JP2001336060A - 布地のギャザリング加工方法 - Google Patents
布地のギャザリング加工方法Info
- Publication number
- JP2001336060A JP2001336060A JP2000155310A JP2000155310A JP2001336060A JP 2001336060 A JP2001336060 A JP 2001336060A JP 2000155310 A JP2000155310 A JP 2000155310A JP 2000155310 A JP2000155310 A JP 2000155310A JP 2001336060 A JP2001336060 A JP 2001336060A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fabric
- stitch
- heat
- shrinkable
- tack
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Treatment Of Fiber Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱可塑性布地1と、熱収縮性布地2または熱
収縮性フィルムと、水溶性の糸とを用い加熱処理してギ
ャザリング加工する方法において、より立体的でうねり
のある布地を得るための加工方法の提供。 【解決手段】 熱可塑性繊維またはその繊維を含む布地
と、熱収縮性繊維の布地またはフィルムとを重ね合わせ
て、第1のステッチを水溶性の糸で掛け、その隣り合う
第1のステッチ間をタック状に折り返して、その折り返
し部分に第2のステッチを水溶性の糸で掛ける。そして
縫製された布地を加熱処理し、次いで水溶性の糸を溶解
して、熱収縮性布地またはフィルムを剥離する。
収縮性フィルムと、水溶性の糸とを用い加熱処理してギ
ャザリング加工する方法において、より立体的でうねり
のある布地を得るための加工方法の提供。 【解決手段】 熱可塑性繊維またはその繊維を含む布地
と、熱収縮性繊維の布地またはフィルムとを重ね合わせ
て、第1のステッチを水溶性の糸で掛け、その隣り合う
第1のステッチ間をタック状に折り返して、その折り返
し部分に第2のステッチを水溶性の糸で掛ける。そして
縫製された布地を加熱処理し、次いで水溶性の糸を溶解
して、熱収縮性布地またはフィルムを剥離する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性繊維の布
地と熱収縮性繊維の布地とを重ね合わせ、水溶性の糸で
多数の平行なステッチを掛けて縫製し、加熱処理した後
に水溶性糸を溶解することにより、布地表面に多数の凹
凸部が生ずる皺を形成する布地のギャザリング加工方法
に関する。
地と熱収縮性繊維の布地とを重ね合わせ、水溶性の糸で
多数の平行なステッチを掛けて縫製し、加熱処理した後
に水溶性糸を溶解することにより、布地表面に多数の凹
凸部が生ずる皺を形成する布地のギャザリング加工方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性布地と熱収縮性布地とを重ね合
わせ、水溶性の糸でステッチを掛け、加熱処理した後に
水溶性糸を溶解し、熱収縮性布地を分離して、布地にギ
ャザリング加工する方法は、既に、特開平10−168
747号の「グラフィックプリーツの作製方法」その他
として知られている。この「グラフィックプリーツの作
製方法」は、熱収縮性を有するシートに、熱可塑性を有
する生地あるいは半製品を重ね合わせて積層体とし、そ
の積層体を水溶性の糸により所望のパターンに縫製し、
縫製がなされた積層体を加熱し、次いで湯浴を行い、水
溶性の糸を溶解し、熱収縮性を有するシートと熱可塑性
を有する生地あるいは半製品とを剥離し、乾燥させたも
のである。そしてその布地表面に多数の凹凸の皺を形成
させたものである。
わせ、水溶性の糸でステッチを掛け、加熱処理した後に
水溶性糸を溶解し、熱収縮性布地を分離して、布地にギ
ャザリング加工する方法は、既に、特開平10−168
747号の「グラフィックプリーツの作製方法」その他
として知られている。この「グラフィックプリーツの作
製方法」は、熱収縮性を有するシートに、熱可塑性を有
する生地あるいは半製品を重ね合わせて積層体とし、そ
の積層体を水溶性の糸により所望のパターンに縫製し、
縫製がなされた積層体を加熱し、次いで湯浴を行い、水
溶性の糸を溶解し、熱収縮性を有するシートと熱可塑性
を有する生地あるいは半製品とを剥離し、乾燥させたも
のである。そしてその布地表面に多数の凹凸の皺を形成
させたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の布地のギャザリ
ング加工方法は、平面的に一定の皺を形成するものであ
って、その凹凸の皺部分も比較的粗いものであり、変化
に欠けていた。そこで、本発明者は各種実験研究の結
果、水溶性糸によるステッチが掛け易く且つ、布地に波
状のうねりを形成すると共に、そのうねりの表面に多数
の凹凸の皺を形成して、より立体的で弾性にとんだギャ
ザリングが形成される方法を実証し、それに基づいて本
発明を完成したものである。
ング加工方法は、平面的に一定の皺を形成するものであ
って、その凹凸の皺部分も比較的粗いものであり、変化
に欠けていた。そこで、本発明者は各種実験研究の結
果、水溶性糸によるステッチが掛け易く且つ、布地に波
状のうねりを形成すると共に、そのうねりの表面に多数
の凹凸の皺を形成して、より立体的で弾性にとんだギャ
ザリングが形成される方法を実証し、それに基づいて本
発明を完成したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、熱可塑性繊維またはその繊維を含む布地と、熱収縮
性繊維の布地またはフィルムとを重ね合わせて、互いに
離間した位置に水溶性の糸で多数の第1のステッチを掛
けて縫製する工程と、次いで、その隣り合う第1のステ
ッチ間をタック状に折り返して、その折り返し部分に水
溶性の糸で第2のステッチを掛ける工程と、次いで、前
記熱収縮性布地またはフィルムが収縮するように、縫製
された布地を加熱処理し、その収縮に伴い前記熱可塑性
布地を変形して布地に波状のうねりを形成すると共に、
そのうねり上に多数の凹凸部を形成する工程と、次い
で、前記水溶性の糸を溶解し、前記熱収縮性布地または
フィルムを取り外す工程と、を具備する布地のギャザリ
ング加工方法である。
は、熱可塑性繊維またはその繊維を含む布地と、熱収縮
性繊維の布地またはフィルムとを重ね合わせて、互いに
離間した位置に水溶性の糸で多数の第1のステッチを掛
けて縫製する工程と、次いで、その隣り合う第1のステ
ッチ間をタック状に折り返して、その折り返し部分に水
溶性の糸で第2のステッチを掛ける工程と、次いで、前
記熱収縮性布地またはフィルムが収縮するように、縫製
された布地を加熱処理し、その収縮に伴い前記熱可塑性
布地を変形して布地に波状のうねりを形成すると共に、
そのうねり上に多数の凹凸部を形成する工程と、次い
で、前記水溶性の糸を溶解し、前記熱収縮性布地または
フィルムを取り外す工程と、を具備する布地のギャザリ
ング加工方法である。
【0005】請求項2に記載の本発明は、請求項1にお
いて、前記タック状の折り返し部の、根元および/また
は中間部に前記第2にステッチを掛ける工程を有する布
地のギャザリング加工方法である。請求項3に記載の本
発明は、請求項1または請求項2において、前記タック
状の折り返し部の、頂部に前記第2のステッチをジグザ
グな鋸刃状にまたは、かがり縫い状に掛ける工程を有す
る布地のギャザリング加工方法である。請求項4に記載
の本発明は、請求項1において、前記タック状の折り返
し部分を、それ以外の部分に重ね合わせ、その重ね合わ
せ状態で、それらを針が貫通するように前記第2のステ
ッチを掛ける工程を有する布地のギャザリング加工方法
である。
いて、前記タック状の折り返し部の、根元および/また
は中間部に前記第2にステッチを掛ける工程を有する布
地のギャザリング加工方法である。請求項3に記載の本
発明は、請求項1または請求項2において、前記タック
状の折り返し部の、頂部に前記第2のステッチをジグザ
グな鋸刃状にまたは、かがり縫い状に掛ける工程を有す
る布地のギャザリング加工方法である。請求項4に記載
の本発明は、請求項1において、前記タック状の折り返
し部分を、それ以外の部分に重ね合わせ、その重ね合わ
せ状態で、それらを針が貫通するように前記第2のステ
ッチを掛ける工程を有する布地のギャザリング加工方法
である。
【0006】請求項5に記載の本発明は、請求項4にお
いて、夫々の前記タック状の折り返し部分を、それ以外
の部分に同一方向に重ね合わせて、前記第2のステッチ
を掛ける工程を有する布地のギャザリング加工方法であ
る。請求項6に記載の本発明は、請求項4において、隣
り合う一対の前記タック状の折り返し部分を、それ以外
の部分に逆向きに重ね合わせて、前記第2のステッチを
掛ける工程を有する布地のギャザリング加工方法であ
る。請求項7に記載の本発明は、請求項1〜請求項6の
何れかにおいて、前記タック状の折り返し部が、重ね合
わせた状態の表面側と裏面側とに交互に配置されるよう
にした布地のギャザリング加工方法である。
