JP2001336663A - 電磁駆動弁 - Google Patents

電磁駆動弁

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JP2001336663A
JP2001336663A JP2000160216A JP2000160216A JP2001336663A JP 2001336663 A JP2001336663 A JP 2001336663A JP 2000160216 A JP2000160216 A JP 2000160216A JP 2000160216 A JP2000160216 A JP 2000160216A JP 2001336663 A JP2001336663 A JP 2001336663A
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JP
Japan
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armature shaft
valve stem
valve
armature
electromagnetically driven
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JP2000160216A
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English (en)
Inventor
Masahiko Asano
昌彦 浅野
Takashi Deo
隆志 出尾
Tatsuo Iida
達雄 飯田
Hiroyuki Hattori
宏之 服部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可動部を小型、軽量に保ちながらも、バルブス
テムとアーマチャシャフトとの衝突打音を大幅に低減す
ることのできる電磁駆動弁を提供する。 【解決手段】電磁駆動弁は、電磁駆動されるアーマチャ
が固定されたアーマチャシャフト21と、同アーマチャ
シャフト21と同じ軸線上に所定に離間して配設されて
その一端に弁体が設けられるバルブステム12等とを備
えて構成される。アーマチャシャフト21及びバルブス
テム12の当接面には防振材50、51が設けられ、こ
れら防振材50、51の対向面間が弾性部材52により
密封される。この密封空間53内には油、グリース等の
粘性流体が封入される。密封空間53は、防振材50、
51の当接面が当接すると内室53a及び外室53bに
仕切られる。内室53a内には防振材50、51を互い
に離間する方向に付勢するスプリング54が配設され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関の
機関バルブとしてこれが電磁駆動されるようにした電磁
駆動弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の電磁駆動弁としては、
図4に示されるものが知られている。すなわち、この電
磁駆動弁は、一端に弁体100を有するバルブステム1
01と、中央部にアーマチャ102を有するアーマチャ
シャフト103と、それぞれコイルが巻装されて同シャ
フト103の軸方向にアーマチャ102を挟むように配
設されるアッパーコア104、及びロアコア105と、
バルブステム101を弁体100の閉弁する方向(同図
4に示す矢印A2の方向)に付勢するスプリング106
と、アーマチャシャフト103を矢印A2とは逆方向に
付勢するスプリング107等とを備えて構成されてい
る。アーマチャシャフト103は、バルブステム101
の他端側に位置し、同バルブステム101と同軸上に設
けられている。そして、アッパーコア104、及びロア
コア105にそれぞれ巻装されたコイルへの通電制御を
通じてアーマチャ102が上下に変位させられることに
より、スプリング106、107のばね力も寄与して、
弁体100が開閉駆動される。
【0003】ここで、こうした電磁駆動弁にあっては通
常、バルブステム101の上端とアーマチャシャフト1
03の下端との間には、弁体100の閉弁時において所
定のクリアランスが形成されるようにしている。このク
リアランスにより、バルブステム101の熱膨張や各構
成部品の製造誤差等があったとしても、弁体100が確
実に閉弁されるようになる。
【0004】ところが、このようにクリアランスを形成
するようにしたことで、弁体100の開弁時において、
