JP2001337223A - 高分子樹脂フィルムを用いた光波長板の使用方法 - Google Patents

高分子樹脂フィルムを用いた光波長板の使用方法

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JP2001337223A
JP2001337223A JP2000155633A JP2000155633A JP2001337223A JP 2001337223 A JP2001337223 A JP 2001337223A JP 2000155633 A JP2000155633 A JP 2000155633A JP 2000155633 A JP2000155633 A JP 2000155633A JP 2001337223 A JP2001337223 A JP 2001337223A
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aminophenoxy
bis
phenyl
wave plate
film
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JP2000155633A
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Takashi Kumaki
尚 熊木
Tadahiro Kimura
忠広 木村
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Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水晶の光波長板に比べ加工が容易で、柔軟性
があり取扱いが容易で、薄膜化に十分に対応することが
可能で、しかも光の入射角度によって波長板の特性を失
わない高分子樹脂フィルムからなる波長板の使用方法を
提供する。 【解決手段】 高分子樹脂フィルムからなる波長板を光
路中に挿入し、該波長板を通過する光の偏光状態を変化
させる波長板の使用方法において、前記波長板に入射す
る光の入射方向と、前記樹脂フィルムに垂直な方向との
なす角度θが0°<θ<90°であるように波長板を用
いる波長板の使用方法。前記樹脂フィルムに垂直な方向
とのなす角度θが0°<θ<10°であるように波長板
を用いることが好ましい。高分子樹脂フィルムがポリイ
ミドフィルムまたはポリアミドイミドシリコン重合体フ
ィルムであると好ましく、それを一軸方向に延伸したも
の、加熱して一軸方向に延伸したフィルムであると好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光の位相状態及び偏
光状態を変化させる光波長板の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光配線、光通信、光記憶装置、光
ディスクメディアなど光を媒体とした情報伝達、情報保
管に関する発展が著しい。これらは、光通信等で1300nm
以上の長波長領域の光を使用し、長距離情報伝送を主に
目的とする場合と、光記憶装置等で900nm以下の短波長
領域の光を用いる短距離情報伝達を主に目的とされる場
合に大きく分けられる。例えば光記憶装置のメディアと
しては、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディス
ク)、CD-R(シーディーアール)、CD-RW(シーディー
アールダブルまたはシーディーリライタブル)、DVD
(ディーブイディまたはデジタルビデオディスク)、DV
D-RAM(ディーブイディラム)、その他光ディスクがあ
るがこれらのメディアは一定のコヒーレント光を記録媒
体に照射し情報の書き込みや読み取りを行ったりする。
これらの照射、反射の際に位相差が生じ読み取り精度や
書き込み精度を著しく低下させるという問題がある。そ
のため位相差の生じた成分の光を除去するのに波長板が
用いられている。これまでは主に水晶が使用されてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水晶の光波長板は、一
軸結晶である水晶の結晶軸に平行な平面で切削加工して
得られる。しかしながらこの波長板そのものが高価であ
り、比較的重量があるため周辺部品にもコストがかかる
という問題がある。また、水晶波長板は安定供給が難し
く、今後予想される爆発的な光情報伝達、光情報記憶装
置の普及に追従できない可能性が高いという問題があ
る。さらには、最近の製品は軽薄短小いった製品の小型
化を余儀なくされており、波長板の薄膜化が進行してい
る。そのため水晶波長板を薄膜化すると波長板が脆く部
品の製造プロセス中に割れることがあり、歩留まりが下
がるという問題も併発している。更に、水晶波長板では
光の入射角度によって波長板としての機能を有すること
が出来なくなってしまうので、使用には高精度な取り付
け技術を要する。本発明は、水晶の光波長板に比べ加工
が容易で、柔軟性があり取扱いが容易で、薄膜化に十分
に対応することが可能で、しかも光の入射角度によって
波長板の特性を失わない高分子樹脂フィルムからなる波
長板の使用方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、高分子樹脂フ
ィルムからなる波長板を光路中に挿入し、該波長板を通
過する光の偏光状態を変化させる波長板の使用方法にお
いて、前記波長板に入射する光の入射方向と、前記樹脂
フィルムに垂直な方向とのなす角度θが0°<θ<90
°であるように波長板を用いることを特徴とする波長板
の使用方法である。前記波長板に入射する光の入射方向
と、前記樹脂フィルムに垂直な方向とのなす角度θが0
°<θ<10°であるように波長板を用いることが好ま
しい波長板の使用方法である。そして、高分子樹脂フィ
ルムがポリイミドフィルムまたはポリアミドイミドシリ
コン重合体フィルムであると好ましい波長板の使用方法
である。さらに、高分子樹脂フィルムがフィルムを一軸
方向に延伸させたものが好ましく、高分子樹脂フィルム
が加熱されて一軸方向に延伸されたものであると好まし
い波長板の使用方法である。
【0005】本発明は、高分子樹脂フィルムからなる波
長板を光路中に挿入し、該波長板を通過する光の偏光状
態を変化させる波長板の使用方法において、前記波長板
に入射する光の入射方向と、前記樹脂フィルムに垂直な
方向とのなす角度θが0°<θ<90°であるように波