いて、夫々の前記タック状の折り返し部分を、それ以外
の部分に同一方向に重ね合わせて、前記第2のステッチ
を掛ける工程を有する布地のギャザリング加工方法であ
る。請求項6に記載の本発明は、請求項4において、隣
り合う一対の前記タック状の折り返し部分を、それ以外
の部分に逆向きに重ね合わせて、前記第2のステッチを
掛ける工程を有する布地のギャザリング加工方法であ
る。請求項7に記載の本発明は、請求項1〜請求項6の
何れかにおいて、前記タック状の折り返し部が、重ね合
わせた状態の表面側と裏面側とに交互に配置されるよう
にした布地のギャザリング加工方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、図面に基づいて本発明の各
実施の形態につき説明する。図1及び図2は本発明の第
1の実施の形態の加工方法で、その第1工程及び第2工
程を示す斜視略図であり、図3は次いでそれを加熱処理
してギャザリング加工された後の布地の平面略図であ
り、図4は図3をIV−IV矢視方向から見た横断面の一部
略図であり、図5は図3の部分拡大略図である。この例
では、ポリエステル等の熱可塑性繊維からなる2枚の熱
可塑性布地1と、ポリ塩化ビニール等の繊維からなる熱
収縮性布地2あるいは同材質からなるフィルムを図1の
如く重ね合わせ、それら3枚を針が貫通するように水溶
性の糸で多数の第1のステッチ3を互いに平行に掛けて
縫製する。水溶性の糸の一例として、ポリビニールアル
コールよりなる糸・商品名ニチビソルブロン(儘田産業
製)を用いることができる。なお、熱収縮性布地のポリ
塩化ビニール系合成繊維の一例として商品名デビロン
(テイジン社製)を用いることができる。
実施の形態につき説明する。図1及び図2は本発明の第
1の実施の形態の加工方法で、その第1工程及び第2工
程を示す斜視略図であり、図3は次いでそれを加熱処理
してギャザリング加工された後の布地の平面略図であ
り、図4は図3をIV−IV矢視方向から見た横断面の一部
略図であり、図5は図3の部分拡大略図である。この例
では、ポリエステル等の熱可塑性繊維からなる2枚の熱
可塑性布地1と、ポリ塩化ビニール等の繊維からなる熱
収縮性布地2あるいは同材質からなるフィルムを図1の
如く重ね合わせ、それら3枚を針が貫通するように水溶
性の糸で多数の第1のステッチ3を互いに平行に掛けて
縫製する。水溶性の糸の一例として、ポリビニールアル
コールよりなる糸・商品名ニチビソルブロン(儘田産業
製)を用いることができる。なお、熱収縮性布地のポリ
塩化ビニール系合成繊維の一例として商品名デビロン
(テイジン社製)を用いることができる。
【0008】次いで図2に示す如く、隣り合う第1のス
テッチ3間をタック状に折り返して、その折り返しの根
元部に水溶性の糸で第2のステッチ4を掛けて縫製す
る。なお、第1のステッチは図1のように等間隔に掛け
る代わりに、不等間隔に掛けてもよい。さらには、二本
の第1のステッチを極めて狭い間隔で掛けて一組とし、
隣り合う組の間隔を広くしてもよい。その場合には、そ
の間隔の広い中央位置をタック状に折り返し、その折り
返し部に前記第2のステッチを掛ければよい。
テッチ3間をタック状に折り返して、その折り返しの根
元部に水溶性の糸で第2のステッチ4を掛けて縫製す
る。なお、第1のステッチは図1のように等間隔に掛け
る代わりに、不等間隔に掛けてもよい。さらには、二本
の第1のステッチを極めて狭い間隔で掛けて一組とし、
隣り合う組の間隔を広くしてもよい。その場合には、そ
の間隔の広い中央位置をタック状に折り返し、その折り
返し部に前記第2のステッチを掛ければよい。
【0009】次いで図2の状態で加熱処理し、熱収縮性
繊維またはフィルムの熱収縮性布地2を収縮させ、その
収縮に伴い熱可塑性布地1を変形して布地に波状のうね
りを形成すると共に、そのうねりの表面に多数の凹凸が
生じる皺を形成する。その加熱処理温度として170℃
〜200℃程度に加熱板等によって加熱することができ
る。次いで湯浴を行い、水溶性の糸を溶解し、熱可塑性
布地1と熱収縮性布地2とを分離し、乾燥させて本発明
の布地を完成する。このとき、水溶性の糸は一例として
70℃程度に加熱した湯で溶解させることができる。な
お、この例では隣り合う折り返し部5が各布地の表面側
と裏面側とに交互に突出するように形成した。この例に
代えて、折り返し部5を2つおきに布地の表面側と裏面
側とに形成してもよい。さらには、表面側に2つ、裏面
側に1つのサイクルで折り返し部5を形成してもよい。
勿論、布地の表面側のみに折り返し部を形成してもよ
い。
繊維またはフィルムの熱収縮性布地2を収縮させ、その
