JP2003166406A - 作動減速装置及びそれを用いた電磁駆動バルブ - Google Patents

作動減速装置及びそれを用いた電磁駆動バルブ

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JP2003166406A
JP2003166406A JP2001366973A JP2001366973A JP2003166406A JP 2003166406 A JP2003166406 A JP 2003166406A JP 2001366973 A JP2001366973 A JP 2001366973A JP 2001366973 A JP2001366973 A JP 2001366973A JP 2003166406 A JP2003166406 A JP 2003166406A
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expansion
elastic
speed reducer
valve
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JP2001366973A
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English (en)
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Masahiko Asano
昌彦 浅野
Takashi Deo
隆志 出尾
Kiyoji Nakamura
喜代治 中村
Takeshi Sakuragi
武 櫻木
Yukihiro Nakajima
幸裕 中嶋
Mamoru Hirata
養 平田
Yasushi Fujiwara
靖 藤原
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Nok Corp
Eagle Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Nok Corp
Eagle Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作動軸が対向部品に当接する際の衝突打音を低
減する効果を長期にわたって維持することのできる作動
減速装置を提供するとともに、その作動減速装置を用い
た電磁駆動バルブを提供する。 【解決手段】電磁駆動バルブに用いられる作動減速装置
54は、アーマチャシャフト(作動軸)21に装着され
る第1取付け部41と、そのアーマチャシャフト21の
軸方向のバルブステム(対向部品)16に装着される第
2取付け部35と、伸縮ケース45と伸縮弾性リング
(減速手段)52とを備える。伸縮ケース45はゴム状
弾性材によって形成され、一端が第1取付け部41に取
付けられ、他端が第2取付け部35に取付けられる。伸
縮ケース45は、両取付け部41,35間に介在された
粘性流体50を密封する。伸縮弾性リング52は伸縮ケ
ース45の外周面に配置されて、その伸縮ケース45の
膨張を減速させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸方向の対向部品
に対して相対作動する作動軸が作動ストローク端に近づ
く際にその作動を減速する作動減速装置、及びその作動
減速装置を用いた電磁駆動バルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、内燃機関の吸気バルブ又は排気
バルブとして、カムシャフトの回転に基づいて開閉駆動
されるバルブに代えて、電磁力によって開閉駆動される
電磁駆動バルブを採用することが考えられている。こう
した電磁駆動バルブは、吸気バルブ又は排気バルブとし
て機能する弁体を一端に有するバルブステム、バルブス
テムと同軸線上に配置され、かつアーマチャを有するア
ーマチャシャフト、アーマチャを中立位置に付勢する一
対のスプリング、及びアーマチャの変位方向に配設され
る一対の電磁石を備える。電磁石は電磁コイル及びコア
からなる。この電磁駆動バルブでは、電磁コイルへの通
電により励磁電流が流れると、アーマチャに対し電磁石
に向かう電磁力が作用する。従って、一対の電磁石に交
互に励磁電流が流されることにより、弁体が開閉駆動さ
れる。
【0003】上記電磁駆動バルブでは、通常、弁体の閉
弁時にバルブステムとアーマチャシャフトとの対向面間
に所定の間隙が形成されるようになっている。これは、
バルブステムの熱膨張や各構成部品の製造誤差等があっ
ても、弁体を確実に閉弁させるためである。反面、前記
間隙により、弁体の開弁時にアーマチャシャフトがバル
ブステムに向けて相対作動(変位)する。そして、アー
マチャシャフトが、その作動ストロークの一方の端であ
るバルブステムに当接すると、衝突打音を生ずる場合が
ある。
【0004】これに対しては、アーマチャシャフトがバ
ルブステムに近づく際にそのアーマチャシャフトの相対
作動を減速させる作動減速装置を設けることが有効であ
る。作動減速装置としては、例えば、第1取付け部、第
2取付け部及び伸縮ケースを備えたものが考えられる。
第1取付け部はアーマチャシャフトに装着され、第2取
付け部はバルブステムに装着される。伸縮ケースはゴム
状弾性材によって形成され、一端が前記第1取付け部に
取付けられ、かつ他端が前記第2取付け部に取付けられ
る。そして、伸縮ケースにより、両取付け部間に介在さ
れた粘性流体が密封される。
【0005】この作動減速装置によると、アーマチャシ
