JP2001335788A - トラクションドライブ用流体 - Google Patents

トラクションドライブ用流体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力伝達機構に使用するのみならず、油圧制
御機構および湿式クラッチの摩擦特性制御機構にも適用
可能であるトラクションドライブ用流体を提供する。 【解決手段】 シクロペンタジエンのディールス・アル
ダー反応により得られるシクロペンタジエン系縮合炭化
水素化合物の3量体化合物を水素化した化合物をさらに
異性化し、流動点を−10℃以下とした飽和多環式炭化
水素化合物をトラクションドライブ用流体として用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトラクションドライ
ブ用流体(トラクションドライブフルード)に関する。
詳しくは、動力伝達機構に使用するのみならず、油圧制
御機構並びに湿式クラッチの摩擦特性制御機構にも使用
可能であるトラクションドライブ用流体に関するもので
あり、特に自動車用トラクションドライブ式無段変速機
に好適に使用されるトラクションドライブ用流体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、産業用機械の分野では、油膜
を介して動力を伝達するトラクションドライブ式動力伝
達装置にトラクションドライブ用流体が使用されてい
る。このトラクションドライブ用流体は、動力伝達能力
を示すトラクション係数が高いことが要求される。近
年、トラクションドライブ用流体は、自動車用の無段変
速機に使用されるべく研究開発が進められており、自動
車用として使用される際には、動力伝達機構だけではな
く油圧制御機構並びに湿式クラッチの摩擦特性制御機構
にも使用されることとなる。ところで、自動車用の変速
機としては、油圧制御機構用並びに湿式クラッチの摩擦
特性制御機構用として使用されている潤滑油として自動
変速機油(以下、「ATF」という。)がある。ATF
は、油圧制御機構としての役割を満たすために、高温時
の動粘度がある程度以上高いこと、並びに低温流動性が
優れていることが必要とされていることはよく知られて
いる事実である。また、湿式クラッチの摩擦特性制御機
構、特に、スリップ制御機構を付加した制御機構として
の役割を満たすために、ATFは、摩擦特性に優れた、
特に耐シャダー特性に優れた添加剤を配合することが必
要とされていることもまた、よく知られている事実であ
る。よって、トラクションドライブ用流体を自動車用の
トラクションドライブ式無段変速機に使用する際には、
トラクションドライブ用流体は、本来その性能が優れて
いる動力伝達能力のみならず、ATFに必要とされる油
圧制御用流体としての能力及び湿式クラッチの摩擦特性
制御用流体としての能力が必要となってくる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】トラクション係数が高
い流体ほど低温流動性が劣る傾向を持つということは、
良く知られている事実であり、トラクションドライブ用
流体の開発においては、トラクション係数と低温流動性
のトレードオフの関係を如何に改善するかが大きな課題
となっている。すなわち、現状では、室内での使用にほ
ぼ限定される産業機械用のトラクションドライブ用流体
で要求される−10℃以下の流動点あるいは、自動車用
として開発が進められているトラクションドライブ式無
段変速機で油圧制御機構にも使用されるため要求される
最低でも−30℃以下の流動点を達成するためには、ト
ラクション係数が低下してしまうという問題点があっ
た。本発明は、このような実情に鑑みなされたものであ
り、その目的は、トラクションドライブ用流体として必
要とされる動力伝達能力に優れているだけでなく、自動
車用として特に必要とされる油圧制御機構にも好適に使
用できるトラクションドライブ用流体を提供することに
ある。さらには自動車用として必要とされる湿式クラッ
チ制御用流体としての能力にも優れたトラクションドラ
イブ用流体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意研究した結果、特に自動車用ト
ラクションドライブ式無段変速機に好適に使用されるト
ラクションドライブ用流体、さらに詳しくは、トラクシ
ョンドライブ用流体を動力伝達機構に使用するのみなら
ず、油圧制御機構並びに湿式クラッチの摩擦特性制御機
構にも適用可能であるトラクションドライブ用流体を開
発した。すなわち、本発明のトラクションドライブ用流
体は、シクロペンタジエンのディールス・アルダー反応
により得られるシクロペンタジエン系縮合炭化水素化合
物の3量体を水素化した化合物をさらに異性化し、流動
点を−10℃以下とした飽和多環式炭化水素化合物であ
る。
【0005】また、本発明のトラクションドライブ用流
体は、上記化合物に加えて、さらに、(A)鉱油及び分
子量が150〜800の合成油からなる群の中から選ば
れる少なくとも1種を含有してなることが好ましい。ま
た、これらトラクションドライブ用流体には、(B)粘
度指数向上剤を配合することが好ましい。その(B)粘
度指数向上剤は、数平均分子量が800以上150,0
00以下のエチレン−α−オレフィン共重合体又はその
水素化物であることが好ましい。また、これらトラクシ
ョンドライブ用流体には、(C)無灰分散剤及び(D)
リン系添加剤を含有することが好ましい。また、これら
トラクションドライブ用流体には、(E)炭素数6〜3
0のアルキル基あるいはアルケニル基を分子中に少なく
とも1個有し、かつ炭素数31以上の炭化水素基を分子
中に含有しない摩擦調整剤を含有することが好ましい。
また、これらトラクションドライブ用流体には、(F)
全塩基価が20〜450mgKOH/gの金属系清浄剤
を含有することが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容をさらに詳細
に説明する。本発明のトラクションドライブ用流体は、
シクロペンタジエンのディールス・アルダー反応により
得られるシクロペンタジエン系縮合炭化水素化合物の3
量体を水素化した化合物をさらに異性化し、流動点を−
10℃以下とした飽和多環式炭化水素化合物である。本
発明の飽和多環式炭化水素化合物においては、流動点が
−10℃以下のものであれば、良好に使用できるが、−
20℃以下がより好ましく、−30℃以下であるものが
さらに好ましい。なお、流動点の下限は低いほどよい
が、本発明の化合物を使用した場合に達成できる限度点
ということになる。本発明の飽和環式炭化水素化合物
は、シクロペンタジエンを[A]ディールスアルダー反
応、[B]水素化反応、および[C]異性化反応を経て
合成する。
【0007】[A]ディールスアルダー反応 シクロペンタジエンのディールス・アルダー反応を行う
と、シクロペンタジエンの二量体化合物が生成するが、
ディールス・アルダー反応をさらに行うと、シクロペン
タジエンの二量体化合物とシクロペンタジエンの反応が
行われ、主として次式[I]或いは[II]のように反
応が進み、三量体化合物(1)或いは(2)を主成分と
して得ることができる。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】これらのディールス・アルダー反応はいず
れも熱反応であり、触媒は特に必要としない。上述の各
ディールス・アルダー反応に使用するシクロペンタジエ
ンはモノマーとして反応系に加えても良いが、容易に入
手でき、かつ、反応条件下で熱分解してシクロペンタジ
エンを生成するジシクロペンタジエンを原料として用い
ても良い。反応温度も任意であるが、通常、50〜30
0℃、好ましくは80〜250℃である。反応時間は、
反応温度により変わるが、通常、10分〜40時間、好
ましくは30分〜30時間である。これらの各ディール
ス・アルダー反応においては、重合体の生成を抑制する
ため、必要に応じてハイドロキノン、p−フェニレンジ
アミン、t−ブチルカテコール等の重合禁止剤を添加し
ても良い。また、これらの反応を、メタノール、エタノ
ール等の低級アルコール、トルエン、シクロヘキサン等
の飽和炭化水素等の、反応を阻害しない有機溶媒中で実
施しても良い。さらに、各ディールス・アルダー反応に
おいては、回分式、半回分式又は連続式の反応様式のい
ずれの方法で行っても良い。こうして反応生成物を、蒸
留、晶析やグロマト分離等の分離・精製操作を施すこと
により、式(1)および式(2)で表される生成物を得
ることができる。
【0011】[B]水素化反応 次いで、式(1)或いは式(2)で示される3量体を水素
化することにより、一般式(3)或いは(4)で表され
る飽和多環式炭化水素化合物を得ることができる。
【0012】
【化3】
【化4】
【0013】水素化反応の方法は任意であり、特に限定
されるものではないが、通常の不飽和炭化水素に対する
水素化反応と同様の条件で行うことが可能である。例え
ば、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の貴金
属触媒や、ラネーニッケル、ニッケルケイソウ土等の水
素化触媒を用いて、反応温度20〜225℃、水素圧
0.1〜20MPaの条件で容易に二重結合を水素化す
ることができる。この水素化反応は無溶媒下でも実施可
能であるが、必要に応じて炭化水素、アルコール、エー
テル、エステル等の溶媒中で実施することもできる。水
素化反応後、ろ過、蒸留、クロマト分離等の操作によ
り、溶媒、触媒残渣、未反応物、副反応物等から式
(3)或いは(4)で表される飽和多環式炭化水素化合
物を分離する。
【0014】[C]異性化反応 式(3)或いは(4)で表される飽和多環式炭化水素化
合物を更に異性化することにより、本発明のトラクショ
ンドライブ用流体を得ることが出来る。なお、ここで言
う「異性化」とは、前述の[A]ディールスアルダー反
応および[B]水素化反応で得られる化合物のendo結合
部分を一部または全部exo結合へ変換し、結果的にexo結
合を多く含有する構造異性体へと変換する反応をいう。
この反応は、例えば、 式(5)で表される化合物を式(6)、(7)或いは(8)の
化合物にする反応 式(6)で表される化合物を式(8)の化合物にする反
応 式(7)で表される化合物を式(8)の化合物にする反
応 式(9)で表される化合物を式(10)或いは(11)
の化合物にする反応 式(10)で表される化合物を式(11)の化合物にす
る反応 などである。
【0015】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【0016】通常の条件で[A]ディールスアルダー反
応および[B]水素化反応を行った場合には、副反応物
等から分離される式(3)或いは式(4)で表される飽
和多環式炭化水素化合物は、上記式(5)で表される化
合物および上記式(10)で表される化合物が約7対3
の割合で生成することが予測される。この場合、本発明
の流動点を−10℃以下とした飽和多環式炭化水素化合
物は、上記の式(5)および式(10)の混合物を約4
0%程度以上異性化することで達成されると推測され
る。異性化反応の方法は任意であり、特に限定されるも
のではないが異性化触媒を使用する方法が好適に用いら
れる。異性化触媒としては、種々のものが使用可能であ
るが、例えば、フリーデル・クラフツ型触媒を用いる方
法が挙げられる。この方法は、無水塩化アルミニウム、
無水臭化アルミニウム、無水塩化鉄、無水塩化錫、四塩
化チタンなどを触媒として用いる。とくに無水塩化アル
ミニウムが好ましいが、これに限定されることはない。
触媒の使用量は異性化処理化合物に対して通常1〜30
質量%、好ましくは2〜10質量%である。反応溶媒は
用いなくてもかまわないが、用いる場合は飽和炭化水
素、芳香族炭化水素あるいはハロゲン化炭化水素などが
好ましい。例えば飽和炭化水素としてはn−ヘキサン、
n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサンなど、芳香族炭化水素としてはベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベン
ゼンなどが挙げられる。ハロゲン化炭化水素としては塩
化メチレン、臭化メチレン、1,2−ジクロロエタン、
1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロプロパ
ン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼンなどが挙
げられる。溶媒の使用量は基質の2〜5容量倍程度が好
ましい。反応温度は0〜100℃、好ましくは15〜8
0℃である。100℃より高い温度になるとタール状の
物質が副生し、好ましくない。反応時間は温度によって
異なるが、0.5〜10時間程度である。
【0017】また、フリーデルクラフツ型触媒以外の触
媒として、アルミナ、シリカアルミナ、H−X型ゼオラ
イト、H−Y型ゼオライト、アルカリ土類金属および希
土類金属からなる群から選ばれた一種または二種以上の
金属のイオンでイオン交換されたゼオライト、更にこれ
らの触媒に鉄、コバルト、ニッケル、白金およびレニウ
ムよりなる群より選ばれた一種または二種以上の金属を
含有させた物質、さらには四塩化炭素処理をした物質等
を使用する方法も挙げられる。アルミナ、シリカアルミ
ナはどのような方法で製造されたものでもよく、特に制
限はない。また、H−X型ゼオライトおよびH−Y型ゼ
オライトについても特殊なものである必要はなく、市販
品を用いることが出来、NH4−Y型ゼオライトなどを
焼成して得ることもできる。H−Y型ゼオライトは耐熱
性に優れているために高温度であるいは長時間使用する
場合には好適な触媒である。一方、アルカリ土類金属お
よび希土類金属からなる群から選ばれた一種または二種
以上の金属のイオンでイオン交換されたゼオライトはX
型、Y型などのゼオライト中のNa+、K+、NH4 +など
のカチオンサイトをCa、Mgなどのアルカリ土類金属
やLa、Ce、Nd、Yb、Yなどの希土類金属でイオ
ン交換したものであり、該アルカリ土類金属または希土
類金属のイオンを、金属塩水溶液の形などにしてゼオラ
イトに導入し、ついで乾燥、焼成することによって得る
ことが出来る。この場合上記金属はゼオライトに担持す
るのではなく、ゼオライト中のカチオンサイトとイオン
交換した形で入れることが必要である。イオン交換率に
制限はないが、その効果が認められるのは通常20〜1
00%、好ましくは45〜90%である。
【0018】これらの触媒の中で、アルミナ、シリカア
ルミナ、H−X型ゼオライト、H−Y型ゼオライト、ま
たはイオン交換されたゼオライトに、更に鉄、コバル
ト、ニッケル、白金、レニウムなどの金属の一種または
二種以上を含有させた触媒、および更に四塩化炭素処理
した触媒が特に有効である。白金とレニウムの含有割合
は両金属合計で触媒重量の0.1〜5%とし、かつ白
金:レニウムの比が19:1〜1:3(原子比)の範囲
