JP2001334949A - 後輪操舵制御装置 - Google Patents

後輪操舵制御装置

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JP2001334949A
JP2001334949A JP2000156953A JP2000156953A JP2001334949A JP 2001334949 A JP2001334949 A JP 2001334949A JP 2000156953 A JP2000156953 A JP 2000156953A JP 2000156953 A JP2000156953 A JP 2000156953A JP 2001334949 A JP2001334949 A JP 2001334949A
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Japan
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wheel steering
steering angle
rear wheel
transfer function
physical quantity
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JP2000156953A
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English (en)
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Tokihiko Akita
時彦 秋田
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D7/00Steering linkage; Stub axles or their mountings
    • B62D7/06Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins
    • B62D7/14Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering
    • B62D7/15Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering characterised by means varying the ratio between the steering angles of the steered wheels
    • B62D7/159Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering characterised by means varying the ratio between the steering angles of the steered wheels characterised by computing methods or stabilisation processes or systems, e.g. responding to yaw rate, lateral wind, load, road condition

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前輪舵角に対する目標後輪舵角のゲインの設
定工数を大幅に短縮可能な後輪操舵制御装置を提供する
こと。 【解決手段】目標後輪舵角演算手段(コントローラ)
は、可変定数入力手段を有し、前輪舵角に対する特定物
理量(車体スリップ角β)の理論伝達関数の所定の特性
パラメータ(定常βゲイン等)に可変定数入力手段によ
り入力された各々の可変定数(Kβ等)を乗算してなる
伝達関数を目標伝達関数(目標β伝達関数5)とし、前
輪舵角に対する特定物理量の等価伝達関数を、k(s)7と
前輪舵角に対する特定物理量の理論伝達関数(Gbdf(s)
1)と後輪舵角に対する特定物理量の理論伝達関数(Gb
dr(s)3)とにより表現したときに、等価伝達関数が目
標伝達関数と等価になるように、k(s)7を逆演算する逆
演算設定手段を有し、逆演算設定手段により設定された
k(s)7に基づいて目標後輪舵角を演算することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の運動状態に