ャフトがバルブステムに近づく際、粘性流体が伸縮ケー
スを膨張させながら対向面間から押出される。このとき
発生する流体摩擦力(スクィーズ力)によって、アーマ
チャシャフトの相対作動が減速される。この減速によ
り、アーマチャシャフトのバルブステムとの衝突力が緩
和され、前述した衝突打音が低減される。また、アーマ
チャシャフトがバルブステムから離れる側へ相対作動す
る際には、膨張している伸縮ケースが自身の弾性復元力
によって元の形状に戻ろうとする。この際、伸縮ケース
から粘性流体に対し内方へ向かう力(内圧)が付加さ
れ、粘性流体が対向面間に供給される(戻される)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した作
動減速装置を用いた電磁駆動バルブでは、粘性流体を密
封する伸縮ケースが長期間の使用によりへたり、その伸
縮ケースの弾性力が低下するおそれがある。この場合、
伸縮ケースから粘性流体に対し付加される内圧が低下
し、そのことが原因で、アーマチャシャフトとバルブス
テムとの対向面間に粘性流体が十分供給されなくなり、
前述した衝突打音を低減する効果が得られなくなる場合
がある。
【0007】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、アーマチャシャフト等の作
動軸がバルブステム等の対向部品に当接する際の衝突打
音を低減する効果を長期にわたって維持することのでき
る作動減速装置を提供するとともに、その作動減速装置
を用いた電磁駆動バルブを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明では、軸方向の対向部品に対して相対
作動する作動軸が作動ストローク端に近づく際にその作
動を減速する作動減速装置であって、前記作動軸に装着
される第1取付け部と、前記対向部品に装着される第2
取付け部と、一端が前記第1取付け部に取付けられ、か
つ他端が前記第2取付け部に取付けられ、前記両取付け
部間に介在された粘性流体を密封するゴム状弾性材製の
伸縮ケースと、前記伸縮ケースの外周面に配置されて同
伸縮ケースの膨張を減速させる減速手段とを備えてい
る。
【0009】上記の構成によれば、作動軸が、その作動
ストローク端である対向部品側へ相対作動する際、それ
らの作動軸及び対向部品の対向面間の粘性流体が伸縮ケ
ースを膨張させながら対向面間から押出される。このと
き発生する流体摩擦力(スクィーズ力)によって作動軸
の相対作動が減速される。また、伸縮ケースの膨張が減
速手段によって減速され、この減速によっても作動軸の
相対作動が減速される。この相対作動の減速により、作
動軸の対向部品との衝突力が緩和され、当接にともなう
衝突打音が低減される。
【0010】また、作動軸が対向部品から離間する際に
は、伸縮ケース及び減速手段が自身の弾性復元力によっ
て元の形状に戻ろうとする。この際、伸縮ケース及び減
速手段から粘性流体に対し、内方へ向かう圧力(内圧)
が付加され、粘性流体が対向面間に供給される(戻され
る)。
【0011】ここで、伸縮ケースの外周面に配置された
減速手段は、その伸縮ケースの弾性力を補う。そのた
め、伸縮ケースがへたって弾性力が低下したとしても、
粘性流体に付加される内圧の低下が減速手段によって抑
制される。その結果、作動軸が対向部品に当接する際の
衝突打音を低減する効果を、長期間にわたって維持する
ことが可能となる。
【0012】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記減速手段は、前記伸縮ケースの
最大に膨張する箇所に配置されているとする。上記の構
成によれば、減速手段が上記箇所に配置されることによ
り、減速手段から伸縮ケースを通じて粘性流体に作用す
る内圧が略均等となり、膨張した伸縮ケースが径方向内
方へ略均等に縮められる。このため、減速手段を伸縮ケ
ース外周面の他の箇所に配置した場合に比べ、作動軸の
相対作動を効率よく減速させることができる。
【0013】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
2に記載の発明において、前記伸縮ケースは筒状に形成
されており、その一端は前記第1取付け部の筒状部に密
着状態で取付けられ、他端は前記第2取付け部の筒状部
に密着状態で取付けられているとする。
【0014】上記の構成によれば、伸縮ケースにより、
第1取付け部と第2取付け部との間に、粘性流体を封入
するための密封空間を簡単かつ確実に形成することがで
きる。
【0015】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3
のいずれか1つに記載の発明において、前記減速手段
は、前記伸縮ケースよりも膨張率の小さな伸縮弾性リン
グにより構成されているとする。
【0016】上記の構成によれば、伸縮ケースよりも膨
張率の小さな伸縮弾性リングを減速手段とすることで、
少なくかつ簡単な構成でありながら、伸縮ケースの弾性
力を補い、同伸縮ケースの膨張、ひいては作動軸の相対
作動を確実に減速させることができる。
【0017】請求項5に記載の発明では、請求項1〜4
のいずれか1つに記載の発明において、前記粘性流体は
グリースからなるとする。上記の構成によれば、粘度の
高い潤滑油として一般的に用いられているグリースを粘
性流体として用いることで、特別な粘性流体を用いなく
ても、粘性流体が伸縮ケースを膨張させながら対向面間
から押出される際に、大きな流体摩擦力を確実に発生さ
せることができる。
