う方法と
しては特に制限はなく公知の方法を用いることができる
が、円心濾過、吸引濾過、限外濾過、凝集法によるフロ
ック形成水洗等の公知の濾過方法を好ましく用いること
ができる。
【0014】本発明では、高S/Nで、粒子サイズが小さ
く、凝集のない有機銀塩固体分散物を得る目的で、画像
形成媒体である有機銀塩を含み、かつ感光性銀塩を実質
的に含まない水分散液を高速流に変換した後、圧力降下
させる分散法を用いることが好ましい。
【0015】そして、このような工程を経た後に、感光
性銀塩水溶液と混合して感光性画像形成媒体塗布液を製
造する。このような塗布液を用いて熱現像感光材料を作
製するとヘイズが低く、低カブリで高感度の熱現像感光
材料が得られる。これに対し、高圧、高速流に変換して
分散する時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上
昇し、感度が著しく低下する。また、分散媒として水で
はなく、有機溶剤を用いると、ヘイズが高くなり、カブ
リが上昇し、感度が低下しやすくなる。一方、感光性銀
塩水溶液を混合する方法にかえて、分散液中の有機銀塩
の一部を感光性銀塩に変換するコンバージョン法を用い
ると感度が低下する。上記において、高圧、高速化に変
換して分散される水分散液は、実質的に感光性銀塩を含
まないものであり、その含水量は非感光性の有機銀塩に
対して0.1モル%以下であり、積極的な感光性銀塩の添加
は行わないものである。
【0016】本発明において、上記のような分散法を実
施するのに用いられる固体分散装置およびその技術につ
いては、例えば『分散系レオロジーと分散化技術』(梶
内俊夫、薄井洋基 著、1991、信山社出版(株)、p357
〜p403)、『化学工学の進歩第24集』(社団法人化学工
学会東海支部編、1990、槙書店、p184〜p185)、等に
詳しいが、本発明での分散法は、少なくとも有機銀塩を
含む水分散物を高圧ポンプ等で加圧して配管内に送入し
た後、配管内に設けられた細いスリットを通過させ、こ
の後に分散液に急激な圧力低下を生じさせることにより
微細な分散を行う方法である。
【0017】本発明が関連する高圧ホモジナイザーにつ
いては、一般には、(a)分散質が狭間隙を高圧、高速で
通過する際に生じる『剪断力』、(b)分散質が高圧下か
ら常圧に解放される際に生じる『キャビテーション
力』、等の分散力によって微細な粒子への分散が行われ
ると考えられている。この種の分散装置としては、古く
はゴーリンホモジナイザーが挙げられるが、この装置で
は高圧で送られた被分散液が円柱面上の狭い間隙で、高
速流に変換され、その勢いで周囲の壁面に衝突し、その
衝撃力で乳化・分散が行われる。使用圧力は一般には10
0〜600kg/cm2、流速は数m〜30m/秒の範囲であり、分散
効率を上げるために高流速部を鋸刃状にして衝突回数を
増やすなどの工夫を施したものも考案されている。これ
に対して、近年更に高圧、高流速での分散が可能となる
装置が開発されてきており、その代表例としてはマイク
ロフルイダイザー(マイクロフルイデックス・インター
ナショナル・コーポレーション社)、ナノマイザー(特
殊機化工業(株))などが挙げられる。
【0018】本発明に適した分散装置としては、マイク
ロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーシ
ョン社製マイクロフルイダイザーM−110S−EH
(G10Zインターラクションチャンバー付き)、M−
110Y(H10Zインターラクションチャンバー付
き)、M−140K(G10Zインターラクションチャ
ンバー付き)、HC−5000(L30ZまたはH23
0Zインターラクションチャンバー付き)、HC−80
00(E230ZまたはL30Zインターラクションチ
ャンバー付き)等が挙げられる。
【0019】これらの装置を用い、少なくとも有機銀塩
を含む水分散液を高圧ポンプ等で加圧して配管内に送入
した後、配管内に設けられた細いスリットを通過させる
ことにより所望の圧力を印加し、この後に配管内の圧力
を大気圧に急速に戻す等の方法で分散液に急激な圧力降
下を生じさせることにより本発明に最適な有機銀塩分散
物を得ることが可能である。
【0020】本発明の有機銀塩の分散に関しては、流
速、圧力降下時の差圧と処理回数の調節によって所望の
粒子サイズに分散することが可能であるが、写真特性と
粒子サイズの点から、流速が200m/秒〜600m/秒、圧力降
下時の差圧が900〜3000kg/cm2の範囲が好ましく、流速
が300m/秒〜600m/秒、圧力降下時の差圧が1500〜3000kg
/cm2の範囲であることが更に好ましい。分散処理回数は
必要に応じて選択できるが、通常は1回〜10回の処理回
数が選ばれるが、生産性の点からは1回〜3回程度の処理
回数が選ばれる。高圧下でこのような水分散液を高温に
することは、分散性、写真特性の点から好ましくなく、
90℃を越えるような高温では粒子サイズが大きくなりや
すくなると共に、カブリが高くなる傾向がある。従っ
て、本発明では前記の高圧、高流速に変換する前の工程
もしくは、圧力降下させた後の工程、あるいはこれらの
両工程に冷却工程を含み、このような水分散の温度が冷
却工程により5〜90℃の範囲に保たれていることが好ま
しく、更に好ましくは5〜80℃の範囲、特に5〜65℃の範
囲に保たれていることが好ましい。特に、1500〜3000kg
/cm2の範囲における高圧下での分散時には前記の冷却工
程を設置することが有効である。冷却器は、その所要熱
交換量に応じて、二重管や二重管にスタチックミキサー
を使用したもの、多管式熱交換器、蛇管式熱交換器等を
適宜選択することができる。また、熱交換の効率を上げ
るために、使用圧力を考慮して、管の太さ、肉厚や材質
など好適なものを選べばよい。冷却器に使用する冷媒
は、熱交換量から、20℃の井水や冷凍機で処理した5〜1
0℃の冷水、また必要に応じて-30℃のエチレングリコー
ル/水等の冷媒を使用することもできる。
【0021】本発明の分散操作では、水性溶媒可溶な分
散剤(分散助剤)の存在下で有機銀塩を分散することが
好ましい。分散助剤としては、例えば、ポリアクリル
酸、アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、マレ
イン酸モノエステル共重合体、アクリロメチルプロパン
スルホン酸共重合体などの合成アニオンポリマー、カル
ボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロースな
どの半合成アニオンポリマー、アルギン酸、ペクチン酸
などのアニオン性ポリマー、特開平7-350753号に記載の
化合物、あるいは公知のアニオン性、ノニオン性、カチ
オン性界面活性剤やその他のポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース等の公知のポリマー、或いはゼラチン等の
自然界に存在する高分子化合物を適宜選択して用いるこ
とができるが、ポリビニルアルコール類、水溶性のセル
ロース誘導体が特に好ましい。
【0022】分散助剤は、分散前に有機銀塩の粉末また
はウェットケーキ状態の有機銀塩と混合し、スラリーと
して分散機に送り込むのは一般的な方法であるが、予め
有機銀塩と混ぜ合わせた状態で熱処理や溶媒による処理
を施して有機銀塩粉末またはウェットケーキとしても良
い。分散前後または分散中に適当なpH調整剤によりpHコ
ントロールしても良い。
【0023】機械的に分散する以外にも、pHコントロー
ルすることで溶媒中に粗分散し、その後、分散助剤の存
在下でpHを変化させて微粒子化させても良い。このと
き、粗分散に用いる溶媒として有機溶媒を使用しても良
く、通常有機溶媒は微粒子化終了後除去される。
【0024】調製された分散物は、保存時の微粒子の沈
降を抑える目的で撹拌しながら保存したり、親水性コロ
イドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチンを使用し
ゼリー状にした状態)で保存したりすることもできる。
また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目的で防腐剤
を添加することもできる。
【0025】本発明の有機銀塩は所望の量で使用できる
が、銀量として0.1〜5.0g/m2が好ましく、さらに好まし
くは0.3〜2.5g/m2である。
【0026】(電子伝達剤)本発明の電子伝達剤につい
て説明する。本発明の電子伝達剤は感光性層の現像によ
る反応生成物との反応により、活性体を生成し、これに
よって銀供給層を現像可能にするものである。本発明に
有用な電子伝達剤としては、ヒドラジン誘導体、アルケ
ン誘導体、イソオキサゾール誘導体、アセタール化合物
がある。
【0027】ヒドラジン誘導体としては、次の式(1)
で示される化合物が好ましい。
【0028】
【化5】
【0029】式中、R2は脂肪族基または芳香族基を表
し、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、不飽和
ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ
基、またはヒドラジノ基を表し、G1は-CO-基、-SO2-
基、-SO-基、-P(O)-、-R3P(O)-、-COCO-基、チオカルボ
ニル基、又はイミノメチレン基を表し、A1、A2は水素原
子、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基を表
す。R3はR1に定義した基と同じ範囲内より選ばれ、R
1と異なってもよい。
【0030】一般式(1)においてR2 で表わされる脂
肪族基とは、好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは
無置換の、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基である。R2 で表わされる芳香族
基とは単環もしくは縮合環のアリール基で、例えばベン
ゼン環、ナフタレン環が挙げられる。R2 で表わされる
ヘテロ環基とは、単環または縮合環の、飽和もしくは不
飽和の、芳香族または非芳香族のヘテロ環基で、例え
ば、ピリジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、ピラ
ゾール環、キノリン環、イソキノリン環、ベンズイミダ
ゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピペリ
ジン環、トリアジン環、モルホリン環、ピペリジン環、
ピペラジン環等が挙げられる。R2は任意の置換基で置
換されていてもよい。
【0031】R2 として好ましいものはアリール基、ア
ルキル基、または芳香族ヘテロ環基であり、さらに好ま
しくは、置換もしくは無置換のフェニル基、炭素数1〜
3の置換アルキル基、または芳香族ヘテロ環基である。
【0032】R2が炭素数1〜3の置換アルキル基を表
す時、R2はより好ましくは置換メチル基であり、さら
には二置換メチル基もしくは三置換メチル基が好まし
い。R2が置換メチル基を表す時、好ましい具体例とし
ては、t−ブチル基、ジシアノメチル基、ジシアノフェ
ニルメチル基、トリフェニルメチル基(トリチル基)、ジ
フェニルメチル基、メトキシカルボニルジフェニルメチ
ル基、シアノジフェニルメチル基、メチルチオジフェニ
ルメチル基、シクロプロピルジフェニルメチル基などが
挙げられるが、中でもトリチル基が最も好ましい。R2
が芳香族ヘテロ環基を表す時、好ましいヘテロ環として
ピリジン環、キノリン環、ピリミジン環、トリアジン
環、ベンゾチアゾ−ル環、ベンズイミダゾ−ル環、チオ
フェン環等が挙げられる。一般式(1)に於いてR2は、
最も好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基であ
る。
【0033】一般式(1)においてR1は水素原子また
はブロック基を表すが、ブロック基とは具体的に脂肪族
基(具体的にはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基)、芳香族基(単環もしくは縮合環のアリール基)、
ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、置換も
しくは無置換のアミノ基またはヒドラジノ基を表す。
【0034】R1として好ましくは、アルキル基(炭素
数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基で、例え
ばメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフル
オロメチル基、2−カルボキシテトラフルオロエチル
基、ピリジニオメチル基、ジフルオロメトキシメチル
基、ジフルオロカルボキシメチル基、ヒドロキシメチル
基、ベンゼンスルホンアミドメチル基、トリフルオロア
セチルメチル基、ジメチルアミノメチル基、フェニルス
ルホニルメチル基、o−ヒドロキシベンジル基、メトキ
シメチル基、フェノキシメチル基、4−エチルフェノキ
シメチル基、フェニルチオメチル基、t−ブチル基、ジ
シアノメチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメ
チル基、メトキシカルボニルジフェニルメチル基、シア
ノジフェニルメチル基、メチルチオジフェニルメチル基
等)、アルケニル基(炭素数1から10のアルケニル基
で、例えばビニル基、2−エトキシカルボニルビニル
基、2−トリフルオロ−2−メトキシカルボニルビニル
基、2,2−ジシアノビニル基、2−シアノ−2−メト
キシカルボニルビニル基等)、アリール基(単環もしく
は縮合環のアリール基で、ベンゼン環を含むものが特に
好ましく、例えばフェニル基、パ−フルオロフェニル
基、3,5−ジクロロフェニル基、2−メタンスルホン
アミドフェニル基、 2−カルバモイルフェニル基、
4,5−ジシアノフェニル基、2−ヒドロキシメチルフ
ェニル基、2,6−ジクロロ−4−シアノフェニル基、
2−クロロ−5−オクチルスルファモイルフェニル
基)、ヘテロ環基(少なくとも1つの窒素、酸素、およ
び硫黄原子を含む5〜6員の、飽和もしくは不飽和の、
単環もしくは縮合環のヘテロ環基で、例えばモルホリノ
基、ピペリジノ基(N−置換)、イミダゾリル基、インダ
ゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾイミ
ダゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリジニオ
基、キノリニオ基、キノリル基、ヒダントイル基、イミ
ダゾリジニル基等)、アルコキシ基(炭素数1〜8のア
ルコキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、2−ヒドロ
キシエトキシ基、ベンジルオキシ基、t−ブトキシ基
等)、アミノ基(無置換アミノ基、及び炭素数1〜10
のアルキルアミノ基、アリールアミノ基、または飽和も
しくは不飽和のヘテロ環アミノ基(4級化された窒素原
子を含む含窒素ヘテロ環アミノ基を含む)が好ましく、
例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−
イルアミノ基、プロピルアミノ基、2−ヒドロキシエチ
ルアミノ基、アニリノ基、o−ヒドロキシアニリノ基、
5−ベンゾトリアゾリルアミノ基、N−ベンジル−3−
ピリジニオアミノ基等)である。R1で表される基は任
意の置換基で置換されていてもよい。
【0035】R1で表わされる基のうち好ましいもの
は、R2がフェニル基ないしは芳香族ヘテロ環基を表
し、かつG1 が−CO−基の場合には、水素原子、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ア
ミノ基、またはヘテロ環基であり、さらに好ましくは水
素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基であり、最
も好ましくは水素原子、アミノ基、またはアルキル基で
ある。ここでR1がアルキル基を表す時、その置換基と
してはハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、
スルホンアミド基、アミノ基、アシルアミノ基、カルボ
キシ基が特に好ましい。R2が置換メチル基を表し、か
つG1 が−CO−基の場合には、R1は、好ましくは水
素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコ
キシ基、アミノ基(無置換アミノ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基)であり、さ
らに好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール
アミノ基、ヘテロ環アミノ基である。G1 が−COCO
−基の場合には、R2に関わらず、R1はアルコキシ基、
アリールオキシ基、アミノ基が好ましく、特に置換アミ
ノ基、詳しくはアルキルアミノ基、アリールアミノ基、
または飽和もしくは不飽和のヘテロ環アミノ基が好まし
い。またG1 が−SO2 −基の場合には、R2に関わら
ず、R1はアルキル基、アリール基または置換アミノ基
が好ましい。
【0036】一般式(1)に於いてG1は、好ましくは
−CO−基または−COCO−基であり、特に好ましく
は−CO−基である。
【0037】一般式(1)に於いてA1、A2は水素原
子、炭素数20以下のアルキルまたはアリールスルホニ
ル基(好ましくはフェニルスルホニル基、又はハメット
の置換基定数の和が−0.5以上となるように置換され
たフェニルスルホニル基)、炭素数20以下のアシル基
(好ましくはベンゾイル基、又はハメットの置換基定数
の和が−0.5以上となるように置換されたベンゾイル
基、あるいは直鎖、分岐、又は環状の置換もしくは無置
換の脂肪族アシル基である。A1 、A2 としては水素原
子が最も好ましい。
【0038】R1は脂肪族基、芳香族基、またはヘテロ
環基を表す。R1は特に好ましくはフェニル基、炭素数
1〜3の置換アルキル基、またはアルケニル基であり、
これらのうちフェニル基および炭素数1〜3の置換アル
キル基については、その好ましい範囲は先に説明したR
2の好ましい範囲と同じである。R1がアルケニル基の
時、好ましくは、R1はビニル基であり、以下の置換
基、即ち、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、カルバモイル基
等から選ばれる置換基を、1つないしは2つ有するビニ
ル基が特に好ましい。具体的には、2,2−ジシアノビ
ニル基、2−シアノ−2−メトキシカルボニルビニル
基、2−アセチル−2−エトキシカルボニルビニル基等
が挙げられる。
【0039】一般式(1)に於いてR1 はG1−R1
部分を残余分子から分裂させ、−G1−R1 部分の原子
を含む環式構造を生成させる環化反応を生起するような
ものであってもよく、また一般式(1)で表されるヒド
ラジン誘導体には、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着
性の基が組み込まれていてもよい。一般式(1)のR1
またはR2にはその中に、カプラー等の不動性写真用添
加剤において常用されているバラスト基またはポリマー
が組み込まれているものでもよく、また一般式(1)の
1 またはR2 は、置換基としてヒドラジノ基を複数個
含んでいてもよく、この時一般式(1)で表される化合
物は、ヒドラジノ基に関しての多量体を表す。さらに一
般式(1)のR1 またはR2 は、その中にカチオン性基
(具体的には、4級のアンモニオ基を含む基、または4
級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基等)、エチ
レンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単
位を含む基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)
チオ基、あるいは塩基により解離しうる解離性基(カル
ボキシ基、スルホ基、アシルスルファモイル基、カルバ
モイルスルファモイル基等)が含まれていてもよい。こ
れらの例としては、例えば特開昭63−29751号、
米国特許第4,385,108号、同4,459,34
7号、特開昭59−195233号、同59−2002
31号、同59−201045号、同59−20104
6号、同59−201047号、同59−201048
号、同59−201049号、特開昭61−17073
3号、同61−270744号、同62−948号、同
63−234244号、同63−234245号、同6
3−234246号、特開平2−285344号、特開
平1−100530号、特開昭64−861346号、
特開平4−16938号、特開平5−197091号、
WO95−32452号、WO95−32453号、特
開平9−235264号、特開平9−235265号、
特開平9−235266号、特開平9−235267
号、特開平9−179229号、特開平7−23447
1号、特開平5−333466号、特開平6−1903
2号、特開平6−19031号、特開平5−45761
号、米国特許4,994,365号、米国特許4,98
8,604号、特開平73−259240号、特開平7
−5610号、特開平7−244348号、独特許40
06032号等に記載の化合物が挙げられる。
【0040】次に一般式(1)で示される化合物の具体
例を以下に示す。ただし、本発明は以下の化合物に限定
されるものではない。
【0041】
【化6】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】本発明に用いられるヒドラジン誘導体は、
1種のみ用いても、2種以上を併用しても良い。また上
記のものの他に、下記のヒドラジン誘導体も好ましく用
いられる。(場合によっては組み合わせて用いることも
できる。)本発明に用いられるヒドラジン誘導体はま
た、下記の特許に記載された種々の方法により、合成す
ることができる。即ち、特開平10−10672号、特
開平10−161270号、特開平10−62898
号、特開平9−304870号、特開平9−30487
2号、特開平9−304871号、特開平10−312
82号、米国特許5,496,695号、欧州出願公開
741320A号に記載のすべてのヒドラジン誘導体。
【0044】本発明のヒドラジン系誘導体は、水または
適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エ
タノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケト
ン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブな
どに溶解して用いることができる。また、既によく知ら
れている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、ト
リクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテート
あるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチル
やシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機
械的に乳化分散物を作製して用いることができる。ある
いは固体分散法として知られている方法によって、ヒド
ラジン誘導体の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミ
ル、コロイドミル、あるいは超音波によって分散し用い
ることができる。
【0045】本発明のヒドラジン誘導体は、支持体に対
して感光性層側のどの層に添加してもよいが、感光性
層、有機酸銀層あるいはそれに隣接する層に添加するこ
とが好ましい。本発明のヒドラジン誘導体の添加量は銀
1モルに対し1×10-6〜1モルが好ましく、1×10
-5〜5×10-1モルがより好ましく、2×10-5〜2×
10-1モルが最も好ましい。
【0046】電子伝達剤として好ましい化合物の他の例
は、下記一般式(3)〜一般式(5)で表される置換アルケン
誘導体、置換イソオキサゾール誘導体、および特定のア
セタール化合物である。以下に、一般式(3)、一般式
(4)、および一般式(5)で表される化合物について説明す
る。
【0047】
【化9】
