JP2001337196A - 貯蔵用容器、貯蔵方法及びその排気栓交換装置 - Google Patents

貯蔵用容器、貯蔵方法及びその排気栓交換装置

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JP2001337196A JP2000161247A JP2000161247A JP2001337196A JP 2001337196 A JP2001337196 A JP 2001337196A JP 2000161247 A JP2000161247 A JP 2000161247A JP 2000161247 A JP2000161247 A JP 2000161247A JP 2001337196 A JP2001337196 A JP 2001337196A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射性物質を数年から数十年にわたる長期間
貯蔵することが可能であり、かつ、容器内部の圧力の測
定及び調整等を簡便に行うことができる貯蔵用容器及び
この貯蔵用容器を使用した放射性物質の貯蔵方法を提供
する。 【解決手段】 貯蔵用容器に、容器に収納物を収納する
ための開口部2と、開口部2を閉塞可能な蓋3と、蓋3
の外側を覆い容器本体外面に対して気密的に設けられた
2次蓋6と、容器内の気体及び液体を排出するための排
気孔4と、排気孔4を閉塞可能な排気栓5と、排気栓5
の外側を覆い容器本体外面に対して気密的に設けられた
排気栓カバー7とを設け、蓋3と2次蓋6との間の空間
及び排気栓5と排気栓カバー7との間の空間に容器内部
よりも高い気体を封入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性物質の貯蔵
に有効な貯蔵用容器、貯蔵方法及びその排気栓交換装置
に関し、特に、核燃料物質等の放射性物質を長期間貯蔵
するにあたり、周囲環境への放射性物質の放出を防止し
つつ容器内部の状態を簡便に検知できる貯蔵用容器、貯
蔵方法及びその排気栓交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核燃料物質等の放射性物質の貯蔵用容器
は、放射性物質を容器外部へ漏洩させずに、数年から数
十年の長期間にわたり貯蔵するための容器である。貯蔵
用容器には、事業所内の運搬しか行わない貯蔵専用容器
と、事業所外運搬も可能な輸送貯蔵兼用容器とがある。
貯蔵専用容器は既に我が国でも実用化されている。輸送
貯蔵兼用容器は、欧米諸外国においては既に実用化され
ており、我が国でも検討が行われている。
【0003】貯蔵用容器は放射性物質を数年間から数十
年間密閉状態で貯蔵することを目的として製作されてい
るため、その設計に際しては、以下の設計要件が盛り込
まれている。
【0004】第1に、放射性物質を出し入れするための
開口部以外の開口部は極力少なくなるように設計されて
いる。このため、収納物収納後の内部圧力調整に使用さ
れる排気栓は、収納物出入用の開口部を閉塞する蓋に設
けられている。
【0005】第2に、前記収納物出入用の開口部の外側
に2次蓋を設け、蓋と2次蓋との間に数気圧の気体を封
入することにより、容器内部の気圧を蓋と2次蓋との間
の空間の気圧に対して負圧としている。これにより、万
一、前記収納物出入用の開口部とこの開口部を閉塞する
蓋との間において気密が失われた場合でも、容器内部の
放射性気体が外部に漏洩しない構造となっている。ま
た、この場合には蓋と2次蓋との間の気圧が低下するた
め、蓋と2次蓋との間の気圧を恒常的に測定することに
より、気密性の喪失を検知することができる。
【0006】第3に、開口部の密閉境界には長期間の気
密性を保証するために金属ガスケットが使用されてい
る。貯蔵用容器は、貯蔵中に蓋を開けないことを前提と
して設計されているが、容器内部の状態を観察する必要
が生じた場合並びに容器内部から排水又は排気する必要