応じ、前輪のみならず後輪をも操舵し車両の走行安定性
等を向上することができる後輪操舵制御装置に関し、特
に、その目標後輪舵角設定における工数低減に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の運動状態に応じ、前輪
のみならず後輪をも操舵し車両の走行安定性等を向上す
ることができる後輪操舵制御装置が知られている。かか
る後輪操舵装置においては、車両の各運動状態に応じ、
前輪舵角に対しいかに最適な目標後輪舵角を設定するか
が問題となるところ、例えば、刊行物「自動車の操舵系
と操安性」(発行所:株式会社 山海堂、著者:カヤバ
工業株式会社、第1刷発行日:平成8年9月10日)の
196頁の「7.5.3横すべり零化4WS制御」の欄によ
れば、車体スリップ角(車両の進行方向と車両の前後方
向との偏差角)に着目し、常時この車体スリップ角を零
にするように後輪舵角を制御することにより操安性に優
れた理想の車両特性が得られることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際に上述の
「横すべり零化4WS制御」を実車にて実施すると、前
輪舵角に対する目標後輪舵角のゲインが大きくなりすぎ
て、通常のドライバーには違和感を与える結果となるこ
とがわかっている。したがって、「横すべり零化4WS
制御」は非実用的であり、実際には、実車実験によるト
ライアンドエラーにより様々な車両の運動状態に応じて
前輪舵角に対する最適な目標後輪舵角のゲインを設定し
ていた。よって、かかるゲインの設定には、多大な工数
が必要であった。
【0004】また、例えば、特公昭60−44185号
公報においても、車速に応じて前輪舵角に対する後輪舵
角のゲインを可変にする後輪操舵制御装置が開示されて
いるが、かかる公報においてもこのゲインの設定につい
ては何ら記載されておらず、上述のごとくゲイン設定に
多大な工数が必要となることに変わりはない。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、前輪舵角に対する目標後輪舵角のゲイ
ンの設定工数を大幅に短縮可能な後輪操舵制御装置を提
供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、少なくとも車速、実前輪舵角及び実後輪
舵角を検出する検出手段と、少なくとも検出手段の検出
結果に基づいて目標後輪舵角を演算する目標後輪舵角演
算手段と、検出手段により検出された実後輪舵角が目標
後輪舵角演算手段により演算された目標後輪舵角になる
ように制御する後輪舵角制御手段とを有する後輪舵角制
御装置であって、目標後輪舵角演算手段は、可変定数入
力手段を有し、前輪舵角に対する後輪舵角の伝達関数を
設定するにあたり、車両の運動を表現する特定物理量に
着目し、前輪舵角に対する特定物理量の理論伝達関数の
所定の特性パラメータに可変定数入力手段により入力さ
れた各々の可変定数を乗算してなる伝達関数を目標伝達
関数とし、前輪舵角に対する特定物理量の等価伝達関数
を前輪舵角に対する後輪舵角の伝達関数と前輪舵角に対
する特定物理量の理論伝達関数と後輪舵角に対する特定
物理量の理論伝達関数とにより表現したときに、等価伝
達関数が目標伝達関数と等価になるように、前輪舵角に
対する後輪舵角の伝達関数を逆演算する逆演算設定手段
を有し、逆演算設定手段により設定された前輪舵角に対
する後輪舵角の伝達関数に基づいて目標後輪舵角を演算
することを特徴とする後輪操舵制御装置とした。なお、
ここにおいて、「車両の運動を表現する特定物理量」と
は、例えば車体スリップ角、ヨーレート、横加速度等が
考えられる。また、「理論伝達関数」とは、適当な車両
運動モデルを想定したときに制御理論により算出される
各種伝達関数の理論式をいう。理論伝達関数の「所定の
特性パラメータ」とは、算出された理論伝達関数に登場
する各種パラメータをいい、例えば静特性に関するもの
として特定物理量の定常ゲイン、動特性に関するものと
して固有角周波数、減衰率、進み項等が挙げられる。
【0007】本発明によれば、目標後輪舵角演算手段
は、前輪舵角に対する特定物理量の理論伝達関数を導
き、その理論伝達関数に登場する所定の各特性パラメー
タに可変定数入力手段により入力された各々の可変定数
を乗算してなる伝達関数を目標伝達関数とした上で、前
輪舵角に対する特定物理量の等価伝達関数を3つの伝達