【0018】請求項6に記載の発明では、一端に弁体を
有するバルブステムと、前記バルブステムと同軸線上に
配置され、かつ電磁コイルへの通電にともない発生して
アーマチャに作用する電磁力により前記バルブステムに
対し相対作動するアーマチャシャフトと、前記アーマチ
ャシャフトが作動ストローク端に近づく際にその作動を
減速する作動減速装置とを備える電磁駆動バルブであっ
て、前記作動減速装置は、前記アーマチャシャフトに取
付けられる第1取付け部と、前記バルブステムに取付け
られる第2取付け部と、一端が前記第1取付け部に取付
けられ、かつ他端が前記第2取付け部に取付けられ、前
記両取付け部間に介在された粘性流体を密封するゴム状
弾性材製の伸縮ケースと、前記伸縮ケースの外周面に取
付けられて同伸縮ケースの膨張を減速させる減速手段と
を備えている。
【0019】また、請求項7に記載の発明では、請求項
6に記載の発明において、前記減速手段は、前記伸縮ケ
ースの最大に膨張する箇所に配置されているとする。さ
らに、請求項8に記載の発明では、請求項6又は7に記
載の発明において、前記伸縮ケースは筒状に形成されて
おり、その一端は前記第1取付け部の筒状部に密着状態
で取付けられ、他端は前記第2取付け部の筒状部に密着
状態で取付けられているとする。
【0020】請求項9に記載の発明では、請求項6〜8
のいずれか1つに記載の発明において、前記減速手段
は、前記伸縮ケースよりも膨張率の小さな伸縮弾性リン
グにより構成されているとする。
【0021】上記請求項6に記載の発明によれば、電磁
駆動バルブでは、電磁コイルへの通電にともない発生す
る電磁力がアーマチャに作用する。この電磁力によりア
ーマチャが駆動されて、アーマチャシャフトがバルブス
テムに対し相対作動(変位)する。そして、アーマチャ
シャフトがバルブステム側へ相対作動して当接すると、
そのアーマチャシャフトの相対作動がバルブステムに伝
達される。この伝達によりバルブステムが作動して、弁
体が開弁又は閉弁する。また、請求項6に記載の発明で
は、前記のような作動を行う電磁駆動バルブにおいて、
作動減速装置が前述した請求項1に記載の発明と同様の
作用及び効果を奏する。
【0022】また、請求項7に記載の発明の構成によれ
ば、電磁駆動バルブの作動減速装置が、前述した請求項
2に記載の発明と同様の作用及び効果を奏する。さら
に、請求項8に記載の発明の構成によれば、電磁駆動バ
ルブの作動減速装置が、前述した請求項3に記載の発明
と同様の作用及び効果を奏する。請求項9に記載の発明
の構成によれば、電磁駆動バルブの作動減速装置が、前
述した請求項4に記載の発明と同様の作用及び効果を奏
する。
【0023】なお、請求項6〜9に記載の発明における
アーマチャシャフト及びバルブステムは、請求項1〜4
に記載の発明における作動軸及び対向部品にそれぞれ対
応している。
【0024】請求項10に記載の発明では、請求項7に
記載の発明において、前記作動減速装置は、前記減速手
段を、前記伸縮ケースの最大に膨張する箇所に係止する
係止手段をさらに備えるとする。
【0025】上記の構成によれば、係止手段は、減速手
段を伸縮ケースの最大に膨張する箇所に係止する。この
ため、伸縮ケースが繰返し弾性変形しても、伸縮ケース
に対する減速手段の位置が初期の位置(最大膨張箇所)
からずれるのを抑制することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、作動減速装置を
用いた電磁駆動バルブに具体化した一実施形態につい
て、図1〜図3に従って説明する。
【0027】図1に示すように、内燃機関のシリンダヘ
ッド11には、吸気通路の一部又は排気通路の一部をな
し、かつ燃焼室12に連通するポート13が形成され、
その燃焼室12側の端部に弁座(バルブシート)14が
設けられている。シリンダヘッド11にはバルブガイド
15が取付けられ、このバルブガイド15によって、バ
ルブステム16がシリンダヘッド11に対し軸方向(図
1の上下方向)へ摺動可能に支持されている。バルブス
テム16の燃焼室12側の端部には弁体17が設けられ
ている。ポート13は、バルブステム16が図1の下方
へ変位して弁体17が弁座14から離座することにより
燃焼室12と導通(開弁)状態となる。また、ポート1
3は、バルブステム16が図1の上方へ変位して弁体1
7が弁座14に着座することにより燃焼室12と遮断
(閉弁)状態となる。
【0028】バルブステム16において、燃焼室12と
は反対側の端部近傍にはロアリテーナ18が取付けられ
ている。シリンダヘッド11とロアリテーナ18との間
であってバルブステム16の周りには、ロアスプリング
19が圧縮状態で配置されており、このロアスプリング
19によって、バルブステム16が閉弁方向(図1の上
方)へ常に付勢されている。
【0029】バルブステム16と同軸線上にはアーマチ
ャシャフト21が配置されている。アーマチャシャフト
21のバルブステム16と反対側の端部(図1の上端
部)にはアッパリテーナ22が取付けられている。シリ
ンダヘッド11には、ケーシング(図示略)を介してア
ッパキャップ23が固定されている。アッパキャップ2
3とアッパリテーナ22との間には、アッパスプリング
24が圧縮状態で配置されている。このアッパスプリン
グ24によってアッパリテーナ22が常にバルブステム
16側へ付勢されている。アッパスプリング24による
アッパリテーナ22の付勢方向は、弁体17の開弁方向
(図1の下方)と同じである。
【0030】アーマチャシャフト21の軸方向における
略中央部には、高透磁率材料からなるアーマチャ25が