バルブステム101の上端とアーマチャシャフト103
の下端とが当接する際に衝突打音が生じるようにもな
る。
【0005】そこで従来、この衝突打音を低減するよう
にした電磁駆動弁として、例えば特開平11―1343
5号公報に記載のものが提案されている。図5は、この
電磁駆動弁のバルブステムとアーマチャシャフトとの一
部を拡大して示す部分断面図であり、図4と同一の構成
については同一の符号を付している。
【0006】図5(a)及び(b)に示されるように、
この電磁駆動弁には、バルブステム101の上端とアー
マチャシャフト103の下端とを連結する円筒状の緩衝
材110が設けられている。同緩衝材110の内周面1
11の上端部及び下端部近傍には周方向に延びる凸部1
12、113が形成されている。そして、バルブステム
101の上端部を緩衝材110の一端の開口に挿入し、
バルブステム101の上端部近傍に形成された周方向に
延びる溝部101aと凸部113とを係合させる。一
方、アーマチャシャフト103の下端部を緩衝材110
の他端の開口に挿入し、シャフト103の下端部近傍に
形成された周方向に延びる溝部103aと凸部112と
を係合させる。
【0007】連結部をこのような構造とすることによ
り、図5(a)に示す弁体100の閉弁状態において
は、バルブステム101の上端とアーマチャシャフト1
03の下端との間に上述したクリアランスが形成され
る。そして、アッパーコア104への通電が停止されて
シャフト103が下方に変位すると、このクリアランス
が徐々に小さくなるとともに、緩衝材110の中央部が
外方に向かって膨出するようになる。その後、図5
(b)に示すように、更にシャフト103が下方に変位
すると、同シャフト103の下端面とバルブステム10
1の上端面とが当接し、シャフト103が下方に変位す
るに伴ってバルブステム101も下方に変位して弁体1
00が開弁される。
【0008】また、上記公報には、緩衝材110に代え
て、バルブステム101の上端とアーマチャシャフト1
03の下端との間にこれらバルブステム101、シャフ
ト103を互いに離間させる方向に付勢するばねを設け
た構成も記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、アーマチ
ャシャフト103とバルブステム101とを緩衝材ある
いはばねを介して連結するようにすることで、上述した
衝突打音もある程度低減されるようにはなる。しかし、
こうした緩衝材あるいはばねを用いて同衝突打音の更な
る低減を図ろうとすると、それら緩衝材あるいはばねの
反力を更に大きくする必要がある。そしてこの場合、緩
衝材あるいはばねもその体格が自ずと大きなものとな
り、搭載性が悪化するという問題が生じるようになる。
また、可動部の重量増加により、電磁駆動弁としての消
費電力が増加するようにもなる。
【0010】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、可動部を小型、軽量に保ちな
がらも、バルブステムとアーマチャシャフトとの衝突打
音を大幅に低減することのできる電磁駆動弁を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段及びその作用効果について以下に記載する。請求
項1に記載の発明は、電磁コイルによる電磁力と付勢部
材による付勢力との協働によって駆動されるアーマチャ
と、該アーマチャの軸方向に延在するアーマチャシャフ
トと、該アーマチャシャフトと同じ軸線上に所定に離間
して配設されるとともにその一端に弁体が設けられたバ
ルブステムとを備える電磁駆動弁において、前記アーマ
チャシャフトと前記バルブステムとの対向面間が弾性部
材により密封され、この密封空間内に粘性流体が封入さ
れてなることを要旨とする。
【0012】上記構成によれば、アーマチャシャフトと
バルブステムとの当接面間には粘性流体が介在すること
となり、アーマチャシャフトとバルブステムとが当接す
る際には、それら当接面間の間隙からこの粘性流体が押
し出されるようにして同アーマチャシャフトとバルブス
テムとが当接されるようになる。すなわち、このとき発
生する流体摩擦力(スクィーズ力)によってアーマチャ
シャフトとバルブステムとの衝突力が緩和された状態
で、その当接が図られるようになる。このため、アーマ
チャシャフトとアーマチャシャフトとバルブステムとの
前述した衝突打音も大幅に低減されるようになる。ま
た、流体摩擦力は、小さな構成でも大きな力を発生させ
ることができることから、可動部の小型化、軽量化を図