関数、即ち前輪舵角に対する後輪舵角の伝達関数と前輪
舵角に対する特定物理量の理論伝達関数と後輪舵角に対
する特定物理量の理論伝達関数とにより表現したとき
に、等価伝達関数が目標伝達関数と等価になるように、
前輪舵角に対する後輪舵角の伝達関数を逆演算設定手段
により設定し、設定された前輪舵角に対する後輪舵角の
伝達関数に基づいて目標後輪舵角を演算するので、設定
された前輪舵角に対する後輪舵角の伝達関数は、所定の
特性パラメータに乗算された可変定数入力手段により入
力した各々の可変定数を含んだ表現形式になり、この各
々の可変定数をチューニングすることにより前輪舵角に
対する後輪舵角のゲインを調整可能になる。ここで、こ
の各々の可変定数をチューニングすることは、前輪舵角
に対する特定物理量の理論伝達関数に登場する所定の各
特性パラメータを夫々別個独立に、かつ、相対的にチュ
ーニングすることになるので、各特性パラメータの物理
的意味を考察しながら、ドライバーの感覚に沿うように
各特性パラメータをチューニングできるようになる。よ
って、前輪舵角に対する後輪舵角のゲインをチューニン
グする際に、各特性パラメータの変更による車両の運動
特性の変化を予め予測しながら可変定数入力手段により
入力される各々の可変定数のみをチューニングすればよ
いので、実車実験によるトライアンドエラーによる前輪
舵角に対する目標後輪舵角のゲインの設定工数を大幅に
短縮することができる。
【0008】より好ましくは、検出手段は車両の運動を
表現する実第2特定物理量を検出でき、目標後輪舵角演
算手段は、第2特定物理量に着目し、前輪舵角に対する
第2特定物理量の伝達関数を逆演算設定手段により設定
された前輪舵角に対する後輪舵角の伝達関数と前輪舵角
に対する第2特定物理量の理論伝達関数と後輪舵角に対
する第2特定物理量の理論伝達関数とにより演算する第
2特定物理量伝達関数設定手段を有し、第2特定物理量
伝達関数設定手段により設定された前輪舵角に対する第
2特定物理量の伝達関数に基づいて演算された目標第2
特定物理量と、検出手段により検出された実第2特定物
理量が一致するようにフィードバック制御を行うフィー
ドバック制御手段を有し、フィードバック制御手段によ
り目標後輪舵角を補正するようにするとよい。ここで、
「第2特定物理量」とは、前述の「特定物理量」と同
様、例えば車体スリップ角、ヨーレート、横加速度等が
考えられ、「第2特定物理量」と「特定物理量」とは同
一の物理量を選択してもよい。
【0009】このように、フィードバック制御手段を設
け目標後輪舵角を補正することにより、外乱等にも強
い、より精度の高い目標後輪舵角を設定することが可能
となる。すなわち、第2特定物理量伝達関数設定手段に
より設定された前輪舵角に対する第2特定物理量の伝達
関数に基づいて演算された目標第2特定物理量は、可変
定数入力手段により入力された各々の可変定数によりチ
ューニングされ逆演算設定手段により設定された前輪舵
角に対する後輪舵角の伝達関数を利用して演算される。
この目標第2特定物理量は、各々の可変定数のチューニ
ングの結果得られることが予想される車両運動特性を第
2特定物理量を用いて表現した目標値である。他方、設
定された前輪舵角に対する後輪舵角の伝達関数に基づい
て演算された目標後輪舵角になるように後輪舵角制御手
段により制御される実後輪舵角は、外乱等の影響により
目標後輪舵角と同一にならない場合があり、この差異
は、実車両運動により得られる検出手段が検出する実第
2特定物理量にも変化を生じさせる。また実後輪舵角が
目標後輪舵角と全く同一に制御された場合においても、
やはり外乱等の影響により実第2特性物理量に変化が生
じる。よって、検出手段が検出する実第2特定物理量と
目標第2特定物理量とは差異を生じる場合がある。しか
し、このようにフィードバック制御手段を設け、この差
異が消滅する方向に目標後輪舵角を補正することによ
り、外乱等が発生しても、各々の可変定数のチューニン
グの結果得られることが予想される車両運動特性により
近い車両運動特性が得られるように、より精度の高い目
標後輪舵角を設定することが可能となる。なお、この第
2特性物理量は、検出手段が実測値を検出しやすいヨー
レートや横加速度等を選定することが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。本発明は、少なくとも車速、実前
輪舵角及び実後輪舵角を検出する検出手段と、少なくと