取付けられている。前記ケーシング(図示略)内におい
て、アーマチャ25とアッパリテーナ22との間にはア
ッパコア26が固定されている。同じく、ケーシング内
において、アーマチャ25とロアリテーナ18との間に
はロアコア27が固定されている。アッパコア26及び
ロアコア27は高透磁率材料によって形成されている。
アッパコア26及びロアコア27には、滑り軸受28,
29を介して前記アーマチャシャフト21が往復動可能
に支持されている。
【0031】アッパコア26において、アーマチャ25
と対向する面(図1の下面)には溝26aが形成され、
この溝26a内に電磁コイルからなるアッパコイル31
が収容及び保持されている。そして、これらのアッパコ
ア26及びアッパコイル31により、バルブステム16
及び弁体17を閉弁方向に駆動するための電磁石(閉駆
動用電磁石)32が構成されている。
【0032】同様に、ロアコア27においてアーマチャ
25と対向する面(図1の上面)には溝27aが形成さ
れ、この溝27a内に電磁コイルからなるロアコイル3
3が収容及び保持されている。そして、これらのロアコ
ア27及びロアコイル33により、バルブステム16及
び弁体17を開弁方向に駆動するための電磁石(開駆動
用電磁石)34が構成されている。
【0033】以上が電磁駆動バルブ53の基本構造であ
る。この電磁駆動バルブ53では、アーマチャシャフト
21及びバルブステム16が、後述する作動減速装置5
4の装着対象となる。すなわち、アーマチャシャフト2
1は、作動減速装置54の第1取付け部41が装着され
る「作動軸」に相当する。また、バルブステム16は、
作動減速装置54の第2取付け部35が装着される「対
向部品」に相当する。
【0034】また、電磁駆動バルブ53では、弁体17
の閉弁時にバルブステム16及びアーマチャシャフト2
1の対向面間に所定の間隙が形成されるようになってい
る。これは、バルブステム16が熱膨張したり、電磁駆
動バルブ53の各構成部品に製造誤差等があったりして
も、弁体17を確実に閉弁させるためである。反面、前
記間隙により、弁体17の開弁時にアーマチャシャフト
21がバルブステム16に向けて相対作動(変位)す
る。そして、アーマチャシャフト21が、その作動スト
ロークの一方の端であるバルブステム16に当接する
と、衝突打音を生ずる場合がある。
【0035】そこで、前述した基本構造に加え、電磁駆
動バルブ53には、アーマチャシャフト21がバルブス
テム16に近づく際にそのアーマチャシャフト21の相
対作動(変位)を減速させる作動減速装置54が設けら
れている。
【0036】次に、この作動減速装置54の構造につい
て説明する。図2に示すように、対向部品としてのバル
ブステム16において、アーマチャシャフト21と対向
する端部(図2の上端部)には、第2取付け部35が装
着されている。第2取付け部35は、有蓋の筒状部36
と、その筒状部36の開放側の端部(図2の下端部)外
周に形成されたフランジ部37とを備えている。筒状部
36のアーマチャシャフト21側の端部には環状の仕切
り部38が形成されている。そして、筒状部36がバル
ブステム16に対しその上方から嵌められることによっ
て、第2取付け部35がバルブステム16に装着されて
いる。
【0037】同様にして、作動軸としてのアーマチャシ
ャフト21において、バルブステム16と対向する端部
(図2の下端部)には、第1取付け部41が装着されて
いる。第1取付け部41は、有底の筒状部42と、その
筒状部42の開放側の端部(図2の上端部)外周に形成
されたフランジ部43とを備えている。筒状部42のバ
ルブステム16側の端部(図2の下端部)には環状の仕
切り部44が形成されている。そして、筒状部42がア
ーマチャシャフト21に対しその下方から嵌められるこ
とによって、第1取付け部41がアーマチャシャフト2
1に装着されている。
【0038】ここで、弁体17が閉弁された状態におい
て、両仕切り部38,44の対向面38a,44a間に
は所定の大きさの間隙gが形成される。本実施形態で
は、この間隙gが実質的にバルブステム16とアーマチ
ャシャフト21との間の前述した間隙に相当している。
【0039】また、第1取付け部41にはゴム状弾性材
からなる伸縮ケース45の一端が取付けられ、第2取付
け部35には同伸縮ケース45の他端が取付けられてい
る。詳しくは、伸縮ケース45は両端を開放した円筒状
をなしており、その一端が筒状部42に密着状態で被せ
られ、他端が筒状部36に密着状態で被せられている。
ゴム状弾性材としては、例えばゴム、エラストマー等を
用いることができる。この伸縮ケース45の内周面と両
筒状部36,42の対向面とによって囲まれた空間は、
密封空間46となっている。密封空間46内には、グリ
ース、油等の粘度の高い流体(粘性流体)50が封入さ
れている。この密封空間46は、バルブステム16及び
弁体17の開弁の際、図3に示すように両対向面38
a,44aが相互に当接することで、両仕切り部38,
44を境として、その内側の内室47と外側の外室48
とに仕切られる。
【0040】なお、伸縮ケース45の両端部外周にはそ
れぞれリング状の締め具49が装着されている。これら
の締め具49により、伸縮ケース45の両端が、筒状部
42,36に対し密着性を高められた状態で締付け固定
されている。また、両フランジ部37,43間であって
両筒状部36,42の周囲には、付勢部材としてスプリ
ング51が圧縮状態で配置されている。このスプリング
51は、両取付け部35,41を介して、バルブステム