とすることが好ましい。鉄、コバルト、ニッケルなどの
鉄属金属は触媒重量の0.1〜10%の割合で含有させ
ることが好ましい。なお、これらの金属をゼオライトに
含有させる方法としてはイオン交換法、含浸法など任意
の方法を採ることが出来る。触媒の活性化は、不活性ガ
スの気流中で350〜600℃の温度で加熱することに
よって行う。触媒は用いる反応形態に応じた最適の形
状、例えばバッチ式あるいは連続式の撹拌混合槽であれ
ば粉末状、固定床反応装置であれば粒状あるいはペレッ
ト状の触媒を用いることが好ましい。反応温度は100
〜400℃、反応圧力は常圧または5MPaまでの加圧
条件で行う。反応形式は回分式、半回分式あるいは連続
式のいずれの形式でもとりうる。流通式の場合はオート
クレーブを用いた完全混合方式や、固定床連続流通式な
どの方法を採ることが出来る。反応時間は5分〜5時間
の間で、反応温度、反応様式によって異なるが、それぞ
れの条件で最適な収率となるように選ぶことが出来る。
触媒はその性能が低下してきたときに再生処理を行うこ
とが出来る。これらの触媒の場合、水素の存在下、ある
いは不存在下で不活性ガスを流しながら150〜500
℃の温度に加熱することで再生処理を行うことが出来
る。
【0019】更に別な系の触媒として周期律表III族お
よび/またはIV族金属の水酸化物もしくは酸化物および
/またはこれらの複合水酸化物もしくは複合酸化物から
なる担体に、硫酸根もしくは硫酸根の前駆物質、および
場合によっては周期律表IIb、Vb、VIb、VIIbおよび
VIII族の群からなる少なくとも一種以上の元素またはそ
の化合物を含有させ焼成安定化したものが挙げられる。
ここにおいてIII族金属としてはアルミニウム、ガリウ
ム、インジウムおよびタリウム、IV族金属としてはケイ
素、ゲルマニウム、錫、チタン、ジルコニウムおよびハ
フニウムをいう。IIb族の元素としては亜鉛、カドミウ
ム、水銀、Vb族元素としてはバナジウム、ニオブ、タ
ンタル、VIb族元素としてはクロム、モリブデン、タン
グステン、VIIb族元素としてはマンガン、レニウム、V
III族元素としては鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、
白金が挙げられる。硫酸根もしくは硫酸根の前駆物質と
しては硫酸、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、
硫酸水素アンモニウム、塩化スルフリルなどが挙げられ
る。
【0020】周期律表III族および/またはIV族金属の
水酸化物もしくは酸化物および/またはこれらの複合水
酸化物もしくは複合酸化物は、周期律表III族および/
またはIV族金属塩の水溶液にアンモニア水等のアルカリ
添加によって沈殿する水酸化物および/または複合水酸
化物、もしくは熱分解によって生成する酸化物および/
または複合酸化物等、通常用いられる方法によって得る
ことができる。また、IIb、Vb、VIb、VIIb、VIII族
の元素もしくはその化合物は通常の含浸法もしくは共沈
法等の手段によって担体上に導入することが出来る。こ
れらの化合物としては塩化物、臭化物、ヨウ化物などの
ハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、
アセチルアセトナートのようなキレート化合物、および
ジエチル亜鉛のような有機金属化合物などが挙げられ
る。硫酸根の導入法としては例えば乾燥したIII族およ
び/またはIV族金属の水酸化物もしくは酸化物および/
または複合水酸化物もしくは複合酸化物に、硫酸根もし
くは硫酸根前駆体を含有する水溶液に浸漬もしくは流下
等により接触させた後、焼成処理する方法が挙げられ
る。
【0021】本発明においてはIIb、Vb、VIb、VII
b、VIII族の元素もしくはその化合物の担持と、硫酸根
もしくは硫酸根前駆体化合物の導入の順序は任意であ
り、どのような順序で行ってもかまわない。担体の硫酸
根もしくは硫酸根前駆体化合物による処理は担体重量の
1〜10倍量の硫酸根濃度0.01〜10モル濃度の水
溶液に浸積、もしくは流下等で接触させて行う。このよ
うな方法で処理すると一般的に焼成処理後の触媒中に硫
黄として0.5質量%以上の硫酸根が含有される。II
b、Vb、VIb、VIIb、VIII族の元素もしくはその化合
物の担持量は担体100重量部に対して0.01〜20
重量部、好ましくは0.1〜15重量部である。焼成処
理は硫酸根もしくは硫酸根前駆体化合物で処理した後お
よびIIb、Vb、VIb、VIIb、VIII族の元素もしくはそ
の化合物の担持後にそれぞれ行ってもかまわないが、両
方の処理後にまとめて400〜800℃、好ましくは4
50〜700℃の温度で0.5〜10時間空気中で焼成
を行って触媒を調製することが出来る。なお、触媒は用
いる反応形態に応じた最適の形状、例えばバッチ式ある
いは連続式の撹拌混合槽であれば粉末状、固定床反応装
置であれば粒状あるいはペレット状の触媒を用いること
が好ましい。反応温度は−20〜200℃、反応圧力は
常圧または5MPaまでの加圧条件で行う。反応形式は
回分式、半回分式あるいは連続式のいずれの形式でもと
りうる。流通式の場合はオートクレーブを用いた完全混
合方式や、固定床連続流通式などの方法を採ることが出
来る。反応時間は5分〜5時間の間で、反応温度、反応
様式によって異なるが、それぞれの条件で最適な収率と
なるように選ぶことが出来る。
【0022】本発明のトラクションドライブ用流体にお
いては、前述の飽和多環式炭化水素化合物をそのまま使
用してもよいが、そのトラクション係数、或いは低温流
動性や粘度−温度特性を向上させる目的で、さらに
(A)鉱油及び分子量が150〜800、好ましくは1
50〜500の合成油からなる群の中から選ばれる少な
くとも1種を含有させるのが好ましい。本発明において
鉱油としては、具体的には例えば、原油を常圧蒸留して
得られる常圧残油をさらに減圧蒸留して得られた潤滑油
留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろ
う、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の
精製処理等を適宜組み合わせて精製したパラフィン系、
ナフテン系等の油やノルマルパラフィン等が使用でき
る。なお、鉱油を用いる場合の鉱油の動粘度は、特に限
定されず任意であるが、100℃における動粘度が、通
常、1〜10mm2/s、好ましくは2〜8mm2/sで
あるものを用いるのが望ましい。
【0023】また本発明において合成油としては、分子
量が150〜800であることが必要であり、好ましく
は150〜500である。分子量が150未満の場合は
蒸発損失が大きくなり、一方、800を超える場合は低
温流動性が悪化するので、好ましくない。合成油として
は、特に制限はないが、ポリ−α−オレフィン(1−オ
クテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−
プロピレンオリゴマー等)及びその水素化物、イソブテ
ンオリゴマー及びその水素化物、イソパラフィン、アル
キルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジト
リデシルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペー
ト、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペー
ト、ジ2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオール
エステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリ
メチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリト
ール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトール
ペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコー
ル、ジアルキルジフェニルエーテル、並びにポリフェニ
ルエーテル等が使用できる。また、合成油のうちでも、
イソブテンオリゴマーあるいはその水素化物、あるいは
下記の一般式(12)〜(23)で表される合成油は、
前述のナフテン環含有化合物に配合することにより、ト
ラクション係数が高く、かつ低温流動性に優れ、かつ高
い高温粘度を有しており、総合的な性能に優れているト
ラクションドライブ用流体が得られる点から、特に好ま
しい合成油として挙げられる。
【0024】
【化12】 上記(12)式中、R9〜R16は、それぞれ個別に、水
素原子又は炭素数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含
んでもよい)、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基、より好ましくは水素原子又はメチル基を示
している。
【0025】
【化13】 上記(13)式中、R17〜R26は、それぞれ個別に、水
素原子又は炭素数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含
んでもよい)、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基、より好ましくは水素原子又はメチル基を示
している。
【0026】
【化14】 上記(14)式中、R27〜R38は、それぞれ個別に、水
素原子又は炭素数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含
んでもよい)、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基、より好ましくは水素原子又はメチル基を示
している。
【0027】
【化15】 上記(15)式中、R39〜R44は、それぞれ個別に、水
素原子又は炭素数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含
んでもよい)、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基、より好ましくは水素原子又はメチル基を示
している。
【0028】
【化16】 上記(16)式中、R45〜R50は、それぞれ個別に、水
素原子又は炭素数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含
んでもよい)、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基、より好ましくは水素原子又はメチル基を示
している。
【0029】
【化17】 上記(17)式中、R51〜R56は、それぞれ個別に、水
素原子又は炭素数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含
んでもよい)、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基、より好ましくは水素原子又はメチル基を示
している。
【0030】
【化18】 上記(18)式中、R57及びR58は、共に水素原子又は
いずれか一方が水素原子で他方がメチル基である基を示
し、R59及びR60は、それぞれ個別に、水素原子又は炭
素数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含んでもよ
い)、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、より好ましくは水素原子又はメチル基を示してい
る。
【0031】
【化19】 上記(19)式中、R61及びR62は、共に水素原子又は
いずれか一方が水素原子で他方がメチル基である基を示
し、R63及びR64は、それぞれ個別に、水素原子又は炭
素数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含んでもよ
い)、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、より好ましくは水素原子又はメチル基を示してい
る。
【0032】
【化20】 上記(20)式中、R65〜R67は、それぞれ個別に、水
素原子又は炭素数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含
んでもよい)、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基、より好ましくは水素原子又はメチル基を示
している。
【0033】
【化21】 上記(21)式中、R71は、炭素数1〜8のアルキル基
(ナフテン環を含んでもよい)、好ましくは炭素数1〜
4のアルキル基、より好ましくはメチル基を示してい
る。R72〜R77は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素
数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含んでもよい)、
好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、よ
り好ましくは水素原子又はメチル基を示している。
【0034】
【化22】 上記(22)式中、R78は、炭素数1〜8のアルキル基
(ナフテン環を含んでもよい)、好ましくは炭素数1〜
4のアルキル基、より好ましくはメチル基を示してい
る。R79〜R85は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素
数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含んでもよい)、
好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、よ
り好ましくは水素原子又はメチル基を示している。
【0035】
【化23】 上記(23)式中、R86は、炭素数1〜8のアルキル基
(ナフテン環を含んでもよい)、好ましくは炭素数1〜
4のアルキル基、より好ましくはメチル基を示してい
る。R87〜R93は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素
数1〜8のアルキル基(ナフテン環を含んでもよい)、
好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、よ
り好ましくは水素原子又はメチル基を示している。
【0036】一般式(12)〜(23)で表される合成
油において、R9〜R56、R59、R6 0、及びR63〜R93
におけるナフテン環を含んでもよい炭素数1〜8のアル
キル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基等のアルキル基(これらアルキル基は