も検出手段の検出結果に基づいて目標後輪舵角を演算す
る目標後輪舵角演算手段と、検出手段により検出された
実後輪舵角が目標後輪舵角演算手段により演算された目
標後輪舵角になるように制御する後輪舵角制御手段とを
有する後輪舵角制御装置に関するものであり、上記検出
手段は各種センサにより構成され、また、目標後輪舵角
演算手段及び後輪舵角制御手段は、コントローラ(EC
U)にて構成される。これら各種センサ、コントローラ
及び転舵機構(機械的構成)等についての具体的な車両
搭載態様については、周知事項であるので説明を省略す
る。
【0011】図1は、本発明の実施の形態における目標
後輪舵角演算手段が逆演算設定手段により設定するコン
トローラ伝達関数k(s)(前輪舵角に対する後輪舵角の伝
達関数)を設定する際の元になるブロック線図を示して
いる。図1に示すように、本実施の形態では、車両の運
動を表現する特定物理量として車体スリップ角βを採用
している。車体スリップ角βを採用すれば、前述のドラ
イバーが違和感を感じる「横すべり零化4WS制御」を
基本とし、この「横すべり零化4WS制御」からの相対
的な比較をしながら各特性パラメータをチューニングす
ることができるからである。また、本実施の形態では、
前輪舵角の代わりに前輪ステアリング角(ハンドルの舵
角)を用いてブロック線図を表現している。これは、本
実施の形態が、前輪舵角と前輪ステアリング角とが1対
1にリニアに対応する通常の車両を想定していることに
基づくものである。また、本実施の形態においては、演
算に使用する車両運動モデルとしては、演算を簡易にす
るため、いわゆる2輪モデルを採用している。
【0012】図1において、Gbdf(s)1は、前輪ステア
リング角θf(s)に対する実車体スリップ角β(s)の実β
伝達関数(前輪舵角に対する特定物理量の理論伝達関
数)を示している。Gbdr(s)3は、後輪舵角θr(s)に対
する実車体スリップ角β(s)の実β伝達関数(後輪舵角
に対する特定物理量の理論伝達関数)を示している。こ
れらGbdf(s)1及びGbdr(s)3は、具体的には、2輪モデ
ルより、それぞれ図2の式(1)及び式(2)に示すよ
うな理論式にて与えられる。図3には、これら式
(1)、式(2)等に登場する各定数等の説明がなされ
ている。また、これら式(1)、式(2)等において、
Gbdf(0)は静特性におけるθf(s)に対する定常βゲイ
ン、Tbは動特性における進み項、ζは動特性におけるダ
ンピング係数、ωnは動特性における固有角周波数、Gbd
r(0)は静特性におけるθr(s)に対する定常βゲインであ
る。
【0013】Gbdfr(s)5は、前輪ステアリング角θf(s)
に対する目標車体スリップ角βr(s)の目標β伝達関数
(目標伝達関数)を示している。Gbdfr(s)5は、図2の
式(3)に示すように、Gbdf(s)1を示す式(1)にお
いて、車両運動における特性パラメータとして選定し
た、θf(s)に対する定常βゲインGbdf(0)、進み項Tb、
ダンピング係数ζ、固有角周波数ωnに対して、それぞ
れ可変定数Kβ、Tlc、Tc、Wcを乗算したものである。こ
れら可変定数Kβ、Tlc、Tc、Wcは、それぞれコントロー
ラ(目標後輪舵角演算手段)に外部から入力できるよう
になっている(可変定数入力手段)。
【0014】k(s)は、前輪ステアリング角θf(s)に対す
る後輪舵角θr(s)の伝達関数を与えるコントローラ伝達
関数(前輪舵角に対する後輪舵角の伝達関数)であり、
コントローラは、このk(s)に基づいて前輪ステアリング
角θf(s)に対する目標後輪舵角を演算する。コントロー
ラは、このk(s)を、以下のようにして、上述の可変定数
Kβ、Tlc、Tc、Wcを含んだ表現形式にて算出する。
【0015】すなわち、図1に示すように、前輪ステア
リング角θf(s)に対する目標車体スリップ角βr(s)の伝
達関数は目標β伝達関数Gbdfr(s)5により与えられ、一
方、前輪ステアリング角θf(s)に対する実車体スリップ
角β(s)の伝達関数は、コントローラ伝達関数k(s)、実
β伝達関数Gbdf(s)、及び実β伝達関数Gbdr(s)の3つの
伝達関数の和及び積(等価伝達関数)にて与えられる。
ここで、目標β伝達関数Gbdfr(s)と等価伝達関数とが等
価になるように、コントローラ伝達関数k(s)を逆演算し
て求める(逆演算設定手段)。具体的には、Gbdfr(s)=
Gbdf(s)+k(s)・Gbdr(s)より、k(s)=(Gbdfr(s)―Gbdf