16及びアーマチャシャフト21を互いに離間させる方
向に常に付勢する。
【0041】さらに、伸縮ケース45の外周面には、そ
の伸縮ケース45の膨張を減速させる減速手段が配置さ
れている。減速手段は円環状又は略円環状をなしてい
る。減速手段としては、伸縮ケース45よりも膨張率の
小さなものが好ましく、これに加え、弾性力について伸
縮ケース45よりも経時変化(へたり等)の少ないもの
がさらに好ましい。このような要求を満たす減速手段と
しては、例えばガータースプリング、止め輪、硬質ゴム
等によって形成されたリング等(以下、これらを伸縮弾
性リング52という)が挙げられる。ガータースプリン
グは、密着巻のコイルスプリングの両端を連結すること
により環状にしたものである。また、止め輪(ストップ
リング)は、ばね作用を発揮する締結部品であり、C
形、E形等のタイプがある。
【0042】一方、伸縮ケース45の外周面において、
同伸縮ケース45が最大に膨張する箇所には溝45aが
形成されている。この溝45aは、伸縮ケース45の全
周にわたって形成されてもよいし、断続的に形成されて
もよい。そして、伸縮弾性リング52が若干拡径されて
伸縮ケース45を取囲んだ状態で、前記溝45aに係合
されている。この溝45aは、伸縮弾性リング52を、
伸縮ケース45の最大に膨張する箇所に係止する係止手
段として機能する。このようにして、伸縮弾性リング5
2が伸縮ケース45の外周面の最大膨張箇所に配置され
ている。
【0043】上述した取付け部35,41、伸縮ケース
45、締め具49、スプリング51、伸縮弾性リング5
2等によって作動減速装置54が構成されている。この
作動減速装置54では、例えば筒状部42の底部にあけ
られた孔55を通じて、粘性流体50が密封空間46に
注入される。そして、密封空間46が粘性流体50で満
たされた状態で、球体等からなる栓56が孔55に圧入
されることにより、孔55が塞がれる。
【0044】上記構成の作動減速装置54を用いた電磁
駆動バルブ53では、図1において両電磁石32,34
のコイル31,33に通電されない場合には、アーマチ
ャ25は、アッパスプリング24及びロアスプリング1
9間の中立位置に、すなわち、両電磁石32,34間の
略中央に維持される。この状態からアッパコイル31へ
の通電により吸引電流が流れると、アッパコア26及び
アーマチャ25からなる磁気回路が形成され、アッパコ
イル31の周りに磁力線が生じ、アーマチャ25に対し
閉駆動用の電磁石32に向かう電磁力が作用する。この
電磁力により、アーマチャ25が閉駆動用の電磁石32
に向けて変位する。アーマチャ25がアッパコア26に
当接する位置まで変位すると、弁体17が弁座14に着
座し閉弁状態となる。この閉弁状態では、図2に示すよ
うに両対向面38a,44a間に所定の大きさの間隙g
が形成される。伸縮ケース45の径はどの箇所において
も略同一である。
【0045】アッパコイル31への通電により開放電流
が流れると、アーマチャ25は、アッパスプリング24
の付勢力により開弁方向、すなわち、開駆動用の電磁石
34に向けて変位し始める。この変位にともなって第1
取付け部41は、スプリング51を圧縮させながら第2
取付け部35に接近する。すなわち、内室47の容積及
び間隙gが徐々に小さくなる。その結果、内室47内の
粘性流体50は間隙gを通って径方向外方へ押出され
る。そして、この押出された粘性流体50により伸縮ケ
ース45が膨張する。とりわけ伸縮ケース45の長さ方
向における中間部分が最も大きく膨張し拡径する。伸縮
ケース45の外周面においてこの最大膨張箇所に配置さ
れた伸縮弾性リング52は、伸縮ケース45の膨張にと
もない拡径される。
【0046】アーマチャシャフト21及びアーマチャ2
5がさらに変位すると、図3に示すように仕切り部44
が仕切り部38に当接し、密封空間46が内室47及び
外室48に仕切られる。この当接状態では、伸縮ケース
45の膨張量が最大となる。また、伸縮弾性リング52
が最も大きく拡径される。
【0047】ここで、上述のように間隙gの減少にとも
ないその間隙gから粘性流体50が押出される際には、
粘性流体50による流体摩擦力(スクィーズ力)が発生
する。この流体摩擦力によって、アーマチャシャフト2
1のバルブステム16側への相対作動(変位)が減速さ
れる。また、伸縮ケース45の膨張が伸縮弾性リング5
2によって減速され、この減速によってもアーマチャシ
ャフト21の相対作動が減速される。この相対作動の減
速により、仕切り部44が仕切り部38に当接する際の
衝突力が緩和され、その当接にともなう衝突打音が大幅
に低減される。また、こうした流体摩擦力は、小さな構
成でも大きな力を発生させることができることから、可
動部の小型化及び軽量化を図ることもできる。
【0048】また、密封空間46内に封入した流体を粘
性流体50としたため、流体摩擦力をより大きくするこ
とができ、仕切り部38,44の当接時に生じる衝突打
音をより好適に低減することができる。また、仕切り部
44の仕切り部38との当接により、密封空間46が内
室47と外室48とに仕切られるため、内室47内の粘
性流体50を間隙gを通じて外室48に押出すことで、
より大きな流体摩擦力を発生させることができる。
【0049】さらに、アーマチャシャフト21及びアー
マチャ25が変位すると、アーマチャシャフト21はロ
アスプリング19に抗してバルブステム16を同方向へ
変位させるため、弁体17が弁座14から離座して開弁
状態となる。そして、アーマチャシャフト21及びアー
マチャ25が開弁方向に所定量変位した時点で、ロアコ