長板を用いても波長板としての性能が変わらないことを
特徴とする波長板の使用方法である。特に、前記波長板
に入射する光の入射方向と、前記樹脂フィルムに垂直な
方向とのなす角度θが0°<θ<10°であるように波
長板を用いても波長板としての性能が変わらないことを
特徴とする波長板の使用方法である。高分子樹脂フィル
ムとしては、ポリイミドフィルムからなる波長板、ポリ
アミドイミドシリコン重合体フィルムからなる波長板が
好ましく、特に、ポリアミドイミドシリコン重合体フィ
ルムからなる波長板が好ましい。波長板に用いる高分子
樹脂フィルムは、一軸方向に延伸されたものが好まし
く、特に加熱しながら一軸方向に延伸されたものが好ま
しい。
【0006】従来用いられてきた水晶波長板では波長板
に対して垂直に光を入射させる必要があった。しかしな
がら、本発明では、ポリアミドイミドシリコン重合体フ
ィルムなどの高分子樹脂フィルムを波長板として用いる
際、フィルムに対して垂直に光を入射させる必要がな
く、フィルムに垂直な方向となす角度θが0°<θ<9
0°好ましくは、0°<θ<10°であっても波長板と
しての機能が変化しないことが従来の技術と異なる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いるポリイミドフィル
ムは、テトラカルボン酸二無水物またはその反応性酸誘
導体とジアミンを重縮合させることにより得られる材料
を用いる。本発明で用いるポリイミドフィルムはジアミ
ンおよびテトラカルボン酸二無水物を原料として用いる
ポリイミドであり、ジアミンとしては、例えば、o-フェ
ニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレン
ジアミン、m-アミノベンジルアミン、p-アミノベンジル
アミン、2-クロロ-1,2-フェニレンジアミン、4-クロロ-
1,2-フェニレンジアミン、2,3-ジアミノトルエン、2,4
-ジアミノトルエン、2,5-ジアミノトルエン、2,6-ジア
ミノトルエン、3,4-ジアミノトルエン、2-メトキシ-1,4
-フェニレンジアミン、4-メトキシ-1,2-フェニレンジア
ミン、4-メトキシ-1,3-フェニレンジアミン、ベンジジ
ン、3,3'-ジクロロベンジジン、3,3'-ジメチルベンジジ
ン、3,3'-ジメトキシベンジジン、3,3'-ジアミノジフェ
ニルスルフィド、3,4'-ジアミノジフェニルスルフィ
ド、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミ
ノジフェニルスルホキシド、3,4'-ジアミノジフェニル
スルホキシド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホキシ
ド、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、3,4'-ジアミノ
ジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,3'-ジアミノジフェニルベンゾフェノン、3,4'-ジ
アミノジフェニルベンゾフェノン、4,4'-ジアミノジフ
ェニルベンゾフェノン、3,3'-ジアミノジフェニルメタ
ン、3,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジ
フェニルメタン、ビス4-(3-アミノフェノキシ)フェニル
メタン、ビス4-(4-アミノフェノキシ)フェニルメタン、
1,1-ビス4-(3-アミノフェノキシ)フェニルエタン、1,1-
ビス 4-(4-アミノフェノキシ)フェニルエタン、1,2-ビ
ス4-(3-アミノフェノキシ)フェニルエタン、1,2-ビス4-
(4-アミノフェノキシ)フェニルエタン、2,2-ビス4-(3-
アミノフェノキシ)フェニルプロパン、2,2-ビス4-(4-ア
ミノフェノキシ)フェニルプロパン、2,2-ビス4-(3-アミ
ノフェノキシ)フェニルブタン、2,2-ビス4-(4-アミノフ
ェノキシ)フェニルブタン、2,2-ビス4-(3-アミノフェノ
キシ)フェニル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、
2,2-ビス4-(4-アミノフェノキシ)フェニル-1,1,1,3,3,3
-ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビ
ス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(3-アミ
ノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(4-アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、ビス4-(3-アミノフェノキシ)フェ
ニルケトン、ビス4-(4-アミノフェノキシ)フエニルケト
ン、ビス4-(4-アミノフェノキシ)フェニルスルフィド、
ビス4-(4-アミノフェノキシ)フェニルスルフィド、ビス
4-(3-アミノフェノキシ)フェニルスルホキシド、ビス4-
(4-アミノフェノキシ)フェニルスルホキシド、ビス4-(3
-アミノフェノキシ)フェニルスルホン、ビス4-(4-アミ
ノフェノキシ)フェニルスルホン、ビス4-(3-アミノフェ
ノキシ)フェニルエーテル、ビス4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニルエーテル、1,4-ビス4-(3-アミノフェノキ
シ)ベンゾイルベンゼン、1,3-ビス4-(3-アミノフェノキ
シ)ベンゾイルベンゼン、4,4'-ビス3-(4-アミノフェノ
キシ)ベンゾイルジフェニルエーテル、4,4'-ビス3-(3-
アミノフェノキシ)ベンゾイルジフェニルエーテル、4,
4'-ビス4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノ
キシベンゾフェノン、4,4'-ビス 4-(4-アミノ-α,α-
ジメチルベンジル)フェノキシケトン、4,4'-ビス4-(4-
アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェ
ニルスルホン、ビス4-{4-(4-アミノフェノキシ)フェ
ノキシ}フェニルスルホン、1,4-ビス 4-(4-アミノフェ
ノキシ)-α,α-ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3-ビ