(s))/Gbdr(s)となる。この演算結果は、図2の式
(4)に示すとおりである。以上のように設定されたコ
ントローラ伝達関数k(s)は、式(4)に示すように、可
変定数Kβ、Tlc、Tc、Wcを含んだ表現形式にて算出さ
れ、これら可変定数をそれぞれ外部からコントローラに
入力することにより、前輪ステアリング角に対する後輪
舵角のゲインが調整可能になる。
【0016】以上、コントローラが前輪ステアリング角
θf(s)に対する目標後輪舵角θr(s)を演算するために使
用するコントローラ伝達関数k(s)が算出されたが、この
k(s)は式(4)に示すごとく3次モデルとなっている。
この3次モデルのk(s)に基づいてコントローラを設計す
ることもできるが、設計コスト低減のため、k(s)を近似
低次元化し、さらに離散化(デジタル化)してコントロー
ラを設計することもできる。かかる処理の流れを図4に
示す。
【0017】図4に示すように、まず、ステップ100
にて、可変定数Kβ、Tlc、Tc、Wcをそれぞれ外部からコ
ントローラに入力する。次にステップ101にて、上述
したようにコントローラ伝達関数(舵角比)k(s)が3次
モデルとして算出される。このk(s)を次のステップ10
2にて制御理論に基づくいわゆる近似低次元化処理によ
り、低次元化伝達関数定数を用いた形の1次モデルK'
(s)に変換する。K'(s)は、式(5)に示されるとおりで
ある。このK'(s)に前輪ステアリング角θf(s)を乗じ、
ステップ103にて、離散化処理を加えることにより、
目標後輪舵角θr(n)を求める。目標後輪舵角θr(n)は、
式(6)に示したように、前輪ステアリング角計測値θ
f(n)、前回前輪ステアリング角計測値θf(n-1)、及び前
回目標後輪舵角値θr(n-1)に対し、それぞれ係数K1,K2,
K3を乗算した形にて表現される。係数K1,K2,K3は、それ
ぞれ検出手段により検出された車速に関するマップとし
て表現される。
【0018】図5及び図6は、前輪ステアリング角を中
立状態から90°ステップ入力させた状態において、可
変定数Kβ、Tlc、Tc、Wcを種々変化させたときの、車両
運動を表現する各物理量(後輪舵角、車体スリップ角、
ヨーレート)の応答の推移の計算値を示している。計算
は、上述の式(6)に示した目標後輪舵角θr(n)の算出
式に基づいて目標後輪舵角を求め、この結果を2輪モデ
ルにあてはめ、制御理論から導き出される理論式を用い
ることにより行っている。
【0019】図5は、動特性に関する特性パラメータで
ある進み項Tb、ダンピング係数ζ、固有角周波数ωnの
それぞれの可変定数であるTlc、Tc、Wcを全て1に固定
し、静特性に関する特性パラメータである定常βゲイン
Gbdf(0)の可変定数であるKβを0から1まで0.25づつ変
化させたときの後輪舵角、車体スリップ角、及びヨーレ
ートの応答の推移を示している。点線は、Kβ=1の場合
を示している。図5より、Kβを0から1まで0.25づつ
変化させていくと、後輪舵角の定常値はゼロに近づき、
車体スリップ角の定常値(絶対値)はゼロから次第に大
きくなり、ヨーレートの定常値も次第に大きくなること
が分かる。ここで、Kβ=0とすることは、前述の「横
すべり零化4WS制御」を行うことに対応し、Kβ=1
とすることは、目標後輪舵角を常時ゼロとするいわゆる
2WSの状態になることに対応するものであるが、この
図5の結果は、この傾向をよく反映している。すなわ
ち、Kβ=0のときは、車体スリップ角の定常値はゼロ
となっており「横すべり零化4WS制御」を行っている
ことが理解でき、またKβ=1のときは、後輪舵角の定
常値がゼロとなっており2WSの状態になっていること
が理解できる。
【0020】図6は、静特性に関する特性パラメータで
ある定常βゲインGbdf(0)の可変定数であるKβを0.5に
固定し、動特性に関する特性パラメータである進み項T
b、ダンピング係数ζ、固有角周波数ωnのそれぞれの可
変定数であるTlc、Tc、Wcを種々変化させたときの後輪
舵角、車体スリップ角、及びヨーレートの応答の推移を
示している。点線は、Kβ=Tlc=Tc=Wc=1の場合(2W
S)を示している。図6より、例えば車体スリップ角に
ついて考察すると、Wc=2すなわち固有角周波数ωnを
2倍にしたり、Tc=2.5すなわちダンピング係数ζを2.5
倍にすると、車体スリップ角が2WSの状態に比して、