ることもできる。そして、アーマチャシャフトとバルブ
ステムとが離間する際には、外方へ膨出されている弾性
部材の形状復帰に伴って、上記押し出された粘性流体が
もとの間隙に戻されるようになる。
【0013】なお、前記従来の電磁駆動弁にあって、前
述した緩衝材やばねの反力を増強しすぎると、衝突打音
については確かにこれを低減することが可能になるもの
の、前記クリアランスを設けたことの意味が半減し、場
合によっては、バルブステムの熱膨張や各構成部品の製
造誤差等に起因して、弁体の閉弁状態が維持できなくな
るおそれもある。この点、上記構成によれば、クリアラ
ンスはクリアランスとして確実にその存在が確保される
ため、このような懸念もない。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の電磁駆動弁において、前記密封空間は、前記アーマチ
ャシャフトと前記バルブステムとが当接されるときそれ
らアーマチャシャフト及びバルブステムの当接面間の内
外にて内室及び外室に仕切られることを要旨とする。
【0015】上記構成によれば、内室内の粘性流体をア
ーマチャシャフトとバルブステムとの当接面間を通じて
外室に押し出すことで、より大きな流体摩擦力を発生さ
せることができるようになる。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の電磁駆動弁において、前記内室内には前記アーマチャ
シャフト及び前記バルブステムを互いに離間する方向に
付勢するばね部材が配設されてなることを要旨とする。
【0017】上記構成によれば、アーマチャシャフトと
バルブステムとの当接面が離間する際、ばね部材によっ
て上記内室の体積が強制拡大され、同内室内の圧力が減
圧されるようになる。このため、これら当接面の離間時
には、外室にある粘性流体が確実に内室に流れ込むよう
になり、ひいてはアーマチャシャフトとバルブステムと
の当接面の隙間に上記粘性流体を確実に介在させること
ができるようになる。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか一項に記載の電磁駆動弁において、前記アーマ
チャシャフト及び前記バルブステムの当接面の少なくと
も一方には防振材が設けられてなることを要旨とする。
【0019】上記構成によれば、防振材を設けたこと
で、アーマチャシャフトとバルブステムとが当接するこ
とによる衝撃力をより緩和することができるようにな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電磁駆動弁を内燃
機関の吸気弁及び排気弁適用するようにした一実施の形
態について、図1及び図2を参照して説明する。尚、吸
気弁及び排気弁は同様の構成を有しているため、以下で
は排気弁についてのみ説明する。
【0021】図1に示されるように、本実施の形態の排
気弁は、弁体11、同弁体11がその一端部に固定され
たバルブステム12、このバルブステム12の他端側に
設けられた電磁駆動部20等を備えて構成されている。
【0022】内燃機関のシリンダヘッド36には、燃焼
室35に通じる排気ポート37が形成されており、この
排気ポート37は弁体11がシリンダヘッド36に形成
された弁座38に離着座することにより開閉される。
【0023】バルブステム12の他端部近傍にはロアリ
テーナ13が固定され、このリテーナ13とシリンダヘ
ッド36との間にはロアスプリング14が圧縮状態で配
設されている。弁体11及びバルブステム12は、この
ロアスプリング14により、同図1中に示す矢印A1の
方向、すなわち弁体11を閉弁させる方向に付勢されて
いる。
【0024】電磁駆動部20は、アーマチャシャフト2
1、アーマチャ22、アッパーリテーナ23、アッパー
コア24及びロアコア25、アッパースプリング27等
を備えている。
【0025】アーマチャシャフト21はバルブステム1
2と同軸上に設けられている。アーマチャ22はアーマ
チャシャフト21の中央部に、アッパーリテーナ23は
アーマチャシャフト21のバルブステム12とは反対側
の端部にそれぞれ固定されている。
【0026】アッパーコア24及びロアコア25はアー
マチャシャフト21の軸方向においてアーマチャ22を
挟むように位置し、シリンダヘッド36に設けられた図
示しないケーシング内にそれぞれ固定されている。これ
らアッパーコア24及びロアコア25の中心部には貫通
孔24b、25bがそれぞれ形成されている。アーマチ
ャシャフト21はこれら貫通孔24b、25bに貫通さ