が生じた場合には、2次蓋及び蓋を開けなくてはならな
い。このとき、金属ガスケットは再使用できないため、
再度蓋を閉めるときには、新品のガスケットを使用する
必要がある。
【0007】一方、長期間の貯蔵は不可能だが事業所外
運搬は可能な容器として輸送用容器がある。輸送用容器
には、容器内部の気体及び液体を排出するための栓が設
けられており、密閉境界には繰り返し使用可能なエラス
トマー(ゴム状有機物)ガスケットが使用されている。
このため、開口部の開閉は比較的容易に行える。エラス
トマーガスケットの寿命は数年程度であるが、輸送容器
の場合、放射性物質が収納されている期間は長くても1
年程度であるため問題はない。また、輸送容器の蓋及び
栓には、2次蓋及び排気栓カバーのような外部密閉装置
を設けることはできない。
【0008】以下、従来の技術における貯蔵用容器及び
輸送用容器の例を詳細に説明する。図5(a)は従来の
貯蔵用容器の構成の一例を示す。容器は円筒形の形状を
有しており、円筒形の一方の底面と側面が一体となり、
容器本体1を構成している。また、他方の底面がこの容
器の唯一の開口部2となっている。この開口部2には開
口部2を閉塞可能な蓋3があり、この蓋3には排気孔4
が設けられ、更にこの排気孔4を閉塞可能な排気栓5が
容器本体外面に対して気密的に設けられている。蓋3の
外側には蓋3を覆うように2次蓋6が容器本体1に対し
て気密的に配置されている。また、開口部2と蓋3との
間、排気孔4と排気栓5との間及び容器本体1と2次蓋
6との間には金属ガスケットが設けられている。
【0009】次に、この貯蔵用容器を使用した収納物の
収納方法、輸送方法及び貯蔵方法について説明する。図
5(b)及び(c)は、この貯蔵用容器における収納物
の収納方法並びに収納時の排気及び排水方法を示す。先
ず、開口部2を上にして容器を立て、蓋3を取り外し、
開口部2より収納物8を降荷し収納する。その後、開口
部2を蓋3により閉塞し、容器内部に残留した水及び空
気を排気孔4から排出し、排気孔4を排気栓5により閉
塞する。図6(a)は、この貯蔵用容器を使用した収納
物の輸送方法を示す。輸送に際し、容器を横に寝かせ容
器の蓋部分及び底部分に衝撃吸収カバー9を装着する。
また、輸送時には2次蓋6は装着しない。図6(b)及
び(c)は、この貯蔵用容器における収納物の貯蔵方法
を示す。貯蔵に際しては、前記衝撃吸収カバー9を外
し、蓋3が上になるように容器を配置する。その後、蓋
3の上から2次蓋6をかけて蓋3を覆い、蓋3と2次蓋
6との間の空間に高圧の気体を充填した後、2次蓋6を
完全に密閉する。この状態で、放射性物質の長期間の貯
蔵が可能である。
【0010】輸送用容器及びその運用例について説明す
る。図7(a)は輸送用容器の構成の一例を示す。容器
は円筒形の形状を有しており、円筒形の一方の底面と側
面が一体となり、容器本体1を構成している。また、他
方の底面が収納物を出し入れするための開口部2となっ
ている。この開口部2には開口部2を閉塞可能な蓋3が
あり、この蓋3には排気孔4が設けられ、排気孔4を閉
塞可能な排気栓5が設けられている。また、本体側面に
おける開口部付近には吸気孔12が、底部付近には排水
孔13が夫々設けられている。吸気孔12及び排水孔1
3には、これらを閉塞可能な栓が夫々設けられている。
開口部2と蓋3との間、排気孔4と排気栓5との間、吸
気孔12と吸気孔12を閉塞する栓との間及び排水孔1
3と排水孔13を閉塞する栓との間には、夫々エラスト
マーガスケットが設けられている。
【0011】次に、この輸送用容器を使用した収納物の
収納方法及び輸送方法について説明する。図7(b)及
び(c)は、この輸送用容器における収納物の収納方法
並びに収納時の排気及び排水方法を示す。先ず、開口部
2を上にして容器を立て、蓋3を取り外し、開口部2よ
り収納物8を降荷し収納する。その後、開口部2を蓋3
により閉塞し、容器内部に水が残留している場合には排
水孔13から排出する。吸気孔12は排水時の吸気に使