直鎖状でも分枝状でもよい)及びシクロペンチルメチル
基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルプロピル
基、メチルシクロペンチルメチル基、エチルシクロペン
チルメチル基、ジメチルシクロペンチルメチル基、メチ
ルシクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、
シクロヘキシルエチル基、メチルシクロヘキシルメチル
基、シクロヘプチルメチル基等の(アルキル)シクロヘ
キシルアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝
状でもよく、またシクロヘキシル基への置換位置も任意
である)等が例示できる。本発明のトラクションドライ
ブ用流体において(A)成分を含有させる場合、その含
有量は特に限定されず任意であるが、低温流動性及び粘
度−温度特性の向上効果に優れる点から、通常、流体全
量基準で1〜99質量%であるのが好ましく、5〜95
質量%であるのがより好ましい。
【0037】また、本発明のトラクションドライブ用流
体は、(B)粘度指数向上剤を含有するのが好ましい。
本発明において(B)粘度指数向上剤としては、非分散
型粘度指数向上剤及び/又は分散型粘度指数向上剤等が
挙げられる。非分散型粘度指数向上剤としては、具体的
には、下記の式(24)、(25)及び(26)で表さ
れる化合物の中から選ばれる1種又は2種以上のモノマ
ー(B−1)の重合体または共重合体あるいはその水素
化物等が例示できる。一方、分散型粘度指数向上剤とし
ては、具体的には、一般式(27)及び(28)で表さ
れる化合物の中から選ばれる2種以上のモノマーの共重
合体又はその水素化物に酸素含有基を導入したものや、
一般式(24)〜(26)で表される化合物の中から選
ばれる1種又は2種以上のモノマー(B−1)と一般式
(27)及び(28)で表される化合物の中から選ばれ
る1種又は2種以上のモノマー(B−2)との共重合
体、或いはその水素化物等が例示できる。
【0038】
【化24】 上記(24)式中、R100は水素又はメチル基を示し、
101は炭素数1〜18のアルキル基を示している。R
101を示す炭素数1〜18のアルキル基としては、具体
的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、
ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等
(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)等が
例示できる。
【0039】
【化25】 上記(25)式中、R102は水素又はメチル基を示し、
103は水素又は炭素数1〜12の炭化水素基を示して
いる。
【0040】R103を示す炭素数1〜12の炭化水素基
としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデ
シル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも
分枝状でもよい);ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセ
ニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デ
セニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基等のアルケニ
ル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよ
く、二重結合の位置も任意である);シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5
〜7のシクロアルキル基;メチルシクロペンチル基、ジ
メチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル
基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル
基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘ
キシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘ
プチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシ
クロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数
6〜11のアルキルシクロアルキル基(これらアルキル
基のシクロアルキル基への置換位置は任意である);フ
ェニル基、ナフチル基等のアリール基:トリル基、キシ
リル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチ
ルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル
基等の炭素数7〜12の各アルキルアリール基(これら
アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、またアリール
基への置換位置も任意である);ベンシル基、フェニル
エチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フ
ェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜
12の各フェニルアルキル基(これらアルキル基は直鎖
状でも分枝状でもよい);等が例示できる。
【0041】
【化26】 上記(26)式中、D1及びD2は、それぞれ個別に、水
素原子、炭素数1〜18のアルキルアルコールの残基
(−OR104:R104は炭素数1〜18のアルキル基)又
は炭素数1〜18のモノアルキルアミンの残基(−NH
105:R105は炭素数1〜18のアルキル基)を示して
いる。
【0042】
【化27】 (27)式中、R106は水素原子又はメチル基を示し、
107は、炭素数1〜18のアルキレン基を示し、E1
窒素原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含有するアミ
ン残基又は複素環残基を示している。また、aは0又は
1の整数である。
【0043】R107を示す炭素数1〜18のアルキレン
基としては、具体的には、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン
基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシ
レン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレ
ン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデ
シレン基、オクタデシレン基等(これらアルキレン基は
直鎖状でも分枝状でもよい)等が例示できる。また、E
1を示す基としては、具体的には、ジメチルアミノ基、
ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミ
ノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、アセ
チルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、モルホリノ基、ピ
ロリル基、ピロリノ基、ピリジル基、メチルピリジル
基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、キノニル基、ピ
ロリドニル基、ピロリドノ基、イミダゾリノ基、ピラジ
ノ基等が例示できる。
【0044】
【化28】 上記(28)式中、R108は水素原子又はメチル基を示
し、E2は窒素原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含
有するアミン残基又は複素環残基を示している。
【0045】E2を示す基としては、具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ
基、ジブチルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キ
シリジノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、
モルホリノ基、ピロリル基、ピロリノ基、ピリジル基、
メチルピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、
キノニル基、ピロリドニル基、ピロリドノ基、イミダゾ
リノ基、ピラジノ基等が例示できる。(B−1)成分の
モノマーとして好ましいものとしては、具体的には、炭
素数1〜18のアルキルアクリレート、炭素数1〜18
のアルキルメタクリレート、炭素数2〜20のオレフィ
ン、スチレン、メチルスチレン、無水マレイン酸エステ
ル、無水マレイン酸アミド及びこれらの混合物等が例示
できる。(B−2)成分のモノマーとして好ましいもの
としては、具体的には、ジメチルアミノメチルメタクリ
レート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、2−メチル−5−ビニルピリジン、モ
ルホリノメチルメタクリレート、モルホリノエチルメタ
クリレート、N−ビニルピロリドン及びこれらの混合物
等が例示できる。なお、上記(B−1)化合物の中から
選ばれる1種又は2種以上のモノマーと、(B−2)化
合物の中から選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを
共重合する際の(B−1)成分と(B−2)成分のモル
比は任意であるが、一般に、80:20〜95:5程度
である。また共重合の反応方法も任意であるが、通常、
ベンゾイルパーオキシド等の重合開始剤の存在下で(B
−1)成分と(B−2)成分をラジカル溶液重合させる
ことにより容易に共重合体が得られる。
【0046】粘度指数向上剤の具体例としては、非分散
型及び分散型ポリメタクリレート類、非分散型及び分散
型エチレン−α−オレフィン共重合体及びその水素化
物、ポリイソブチレン及びその水素化物、スチレン−ジ
エン共重合体水素化物、スチレン−無水マレイン酸エス
テル共重合体並びにポリアルキルスチレン等が挙げられ
る。これら(B)成分の粘度指数向上剤の中から任意に
選ばれる、1種類あるいは2種類以上を含有することに
より、特に自動車用のトラクションドライブ用流体に必
要とされる高温粘度を高くし、かつ低温流動性とのバラ
ンスを改善することが可能となる。通常、粘度指数向上
剤は、その合成上の溶媒と共に使用されるが、本発明に
おいては、上記一般式(6)〜(8)、(10)及び
(11)で表されるナフテン環含有化合物、イソブテン
オリゴマーあるいはその水素化物及び上記式(12)〜
(23)で表される化合物等を、合成上の溶媒として使
用することが望ましい。(B)成分の分子量は、せん断
安定性を考慮して選定することが好ましい。具体的に
は、(B)成分の数平均分子量は、例えば分散型及び非
分散型ポリメタクリレートの場合では、5,000〜1
50,000、好ましくは5,000〜35,000の
ものが望ましい。また、ポリイソブチレン及びその水素
化物の場合は800〜5,000、好ましくは2,00
0〜4,000のものが望ましい。ポリイソブチレン及
びその水素化物の数平均分子量が800未満であると、
増粘性が低く、トラクション係数が低下し、5,000
を超えると、せん断安定性が悪化したり、低温流動性が
悪化したりする。
【0047】これら(B)成分の中でも、特に、数平均
分子量が800以上、150、000以下、好ましくは
3、000〜20、000のエチレン−α−オレフィン
共重合体又はその水素化物は、トラクションドライブ用
流体に配合することにより、高いトラクション係数を有
し、かつ低温流動性に優れ、かつ高温粘度が高い、総合
的に優れた性能を有しているトラクションドライブ用流
体が得られる点から、特に好ましい粘度指数向上剤とし
て挙げられる。エチレン−α−オレフィン共重合体又は
その水素化物の数平均分子量が800未満であると、増
粘性が低く、トラクション係数が低下し、150,00
0を超えると、せん断安定性が悪化する。エチレン−α
−オレフィン共重合体又はその水素化物におけるエチレ
ン成分含有率は、特に限定されないが、30〜80モル
%が好ましく、より好ましくは50〜80モル%であ
る。α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン
等が挙げられ、プロピレンがより好ましい。本発明のト
ラクションドライブ流体において(B)成分を含有させ
る場合、その含有量は特に限定されないが、通常、トラ
クションドライブ用流体全量基準で、0.1〜20質量
%であるのが好ましく、0.1〜10質量%であるのが
より好ましい。含有量が20質量%を超えると流体のト
ラクション係数が低下し、一方、0.1質量%未満であ
ると添加効果に乏しいからである。
【0048】また、本発明のトラクションドライブ用流
体には、(C)無灰分散剤及び(D)リン系添加剤を含
有するのが好ましい。これら(C)無灰分散剤及び
(D)リン系添加剤の配合により、トラクションドライ
ブ用流体に対して油圧制御機構に必要な耐摩耗性、酸化
安定性並びに清浄性を付加することができる。本発明に
おいて無灰分散剤((C)成分)としては、例えば炭素
数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中
に少なくとも1個有する含窒素化合物又はその誘導体、
あるいはアルケニルコハク酸イミドの変性品等が挙げら
れ、これらの中から任意に選ばれる1種類あるいは2種
類以上を配合することができる。このアルキル基又はア
ルケニル基としては、直鎖状でも分枝状でもよいが、好
ましいものとしては、具体的には、プロピレン、1−ブ
テン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマーやエチ
レンとプロピレンのコオリゴマーから誘導される分枝状
アルキル基や分枝状アルケニル基等が挙げられる。この
アルキル基又はアルケニル基の炭素数は40〜400、
好ましくは60〜350である。アルキル基又はアルケ
ニル基の炭素数が40未満の場合は化合物の潤滑油基油
に対する溶解性が低下し、一方、アルキル基又はアルケ
ニル基の炭素数が400を越える場合は、トラクション
ドライブ用流体の低温流動性が悪化するため、それぞれ
好ましくない。
【0049】(C)成分の1例として挙げた含窒素化合
物の窒素含有量は任意であるが、耐摩耗性、酸化安定性
及び摩擦特性等の点から、通常、その窒素含有量が0.