ス4-(4-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジルベ
ンゼン、4-{4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ}フ
ェニル〕スルホン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノ
ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
【0008】テトラカルボン酸二無水物としては、エチ
レンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン
酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水
物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニ
ル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフ
ェニル)エタン二無水物、2,2-ビス(3,4- ジカルボキシ
フェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、4,4'-(m-フェニレン
ジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水
物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,
8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げ
られる。これらは単独または2種以上混合して用いられ
る。
【0009】ポリイミドの製造方法としては、ポリイミ
ドを製造可能な方法が公知の方法を含め全て適用できる
が、中でも、有機溶媒中で反応を行うことが特に好まし
い方法である。このような反応において用いられる溶媒
は、好ましくは、N,N-ジメチルアセトアミドであるが、
そのほかに使用できる溶媒としては、例えばN,N-ジメチ
ルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメ
トキシアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジ
メチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルカプロラクタ
ム、1,2-ジメトキシエタン、ビス(2-メトキシエチル)
エーテル、1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン、ビ
ス〔2-(2-メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テト
ラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、ピ
リジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルス
ルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミ
ド、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレ
ゾール、m-クレゾール酸、p-クロロフェノール、アニソ
ール、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
また、これらの有機溶媒は単独でも2種以上混合して用
いても差し支えない。特にアミド系の溶剤が溶液の安定
性、作業性としての利用の点から好ましい。有機溶媒
に、ジアミン、テトラカルボン酸二無水物を添加し反応
させる方法として反応温度は通常250℃以下、好まし
くは50℃以下で、反応圧力は特に限定されず、常圧で
十分実施できる。反応時間はテトラカルボン酸二無水物
やジアミン等の原料モノマーの種類、溶媒の種類および
反応温度によって異なり、通常4〜24時間で十分であ
る。更に得られたポリアミド酸を100〜400℃に加
熱してイミド化するか、または無水酢酸等のイミド化剤
を用いて化学イミド化することにより、ポリアミド酸に
対応する繰り返し構造単位を有するポリイミドが得られ
る。モノマー成分のモル比は、テトラカルボン酸二無水
物の総量1モルに対し、0.8〜1.2モルのジアミン
を使用する。このモル比が0.8未満または1.2を超
えると低分子量のポリイミドが得られ、好ましくは、テ
トラカルボン酸二無水物1モルに対してジアミン0.9
〜1.1モル比であり、さらに好ましく0.95〜1.
05モル比である。
【0010】本発明で用いるポリアミドイミドシリコー
ン重合体は、芳香族トリカルボン酸又はその反応性酸誘
導体と,一般式〔I〕で表わされる芳香族ジアミン及び
ジアミノシロキサンを重縮合させることにより得られ
る。
【0011】
【化1】 (式中,R1,R2,R3及びR4はそれぞれ独立に水素,低級
アルキル基,低級アルコキシ基又はハロゲンを表わし,X
は結合、
【0012】
【化2】
【0013】を示し,ここでR5及びR6は各々独立して水
素,低級アルキル基,トリフルオロメチル基,トリクロ
ロメチル基又はフェニル基を表わす) 前記において低級アルキル基及びアルコキシル基として
は、具体的には、それぞれ炭素原子数1〜5のものがあ
る。本発明で用いる前記一般式〔I〕で表わされるエー
テル結合を有する芳香族ジアミンとしては2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン,
2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン,2,2−ビス〔3−ブロモ−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン,2,2−ビ
ス〔3−エチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン,2,2−ビス〔3−プロピル−4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン,2,2−ビス〔3−
イソプロピル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン,2,2−ビス〔3−ブチル−4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン,2,2ビス〔3-sec-ブ