用し、排気孔4は容器内部の圧力調整に使用する。排水
後、開口部2、排気孔4、呼気孔12及び排水孔13を
閉塞する。図7(d)は、この輸送用容器を使用した収
納物の輸送方法を示す。輸送に際し、容器を横に寝かせ
容器の蓋部分及び底部分に衝撃吸収カバー9を装着す
る。衝撃吸収カバー9で覆われない栓については、別途
カバー10を装着する。このように、輸送用容器は排気
孔、吸気孔及び排水孔を具備し、これらの密閉境界には
再使用可能なエラストマーガスケットを使用しているた
め、収納物収納後の排気及び排水を簡便かつ低コストで
行うことができる。しかし、その反面、輸送用容器には
開口部が多く、また金属ガスケット及び2次蓋等長期間
の密閉性を保証する手段を有していないため、放射性物
質を長期間貯蔵することはできない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の貯蔵用容器には
以下に示す問題点がある。上述の如く、貯蔵用容器は収
納物の貯蔵に際して蓋と2次蓋との間の空間に数気圧の
気体を充填することにより、貯蔵期間中、容器内部を蓋
と2次蓋との間の空間に対して負圧とし、密閉性喪失時
における放射性気体の漏洩の防止及び漏洩の検知を行っ
ている。貯蔵中にほとんど気体を発生しない収納物を貯
蔵する場合は、貯蔵中に容器内部の圧力が大きく上昇す
ることはないが、貯蔵中に気体を発生する収納物の場合
は、時間の経過とともに容器内部の圧力が上昇するた
め、予め、蓋と2次蓋との間の空間の圧力を高圧にして
おく必要がある。しかし、この場合は蓋及び2次蓋と容
器本体との結合部の強度を高める必要があるためコスト
がかかる。また、高圧気体を貯蔵するため、貯蔵中の危
険度が増大する。
【0013】一方、貯蔵中に容器内部の圧力を測定し、
必要に応じて減圧することができれば、蓋と2次蓋との
間の圧力はガスを発生しない収納物を貯蔵する場合と同
程度でよい。しかし、容器内部の圧力測定及び減圧を行
う場合には、蓋に取り付けた栓を開ける必要があるが、
栓を開けるためには2次蓋を開ける必要がある。2次蓋
の直径は通常約1〜2mであり、この大きさの金属ガス
ケットを適切に締めるためには手間を要し、作業時間が
かかる。また、金属ガスケットのコストもかかる。
【0014】前述の如く、貯蔵用容器は、一旦収納物を
収納した後は、蓋を開けずに貯蔵することを前提として
設計されているため、貯蔵中に容器内部の状態を伺うこ
とは困難である。貯蔵中に容器内部の圧力の測定、減圧
及び気体のサンプリング等を行う場合は、2次蓋及び栓
又は蓋を開ける必要があり、コストと時間がかかる。一
方、輸送用容器は貯蔵用容器と比較して開口部の開閉は
容易であるが、金属ガスケットを有さず、2次蓋のよう
な外部密閉装置も具備しないため、長期間の保管が不可
能である。
【0015】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、放射性物質を長期間貯蔵することが可能であ
り、かつ、容器内部の圧力の測定、調整及び気体のサン
プリング等を簡便に行うことができる貯蔵用容器、貯蔵
方法及び排気栓交換装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る貯蔵用容器
は、内容物挿入用の開口部を備えた容器本体と、前記開
口部を閉塞可能の蓋と、前記容器本体に設けられた排気
孔を閉塞可能の排気栓と、前記排気栓の外側を覆うよう
に前記容器本体の外面に対して気密的に設けられた排気
栓カバーとを有することを特徴とする。
【0017】また、前記排気栓と前記排気栓カバーとの
間の空間に前記容器本体内部の気体圧力よりも高い圧力
の気体が封入されていることを特徴とする。
【0018】更に前記貯蔵用容器は、前記排気栓と前記
排気孔との間に金属ガスケットが設けられており、前記
排気栓は前記容器本体に機械的に締結されていることが
好ましい。
【0019】また、前記開口部の前記蓋の外側を覆うよ