01〜10質量%、好ましくは0.1〜10質量%のも
のが望ましく用いられる。(C)成分の具体的として
は、例えば、 (C−1)炭素数40〜400のアルキル基又はアルケ
ニル基を分子中に少なくとも1個有するコハク酸イミ
ド、あるいはその誘導体 (C−2)炭素数40〜400のアルキル基又はアルケ
ニル基を分子中に少なくとも1個有するベンジルアミ
ン、あるいはその誘導体 (C−3)炭素数40〜400のアルキル基又はアルケ
ニル基を分子中に少なくとも1個有するポリアミン、あ
るいはその誘導体 の中から選ばれる1種又は2種以上の化合物等が挙げら
れる。上記の(C−1)コハク酸イミドとしては、より
具体的には、下記の式(29)又は(30)で示される
化合物等が例示できる。
【0050】
【化29】 上記(29)式中、R109は炭素数40〜400、好ま
しくは60〜350のアルキル基又はアルケニル基を示
し、bは1〜5、好ましくは2〜4の整数を示してい
る。
【0051】
【化30】 上記(30)式中、R110及びR111は、それぞれ個別
に、炭素数40〜400、好ましくは60〜350のア
ルキル基又はアルケニル基を示し、cは0〜4、好まし
くは1〜3の整数を示している。
【0052】なお、コハク酸イミドとは、イミド化に際
しては、ポリアミンの一端に無水コハク酸が付加した、
式(29)のようないわゆるモノタイプのコハク酸イミ
ドと、ポリアミンの両端に無水コハク酸が付加した、式
(30)のようないわゆるビスタイプのコハク酸イミド
があるが、(C−1)成分としては、そのいずれでも、
またこれらの混合物でも使用可能である。上記の(C−
2)ベンジルアミンとしては、より具体的には、下記の
式(31)で表される化合物等が例示できる。
【0053】
【化31】 上記(31)式中、R112は、炭素数40〜400、好
ましくは60〜350のアルキル基又はアルケニル基を
示し、dは1〜5、好ましくは2〜4の整数を示してい
る。このベンジルアミンの製造方法は何ら限定されるも
のではないが、例えば、プロピレンオリゴマー、ポリブ
テン、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレ
フィンをフェノールと反応させてアルキルフェノールと
した後、これにホルムアルデヒドとジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンをマンニ
ッヒ反応により反応させることにより得ることができ
る。上記の(C−3)ポリアミンとしては、より具体的
には、下記の式(32)で表される化合物等が例示でき
る。
【0054】
【化32】 上記(32)式中、R113は、炭素数40〜400、好
ましくは60〜350のアルキル基又はアルケニル基を
示し、eは1〜5、好ましくは2〜4の整数を示してい
る。
【0055】このポリアミンの製造法は何ら限定される
物ではないが、例えば、プロピレンオリゴマー、ポリブ
テン、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレ
フィンを塩素化した後、これにアンモニアやエチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサ
ミン等のポリアミンを反応させることにより得ることが
できる。また、(C)成分の1例として挙げた含窒素化
合物の誘導体としては、具体的には例えば、前述したよ
うな含窒素化合物に炭素数2〜30のモノカルボン酸
(脂肪酸等)やシュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、
ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸を
作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一
部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆる酸変
性化合物;前述したような含窒素化合物にホウ酸を作用
させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又
は全部を中和したり、アミド化した、いわゆるホウ素変
性化合物;前述したような含窒素化合物に硫黄化合物を
作用させた硫黄変性化合物;及び前述したような含窒素
化合物に酸変性、ホウ素変性、硫黄変性から選ばれた2
種以上の変性を組み合わせた変性化合物;等が挙げられ
る。本発明のトラクションドライブ用流体において
(C)成分を含有させる場合、その含有量は特に限定さ
れないが、通常、トラクションドライブ用流体全量基準
で、0.01〜10.0質量%であるのが好ましく、
0.1〜7.0質量%であるのがより好ましい。(C)
成分の含有量が0.01質量%未満の場合は、清浄性に
対する効果がなくなる。一方、10.0質量%を越える
場合は、トラクションドライブ用流体の低温流動性が大
幅に悪化するため、それぞれ好ましくない。
【0056】本発明において(D)リン系添加剤として
は、アルキルジチオリン酸亜鉛、リン酸、亜リン酸、リ
ン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類、リン酸トリ
エステル類、亜リン酸モノエステル類、亜リン酸ジエス
テル類、亜リン酸トリエステル類、(亜)リン酸エステ
ル類の塩、及びこれらの混合物等が挙げられる。ここに
挙げた(D)成分のうち、リン酸、亜リン酸を除いたも
のは、通常、炭素数2〜30、好ましくは3〜20の炭
化水素基を含有する化合物である。この炭素数2〜30
の炭化水素基としては、具体的には、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシ
ル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分
枝状でもよい);ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニ
ル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセ
ニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル
基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセ
ニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等のアル
ケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも
よく、また二重結合の位置も任意である);シクロペン
チル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素
数5〜7のシクロアルキル基;メチルシクロペンチル
基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペ
ンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘ
キシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシ
クロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシ
クロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエ
チルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の
炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(アルキル
基のシクロアルキル基への置換位置も任意である);フ
ェニル基、ナフチル基等のアリール基:トリル基、キシ
リル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチ
ルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル
基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニル
フェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル
基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18の各アルキ
ルアリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよ
く、またアリール基への置換位置も任意である);ベン
ジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェ
ニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル
基等の炭素数7〜12の各アリールアルキル基(これら
アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);等が例示で
きる。
【0057】(D)成分として好ましい化合物として
は、具体的には、リン酸;亜リン酸;ジプロピルジチオ
リン酸亜鉛、ジブチルジチオリン酸亜鉛、ジペンチルジ
チオリン酸亜鉛、ジヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジヘプ
チルジチオリン酸亜鉛、ジオクチルジチオリン酸亜鉛等
のアルキルジチオリン酸亜鉛(アルキル基は直鎖状でも
分枝状でもよい);モノプロピルホスフェート、モノブ
チルホスフェート、モノペンチルホスフェート、モノヘ
キシルホスフェート、モノペプチルホスフェート、モノ
オクチルホスフェート等のリン酸モノアルキルエステル
(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);モノフェ
ニルホスフェート、モノクレジルホスフェート等のリン
酸モノ(アルキル)アリールエステル;ジプロピルホス
フェート、ジブチルホスフェート、ジペンチルホスフェ
ート、ジヘキシルホスフェート、ジペプチルホスフェー
ト、ジオクチルホスフェート等のリン酸ジアルキルエス
テル(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);ジフ
ェニルホスフェート、ジクレジルホスフェート等のリン
酸ジ(アルキル)アリールエステル;トリプロピルホス
フェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホス
フェート、トリヘキシルホスフェート、トリペプチルホ
スフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸トリ
アルキルエステル(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも
よい);トリフェニルホスフェート、トリクレジルホス
フェート等のリン酸トリ(アルキル)アリールエステ
ル;モノプロピルホスファイト、モノブチルホスファイ
ト、モノペンチルホスファイト、モノヘキシルホスファ
イト、モノペプチルホスファイト、モノオクチルホスフ
ァイト等の亜リン酸モノアルキルエステル(アルキル基
は直鎖状でも分枝状でもよい);モノフェニルホスファ
イト、モノクレジルホスファイト等の亜リン酸モノ(ア
ルキル)アリールエステル;ジプロピルホスファイト、
ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘ
キシルホスファイト、ジペプチルホスファイト、ジオク
チルホスファイト等の亜リン酸ジアルキルエステル(ア
ルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);ジフェニルホ
スファイト、ジクレジルホスファイト等の亜リン酸ジ
(アルキル)アリールエステル;トリプロピルホスファ
イト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファ
イト、トリヘキシルホスファイト、トリペプチルホスフ
ァイト、トリオクチルホスファイト等の亜リン酸トリア
ルキルエステル(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよ
い);トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスフ
ァイト等の亜リン酸トリ(アルキル)アリールエステ
ル;及びこれらの混合物等が例示できる。
【0058】また、上述した(亜)リン酸エステル類の
塩としては、具体的には、リン酸モノエステル、リン酸
ジエステル、亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステ
ル等に、アンモニアや炭素数1〜8の炭化水素基又は水
酸基含有炭化水素基のみを分子中に含有するアミン化合
物等の含窒素化合物を作用させて、残存する酸性水素の
一部又は全部を中和した塩等が例示できる。この含窒素
化合物としては、具体的には、アンモニア;モノメチル
アミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノ
ブチルアミン、モノペンチルアミン、モノヘキシルアミ
ン、モノヘプチルアミン、モノオクチルアミン、ジメチ
ルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチ
ルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、ジプロピル
アミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、プ
ロピルブチルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミ
ン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチル
アミン等のアルキルアミン(アルキル基は直鎖状でも分
枝状でもよい);モノメタノールアミン、モノエタノー
ルアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールア
ミン、モノペンタノールアミン、モノヘキサノールアミ
ン、モノヘプタノールアミン、モノオクタノールアミ
ン、モノノナノールアミン、ジメタノールアミン、メタ
ノールエタノールアミン、ジエタノールアミン、メタノ
ールプロパノールアミン、エタノールプロパノールアミ
ン、ジプロパノールアミン、メタノールブタノールアミ
ン、エタノールブタノールアミン、プロパノールブタノ
ールアミン、ジブタノールアミン、ジペンタノールアミ
ン、ジヘキサノールアミン、ジヘプタノールアミン、ジ
オクタノールアミン等のアルカノールアミン(アルカノ
ール基は直鎖状でも分枝状でもよい);及びこれらの混
合物等が例示できる。
【0059】これら(D)成分は、1種類あるいは2種
類以上を任意に配合することができる。また(D)成分
として、後述する(E−2)炭素数6〜30のアルキル
基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有し、か