【0048】一般式(3)に於いてR1,R2,R3は、そ
れぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸
引性基を表す。一般式(3)に於いてR1とZ、R2
3、R1とR2、或いはR3とZは、互いに結合して環状
構造を形成していてもよい。一般式(4)に於いてR
4は、置換基を表す。一般式(5)に於いてX,Yはそれ
ぞれ独立に水素原子または置換基を表し、A,Bはそれ
ぞれ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキル
アミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニリ
ノ基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテ
ロ環アミノ基を表す。一般式(5)に於いてXとY、ある
いはAとBは、互いに結合して環状構造を形成していて
もよい。
【0049】一般式(3)に於いてR1,R2,R3が置換
基を表す時、置換基の例としては、例えばハロゲン原子
(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原
子)、アルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、
活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、ヘテロ環基(N−置換の含窒素ヘテロ
環基を含む)、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基
(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、カルボキシ基またはその塩、イミノ基、N原子で置
換したイミノ基、チオカルボニル基、スルホニルカルバ
モイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカル
バモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモ
イル基、シアノ基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ
基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレ
ンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオ
キシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコ
キシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カ
ルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、
(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、ア
シルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウ
レイド基、イソチオウレイド基、イミド基、(アルコキ
シもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スル
ファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカル
バジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、オキサ
モイルアミノ基、(アルキルもしくはアリール)スルホ
ニルウレイド基、アシルウレイド基、アシルスルファモ
イルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル、
アリール、またはヘテロ環)チオ基、アシルチオ基、
(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキル
またはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその
塩、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、スル
ホニルスルファモイル基またはその塩、ホスホリル基、
リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む基、シ
リル基、スタニル基等が挙げられる。これら置換基は、
これら置換基でさらに置換されていてもよい。
【0050】一般式(3)に於いてZで表される電子吸引
性基とは、ハメットの置換基定数σpが正の値を取りう
る置換基のことであり、具体的には、シアノ基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カル
バモイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チ
オカルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン原
子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルカンア
ミド基、スルホンアミド基、アシル基、ホルミル基、ホ
スホリル基、カルボキシ基、スルホ基(またはその
塩)、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アシ
ルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基、また
はこれら電子吸引性基で置換されたアリール基等であ
る。ここにヘテロ環基とは、芳香族もしくは非芳香族
の、飽和もしくは不飽和のヘテロ環基で、例えばピリジ
ル基、キノリル基、ピラジニル基、ベンゾトリアゾリル
基、イミダゾリル基、ベンツイミダゾリル基、ヒダント
イン−1−イル基、ウラゾール−1−イル基、スクシン
イミド基、フタルイミド基等がその例として挙げられ
る。一般式(3)に於いてZで表される電子吸引性基は、
さらに任意の置換基を有していてもよい。
【0051】一般式(3)に於いてZで表される電子吸引
性基として好ましくは、総炭素数0から30の以下の
基、即ち、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルボニ
ル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、スルファ
モイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、ニトロ基、パーフルオロアルキル基、アシル基、ホ
ルミル基、ホスホリル基、アシルオキシ基、アシルチオ
基、または任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基
等であり、さらに好ましくは、シアノ基、アルコキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、チオカルボニル基、イミ
ノ基、N原子で置換したイミノ基、スルファモイル基、
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル
基、ホルミル基、ホスホリル基、トリフルオロメチル
基、または任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基
等であり、特に好ましくはシアノ基、アルコキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、イミノ基、N原子で置換した
イミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、アシル基、またはホルミル基である。
【0052】一般式(3)に於いてR1で表される置換基
として好ましくは、総炭素数0から30の基で、具体的
には上述の一般式(3)のZで表される電子吸引性基と同
義の基、およびアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、ア
ルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ
基、ウレイド基、アシルアミノ基、シリル基、または置
換もしくは無置換のアリール基であり、さらに好ましく
は上述の一般式(3)のZで表される電子吸引性基と同義
の基、置換もしくは無置換のアリール基、アルケニル
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、
シリル基、またはアシルアミノ基であり、より好ましく
は電子吸引性基、アリール基、アルケニル基、またはア
シルアミノ基である。R1が電子吸引性基を表す時、そ
の好ましい範囲はZで表される電子吸引性基の好ましい
範囲と同じである。
【0053】一般式(3)に於いてR2およびR3で表され
る置換基として好ましくは、上述の一般式(3)のZで表
される電子吸引性基と同義の基、アルキル基、ヒドロキ
シ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ
基、アシルアミノ基、置換もしくは無置換のフェニル基
等である。R2およびR3はさらに好ましくは、どちらか
一方が水素原子で、他方が置換基を表す時である。その
置換基として好ましくは、アルキル基、ヒドロキシ基
(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ
基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ
基、アシルアミノ基(特にパーフルオロアルカンアミド
基)、スルホンアミド基、置換もしくは無置換のフェニ
ル基、またはヘテロ環基等であり、さらに好ましくはヒ
ドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその
塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキ
シ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、アミノ基、またはヘテロ環基であり、特に好ましく
はヒドロキシ基(またはその塩)、アルコキシ基、または
ヘテロ環基である。
【0054】一般式(3)に於いてZとR1、或いはまた
2とR3とが環状構造を形成する場合もまた好ましい。
この場合に形成される環状構造は、非芳香族の炭素環も
しくは非芳香族のヘテロ環であり、好ましくは5員〜7
員の環状構造で、置換基を含めたその総炭素数は1〜4
0、さらには3〜35が好ましい。
【0055】一般式(3)で表される化合物の中で、より
好ましいものの1つは、Zがシアノ基、ホルミル基、ア
シル基、アルコキシカルボニル基、イミノ基、またはカ
ルバモイル基を表し、R1が電子吸引性基を表し、R2
たはR3のどちらか一方が水素原子で、他方がヒドロキ
シ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミ
ノ基、またはヘテロ環基を表す化合物である。さらにま
た一般式(3)で表される化合物の中でより好ましいもの
の1つは、ZとR1とが連結して非芳香族の5員〜7員
の環状構造を形成していて、R2またはR3のどちらか一
方が水素原子で、他方がヒドロキシ基(またはその塩)、
メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリール
オキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、またはヘテロ環
基を表す化合物である。ここでZとR1とが形成する非
芳香族の5員〜7員の環状構造とは具体的に、インダン
−1,3−ジオン環、ピロリジン−2,4−ジオン環、
ピラゾリジン−3,5−ジオン環、オキサゾリジン−
2,4−ジオン環、5−ピラゾロン環、イミダゾリジン
−2,4−ジオン環、チアゾリジン−2,4−ジオン
環、オキソラン−2,4−ジオン環、チオラン−2,4
−ジオン環、1、3―ジオキサン−4,6−ジオン環、
シクロヘキサン−1,3−ジオン環、1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン環、シクロペン
タン−1,3−ジオン環、イソオキサゾリジン−3,5
−ジオン環、バルビツール酸環、2,3−ジヒドロベン
ゾフラン−3−オン環、ピラゾロトリアゾール環(例え
ば7H−ピラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリア
ゾール、7H−ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]
トリアゾール、7H−ピラゾロ[1,5−a]ベンズイ
ミダゾール等)、ピロロトリアゾール環(例えば5H−
ピロロ[1,2−b][1,2,4]トリアゾール、5
H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール
等)、2−シクロペンテン−1,3−ジオン環、2,3
−ジヒドロベンゾチオフェン−3−オン−1,1−ジオ
キシド環、クロマン−2,4−ジオン環、オキサゾリン
−5―オン環等が挙げられ、中でもインダン−1,3−
ジオン環、ピロリジン−2,4−ジオン環、ピラゾリジ
ン−3,5−ジオン環、5−ピラゾロン環、バルビツー
ル酸環、オキサゾリン−5―オン環等が好ましい。
【0056】一般式(4)に於いてR4で表される置換基
の例としては、一般式(3)のR1〜R3の置換基について
説明したものと同じものが挙げられる。一般式(4)に於
いてR4で表される置換基は、好ましくは電子吸引性基
またはアリール基である。R4が電子吸引性基を表す
時、好ましくは、総炭素数0〜30の以下の基、即ち、
シアノ基、ニトロ基、アシル基、ホルミル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル
基、スルファモイル基、パーフルオロアルキル基、ホス
ホリル基、イミノ基、スルホンアミド基、またはヘテロ
環基であり、さらにシアノ基、アシル基、ホルミル基、
アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモ
イル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、スルホンアミド基、ヘテロ環基が好ましい。R4
アリール基を表す時、好ましくは総炭素数0〜30の、
置換もしくは無置換のフェニル基であり、置換基として
は、一般式(3)のR1、R2、R3が置換基を表す時にそ
の置換基として説明したものと同じものが挙げられる
が、電子吸引性基が好ましい。
【0057】一般式(5)に於いてX,Yで表される置換
基としては、一般式(3)のR1〜R3の置換基について説
明したものと同じものが挙げられる。X,Yで表される
置換基は、好ましくは総炭素数1から50の、より好ま
しくは総炭素数1から35の基であり、シアノ基、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カ
ルバモイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、
チオカルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、パーフルオ
ロアルキル基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、
アシルアミノ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、ヘテ
ロ環基、アルキルチオ基、アルコキシ基、またはアリー
ル基等が好ましい。より好ましくはシアノ基、ニトロ
基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル
基、ホルミル基、アシルチオ基、アシルアミノ基、チオ
カルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、イミノ基、N原子で置換し
たイミノ基、ホスホリル基、トリフルオロメチル基、ヘ
テロ環基、または置換されたフェニル基等であり、特に
好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバ
モイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、アシル基、アシルチオ基、アシルアミノ基、チオカ
ルボニル基、ホルミル基、イミノ基、N原子で置換した
イミノ基、ヘテロ環基、または任意の電子吸引性基で置
換されたフェニル基等である。
【0058】XとYが、互いに結合して非芳香族の炭素
環、または非芳香族のヘテロ環を形成している場合もま
た好ましい。この時、形成される環は5員〜7員環が好
ましく、具体的には一般式(3)のZとR1とが互いに結
合して形成しうる非芳香族の5員〜7員環の例と同じも
のが挙げられ、その好ましい範囲もまた同じである。こ
れらの環はさらに置換基を有していても良く、その総炭
素数は1〜40、さらには1〜35が好ましい。
【0059】一般式(5)に於いてA,Bで表される基
は、さらに置換基を有していてもよく、好ましくは総炭
素数1から40の、より好ましくは総炭素数1から30
の基である。一般式(5)に於いてA,Bは、これらが互
いに結合して環状構造を形成している場合がより好まし
い。この時形成される環状構造は5員〜7員環の非芳香
族のヘテロ環が好ましく、その総炭素数は1〜40、さ
らには3〜30が好ましい。この場合に、A,Bが連結
した例(−A−B−)を挙げれば、例えば−O−(C
22−O−,−O−(CH23−O−,−S−(CH
22−S−,−S−(CH 23−S−,−S−Ph−S
−,−N(CH3)−(CH22−O−,−O−(C
23−S−,−N(CH3)−Ph−S−,−N(P
h)−(CH22−S−等である。
【0060】本発明の一般式(3)〜一般式(5)で表され
る化合物は、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基
が組み込まれていてもよい。カプラー等の不動性写真用
添加剤において常用されているバラスト基またはポリマ
ーが組み込まれているものでもよく、またカチオン性基
(具体的には、4級のアンモニオ基を含む基、または4
級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基等)、エチ
レンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単
位を含む基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)
チオ基、あるいは塩基により解離しうる解離性基(カル
ボキシ基、スルホ基、アシルスルファモイル基、カルバ
モイルスルファモイル基等)が含まれていてもよい。こ
れらの基の例としては、例えば特開昭63−29751
号、米国特許第4,385,108号、同4,459,
347号、特開昭59−195233号、同59−20
0231号、同59−201045号、同59−201
046号、同59−201047号、同59−2010
48号、同59−201049号、特開昭61−170
733号、同61−270744号、同62−948
号、同63−234244号、同63−234245
号、同63−234246号、特開平2−285344
号、特開平1−100530号、特開平7−23447
1号、特開平5−333466号、特開平6−1903
2号、特開平6−19031号、特開平5−45761
号、米国特許4,994,365号、米国特許4,98
8,604号、特開平73−259240号、特開平7
−5610号、特開平7−244348号、独特許40
06032号等に記載の化合物が挙げられる。
【0061】次に本発明の一般式(3)〜一般式(5)で表
される化合物の具体例を以下に示す。ただし、本発明は
以下の化合物に限定されるものではない。
【0062】
【化10】
【化11】
【0063】
【化12】
【化13】
【0064】
【化14】
【化15】
【0065】
【化16】
【0066】一般式(3)〜一般式(5)で表される化合物
は公知の方法により容易に合成することができるが、例
えば、米国特許5,545,515号、米国特許5,6
35,339号、米国特許5,654,130号、国際
公開WO−97/34196号、或いは特開平11−2
31459号、特開平11−133546号、特開平1
1−095365号に記載の方法を参考に合成すること
ができる。
【0067】本発明の一般式(3)〜一般式(5)で表され
る化合物は、1種のみ用いても、2種以上を併用しても
良い。また上記のものの他に、米国特許5,545,5
15号、米国特許5,635,339号、米国特許5,
654,130号、米国特許5,705,324号、米
国特許5,686,228号に記載の化合物、或いはま
た特開平10―161270号、特開平11−1193
72号、特開平11−231459号、特開平11−1
33546号、特開平11−119372号、特開平1
1−109546号、特開平11−095365号、特
開平11−095366号、特開平11−149136
号に記載された化合物を併用して用いても良い。さらに
本発明に於いては、特開平10―161270号に記載
の種々のヒドラジン誘導体を組み合わせて用いることも
できる。
【0068】本発明の一般式(3)〜一般式(5)で表され
る化合物は、水または適当な有機溶媒、例えばアルコー
ル類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素
化アルコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケ
トン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、メチルセルソルブなどに溶解して用いることができ
る。また、既によく知られている乳化分散法によって、
ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グ
リセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートな
どのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助
溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用
いることができる。あるいは固体分散法として知られて
いる方法によって、ヒドラジン誘導体の粉末を水等の適
当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音
波によって分散し用いることができる。
【0069】本発明の一般式(3)〜一般式(5)で表され
る化合物は、支持体に対して画像記録層側の該画像記録
層あるいは他のどの層に添加してもよいが、該画像記録
層あるいはそれに隣接する層に添加することが好まし
い。本発明の一般式(3)〜一般式(5)で表される化合物
の添加量は、銀1モルに対し1×10-6〜1モルが好ま
しく、1×10-5〜5×10-1モルがより好ましく、2
×10-5〜2×10-1モルが最も好ましい。
【0070】(色像形成材料)本発明の色像形成材料
(以下、「カプラー化合物」ともいう)について説明す
る。本発明の色像形成材料は、現像の結果として、色素
像を形成しうる化合物である。好ましくは、現像反応で
生成する還元剤の酸化生成物とカップリング反応を行う
ことにより色素を形成しうるカプラーが色像形成材料と
して用いられる。カプラーの好ましい具体的構造は、下
記一般式(6)〜(23)で表される。
【化17】 一般式(6)〜(23)において、X1〜X18はそれぞれ独立に
水素原子又は置換基を表す。一般式(6)において、R1
よびR2はそれぞれ独立に電子吸引性基を表す。一般式
(7)〜(23)において、R3〜R35はそれぞれ独立に水素原子
または置換基を表す。m,n,pおよびqは、それぞれ
独立に0〜4の整数を表す。rは0〜5の整数を表す。
【0071】一般式(6)〜(23)において、X1
18はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表わす。
