JP3022836U - 細切り毛皮による毛皮生地 - Google Patents

細切り毛皮による毛皮生地

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JP3022836U
JP3022836U JP1995006297U JP629795U JP3022836U JP 3022836 U JP3022836 U JP 3022836U JP 1995006297 U JP1995006297 U JP 1995006297U JP 629795 U JP629795 U JP 629795U JP 3022836 U JP3022836 U JP 3022836U
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cloth
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fabric
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Inventor
行雄 吉岡
Original Assignee
株式会社ロザソン
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Abstract

(57)【要約】 【目的】縫製が容易で、しかも使用する毛皮の量を格段
に少なくすることができ、したがって製品コストを大幅
に低減することのできる毛皮生地を提供する。 【構成】布や薄手の皮革よりなる下生地2の表面に、長
手方向が毛3aの流れ方向と直角となるように細切りに
した毛皮3を、毛の面が表で、かつ毛の流れ方向が同一
の向きとなるよう、しかもこの細切り毛皮の毛の流れ方
向の上流側の端縁に沿って、縫糸がこの端縁を跨ぐジグ
ザグ状をなすように縫い付けた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はオーバーコートやショール等の毛皮被服用の生地に用いられる毛皮生 地に関し、より詳しくは細切りにした毛皮を布等の下生地に縫い付けてなる毛皮 生地に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、細切り毛皮を布等の毛皮以外の生地と縫い合わせた毛皮生地や、毛皮以 外の生地に縫い付けたりした毛皮生地等がある。 細切り毛皮を布等の毛皮以外の生地と縫い合わせた従来の毛皮生地は、図5〜 7に示すように、毛の流れ方向が長手方向に対してほぼ直角となるように細切り にした毛皮21(幅4mm程度)と皮革や厚手の布テープ等の毛皮以外の生地よ りなる細長い生地22(幅4〜10mm程度)とが平行でしかも交互となるよう に縫い合わせてあって、このような従来の毛皮生地では、細切り毛皮21と生地 22の長辺にそれぞれ縫い代23a、23b(それぞれ幅Dが0.5mm程度) をとって、これらの縫い代を下方(毛皮生地の裏側)に折り曲げて縫い代に沿っ てミシン等により縫糸24を螺旋状に巻き付けるように、しかも毛皮21と生地 22との間に隙間があくことのないよう針目の間隔を密にして縫い合わせてある 。
【0003】 また、細切り毛皮を毛皮以外の生地に縫い付けた従来の毛皮生地は、図8に示 すように、毛の流れ方向が長手方向となるように細切りにした毛皮31(幅3m m程度)を布や薄手の皮革等の下生地32の表に所定の間隔(3mm程度)をあ けて毛の流れが同一方向となるようにして平行に並べ、縫糸33が毛皮31を跨 ぐようにミシン等で毛皮を下生地32に縫い付けてある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上述した従来の毛皮生地のうち、前者の、細切り毛皮と毛皮以外の生地とを縫 い合わせた毛皮生地では次のような問題点がある。 (a) 毛皮21の長辺に縫い代23aをとらなければならないので、この縫い代分 の毛皮の使用量が多くなる。 (b) 毛皮の毛で毛皮以外の生地の部分(毛のない部分)を隠すようにしてあるの で、毛皮には長手方向が毛の流れ方向と直角となるように細切りにしたものを 使用するが、毛の流れ方向と直角に細切りにした毛皮は伸縮し易く、毛皮と生 地との間があかないように針目の間隔を細かく縫製するのが困難で、しかもこ の伸縮により毛皮生地にしわ等が生じ易い。
【0005】 また、上述した従来の毛皮生地のうち、後者の、細切り毛皮を毛皮以外の生地 に縫い付けた毛皮生地では、毛皮の毛の面が全て毛皮生地の表面に現れるので、 前者の毛皮生地の前記(a) のように毛皮が無駄になるというような問題は生じず 、また、毛皮の毛の流れ方向が長手方向となるように細切りにした毛皮を使用す るので、毛皮が伸縮しにくく、前者の毛皮生地の前記(b) のように縫製が困難で しわ等が生じ易いという問題も生じない。 しかし、後者の毛皮生地では毛皮の毛の流れが細切り毛皮の長手方向と同じな ので、毛皮間の下生地が現れる部分(毛のない部分)を充分に隠すことができず 、したがって、細切り毛皮の間隔をさほど広くとれず、毛皮の使用量をあまり少 なくすることができない。
【0006】 上述した従来の毛皮生地のほかに、長手方向が毛の流れに対して直角となるよ うに細切りにした毛皮を直線縫いにより布等の下生地へ縫い付けた毛皮生地も考 えられるが、直線縫いにすると縫糸と毛皮の間に挟まれて起毛できない毛が多く なり、毛皮生地の商品価値が低下するとともに、幅の狭い細切り毛皮を直線縫い するには高度の縫製技術を要するという問題もある。