チル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン,
2,2-ビス〔3-メトキシ-4-(4-アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン,2,2-ビス〔3-エトキシ-4-(4-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン,2,2-ビス〔3,5-
ジメチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン,2,2-ビス〔3,5-ジクロロ-4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン,2,2-ビス〔3,5-ジブロモ-4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン,2,2-ビス
〔3,5-ジメトキシ-4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン,2,2-ビス〔3-クロロ-4-(4-アミノフ
ェノキシ)-5-メチルフェニル〕プロパン,1,1-ビス
〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エタン,1,1-
ビス〔3-メチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エタン,1,1-ビス〔3-クロロ-4-(4-アミノフェ
ノキシ)フェニル〕エタン,1,1-ビス〔3-ブロモ-4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エタン,1,1-ビス
〔3-エチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エ
タン,1,1-ビス〔3-プロピル-4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル〕エタン,1,1-ビス〔3-イソプロピル-4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エタン,1,1-ビス
〔3-ブチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エ
タン,1,1-ビス〔3-sec-ブチル-4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル〕エタン,1,1-ビス〔3-メトキシ-4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エタン,1,1-ビス
〔3-エトキシ-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕
エタン,1,1-ビス〔3,5-ジメチル-4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル〕エタン,1,1-ビス〔3,5-ジクロロ-4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エタン,1,1-ビス
〔3,5-ジブロモ-4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エタン,1,1-ビス〔3,5-ジメトキシ-4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕エタン,1,1-ビス〔3-クロロ-
4-(4-アミノフェノキシ)-5-メチルフェニル〕エタ
ン,ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタ
ン,ビス〔3-メチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェ
ニル〕メタン,ビス〔3-クロロ-4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル〕メタン,ビス〔3-ブロモ-4-(4-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕メタン,ビス〔3-エチル-
4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン,ビス
〔3-プロピル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕
メタン,ビス〔3-イソプロピル-4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル〕メタン,ビス〔3-ブチル-4-(4-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕メタン,ビス〔3-sec-ブ
チル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン,
ビス〔3-メトキシ-4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル〕メタン,ビス〔3-エトキシ-4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル〕メタン,ビス〔3,5-ジメチル-4-(4
-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン,ビス〔3,5-ジ
クロロ-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタ
ン,ビス〔3,5-ジブロモ-4-(4-アミノフェノキシ)
フェニル〕メタン,ビス〔3,5-ジメトキシ-4-(4-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕メタン,ビス〔3-クロロ-
4-(4-アミノフェノキシ)-5-メチルフェニル〕メタ
ン,1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス〔4-(4-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン,1,1,1,3,3,3-ヘ