うに前記容器本体の外面に対して気密的に設けられた2
次蓋を有し、前記蓋と前記2次蓋との間の空間に前記容
器本体内部の気体圧力よりも高い圧力の気体が封入され
ていることが好ましい。
【0020】本発明に係る放射性物質の貯蔵方法は、前
述の貯蔵用容器内に放射性物質を前記開口部を介して収
納した後前記開口部を前記蓋で閉塞する工程と、前記排
気栓と前記排気栓カバーとの間の空間に容器内部よりも
高圧の気体を封入する工程と、を有することを特徴とす
る。
【0021】また、前記貯蔵方法は、前記放射性物質の
貯蔵中に前記排気孔を開けて容器内部の気体の圧力を測
定する工程、容器内部の気体の圧力を調整する工程及び
容器内部の気体をサンプリングする工程のうち1又は2
以上の工程を有することができる。
【0022】本発明に係る排気栓交換装置は、気密性を
有し先端に排気栓を出し入れする出入口を有する外筒
と、前記外筒内に前記出入口に向けて進退移動可能に設
けられ前記排気栓の頭部を脱着自在に連結する排気栓着
脱具と、前記外筒内に設けられ未使用の排気栓を載置す
る第1ポート、使用済みの排気栓を載置する第2ポート
及び前記排気栓着脱具の通過を可能にする第3ポートを
備えた回転テーブルと、を有し、この回転テーブルが回
転して前記排気栓着脱具の移動域に前記第1ポート、第
2ポート又は第3ポートを位置させることを特徴とす
る。
【0023】本発明の貯蔵用容器は、内容物挿入用の開
口部の他に排気孔を具備しているため、容器内部の圧力
の測定、調整及び気体のサンプリング等を簡便に行うこ
とができ、前記排気孔には排気栓と排気栓カバーを具備
しているため、放射性物質を長期間貯蔵することが可能
である。また、本発明の排気栓交換装置を使用すること
により、容器内部の気体を外部に漏洩することなく、容
器内部の圧力の測定、調整及び気体のサンプリング等を
行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付の図
面を参照して詳細に説明する。図1(a)は本実施例の
貯蔵用容器の構成を示す。容器は例えば円筒形の形状を
有しており、円筒形の一方の底面と側面が一体となり、
容器本体1を構成している。また、他方の底面がこの容
器の内容物を出し入れするための開口部2となってい
る。この開口部2には開口部2を閉塞可能な蓋3があ
り、蓋3の外側には蓋3を覆い容器本体外面に対して気
密的に設けられた2次蓋6がある。一方、容器本体1の
側面には排気孔4があり、排気孔4には排気孔4を閉塞
できる排気栓5が設けられていて、排気栓5の外側には
排気栓5を覆うように容器本体外面に対して気密的に設
けられた排気栓カバー7がある。また、開口部2と蓋3
との間、容器本体1と2次蓋6との間、排気孔4と排気
栓5との間及び容器本体1と排気栓カバー7との間に
は、金属ガスケットが設けられている。
【0025】容器本体1のサイズは、例えば、底面の直
径は2mで高さは5mである。容器本体1及び蓋3の厚
さは夫々0.3mであり、蓋3、2次蓋6、排気栓5及
び排気栓カバー7において使用されている金属ガスケッ
トの外径は、夫々1.5m、1.6m、0.1m及び
0.2mである。また、容器本体1及び蓋3の主な構成
材料は例えば鋼鉄である。
【0026】次に、この貯蔵用容器を使用した収納物の
収納方法、輸送方法及び貯蔵方法について説明する。図
1(b)及び(c)は、本実施例における収納物の収納
方法及び収納時の排気方法を示す。先ず、開口部2を上
にして容器を立て、蓋3を取り外し、開口部2より収納
物8を降荷し収納する。その後、開口部2を蓋3で閉塞
し、排気孔4を介して容器内部の圧力を調整し、排気孔
4を排気栓5で閉塞する。図2(a)は、本実施例にお
ける収納物の輸送方法を示す。輸送に際し、容器を横に
寝かせ容器の蓋部分及び底部分に衝撃吸収カバー9を装
着する。排気孔4が衝撃吸収カバー9で覆われない場合
には、更に別のカバー10を装着する。輸送時には、2
次蓋6及び排気栓カバー7は装着しない。図2(b)及