収縮に伴い熱可塑性布地1を変形して布地に波状のうね
りを形成すると共に、そのうねりの表面に多数の凹凸が
生じる皺を形成する。その加熱処理温度として170℃
〜200℃程度に加熱板等によって加熱することができ
る。次いで湯浴を行い、水溶性の糸を溶解し、熱可塑性
布地1と熱収縮性布地2とを分離し、乾燥させて本発明
の布地を完成する。このとき、水溶性の糸は一例として
70℃程度に加熱した湯で溶解させることができる。な
お、この例では隣り合う折り返し部5が各布地の表面側
と裏面側とに交互に突出するように形成した。この例に
代えて、折り返し部5を2つおきに布地の表面側と裏面
側とに形成してもよい。さらには、表面側に2つ、裏面
側に1つのサイクルで折り返し部5を形成してもよい。
勿論、布地の表面側のみに折り返し部を形成してもよ
い。
【0010】図2に示す第1のステッチ3,第2のステ
ッチ4を掛けた後に、加熱処理し完成した本製品は、図
4に示す如く布地が全体として表面側と裏面側に大きな
波状にうねり、その稜線部6,谷部7及びそれらの間の
全てが絞り加工による複雑な凹凸面を形成する。図4の
稜線部6の近傍に形成される上部の第1のクビレ8は、
図2において表面側に突出する折り返し部5の根元部の
第2のステッチ4によって形成される。そして中間部の
第2のクビレ9は第1のステッチ3により形成され、下
部の第3のクビレ10は裏面側に折り返される折り返し部
5の根元部の第2のステッチ4によって形成される。即
ち、それらの第1のステッチ3,第2のステッチ4によ
って、熱収縮性布地2と熱可塑性布地1とがより強く一
体化された状態で熱収縮性布地2が収縮し、その第1の
ステッチ3,第2のステッチ4部分は加熱処理により、
より強く絞り加工されるのである。
ッチ4を掛けた後に、加熱処理し完成した本製品は、図
4に示す如く布地が全体として表面側と裏面側に大きな
波状にうねり、その稜線部6,谷部7及びそれらの間の
全てが絞り加工による複雑な凹凸面を形成する。図4の
稜線部6の近傍に形成される上部の第1のクビレ8は、
図2において表面側に突出する折り返し部5の根元部の
第2のステッチ4によって形成される。そして中間部の
第2のクビレ9は第1のステッチ3により形成され、下
部の第3のクビレ10は裏面側に折り返される折り返し部
5の根元部の第2のステッチ4によって形成される。即
ち、それらの第1のステッチ3,第2のステッチ4によ
って、熱収縮性布地2と熱可塑性布地1とがより強く一
体化された状態で熱収縮性布地2が収縮し、その第1の
ステッチ3,第2のステッチ4部分は加熱処理により、
より強く絞り加工されるのである。
【0011】次に、図6〜図9は本発明の第2の実施の
形態の加工方法を示し、図6はその第1工程を図7は第
2工程を示し、図8はその後の加熱処理によって完成し
た本発明の布地の平面状態を示し、図9はその断面状態
を示す。この例が前記第1の実施の形態と異なる点は、
夫々表面側及び裏面側に折り返された折り返し部5の頂
部にも第2のステッチ4aを形成したものである。即
ち、先ず図6の如く多数の第1のステッチ3を互いに平
行に縫製した後に、各第1のステッチ3間を折り返して
折り返し部5を形成し、その折り返し部5の根元部及び
頂部に、その折り返しの稜線部6に平行に第2のステッ
チ4,4aを形成したものである。そして前記同様に加
熱処理し、水溶性の糸を溶解し、熱収縮性布地2を分離
した後に乾燥し、図8及び図9に示す布地を完成する。
この例では、折り返し部5の頂部に沿って第2のステッ
チ4aを形成したため、図9の如く稜線部6の頂部が強
く絞られ、その稜線部6が明瞭に細い線状に形成される
と共に、そこが強く絞られて、稜線部がシヤープに突出
されているものである。同様に谷部7部分も強く絞ら
れ、裏面側に細くシャープに突出する。
形態の加工方法を示し、図6はその第1工程を図7は第
2工程を示し、図8はその後の加熱処理によって完成し
た本発明の布地の平面状態を示し、図9はその断面状態
を示す。この例が前記第1の実施の形態と異なる点は、
夫々表面側及び裏面側に折り返された折り返し部5の頂
部にも第2のステッチ4aを形成したものである。即
ち、先ず図6の如く多数の第1のステッチ3を互いに平
行に縫製した後に、各第1のステッチ3間を折り返して
折り返し部5を形成し、その折り返し部5の根元部及び
頂部に、その折り返しの稜線部6に平行に第2のステッ
チ4,4aを形成したものである。そして前記同様に加
熱処理し、水溶性の糸を溶解し、熱収縮性布地2を分離
した後に乾燥し、図8及び図9に示す布地を完成する。
この例では、折り返し部5の頂部に沿って第2のステッ
チ4aを形成したため、図9の如く稜線部6の頂部が強