より早い段階にて定常状態になっていることが分かる。
この傾向も、車両の物理的傾向をよく反映していること
が分かる。
【0021】以上、このように、各々の可変定数をチュ
ーニングすることは、車両の各特性パラメータを夫々別
個独立に、かつ、相対的にチューニングすることになる
ので、各特性パラメータの物理的意味を考察しながら、
ドライバーの感覚に沿うように各特性パラメータをチュ
ーニングできるようになる。よって、前輪舵角に対する
後輪舵角のゲインをチューニングする際に、各特性パラ
メータの変更による車両の運動特性の変化を予め予測し
ながら可変定数入力手段により入力される各々の可変定
数のみをチューニングすればよいので、実車実験による
トライアンドエラーによる前輪舵角に対する目標後輪舵
角のゲインの設定工数を大幅に短縮することができる。
【0022】図7は、コントローラにフィードバック制
御手段を加えた場合の本装置の制御ブロック線図を示
す。図7において、ステアリング角θf(s)が入力される
と、前述のコントローラ伝達関数k(s)7により目標後輪
舵角θrt(s)が演算される(目標後輪舵角演算手段)。
この目標後輪舵角θrt(s)は、コントローラの後輪舵角
サーボ制御9に供され、実後輪舵角は、この目標後輪舵
角θrt(s)になるようにサーボ制御される(後輪舵角制
御手段)。このサーボ制御された後輪舵角θr(s)は実車
両11の後輪に入力される。車両の運動により発生する
ヨーレートγ(s)(実第2特定物理量)は、ヨーレート
センサ(検出手段)により検出される。
【0023】一方、k(s)・実γ伝達関数13(第2特定
物理量伝達関数設定手段)は、コントローラ伝達関数k
(s)7と、2輪モデルの制御理論式により与えられるス
テアリング角に対するヨーレートの理論伝達関数(前輪
舵角に対する第2特定物理量の理論伝達関数)と、2輪
モデルの制御理論式により与えられる後輪舵角に対する
ヨーレートの理論伝達関数(後輪舵角に対する第2特定
物理量の理論伝達関数)との和及び積により求められ
(図1における等価伝達関数に対応する)、具体的に
は、式(7)にて与えられる。このk(s)・実γ伝達関数
13により演算された目標ヨーレートγr(s)(目標第2
特定物理量)は、上述のヨーレートγ(s)(実第2特定
物理量)と比較され、目標ヨーレートγr(s)とヨーレー
トγ(s)との差がフィードバック制御15に供される。
フィードバック制御15においては、目標ヨーレートγ
r(s)とヨーレートγ(s)との差に対して所定の比例ゲイ
ンを乗算して補正目標後輪舵角を演算し、この補正目標
後輪舵角を上述の目標後輪舵角θrt(s)に加えて、目標
ヨーレートγr(s)とヨーレートγ(s)との差がなくなる
ように目標後輪舵角を補正している。
【0024】以上のように、フィードバック制御手段を
設け目標後輪舵角θrt(s)を補正することにより、外乱
等にも強い、より精度の高い目標後輪舵角を設定するこ
とが可能となる。すなわち、実後輪舵角が常に目標後輪
舵角と一致し、かつ、横風・路面のμの変化等の外乱を
全く受けない状態においては、実車にて検出されるヨー
レートγ(s)は、理論上目標ヨーレートγr(s)と全く同
一になるはずである。しかし、実後輪舵角は、外乱等の
影響により目標後輪舵角と同一にならない場合があり、
この差異は、ヨーレートγ(s)にも変化を生じさせる。
また実後輪舵角が目標後輪舵角と全く同一に制御された
場合においても、やはり外乱等の影響により実車にて検
出されるヨーレートγ(s)には変化が生じる。よって、
目標ヨーレートγr(s)と実車にて検出されるヨーレート
γ(s)とは差異を生じる場合がある。しかしながら、こ
のようにフィードバック制御手段15を設け、この差異
が消滅する方向に目標後輪舵角θrt(s)を補正すること
により、外乱等が発生しても、各々の可変定数のチュー
ニングの結果得られることが予想される車両運動特性に
より近い車両運動特性が得られるように、より精度の高
い目標後輪舵角を設定することが可能となる。なお、図
7において、第2特定物理量は、センサ等の検出手段が
実測値を検出しやすいヨーレートを選択しているが、こ
れに限定されるものではなく、横加速度等を選択しても
よい。また、実測が可能であるならば、コントローラ伝
達関数k(s)を設定する際に使用した車体スリップ角を第
2特定物理量として選択してもよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前輪舵角に対する目標後輪舵角のゲインの設定工数を大