れ、同貫通孔24b、25bに設けられたブッシュ26
によってその軸方向において往復動可能に支持されてい
る。また、アッパースプリング27は、アッパーリテー
ナ23と上記ケーシングに設けられたキャップ28との
間に圧縮された状態で配設されている。アーマチャシャ
フト21は、このアッパースプリング27により矢印A
1とは逆方向に付勢されている。
【0027】アッパーコア24においてアーマチャ22
に対向する面には、上記貫通孔24bを中心とする環状
の溝24aが形成され、同溝24a内には励磁用のアッ
パーコイル29が配設されている。同様に、ロアコア2
5においてアーマチャ22対向する面には、上記貫通孔
25bを中心とする環状の溝25aが形成され、同溝2
5a内には励磁用のロアコイル30が配設されている。
これらコイル29、30はそれぞれ駆動回路40に電気
的に接続されている。この駆動回路40の通電制御を通
じてアッパーコイル29またはロアコイル30に発生す
る電磁力によってアーマチャ22が上下に変位させられ
る。
【0028】本実施の形態では、バルブステム12及び
アーマチャシャフト21の対応する各端部が弾性部材5
2等を介して連結されている。以下、この連結部分の構
成について図2を参照して説明する。同図2(a)に示
されるように、バルブステム12とアーマチャシャフト
21との対向する各端部にはそれぞれ、例えばゴム等か
らなる防振材50、51が設けられている。これら防振
材50、51は、断面が略H形状をなし、それぞれ両端
面に凹部50a、50b、51a、51bが形成されて
いる。そして一方の防振材50の凹部50aにはシャフ
ト21の端部が挿入されて、また、他方の防振材51の
凹部51aにはバルブステム12の端部が挿入されてい
る。ここで、弁体11が閉弁された状態において、両防
振材50、51の対向面間には所定のクリアランスが形
成されている。本実施の形態ではこのクリアランスが実
質的にバルブステム12とアーマチャシャフト21との
間のクリアランスに相当している。
【0029】また、両防振材50、51の外周には、例
えばゴム等からなる円筒状の弾性部材52がそれら防振
材50、51の外周面を覆うようにして設けられてい
る。この弾性部材52により両防振材50、51の対向
面間が密封され、両防振材50、51の対向面と弾性部
材52の内周面とにより区画される密封空間53が形成
されている。同密封空間53内には、油やグリース等の
粘度の高い粘性流体が封入されている。
【0030】また、図2(c)に示されるように、弁体
11の開弁の際、両防振材50、51の対向面が当接す
ることで、密封空間53は防振材50、51の各凹部5
0a、51aの内面により区画される内室53aと、防
振材50、51の外周面及び弾性部材52の内周面によ
り区画される外室53bとに仕切られる。この内室53
a内には、バルブステム12及びアーマチャシャフト2
1を互いに離間する方向に付勢するスプリング54が配
設されている。また、弾性部材52の両端部近傍の外周
面には、密封空間53の密封性を保持するとともに、防
振材50、51がバルブステム12及びアーマチャシャ
フト21から脱落するのを防止するためのリング55が
配設されている。
【0031】次に、上述のようにして構成される排気弁
の開閉動作について説明する。まず、駆動回路40によ
るアッパーコイル29への通電が開始されると、アッパ
ーコイル29により励磁されたアッパーコア24がアー
マチャ22を吸引する。この吸引力により、アッパース
プリング27の付勢力に抗してアーマチャ22が図1に
示した矢印A1の方向に変位してアッパーコア24に当
接する。このようにアッパーコイル29への通電により
アーマチャ22とアッパーコア24とが当接している状
態では、ロアスプリング14の付勢力によってバルブス
テム12が矢印A1方向に変位するため、弁体11が弁
座38に着座して閉弁状態となる。図2(a)に示すよ
うに、この弁体11が閉弁した状態においては、両防振
材50、51の当接面間に所定のクリアランスが形成さ
れる。
【0032】次に、この閉弁状態の弁体11を開弁させ
る際には、まず駆動回路40によるアッパーコイル29
への通電が停止される。その結果、アッパーコア24の
吸引力が消失し、アッパースプリング27の付勢力によ
ってアーマチャシャフト21とアーマチャ22とが矢印
A1の方向とは逆方向に変位し始める。そして、図2
(b)に示されるように、この変位に伴って防振材50
はスプリング54を圧縮変形させながらもう一方の防振