く絞られ、その稜線部6が明瞭に細い線状に形成される
と共に、そこが強く絞られて、稜線部がシヤープに突出
されているものである。同様に谷部7部分も強く絞ら
れ、裏面側に細くシャープに突出する。
【0012】次に、図10〜図13は本発明の第3の実
施の形態の加工方法を示し、この例が前記第1の実施の
形態と異なる点は、各折り返し部5の根元部に形成した
第2のステッチ4に加え、折り返し部5の頂部にジグザ
グ状の第2のステッチ4aを形成したことである。この
ようにジグザグ状の第2のステッチ4aを形成すること
により、頂部における熱可塑性布地1と熱収縮性布地2
との一体的部分の幅がより広がり、加熱処理に伴う熱収
縮によってその部分がより強く絞られ、図12及び図1
3の如く形成される。次に、図14〜図16は本発明の
第4の実施の形態の加工方法を示し、この例では前記第
3の実施の形態の折り返し部5の頂部のジグザグ状の縫
製に代えて、図14に示す如く、かがり縫い状に折り返
し部5の頂部を縫製したものである。この場合には、図
15及び図16から明らかな如く、それに対応する図1
2及び図13に比べて稜線部6及び谷部7の絞り皺が比
較的やわらかく形成されている。これは、ががり縫いの
方がジクザグ縫いよりも熱可塑性布地1と熱収縮性布地
2との一体性が弱いことに基づく。
施の形態の加工方法を示し、この例が前記第1の実施の
形態と異なる点は、各折り返し部5の根元部に形成した
第2のステッチ4に加え、折り返し部5の頂部にジグザ
グ状の第2のステッチ4aを形成したことである。この
ようにジグザグ状の第2のステッチ4aを形成すること
により、頂部における熱可塑性布地1と熱収縮性布地2
との一体的部分の幅がより広がり、加熱処理に伴う熱収
縮によってその部分がより強く絞られ、図12及び図1
3の如く形成される。次に、図14〜図16は本発明の
第4の実施の形態の加工方法を示し、この例では前記第
3の実施の形態の折り返し部5の頂部のジグザグ状の縫
製に代えて、図14に示す如く、かがり縫い状に折り返
し部5の頂部を縫製したものである。この場合には、図
15及び図16から明らかな如く、それに対応する図1
2及び図13に比べて稜線部6及び谷部7の絞り皺が比
較的やわらかく形成されている。これは、ががり縫いの
方がジクザグ縫いよりも熱可塑性布地1と熱収縮性布地
2との一体性が弱いことに基づく。
【0013】次に、図17〜図21は本発明の第5の実
施の形態の加工方法を示し、この例では図17の如く熱
可塑性布地1と熱収縮性布地2とを重ね合わせた後に、
多数の第1のステッチ3を平行に掛けて縫製し、次いで
図18の如く各第1のステッチ3の中間部が頂部となる
ように折り返して倒し、その折り返し断面がS字状に形
成されると共に、3つの第1のステッチ3が整合して重
なるように位置する。次いで、図19の如く3つの部分
に針が貫通するようにして、折り返し部5の頂部及び根
元部に図19の如く第2のステッチ4,4aを掛け縫製
する。これらの糸は全て水溶性の糸を用いる。次いで加
熱処理した後に、水溶性の糸を溶解し、熱収縮性布地2
を取り外して乾燥することにより、図20及び図21の
布地を完成する。この布地はその横断面が図21に示す
如く、布地が図19において折り返された状態で完成す
る。これは3層に折り重ねた状態で、全体に第2のステ
ッチ4,4aを掛けて加熱処理をしたため、その状態を
保ったまま収縮して縮み加工されたものである。そのた
め、折り返し部は斜めに倒れた状態で形成され、その表
面ではその折り返し頂部及び中間部に強い絞り加工が形
成され、独特の美観を呈する。
施の形態の加工方法を示し、この例では図17の如く熱
可塑性布地1と熱収縮性布地2とを重ね合わせた後に、
多数の第1のステッチ3を平行に掛けて縫製し、次いで
図18の如く各第1のステッチ3の中間部が頂部となる
ように折り返して倒し、その折り返し断面がS字状に形
成されると共に、3つの第1のステッチ3が整合して重
なるように位置する。次いで、図19の如く3つの部分
に針が貫通するようにして、折り返し部5の頂部及び根
元部に図19の如く第2のステッチ4,4aを掛け縫製
する。これらの糸は全て水溶性の糸を用いる。次いで加
熱処理した後に、水溶性の糸を溶解し、熱収縮性布地2
を取り外して乾燥することにより、図20及び図21の
布地を完成する。この布地はその横断面が図21に示す
如く、布地が図19において折り返された状態で完成す
る。これは3層に折り重ねた状態で、全体に第2のステ
ッチ4,4aを掛けて加熱処理をしたため、その状態を
保ったまま収縮して縮み加工されたものである。そのた
め、折り返し部は斜めに倒れた状態で形成され、その表
面ではその折り返し頂部及び中間部に強い絞り加工が形