幅に短縮可能な後輪操舵制御装置を提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる後輪操舵制御装置に
おいて、コントローラ伝達関数k(s)を設定する際の元に
なるブロック線図である。
【図2】k(s)を設定する際の元になる各伝達関数の理論
式である。
【図3】図2の理論式に登場する各定数の説明をしてい
る。
【図4】k(s)を近似低次元化し、さらに離散化してコン
トローラを設計する際の処理の流れを示したフローチャ
ートである。
【図5】動特性に関する特性パラメータを固定し、静特
性に関する特性パラメータを変化させたときの車両運動
を表現する各物理量の応答の推移を示したグラフであ
る。
【図6】静特性に関する特性パラメータを固定し、動特
性に関する特性パラメータを変化させたときの車両運動
を表現する各物理量の応答の推移を示したグラフであ
る。
【図7】コントローラにフィードバック制御手段を加え
た場合の制御ブロック線図である。
【符号の説明】
1 実β伝達関数Gbdf(s)(前輪舵角に対する特定物理
量の理論伝達関数) 3 実β伝達関数Gbdr(s)(後輪舵角に対する特定物理
量の理論伝達関数) 5 目標β伝達関数Gbdfr(s)(目標伝達関数) 7 コントローラ伝達関数(前輪舵角に対する後輪舵角
の伝達関数,目標後輪舵角演算手段) 9 後輪舵角サーボ制御(後輪舵角制御手段) 13 k(s)・実γ伝達関数(第2特定物理量伝達関数設
定手段) 15 フィードバック制御(フィードバック制御手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも車速、実前輪舵角及び実後輪
    舵角を検出する検出手段と、少なくとも前記検出手段の
    検出結果に基づいて目標後輪舵角を演算する目標後輪舵
    角演算手段と、前記検出手段により検出された実後輪舵
    角が前記目標後輪舵角演算手段により演算された目標後
    輪舵角になるように制御する後輪舵角制御手段とを有す
    る後輪舵角制御装置であって、前記目標後輪舵角演算手
    段は、可変定数入力手段を有し、前輪舵角に対する後輪
    舵角の伝達関数を設定するにあたり、車両の運動を表現
    する特定物理量に着目し、前輪舵角に対する前記特定物
    理量の理論伝達関数の所定の特性パラメータに前記可変
    定数入力手段により入力された各々の可変定数を乗算し
    てなる伝達関数を目標伝達関数とし、前輪舵角に対する
    前記特定物理量の等価伝達関数を前記前輪舵角に対する
    後輪舵角の伝達関数と前輪舵角に対する前記特定物理量
    の理論伝達関数と後輪舵角に対する前記特定物理量の理
    論伝達関数とにより表現したときに、前記等価伝達関数
    が前記目標伝達関数と等価になるように、前記前輪舵角
    に対する後輪舵角の伝達関数を逆演算する逆演算設定手
    段を有し、前記逆演算設定手段により設定された前記前
    輪舵角に対する後輪舵角の伝達関数に基づいて前記目標
    後輪舵角を演算することを特徴とする後輪操舵制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記検出手段は車両
    の運動を表現する実第2特定物理量を検出でき、前記目
    標後輪舵角演算手段は、前記第2特定物理量に着目し、
    前輪舵角に対する前記第2特定物理量の伝達関数を前記
    逆演算設定手段により設定された前記前輪舵角に対する
    後輪舵角の伝達関数と前輪舵角に対する前記第2特定物
    理量の理論伝達関数と後輪舵角に対する前記第2特定物
    理量の理論伝達関数とにより演算する第2特定物理量伝
    達関数設定手段を有し、前記第2特定物理量伝達関数設
    定手段により設定された前記前輪舵角に対する前記第2
    特定物理量の伝達関数に基づいて演算された目標第2特
    定物理量と、前記検出手段により検出された実第2特定
    物理量が一致するようにフィードバック制御を行うフィ
    ードバック制御手段を有し、前記フィードバック制御手
    段により前記目標後輪舵角を補正することを特徴とする
    後輪操舵制御装置。
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