キサクロロ-2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン,3,3-ビス〔4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル〕ペンタン,1,1-ビス〔4-(4-アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン,1,1,1,3,3,3-ヘキサフ
ルオロ-2,2-ビス〔3,5-ジメチル-4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン,1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロ-
2,2-ビス〔3,5-ジメチル-4-(4-アミノフェノキシ)
フェニル〕プロパン,3,3-ビス〔3,5-ジメチル-4-(4-
アミノフェノキシ)フェニル〕ペンタン,1,1-ビス〔3,5
-ジメチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン,1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス〔3,5-ジブ
ロモ-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン,
1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロ-2,2-ビス〔3,5-ジブロモ-4
-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン,3,3-ビ
ス〔3,5-ジブロモ-4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ペンタン,1,1-ビス〔3,5-ジブロモ-4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン,2,2-ビス〔4-(4-
アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン,2,2-ビス〔3-メ
チル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン,2,
2-ビス〔3,5-ジメチル-4-(4-アミノフェノキシ)フ
ェニル〕ブタン,2,2-ビス〔3,5-ジブロモ-4-(4-アミ
ノフェノキシ)フェニル〕ブタン,1,1,1,3,3,3-ヘキサ
フルオロ-2,2-ビス〔3-メチル-4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン,1,1-ビス〔4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕シクロヘキサン,1,1-ビス〔4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル〕シクロペタン,ビ
ス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン,
ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル,ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スル
ホン,4,4′-カルボニルビス(p-フェニレンオキシ)ジ
アニリン,4,4′-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニ
ル等がある。これらのうちでは,2,2-ビス〔4-(4-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパンが代表的である。
必要に応じて,上記の芳香族ジアミンは二種以上の混合
物として用いることができる。
【0014】一般式〔I〕で表わされる芳香族ジアミン
は,ジアミンの総量に対して0.1〜99.9モル%,好まし
くは15〜99.9モル%,特に好ましくは60〜99.9モル%使
用される。この化合物の使用量が少なすぎると,耐熱性
が低下する傾向がある。このため,15モル%以上で使用
するのが特に好ましい。本発明で使用するジアミノシロ
キサンは,例えば一般式〔II〕
【0015】
【化3】 (式中R7は二価の炭化水素基を表わし,R8は一価の炭化
水素基を表わし,mは1以上の整数であり,2個のR7は同一
でも異なっていてもよく,複数個のR8は互いに同一でも
異なっていてもよい)で表わされる化合物である。R
7は,好ましくは、炭素原子数1〜5のアルキレン基,
フェニレン基,アルキル置換フェニレン基であり,R8
好ましくは炭素原子数1〜5のアルキル基若しくはアル
コキシ基、フェニル基又はアルキル置換フェニル基であ
る。一般式〔II〕中,mは100以下が好ましい。mが大
きすぎると,得られる重合体中のアミド結合及びイミド
結合の比率が低下し,耐熱性が低下しやすくなる。一般
式〔II〕で表わされるジアミノシロキサンにおいて,式
中,mが6以上のものを使用すると,得られる芳香族ポリ
エーテルアミドイミドシリコン重合体が低弾性率を示す
ようになり,mが16以上のものを使用すると該重合体が
低弾性率を示すと共に耐熱性の向上を示す。また,mが16
以上のジアミノシロキサンを使用する場合,前記一般式
〔I〕で表わされる芳香族ジアミンを併用しなければ,
反応の進行が困難となる。なお,耐熱性の向上は、一般
式〔I〕で表わされる芳香族ジアミンの使用によつて得
ることができるため、一般式〔II〕においてmが6以上
のジアミノシロキサンを使用することによつて、一般に
相反する特性である低弾性率と高耐熱性という特性を向
上させることができる。ジアミノシロキサンとしては,
例えば,
【0016】
【化4】 等の化合物が挙げられる。ただし,上記式中m′は1〜
100の範囲の数である。ジアミノシロキサンのうち上
記式(a)中,m′が1のもの,平均10のもの,平均2
0のもの,平均38のもの及び平均50のものは,各
々,LP-7100,X-22-161AS,X-22-161A,X-22-161B及びX-22
-161C(いずれも信越化学工業(株)商品名)として市
販されている。これらのジアミノシロキサンを1種又は
2種以上用いることができる。ジアミノシロキサンは,
例えば米国特許第3,185,719号明細書に示される方法に