つ炭素数31以上の炭化水素基を分子中に含有しないリ
ン化合物又はその誘導体に含まれる化合物を使用する場
合には、本発明のトラクションドライブ用流体に対し
て、上述したような耐摩耗性だけでなく、さらに湿式ク
ラッチにおける最適化された摩擦特性も同時に付与する
ことが可能となる。本発明のトラクションドライブ用流
体において(D)成分を含有させる場合、その含有量は
特に限定されないが、通常、トラクションドライブ用流
体全量基準で、リン元素として0.005〜0.2質量
%であるのが好ましい。リン元素として0.005質量
%未満の場合は、耐摩耗性に対して効果がなく、0.2
質量%を超える場合は、酸化安定性が悪化するため、そ
れぞれ好ましくない。
【0060】また、本発明のトラクションドライブ用流
体は、(E)摩擦調整剤を含有するのが好ましい。この
摩擦調整剤は、炭素数6〜30のアルキル基又はアルケ
ニル基を分子中に少なくとも1個有し、かつ炭素数31
以上の炭化水素基を分子中に含有しないものであり、こ
の(E)摩擦調整剤の配合により、摩擦特性を最適化し
たトラクションドライブ用流体が得られる。(E)摩擦
調整剤のアルキル基又はアルケニル基としては、直鎖状
でも分枝状でもよいが、炭素数は6〜30、好ましくは
9〜24の化合物が望ましい。アルキル基又はアルケニ
ル基の炭素数が6未満や30を越える場合は、湿式クラ
ッチの摩擦特性が悪化するため、それぞれ好ましくな
い。
【0061】このアルキル基又はアルケニル基として
は、具体的には、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、ト
リコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサ
コシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシ
ル基、トリアコンチル基等のアルキル基(これらアルキ
ル基は直鎖状でも分枝状でもよい);ヘキセニル基、ヘ
プテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、
ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テト
ラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、
ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル
基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、
トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル
基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセ
ニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアル
ケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも
よく、また二重結合の位置も任意である);等が例示で
きる。また摩擦調整剤として炭素数が31以上の炭化水
素基を含有する場合は、湿式クラッチの摩擦特性が悪化
するため好ましくない。
【0062】(E)成分としては、具体的には例えば、 (E−1)炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル
基を分子中に少なくとも1個有し、かつ炭素数31以上
の炭化水素基を分子中に含有しないアミン化合物、又は
その誘導体 (E−2)炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル
基を分子中に少なくとも1個有し、かつ炭素数31以上
の炭化水素基を分子中に含有しないリン化合物、又はそ
の誘導体 (E−3)炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル
基を分子中に少なくとも1個有し、かつ炭素数31以上
の炭化水素基を分子中に含有しない脂肪酸のアミド又は
金属塩 の中から選ばれる1種又は2種以上の化合物等が好まし
い化合物として挙げられる。ここでいう(E−1)のア
ミン化合物としては、より具体的には、下記の式(3
3)で表される脂肪族モノアミン又はそのアルキレンオ
キシド付加物、下記の式(34)で表される脂肪族ポリ
アミン、一般式(35)で表されるイミダゾリン化合物
等が例示できる。
【0063】
【化33】 上記(33)式中、R114は、炭素数6〜30、好まし
くは9〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、R
115及びR116は、それぞれ個別に、エチレン基又はプロ
ピレン基を示し、R117及びR118は、それぞれ個別に水
素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、f及び
gは、それぞれ個別に0〜10で、かつf+g=0〜1
0であり、好ましくはそれぞれ個別に0〜6で、かつf
+g=0〜10である整数を示している。
【0064】
【化34】 上記(34)式中、R119は炭素数6〜30、好ましく
は9〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、R
120はエチレン基又はプロピレン基を示し、R121及びR
122は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数1〜30
の炭化水素基を示し、hは、1〜5、好ましくは1〜4
の整数を示している。
【0065】
【化35】 上記(35)式中、R123は、炭素数6〜30、好まし
くは9〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、R
124は、エチレン基又はプロピレン基を示し、R125は、
水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、i
は、0〜10、好ましくは0〜6の整数を示している。
【0066】なお、R114、R119及びR123を示すアル
キル基又はアルケニル基としては、直鎖状でも分枝状で
もよいが、その炭素数は6〜30、好ましくは9〜24
が望ましい。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が6
未満の場合や30を超える場合は湿式クラッチの摩擦特
性が悪化するため、それぞれ好ましくない。R114、R
119及びR123を示すアルキル基又はアルケニル基として
は、具体的には例えば、前述したような各種のアルキル
基やアルケニル基等が挙げられるが、湿式クラッチの摩
擦特性により優れる点から、ラウリル基、ミリスチル
基、パルミチル基、ステアリル基、イソステアリル基、
オレイル基等の炭素数12〜18のアルキル基又はアル
ケニル基が特に好ましい。
【0067】また、R117、R118、R121、R122及びR
125を示す基としては、具体的には、水素原子;メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデ
シル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、
ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコ
シル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシ
ル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル
基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝
状でもよい);ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル
基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニ
ル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル
基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセ
ニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデ
セニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニ
ル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセ
ニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタ
コセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等の
アルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状
でもよく、また二重結合の位置も任意である);シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の
炭素数5〜7のシクロアルキル基;メチルシクロペンチ
ル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロ
ペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロ
ヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチル
シクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチル
シクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチル
エチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等
の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(アルキ
ル基のシクロアルキル基への置換位置も任意である);
フェニル基、ナフチル基等のアリール基:トリル基、キ
シリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブ
チルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニ
ル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニ
ルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル
基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18の各アルキ
ルアリール基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状で
もよく、またアリール基への置換位置も任意である);
ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、
フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキ
シル基等の炭素数7〜12の各アリールアルキル基(こ
れらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);等が例
示できる。
【0068】上記式(33)で表される脂肪族モノアミ
ン又はそのアルキレンオキシド付加物としては、湿式ク
ラッチの摩擦特性により優れる点から、式(33)にお
いて、R117及びR118が、それぞれ個別に、水素原子又
は炭素数1〜6のアルキル基であり、かつf=g=0で
ある脂肪族モノアミンや、R117及びR118が水素原子で
あり、かつf及びgが、それぞれ個別に、0〜6でさら
にf+g=1〜6となる整数である、脂肪族モノアミン
のアルキレンオキシド付加物等がより好ましく用いられ
る。また、上記式(34)で表される脂肪族ポリアミン
としては、湿式クラッチの摩擦特性により優れる点か
ら、式(34)において、R121及びR122が、それぞれ
個別に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である
脂肪族ポリアミン等がより好ましく用いられる。また、
上記式(35)で表されるイミダゾリン化合物として
は、湿式クラッチの摩擦特性により優れる点から、式
(35)においてR125が、水素原子又は炭素数1〜6
のアルキル基であるイミダゾリン化合物等がより好まし
く用いられる。
【0069】一方、(E−1)でいうアミン化合物の誘
導体としては、具体的には例えば、上記式(33)〜
(35)のようなアミン化合物に炭素数2〜30のモノ
カルボン酸(脂肪酸等)や、シュウ酸、フタル酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリ
カルボン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又は
イミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、
いわゆる酸変性化合物;式(33)〜(35)のような
アミン化合物にホウ酸を作用させて、残存するアミノ基
及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和した、いわゆ
るホウ酸変性化合物;式(33)〜(35)のようなア
ミン化合物に、その分子中に炭素数1〜30の炭化水素
基を1〜2個有し、炭素数31以上の炭化水素基を含ま
ず、かつ少なくとも1個の水酸基を有する酸性リン酸エ
ステル又は酸性亜リン酸エステルを作用させて、残存す
るアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和し
た、リン酸エステル塩;式(34)又は(35)のよう
なアミン化合物に、エチレンオキシドやプロピレンオキ
シド等のアルキレンオキシドを反応させた、いわゆるア
ミン化合物のアルキレンオキシド付加物;これらの中か
ら選ばれる2種以上の変性を組み合わせて得られるアミ
ン化合物の変性物;等が挙げられる。
【0070】(E−1)のアミン化合物又はその誘導体
としては、具体的には、湿式クラッチの摩擦特性に優れ
る点から、ラウリルアミン、ラウリルジエチルアミン、
ラウリルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノール
アミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ステア
リルテトラエチレンペンタミン、オレイルアミン、オレ
イルプロピレンジアミン、オレイルジエタノールアミ
ン、N−ヒドロキシエチルオレイルイミダゾリン等のア
ミン化合物;これらアミン化合物のアルキレンオキシド