1〜X18で表される置換基は同一でも異なっていても
よく、好ましい例として、ハロゲン原子(例えば、フッ
素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール
基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数
6〜20、さらに好ましくは炭素数6〜12であり、例
えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好まし
くは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8で
あり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、ア
リールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ま
しくは炭素数6〜16、さらに好ましくは炭素数6〜1
2であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナフチルオキ
シ等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素
数1〜12であり、例えば、メチルチオ、エチルチオ、
ブチルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6
〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましく
は炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチオ、ナフ
チルチオ等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好ましく
は炭素数2〜10であり、例えば、アセトキシ、ベンゾ
イルオキシ等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2
〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好まし
くは炭素数2〜10であり、例えば、N−メチルアセチ
ルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホニルアミノ基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12であり、例え
ば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミ
ノ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数1〜16、さらに好ましくは1〜
12であり、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチル
カルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシル
基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数
2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例
えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル
等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜
20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好ましく
は炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル
等)、スルホ基、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは炭素数1〜16、さらに好ましく
は炭素数1〜12であり、例えば、メシル、トシル
等)、スルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜16、さらに好ましくは
炭素数1〜12であり、例えば、メタンスルホニルオキ
シ、ベンゼンスルホニルオキシ等)、アゾ基、ヘテロ環
基、ヘテロ環メルカプト基、シアノ基などが挙げられ
る。ここでいうヘテロ環基とは、飽和もしくは不飽和の
ヘテロ環基を表わし、例えばピリジル基、キノリル基、
キノキサリニル基、ピラジニル基、ベンゾトリアゾリル
基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリ
ル基、テトラゾリル基、ヒダントイン−1−イル基、ス
クシンイミド基、フタルイミド基等が挙げられる。これ
らの置換基はさらに他の置換基で置換されていてもよ
く、この置換基としては、写真性能を悪化させないもの
であれば一般に知られているどのような置換基でもよ
い。
【0072】X1〜X18で表される置換基としては、写
真用2当量カプラーの離脱基として公知のものが好まし
く、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
ヘテロ環基、ヘテロ環メルカプト基等が挙げられる。
【0073】一般式(6)において、R1およびR2は同
一でも異なっていてもよく、電子吸引性基を表わす。こ
こでいう電子吸引性基とは、ハメットの置換基定数σp
が正の値を取りうる置換基のことであり、具体的には、
シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、N原子で置換
したイミノ基、チオカルボニル基、スルファモイル基、
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ
基、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、パーフル
オロアルカンアミド基、スルホンアミド基、アシル基、
ベンゾイル基、ホルミル基、ホスホリル基、カルボキシ
基(またはその塩)、ホルミル基、ホスホリル基、カル
ボキシ基(またはその塩)、スルホ基(またはその
塩)、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アシ
ルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基、また
はこれら電子吸引性基で置換されたアリール基等を表わ
す。ヘテロ環基としては、飽和もしくは不飽和のヘテロ
環基で、例えばピリジル基、キノリル基、キノキサリニ
ル基、ピラジニル基、ベンゾトリアゾリル基、イミダゾ
リル基、ベンズイミダゾリル基、ヒダントイン−1−イ
ル基、スクシンイミド基、フタルイミド基、インドリニ
ル等が挙げられる。また、R1およびR2は互いに結合し
て飽和または不飽和の炭素環または複素環を形成しても
よい。中でも、炭素数が30以下の置換基が好ましく、
より好ましくは炭素数20以下である。さらに好ましく
は、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、アシル
基、ベンゾイル基、ヘテロ環基である。
【0074】一般式(7)〜(23)において、R3
35はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表わす。
3〜R35で表される置換基は同一でも異なっていても
よく、写真性へ悪影響のないものであればどのような置
換基を用いてもよい。具体例としては、X1〜X18の好
ましい例として挙げた置換基が挙げられ、それらの置換
基はさらに他の置換基で置換されていてもよい。また、
m、pまたはqが2以上であって、複数のR13、R15
たはR27が隣接する場合、隣接する2つのR13、R15
たはR27は環を形成していてもよい。
【0075】R3〜R35で表される置換基として好まし
いものは、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アニ
リノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルボ
キシル基、カルバモイル基、アシル基、スルホ基、スル
ホニル基、スルファモイル基、シアノ基、ヒドロキシル
基、メルカプト基、アルキルチオ基、ヘテロ環基であ
る。
【0076】本発明の熱現像感光材料においては、カプ
ラー化合物として、一般式(6)〜(23)で表される
化合物が好ましいが、一般式(6)、(8)、(9)、
(11)、(14)、(15)、(16)および(2
0)で表される化合物がさらに好ましく、一般式
(8)、(9)、(14)、(15)および(16)で
表される化合物が特に好ましい。以下に一般式(6)〜
(23)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明
に用いるカプラー化合物はこれらに限定されるものでは
ない。
【0077】
【化18】
【0078】
【化19】
【0079】
【化20】
【0080】
【化21】
【0081】
【化22】
【0082】
【化23】
【0083】
【化24】
【0084】
【化25】
【0085】
【化26】
【0086】
【化27】
【0087】
【化28】
【0088】
【化29】
【0089】
【化30】
【0090】
【化31】
【0091】
【化32】
【0092】
【化33】
【0093】本発明に好ましく用いられる、一般式
(6)〜(23)で表されるカプラー化合物は写真業界
で公知の方法によって容易に合成することができる。本
発明に用いるカプラー化合物の使用量は、銀1モル当た
り0.2〜200ミリモルが好ましく、より好ましくは
0.3〜100ミリモルであり、さらに好ましくは0.
5〜30ミリモルである。カプラー化合物は1種のみを
用いても2種以上を併用してもよい。本発明に用いるカ
プラー化合物は、水または適当な有機溶媒、例えばアル
コール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フ
ッ素化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエ
チルケトン等)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、メチルセロソルブなどに溶解して用いること
ができる。あるいは、既によく知られている乳化分散法
に従って、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフ
ェート、グリセリルトリアセテート、ジエチルフタレー
トなどのオイル、酢酸エチル、シクロヘキサノンなどの
補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製し
て用いることができる。または、よく知られている固体
分散法に従って、ボールミル、コロイドミル、サンドグ
ラインダーミル、マントンゴーリン、マイクロフルイダ
イザーまたは超音波によってカプラー化合物の粉末を水
の中に分散し、用いることができる。
【0094】本発明に用いるカプラー化合物は、支持体
上、上記の感光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と
同一の面であればいずれの層に添加してもよいが、ハロ
ゲン化銀を含む層またはそれに隣接する層に添加するこ
とが好ましい。
【0095】(還元剤)本発明の還元剤について説明す
る。本発明の還元剤は、有機銀塩を還元し、かつ色像形
成剤と協同して色素画像を形成しうる化合物である。フ
ェニドン、ヒドロキノン、およびカテコールなどの従来
の写真用現像剤は有用であるが、特に好ましい還元剤は
ヒンダードフェノール類、スルホンアミドフェノールま
たはナフトール類、およびヒドラジン類である。その中
でも特に好ましい還元剤は、次の一般式(D)で表され
るヒドラジン誘導体である。
【0096】
【化34】
【0097】式中、Q1は炭素原子で−NHNH−R1
結合する芳香族基、または5〜7員の不飽和環を表し、
1はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、ま
たはスルファモイル基を表す。
【0098】Q1で表される基の好ましい例としてはベ
ンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピ
リダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−
トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾー
ル環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリ
アゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾ
ール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−
チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、
1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサ
ジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチ
アゾール環、イソオキサゾール環、チオフェン環などが
好ましく、さらにこれらの環が互いに縮合した縮合環も
好ましい。これらの環は置換基を有していてもよく、2
個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置
換基は同一でも異なっていてもよい。好ましい置換基と
しては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリー
ル基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、
アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、又はアシル基を挙げ
ることができる。これらの置換基が置換可能な基である
場合、さらに置換基を有してもよく、また、これらの置
換基は互いに結合して環を形成していてもよい。
【0099】R1はカルバモイル基、アシル基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スル
ホニル基、またはスルファモイル基を表わす。R1のカ
ルバモイル基は、炭素数1〜50、好ましくは炭素数6
〜40のカルバモイル基で、例えば、無置換カルバモイ
ル、メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N
−プロピルカルバモイル、N−sec−ブチルカルバモ
イル、N−オクチルカルバモイル、N−シクロヘキシル
カルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N
−ドデシルカルバモイル、N−(3−ドデシルオキシプ
ロピル)カルバモイル、N−オクタデシルカルバモイ
ル、N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキ
シ)プロピル}カルバモイル、N−(2−ヘキシルデシ
ル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−
(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−
(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニ
ル)カルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、N−3
−ピリジルカルバモイル、N−ベンジルカルバモイル)
が挙げられる。
【0100】R1で表されるアシル基は、炭素数1〜5
0、好ましくは炭素数6〜40のアシル基で、例えば、
ホルミル、アセチル、2−メチルプロパノイル、シクロ
ヘキシルカルボニル、オクタノイル、2−ヘキシルデカ
ノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、トリフルオロ
アセチル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイ
ル、2−ヒドロキシメチルベンゾイルが挙げられる。R
1のアルコキシカルボニル基は、炭素数2〜50、好ま
しくは炭素数6〜40のアルコキシカルボニル基で、例
えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソ
ブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボ
ニル、ドデシルオキシカルボニル、ベンジルオキシカル
ボニルが挙げられる。R1のアリールオキシカルボニル
基は、炭素数6〜50、好ましくは炭素数6〜40のア
リールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカル
ボニル、4−オクチルオキシフェノキシカルボニル、2
−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル、4−ドデシ
ルオキシフェノキシカルボニルが挙げられる。R1のス
ルホニル基は、炭素数1〜50、好ましくは炭素数6〜
40のスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、ブ
チルスルホニル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデシ
ルスルホニル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニ
ル、2−オクチルオキシ−5−t−オクチルフェニルス
ルホニル、4−ドデシルオキシフェニルスルホニルが挙
げられる。R1のスルファモイル基は、炭素数0〜5
0、好ましくは炭素数6〜40のスルファモイル基で、
例えば、無置換スルファモイル、N−エチルスルファモ
イル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、
N−デシルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファ
モイル、N−{3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロ
ピル}スルファモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシ
ルオキシカルボニルフェニル)スルファモイル、N−
(2−テトラデシルオキシフェニル)スルファモイルが
挙げられる。
【0101】R1で表される基は、更に、置換可能な位
置に前記R1の置換フェニル基の置換基で説明した置換
基を有していてもよく、2個以上の置換基で置換されて
いる場合にはそれ等の置換基は同一であっても異なって
いてもよい。
【0102】次に、式(D)で表される化合物の好まし
い範囲について述べる。R1はカルバモイル基が好まし
く、特に窒素原子上に水素原子を有するカルバモイル基
が好ましい。Q1で表わされる不飽和環は5〜6員の環
が好ましく、ベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−
トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラ
ゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4
−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール
環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、
オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール
環、およびこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテ
ロ環と縮合した環が更に好ましい。
【0103】式(D)で表わされる化合物の合成は、特
開平9−152702号、同8−286340号、同9
−152700号、同9−152701号、同9−15
2703号、及び同9−152704号等に記載の方法
に従って合成できる。
【0104】以下に、式(D)で表される化合物の具体
例を示すが、本発明の化合物はもちろんこれによって限
定されるものではない。
【0105】
【化35】
【0106】
【化36】
【0107】
【化37】
【0108】
【化38】
【0109】
【化39】
【0110】
【化40】
【0111】
【化41】
【0112】
【化42】
【0113】
【化43】
【0114】式(D)で表される化合物の添加量は広い
範囲を持つが、好ましくは銀イオンに対して0.01〜
100モル倍、さらに好ましくは0.1〜10モル倍が
適当である。還元剤の添加層は画像形成層を有する面の
いかなる層でも良い。好ましくは、有機銀塩層、または
感光性層に添加するのが良い。有機銀塩層と感光性層の
両方に添加しても良い。好ましくは有機銀塩層、もしく
は有機銀塩層と感光性の両方に添加される。また、還元
剤は現像時にのみ有効に機能を持つように誘導化された
いわゆるプレカーサーであっても良い。
【0115】本発明の還元剤で表される化合物は、溶
液、粉末、固体微粒子分散物、乳化物、オイルプロテク
ト分散物などいかなる方法で添加してもよい。好ましく
は、水中に分散された固体微粒子分散物で添加するのが
良い。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボ
ールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミ
ル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行われる。ま
た、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0116】本発明では、有機銀塩を利用した熱現像感
光材料において知られている広範囲の還元剤を補助現像
剤として用いても良い。これらの還元剤は特開昭46-607
4号、同47-1238号、同47-33621号、同49-46427号、同49
-115540号、同50-14334号、同50-36110号、同50-147711
号、同51-32632号、同51-32324号、同51-51933号、同52
-84727号、同55-108654号、同56-146133号、同57-82828
号、同57-82829号、特開平6-3793号、米国特許3,667,95
8号、同3,679,426号、同3,751,252号、同3,751,255号、
同3,761,270号、同3,782,949号、同3,839,048号、同3,9
28,686号、同5,464,738号、独国特許2321328号、欧州特
許692732号などに開示されている。例えば、フェニルア
ミドオキシム、2-チエニルアミドオキシムおよびp-フェ
ノキシフェニルアミドオキシムなどのアミドオキシム;
例えば4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒド
アジンなどのアジン;2,2'-ビス(ヒドロキシメチル)プ
ロピオニル-β-フェニルヒドラジンとアスコルビン酸と
の組合せのような脂肪族カルボン酸アリールヒドラジド
とアスコルビン酸との組合せ;ポリヒドロキシベンゼン
と、ヒドロキシルアミン、レダクトンおよび/またはヒ
ドラジンの組合せ(例えばハイドロキノンと、ビス(エト
キシエチル)ヒドロキシルアミン、ピペリジノヘキソー
スレダクトンまたはホルミル-4-メチルフェニルヒドラ
ジンの組合せなど);フェニルヒドロキサム酸、p-ヒド
ロキシフェニルヒドロキサム酸およびβ-アリニンヒド
ロキサム酸などのヒドロキサム酸;アジンとスルホンア
ミドフェノールとの組合せ(例えば、フェノチアジンと
2,6-ジクロロ-4-ベンゼンスルホンアミドフェノールな
ど);エチル-α-シアノ-2-メチルフェニルアセテート、
エチル-α-シアノフェニルアセテートなどのα-シアノ