イル33に通電されると、ロアコア27及びアーマチャ
25からなる磁気回路が形成され、ロアコイル33の周
りに磁力線が生じ、アーマチャ25に対し開駆動用の電
磁石34に向かう電磁力が発生する。アーマチャ25が
ロアコア27に当接する位置まで変位すると、弁体17
は全開状態となる。
【0050】弁体17がこの全開状態に保持された後、
ロアコイル33への通電により開放電流が流れると、ア
ーマチャ25を全開状態に保持するための磁気吸引力が
消滅する。このため、アーマチャ25は、ロアスプリン
グ19の付勢力により閉駆動用の電磁石32に向けて変
位し始める。この際、両仕切り部38,44が相互に当
接した状態のまま、バルブステム16はアーマチャシャ
フト21とともに変位する。従って、この状態では、伸
縮ケース45の中間部分は膨張し、伸縮弾性リング52
は拡径している。
【0051】その後、アーマチャ25の変位量が所定値
に達すると、アッパコイル31への通電が開始される。
この通電によりアッパコイル31に吸引電流が流れる
と、アーマチャ25に対し閉駆動用の電磁石32に向か
う電磁力が作用し、アーマチャ25が同電磁石32に向
けて変位する。アーマチャ25がさらに変位し弁体17
が弁座14に着座して閉弁状態になると、バルブステム
16はそれ以上閉弁方向に変位しなくなる。このため、
その後は、アーマチャシャフト21のみがアッパスプリ
ング24に抗して同方向へ変位する。このアーマチャシ
ャフト21の変位により、仕切り部44が仕切り部38
から離間して、それらの対向面38a,44a間の間隙
gが徐々に大きくなる。
【0052】このように離間する際には、伸縮ケース4
5のうち膨張した部分(拡径部分)が自身の弾性復元力
によって元の形状、すなわち他の箇所と同じ径に戻ろう
とする。また、拡径した伸縮弾性リング52も自身の弾
性復元力によって元の形状(径)に戻ろうとする。この
際、伸縮ケース45及び伸縮弾性リング52から粘性流
体50に対し内方へ向かう圧力(内圧)が付加され、外
室48内の粘性流体50が内室47内に供給される(戻
される)。また、蓄圧したばね力をスプリング51が開
放することによって内室47の容積が強制的に拡大さ
れ、同内室47内が減圧される。このため、少ない部品
で、かつ簡単な構造でありながら、外室48内の粘性流
体50を確実に内室47に流れ込ませることができる。
また、両対向面38a,44aの間隙gに粘性流体50
を確実に介在させることができる。そして、前記間隙g
の増大にともない伸縮ケース45の膨張部分が小さくな
り、また伸縮弾性リング52が縮径する。
【0053】その後、アーマチャ25がアッパコア26
に当接すると、アーマチャシャフト21はそれ以上同方
向に変位しなくなる。この状態では、図2に示すよう
に、両対向面38a,44a間の間隙gが最大となる。
また、伸縮ケース45では膨張部分がなくなり、同伸縮
ケース45の中間部分の径は他の箇所の径と同じにな
る。また、伸縮弾性リング52は元の径に戻る。
【0054】従って、上記のように両電磁石32,34
のコイル31,33に交互に励磁電流が流されるように
通電を制御することにより、弁体17が開閉駆動され
る。以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得
られる。
【0055】(1)伸縮ケース45の外周面に配置した
減速手段(伸縮弾性リング52)によって伸縮ケース4
5の弾性力を補うようにしている。そのため、弾性変形
(膨張及び元の形状への復帰)の繰返しにより伸縮ケー
ス45がへたってその弾性力が低下したとしても、粘性
流体50に付加される内圧の低下を、減速手段によって
抑制することができる。その結果、第1取付け部41
(アーマチャシャフト21)が第2取付け部35(バル
ブステム16)に当接する際の衝突打音を低減するとい
う作動減速装置54の効果を、長期間にわたって維持す
ることができる。
【0056】(2)減速手段を伸縮ケース45の外周面
の最大膨張箇所に配置している。このため、減速手段か
ら伸縮ケース45を通じて粘性流体50に作用する内圧
を略均等にし、膨張した伸縮ケース45を径方向内方へ
略均等に縮めることができる。その結果、減速手段を伸
縮ケース45の外周面の他の箇所に配置した場合に比
べ、アーマチャシャフト21の相対作動を効率よく減速
させることができる。
【0057】(3)伸縮ケース45を筒状に形成し、そ
の一端を第1取付け部41の筒状部42に密着状態で取
付け、他端を第2取付け部35の筒状部36に密着状態
で取付けている。この伸縮ケース45により、両取付け
部41,35の間に、粘性流体50を封入するための密
封空間を簡単かつ確実に形成することができる。
【0058】(4)減速手段として、伸縮ケース45よ
りも膨張率の小さな伸縮弾性リング52を用いている。
このため、少なくかつ簡単な構成でありながら、伸縮ケ
ース45の弾性力を補い、その伸縮ケース45の膨張、
ひいてはアーマチャシャフト21の相対作動を減速させ
ることができる。
【0059】(5)伸縮弾性リング52として、弾性力
について伸縮ケース45よりもへたり等の経時変化の少
ないガータースプリング等を用いている。このため、伸
縮ケース45が経時変化によりへたって弾性力が低下し
たとしても、伸縮弾性リング52の弾性力は伸縮ケース
45ほどは低下しない。従って、伸縮ケース45の弾性
力低下に起因して粘性流体50に付加される内圧が低下
するのを確実に抑制することができる。
【0060】(6)粘度の高い潤滑油として一般的に用