付加物;これらアミン化合物と酸性リン酸エステル(例
えばジ2−エチルヘキシルリン酸エステル)、酸性亜リ
ン酸エステル(例えばジ2−エチルヘキシル亜リン酸エ
ステル)との塩;これらアミン化合物、アミン化合物の
アルキレンオキシド付加物又はアミン化合物の(亜)リ
ン酸エステル塩のホウ酸変性物;又はこれらの混合物等
が特に好ましく用いられる。上記(E−2)のリン化合
物としては、より具体的には例えば、下記の式(36)
で表されるリン酸エステル及び下記の式(37)で表さ
れる亜リン酸エステル等が挙げられる。
【0071】
【化36】 上記(36)式中、R126は、炭素数6〜30、好まし
くは9〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、R
127及びR128は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数
1〜30の炭化水素基を示し、F1、F2、F3及びF
4は、それぞれ個別に、酸素原子又は硫黄原子であり、
かつ、F1、F2、F3及びF4のうち少なくとも一つが酸
素原子である基を示している。
【0072】
【化37】 上記(37)式中、R129は、炭素数6〜30、好まし
くは9〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、R
130及びR131は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数
1〜30の炭化水素基を示し、F5、F6及びF7は、そ
れぞれ個別に、酸素原子又は硫黄原子であり、かつ、F
5、F6及びF7のうち少なくとも一つは酸素原子である
基を示している。
【0073】なお、R126及びR129を示すアルキル基又
はアルケニル基としては、直鎖状でも分枝状でもよい
が、その炭素数は6〜30、好ましくは9〜24が望ま
しい。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が6未満の
場合や30を超える場合は、湿式クラッチの摩擦特性が
悪化するため、それぞれ好ましくない。このアルキル基
又はアルケニル基としては、具体的には例えば、前述し
たような各種のアルキル基やアルケニル基等が挙げられ
るが、特に湿式クラッチの摩擦特性により優れる点か
ら、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステア
リル基、オレイル基等の炭素数12〜18の直鎖アルキ
ル基又はアルケニル基が特に好ましい。
【0074】またR127、R128、R130及びR131を示す
基としては、具体的には、それぞれ個別に、水素原子;
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘ
プタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシ
ル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テ
トラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプ
タコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコ
ンチル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状で
も分枝状でもよい);ブテニル基、ペンテニル基、ヘキ
セニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、
デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセ
ニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサ
デセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノ
ナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコ
セニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタ
コセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オ
クタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基
等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分
枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である);シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基
等の炭素数5〜7のシクロアルキル基;メチルシクロペ
ンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシ
クロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシ
クロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエ
チルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メ
チルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メ
チルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル
基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(こ
れらアルキル基のシクロアルキル基への置換位置も任意
である);フェニル基、ナフチル基等のアリール基:ト
リル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェ
ニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキ
シルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニ
ル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシ
ルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18
の各アルキルアリール基(これらアルキル基は直鎖状で
も分枝状でもよく、またアリール基への置換位置も任意
である);ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプ
ロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フ
ェニルヘキシル基等の炭素数7〜12の各アリールアル
キル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよ
い);等が例示できる。
【0075】(E−2)のリン化合物としては、湿式ク
ラッチの摩擦特性により優れる点から、上記式(36)
において、R127及びR128の少なくとも1つが水素原子
である酸性リン酸エステルや、上記式(37)におい
て、R130及びR131の少なくとも1つが水素原子である
酸性亜リン酸エステルがより好ましく用いられる。ま
た、(E−2)でいうリン化合物の誘導体としては、具
体的には、上記式(36)においてR127及びR128の少
なくとも1つが水素原子である酸性リン酸エステルや、
上記式(37)においてR130及びR131の少なくとも1
つが水素原子である酸性亜リン酸エステルに、アンモニ
アや炭素数1〜8の炭化水素基又は水酸基含有炭化水素
基のみを分子中に含有するアミン化合物等の含窒素化合
物を作用させて、残存する酸性水素の一部又は全部を中
和した塩等が例示できる。
【0076】この含窒素化合物としては、具体的には、
アンモニア;モノメチルアミン、モノエチルアミン、モ
ノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルア
ミン、モノヘキシルアミン、モノヘプチルアミン、モノ
オクチルアミン、ジメチルアミン、メチルエチルアミ
ン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプ
ロピルアミン、ジプロピルアミン、メチルブチルアミ
ン、エチルブチルアミン、プロピルブチルアミン、ジブ
チルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ
ヘプチルアミン、ジオクチルアミン等のアルキルアミン
(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);モノメタ
ノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノー
ルアミン、モノブタノールアミン、モノペンタノールア
ミン、モノヘキサノールアミン、モノヘプタノールアミ
ン、モノオクタノールアミン、モノノナノールアミン、
ジメタノールアミン、メタノールエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、メタノールプロパノールアミン、エ
タノールプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、
メタノールブタノールアミン、エタノールブタノールア
ミン、プロパノールブタノールアミン、ジブタノールア
ミン、ジペンタノールアミン、ジヘキサノールアミン、
ジヘプタノールアミン、ジオクタノールアミン等のアル
カノールアミン(アルカノール基は直鎖状でも分枝状で
もよい);及びこれらの混合物等が例示できる。
【0077】(E−2)のリン化合物又はその誘導体と
しては、具体的には、湿式クラッチの摩擦特性に優れる
点から、モノラウリルリン酸エステル、ジラウリルリン
酸エステル、モノステアリルリン酸エステル、ジステア
リルリン酸エステル、モノオレイルリン酸エステル、ジ
オレイルリン酸エステル、モノラウリル亜リン酸エステ
ル、ジラウリル亜リン酸エステル、モノステアリル亜リ
ン酸エステル、ジステアリル亜リン酸エステル、モノオ
レイル亜リン酸エステル、ジオレイル亜リン酸エステ
ル、モノラウリルチオリン酸エステル、ジラウリルチオ
リン酸エステル、モノステアリルチオリン酸エステル、
ジステアリルチオリン酸エステル、モノオレイルチオリ
ン酸エステル、ジオレイルチオリン酸エステル、モノラ
ウリルチオ亜リン酸エステル、ジラウリルチオ亜リン酸
エステル、モノステアリルチオ亜リン酸エステル、ジス
テアリルチオ亜リン酸エステル、モノオレイルチオ亜リ
ン酸エステル、ジオレイルチオ亜リン酸エステル、及び
これらリン酸エステル、亜リン酸エステル、チオリン酸
エステル、チオ亜リン酸エステルのアミン塩(モノ2−
エチルヘキシルアミン塩等)、及びこれらの混合物等が
特に好ましく用いられる。
【0078】上記(E−3)の脂肪酸アミド又は脂肪酸
金属塩における脂肪酸としては、直鎖脂肪酸でも分枝脂
肪酸でもよく、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよい
が、そのアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、6〜
30、好ましくは9〜24が望ましい。脂肪酸のアルキ
ル基又はアルケニル基の炭素数が6未満の場合や30を
超える場合は、湿式クラッチの摩擦特性が悪化するた
め、それぞれ好ましくない。この脂肪酸としては、具体
的には例えば、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デ
カン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テ
トラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプ
タデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン
酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テト
ラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタ
コサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコン
チル基等の飽和脂肪酸(これら飽和脂肪酸は直鎖状でも
分枝状でもよい);ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン
酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン
酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン
酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、ノナデセン酸、
イコセン酸、ヘンイコセン酸、ドコセン酸、トリコセン
酸、テトラコセン酸、ペンタコセン酸、ヘキサコセン
酸、ヘプタコセン酸、オクタコセン酸、ノナコセン酸、
トリアコンテン酸等の不飽和脂肪酸(これら不飽和脂肪
酸は直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も
任意である);等が挙げられるが、特に湿式クラッチの
摩擦特性により優れる点から、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、各種油
脂から誘導される直鎖脂肪酸(ヤシ油脂肪酸等)の直鎖
脂肪酸やオキソ法等で合成される直鎖脂肪酸と分枝脂肪
酸の混合物等が好ましく用いられる。
【0079】(E−3)でいう脂肪酸アミドとしては、
具体的には例えば、上記脂肪酸やその酸塩化物をアンモ
ニアや炭素数1〜8の炭化水素基又は水酸基含有炭化水
素基のみを分子中に含有するアミン化合物等の含窒素化
合物を反応させて得られるアミド等が挙げられる。この
含窒素化合物としては、具体的には、アンモニア;モノ
メチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミ
ン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、モノヘキ
シルアミン、モノヘプチルアミン、モノオクチルアミ
ン、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルア
ミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、
ジプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルブチル
アミン、プロピルブチルアミン、ジブチルアミン、ジペ
ンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、