材51に接近する。従って、これら防振材50、51の
各当接面間のクリアランスが徐々に小さくなる。その結
果、密封空間53内の粘性流体は両防振材50、51の
当接面により外方へ押し出され、弾性部材52の中央部
がこの押し出された粘性流体により外方へ膨出するよう
になる。そしてアーマチャシャフト21及びアーマチャ
22が更に変位し、その変位量が上記所定のクリアラン
ス相当に達すると、図2(c)に示されるように、両防
振材50、51の当接面が当接し、密封空間53は内室
53a及び外室53bに仕切られるようになる。ここで
上述のように防振材50、51の当接面間のクリアラン
スから粘性流体が押し出される際には、この粘性流体に
よる流体摩擦力が発生し、この流体摩擦力によって、防
振材50、51の衝突力が緩和された状態で、その当接
が図られるようになる。このため、防振材50、51の
衝突打音ひいてはアーマチャシャフト21とバルブステ
ム12との衝突打音も大幅に低減されるようになる。ま
た、こうした流体摩擦力は、小さな構成でも大きな力を
発生させることができることから、可動部の小型化、軽
量化を図ることもできる。
【0033】なお、前記従来の電磁駆動弁にあって、緩
衝材やばねの反力を増強しすぎると、衝突打音について
は確かにこれを低減することが可能になるものの、前記
クリアランスを設けたことの意味が半減し、場合によっ
ては、バルブステムの熱膨張や各構成部品の製造誤差等
に起因して、弁体の閉弁状態が維持できなくなるおそれ
もある。この点、本実施の形態の電磁駆動弁によれば、
クリアランスはクリアランスとして確実にその存在が確
保されるため、このような懸念もない。
【0034】また、密封空間53内に封入した流体を粘
性流体としたため、流体摩擦力をより大きくすることが
でき、防振材50、51の当接時に生じる衝突打音をよ
り好適に低減することができるようにもなる。
【0035】また、防振材50、51が当接されると
き、密封空間53が内室53aと外室53bとに仕切ら
れるようにしたため、内室53a内の粘性流体を防振材
50、51との当接面間を通じて外室53bに押し出す
ことで、より大きな流体摩擦力を発生させることができ
るようになる。
【0036】また、アーマチャシャフト21及びバルブ
ステム12の当接面に防振材50、51を設けたため、
アーマチャシャフト21とバルブステム12とが当接す
ることによる衝撃力をより緩和することができるように
なる。
【0037】その後、更にアーマチャシャフト21及び
アーマチャ22が変位すると、アーマチャシャフト21
はロアスプリング14の付勢力に抗してバルブステム1
2を同方向に変位させるようになるため、弁体11が弁
座38から離座して開弁状態となる。そして、アーマチ
ャシャフト21及びアーマチャ22が更に変位し、その
変位量が所定値に達すると、駆動回路40からロアコイ
ル30への通電が開始される。その結果、ロアコイル3
0により励磁されたロアコア25によってアーマチャ2
2が吸引される。そしてこの吸引力により、アーマチャ
22が変位し、ロアコア25に当接すると、アーマチャ
シャフト21及びバルブステム12はそれ以上変位しな
くなり、弁体11のリフト量が最大となる。
【0038】次に、この開弁状態から弁体11を再び閉
弁させる際には、まず、駆動回路40からロアコイル3
0への通電が停止される。その結果、ロアコア25によ
る吸引力が消失するため、ロアスプリング14の付勢力
によってアーマチャ22がロアコア25から離間し、ア
ーマチャシャフト21及びアーマチャ22が図1の矢印
A1の方向に変位し始める。この際、防振材50、51
の当接面が当接した状態のまま、バルブステム12はア
ーマチャシャフト21とともに変位する。
【0039】その後、アーマチャ22の変位量が所定値
に達すると、駆動回路40によるアッパーコイル29へ
の通電が開始される。その結果、アッパーコイル29に
より励磁されたアッパーコア24によってアーマチャ2
2が吸引される。そしてこの吸引力により、アーマチャ
22が更に変位し弁体11が弁座38に着座して閉弁状
態になると、バルブステム12はそれ以上矢印A1の方
向には変位しなくなる。このため、その後はアーマチャ
シャフト21のみがアッパースプリング27の付勢力に
抗して同方向に変位するようになり、このアーマチャシ
ャフト21の変位により、防振材50、51の当接面が
離間してそれら当接面間のクリアランスが徐々に大きく
なる。
【0040】このように防振材50、51の当接面が離
間する際には、外方へ膨出された弾性部材52の形状復