フェニル酢酸誘導体;2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビナフ
チル、6,6'-ジブロモ-2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビナフ
チルおよびビス(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)メタンに例
示されるようなビス-β-ナフトール;ビス-β-ナフトー
ルと1,3-ジヒドロキシベンゼン誘導体(例えば、2,4-ジ
ヒドロキシベンゾフェノンまたは2',4'-ジヒドロキシア
セトフェノンなど)の組合せ;3-メチル-1-フェニル-5-
ピラゾロンなどの、5-ピラゾロン;ジメチルアミノヘキ
ソースレダクトン、アンヒドロジヒドロアミノヘキソー
スレダクトンおよびアンヒドロジヒドロピペリドンヘキ
ソースレダクトンに例示されるようなレダクトン;2,6-
ジクロロ-4-ベンゼンスルホンアミドフェノールおよびp
-ベンゼンスルホンアミドフェノールなどのスルホンア
ミドフェノール還元剤;2-フェニルインダン-1,3-ジオ
ンなど; 2,2-ジメチル-7-t-ブチル-6-ヒドロキシクロ
マンなどのクロマン;2,6-ジメトキシ-3,5-ジカルボエ
トキシ-1,4-ジヒドロピリジンなどの1,4-ジヒドロピリ
ジン;ビスフェノール(例えば、ビス(2-ヒドロキシ-3-t
-ブチル-5-メチルフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロ
キシ-3-メチルフェニル)プロパン、4,4-エチリデン-ビ
ス(2-t-ブチル-6-メチルフェノール) 、1,1,-ビス(2-ヒ
ドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘ
キサンおよび2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェ
ニル)プロパンなど);アスコルビン酸誘導体(例えば、
パルミチン酸1-アスコルビル、ステアリン酸アスコルビ
ルなど);ならびにベンジルおよびビアセチルなどのア
ルデヒドおよびケトン;3-ピラゾリドンおよびある種の
インダン-1,3-ジオン;クロマノール(トコフェロールな
ど)などがある。この中で好ましい還元剤は、ヒンダー
ドフェノール類である。補助現像剤としては、銀1モル
に対して10〜150モル%用いるのが好ましく、20
〜100モル%用いるのがさらに好ましい。
【0117】(感光性ハロゲン化銀)次に本発明に用い
られる感光性ハロゲン化銀について詳細に説明する。本
発明の感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン化銀粒子である
ことが好ましい。本発明に用いられる感光性ハロゲン化
銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩
臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いるこ
とができる。ハロゲン化銀粒子内におけるハロゲン組成
の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ
状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したも
のでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン
化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として
は、好ましくは、2〜5重構造、より好ましくは2〜4
重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また
塩化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀を局在させる
技術も好ましく用いることができる。本発明における感
光性ハロゲン化銀粒子の形成方法は当業界ではよく知ら
れており例えば、リサーチディスクロージャー1978年6
月の第17029号、および米国特許第3,700,458号に記載さ
れている方法を用いることができる。本発明で用いるこ
とのできる具体的な方法としては、調製された有機銀塩
中にハロゲン含有化合物を添加することにより有機銀塩
の銀の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する方法、ゼラ
チンあるいは他のポリマー溶液の中に銀供給化合物及び
ハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲ
ン化銀粒子を調製し有機銀塩と混合する方法を用いるこ
とができる。本発明において好ましくは後者の方法を用
いることができる。感光性ハロゲン化銀の粒子サイズ
は、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さい
ことが好ましく具体的には0.20μm以下、より好ましく
は0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以
上0.12μm以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハ
ロゲン化銀粒子が立方体あるいは八面体のいわゆる正常
晶である場合にはハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。
また、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には主
表面の投影面積と同面積の円像に換算したときの直径を
いう。その他正常晶でない場合、たとえば球状粒子、棒
状粒子等の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な
球を考えたときの直径をいう。
【0118】ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、
八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ
状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特
に立方体状粒子、平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲ
ン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は、好まし
くは100:1〜2:1、より好ましくは50:1〜3:1がよい。更
に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ま
しく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外
表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はない
が、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い
{100}面の占める割合が高いことが好ましい。その割合
としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、
80%以上が更に好ましい。ミラー指数{100}面の比率は増
感色素の吸着における{111}面と{100}面との吸着依存性
を利用したT. Tani; J. ImagingSci., 29, 165(1985年)
に記載の方法により求めることができる。
【0119】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀粒
子は、周期律表の第VII族あるいは第VIII族の金属また
は金属錯体を含有することが好ましい。周期律表の第VI
I族あるいは第VIII族の金属または金属錯体の中心金属
として好ましくはロジウム、レニウム、ルテニウム、オ
スニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類
でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併
用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し10-9
モルから10-2モルの範囲が好ましく、10-8モルから
10-4モルの範囲がより好ましい。具体的な金属錯体の
構造としては特開平7-225449号等に記載された構造の金
属錯体を用いることができる。
【0120】本発明に好ましく用いられるロジウム化合
物としては、水溶性ロジウム化合物を用いることができ
る。たとえば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、ま
たはロジウム錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、
オキザラト等を持つもの、たとえば、ヘキサクロロロジ
ウム(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム(III)錯
塩、テトラクロロジアコロジウム(III)錯塩、ヘキサ
ブロモロジウム(III)錯塩、ヘキサアンミンロジウム
(III)錯塩、トリザラトロジウム(III)錯塩等が挙げ
られる。これらのロジウム化合物は、水あるいは適当な
溶媒に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を
安定化させるために一般によく行われる方法、すなわ
ち、ハロゲン化水素水溶液(たとえば塩酸、臭酸、フッ
酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ(たとえばKCl、N
aCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができ
る。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製
時に、あらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲ
ン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
【0121】これらのロジウム化合物の添加量はハロゲ
ン化銀1モル当り1×10-8モル〜5×10-6モルの範
囲が好ましく、特に好ましくは5×10-8モル〜1×1
-6モルである。これらの化合物の添加は、ハロゲン化
銀乳剤粒子の製造時及び乳剤を塗布する前の各段階にお
いて適宜行うことができるが、特に乳剤形成時に添加
し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好まし
い。
【0122】本発明に好ましく用いられるレニウム、ル
テニウム、オスミニウムは特開昭63-2042号、特開平1-28
5941号、同2-20852号、同2-20855号等に記載された水溶性
錯塩の形で添加される。特に好ましいものとして、以下
の式で示される六配位錯体が挙げられる。[ML6n-
ここでMはRu、Re、またはOsを表し、Lは配位子
を表し、nは0、1、2、3または4を表す。この場
合、対イオンは重要性を持たず、アンモニウムもしくは
アルカリ金属イオンが用いられる。また好ましい配位子
としてはハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シア
ン酸化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配
位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる具体的
錯体の例を示すが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0123】 [ReCl6]3- [ReBr6]3- [ReCl5(NO)]2- [Re(NS)Br5]2- [Re(NO)(CN)5]2- [Re(O)2(CN)4]3- [RuCl6]3- [RuCl4(H2O)2]- [RuCl5(H2O)]2- [RuCl5(NO)]2- [RuBr5(NS)]2- [Ru(CO)3Cl3]2- [Ru(CO)Cl5]2- [Ru(CO)Br5]2- [OsCl6]3- [OsCl5(NO)]2- [Os(NO)(CN)5]2- [Os(NS)Br5]2- [Os(O)2(CN)4]4-
【0124】これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1
モル当り1×10-9モル〜1×10- 5モルの範囲が好ま
しく、特に好ましくは1×10-8モル〜1×10-6モル
である。これらの化合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤粒
子の製造時及び乳剤を塗布する前の各段階において適宜
行うことができるが、特に乳剤形成時に添加し、ハロゲ
ン化銀粒子中に組み込まれることが好ましい。これらの
化合物をハロゲン化銀の粒子形成中に添加してハロゲン
化銀粒子中に組み込むには、金属錯体の粉末もしくはNa
Cl、KClと一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶
性塩または水溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、
あるいは銀塩とハライド溶液が同時に混合されるとき第
3の溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン
化銀粒子を調製する方法、あるいは粒子形成中に必要量
の金属錯体の水溶液を反応容器に投入する方法などがあ
る。特に粉末もしくはNaCl、KClと一緒に溶解した水溶
液を、水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。
粒子表面に添加するには、粒子形成直後または物理熟成
時途中もしくは終了時または化学熟成時に必要量の金属
錯体の水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0125】本発明に好ましく用いられるイリジウム化
合物としては種々のものを使用できるが、例えばヘキサ
クロロイリジウム、ヘキサアンミンイリジウム、トリオ
キザラトイリジウム、ヘキサシアノイリジウム、ペンタ
クロロニトロシルイリジウム等が挙げられる。これらの
イリジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して
用いられるが、イリジウム化合物の溶液を安定化させる
ために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化
水素水溶液(たとえば塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるい
はハロゲン化アルカリ(たとえばKCl、NaCl、KBr、NaBr
等)を添加する方法を用いることができる。水溶性イリ
ジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらか
じめイリジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子
を添加して溶解させることも可能である。
【0126】さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒
子に、コバルト、鉄、ニッケル、クロム、パラジウム、
白金、金、タリウム、銅、鉛、等の金属原子を含有して
もよい。コバルト、鉄、クロム、さらにルテニウムの化
合物については六シアノ金属錯体を好ましく用いること
ができる。具体例としては、フェリシアン酸イオン、フ
ェロシアン酸イオン、ヘキサシアノコバルト酸イオン、
ヘキサシアノクロム酸イオン、ヘキサシアノルテニウム
酸イオンなどが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。ハロゲン化銀中の金属錯体の含有相は均一で
も、コア部に高濃度に含有させてもよく、あるいはシェ
ル部に高濃度に含有させてもよく特に制限はない。上記
金属はハロゲン化銀1モルあたり1×10-9〜1×10
-4モルが好ましい。また、上記金属を含有せしめるには
単塩、複塩、または錯塩の形の金属塩にして粒子調製時
に添加することができる。
【0127】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水
洗により脱塩することができるが本発明においては脱塩
してもしなくてもよい。
【0128】本発明のハロゲン化銀粒子は、親水性バイ
ンダー中に分散されたいわゆるハロゲン化銀乳剤の状態
で化学増感することが好ましい。化学増感の方法として
は、硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、貴金属
増感法などの知られている方法を用いることができ、単
独または組み合わせて用いられる。組み合わせて使用す
る場合には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感
法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感
法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法とテルル増感
法と金増感法などが好ましい。
【0129】本発明に用いられる硫黄増感は、通常、硫
黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時
間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤としては公
知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中
に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、たと
えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニ
ン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、
チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤の添加
量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大
きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハロゲン化銀
1モル当り10 -7〜10-2モルであり、より好ましくは
10-5〜10-3モルである。
【0130】本発明に用いられるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌
することにより行われる。不安定型セレン化合物として
は特公昭44-15748号、同43-13489号、特開平4-25832号、同
4-109240号、同3-121798号等に記載の化合物を用いるこ
とができる。特に特開平4-324855号中の一般式(VIII)
および(IX)で示される化合物を用いることが好ましい。
【0131】本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定さ
れるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン
化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5-31
3284号に記載の方法で試験することができる。テルル増
感剤としては例えばジアシルテルリド類、ビス(オキシ
カルボニル)テルリド類、ビス(カルバモイル)テルリド
類、ジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)ジテ
ルリド類、ビス(カルバモイル)ジテルリド類、P=Te結合
を有する化合物、テルロカルボン酸塩類、Te−オルガ
ニルテルロカルボン酸エステル類、ジ(ポリ)テルリド
類、テルリド類、テルロール類、テルロアセタール類、
テルロスルホナート類、P-Te結合を有する化合物、含T
eヘテロ環類、テルロカルボニル化合物、無機テルル化
合物、コロイド状テルルなどを用いることができる。具
体的には、米国特許第1,623,499号、同第3,320,069号、同
第3,772,031号、英国特許第235,211号、同第1,121,496号、
同第1,295,462号、同第1,396,696号、カナダ特許第800,9
58号、特開平4-204640号、同4-271341号、同4-333043号、同
5-303157号、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアテ
ィー・ケミカル・コミュニケーション(J .Chem. Soc.
Chem. Commun.) 635(1980),ibid 1102(1979),ibid 645
(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー
・パーキン・トランザクション(J .Chem. Soc. Perki
n. Trans.) 1,2191(1980)、S.パタイ(S .Patai) 編、ザ
・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・ア
ンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of O
rganic Serenium and TelluniumCompounds),Vol 1(198
6)、同 Vol 2(1987)に記載の化合物を用いることができ
る。特に特開平5-313284号中の一般式(II),(III),(I
V)で示される化合物が好ましい。
【0132】本発明で用いられるセレンおよびテルル増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成
条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当
たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3
ル程度を用いる。本発明における化学増感の条件として
は特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとし
ては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度として
は40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。本発
明に用いられる貴金属増感剤としては、金、白金、パラ
ジウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金増感が好
ましい。本発明に用いられる金増感剤としては具体的に
は、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオ
ーリチオシアネート、硫化金などが挙げられ、ハロゲン
化銀1モル当たり10-7〜10-2モル程度を用いること
ができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲ
ン化銀粒子の形成または物理熟成の過程においてカドミ
ウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させて
もよい。本発明においては、還元増感を用いることがで
きる。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビ
ン酸、二酸化チオ尿素の他に例えば、塩化第一スズ、ア
ミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボ
ラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用い
ることができる。また、乳剤のpHを7以上またはpAgを8.