ジオクチルアミン等のアルキルアミン(アルキル基は直
鎖状でも分枝状でもよい);モノメタノールアミン、モ
ノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノブ
タノールアミン、モノペンタノールアミン、モノヘキサ
ノールアミン、モノヘプタノールアミン、モノオクタノ
ールアミン、モノノナノールアミン、ジメタノールアミ
ン、メタノールエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、メタノールプロパノールアミン、エタノールプロパ
ノールアミン、ジプロパノールアミン、メタノールブタ
ノールアミン、エタノールブタノールアミン、プロパノ
ールブタノールアミン、ジブタノールアミン、ジペンタ
ノールアミン、ジヘキサノールアミン、ジヘプタノール
アミン、ジオクタノールアミン等のアルカノールアミン
(アルカノール基は直鎖状でも分枝状でもよい);及び
これらの混合物等が例示できる。
【0080】(E−3)の脂肪酸アミドとしては、具体
的には、湿式クラッチの摩擦特性により優れる点から、
ラウリン酸アミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラ
ウリン酸モノプロパノールアミド、ミリスチン酸アミ
ド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸モ
ノプロパノールアミド、パルミチン酸アミド、パルミチ
ン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸モノプロパノー
ルアミド、ステアリン酸アミド、ステアリン酸ジエタノ
ールアミド、ステアリン酸モノプロパノールアミド、オ
レイン酸アミド、オレイン酸ジエタノールアミド、オレ
イン酸モノプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸アミド、
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノプ
ロパノールアミド、炭素数12〜13の合成混合脂肪酸
アミド、炭素数12〜13の合成混合脂肪酸ジエタノー
ルアミド、炭素数12〜13の合成混合脂肪酸モノプロ
パノールアミド、及びこれらの混合物等が特に好ましく
用いられる。一方、(E−3)でいう脂肪酸金属塩とし
ては、具体的には、上記脂肪酸のアルカリ土類金属塩
(マグネシウム塩、カルシウム塩等)や亜鉛塩等が例示
できる。(E−3)の脂肪酸金属塩としては、具体的に
は、湿式クラッチの摩擦特性により優れる点から、ラウ
リン酸カルシウム、ミリスチン酸カルシウム、パルミチ
ン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸
カルシウム、ヤシ油脂肪酸カルシウム、炭素数12〜1
3の合成混合脂肪酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ミリ
スチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、
オレイン酸亜鉛、ヤシ油脂肪酸亜鉛、炭素数12〜13
の合成混合脂肪酸亜鉛、及びこれらの混合物等が特に好
ましく用いられる。
【0081】任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上
の(E)成分は、他の性能、例えば酸化安定性等に影響
を与えない限り、任意の量を配合することができる。摩
擦特性の耐久性を高くするためには、(E)成分の劣化
による摩擦特性の劣化を防ぐことが必要であり、(E)
成分を多量に配合することは、摩擦特性の耐久性を高く
するためには効果的である。しかし多量に配合しすぎる
と、湿式クラッチの結合を維持するために高いことが必
要である静摩擦係数も低下してしまう。したがって、
(E)成分の配合量には限界がある。従って、本発明の
トラクションドライブ用流体において(E)成分を含有
させる場合、その含有量は特に限定されないが、通常、
トラクションドライブ用流体全量基準で、0.005〜
3.0質量%であるのが好ましく、0.01〜2.0質
量%であるのがより好ましい。また、摩擦特性の耐久性
を高くするために、この限界量以上の(E)成分を配合
することが必要となった際には、静摩擦係数を高くする
添加剤((G)成分)を配合するこができる。ここでい
う(G)成分としては、以下のようなものがある。 (G−1) 同一分子内に、(E)成分で示した極性基
を持ち、かつ親油基が、炭素数100以下の炭化水素基
である化合物。(G−1)成分の使用にあたっては、そ
の極性基は、使用する(E)成分と同一であっても異な
っていてもよい。 (G−2) 炭素数が60以下の炭化水素基をもつ、窒
素含有化合物(例えばコハク酸イミドやアミド化合物
等)、あるいは、そのホウ素化合物(例えばホウ酸等)
や硫黄化合物等による変性品である化合物。
【0082】本発明のトラクションドライブ用流体にお
いて、(E)成分と(G)成分を併用する場合、(G)
成分の含有量は特に限定されないが、通常、トラクショ
ンドライブ用流体全量基準で、0.1〜10.0質量%
であるのが好ましく、0.5〜3.0質量%であるのが
より好ましい。(G)成分の含有量が0.1質量%未満
の場合は(G)成分併用による静摩擦係数の増加効果に
乏しく、一方、10.0質量%を越える場合は、低温流
動性および酸化安定性が悪化するため、好ましくない。
また、本発明のトラクションドライブ用流体は、(F)
金属系清浄剤を配合することが好ましい。この(F)金
属系清浄剤の配合により、湿式クラッチの摩擦特性を最
適化し、かつ繰り返し圧縮に対する強度低下を抑えるこ
とができる。(F)金属系清浄剤としては、その全塩基
価が20〜450mgKOH/g、好ましくは50〜4
00mgKOH/gの塩基性金属系清浄剤が望ましい。
なおここで言う全塩基価とは、JIS K2501「石
油製品及び潤滑油−中和価試験法」の7.に準拠して測
定される過塩素酸法による全塩基価を意味している。
【0083】金属系清浄剤の全塩基価が20mgKOH
/g未満の場合は、湿式クラッチの繰り返し圧縮に対す
る強度低下を抑制する効果が不十分であり、一方、全塩
基価が450mgKOH/gを越える場合は構造的に不
安定であり、組成物の貯蔵安定性が悪化するため、それ
ぞれ好ましくない。(F)成分の具体例としては、例え
ば (F−1)全塩基価が20〜450mgKOH/gのア
ルカリ土類金属スルフォネート (F−2)全塩基価が20〜450mgKOH/gのア
ルカリ土類金属フェネート (F−3)全塩基価が20〜450mgKOH/gのア
ルカリ土類金属サリシレート の中から選ばれる1種類又は2種類以上の金属系清浄剤
等が挙げられる。
【0084】ここでいう(F−1)アルカリ土類金属ス
ルフォネートとしては、より具体的には、例えば分子量
100〜1500、好ましくは200〜700のアルキ
ル芳香族化合物をスルフォン化することによって得られ
るアルキル芳香族スルフォン酸のアルカリ土類金属塩、
特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩が好ましく
用いられ、アルキル芳香族スルフォン酸としては、具体
的にはいわゆる石油スルフォン酸や合成スルフォン酸等
が挙げられる。石油スルフォン酸としては、一般に鉱油
の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルフォン化し
たものやホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマ
ホガニー酸等が用いられる。また合成スルフォン酸とし
ては、例えば洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プ
ラントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにア
ルキル化することにより得られる、直鎖状や分枝状のア
ルキル基を有するアルキルベンゼンを原料とし、これを
スルフォン化したもの、あるいはジノニルナフタレンを
スルフォン化したもの等が用いられる。またこれらアル
キル芳香族化合物をスルフォン化する際のスルフォン化
剤としては特に制限はないが、通常、発煙硫酸や硫酸が
用いられる。また、ここでいう(F−2)アルカリ土類
金属フェネートとしては、より具体的には、炭素数4〜
30、好ましくは6〜18の直鎖状又は分枝状のアルキ
ル基を少なくとも1個有するアルキルフェノール、この
アルキルフェノールと元素硫黄を反応させて得られるア
ルキルフェノールサルファイド又はこのアルキルフェノ
ールとホルムアルデヒドを反応させて得られるアルキル
フェノールのマンニッヒ反応生成物のアルカリ土類金属
塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が好
ましく用いられる。
【0085】また、ここでいう(F−3)アルカリ土類
金属サリシレートとしては、より具体的には、炭素数4
〜30、好ましくは6〜18の直鎖状又は分枝状のアル
キル基を少なくとも1個有するアルキルサリチル酸のア
ルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカル
シウム塩等が好ましく用いられる。また、アルカリ土類
金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート及び
アルカリ土類金属サリシレートには、その金属塩が20
〜450mgKOH/gの範囲にある限りにおいて、ア
ルキル芳香族スルフォン酸、アルキルフェノール、アル
キルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマ
ンニッヒ反応生成物、アルキルサリチル酸等を、直接、
マグネシウム及び/又はカルシウムのアルカリ土類金属
の酸化物や水酸化物等のアルカリ土類金属塩基と反応さ
せたり、又は一度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカ
リ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換させるこ
と等により得られる中性塩(正塩)だけでなく、さらに
これら中性塩(正塩)と過剰のアルカリ土類金属塩やア
ルカリ土類金属塩基(アルカリ土類金属の水酸化物や酸
化物)を水の存在下で加熱することにより得られる塩基
性塩や、炭酸ガスの存在下で中性塩(正塩)をアルカリ
土類金属の塩基と反応させることにより得られる過塩基
性塩(超塩基性塩)も含まれる。なお、これらの反応
は、通常、溶媒(ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、キ
シレン等の芳香族炭化水素溶剤、軽質潤滑油基油等)中
で行われる。また、金属系清浄剤は通常、軽質潤滑油基
油等で希釈された状態で市販されており、また、入手可
能であるが、一般的に、その金属含有量が1.0〜20
質量%、好ましくは2.0〜16質量%のものを用いる
のが望ましい。
【0086】本発明のトラクションドライブ用流体にお
いて、(F)成分を含有させる場合、(F)成分の含有
量は特に限定されないが、通常、トラクションドライブ
用流体全量基準で、0.01〜5.0質量%であるのが
好ましく、0.05〜4.0質量%であるのがより好ま
しい。(F)成分の含有量が0.01質量%未満の場合
は湿式クラッチの繰り返し圧縮に対する強度低下を抑制
する効果が不十分であり、一方、5.0質量%を越える
と、組成物の酸化安定性が低下するため、それぞれ好ま
しくない。なお、(C)、(D)、(E)及び(F)成
分を含有させることで、本発明のトラクションドライブ
用流体に、油圧制御機構に必要な耐摩耗性、酸化安定性
及び清浄性と湿式クラッチの摩擦特性制御機構に必要な
湿式クラッチに対する摩擦特性、湿式クラッチの繰り返
し圧縮に対する強度等を付加することが可能となるが、
これらの性能を更に向上させ、かつ、銅系材料等の非鉄
金属に対する耐腐食性、及びナイロン材等の樹脂類の耐
久性等を向上させる目的で、必要に応じて、さらに酸化
防止剤、極圧添加剤、腐食防止剤、ゴム膨潤剤、消泡
剤、着色剤等を単独あるいは数種類組み合わせて含有さ
せてもよい。
【0087】酸化防止剤としては、フェノール系化合物
やアミン系化合物等、潤滑油に一般的に使用されている
ものであれば使用可能である。具体的には、2−6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェノール等のアルキ
ルフェノール類、メチレン−4、4−ビスフェノール
(2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ル)等のビスフェノール類、フェニル−α−ナフチルア
ミン等のナフチルアミン類、ジアルキルジフェニルアミ
ン類、ジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛等のジ
アルキルジチオリン酸亜鉛類、(3、5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)脂肪酸(プロピオ
ン酸等)と1価又は多価アルコール、例えばメタノー
ル、オクタデカノール、1、6ヘキサジオール、ネオペ
ンチルグリコール、チオジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ペンタエリスリトール等とのエステ
ル等が挙げられる。これらの中から任意に選ばれた1種
類あるいは2種類以上の化合物は、任意の量を含有させ
ることができるが、通常、その含有量は、トラクション
ドライブ用流体全量基準で0.01〜5.0質量%であ
るのが望ましい。
【0088】極圧添加剤としては、例えば、ジスルフィ
ド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類等の硫黄系化合物
等が挙げられる。これらの中から任意に選ばれた1種類
あるいは2種類以上の化合物は、任意の量を含有させる
ことができるが、通常、その含有量は、トラクションド
ライブ用流体全量基準で0.01〜5.0質量%である
のが望ましい。腐食防止剤としては、例えば、ベンゾト
リアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール
系、イミダゾール系化合物等が挙げられる。これらの中
から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物
は、任意の量を含有させることができるが、通常、その
含有量は、トラクションドライブ用流体全量基準で0.
01〜3.0質量%であるのが望ましい。消泡剤として
は、例えば、ジメチルシリコーン、フルオロシリコーン
等のシリコーン類が挙げられる。これらの中から任意に
選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物は、任意の
量を含有させることができるが、通常、その含有量は、
トラクションドライブ用流体全量基準で0.001〜
0.05質量%であるのが望ましい。着色剤は任意の量
を含有させることができるが、通常、その含有量は、ト
ラクションドライブ用流体全量基準で0.001〜1.