帰に伴って、外室53b内の粘性流体が内室53a内に
戻されるようになる。また、内室53a内に設けられた
スプリング54の付勢力によって内室53aの体積が強
制拡大され、内室53a内の圧力が減圧されるようにな
る。このため、外室53bにある粘性流体が確実に内室
53aに流れ込むようになり、ひいては防振材50、5
1の当接面のクリアランスに粘性流体を確実に介在させ
ることができるようになる。
【0041】また、その後、アーマチャ22がアッパー
コア24に当接すると、アーマチャシャフト21はそれ
以上同方向に変位しなくなり、防振材50、51の当接
面間には前記所定のクリアランスが再び形成される。
【0042】このようにして弁体11の開閉が行われ
る。以上詳述したように、この実施の形態によれば、以
下に示すような優れた効果が得られるようになる。
【0043】(1)密封空間53内に粘性流体を封入
し、防振材50、51の当接面間には同粘性流体を介在
させるようにしたため、防振材50、51の当接面が当
接する際には、それら当接面間のクリアランスからこの
粘性流体が押し出されることにより発生する流体摩擦力
によって防振材50、51との衝突力が緩和された状態
で、その当接が図られるようになる。しかも、この流体
摩擦力は、小さな構成でも大きな力を発生させることが
できることから、可動部の小型化、軽量化を図ることも
できる。このため、可動部を小型、軽量に保ちながらも
防振材50、51、ひいてはアーマチャシャフト21と
バルブステム12との衝突打音を大幅に低減させること
ができるようになる。
【0044】(2)防振材50、51が当接されると
き、密封空間53が内室53aと外室53bとに仕切ら
れるようにしたため、内室53a内の粘性流体を防振材
50、51との当接面間を通じて外室53bに押し出す
ことで、より大きな流体摩擦力を発生させることができ
るようになる。
【0045】(3)内室53a内に防振材50、51を
互いに離間する方向に付勢するスプリング54を設けた
ため、防振材50、51の当接面が離間する際、スプリ
ング54によって内室53aの体積が強制拡大され、同
内室53a内の圧力が減圧されるようになる。これによ
り、これら当接面の離間時には、外室53bにある粘性
流体が確実に内室53aに流れ込むようになり、ひいて
は防振材50、51の当接面の隙間に上記粘性流体を確
実に介在させることができるようになる。
【0046】(4)アーマチャシャフト21及びバルブ
ステム12の当接面に防振材50、51を設けたため、
アーマチャシャフト21とバルブステム12との当接時
に生じる衝撃力をより緩和することができるようにな
る。
【0047】なお、上記実施の形態は、例えば以下のよ
うにその構成を適宜変更することもできる。 ・上記実施の形態では、防振材50、51の対向する面
の双方に凹部50b、51bを設ける構成としたが、こ
の凹部を防振材50、51の少なくともいずれか一方に
のみ設けるようにしてもよい。
【0048】・上記実施の形態では、アーマチャシャフ
ト21とバルブステム12との当接面に防振材50、5
1を設ける構成としたが、この防振材を設けない構成と
してもよい。この場合には、例えば図3(a)及び
(b)に示されるように、アーマチャシャフト21の当
接面に凹部21aを、そしてバルブステム12の当接面
に凹部12aをそれぞれ形成し、アーマチャシャフト2
1及びバルブステム12の当接する両端部の外周面を覆
うように円筒状の弾性部材52を設ける。更にアーマチ
ャシャフト21とバルブステム12との当接面及び弾性
部材52の内周面により区画される密封空間53内に粘
性流体を封入するとともに、内室53a内にはアーマチ
ャシャフト21とバルブステム12とを互いに離間する
方向に付勢するスプリング54を配置する。
【0049】このような構成の電磁駆動弁において、ア
ーマチャシャフト21とバルブステム12との当接面が
離間している状態(図3(a))から同当接面が当接す
るまでは、密封空間53内の粘性流体がアーマチャシャ
フト21及びバルブステム12の当接面間のクリアラン
スから外方へ押し出されるため、弾性部材52の中央部
が外方へ膨出する。そして、上記当接面が当接する(図
3(b))と、密封空間53は内室53aと外室53b
とに仕切られる。その後、再び上記当接面が離間する際
には、スプリング54の付勢力により内室53aの体積
が強制拡大され、同内室53a内の圧力が減圧されるよ
うになる。これにより、外室53bにある粘性流体が内
室53aに流れ込むようになる。