び(c)は、本実施例における収納物の貯蔵方法を示
す。貯蔵に際しては、前記衝撃吸収カバー9及びカバー
10を外し、蓋3が上になるように容器を配置する。そ
の後、蓋3の外側に2次蓋6をかけて蓋3を覆い、排気
栓5の外側に排気栓カバー7をかけて排気栓5を覆い、
蓋3と2次蓋6との間の空間及び排気栓5と排気栓カバ
ー7との間の空間に例えば3気圧のヘリウムガスを充填
し、2次蓋6及び排気栓カバー7を完全に密閉する。こ
の状態で、放射性物質を長期間貯蔵することが可能であ
る。
【0027】図3(a)及び(b)は本実施例の貯蔵用
容器における貯蔵中の容器内部圧力の調整方法を示す。
容器を管理区域内に移動し、排気孔4が上を向くように
配置する。排気栓カバー7を外し、排気栓交換装置11
を排気孔4の上に装着する。排気栓交換装置11を使用
して排気孔4から排気栓5及びこれに付随する金属ガス
ケットを外し、容器内部の圧力を測定し、必要に応じて
容器内部のガスを排気する。その後、新品の金属ガスケ
ットを装着した別の排気栓5aを排気孔4に装着し、排
気栓交換装置11を外し、排気栓5aを排気栓カバー7
で覆い、排気栓5aと排気栓カバー7との間の空間を例
えば3気圧のヘリウムガスで充填する。前述の一連の作
業において、排気栓交換装置11を使用することによ
り、容器内部の放射性物質を周辺に漏洩させることなく
排気栓5及び5aを着脱することができる。図3(c)
及び(d)はこの貯蔵用容器における貯蔵方法を示す。
容器を貯蔵区域に移動し、蓋3が上を向くように容器を
立て、引き続き貯蔵する。排気栓カバー7及び排気栓5
の開閉に際しては毎回新品の金属ガスケットを使用する
必要があるが、排気栓カバー7及び排気栓5のガスケッ
トの外径は夫々0.2m及び0.1mであるため、2次
蓋6又は蓋3の大型の金属ガスケットと比較すると、取
り扱いがはるかに容易なうえコストも低い。
【0028】このように、本発明の貯蔵用容器を使用す
れば、開口部の2次蓋及び蓋を開けることなく、簡便に
容器内部の圧力を測定及び調整することができる。ま
た、この貯蔵用容器は排気孔に排気栓及び排気栓カバー
を具備し、排気栓と排気栓カバーとの間の空間に容器内
部よりも高い圧力の気体を充填するため、収納物の漏洩
を防止及び監視でき、長期間の貯蔵を行うことが可能で
ある。
【0029】図4(a)は、排気栓交換装置11の構成
の一例を示す断面図であり、図4(b)は回転テーブル
24を拡大して示す斜視図である。この図4(a)は、
排気栓交換装置11が貯蔵用容器の本体1に設けられた
排気孔4に連結され、排気孔4を閉塞していた排気栓5
を排気孔4からはずしたときの様子を示している。図4
(a)に示すように、排気栓交換装置11は気密性を有
する外筒21に覆われている。外筒21の先端には排気
栓5及び5aを出し入れし、貯蔵用容器の排気孔4に気
密的に連結可能な排気栓出入口29が設けられている。
また、外筒21内には、排気栓出入口29に向けて進退
移動可能に設けられ排気栓5及び5aの頭部を脱着自在
に連結する排気栓着脱具23が設けられている。更に、
外筒21内に設けられた回転テーブル24は、予め新品
の金属ガスケット(図示せず)を装着された交換用排気
栓5aを載置する第1ポート26、排気孔4から引き抜
いた使用済みの排気栓5及びこれに付随する金属ガスケ
ット(図示せず)を載置する第2ポート27及び排気栓
着脱具23の通過を可能にする第3ポート28を備えて
いる。回転テーブル24はその中心を回転中心として回
転可能であり、第1ポート26、第2ポート27又は第
3ポート28のいずれかを排気栓着脱具23の移動経路
上に配置することができる。これにより、排気栓着脱具
23が排気孔4から引き抜いた排気栓5を第1ポート2
6に載置し、排気栓着脱具23が第2ポートに載置され
ている交換用排気栓5aを装着し、更に排気栓着脱具2
3が第3ポート28を通過し、排気孔4に到達すること
を可能にしている。なお、排気孔4は、貯蔵用容器の本