0質量%であるのが望ましい。
【0089】
【発明の効果】以上のように本発明のトラクションドラ
イブ用流体は、動力伝達能力に優れているだけではな
く、市販されている従来のトラクションドライブ用流体
には備わっていない、油圧制御用流体としての能力、湿
式クラッチの摩擦特性制御用流体としての能力を得るこ
とが可能となり、自動車用トラクションドライブ用流体
として、特に自動車用無段変速機用流体として、その性
能をいかんなく発揮させることが可能となった。
【0090】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例及び比較例によ
りさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによりな
んら限定されるものではない。
【0091】(実施例1〜3)本発明に係るトラクショ
ンドライブ用流体である流体1、流体2および流体3を
次の方法で得た。
【0092】流体1 ジシクロペンタジエン1800gを2.5リットル内容
のオートクレーブに入れ、180℃で3時間反応を行
い、減圧蒸留によりendo体を主成分とするトリシクロペ
ンタジエンを645g得た。得られたトリシクロペンタ
ジエンを水添用の高耐圧オートクレーブに全量入れ、
8.5gの日揮化学(株)製のニッケルケイ藻土系水添
触媒N113を加えて水添反応を行った。水素圧6MP
a、反応温度120℃で反応を開始したが、発熱によっ
て温度が上昇するので、水冷によって温度をコントロー
ルした。40分経過後に水素の吸収が非常に少なくなっ
たので反応温度を140℃まで上げて1時間反応を行い
水添を完了させた。水添物を触媒から分離し、減圧蒸留
によって精製し、常温では固体である600gの水添化
合物を得た。この化合物は、NMR分析により、下記式
(38)および(39)の2種類の構造をもつことがわ
かった。
【0093】
【化38】
【化39】
【0094】式(38)で示される化合物と式(39)
で示される化合物の配合割合は、約70:30であっ
た。続いて異性化反応を行った。まず、2リットル四つ
口フラスコに攪拌機、上部先端に窒素ラインと接続した
三方コックを取り付けた冷却管、滴下ロート、温度計を
取り付け、内部を十分に窒素置換した。続いて、塩化ア
ルミニウム15.3gと塩化メチレン300ミリリット
ルを入れ水浴で20℃に保ち、これに前記水添化合物4
63gを塩化メチレン240ミリリットルで溶解したも
のを滴下ロートより1時間かけてゆっくりと加えた。滴
下後1時間経過しても大幅な温度上昇は認められなかっ
たので、45℃に加熱を行い、8時間反応を行った。滴
下ロートより水500ミリリットルをゆっくり加えて触
媒を失活させ、水相を分離後、蒸留により流体1を35
2g回収した。ガスクロマトグラフィーによって分析し
たところ、異性化前化合物は約5%残存していた。この
反応により異性化された割合が約95%である流体1を
得た。
【0095】流体2および流体3 上記異性化反応において、反応時間を短縮して同様に異
性化反応を行うことにより、異性化された割合がそれぞ
れ70%および40%の流体2および流体3を得た。
【0096】このようにして得られた流体1、流体2及
び流体3について、それぞれトラクション係数、−30
℃における低温粘度(BF粘度(ブルックフィールド
法))、及び流動点(JIS K 2269に準拠)を計測し、そ
の結果を表1に示した。なお、トラクション係数は、4
ローラートラクション係数試験機を用いて、周速5.2
3m/s、油温60℃、最大ヘルツ圧1.10GPa、
すべり率2%の試験条件で計測した。
【0097】(比較例1〜2)流体1〜3の前駆体であ
るトリシクロペンタジエンの異性化前水添物(異性化前
化合物)及び産業用機械の分野では既に利用されており
高いトラクション係数を有することが知られている2−
メチル−2,4−ジシクロヘキシルペンタン(流体A)
についても同様にトラクション係数、−30℃における
低温粘度(BF粘度(ブルックフィールド法))、及び
流動点(JIS K 2269に準拠)を計測し、その結果を表1
に示した。
【0098】
【表1】
【0099】(実施例4〜6)上記の流体1、流体2、
流体3及び流体Aを用い、これら成分を表2に示すよう
な割合で混合した各種の混合流体(流体4〜6)を調製
した。流体4〜6について、それぞれトラクション係数
と−30℃における低温粘度(ブルックフィールド法)
を計測した。その結果を表2に示した。
【0100】
【表2】
【0101】表2から明らかなように、本発明の流体
1、流体2及び流体3を既存のトラクションドライブ用
流体である2−メチル−2,4−ジシクロヘキシルペン
タン(流体A)に混合することにより、トラクション係
数をほとんど変化させることなく、その低温粘度特性を
大きく改善することが可能となる。
【0102】(実施例7〜19)流体1または流体2
に、(B)数平均分子量が18,000のポリメタクリ
レート(PMA)、数平均分子量が2,700のポリイ
ソブチレン(PIB)および数平均分子量が9,900
のエチレン・α−オレフィン共重合体水素化物(OC
P)から選ばれる粘度指数向上剤を種々配合したものを
調製した(流体7〜19)。これらの流体と流体1につ
いて、100℃における動粘度、−30℃における低温
粘度(BF粘度)及びトラクション係数を計測した。そ
の結果を表3及び表4に示す。
【0103】(比較例4〜6)実施例7〜19と同様
に、流体Aに、(B)PMA、PIBおよびOCPから
選ばれる粘度指数向上剤を種々配合したものを調製した
(流体B〜D)。これらの流体の100℃における動粘
度、−30℃における低温粘度(BF粘度)及びトラク
ション係数を計測した。その結果を表3及び表4に示
す。
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【0106】表3および表4の結果から明らかなとお
り、(B)粘度指数向上剤を配合することにより、その
トラクション係数や低温粘度特性を大きく変化させるこ
となく、高温粘度を大きく上昇させることが可能とな
る。
【0107】(実施例20〜37)流体1または流体2
に、流体A、(B)粘度指数向上剤、(C)無灰分散剤
及び(D)リン系添加剤等を表5〜表7の各例に示すよ
うな割合で配合したものを調製した(流体20〜3
7)。これら調整した流体20〜37について、それぞ
れ、耐摩耗性及び酸化安定性の評価を行った。その結果
を表5〜表7に示す。なお、耐摩耗性は、ASTM D
2266に準拠し、80℃、1800rpm、294N
(30kgf)、60分の条件でShell四球試験を
行い、試験後の鋼球の摩耗痕径で評価した。また、酸化
安定性は、JIS K2514の潤滑油酸価安定度試験
に準拠し、150℃、96時間の条件で酸化試験を行っ
て評価した。
【0108】
【表5】
【0109】
【表6】
【0110】
【表7】
【0111】表5〜7における用語は以下の化合物を示
す。 (1)OCP:表3のOCPと同一 (2)PMA:表3のPMAと同一 (3)無灰分散剤A:アルケニルコハク酸イミド(ビス
タイプ,数平均分子量5500) (4)無灰分散剤B:ホウ素化アルケニルコハク酸イミ
ド(モノタイプ,数平均分子量4500) (5)リン系添加剤A:ジフェニルハイドロジェンホス
ファイト (6)酸化防止剤A:ビスフェノール系酸化防止剤
【0112】表5〜7の結果から明らかなとおり、
(C)無灰分散剤と(D)リン系添加剤を併用して配合
することにより、トラクションドライブ用流体に必要な
耐摩耗性や酸化安定性・清浄性を付与することが可能と
なる。
【0113】(実施例38〜53)流体1または流体2
に、流体A、(B)粘度指数向上剤、(C)無灰分散
剤、(D)リン系添加剤、(E)摩擦調整剤、(F)金
属系清浄剤等の添加剤を表8〜表10の各例に示すよう
な割合で配合したものを調製した(流体38〜53)。
これら調整した流体38〜53並びに流体1、流体20
及び流体27について、それぞれ、スリップ試験機を用
いて以下の条件で低速滑り試験を実施し、摩擦係数のす
べり速度の依存性(μ(1rpm) /μ(50rpm)の値:この値
が1を越える場合は正勾配、1未満の場合は負勾配とす
る)を測定した。その結果を表8〜表10に示す。
【0114】[低速滑り試験] (1)試験条件:JASO M−349−95(自動変
速機油シャダー防止性能試験方法)に準拠 (2)油 量 :0.2リットル (3)油 温 :80℃ (4)面 圧 :0.98MPa
【0115】
【表8】
【0116】
【表9】
【0117】
【表10】
【0118】表8〜10における用語は以下の化合物を
示す。 (1)OCP:表3のOCPと同一 (2)PMA:表3のPMAと同一 (3)無灰分散剤A:表5の無灰分散剤Aと同一 (4)無灰分散剤B:表5の無灰分散剤Bと同一 (5)リン系添加剤A:表5のリン系添加剤Aと同一 (6)酸化防止剤A:表5の酸化防止剤Aと同一 (7)摩擦調整剤A:エトキシ化オレイルアミン (8)摩擦調整剤B:オレイルアミン (9)MgスルフォネートA:石油系、塩基価(過塩素
酸法) 300mgKOH/g、Mg含有量6.9質量
% (10)CaスルフォネートA:石油系、全塩基価(過
塩素酸法)300mgKOH/g、Mg含有量12.0
質量%
【0119】表8〜表10から明らかなとおり、(E)
摩擦調整剤及び/又は(F)金属系清浄剤を配合するこ
とにより、変速クラッチやスリップロックアップクラッ
チ等の湿式クラッチにおける最適化された摩擦特性を付
与することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 133/16 C10M 133/16 133/46 133/46 133/54 133/54 133/56 133/56 137/02 137/02 137/04 137/04 137/08 137/08 137/10 137/10 A 139/00 139/00 A 143/00 143/00 145/14 145/14 145/16 145/16 145/24 145/24 149/02 149/02 149/10 149/10 159/22 159/22 159/24 159/24 169/04 169/04 // C10N 10:04 C10N 10:04 20:00 20:00 A Z 20:04 20:04 30:02 30:02 30:04 30:04 30:06 30:06 40:04 40:04 (72)発明者 大川 哲夫 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社潤滑油部潤滑油研究所内 Fターム(参考) 4H104 AA20C BA02A BE02C BE04C BE11C BE30C BF01C BF03C BH02C BH03C BH05C BH07C BJ05C CA01C CB08C CB09C CB14C CE01C CE05C DA02A DB06C DB07C EA03A EA03C EA04A EA22C EB02 EB05 EB07 EB08 FA02 LA01 LA02 LA03 PA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロペンタジエンのディールス・アル
    ダー反応により得られるシクロペンタジエン系縮合炭化
    水素化合物の3量体化合物を水素化した化合物をさらに
    異性化し、流動点を−10℃以下とした飽和多環式炭化
    水素化合物からなるトラクションドライブ用流体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトラクションドライブ
    用流体において、さらに、(A)鉱油及び分子量が15
    0〜800の合成油からなる群の中から選ばれる少なく
    とも1種を含有することを特徴とするトラクションドラ
    イブ用流体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のトラクションド
    ライブ用流体において、さらに、(B)粘度指数向上剤
    を含有することを特徴とするトラクションドライブ用流
    体。
  4. 【請求項4】 (B)粘度指数向上剤が、数平均分子量
    が800以上150,000以下のエチレン−α−オレ
    フィン共重合体又はその水素化物である請求項3に記載
    のトラクションドライブ用流体。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載のトラク
    ションドライブ用流体において、さらに、(C)無灰分
    散剤及び(D)リン系添加剤を含有することを特徴とす
    るトラクションドライブ用流体。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5に記載のト
    ラクションドライブ用流体において、さらに、(E)炭
    素数6〜30のアルキル基あるいはアルケニル基を分子
    中に少なくとも1個有し、かつ炭素数31以上の炭化水
    素基を分子中に含有しない摩擦調整剤を含有することを
    特徴とするトラクションドライブ用流体。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6に記載
    のトラクションドライブ用流体において、さらに、
    (F)全塩基価が20〜450mgKOH/gの金属系
    清浄剤を含有することを特徴とするトラクションドライ
    ブ用流体。
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