3以下に保持して熟成することにより還元増感すること
ができる。また、粒子形成中に銀イオンのシングルアデ
ィション部分を導入することにより還元増感することが
できる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、欧州出願公開EP
293,917に示される方法により、チオスルホン酸化合物
を添加してもよい。本発明に用いられる感光材料中のハ
ロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例
えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異
なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なる
もの)併用してもよい。
【0133】本発明の感光性ハロゲン化銀は、感光性層
に添加される。塗布量としては、銀量で0.01g/m2〜5.0
g/m2、好ましくは0.05g/m2〜2.0 g/m2用いられる。
【0134】(有機バインダー)本発明の有機バインダ
ーは、天然ポリマーや合成樹脂ポリマーおよびコポリマ
ーその他のフィルムを形成する媒体であり、例えば:ゼ
ラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒ
ドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリド
ン)、カゼイン、でん粉、ポリ(アクリル酸)、ポリ
(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ
(メタクリル酸)、コポリ(スチレンー無水マレイン
酸)、コポリ(スチレンーアクリロニトリル)、コポリ
(スチレンーブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)
類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)、およびポリ
(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ
(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデ
ン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)
類、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(アミド)類など
がある。バインダーは水または有機溶媒、またはエマル
ションから被覆形成してもよい。本発明の感光性層、お
よび有機銀塩層の有機バインダーとしては、ポリマーラ
テックスが好ましい。ポリマーラテックスは全バインダ
ーの50質量%以上であることが好ましい。また、ポリマ
ーラテックスはこれらの層だけではなく、バック層に用
いてもよい。特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発
明の熱現像画像記録材料を用いる場合には、バック層に
もポリマーラテックスを用いる必要がある。ただしここ
で言う「ポリマーラテックス」とは水不溶な疎水性ポリ
マーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したも
のである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化
されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散され
たもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構
造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれで
もよい。なお本発明のポリマーラテックスについては
「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子
刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝
明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会
発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、
高分子刊行会発行(1970))」などに記載されている。分
散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜100
0nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関し
ては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分
散の粒径分布を持つものでもよい。
【0135】本発明のポリマーラテックスとしては通常
の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆるコア/
シェル型のラテックスでもよい。この場合コアとシェル
はガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。
【0136】本発明のバインダーに用いるポリマーラテ
ックスポリマーのTgは保護層、バック層と感光性層お
よび有機銀塩層とでは好ましい範囲が異なる。感光性層
と有機銀塩層にあっては熱現像時に写真有用素材の拡散
を促すため、好ましくは40℃以下であり、さらには-30
〜40℃が好ましい。保護層やバック層(特に最外層)に
用いる場合には種々の機器と接触するために25〜100℃
のTgが好ましい。
【0137】本発明のポリマーラテックスの最低造膜温
度(MFT)は-30℃〜90℃、より好ましくは0℃〜70℃程度
が好ましい。最低造膜温度をコントロールするために造
膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は可塑剤ともよばれ
ポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化
合物(通常有機溶剤)で、例えば前述の「合成ラテックス
の化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」に記載
されている。
【0138】本発明のポリマーラテックスに用いられる
ポリマー種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化
ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹
脂、またはこれらの共重合体などがある。ポリマーとし
ては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでも、ま
た架橋されたポリマーでも良い。またポリマーとしては
単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでも良
いし、2種以上のモノマーが重合したコポリマーでも良
い。コポリマーの場合はランダムコポリマーでもブロッ
クコポリマーでも良い。ポリマーの分子量は数平均分子
量で5000〜1000000、好ましくは10000〜100000程度が好
ましい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強
度が不十分であり、大きすぎるものは製膜性が悪く好ま
しくない。
【0139】本発明の熱現像画像記録材料の感光性層、
および有機銀塩層のバインダーとして用いられるポリマ
ーラテックスの具体例としては以下のようなものがあ
る。メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタ
クリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタクリレー
ト/2-エチルヘキシルアクリレート/スチレン/アクリ
ル酸コポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/
アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン/ブタジ
エン/ジビニルベンゼン/メタクリル酸コポリマーのラ
テックス、メチルメタクリレート/塩化ビニル/アクリ
ル酸コポリマーのラテックス、塩化ビニリデン/エチル
アクリレート/アクリロニトリル/メタクリル酸コポリ
マーのラテックスなど。また、このようなポリマーは市
販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。
例えばアクリル樹脂の例として、セビアンA-4635,4658
3、4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、
814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ
エステル樹脂としては、FINETEX ES650、611、675、850
(以上大日本インキ化学(株)製)、WD-size、WMS(以上イ
ーストマンケミカル製)など、ポリウレタン樹脂として
はHYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)
製)など、ゴム系樹脂としてはLACSTAR 7310K、3307B、4
700H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx4
16、410、438C、2507(以上日本ゼオン(株)製)など、塩
化ビニル樹脂としてはG351、G576(以上日本ゼオン(株)
製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL502、L513(以上
旭化成工業(株)製)、アロンD7020、D504、D5071(以上三
井東圧(株)製)など、オレフィン樹脂としてはケミパー
ルS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げる
ことができる。これらのポリマーは単独で用いてもよい
し、必要に応じて2種以上ブレンドして用いても良い。
【0140】本発明の感光性層、有機銀塩層および保護
層に含まれる分散安定剤の親水性ポリマーには、ポリビ
ニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースなどが好ましく用いられ
る。
【0141】これらの親水性ポリマーの添加量は、これ
らの層の全バインダーの30質量%以下が好ましく、さら
に10質量%以下が好ましい。この場合の下限には特に制
限はないが、0.1質量%程度である。また、これらの
親水性ポリマーの添加量は保護層の全バインダーの3質
量%以下が好ましく、さらに1質量%以下が好ましい。
この場合の下限には特に制限はないが、0.1質量%程
度である。
【0142】本発明で用いられる分散安定剤である界面
活性剤には、公知のアニオン性界面活性剤を用いること
ができる。
【0143】以下に本発明で用いられる分散安定剤であ
る界面活性剤の具体例を示すが、本発明は以下の化合物
に限定されるものではない。
【0144】
【化44】
【0145】これらの界面活性剤の添加量は、全バイン
ダーの5質量%以下が好ましく、さらに2質量%以下が
好ましい。この場合の下限には特に制限はないが、0.
1質量%程度である。
【0146】本発明の有機銀塩層の全バインダー量は0.
2〜30g/m2、より好ましくは1〜15g/m2の範囲が好まし
い。本発明の感光性層の全バインダー量は、0.04〜6 g/
m2より好ましくは0.2〜3g/m2の範囲が好ましい。本発明
の有機銀塩層、および感光性層には架橋のための架橋
剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよ
い。
【0147】本発明の保護層の全バインダー量(1層当
たり)は0.2〜10g/m2、より好ましくは1〜5g/m2の範囲
が好ましい。本発明の保護層には塗布性改良のための界
面活性剤などを添加してもよい。保護層塗布液のpHは
下層用が5〜8であり、上層用が2〜7であることが好
ましい。
【0148】本発明においては、さらに含フッ素界面活
性剤を含ませることによって、良好な帯電防止性を得る
ことができる。本発明に用いられる好ましい含フッ素界
面活性剤としては、炭素数4以上(通常15以下)のフ
ルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、またはフル
オロアリール基を有し、イオン性基としてアニオン基
(スルホン酸(塩)、硫酸(塩)、カルボン酸(塩)、
リン酸(塩))、カチオン基(アミン塩、アンモニウム
塩、芳香族アミン塩、スルホニウム塩、ホスホニウム
塩)、ベタイン基(カルボキシアミン塩、カルボキシア
ンモニウム塩、スルホアミン塩、スルホアンモニウム
塩、ホスホアンモニウム塩、)またはノニオン基(置
換、無置換のポリオキシアルキレン基、ポリグリセリル
基またはソルビタン残基)を有する界面活性剤が挙げら
れる。
【0149】これらの含フッ素界面活性剤は特開昭49-1
0722号、英国特許第1,330,356号、米国特許第4,335,201
号、同4,347,308号、英国特許第1,417,915号、特開昭55
-149938号、同58-196544号、英国特許第1,439,402号な
どに記載されている。これらの具体例のいくつかを以下
に記す。
【0150】
【化45】
【0151】本発明の含フッ素界面活性剤を添加する層
は画像記録材料の少なくとも1層であれば特に限定され
ず、例えば表面保護層、感光性乳剤層、有機銀塩層、中
間層、下塗り層、バック層などを挙げることができる。
その中でも好ましい添加場所としては表面保護層であ
り、画像形成層側もしくはバック層側のどちらか一方で
もよいが、少なくとも画像形成層側の表面保護層に添加
した場合はさらに好ましい。
【0152】表面保護層が2層以上から成る場合はその
いずれの層でもよく、また表面保護層の上にさらにオー
バーコートして用いることもできる。
【0153】本発明の含フッ素界面活性剤の使用量は画
像記録材料の1m2当たり0.0001〜1gであればよ
いが、より好ましくは0.0002〜0.25g、特に
好ましいのは0.0003〜0.1gである。
【0154】また、本発明の含フッ素界面活性剤は、2
種以上混合してもよい。
【0155】本発明の支持体の両面には塩化ビニリデン
共重合体を含む下塗り層、もしくは防湿層を設けること
が好ましい。塩化ビニリデン共重合体は単独で用いても
2種以上併用してもよい。塩化ビニリデン共重合体の含
有量は、塩化ビニリデン共重合体を含有する下塗り層の
片面当たりの合計膜厚として0.3μm 以上であり、好
ましくは0.3μm 以上4μm 以下の範囲である。この
ような層には塩化ビニリデン共重合体のほか、架橋剤や
マット剤などを含有させてもよい。
【0156】本発明の熱現像画像記録材料には、種々の
支持体を用いることができる。典型的な支持体は、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
などのポリエステル、硝酸セルロース、セルロースエス
テル、ポリビニルアセタール、ポリカーボネートなどを
含む。このうち二軸延伸したポリエステル、特にポリエ
チレンテレフタレート(PET)は強度、寸法安定性、
耐薬品性などの点から好ましい。支持体の厚みは下塗り
層を除いたベース厚みで90〜500μm であることが
好ましい。
【0157】本発明の熱現像画像記録材料に用いる支持
体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和
させ、熱現像中に発生する熱収縮歪みをなくすために、
130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエス
テル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用い
られる。このような熱緩和処理は温度範囲内の一定温度
で実施してもよく、昇温しながら実施してもよい。
【0158】支持体の熱処理はロール状で実施してもよ
く、ウエッブ状で搬送しながら実施してもよい。ウエッ
ブ状で搬送しながら実施する場合、熱処理時の支持体の
搬送張力は比較的低い方が好ましく、具体的には7kg/
cm2以下、特に4.2kg/cm2以下にすることが好まし
い。このときの搬送張力の下限には特に制限はないが
0.5kg/cm2程度である。
【0159】このような熱処理は、支持体に対する画像
形成層やバック層の接着性を向上させるための処理、塩
化ビニリデン共重合体を含有する下塗り層の設層等を施
した後に行うことが好ましい。
【0160】このような熱処理後における支持体の12
0℃30秒加熱による熱収縮率は縦方向(MD)が−
0.03%〜+0.01%、横方向(TD)が0〜0.
04%であることが好ましい。
【0161】支持体は必要に応じて塩化ビニリデン共重
合体層のほか、SBR、ポリエステル、ゼラチン等をバ
インダーとする下塗り層を塗布してもよい。下塗り層の
一般的厚み(1層当たり)は0.01〜5μm 、より好
ましくは0.05〜1μm であってよい。
【0162】本発明の画像記録材料は、米国特許第3,25
3,921号、同第2,274,782号、同第2,527,583号および同
第2,956,879号に記載されているような光吸収物質およ
びフィルター染料を含有することができる。また、例ば
米国特許第3,282,699号に記載のように染料を媒染して
用いることができる。フィルター染料の使用量としては
露光波長での吸光度が0.1〜3が好ましく、0.2〜1.5が特
に好ましい。
【0163】本発明の感光性層、および有機銀塩層には
色調改良、イラジエーション防止の観点から各種染料や
顔料を用いることができる。本発明の感光性層に用いる
染料および顔料はいかなるものでもよいが、例えばカラ
ーインデックス記載の顔料や染料があり、具体的にはピ
ラゾロアゾール染料、アントラキノン染料、アゾ染料、
アゾメチン染料、オキソノール染料、カルボシアニン染
料、スチリル染料、トリフェニルメタン染料、インドア
ニリン染料、インドフェノール染料、フタロシアニンを
はじめとする有機顔料、無機顔料などが挙げられる。本
発明に用いられる好ましい染料としてはアントラキノン
染料(例えば特開平5-341441号記載の化合物1〜9、特開
平5-165147号記載の化合物3-6〜18および3-23〜38な
ど)、アゾメチン染料(特開平5-341441号記載の化合物17
〜47など)、インドアニリン染料(例えば特開平5-289227
号記載の化合物11〜19、特開平5-341441号記載の化合物
47、特開平5-165147号記載の化合物2-10〜11など)およ
びアゾ染料(特開平5-341441号記載の化合物10〜16)が挙
げられる。これらの染料の添加法としては、溶液、乳化
物、固体微粒子分散物、高分子媒染剤に媒染された状態
などいかなる方法でも良いが、水溶性物質であれば水溶
液で添加することが好ましく、水不溶性物質であれば水
を分散媒とした固体微粒子分散物で添加することが好ま
しい。これらの化合物の使用量は目的の吸収量によって
決められるが、一般的に画像記録材料1m2当たり1μg
以上1g以下の範囲で用いることが好ましい。
【0164】画像を向上させる「色調剤」として知られ
る添加剤を含むと光学濃度が高くなることがある。ま
た、色調剤は黒色銀画像を形成させる上でも有利になる
ことがある。色調剤は支持体の感光性層を有する面側の
層に銀1モル当たりの0.1〜50%(モル)の量含まれること
が好ましく、0.5〜20%(モル)含まれることがさらに好ま
しい。また、色調剤は現像時のみ有効に機能を持つよう
に誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよい。
【0165】有機銀塩を利用した熱現像画像記録材料に
おいては広範囲の色調剤が特開昭46-6077号、同47-1028
2号、同49-5019号、同49-5020号、同49-91215号、同49-
91215号、同50-2524号、同50-32927号、同50-67132号、
同50-67641号、同50-114217号、同51-3223号、同51-279
23号、同52-14788号、同52-99813号、同53-1020号、同5
3-76020号、同54-156524号、同54-156525号、同61-1836
42号、特開平4-56848号、特公昭49-10727号、同54-2033
3号、米国特許3,080,254号、同3,446,648号、同3,782,9
41号、同4,123,282号、同4,510,236号、英国特許138079
5号、ベルギー特許841910号などに開示されている。色
調剤の例は、フタルイミドおよびN-ヒドロキシフタルイ
ミド;スクシンイミド、ピラゾリン-5-オン、ならびに
キナゾリノン、3-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン、1-フ
ェニルウラゾール、キナゾリンおよび2,4-チアゾリジン
ジオンのような環状イミド;ナフタルイミド(例えば、N
-ヒドロキシ-1,8-ナフタルイミド);コバルト錯体(例え
ば、コバルトヘキサミントリフルオロアセテート);3-
メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2,4-ジメルカプトピ
リミジン、3-メルカプト-4,5-ジフェニル-1,2,4-トリア
ゾールおよび2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール
に例示されるメルカプタン;N-(アミノメチル)アリール
ジカルボキシイミド、(例えば、(N,N-ジメチルアミノメ
チル)フタルイミドおよびN,N-(ジメチルアミノメチル)-
ナフタレン-2,3-ジカルボキシイミド);ならびにブロッ
ク化ピラゾール、イソチウロニウム誘導体およびある種
の光退色剤(例えば、N,N'-ヘキサメチレンビス(1-カル
バモイル-3,5-ジメチルピラゾール)、1,8-(3,6-ジアザ
オクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテー
ト)および2-トリブロモメチルスルホニル)-(ベンゾチア
ゾール));ならびに3-エチル-5[(3-エチル-2-ベンゾチ
アゾリニリデン)-1-メチルエチリデン]-2-チオ-2,4-オ
キサゾリジンジオン;フタラジノン、フタラジノン誘導
体もしくは金属塩、または4-(1-ナフチル)フタラジノ
ン、6-クロロフタラジノン、5,7-ジメトキシフタラジノ
ンおよび2,3-ジヒドロ-1,4-フタラジンジオンなどの誘
導体;フタラジノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル
酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタル酸およびテトラ
クロロ無水フタル酸など)との組合せ;フタラジン、フ
タラジン誘導体(例えば、4-(1-ナフチル)フタラジン、6
-クロロフタラジン、5,7-ジメトキシフタラジン、iso-
プロピルフタラジン、6-iso-ブチルフタラジン、6-tert
-ブチルフタラジン、5,7-ジメチルフタラジン、および
2,3-ジヒドロフタラジンなどの誘導体)もしくは金属
塩、;フタラジンおよびその誘導体とフタル酸誘導体
(例えば、フタル酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタ
ル酸およびテトラクロロ無水フタル酸など)との組合
せ;キナゾリンジオン、ベンズオキサジンまたはナフト
オキサジン誘導体;色調調節剤としてだけでなくその場
でハロゲン化銀生成のためのハライドイオンの源として
も機能するロジウム錯体、例えばヘキサクロロロジウム
(III)酸アンモニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウムお
よびヘキサクロロロジウム(III)酸カリウムなど;無機
過酸化物および過硫酸塩、例えば、過酸化二硫化アンモ
ニウムおよび過酸化水素;1,3-ベンズオキサジン-2,4-
ジオン、8-メチル-1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオン
および6-ニトロ-1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオンなど
のベンズオキサジン-2,4-ジオン;ピリミジンおよび不
斉-トリアジン(例えば、2,4-ジヒドロキシピリミジン、
2-ヒドロキシ-4-アミノピリミジンなど)、アザウラシ
ル、およびテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6-
ジメルカプト-1,4-ジフェニル-1H,4H-2,3a,5,6a-テトラ
アザペンタレン、および1,4-ジ(o-クロロフェニル)-3,6
-ジメルカプト-1H,4H-2,3a,5,6a-テトラアザペンタレ
ン)などがある。
【0166】本発明の色調剤は水溶液で添加することが
好ましいが、水不溶性の場合はメタノール溶液、粉末、
固体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよい。
固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェ
ットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体
微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0167】本発明における増感色素としてはハロゲン
化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀
粒子を分光増感できるもので有ればいかなるものでも良
い。増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色
素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロ
シアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色
素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソ
ノール色素等を用いることができる。本発明に使用され
る有用な増感色素は、例えば、 RESEARCHDISCLOSURE I
tem17643IV-A項(1978年12月p.23)、同Item1831X項(1979
年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載され
ている。特に各種レーザーイメージャー、スキャナー、
イメージセッターや製版カメラの光源の分光特性に適し
た分光感度を有する増感色素を有利に選択することがで
きる。
【0168】赤色光への分光増感の例としては、He-Ne