よつて合成される。ジアミノシロキサンは,ジアミンの
総量に対して0.1〜99.9モル%使用され、0.1
〜40モル%用いられるのが好ましい。99.9モル%
を超えて用いると,分子量の低下及び耐熱性の低下の原
因となり,この観点から,特に40モル%以下で使用す
るのが好ましい。また,0.1モル%未満では,接着性
等の特性が向上しない傾向がある。また,テトラヒドロ
フラン,ジオキサン,ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル,トリエチレングリコールジメチルエーテル,テ
トラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル
化合物,及びシクロヘキサノン,4-メチルシクロヘキサ
ノン等の脂環式ケトン化合物への溶解性の点からは40
モル%以下が好ましい。接着性,耐熱性,透明性,生成
化合物の分子量の点からジアミノシロキサンを,ジアミ
ンの総量に対して0.2〜15モル%使用するのが最も
好ましい。更に,他のジアミンとして,上記一般式
〔I〕で表わされる芳香族ジアミン及び上記ジアミノシ
ロキサン以外の既知のジアミンを併用することができ
る。他のジアミンとしては,例えば4,4′-ジアミノジフ
ェニルエーテル,4,4′-ジアミノジフェニルメタン,4,
4′-ジアミノジフェニルスルホン,メタフェニレンジア
ミン,パラフェニレンジアミン,3,3′-ジアミノジフェ
ニルスルホン等の芳香族ジアミン、ピペラジン,ヘキサ
メチレンジアミン,ヘプタメチレンジアミン,テトラメ
チレンジアミン,p-キシリレンジアミン,m-キシリレンジ
アミン,3-メチルヘプタメチレンジアミン等の脂肪族ジ
アミンがある。他のジアミンは,ジアミンの総量に対し
て、0〜75モル%使用される。このジアミンが多すぎ
ると,本発明により得られる芳香族ポリエーテルアミド
シリコン重合体の特徴が発揮されない。好ましくは,他
のジアミンは、0〜30モル%使用される。特に,脂肪
族ジアミンはジアミンの総量に対して0〜30モル%に
するのが好ましい。脂肪族ジアミンが多すぎると,耐熱
性が低下する。これらのジアミンは、総量が100モル
%になるように使用される。
【0017】本発明で用いる芳香族トリカルボン酸は芳
香核に3つのカルボキシル基が結合され,かつ3つのカ
ルボキシル基の内2つは隣接炭素に結合しているもので
ある。もちろんこの芳香環はヘテロ環の導入されたもの
でもよく,また芳香環同士がアルキレン,酸素,カルボ
ニル基などと結合されていてもよい。さらに芳香環にた
とえばアルコキシ,アリルオキシ,アルキルアミノ,ハ
ロゲンなどの縮合反応に関与しない置換基が導入されて
いてもよい。例えば,この化合物としてトリメリット
酸,3,3,4′-ベンゾフェノントリカルボン酸,2,3,4′-ジ
フェニルトリカルボン酸,2,3,6-ピリジントリカルボン
酸,3,4,4′-ベンツアニリドトリカルボン酸,1,4,5-ナフ
タリントリカルボン酸,2′-メトキシ-3,4,4′-ジフェニ
ルエーテルトリカルボン酸,2′-クロロベンツアニリド-
3,4,4′-トリカルボン酸などをあげることができる。ま
た上記芳香族トリカルボン酸の反応性誘導体とは,前記
芳香族トリカルボン酸の酸無水物,ハライド,エステ
ル,アミド,アンモニウム塩等を意味する。
【0018】これらの例としては,トリメリット酸無水
物,トリメリット酸無水物モノクロライド,1,4-ジカル
ボキシ-3-N,N-ジメチルカルバモイルベンゼン,1,4-ジ
カルボメトキシ-3-カルボキシベンゼン,1,4-ジカルボ
キシ-3-カルボフェノキシベンゼン,2,6-ジカルボキシ-
3-カルボメトキシピリジン,1,6-ジカルボキシ-5-カル
バモイルナフタリン,上記芳香族トリカルボン酸類とア
ンモニア,ジメチルアミン,トリエチルアミン,などか
らなるアンモニウム塩類などがあげられる。これらのう
ちでは,トリメリット酸無水物,トリメリット酸無水物
モノクロライドが代表的である。本発明において,芳香
族トリカルボン酸又はその反応性誘導体はジアミンの総
量に対して80〜120モル%使用するのが好ましく,
特に95〜105モル%が好ましい。これらを等モル使
用したときにもっとも高分子量のものが得られる。ジア
ミンに対して芳香族トリカルボン酸又はその反応性誘導
体が多すぎても分子量が低下して機械的強度,耐熱性等
が低下する傾向がある。反応方法はイソシアネート法
(たとえば,特公昭44-19274号公報,特公昭45-2397号
公報,特公昭50-33120号公報),酸クロライド法(たと
えば特公昭42-15637号公報),直接重縮合法(たとえば
特公昭49-4077号公報),溶融重縮合法(たとえば特公
昭40-8910号公報)等既知の製造法により重縮合させて
得ることができる。コスト,原料調達が比較的容易なこ
と,容易に高分子量体が得られること,及び得られた重
合体の有機溶媒への溶解性を考慮すると,酸クロライド
法と直接重縮合法が好ましい。
【0019】酸クロライド法について次に説明する。上
記ジアミンの総量に対して,上記芳香族トリカルボン酸
無水物モノクロライドを好ましくは80〜120モル
%,特に好ましくは95〜105モル%使用し,無機酸
受容剤を好ましくは,ジアミンの総量に対して90〜2
00モル%の存在下,非反応性極性有機溶媒中でマイナ
ス数10℃〜100℃,好ましくは−20〜50℃で数
分間から数日間反応させることにより,ポリアミド酸を
中間体として得る。このとき,無機酸受容剤は反応途中
から加えてもよい。又,この無機酸受容剤としては,ト
リエチルアミン,トリプロピルアミン,トリブチルアミ
ン,トリアミルアミン、ピリジン等の第3級アミン,酸
化プロピレン,スチレンオキシド,シクロヘキセンオキ
シド等の1,2-エポキシドなどである。又,非反応性有機
溶媒としてはN,N-ジメチルアセトアミド,N,N-ジメチル
ホルムアミド,N-メチル-2-ピロリドン,クレゾール,
ジエチレングリコールジメチルエーテル,トリエチレン
グリコールジメチルエーテル,テトラエチレングリコー
ルジメチルエーテルなどであり,N,N-ジメチルアセトア
ミド,N-メチル-2-ピロリドン,ジエチレングリコール
ジメチルエーテルが好ましく,ジアミノシロキサンとし
て一般式〔II〕においてmが6以上のものを用いる時
は,ジエチレングリコールジメチルエーテルが特に好ま
しい。特にN,N-ジメチルアセトアミドとN-メチル-2-
ピロリドンが好ましい。次いで,このポリアミド酸から