体1の表面に対して垂直に設けられ排気栓交換装置11
が連結される竪穴部分と、この竪穴部分の底部に連結さ
れ貯蔵用容器の内部(図示せず)へと続いている横穴部
分とから構成されている。
【0030】次に、排気栓交換装置11の動作について
説明する。新品の金属ガスケットを装着した交換用排気
栓5aを予め第1ポート26にセットし、排気栓出入口
29を貯蔵用容器の排気孔4に連結する。連結後、排気
栓着脱具23により、排気孔4を閉塞している排気栓5
の頭部をつかみ、この排気栓5とこれに付随する金属ガ
スケットとを排気栓出入口29及び第3ポート28を通
過させ回転テーブル24の上まで引き抜き、回転テーブ
ル24を回転させ第2ポート27に置く。その後、貯蔵
用容器の内部圧力の測定、内部圧力の調整及び内部ガス
のサンプリングを行う。次に、回転テーブル24を回転
させ、排気栓着脱具23により第1ポート26にセット
されている交換用排気栓5aをつかみ、再度回転テーブ
ル24を回転させて、交換用排気栓5aを第3ポート2
8及び排気栓出入口29を通過させ排気孔4にセットす
る。最後に、排気栓交換装置11を貯蔵用容器より外
し、排気栓5の交換を終了する。
【0031】このように、この排気栓交換装置11を使
用することにより、容器内部の放射性物質を外部に漏洩
することなく排気栓を開閉することができる。
【0032】本実施例では円筒形の形状をもつ貯蔵用容
器の例を示したが、本発明の貯蔵用容器の形状は特に限
定されず、例えば角筒形等、任意の形状をとることがで
きる。更に、本実施例では主に鋼鉄で構成された容器の
例を示したが、本発明の貯蔵用容器を構成する材料は、
放射線の遮断性、気密性、長期間の貯蔵に耐える強度及
び耐食性を有するものであればよく、特に鋼鉄に限定さ
れない。また、本発明の貯蔵用容器は、事業所内の運搬
しか行わない貯蔵専用容器及び事業所外運搬も可能な輸
送貯蔵兼用容器の両方を含む。
【0033】本実施例においては、収納物の収納を大気
中で行う場合について示したが、収納物の収納は水中で
行うこともできる。この場合には、主開口部の蓋に排水
栓を設けてもよい。また、排気栓交換装置の設計を工夫
し、ファイバースコープ等の観察手段により容器内部の
状態を観察することも可能である。
【0034】
【発明の効果】前述の如く、本発明によれば、放射性物
質の貯蔵用容器において、収納物を収納するための開口
部及び容器内の気体及び液体を排出するための排気孔を
設け、前記排気孔にこの排気孔を閉塞可能な排気栓と、
前記排気栓の外側を覆うように配置され外部に対して気
密を保つことのできる排気栓カバーとを備え、これらの
間の気圧を容器内部の気圧より高圧に保つことにより、
放射性物質を長期間貯蔵することが可能であり、かつ、
容器内部の圧力の測定及び調整等を簡便に行うことがで
きる放射性物質の貯蔵用容器及び貯蔵方法を提供でき
る。また、本発明によれば、必要に応じて容器内部の圧
力調整を行えるため、気体を発生する収納物を貯蔵する
場合においても、内部の圧力を低く保つことができ、容
器のコストを下げ安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における貯蔵用容器の構造並び
に収納物の収納方法及び内部ガスの排気方法を示す断面
図である。(a)構造 (b)収納物の収納方法
(c)排気方法
【図2】本発明の実施例における貯蔵用容器の輸送方法
及び貯蔵方法を示す断面図である。(a)輸送方法
(b)貯蔵準備方法 (c)貯蔵方法
【図3】本発明の実施例における貯蔵用容器の内部圧力
調整方法及び貯蔵方法を示す断面図である。(a)圧力
調整準備方法 (b)圧力調整方法 (c)貯蔵準備方
法 (d)貯蔵方法
【図4】(a)は本発明の実施例における排気栓交換装
置の構成の一例を示す断面図、(b)は回転テーブル2
4の拡大斜視図である。
【図5】従来の貯蔵用容器の構造並びに収納物の収納方
法、排気方法及び排水方法の一例を示す断面図である。
(a)構造 (b)収納物の収納方法 (c)排気及び