成され、独特の美観を呈する。
【0014】次に、図22〜図26は本発明の第6の実
施の形態の加工方法を示し、図22はその加工方法の第
1工程を示し、図23はその第2工程、図24は同第3
工程を示す。そして図25及び図26は、その後加熱処
理して本発明の加工方法により完成した布地の平面図及
び断面図である。この例が前記図17〜図21に示す第
5の実施の形態と異なる点は、隣り合うS字状の折り返
し部5の重なりが、互いに逆向きに折り返されて重ね合
わされものである。このように縫製された後に加熱処理
し、本加工方法によって完成した布地は、図25及び図
26に示す如く形成され、その断面は偏平なΩ状部分が
並列した形状をなし、極めて斬新なギャザリング加工面
となる。
施の形態の加工方法を示し、図22はその加工方法の第
1工程を示し、図23はその第2工程、図24は同第3
工程を示す。そして図25及び図26は、その後加熱処
理して本発明の加工方法により完成した布地の平面図及
び断面図である。この例が前記図17〜図21に示す第
5の実施の形態と異なる点は、隣り合うS字状の折り返
し部5の重なりが、互いに逆向きに折り返されて重ね合
わされものである。このように縫製された後に加熱処理
し、本加工方法によって完成した布地は、図25及び図
26に示す如く形成され、その断面は偏平なΩ状部分が
並列した形状をなし、極めて斬新なギャザリング加工面
となる。
【0015】なお、熱収縮性布地2の一例としてポリ塩
化ビニール系合成繊維よりなる布地を使用する代わり
に、熱収縮性のセロハン状のシートや不織布を使用する
こともできる。比較的薄い熱可塑性布地に対しては、薄
いセロハン状シートを重ね合わせることで足りるからで
ある。また、熱収縮性布地2はその縦糸と横糸とで熱に
よる収縮率の異なるものを使用することもできる。
化ビニール系合成繊維よりなる布地を使用する代わり
に、熱収縮性のセロハン状のシートや不織布を使用する
こともできる。比較的薄い熱可塑性布地に対しては、薄
いセロハン状シートを重ね合わせることで足りるからで
ある。また、熱収縮性布地2はその縦糸と横糸とで熱に
よる収縮率の異なるものを使用することもできる。
【0016】
【発明の作用・効果】本発明の布地のギャザリング加工
方法によれば、第1のステッチ間をタック状に折り返し
て、その折り返し部分に第2のステッチが掛けられ、そ
の後に加熱処理される。そのため、折り返し部の第2の
ステッチと平面部の第1のステッチとの相互作用によ
り、立体的に熱可塑性布地が変形して、振幅が大きく、
周期の短い波状のうねりの強い布地が形成されると共
に、そのうねりの稜線方向により強い凹凸した多数の皺
が形成され、視覚的に弾性に富んだ布地となる。即ち、
うねりの斜面の上部、下部および中央部に、夫々強い皺
が生じる。また、平面的に重ね合わされた熱可塑性繊維
またはその繊維を含む布地と熱収縮性繊維の布地または
フィルムとに、第1のステッチが掛けられた後に、各第
1のステッチ間をタック状に折り返して第2のステッチ
を掛けるものであるから、各工程における縫製が容易で
量産性の高い布地のギャザリング加工方法となる。
方法によれば、第1のステッチ間をタック状に折り返し
て、その折り返し部分に第2のステッチが掛けられ、そ
の後に加熱処理される。そのため、折り返し部の第2の
ステッチと平面部の第1のステッチとの相互作用によ
り、立体的に熱可塑性布地が変形して、振幅が大きく、
周期の短い波状のうねりの強い布地が形成されると共
に、そのうねりの稜線方向により強い凹凸した多数の皺
が形成され、視覚的に弾性に富んだ布地となる。即ち、
うねりの斜面の上部、下部および中央部に、夫々強い皺
が生じる。また、平面的に重ね合わされた熱可塑性繊維
またはその繊維を含む布地と熱収縮性繊維の布地または
フィルムとに、第1のステッチが掛けられた後に、各第
1のステッチ間をタック状に折り返して第2のステッチ
を掛けるものであるから、各工程における縫製が容易で
量産性の高い布地のギャザリング加工方法となる。
【0017】次に、タック状の折り返し部の根元部に第
2のステッチを掛ける場合は、うねりの頂部近傍に、稜
線方向により大きめの皺が形成される。また、タック状
の折り返し部の頂部に第2のステッチをジグザグ状に或
いはかがり縫い状に形成する場合には、波状のうねりの
頂部に比較的シャープな稜線が立ち上げられる。さら
に、夫々のタック状の折り返し部分を、それ以外の部分
に同一方向に重ね合わせて、第2のステッチをそれら全
体に掛ける場合には、折り返し部が平面的に重なった状
態で収縮し且つ、その表面に多数の凹凸の皺が形成さ
れ、斬新なデザインの布地が形成される。さらには、隣