レーザー、赤色半導体レーザーやLEDなどのいわゆる赤
色光源に対しては、特開昭54-18726号に記載のI-1からI
-38の化合物、特開平6-75322号に記載のI-1からI-35の
化合物および特開平7-287338号に記載のI-1からI-34の
化合物、特公昭55-39818号に記載の色素1から20、特開
昭62-284343号に記載のI-1からI-37の化合物および特開
平7-287338号に記載のI-1からI-34の化合物などが有利
に選択される。
【0169】750〜1400nmの波長領域の半導体レーザー
光源に対しては、シアニン、メロシアニン、スチリル、
ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノールおよび
キサンテン色素を含む種々の既知の色素により、スペク
トル的に有利に増感させることができる。有用なシアニ
ン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾリン核、ピ
ロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チアゾール
核、セレナゾール核およびイミダゾール核などの塩基性
核を有するシアニン色素である。有用なメロシアニン染
料で好ましいものは、上記の塩基性核に加えて、チオヒ
ダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジンジオン
核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、チアゾリ
ノン核、マロノニトリル核およびピラゾロン核などの酸
性核も含む。上記のシアニンおよびメロシアニン色素に
おいて、イミノ基またはカルボキシル基を有するものが
特に効果的である。例えば、米国特許3,761,279号、同
3,719,495号、同3,877,943号、英国特許1,466,201号、
同1,469,117号、同1,422,057号、特公平3-10391号、同6
-52387号、特開平5-341432号、同6-194781号、同6-3011
41号に記載されたような既知の色素から適当に選択して
よい。
【0170】本発明に用いられる色素の構造として特に
好ましいものは、チオエーテル結合含有置換基を有する
シアニン色素(例としては特開昭62-58239号、同3-13863
8号、同3-138642号、同4-255840号、同5-72659号、同5-
72661号、同6-222491号、同2-230506号、同6-258757
号、同6-317868号、同6-324425号、特表平7-500926号、
米国特許5,541,054号に記載された色素) 、カルボン酸
基を有する色素(例としては特開平3-163440号、同6-301
141号、米国特許5,441,899号に記載された色素)、メロ
シアニン色素、多核メロシアニン色素や多核シアニン色
素(特開昭47-6329号、同49-105524号、同51-127719号、
同52-80829号、同54-61517号、同59-214846号、同60-67
50号、同63-159841号、特開平6-35109号、同6-59381
号、同7-146537号、同7-146537号、特表平55-50111号、
英国特許1,467,638号、米国特許5,281,515号に記載され
た色素)が挙げられる。
【0171】また、J-bandを形成する色素として米国特
許5,510,236号、同3,871,887号の実施例5記載の色素、
特開平2-96131号、特開昭59-48753号が開示されてお
り、本発明に好ましく用いることができる。
【0172】これらの増感色素は単独に用いてもよく、
2種以上組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特
に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と
ともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは
可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を
示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強
色増感を示す色素の組合せおよび強色増感を示す物質は
Research Disclosure176巻17643(1978年12月発行)第23
頁IVのJ項、あるいは特公昭49-25500号、同43-4933号、
特開昭59-19032号、同59-192242号等に記載されてい
る。
【0173】増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加させ
るには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、ある
いは水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセ
トン、メチルセルソルブ、2,2,3,3-テトラフルオロプロ
パノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、3-メトキシ
-1-プロパノール、3-メトキシ-1-ブタノール、1-メトキ
シ-2-プロパノール、N,N-ジメチルホルムアミド等の溶
媒の単独もしくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加しても
よい。
【0174】本発明における増感色素の使用量としては
感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、
画像形成層(感光性層)のハロゲン化銀1モル当たり10
-6〜1モルが好ましく、10-4〜10-1モルがさらに好まし
い。
【0175】本発明におけるハロゲン化銀乳剤または/
および有機銀塩は、カブリ防止剤、安定剤および安定剤
前駆体によって、付加的なカブリの生成に対して更に保
護され、在庫貯蔵中における感度の低下に対して安定化
することができる。単独または組合せて使用することが
できる適当なカブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体
は、米国特許第2,131,038号および同第2,694,716号に記
載のチアゾニウム塩、米国特許第2,886,437号および同
第2,444,605号に記載のアザインデン、米国特許第2,72
8,663号に記載の水銀塩、米国特許第3,287,135号に記載
のウラゾール、米国特許第3,235,652号に記載のスルホ
カテコール、英国特許第623,448号に記載のオキシム、
ニトロン、ニトロインダゾール、米国特許第2,839,405
号に記載の多価金属塩、米国特許第3,220,839号に記載
のチウロニウム塩、ならびに米国特許第2,566,263号お
よび同第2,597,915号に記載のパラジウム、白金および
金塩、米国特許第4,108,665号および同第4,442,202号に
記載のハロゲン置換有機化合物、米国特許第4,128,557
号および同第4,137,079号、第4,138,365号および同第4,
459,350号に記載のトリアジンならびに米国特許第4,41
1,985号に記載のリン化合物などがある。
【0176】本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤
はハロゲン放出プレカーサーである。特に好ましいのは
ハロゲン原子を2つ以上同一炭素原子に置換した有機ポ
リハロゲン化物であり、例えば、特開昭50-119624号、
同50-120328号、同51-121332号、同54-58022号、同56-7
0543号、同56-99335号、同59-90842号、同61-129642
号、同62-129845号、特開平6-208191号、同6-208193
号、同7-5621号、同7-2781号、同8-15809号、米国特許
第5,340,712号、同5,369,000号、同5,464,737号に開示
されているような化合物が挙げられる。本発明に用いら
れるハロゲン放出プレカーサーは有機銀塩の銀1モル当
たり、5×10-5〜0.5モル、好ましくは2×10-4
〜10-1モルの範囲で用いられる。ハロゲン放出プレカ
ーサーを2種類以上併用してもよい。ハロゲン放出プレ
カーサーは有機銀塩層、または感光性層に含有させるこ
とが好ましい。特に、有機銀塩層に含有させるのが好ま
しい。
【0177】本発明のハロゲンプレカーサーについて説
明する。本発明に用いられるハロゲンプレカーサーは、
熱、あるいは光によってハロゲンを放出しうる化合物で
ある。このような機能を有する化合物は、ハロゲン原子
を2つ以上同一炭素原子に置換した有機ポリハロゲン化
物であり、例えば、特開昭50−119624号、同5
0−120328号、同51−121332号、同54
−58022号、同56−70543号、同56−99
335号、同59−90842号、同61−12964
2号、同62−129845号、特開平6−20819
1号、同6−208193号、同7−5621号、同7
−2781号、同8−15809号、米国特許第5,3
40,712号、同5,369,000号、同5,46
4,737号に開示されているような化合物が挙げられ
る。
【0178】本発明に用いられる好ましいハロゲンプレ
カーサーは、次の一般式(H)で示される化合物であ
る。
【0179】
【化46】
【0180】式中、Qは置換基を有してもよいアリール
基またはヘテロ環基を表わす。Z1、Z2はハロゲン原
子を表す。Aは水素原子、または電子吸引性基を表す。
【0181】より詳しく説明する。式中、Qで表わされ
るアリール基としては好ましくは炭素数6〜30のもの
であり、より好ましくは炭素数6〜20の単環または縮
環のアリール基であり例えばフェニル基、ナフチル基が
挙げられ、特に好ましくはフェニル基である。
【0182】式中、Qで表わされるヘテロ環基は、N,
OまたはSの原子を少なくとも1つ含む3ないし10員
の飽和または不飽和のヘテロ環であり、これらは単環で
あってもよいし、更に他の環と縮合環を形成していても
よい。
【0183】ヘテロ環基の具体例としては、例えば、チ
エニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジル、ピ
ラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリニジ
ル、イソインドリニジル、3H−インドリル、インドリ
ル、1H−インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニ
ル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリ
ジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニ
ル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボニリル、
フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フ
ェナントロリニル、フェナジニル、フェナルサジニル、
フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イ
ソクロマニル、クロマニル、ピロリジニル、ピロリニ
ル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニ
ル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、インド
リニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モリホリ
ニル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、
ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチア
ゾリル、ベンズトリアゾリル、トリアジニル、ウラシ
ル、トリアゾピリミジニルなどが挙げられ、好ましく
は、チエニル、ピリジル、イソキノリル、キノリル、ト
リアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルで
ある。
【0184】式中、Qで表わされるアリール基またはヘ
テロ環基は−SO2−C(Z3)(Z4)A2基の他に置換基を有して
いても良い。置換基としては一般的に知られており、か
つ、写真性能に悪影響を及ぼさないものであればどのよ
うな置換基でも良い。例えば、直鎖、分岐または環状の
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは
1〜12、特に好ましくは1〜4であり、例えば、メチ
ル、エチル、iso−プロピル、tertーブチル、n
ーオクチル、tertーアミル、シクロヘキシルなどが
挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜
20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であ
り、例えば、ビニル、アリル、2-ブテニル、3-ペンテニ
ルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭
素数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2
〜8であり、例えば、プロパルギル基、3-ペンチニル基
などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数
6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12
であり、例えば、フェニル、p-メチルフェニル、ナフチ
ルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数
0〜20、より好ましくは0〜10、更に好ましくは0〜6
であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられ
る。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より
好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例え
ば、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられ
る。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、
より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、
例えば、フェニルオキシ、2-ナフチルオキシなどが挙げ
られる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より
好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例え
ば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなど
が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましく
は2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカ
ルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは
7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えば、フェノ
キシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは2〜16、特
に好ましくは2〜10であり、例えば、アセトキシ、ベン
ゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは2〜16、特
に好ましくは2〜10であり、例えば、アセチルアミノ、
ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカ
ルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ま
しくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、
メトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜
20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であ
り、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノなどが挙
げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数
1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12
であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンス
ルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル
基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0〜16、
特に好ましくは0〜12であり、例えば、スルファモイ
ル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、
フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバ
モイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0
〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えば、カルバモ
イル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルな
どが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12で
あり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウ
レイドなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好まし
くは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好まし
くは1〜12であり、例えば、メチルチオ、エチルチオな
どが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素
数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜
12であり、例えば、フェニルチオなどが挙げられ
る。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より
好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例え
ば、メシル、ベンゼンスルホニル、トシルなどが挙げら
れる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、
例えば、メタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルな
どが挙げられる。)、燐酸アミド基(好ましくは炭素数
1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12
であり、例えば、ジエチル燐酸アミド、フェニル燐酸ア
ミドなどが挙げられる。)、水酸基、メルカプト基、ハ
ロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基またはその塩、
カルボキシル基またはその塩、ニトロ基、ヒドロキサム
基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、スルホニルチオ基、
チオスルホニル基、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリ
ル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モリホリルなどが
挙げられる。)、ジスルフィド基、ポリエチレンオキシ
基、4級アンモニウム基などが挙げられる。これらはさ
らに置換されていてもよい。
【0185】Z1、Z2はそれぞれハロゲン原子を表わし、
好ましくは臭素原子である。A2は水素原子、または電子
吸引基を表わすが、好ましくは水素原子または臭素原子
であり、特に好ましくは臭素原子である。また、これら
の化合物を2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0186】次に本発明のハロゲン放出プレカーサーの
具体例を挙げるが、本発明はこれらの化合物に限定され
るものではない。
【0187】
【化47】
【0188】
【化48】
【0189】
【化49】
【0190】
【化50】
【0191】
【化51】
【0192】本発明のハロゲン放出プレカーサーの使用
量としては感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量
でよいが、画像形成層の非感光性銀塩1モル当たり10
-4〜1モルが好ましく、10-3〜5×10-1モルがさら
に好ましい。
【0193】本発明のハロゲン放出プレカーサーは、水
あるいは有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、
エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ
などに溶解して塗布液に添加し、乾燥後、膜中で微結晶
状態に存在させるか、あるいは既によく知られている乳
化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジル
フォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジ
エチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘ
キサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化
分散物を作製して用いるか、あるいは固体分散法として
知られている方法によって、これらの化合物をガラスビ
ーズ、ジルコニアビーズ、ジルコン・シリケートビーズ
などの分散メディアを用いて、水等の適当な溶媒中にボ
ールミル、コロイドミル、サンドミルなどの公知の分散
機、あるいは超音波を利用した分散機によって微細な固
体状分散物を作成して塗布液に添加してもよい。
【0194】特に好ましいのは固体状分散物として添加
することである。予め微細な固体状分散物を調製して添
加することで安定して均一な粒子サイズで添加できるた
め、塗布液中で凝集を起こしたり、性能が変動したりす
ることが無く好ましい。特に、感光性画像形成層が熱可
塑性樹脂の水分散物をバインダーとするとき、固体状分
散物として添加することは最も好ましい。このとき還元
剤も固体状分散物として添加することが好ましい。固体
状分散物におけるハロゲン放出プレカーサーの粒子の平
均粒径は0.05〜5μmが好ましく、より好ましくは
0.1〜1μmである。また還元剤粒子の固体状分散物
における平均粒径は0.05〜5μmが好ましく、より
好ましくは0.1〜1μmである。
【0195】本発明に用いられるハロゲン放出プレカー
サーは、2種以上併用して用いてもよい。ハロゲン放出
プレカーサーは有機銀塩層、感光性層、中間層、または
保護層に含有させることが好ましい。特に、有機銀塩層
に含有させるのが好ましい。
【0196】本発明における熱現像画像記録材料は高感
度化やカブリ防止を目的として安息香酸類を含有しても
良い。本発明の安息香酸類はいかなる安息香酸誘導体で
もよいが、好ましい構造の例としては、米国特許4,784,
939号、同4,152,160号、特開平9-329865号、同9-329864
号、同9-291637号などに記載の化合物が挙げられる。本
発明の安息香酸類は画像形成材料のいかなる部位に添加
しても良いが、添加層としては画像形成層(感光性層)
を有する面の層に添加することが好ましく、有機銀塩含
有層に添加することがさらに好ましい。本発明の安息香
酸類の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行
っても良く、有機銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩
調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機
銀塩調製後から塗布直前が好ましい。本発明の安息香酸
類の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいか
なる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色
調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良
い。本発明の安息香酸類の添加量としてはいかなる量で
も良いが、銀1モル当たり1μモル以上2モル以下が好ま
しく、1mモル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0197】本発明には現像を抑制あるいは促進させ現
像を制御するため、あるいは分光増感効率を向上させる
ため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカ
プト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有
させることができる。
【0198】本発明にメルカプト化合物を使用する場
合、いかなる構造のものでも良いが、Ar-SM 、Ar-S-S-A
rで表されるものが好ましい。式中、Mは水素原子または
アルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素、イオ
ウ、酸素、セレニウムもしくはテルリウム原子を有する
芳香環基または縮合芳香環基である。好ましくは、これ
らの基中の複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフスイ
ミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベ
ンズオキサゾール、ナフスオキサゾール、ベンゾセレナ
ゾール、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾ
ール、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テ
トラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピ
ラジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノ
ンである。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例え
ば、BrおよびCl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、
アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4
個の炭素原子を有するもの)、アルコキシ(例えば、1個
以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有す
るもの)およびアリール(置換基を有していてもよい)
からなる置換基群から選択されるものを有してもよい。
メルカプト置換複素芳香族化合物をとしては、2-メルカ
プトベンズイミダゾール、2-メルカプトベンズオキサゾ
ール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプト-5
-メチルベンズイミダゾール、6-エトキシ-2-メルカプト
ベンゾチアゾール、2,2'-ジチオビス-ベンゾチアゾー
ル、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、4,5-ジフェニ
ル-2-イミダゾールチオール、2-メルカプトイミダゾー
ル、1-エチル-2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メ
ルカプトキノリン、8-メルカプトプリン、2-メルカプト
-4(3H)-キナゾリノン、7-トリフルオロメチル-4-キノリ
ンチオール、2,3,5,6-テトラクロロ-4-ピリジンチオー
ル、4-アミノ-6-ヒドロキシ-2-メルカプトピリミジンモ
ノヒドレート、2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジア
ゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、
4-ヒドキロシ-2-メルカプトピリミジン、2-メルカプト
ピリミジン、4,6-ジアミノ-2-メルカプトピリミジン、2
-メルカプト-4-メチルピリミジンヒドロクロリド、3-メ
ルカプト-5-フェニル-1,2,4-トリアゾール、1-フェニル
-5-メルカプトテトラゾール、3-(5-メルカプトテトラゾ
ール)-ベンゼンスルフォン酸ナトリウム、N-メチル-N'-
[3-(5-メルカプトテトラゾリル)フェニル]ウレア、2-メ
ルカプト-4-フェニルオキサゾール、2-[3-(9-カルバゾ
リル)プロピルイミノ]-3-(2-メルカプトエチル)ベンゾ
チアゾリンなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定
されない。
【0199】これらのメルカプト化合物の添加量として
は感光性乳剤層、または有機銀塩層中に銀1モル当たり
0.0001〜1.0モルの範囲が好ましく、さらに好ましく
は、銀の1モル当たり0.001〜0.3モルの量である。
【0200】本発明における画像記録材料は、可塑剤と
して多価アルコール(例えば、米国特許第2,960,404号に
記載された種類のグリセリンおよびジオール)などを含
むことができる。
【0201】本発明の画像記録材料は、重ね合わされた
ときの接着故障防止のため、表面保護層にマット剤を添
加することが望ましい。マット剤は、一般に水に不溶性
の有機または無機化合物の微粒子である。マット剤とし
ては任意のものを使用でき、例えば米国特許第1,939,21
3号、同2,701,245号、同2,322,037号、同3,262,782号、
同3,539,344号、同3,767,448号等の各明細書に記載の有
機マット剤、同1,260,772号、同2,192,241号、同3,257,
206号、同3,370,951号、同3,523,022号、同3,769,020号
等の各明細書に記載の無機マット剤など当業界で良く知
られたものを用いることができる。例えば具体的にはマ
ット剤として用いることのできる有機化合物の例として
は、水分散性ビニル重合体の例としてポリメチルアクリ
レート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニト
リル、アクリロニトリル-α-メチルスチレン共重合体、
ポリスチレン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、
ポリビニルアセテート、ポリエチレンカーボネート、ポ
リテトラフルオロエチレンなど、セルロース誘導体の例
としてはメチルセルロース、セルロースアセテート、セ
ルロースアセテートプロピオネートなど、澱粉誘導体の
例としてカルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェニル澱
粉、尿素-ホルムアルデヒド-澱粉反応物など、公知の硬
化剤で硬化したゼラチンおよびコアセルベート硬化して
微少カプセル中空粒体とした硬化ゼラチンなど好ましく
用いることができる。無機化合物の例としては二酸化珪
素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニ
ウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減
感した塩化銀、同じく臭化銀、ガラス、珪藻土などを好
ましく用いることができる。上記のマット剤は必要に応
じて異なる種類の物質を混合して用いることができる。
【0202】マット剤は保護層の表面に凹凸を形成し接
触面積と小さくして、接着故障を防止する効果を有す
る。従って、その平均粒子サイズは保護層の厚みよりも
大きいことが好ましいが、小さいものでも凝集体を形成
して表面に突き出る場合もあるので、必ずしも保護層の
厚みより大きいことが必須ではない。実用的には1μm
以上が有用に使える範囲である。また、粒子サイズが大
きすぎると画像形成層に沈みこんで画像形成を妨げピン
ホールを与える危険性が高くなる。実用的には10μm
以下が有用に使える範囲である。従って、本発明では、
マット剤の平均粒子サイズは1μm以上、10μm以下
が好ましい範囲である。また、マット剤の粒径分布は狭
い方が望ましく、単分散度が10%以下が望ましい。マ
ット剤作製時あるいは複数のマット剤の混合により、平
均粒径、形状および粒径分布を必要に応じた状態にする
こともできる。
【0203】保護層が複数ある場合、一般に保護層は薄
層であるのでいずれの保護層に添加してもマット剤の効
果は得られるが、好ましくは最外表面層、あるいは外表
面にできるだけ近い層に添加するのが良い。
【0204】本発明の感光性層、および有機銀塩層の塗
布液のpHは5.5〜7.8の間に調整されているが、調
整の際に用いられる酸はハロゲンを含まない酸であるこ
とが好ましい。保護層のpHは添加される薬品によって
異なるが、2〜7と比較的低いが、複数の保護層の場
合、感光性層に近い層は4〜7、遠い層は2〜5と低く
するのが望ましい。
【0205】本発明において、感光性層と有機銀塩層と
の間に剥離層を設けてもよい。該剥離層は、画像形成後
に感光性層と銀供給層とを分離するのを容易にするため
の層である。剥離層としては、隣接する層のバインダー
との相溶性の小さなポリマーバインダーを用いることが
望ましく、セルロースエステル類やセルロースエーテル
類などのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールや部
分けん化ポリ酢酸ビニルなどのビニル誘導体、塩素化ポ
リエチレンなどのエチレン誘導体などが好ましい。層の
厚みは、0.05〜5.0μm、好ましくは0.1〜
2.0μmの厚みで用いるのが良い。
【0206】本発明において透明支持体の場合、バック
層は、所望の範囲での最大吸収が約0.3以上2.0以下であ
ることが好ましい。所望の範囲が750〜1400nmである場
合には、650〜360nmにおいての光学濃度が0.001以上0.5
未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.001以
上0.3未満の光学濃度を有するハレーション防止層であ
ることが好ましい。所望の範囲が750nm以下である場合
には、画像形成前の所望範囲の最大吸収が0.3以上2.0以
下であり、さらに画像形成後の360〜650nmの光学濃度が
0.005以上0.3未満になるようなハレーション防止層であ
ることが好ましい。画像形成後の光学濃度を上記の範囲
に下げる方法としては特に制限はないが、例えばベルギ
ー特許第733,706号に記載されたように染料による濃度
を加熱による消色で低下させる方法、特開昭54-17833号
に記載の光照射による消色で濃度を低下させる方法等が
挙げられる。
【0207】本発明でハレーション防止染料を使用する
場合、このような染料は所望の範囲で目的の吸収を有
し、処理後に可視領域での吸収が充分少なく、上記バッ
ク層の好ましい吸光度スペクトルの形状が得られればい
かなる化合物でも良い。例えば以下に挙げるものが開示
されているが本発明はこれに限定されるものではない。
単独の染料としては特開昭59-56458号、特開平2-216140
号、同7-13295号、同7-11432号、米国特許5,380,635号
記載、特開平2-68539号公報第13頁左下欄1行目から同第
14頁左下欄9行目、同3-24539号公報第14頁左下欄から同
第16頁右下欄記載の化合物があり、処理で消色する染料
としては特開昭52-139136号、同53-132334号、同56-501
480号、同57-16060号、同57-68831号、同57-101835号、
同59-182436号、特開平7-36145号、同7-199409号、特公
昭48-33692号、同50-16648号、特公平2-41734号、米国
特許4,088,497号、同4,283,487号、同4,548,896号、同
5,187,049号がある。
【0208】本発明においてバック層の好適なバインダ
ーは透明または半透明で、一般に無色であり、天然ポリ
マー、合成樹脂やポリマーおよびコポリマー、その他フ
ィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴ
ム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロ
ース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブ
チレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポ
リ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレ
ン-無水マレイン酸)、コポリ(スチレン-アクリロニトリ
ル)、コポリ(スチレン-ブタジエン)、ポリ(ビニルアセ
タール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)およびポリ
(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタ
ン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ
(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニル
アセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類
がある。バインダーは水または溶媒またはエマルジョン
から被覆形成してもよい。
【0209】本発明のバック層用の全バインダー量は、
0.01〜10g/m2、より好ましくは0.5〜5g/m2
ある。
【0210】本発明においてバック層にベック秒を低く
するためにマット剤を添加するのは好ましい態様であ
り、ベック平滑度が2000秒以下10秒以上、さらに好まし
くは1500秒以下50秒以上になるように粒子サイズや添加
量を変えて調整することができる。ベック平滑度は、JI
S P8119およびTAPPIT479より求められる。
【0211】本発明においては画像形成層を有する面お
よび/またはその反対面の最表面層に滑り剤を含有させ
ることが好ましい。
【0212】本発明における滑り剤とは、特に制限はな
く物体表面に存在させた時に、存在させない場合に比べ
て物体表面の摩擦係数を減少させる化合物であればいず
れでもよい。
【0213】本発明に用いられる滑り剤の代表的なもの
としては例えば米国特許第3,042,522号、英国特許第95
5,061号、米国特許第3,080,317号、同第4,004,927号、
同第4,047,958号、同第3,489,567号、英国特許第1,143,
118号等に記載のシリコーン系滑り剤、米国特許第2,45
4,043号、同第2,732,305号、同第2,976,148号、同第3,2
06,311号、独国特許第1,284,295号、同第1,284,294号等
に記載の高級脂肪酸系、アルコール系、酸アミド系滑り
剤、英国特許第1,263,722号、米国特許第3,933,516号等
に記載の金属石けん、米国特許第2,588,765号、同第3,1
21,060号、英国特許第1,198,387号等に記載のエステル
系、エーテル系滑り剤、米国特許第3,502,473号、同第
3,042,222号に記載のタウリン系滑り剤等がある。
【0214】好ましく用いられる滑り剤の具体例として
は、セロゾール524(主成分カルナバワックス)、ポ
リロンA,393,H−481(主成分ポリエチレンワ
ックス)、ハイミクロンG−110(主成分エチレンビ
スステアリン酸アマイド)、ハイミクロンG−270
(主成分ステアリン酸アマイド)(以上、中京油脂
(株)製)などがある。
【0215】滑り剤の使用量は添加層のバインダー量の
0.1〜50質量%であり、好ましくは0.5〜30質
量%である。
【0216】本発明の熱現像画像記録材料の構成につい
て説明する。本発明における一つの構成例は、ある波長
領域に分光増感された感光性層と、それに対応する色像
形成材料を有する有機銀塩層を一つのユニットとして、
支持体上に単一のユニットを有する構成である。もう一
つの構成例は、感光波長域が異なる複数のユニットを同
一支持体上に有する複合構成である。構成しうるユニッ
トとしては、青感度のユニット、緑感度のユニット、赤
感度のユニット、および近赤外感度のユニットなどがあ
る。これらの中から、2〜4ユニットを組合わせて構成
することができる。複合構成の場合、各ユニットの間に
中間層を設け、その中に現像薬の酸化生成物を捕獲し層
間の干渉を抑制することが望ましい。酸化生成物の捕獲
剤としては、前述の還元剤として挙げた素材群の中で、
特に耐拡散性の還元剤が用いられ得る。例えば、特開平
60-119555に記載の不動性ヒドロキノン誘導体やレゾル
シン誘導体などが挙げられる。これらの層は順次塗布し
ても、同時重層塗布しても良い。
【0217】本発明の応用の一つとして、生成した色素
像を加熱により拡散させ、固定層に転写させてもよい。
該固定層は、感光性層と同一支持体上にあっても、別の
支持体上にあってもよい。別の支持体上にある場合は、
感光性層を有するシートを固定層を有するシートを互い
に重ね合せた状態で、熱により生成した色素が拡散によ
り固定層に移動し、固定される。その後、両シートを剥
離することにより、感光層とは分離された色素の転写画
像が得られる。
【0218】本発明の画像形成層(感光性層、有機銀塩
層)、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても
良い。硬膜剤の例としては、米国特許4,281,060号、特
開平6-208193号などに記載されているポリイソシアネー
ト類、米国特許4,791,042号などに記載されているエポ
キシ化合物類、特開昭62-89048号などに記載されている
ビニルスルホン系化合物類、あるいはオキサゾリン化合
物などが用いられる。
【0219】本発明には塗布性改良などを目的として界
面活性剤を用いても良い。界面活性剤の例としては、ノ
ニオン系、アニオン系、フッ素系などいかなるものも適
宜用いられる。具体的には、特開昭62-170950号、米国
特許5,380,644号などに記載のフッ素系高分子界面活性
剤、特開昭60-244945号、特開昭63-188135号などに記載
のフッ素系界面活性剤、米国特許3,885,965号などに記
載のポリシロキサン系界面活性剤、特開平6-301140号な
どに記載のポリアルキレンオキサイドやアニオン系界面
活性剤などが挙げられる。
【0220】本発明における熱現像写真乳剤は、浸漬コ
ーティング、エアナイフコーティング、フローコーティ
ングまたは、米国特許第2,681,294号に記載の種類のホ
ッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティ
ング操作により被覆することができる。所望により、米
国特許第2,761,791号および英国特許第837,095号に記載
の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆する
ことができる。
【0221】本発明の熱現像画像記録材料はいかなる方
法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光し
た画像記録材料を昇温して現像される。用いられる熱現
像機の好ましい態様としては、熱現像画像記録材料をヒ
ートローラーやヒートドラムなどの熱源に接触させるタ
イプとして特公平5-56499号、特許公報第684453号、特
開平9-292695号、特開平9-297385号および国際公開WO
95/30934号に記載の熱現像機、非接触型のタイプとして
特開平7-13294号、国際公開WO97/28489号、同97/2848
8号および同97/28487号に記載の熱現像機がある。特に
好ましい態様としては非接触型の熱現像機である。好ま
しい現像温度としては80〜250℃であり、さらに好まし
くは100〜140℃である。現像時間としては1〜180秒が好
ましく、10〜90秒がさらに好ましい。
【0222】本発明の熱現像画像記録材料は、前述の熱
現像時の寸法変化による処理ムラ、物理的ベコを防止す
る方法として、80℃以上115℃未満(好ましくは113℃以
下)の温度で画像が出ないようにして5秒以上加熱した
後、110℃以上(好ましくは130℃以下)で熱現像して画
像形成させる方法(いわゆる多段階加熱方法)が有効で
ある。
【0223】また、熱現像後の冷却は徐々に行うのが好
ましく、現像温度から70℃までの冷却速度は200℃
/min以下で、好ましくは150〜50℃/minである。
【0224】本発明の画像記録材料はいかなる方法で露
光されても良いが、露光光源としてレーザー光が好まし
い。本発明によるレーザー光としては、ガスレーザー、
YAGレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが好
ましい。また、半導体レーザーと第2高調波発生素子な
どを用いることもできる。
【0225】本発明の画像記録材料は露光時のヘイズが
低く、干渉縞が発生しやすい傾向にある。この干渉縞発
生防止技術としては、特開平5-113548号などに開示され
ているレーザー光を画像記録材料に対して斜めに入光さ
せる技術や、WO95/31754号などに開示されているマルチ
モードレーザーを利用する方法が知られており、これら
の技術を用いることが好ましい。
【0226】本発明の画像記録材料を露光するにはSPIE
vol.169 Laser Printing 116-128頁(1979)、特開平4-5
1043号、WO95/31754号などに開示されているようにレー
ザー光が重なるように露光し、走査線が見えないように
することが好ましい。
【0227】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。始めに、実施例に用いた材料について説明する。 <バック層を設け、熱処理した支持体の作成>厚み25
0μmのPETベースに次の層を設けた。 (下塗り層の塗布)PETベースの一方の面に次の下塗
り層(a)と下塗り層(b)とを塗布し、それぞれ180
℃、4分間乾燥した。 下塗り層(a) ポリマーラテックスV−5 コア部90質量%、シェル部10質量%のコアシェルタイプのラテックスで、 コア部 塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリ ロニトリル/アクリル酸=93/3/3/0.9/0.1(質量%) シェル部 塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート/アク リロニトリル/アクリル酸=88/3/3/3/3(質量%)重量平均分子量3 8000 固形分量3.0g/m2 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン 23mg/m2 マット剤(ポリスチレン、平均粒子径2.4μm) 1.5mg/m2
【0228】 下塗り層(b) アルカリ処理ゼラチン (Ca2+含量30ppm、ゼリー強度230g) 83mg/m2 化合物A 1mg/m2 化合物H 2mg/m2 メチルセルロース 4mg/m2 エマレックス710(日本エマルジョン(株)の商品名、ポリオキシエチレン) 3mg/m2 (バック層の塗布)PETベースのもう一方の面に次の
バック層を設けた。 バック第一層 ジュリマーET−410(日本純薬(株)製) 38mg/m2 SnO2/Sb(重量比9/1、石原産業(株)製の針状粒子で、商品名FS −10D) 200mg/m2 染料―A 20mg/m2 マット剤(ポリメチルメタクリレート粒子、平均粒子サイズ5μm) 10mg/m2 架橋剤(デナコールEX−614B、ナガセ化成工業(株)製) 13mg/m2
【0229】 バック第二層 ラテックスバインダー(ケミパールS−120、三井石油化学(株)製) 500mg/m2 コロイダルシリカ(スノーテックス−C、(日産化学(株)製) 40mg/m2 架橋剤(デナコールEX−614B、ナガセ化成工業(株)製) 30mg/m2
【0230】
【化52】 両バック層は逐次塗布し、それぞれ180℃、4分間乾
燥した。
【0231】(支持体の熱処理)下塗り層、およびバッ
ク層を塗布し、乾燥した後、張力5kg/cm2、温度
130℃で10分間の第一熱処理、続いて張力10kg
/cm2、温度40℃で15秒の第二熱処理を行った。
【0232】<感光性ハロゲン化銀乳剤の調製>水70
0mlにフタル化ゼラチン11g、臭化カリウム30m
g、およびチオスルホン酸ナトリウム10mgを溶解し
て温度35℃にして、pH5.0に合わせた後、硝酸銀
18.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウムを1
モル/リットル含む水溶液をpAg7.7に保ちながら
コントロールダブルジェット法で6.5分間かけて添加
した。ついで、硝酸銀55.4gを含む水溶液476m
lと臭化カリウムを1モル/リットル含む水溶液をpA
g7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で
30分間かけて添加した後、4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデン1gを添加
し、さらにpHを下げて凝集沈降させ、脱塩処理した。
その後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH
5.9、pAg8.2に調整し、臭化銀粒子(平均粒子
サイズ0.12μm、投影面積直径変動係数8%、(1
00)面比率88%の立方体粒子)の調整を終えた。
【0233】こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に
昇温して、銀1モル当たりチオスルホン酸ナトリウム
8.5×10-4モル添加し、120分間熟成した後、4
0℃に急冷して1×10-5モルの増感色素Aと5×10
-5モルの化合物B、および5×10-5モルのN−メチル
ーN’−{3―(メルカプトテトラゾリル)フェニル}
ウレア、化合物Aを100ppm添加し、30℃に急冷
してハロゲン化銀乳剤Aを得た。
【0234】同様にして、増感色素Aの代わりに増感色
素Bを用いたハロゲン化銀Bを作成した。
【0235】
【化53】
【0236】<有機酸銀分散物Aの調製>ステアリン酸
4.4g、ベヘン酸39.4g、蒸留水770mlを9
0℃で攪拌しながら1N−NaOH水溶液103mlを
添加し、240分間反応させた後、75℃に降温した。
ついで、硝酸銀19.2g含む水溶液112.5mlを
45秒かけて添加し、そのまま20分間放置し、30℃
に降温した。次に、吸引濾過によって固形分を濾別し、
濾水の電気伝導度が30μS/cmになるまで水洗し
た。こうして得た固形分にポリビニルアルコール10質
量%水溶液100mlを添加し、さらに総重量が270
gになるように水を加えた。次に、自動乳鉢で粗分散し
てから、分散機“ナノマイザー”(ナノマイザ(株)
製)を用いて衝突時の圧力1000kg/cm2で分散
し、平均短径0.04μm、平均長径0.8μm、変動
係数30%の針状粒子分散物を得た。
【0237】<還元剤分散物の調製> 還元剤分散物A 1−ビス(2―ヒドロキシー3、5―ジメチルフェニ
ル)―3,5,5―トリメチルヘキサン250gとポリ
ビニルアルコール125gに水600gを添加し、良く
混合しスラリーを作成した。このスラリーを分散ビーズ
(平均直径0.5mmのジルコニア粒)840gととも
にベッセルに入れ、分散機サンドミル(1/4Gサンド
グラインダーミル、アイメックス(株)製)で5時間分
散し、平均粒子サイズ0.5μmの還元剤分散物Aを得
た。
【0238】還元剤分散物B 還元剤B100gとポリビニルアルコール125gに水
600gを添加し、良く混合しスラリーを作成した。こ
のスラリーを分散ビーズ(平均直径0.5mmのジルコ
ニア粒)840gとともにベッセルに入れ、分散機サン
ドミル(1/4Gサンドグラインダーミル、アイメック
ス(株)製)で5時間分散し、平均粒子サイズ0.4μ
mの還元剤分散物Bを得た。
【0239】
【化54】
【0240】<フタラジン誘導体可溶化液の調製>次の
割合で混合攪拌して次のフタラジン誘導体Aの可溶化液
Aを作成した。 可溶化液A フタラジン誘導体A 25g レオポール BX (竹本油脂(株)の商品名、トリイソプロピルナフタレ ンスルホンサンソーダ) 2.1g ポリビニルアルコール(クラレ(株)のPVA−217)(20%水溶液) 100g 水 373g
【0241】
【化55】
【0242】<電子伝達剤の分散物の調製>電子伝達剤
N-1を10gに、クラレポバール#217(クラレ(株)の
商品名)2.5g、水87.5gの比率で混合し、上記の還元剤
と同様にジルコニアビーズで分散し、平均粒子サイズ0.