【0007】 本考案は、縫製が容易で、しかも使用する毛皮の量を格段に少なくすることが でき、したがって製品コストを大幅に低減することのできる毛皮生地を提供する ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本考案に係る細切り毛皮による毛皮生地は布 や薄手の皮革よりなる下生地の表面に、長手方向が毛の流れ方向と直角となるよ うに細切りにした毛皮を、毛の面が表で、かつ毛の流れ方向が同一の向きとなる よう、しかもこの細切り毛皮の毛の流れ方向の上流側の端縁に沿って、縫糸がこ の端縁を跨ぐジグザグ状をなすように縫い付けたものとしてある。
【0009】
【実施例】
以下、本考案に係る細切り毛皮による毛皮生地の具体例を図1〜3に基づいて 詳細に説明する。 毛皮生地1は布地や薄手の皮革よりなる下生地2の表面に、長手方向が毛の流 れ方向をほぼ直角となるように細切りにした毛皮3を所定の間隔をあけて平行に 縫い付けたものとしてある。
【0010】 本考案の毛皮生地1では、細切り毛皮3は次のようにして下生地2に縫い付け られている。 細切り毛皮3は、その毛3aの流れの上流側の端縁を下生地2に縫い付けられ ており、縫糸4が細切り毛皮の端縁を跨ぐよう下生地2と毛皮3を交互に通され てジグザグ状をなすように縫い付けられている。
【0011】 毛皮3どうしの間隔は、毛皮の毛3aの長さに応じて適宜決めるが、例えば毛 の長さが3cm程度のミンク毛皮であれば毛皮3どうしの間隔を10〜20mm 程度にするのが好適である。
【0012】 縫糸4の振り幅Aは細切り毛皮の幅Bが例えば3〜10mmの場合3〜5mm 程度が好適で、縫目のピッチCは4〜8mm程度が望ましい。 このピッチCを大きく取り過ぎると、縫糸4が毛皮3上に掛かる部分の長さが 大となり、この縫糸4と毛皮3の間に毛3aを挟み込んで倒してしまう部分が大 となり、ブラッシング等による起毛に手間が掛かってしまう。
【0013】 このように、縫糸4がジグザグ状となるようにして細切り毛皮3を下生地2へ 縫い付けると、縫糸4が毛皮3上を連続して通るのではなく、縫糸が毛皮上と下 生地2上を交互に行き来するので、毛皮上を通る縫糸の長さが直線縫いをする場 合に比べて小となり、縫糸4と毛皮3の間に挟まれる毛3aの数が少なくて済み 、縫糸と毛皮の間に毛が挟まれても縫製後のブラッシング等により容易に起毛す ることができる。
【0014】 上述のように構成した本考案に係る毛皮生地は、例えば図4に示すようにオー バーコート用の前身頃パーツ5のように毛皮被服の所要のパーツ型に合わせて裁 断して使用する。
【0015】 なお、添付図1〜3においては下生地2や縫糸4等の構成要素を明示するため に便宜上、毛3aの長さを短く、しかも疎にして示しているが、実際の毛皮生地 では毛3aは図示したものよりも長く、密であり、下生地2や縫糸4等の構成要 素は毛に隠れて見えない。
【0016】
【考案の効果】
本考案に係る毛皮生地は上述した構成のものとしてあるので、次の効果を奏し 得る。 細切り毛皮を下生地に縫い付けてあるので、毛皮生地を引っ張ったりした際の 力は主に下生地に掛かって細切り毛皮の縫糸には殆ど掛からず、縫糸の針目を細 かく縫わなくても充分に縫製強度を得ることができ、縫製に手間が掛からず高度 な縫製技術を要しない。
【0017】 また、毛皮を縫い付ける際の縫い代が不要なので、毛皮の毛が全て毛皮生地の 表に現れ、しかも毛の流れが毛皮の長手方向に対して直角となるようにしてある ので、下生地が現れる部分(毛のない部分)を毛が充分に覆い、毛皮どうしの間 隔を毛の長さに応じて広くとることができ、毛皮の使用量を少なくすることがで きる。 したがって、製造コストを格段に低減することができて、低価格の毛皮生地を 提供することができる。
【0018】 また、毛皮を縫い付けている縫糸の針目を密にする必要がなく、毛皮が伸縮し ても伸縮によるずれを針目間で充分に吸収できるので、毛皮生地にしわ等が生じ にくく、しかも縫糸と毛皮の間に毛が挟まれてもブラッシング等により容易に起 毛することができ、毛皮生地の商品価値を損ねることがない。
【0019】 さらに、細切り毛皮を使用するので、毛の色が異なる細切り毛皮を交互に並べ ることにより生地に縞模様や中間色が現れるようにしたり、毛の色の濃さが異な る同系色の細切り毛皮を色の濃さの順に並べてグラデーションを掛けるようにし たりすることができ、毛皮被服に使用した場合、毛皮被服のデザインに合わせた 多様な色や模様の毛皮生地とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る毛皮生地の実施例を示す平面図。
【図2】図1の要部を拡大して示す平面図。
【図3】図2のIII-III 線縦断面図。
【図4】本考案に係る毛皮生地を使用したオーバーコー
トのパーツの具体例を示す平面図。
【図5】従来の細切り毛皮による毛皮生地の一例を示す
平面図。
【図6】図5の要部を拡大して示す縦断正面図。
【図7】図6のVII-VII 線縦断面図。
【図8】従来の細切り毛皮による毛皮生地の他の例を示
す平面図。
【符号の説明】
1 毛皮生地 2 下生地 3 細切り毛皮 3a 毛 4 縫糸 5 毛皮被服のパーツ(前身頃)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】布や薄手の皮革よりなる下生地の表面に、
    長手方向が毛の流れ方向と直角となるように細切りにし
    た毛皮を、毛の面が表で、かつ毛の流れ方向が同一の向
    きとなるよう、しかもこの細切り毛皮の毛の流れ方向の
    上流側の端縁に沿って、縫糸がこの端縁を跨ぐジグザグ
    状をなすように縫い付けてなる細切り毛皮による毛皮生
    地。
JP1995006297U 1995-05-31 1995-05-31 細切り毛皮による毛皮生地 Expired - Lifetime JP3022836U (ja)

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