【0050】・上記実施の形態では、アーマチャシャフ
ト21とバルブステム12との当接面の双方に防振材5
0、51をそれぞれ設ける構成としたが、この防振材を
アーマチャシャフト21及びバルブステム12の当接面
の一方にのみ設けるようにしてもよい。
【0051】・上記実施の形態では、密封空間53内に
スプリング54を設ける構成としたが、このスプリング
54を省略することもできる。 ・上記実施の形態では、密封空間53はアーマチャシャ
フト21とバルブステム12とが当接されるとき内室5
3aと外室53bとに仕切られるようにしたが、本発明
は、例えば図5に示したような従来構成の電磁駆動弁に
も適用することができる。この場合には、バルブステム
101とアーマチャシャフト103との当接面及び緩衝
材110の内周面111により区画される空間内に粘性
流体を封入するようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁駆動弁の一実施の形態を示す部分
断面図。
【図2】同実施の形態のアーマチャシャフト及びバルブ
ステムの一部を拡大して示す部分断面図。
【図3】他の例のアーマチャシャフト及びバルブステム
の一部を拡大して示す部分断面図。
【図4】従来構成における電磁駆動弁の部分断面図。
【図5】従来構成におけるアーマチャシャフト及びバル
ブステムの一部を拡大して示す部分断面図。
【符号の説明】
11…弁体、12…バルブステム、13…ロアリテー
ナ、14…ロアスプリング、20…電磁駆動部、21…
アーマチャシャフト、22…アーマチャ、23…アッパ
ーリテーナ、24…アッパーコア、24a、25a…
溝、24b、25b…貫通孔、25…ロアコア、26…
ブッシュ、27…アッパースプリング、28…キャッ
プ、29…アッパーコイル、30…ロアコイル、35…
燃焼室、36…シリンダヘッド、37…排気ポート、3
8…弁座、40…駆動回路、50、51…防振材、50
a、50b、51a、51b…凹部、52…弾性部材、
53…密封空間、53a…内室、53b…外室、54…
スプリング、55…リング。
フロントページの続き (72)発明者 飯田 達雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 服部 宏之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 3G018 AB09 BA38 CA12 DA24 DA65 DA67 DA81 DA83 GA14 GA31 GA32 3H106 DA07 DA25 DB02 DB14 DB26 DB32 DC02 DC17 DD09 EE20 GA30 GB23 GC10 GC11 KK17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁コイルによる電磁力と付勢部材による
    付勢力との協働によって駆動されるアーマチャと、該ア
    ーマチャの軸方向に延在するアーマチャシャフトと、該
    アーマチャシャフトと同じ軸線上に所定に離間して配設
    されるとともにその一端に弁体が設けられたバルブステ
    ムとを備える電磁駆動弁において、 前記アーマチャシャフトと前記バルブステムとの対向面
    間が弾性部材により密封され、この密封空間内に粘性流
    体が封入されてなることを特徴とする電磁駆動弁。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電磁駆動弁において、 前記密封空間は、前記アーマチャシャフトと前記バルブ
    ステムとが当接されるときそれらアーマチャシャフト及
    びバルブステムの当接面間の内外にて内室及び外室に仕
    切られることを特徴とする電磁駆動弁。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の電磁駆動弁において、 前記内室内には前記アーマチャシャフト及び前記バルブ
    ステムを互いに離間する方向に付勢するばね部材が配設
    されてなることを特徴とする電磁駆動弁。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁
    駆動弁において、 前記アーマチャシャフト及び前記バルブステムの当接面
    の少なくとも一方には防振材が設けられてなることを特
    徴とする電磁駆動弁。
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