3μmの分散物を得た。
【0243】<有機ポリハロゲン化合物の固体微粒子分
散物の調製>有機ポリハロゲン化合物A30gに対してヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース0.5g、化合物C0.5g
と、水88.5gを添加し良く攪拌してスラリーとして3時間
放置した。その後、還元剤固体微粒子分散物の調製と同
様にして、固体微粒子分散物を調製した。粒子径は、粒
子の80質量%が0.3μm以上1.0μm以下であった。
【0244】
【化56】
【0245】<色像形成材料の分散物Aの調製>下記の
色像形成材料A100gとポリビニルアルコール125
gに水600gを添加し、良く混合しスラリーを作成し
た。このスラリーを分散ビーズ(平均直径0.5mmの
ジルコニア粒)840gとともにベッセルに入れ、分散
機サンドミル(1/4Gサンドグラインダーミル、アイ
メックス(株)製)で5時間分散し、平均粒子サイズ
0.7μmの還元剤分散物Bを得た。
【0246】
【化57】
【0247】<色像形成材料の分散物Bの調製>色像形
成材料の分散物Aと同様にして、但し、色像形成材料と
しては下記の色像形成材料Bをもちいて作成した。平均
粒子サイズ0.3μmであった。
【0248】
【化58】
【0249】<実施例1>前記バック/下塗り層のつい
たPET支持体の下塗り層(a)、(b)のついた側に下
記の有機銀塩層、感光性層、保護層を同時重層塗布し
た。 (有機銀塩層の調製と塗布)上記の有機酸銀分散物85
g、還元剤分散物B24g、色像形成材料分散物A45
g、Lacstar#3307B(大日本インキ化学工
業(株)製、SBRラテックス;Tg13℃、49質量
%)46g、クラレポバール MP−20310質量%
を6g、フタラジン誘導体可溶化液Aが13g、有機ポ
リハロゲン化物分散物10g、本発明の電子伝達剤の分
散物7.4g、5―メチルベンゾトリアゾール0.07
g、染料Aを6mg、さらに水25gを加えて良く混合
した。塗布銀量が1.0g/m2になるように塗布した。
【0250】(感光性層塗布液の調製と塗布)感光性ハ
ロゲン化銀乳剤A33g、還元剤分散物A15g、La
cstar#3307B(大日本インキ化学工業(株)
製、SBRラテックス;Tg13℃、49質量%)23
g、クラレポバール MP−203 10質量%を10
g、5―メチルベンゾトリアゾール0.03g、染料A
を12mg、さらに水10gを加えて良く混合した。塗
布銀量が0.15g/m2になるように銀供給層の上に
塗布した。
【0251】(保護層の調製と塗布)固形分27.5%のポ
リマーラテックス(メチルメタクリレート/スチレン/
2-エチルヘキシルアクリレート/2-ヒドロキシエチルメ
タクリレートメタアクリル酸=59/9/26/5/1の共重
合体でガラス転移温度55℃)109gにH2O 3.75gを加え、
造膜助剤としてベンジルアルコール4.5g、化合物2 0.
45g、化合物3 0.125g、化合物4 0.0125モル、およ
びポリビニルアルコール(クラレ(株)製,PVA-217)2.2
5gを加え、さらにH2Oを加えて、150gとし、塗布液とし
た。感光性層の上に、ポリマーラテックスの塗布量が2.
0g/m2になるように塗布した。
【0252】
【化59】
【0253】3層を同時重層塗布し、塗布後、60℃で
2分間乾燥した。得られた試料をサンプル1とする。
【0254】<熱現像による色素画像の形成>本発明の
サンプル1を780nmにピークをもつ干渉フィルターと
濃度差0.1の階段濃度ウェッジを介して、発光時間1
6秒のキセノンフラッシュ光で露光し、115℃、
20秒間、熱現像処理を行った。マゼンタ色の画像が得
られた。マクベス濃度計によって濃度測定した。下表に
示すように、緑濃度が高く、青濃度や赤濃度の低い画像
が得られた。現像銀の黒化濃度が重なっているが、それ
を差し引いても高いマゼンタ色素像であることが充分推
測できる。
【0255】
【表1】
【0256】分光吸収を測定した結果、560nmに吸
収極大を有していた。また、本サンプル1は高い感度を
有し、かつ、強制的に50℃、相対湿度75%の環境下
に3日間保存しても写真性能に変化がなかく、安定であ
った。
【0257】<実施例2>実施例1において、色像形成
材料の分散物Aを色像形成材料の分散物B29gに変え
て、その他は同様にしてサンプル2を作成した。熱現像
処理して得られた結果、表2に示しようにイエロー画像
が得られた。吸収極大は467nmであった。
【0258】
【表2】
【0259】サンプル2もサンプル1と同様に高感度
で、かつ保存安定性が良好であった。
【0260】<実施例3>実施例1において、色像形成
材料Aの代わりに下記の色像形成材料C、およびDを用
いたサンプル3、4を作成した。熱現像処理して得られ
た結果、表3に示しように、それぞれイエロー画像とマ
ゼンタ画像が得られた。吸収極大は、それぞれ470n
m、558nmであった。サンプル1と同様にサンプル
3、4とも高感度で、かつ保存安定性が良好であった。
【0261】
【化60】
【0262】
【表3】
【0263】<実施例4>実施例1において、有機酸銀
層として次の処方の層を設け、その他は実施例1と同様
にしてサンプル5を作成した。 (有機銀塩層の調製と塗布)上記の有機酸銀分散物A8
5g、還元剤分散物A29g、色像形成材料分散物B2
9g、Lacstar#3307B(大日本インキ化学
工業(株)製、SBRラテックス;Tg13℃、49質
量%)46g、クラレポバール MP−203 10質
量%を6g、フタラジン誘導体可溶化液Aが13g、有
機ポリハロゲン化物分散物10g、本発明の電子伝達剤
の分散物7.4g、5―メチルベンゾトリアゾール0.
07g、染料Aを6mg、さらに水25gを加えて良く
混合した。塗布銀量が1.0g/m2になるように塗布し
た。
【0264】比較サンプルとして、実施例1における有
機酸銀層と感光性層を除き、代わりに次の感光性有機酸
銀層を設けた。保護層は実施例1と同様である。これを
比較サンプルAとする。 (比較の感光性有機酸銀層の調製と塗布)上記の有機酸
銀分散物A85g、ハロゲン化銀乳剤A20g、還元剤
分散物A29g、色像形成材料分散物B29g、Lac
star#3307B(大日本インキ化学工業(株)
製、SBRラテックス;Tg13℃、49質量%)46
g、クラレポバール MP−203 10質量%を6
g、フタラジン誘導体可溶化液Aが13g、有機ポリハ
ロゲン化物分散物10g、本発明の電子伝達剤の分散物
7.4g、5―メチルベンゾトリアゾール0.07g、
染料Aを6mg、さらに水25gを加えて良く混合し
た。塗布銀量が1.15g/m2になるように塗布し
た。
【0265】実施例1と同様に、写真性能を調べた結
果、感度(濃度0.3を与える露光量の逆数を対数値で
表す)は、サンプル5に対して比較サンプルAは約0.
9低かった。また、強制環境下に保存したとき、サンプ
ル5は殆ど変化しなかったのに対して、比較サンプルA
は感度が0.25低下した。
【0266】<実施例5>複数ユニットからなる多色カ
ラーの実施例を示す。(緑感性ユニット)実施例1に示
した有機酸銀層を塗布銀量が0.7g/m2,感光性層
を塗布銀量0.15g/m2になるように塗布した。 (中間層) コロイド銀 0.3g/m2 混色防止剤として化合物SC 0.1g/m2 Lacstar#3307B 1.5g/m2
【0267】
【化61】
【0268】(青感性ユニット)実施例3に示した色像
形成材料分散物Cを用いた有機酸銀層を塗布銀量が1.
0g/m2,感光性層としてハロゲン化銀乳剤Aの代わ
りにハロゲン化銀Bを用いて塗布銀量0.20g/m2
になるように塗布した。 (保護層)実施例と同じ。本サンプルは実施例1と同様
に780nmの光で露光するとマゼンタ色の発色画像が
得られ、488nmの光で露光するとイエロー画像を与
えた。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機銀塩、還元剤、色像形成材料、およ
    び有機バインダーを含む有機銀塩層と該有機銀塩層とは
    異なる感光性ハロゲン化銀粒子を含む感光性層とを支持
    体上に有し、さらに電子伝達剤を含有する熱現像カラー
    画像記録材料。
  2. 【請求項2】 有機銀塩層には、感光性ハロゲン化銀粒
    子を実質的に含まない請求項1記載の熱現像カラー画像
    記録材料。
  3. 【請求項3】 有機銀塩層にハロゲンプレカーサーを含
    有する請求項1又は2記載の熱現像カラー画像記録材
    料。
  4. 【請求項4】 感光性層が還元剤を含有する請求項1な
    いし3いずれか1項に記載の熱現像カラー画像記録材
    料。
  5. 【請求項5】 有機銀塩、還元剤、色像形成材料、およ
    び有機バインダーを含む有機銀塩層と該有機銀塩層とは
    異なる感光性ハロゲン化銀粒子を含む感光性層とを一つ
    の組合わせ単位として、支持体上に複数の単位を有し、
    各単位が互いに異なる波長領域に色増感されていること
    を特徴とする熱現像カラー画像記録材料。
  6. 【請求項6】 有機バインダーが水分散されたポリマー
    ラテックスより形成されることを特徴とする請求項1な
    いし5いずれか1項に記載の熱現像カラー画像記録材
    料。
  7. 【請求項7】 還元剤が水中に固体分散された微粒子で
    あることを特徴とする請求項6記載の熱現像カラー画像
    記録材料。
  8. 【請求項8】 ハロゲンプレカーサーが水中に固体分散
    された微粒子であることを特徴とする請求項6ないし7
    いずれか1項に記載の熱現像カラー画像記録材料。
  9. 【請求項9】 還元剤が一般式Q1−NHNH−R1で表
    され、式中、Q1は炭素原子で−NHNH−R1と結合す
    る芳香族基、または5〜7員の不飽和環を表し、R1
    カルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、
    アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、またはス
    ルファモイル基を表す化合物であることを特徴とする請
    求項1ないし8いずれか1項に記載の熱現像カラー画像
    記録材料。
  10. 【請求項10】 電子伝達剤が、下記一般式で表される
    ヒドラジン誘導体であることを特徴とする請求項1ない
    し9いずれか1項に記載の熱現像カラー画像記録材料。 【化1】 式(1)中、R2は脂肪族基または芳香族基を表し、R1
    は水素原子、アルキル基、アリール基、不飽和ヘテロ環
    基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、また
    はヒドラジノ基を表し、G1は-CO-基、-SO2-基、-SO-
    基、-P(O)-、-R3P(O)-、-COCO-基、チオカルボニル基、
    又はイミノメチレン基を表し、A1及びA2は水素原子、置
    換もしくは無置換のアルキルスルホニル基を表す。R3
    はR1に定義した基と同じ範囲内より選ばれ、R1と異な
    ってもよい。
  11. 【請求項11】 電子伝達剤が、下記一般式(3)〜(5)で
    表される置換アルケン誘導体、置換イソオキサゾール誘
    導体、又は特定のアセタール化合物であることを特徴と
    する請求項1ないし9いずれか1項に記載の熱現像カラ
    ー画像記録材料。 【化2】 式(3)中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に水素原子ま
    たは置換基を表し、Zは電子吸引性基またはシリル基を
    表す。式(3)に於いてR1とZ、R2とR3、R1とR2、或
    いはR3とZは、互いに結合して環状構造を形成してい
    てもよい。式(4)中、R4は、置換基を表す。式(5)中、
    X、Yはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、
    A、Bはそれぞれ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ
    基、アルキルアミノ基、アリールオキシ基、アリールチ
    オ基、アニリノ基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ
    基、またはヘテロ環アミノ基を表す。式(5)に於いてX
    とY、あるいはAとBは、互いに結合して環状構造を形
    成していてもよい。
  12. 【請求項12】 色像形成材料が、下記一般式(6)〜(2
    3)で表される化合物のいずれかであることを特徴とする
    請求項1ないし11いずれか1項に記載の熱現像カラー
    画像記録材料。 【化3】 【化4】 式(6)〜(23)において、X1〜X18はそれぞれ独立に水素
    原子又は置換基を表す。一般式(6)において、R1およびR
    2はそれぞれ独立に電子吸引性基を表す。一般式(7)〜(2
    3)において、R3〜R35はそれぞれ独立に水素原子または
    置換基を表す。m,n,pおよびqは、それぞれ独立に
    0〜4の整数を表す。rは0〜5の整数を表す。
  13. 【請求項13】 色像形成材料が、固体分散された微粒
    子であることを特徴とする12項に記載の熱現像カラー
    画像記録材料。
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