排水方法
【図6】従来の貯蔵用容器の輸送方法及び貯蔵方法の一
例を示す断面図である。(a)輸送方法 (b)貯蔵準
備方法 (c)貯蔵方法
【図7】従来の輸送用容器の構造並びに収納物の収納方
法、排気方法、排水方法及び輸送方法の一例を示す断面
図である。(a)構造 (b)収納物の収納方法
(c)排気及び排水方法 (d)輸送方法
【符号の説明】
1;本体 2;開口部 3;蓋 4;排気孔 5;排気栓 5a;交換用排気栓 6;2次蓋 7;排気栓カバー 8;収納物 9;衝撃吸収カバー 10;カバー 11;排気栓交換装置 12;吸気孔 13;排水孔 21;外筒 23;排気栓着脱具 24;回転テーブル 25;回転軸 26;第1ポート 27;第2ポート 28;第3ポート 29;排気栓出入口

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内容物挿入用の開口部を備えた容器本体
    と、前記開口部を閉塞可能の蓋と、前記容器本体に設け
    られた排気孔を閉塞可能の排気栓と、前記排気栓の外側
    を覆うように前記容器本体の外面に対して気密的に設け
    られた排気栓カバーとを有することを特徴とする放射性
    物質の貯蔵用容器。
  2. 【請求項2】 前記排気栓と前記排気栓カバーとの間の
    空間に前記容器本体内部の気体圧力よりも高い圧力の気
    体が封入されていることを特徴とする請求項1に記載の
    貯蔵用容器。
  3. 【請求項3】 前記排気栓と前記排気孔との間に金属ガ
    スケットが設けられており、前記排気栓は前記容器本体
    に機械的に締結されていることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の貯蔵用容器。
  4. 【請求項4】 前記開口部の前記蓋の外側を覆うように
    前記容器本体の外面に対して気密的に設けられた2次蓋
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項に記載の貯蔵用容器。
  5. 【請求項5】 前記蓋と前記2次蓋との間の空間に前記
    容器本体内部の気体圧力よりも高い圧力の気体が封入さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1
    項に記載の貯蔵用容器。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    貯蔵用容器内に、放射性物質を前記開口部を介して収納
    した後前記開口部を前記蓋で閉塞する工程と、前記排気
    栓と前記排気栓カバーとの間の空間に容器内部よりも高
    圧の気体を封入する工程と、を有することを特徴とする
    放射性物質の貯蔵方法。
  7. 【請求項7】 前記放射性物質の貯蔵中に前記排気孔を
    開けて容器内部の気体の圧力を測定する工程、容器内部
    の気体の圧力を調整する工程及び容器内部の気体をサン
    プリングする工程のうち1又は2以上の工程を有するこ
    とを特徴とする請求項6に記載の放射性物質の貯蔵方
    法。
  8. 【請求項8】 気密性を有し先端に排気栓を出し入れす
    る出入口を有する外筒と、前記外筒内に前記出入口に向
    けて進退移動可能に設けられ前記排気栓の頭部を脱着自
    在に連結する排気栓着脱具と、前記外筒内に設けられ未
    使用の排気栓を載置する第1ポート、使用済みの排気栓
    を載置する第2ポート及び前記排気栓着脱具の通過を可
    能にする第3ポートを備えた回転テーブルと、を有し、
    この回転テーブルが回転して前記排気栓着脱具の移動域
    に前記第1ポート、第2ポート又は第3ポートを位置さ
    せることを特徴とする排気栓交換装置。
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