り合う一対のタック状の折り返し部分を、それ以外の部
分に逆向きに重ね合わしたものでは、加熱処理によりそ
の状態で収縮がおこり特異な偏平なΩ形断面を形成し、
その表面に多数の凹凸した皺が形成され、さらに斬新な
デザインの布地となる。また、タック状の折り返し部を
布地の表面側と裏面側とに交互に配置したものは、布地
全体の波の振幅が大きくなり布地の厚み方向に深いギャ
ザーを形成できる。
2のステッチを掛ける場合は、うねりの頂部近傍に、稜
線方向により大きめの皺が形成される。また、タック状
の折り返し部の頂部に第2のステッチをジグザグ状に或
いはかがり縫い状に形成する場合には、波状のうねりの
頂部に比較的シャープな稜線が立ち上げられる。さら
に、夫々のタック状の折り返し部分を、それ以外の部分
に同一方向に重ね合わせて、第2のステッチをそれら全
体に掛ける場合には、折り返し部が平面的に重なった状
態で収縮し且つ、その表面に多数の凹凸の皺が形成さ
れ、斬新なデザインの布地が形成される。さらには、隣
り合う一対のタック状の折り返し部分を、それ以外の部
分に逆向きに重ね合わしたものでは、加熱処理によりそ
の状態で収縮がおこり特異な偏平なΩ形断面を形成し、
その表面に多数の凹凸した皺が形成され、さらに斬新な
デザインの布地となる。また、タック状の折り返し部を
布地の表面側と裏面側とに交互に配置したものは、布地
全体の波の振幅が大きくなり布地の厚み方向に深いギャ
ザーを形成できる。
【図1】本発明の第1の方法による第1工程の説明図。
【図2】同方法による第2工程の説明図。
【図3】同方法によって完成した布地の平面図。
【図4】同方法によって完成した布地の断面図。
【図5】同方法によって完成した布地の部分拡大斜視
図。
図。
【図6】本発明の第2の方法による第1工程の説明図。
【図7】同方法による第2工程の説明図。
【図8】同方法によって完成した布地の平面図。
【図9】同方法によって完成した布地の断面図。
【図10】本発明の第3の方法による第1工程の説明
図。
図。
【図11】同方法による第2工程の説明図。
【図12】同方法によって完成した布地の平面図。
【図13】同方法によって完成した布地の断面図。
【図14】本発明の第4の方法による第2工程の説明
図。
図。
【図15】同方法によって完成した布地の平面図。
【図16】同方法によって完成した布地の断面図。
【図17】本発明の第5の方法による第1工程の説明
図。
図。
【図18】同方法による第2工程の説明図。
【図19】同方法による第3工程の説明図。
【図20】同方法によって完成した布地の平面図。
【図21】同方法によって完成した布地の断面図。
【図22】本発明の第6の方法による第1工程の説明
図。
図。
【図23】同方法による第2工程の説明図。
【図24】同方法による第3工程の説明図。
【図25】同方法によって完成した布地の平面図。
【図26】同方法によって完成した布地の断面図。
1 熱可塑性布地 2 熱収縮性布地 3 第1のステッチ 4,4a 第2のステッチ 5 折り返し部 6 稜線部 7 谷部 8 第1のクビレ 9 第2のクビレ 10 第3のクビレ
Claims (7)
- 【請求項1】 熱可塑性繊維またはその繊維を含む布地
と、熱収縮性繊維の布地またはフィルムとを重ね合わせ
て、互いに離間した位置に水溶性の糸で多数の第1のス
テッチを掛けて縫製する工程と、 次いで、その隣り合う第1のステッチ間をタック状に折
り返して、その折り返し部分に水溶性の糸で第2のステ
ッチを掛ける工程と、 次いで、前記熱収縮性布地またはフィルムが収縮するよ
うに、縫製された布地を加熱処理し、その収縮に伴い前
記熱可塑性布地を変形して布地に波状のうねりを形成す
ると共に、そのうねり上に多数の凹凸部を形成する工程
と、 次いで、前記水溶性の糸を溶解し、前記熱収縮性布地ま
たはフィルムを取り外す工程と、 を具備する布地のギャザリング加工方法。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記タック状の折り返し部の、根元および/または中間
部に前記第2のステッチを掛ける工程を有する布地のギ
ャザリング加工方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 前記タック状の折り返し部の、頂部に前記第2のステッ
チをジグザグな鋸刃状にまたは、かがり縫い状に掛ける
工程を有する布地のギャザリング加工方法。 - 【請求項4】 請求項1において、 前記タック状の折り返し部分を、それ以外の部分に重ね
合わせ、その重ね合わせ状態で、それらを針が貫通する
ように前記第2のステッチを掛ける工程を有する布地の