ポリアミドイミドを得るには,脱水環化法を用いればよ
い。脱水環化法としては,(1)一度,重合体を単離し
たのち熱により環化する方法,(2)溶液状態で熱によ
り環化する方法,および(3)溶液状態で化学的脱水剤
により環化する方法がある。
【0020】(1)についてはシー・イー・スルーク
(C.E.Sroog)マクロモレキュラー・シンセシス(Macro
molecular Syntheses)コレクティブボリューム第1
巻,第295頁(1977年)に詳しく記載されている
ように加熱温度,150〜400℃で加熱するのが好ま
しい。さらに詳しくは,得られた反応液を,反応溶媒に
相溶性であつて、樹脂に対して貧溶媒である溶剤の大過
剰に注いで,樹脂を単離したのち,150〜400℃,
好ましくは150〜350℃に加熱するか,得られた反
応液を所望の厚さに流延したのち,溶媒を蒸発乾燥させ
樹脂をフィルム状に単離したのち150〜400℃,好
ましくは150〜350℃に加熱することにより行なわ
れる。(2)の方法においては80〜400℃,好まし
くは100〜250℃に溶液を加熱することによって行
われる。この時,ベンゼン,トルエン,キシレンのよう
な水と共沸する溶媒を併用するのが好ましい。(3)の
方法は化学的脱水剤の存在下0〜120℃,好ましくは
10〜80℃で反応させる。化学的脱水剤としては酢
酸,プロピオン酸,酪酸,安息香酸等の酸無水物等があ
り,この時,環化反応を促進する物質としてピリジン等
を併用することが好ましい。化学的脱水剤はジアミンの
総量に対して好ましくは90〜600モル%使用され
る。環化反応を促進する物質はジアミンの総量に対して
好ましくは40〜300モル%使用すると好ましい。
【0021】直接重縮合法について次に説明する。上記
ジアミンの総量に対して,上記芳香族トリカルボン酸及
び/またはその誘導体(ただし酸ハライド誘導体は除
く)を好ましくは80〜120モル%,特に好ましくは
95〜105モル%使用し,脱水触媒0.1〜15モル
%,好ましくは0.5〜10モル%の存在下,非反応性
極性有機溶媒中で160〜350℃,好ましくは200
〜270℃で反応させる。脱水触媒としては,トリフェ
ニルホスファイト,トリシクロヘキシルホスファイト,
リン酸,トリフェニルホスフェート,五酸化リン等のリ
ン化合物及びホウ酸,無水ホウ酸などがあげられる。非
反応性有機溶媒としてはN-メチル-2-ピロリドン,N-エ
チル-2-ピロリドン、N-メチル-カプロラクタム,クレ
ゾール,キシレノール,クロロフェノール等が例示でき
る。特にN-メチル-2-ピロリドンが好ましい。
【0022】以上のようにして得られた反応液を,メタ
ノール等の低級アルコール,水等の上記有機溶剤と相溶
性であつて,樹脂に対して貧溶媒である溶剤の大過剰に
注いで,沈殿物を得,これをろ別し,乾燥することによ
つて,本発明に係るポリエーテルアミドイミドシリコン
重合体を回収することができる。本発明により得られる
芳香族ポリエーテルアミドイミドシリコン重合体は,ジ
メチルホルムアミド0.2重量%溶液における30℃で
の還元粘度が0.2〜2.0dl/gであるのが好まし
い。この還元粘度が小さすぎると,耐熱性,機械的強度
が低下し,大きすぎると,極性溶剤への溶解性が低下し
やすくなる。また,該重合体は,その成膜時には,例え
ば,極性溶媒に溶解させる。極性溶媒としては,アセト
アミド,N,N-ジメチルホルムアミド,N,N-ジメチルアセト
アミド,N,N-ジエチルホルムアミド,N,N-ジエチルアセト
アミド,N-メチル-2-ピロリドン,ジメチルスルホキシ
ド,ニトロベンゼン,グリコールカーボネート等があ
り,さらに,前記したエーテル化合物,前記した脂環式
ケトン化合物がある。これらは単独又は2種以上併用し
て使用される。本発明により得られるポリアミドイミド
シリコン重合体は,一般式〔III〕で表わされる繰り返
し単位及び一般式〔IV〕で表わされる繰り返し単位がそ
れぞれ及び互いに適宜結合した構造のものであると考え
られる。
【0023】
【化5】 ただし,Aは芳香族トリカルボン酸の残基であり,Bはジ
アミンの残基であり,一般式〔II〕で表わされる繰り返
し単位と一般式〔III〕で表わされる繰り返し単位の結
合は,一方のBが他のNに結合することにより行なわれ
る。また,前記ポリアミド酸は,一般式〔V〕で表わさ
れる繰り返し単位と一般式〔VI〕で表わされる繰り返し
単位が上記一般式〔III〕及び〔IV〕の場合と同様に結
合した構造のものであると考えられる。本発明により得
られるポリアミドイミドシリコン重合体は耐熱性,溶解
性,基板との接着性に優れるため,このような特性が要
求される分野への応用に有利である。
【0024】上記した方法により得られたポリアミドイ
ミドシリコン重合体やポリイミドのフィルムについて
は、例えばシリコン単結晶基板やガラス基板にスピンコ
ート法やキャスト法によって適当な膜厚になるように塗
布するか、ガラス板や金属板、高分子フィルム等の基材
上にバーコート法やドクターブレード法、流延法によっ
て適当な膜厚になるように塗布し、乾燥させた後、基板
や基材等からフィルムを剥離してポリアミドイミドシリ
コン重合体フィルムやポリイミドフィルムを得る。この
フィルムを引張試験器又はテンター延伸機、ロール延伸
機等の一般的な延伸機を用いて所定のリタデーションが
得られるまで延伸する。このとき、あらかじめフィルム
延伸率とリタデーションの関係を調べておけば、フィル
ムの延伸率を決めることで所望のリタデーションに制御
することが出来る。ポリアミドイミドシリコン重合体や
ポリイミドフィルムは、ポリアミド酸の状態、または、
ポリアミド酸とポリイミドが混在した状態、ポリイミド
の状態の何れでも延伸することができる。本発明での一
軸方向への延伸の程度は、1〜40%が好ましく、1〜
30%が特に好ましい。1%未満では、リタデーション
が発現しにくく、40%を超えるとフィルムが延伸され
にくくなったり、リタデーションが飽和する傾向にある
ためである。また、延伸時は、加熱することが好まし
く、これはフィルム中の高分子を配向しやすくするため
である。加熱温度は、室温からフィルムのガラス転移温
度(Tg)+20℃程度であるが、好ましくは100℃
〜Tgである。加熱すると延伸がし易くなり、Tg+2
0℃を超えると延伸の効果に劣ってくる。
【0025】
【実施例】次に,本発明を実施例に基づいて説明する
が,本発明はこれらによりなんら限定されるものではな
い。 (ポリアミドイミドシリコーン重合体の合成例)温度