いられているグリースを、本実施形態での粘性流体50
として用いている。このため、特別な粘性流体を用いな
くても、粘性流体50が伸縮ケース45を膨張させなが
ら対向面38a,44a間から押出される際に、大きな
流体摩擦力を確実に発生させることができる。
【0061】(7)伸縮ケース45の外周面に形成され
た溝45aは、その溝45aに係合された伸縮弾性リン
グ52を、伸縮ケース45の最大膨張箇所に係止(位置
決め)する係止手段として機能する。このため、伸縮ケ
ース45が弾性変形を繰返しても、伸縮弾性リング52
が初期の位置(最大膨張箇所)からずれるのを抑制する
ことができる。
【0062】なお、本発明は次に示す別の実施形態に具
体化することができる。 ・いずれか一方又は両方の取付け部35,41における
各仕切り部38,44を省略してもよい。この場合、両
筒状部36,42の対向面と、伸縮ケース45とによっ
て囲まれる密封空間に粘性流体50を封入する。
【0063】・両筒状部36,42間の内室47を利用
し、図4に示すようにこの内室47にスプリング51を
配置してもよい。このようにすれば、前記実施形態にお
けるフランジ部37,43を省略し、取付け部35,4
1の小型化を図ることができる。なお、図4において前
記実施形態と同様の部材には同一の符号が付されてい
る。また、孔55及び栓56の図示は省略されている。
【0064】・少なくとも一方の取付け部35,41を
制振材料によって形成してもよい。制振材料としては、
金属系制振材料、例えば制振合金、制振鋼板等を用いる
ことができる。そのほかにも、スラグ複合材等の無機系
制振材料や、高分子材料等の有機系制振材料を用いるこ
ともできる。このようにれば、アーマチャシャフト21
のバルブステム16との当接による衝撃力をより緩和す
ることが可能となる。
【0065】・前記実施形態及び図4におけるスプリン
グ51を省略することも可能である。 ・伸縮ケース45の形状を、円筒状以外の形状、例えば
四角筒状等に変更してもよい。この場合、伸縮弾性リン
グ52の形状を伸縮ケース45の形状変更に応じて変更
する。ただし、伸縮弾性リング52がガータースプリン
グからなる場合は、伸縮ケース45の形状に応じた形状
に弾性変形可能であるため、このような形状変更は不要
である。
【0066】・伸縮ケース45の外周面の溝45aを省
略してもよい。また、溝45aに代えて、伸縮ケース4
5の外周面の最大膨張箇所近傍において、軸方向に異な
る箇所に2組の突起を設け、両突起間に伸縮弾性リング
52を配置してもよい。各組の突起は、伸縮ケース45
の外周面の全周にわたって形成されてもよいし、断続的
に形成されてもよい。この場合、2組の突起は、伸縮弾
性リング52を、伸縮ケース45の外周面の最大膨張箇
所に係止する係止手段として機能する。
【0067】・本発明の電磁駆動バルブは、内燃機関の
吸・排気バルブ以外のバルブにも適用可能である。要
は、アーマチャ、アーマチャシャフト及びバルブステム
を備えた電磁駆動バルブであれば適用可能である。
【0068】・伸縮弾性リング52を2つ以上用いても
よい。 ・本発明の作動減速装置は、作動軸と、その軸方向に位
置する対向部品とを備え、作動軸が対向部品に対して相
対作動するものであれば、電磁駆動バルブ以外にも用い
ることが可能である。
【0069】その他、前記各実施形態から把握できる技
術的思想について、それらの効果とともに記載する。 (A)請求項9に記載の電磁駆動バルブにおいて、前記
伸縮弾性リングは、弾性力について前記伸縮ケースより
も経時変化の少ないものである。
【0070】上記の構成によれば、伸縮ケースが経時変
化によりへたって弾性力が低下したとしても、伸縮弾性
リングの弾性力は伸縮ケースほどは低下しない。このた
め、粘性流体に付加される内圧の低下を確実に抑制する
ことができる。
【0071】(B)請求項6〜10及び上記(A)のい
ずれか1つに記載の電磁駆動バルブにおいて、前記第1
取付け部及び前記第2取付け部は、それらが相互に当接
した状態で、前記伸縮ケースにより前記粘性流体が密封
された空間を、前記両取付け部の対向面間の内室と対向
面間外の外室とに仕切る仕切り部を有する。
【0072】上記の構成によれば、内室内の粘性流体を
両仕切り部間の間隙を通じて外室に押出すことで、より
大きな流体摩擦力を発生させることができる。 (C)上記(B)に記載の電磁駆動バルブにおいて、前
記第1取付け部及び前記第2取付け部を互いに離間させ
る方向に付勢する付勢部材をさらに備える。
【0073】上記の構成によれば、両取付け部の対向面
が離間する際、付勢部材によって内室の容積が強制的に
拡大され、同内室内の圧力が減圧される。このため、両
対向面の離間時には、外室内の粘性流体が確実に内室に
流れ込む。その結果、両取付け部の対向面間の間隙に粘
性流体を確実に介在させることができる。
【0074】(D)上記(C)に記載の電磁駆動バルブ
において、前記付勢部材はスプリングからなる。上記の
構成によれば、対向面間の間隙の変化に応じてスプリン
グが弾性変形して、ばね力を畜圧したり開放したりす
る。このため、少ない部品でしかも簡単な構造でありな
がら、アーマチャシャフトの往復動にともない対向面間
に間隙が生ずる毎に内室の圧力を減圧して粘性流体を対
向面間に供給することができる。
【0075】(E)請求項6〜10及び上記(A)〜
(D)のいずれか1つに記載の電磁駆動バルブにおい
て、前記第1取付け部及び前記第2取付け部の各対向面
の少なくとも一方が制振材料により形成されている。
【0076】上記の構成によれば、アーマチャシャフト