ギャザリング加工方法。 - 【請求項5】 請求項4において、 夫々の前記タック状の折り返し部分を、それ以外の部分
に同一方向に重ね合わせて、前記第2のステッチを掛け
る工程を有する布地のギャザリング加工方法。 - 【請求項6】 請求項4において、 隣り合う一対の前記タック状の折り返し部分を、それ以
外の部分に逆向きに重ね合わせて、前記第2のステッチ
を掛ける工程を有する布地のギャザリング加工方法。 - 【請求項7】 請求項1〜請求項6の何れかにおいて、 前記タック状の折り返し部が、重ね合わせた状態の表面
側と裏面側とに交互に配置されるようにした布地のギャ
ザリング加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000155310A JP2001336060A (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | 布地のギャザリング加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000155310A JP2001336060A (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | 布地のギャザリング加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001336060A true JP2001336060A (ja) | 2001-12-07 |
Family
ID=18660276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000155310A Pending JP2001336060A (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | 布地のギャザリング加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001336060A (ja) |
-
2000
- 2000-05-25 JP JP2000155310A patent/JP2001336060A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3049058B1 (ja) | 衣服の布地に凹凸を形成する方法 | |
CN101578412A (zh) | 具有开狭缝基材的缝编织物 | |
JPH08107985A (ja) | 結合毛皮織物及びその製造方法 | |
US4879155A (en) | Pleated cloth and method for producing the same | |
JPS63145461A (ja) | 衣服等に用いられる混成布地の製造方法 | |
JP3108694B1 (ja) | 布地に凹凸を有する衣服およびその衣服のための布地 | |
JP4537947B2 (ja) | 布地の縫製方法 | |
JP3143626B2 (ja) | 布製品のためのプリーツ加工方法 | |
JP2001336060A (ja) | 布地のギャザリング加工方法 | |
JP2711799B2 (ja) | 衣服の製作方法 | |
JP2863911B2 (ja) | エンブロイダリーレース | |
JP3774879B2 (ja) | パイル編み生地、その製造方法及びその縫合方法 | |
JPH10168747A (ja) | グラフィックプリーツの作製方法 | |
JP3979624B2 (ja) | レース状布地の製造方法 | |
JP3022836U (ja) | 細切り毛皮による毛皮生地 | |
KR20180120929A (ko) | 2중 수축 원단의 제조방법 및 상기 제조방법에 의한 원단 | |
JPH01148538A (ja) | 良好な立体感を有する布帛積層体 | |
JPS60252796A (ja) | しわ模様を有する布地の製造方法 | |
JPS5815514Y2 (ja) | 3種類のパイル部分より模様形成した起毛経編地 | |
WO2008050822A1 (fr) | Tissu qui ressemble à la fourrure avec un motif tridimensionnel | |
JP3060707U (ja) | 積層布 | |
JP3296815B1 (ja) | カーテン、襞成型用型紙セットおよび襞の成型方法 | |
JP3025871U (ja) | 化粧用パフ | |
JPH0291260A (ja) | 特殊布帛およびその製造方法 | |
JPH03199474A (ja) | 繊維材料の製造方法 |