計,攪拌機,窒素導入管,冷却管をとりつけた4つ口フ
ラスコに窒素下,2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン147.6g(360ミリモル)と1,3-
ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン9.92
g(40ミリモル),プロピレンオキサイド34.8g(600ミ
リモル)を入れ,N,N-ジメチルアセトアミド564gに溶解
した。この溶液を0℃に冷却し,この温度でトリメリッ
ト酸無水物モノクロライド84.2g(400ミリモル)を温度
が5℃を超えないように添加した。室温で3時間攪拌
後,無水酢酸200g,ピリジン50gを加え60℃で1昼夜攪拌
を続けた。得られた反応液をメタノール中に投入して,
重合体を単離させた。これを乾燥した後再びN,N-ジメチ
ルホルムアミドに溶解し,これをメタノール中に投入し
てポリアミドイミドシリコン重合体を精製し,減圧乾燥
した。この重合体の還元粘度(ηsp/c)(N,N-ジメチル
ホルムアミド0.2重量%溶液,30℃で測定)は0.73dl/
gであつた。前記で作製したワニスを同一溶媒で5重量
%に調整し5cm角のガラス板上にスピンナーで塗布(400
0rpm,45秒)し,180℃で1時間乾燥した後,該ガラス板
をJIS D0202のごばん目試験方法に準拠してセロハン粘
着テープによるピールテストを行なった結果残膜率は1
00%であった。また、このワニスからフィルム(厚さ
50〜75μm)を作製し,動的粘弾性スペクトロメーター
((株)岩本製作所製)により動的引張り弾性率(25
℃,10Hz)及びガラス転移温度(周波数10Hz,昇温速度2
℃/min)を測定した。又,熱天秤により分解開始温度
(昇温速度15℃/min空気中)を測定した。その結果、動
的引張弾性率は2550MPa(260kgf/mm
2)で、ガラス転移温度225℃、分解開始温度419
℃であった。
【0026】ポリアミドイミド重合体フィルムの面内方
向のリタデーションは株式会社オーク製作所製高感度自
動複屈折測定装置(ADR−100XY型)を用い、測定温
度25℃、波長632.8nmにて測定した。
【0027】(実施例)上記で得られたポリアミドイミ
ドシリコン重合体を用いて、ポリイミド基材(膜厚127
μm)上にポリアミドイミドシリコン重合体フィルム
(膜厚27μm)を作製し、引張試験治具を用い、バネを
介して200℃雰囲気下にて一軸方向に延伸を行った。
延伸は約1時間かけて種々の延伸となるように行った。
得られたポリアミドイミドシリコン重合体フィルムのリ
タデーション(nm、縦軸)とフィルム伸び(%、横
軸)を図1にプロットした。伸びに応じてリタデーショ
ンが増加している。延伸を行わないフィルムではリタデ
ーションの値が測定できないため、延伸により複屈折が
発現していることが分かる。また、この結果から任意の
リタデーションをもつ位相差板が製造可能であることは
明らかである。15%程度延伸したフィルムのリタデー
ションが790nmを示すことから、波長632.8n
mの光に対して5/4波長板として機能する。このフィ
ルムを5%程度延伸したフィルムのリタデーションが3
16nmを示すことから、波長632.8nmの光に対
して1/2波長板として機能する。入射する光の入射方
向と、樹脂フィルムに垂直な方向とのなす角度θ(入射
角)を0°、1.5°、3.0°、6.0°、9.0°
の状態で測定し、入射角とリタデーション(△nd)と
の測定結果を図3に示した。同様に水晶を用いた波長板
の入射角とリタデーション(△nd)との測定結果を示
した図2に示した。水晶を用いた波長板では、入射角に
よりリタデーションが変化するが、本発明のポリアミド
イミドシリコン重合体フィルムを用いた波長板では、入
射角によるリタデーションの変化がほとんどない。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば従来の無機単結晶材料に
代わって、製造が容易で柔軟性があり、取り扱いに余裕
がある。しかも、水晶波長板に比べて波長板の安定した
供給とともに、波長板が用いられる製品の高性能化、低
価格化と作製プロセスの効率化といった点に寄与するこ
とができる。とりわけ、波長板として用いられる際に入
射角の精度を求められることが少なくなることは、作製
プロセスにおいて高効率を望むことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリアミドイミドシリコン重合体フ
ィルムのリタデーション(nm、縦軸)とフィルム伸び
(%、横軸)をプロットした図。
【図2】 水晶を用いた波長板の入射角とリタデーショ
ン(△nd)との測定結果を示した図。
【図3】 本発明のポリアミドイミドシリコン重合体フ
ィルムを用いた波長板の入射角とリタデーション(△n
d)との測定結果を示した図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子樹脂フィルムからなる波長板を光
    路中に挿入し、該波長板を通過する光の偏光状態を変化
    させる波長板の使用方法において、前記波長板に入射す
    る光の入射方向と、前記樹脂フィルムに垂直な方向との
    なす角度θが0°<θ<90°であるように波長板を用
    いることを特徴とする波長板の使用方法。
  2. 【請求項2】 高分子樹脂フィルムからなる波長板を光
    路中に挿入し、該波長板を通過する光の偏光状態を変化
    させる波長板の使用方法において、前記波長板に入射す
    る光の入射方向と、前記樹脂フィルムに垂直な方向との
    なす角度θが0°<θ<10°であるように波長板を用
    いることを特徴とする波長板の使用方法。
  3. 【請求項3】 高分子樹脂フィルムがポリイミドフィル
    ムまたはポリアミドイミドシリコン重合体フィルムであ
    る請求項1または請求項2に記載の波長板の使用方法。
  4. 【請求項4】 高分子樹脂フィルムがフィルムを一軸方
    向に延伸させたものである請求項1ないし請求項3のい
    ずれかに記載の波長板の使用方法。
  5. 【請求項5】 高分子樹脂フィルムが加熱されて一軸方
    向に延伸されたものである請求項1ないし請求項4のい
    ずれかに記載の波長板の使用。
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