のバルブステムとの当接にともなう衝撃力をより緩和す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を、作動減速装置を用いた内燃機関用電
磁駆動バルブに具体化した一実施形態についてその構成
を示す概略断面図。
【図2】電磁駆動バルブにおける作動減速装置の作動状
態を示す部分断面図。
【図3】作動減速装置の作動状態を示す部分断面図。
【図4】作動減速装置の別の実施形態を示す部分断面
図。
【符号の説明】
16…バルブステム(対向部品)、17…弁体、21…
アーマチャシャフト(作動軸)、25…アーマチャ、3
1…アッパコイル(電磁コイル)、33…ロアコイル
(電磁コイル)、35…第2取付け部、36,42…筒
状部、41…第1取付け部、45…伸縮ケース、45a
…溝(係止手段)、50…粘性流体、52…伸縮弾性リ
ング(減速手段)、53…電磁駆動バルブ、54…作動
減速装置。
フロントページの続き (72)発明者 浅野 昌彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 出尾 隆志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 中村 喜代治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 櫻木 武 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 中嶋 幸裕 愛知県安城市箕輪町蝮畔188番地 エヌオ ーケー 株式会社内 (72)発明者 平田 養 岡山県高梁市落合町阿部1212番地 イーグ ル工業 株式会社岡山工場内 (72)発明者 藤原 靖 岡山県高梁市落合町阿部1212番地 イーグ ル工業 株式会社岡山工場内 Fターム(参考) 3G018 AB09 AB16 CA09 CA16 DA65 DA83 DA85 FA01 GA31 GA32 3H106 DA07 DA23 DB02 DB14 DB26 DB32 DC02 DD07 EE19 EE20 GC09 GC23 KK17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向の対向部品に対して相対作動する作
    動軸が作動ストローク端に近づく際にその作動を減速す
    る作動減速装置であって、 前記作動軸に装着される第1取付け部と、 前記対向部品に装着される第2取付け部と、 一端が前記第1取付け部に取付けられ、かつ他端が前記
    第2取付け部に取付けられ、前記両取付け部間に介在さ
    れた粘性流体を密封するゴム状弾性材製の伸縮ケース
    と、 前記伸縮ケースの外周面に配置されて同伸縮ケースの膨
    張を減速させる減速手段とを備えることを特徴とする作
    動減速装置。
  2. 【請求項2】前記減速手段は、前記伸縮ケースの最大に
    膨張する箇所に配置されている請求項1に記載の作動減
    速装置。
  3. 【請求項3】前記伸縮ケースは筒状に形成されており、
    その一端は前記第1取付け部の筒状部に密着状態で取付
    けられ、他端は前記第2取付け部の筒状部に密着状態で
    取付けられている請求項1又は2に記載の作動減速装
    置。
  4. 【請求項4】前記減速手段は、前記伸縮ケースよりも膨
    張率の小さな伸縮弾性リングにより構成されている請求
    項1〜3のいずれか1つに記載の作動減速装置。
  5. 【請求項5】前記粘性流体はグリースからなる請求項1
    〜4のいずれか1つに記載の作動減速装置。
  6. 【請求項6】一端に弁体を有するバルブステムと、前記
    バルブステムと同軸線上に配置され、かつ電磁コイルへ
    の通電にともない発生してアーマチャに作用する電磁力
    により前記バルブステムに対し相対作動するアーマチャ
    シャフトと、前記アーマチャシャフトが作動ストローク
    端に近づく際にその作動を減速する作動減速装置とを備
    える電磁駆動バルブであって、 前記作動減速装置は、 前記アーマチャシャフトに取付けられる第1取付け部
    と、 前記バルブステムに取付けられる第2取付け部と、 一端が前記第1取付け部に取付けられ、かつ他端が前記
    第2取付け部に取付けられ、前記両取付け部間に介在さ
    れた粘性流体を密封するゴム状弾性材製の伸縮ケース
    と、 前記伸縮ケースの外周面に取付けられて同伸縮ケースの
    膨張を減速させる減速手段とを備えることを特徴とする
    電磁駆動バルブ。
  7. 【請求項7】前記減速手段は、前記伸縮ケースの最大に
    膨張する箇所に配置されている請求項6に記載の電磁駆
    動バルブ。
  8. 【請求項8】前記伸縮ケースは筒状に形成されており、
    その一端は前記第1取付け部の筒状部に密着状態で取付
    けられ、他端は前記第2取付け部の筒状部に密着状態で
    取付けられている請求項6又は7に記載の電磁駆動バル
    ブ。
  9. 【請求項9】前記減速手段は、前記伸縮ケースよりも膨
    張率の小さな伸縮弾性リングにより構成されている請求
    項6〜8のいずれか1つに記載の電磁駆動バルブ。
  10. 【請求項10】前記作動減速装置は、前記減速手段を、
    前記伸縮ケースの最大に膨張する箇所に係止する係止手
    段をさらに備える請求項7に記載の電磁駆動バルブ。
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