JP2001333910A - 医療用縫合針 - Google Patents

医療用縫合針

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JP2001333910A
JP2001333910A JP2000159692A JP2000159692A JP2001333910A JP 2001333910 A JP2001333910 A JP 2001333910A JP 2000159692 A JP2000159692 A JP 2000159692A JP 2000159692 A JP2000159692 A JP 2000159692A JP 2001333910 A JP2001333910 A JP 2001333910A
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needle
suturing
suture needle
suture
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Hiroshi Iida
宏 飯田
Kazuo Otsuki
和男 大月
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TOMITTSU KK
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TOMITTSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縫合手術時等において鉗子による把持性の向
上を図る。 【解決手段】 全体略半円弧状を呈する胴部2の先端側
に刃先部3が形成されるとともに、この刃先部3と対向
する基端部4に糸入れ孔5が形成されてなる。基端部4
の糸入れ孔5が形成された近傍部位が、断面略正方形の
角形に形成されて、鉗子クランプ部を構成してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外科手術等に用い
られる医療用縫合針に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用縫合針は、一般に線引き加工によ
って所定の線径に形成した鋼線材やステンレス線材を素
材として、例えば所定の外形とするプレス加工、所定の
長さとする切断加工、鋭利な刃先部を形成する研磨加
工、糸入れ孔の形成加工、全体を半円弧状とする曲げ加
工或いは仕上げ処理等の工程を経て制作される。医療用
縫合針には、もっぱら表皮の縫合に用いられる略矩形断
面の角形針と、もっぱら血管や臓器の縫合に用いられる
略円形断面の丸形針とがある。
【0003】縫合針は、一般に、適宜の曲率を以って湾
曲された全体略円弧状を呈する胴部の先端側に刃先部が
形成されるとともに、刃先部と対向する基端部を貫通し
て糸入れ孔が形成されてなる。縫合針は、針素材に対し
てプレス加工が施されて全体が矩形断面に圧延形成され
るとともに、研磨加工を施して刃先部が三角形断面に研
削形成されてなる。
【0004】縫合針には、基端部に、刃先部と対向する
懐側内面と背側外側面とにそれぞれ開口する糸入れ孔が
形成されている。糸入れ孔は、軸線方向を長軸とした長
孔として形成されている。縫合針には、基端部の端部に
糸入れ孔と糸ガイド溝が形成されている。縫合糸は、糸
入れ孔に糸ガイド溝に沿って導かれる。
【0005】縫合針は、糸入れ孔の近傍の基端部が鉗子
によって把持され、刃先部を縫合箇所に刺通して貫通さ
れる。縫合針は、縫合箇所を貫通した後に、受取り側の
鉗子によって基端部が再把持される操作が繰り返されて
縫合手術が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】縫合針においては、上
述したように基端部が鉗子によるクランプ部として構成
される。従来の角形縫合針においては、基端部が、湾曲
された胴部の半径方向と直交する方向を長軸とした扁平
な長方形断面に形成されていた。したがって、縫合針に
おいては、鉗子によって安定した状態で把持されるため
には、把持部を基端部の長軸方向と平行となるようにし
て鉗子がその側方から把持されなければならなかった。
【0007】縫合針は、微細な縫合箇所を組織体の損傷
を最小限にして縫合糸によって素早く縫合し得ることが
必要である。従来の縫合針においては、鉗子によるクラ
ンプ方向に制限があることから、術者によっては縫合箇
所を貫通させた後に扱いやすい状態に再クランプ操作を
行う必要があった。また、縫合針は、無理な把持状態か
ら次の箇所の縫合を行った場合に角度が変わるために刃
先部が回転し、組織体を大きく切り開いて損傷させると
いった問題があった。
【0008】また、従来の丸形縫合針においては、基端
部が円形断面を呈して形成されているために、鉗子によ
る把持力が充分に保持し得ないといった問題があった。
縫合針は、縫合箇所が比較的固い場合に全体が回転して
刃先部によって内部の組織体を大きく損傷させるといっ
た問題を生じさせる。縫合針は、鉗子による大きな把持
力を必要とすることで術者の疲れも大きく、縫合位置の
ずれに気を使わせる等から効率が悪いといった問題があ
った。
【0009】ところで、縫合針は、半円弧状の胴部の構
成から、縫合手術の前後において胴部にかかる負荷によ
って弾性変形が生じて基端部に左右方向のブレが生じ
る。このために、縫合針においては、引張り力が作用さ
れる縫合糸が糸入れ孔内において安定せず、抜けやすい
といった問題があった。
【0010】また、縫合針においては、三角断面や円形
断面に形成された刃先部による組織体の切開面と縫合糸
の挿脱方向とが直交した構造であることから、組織体を
通過する際にこの縫合糸の引張り力が負荷となって刺通
抵抗が大きくなっていた。このため、縫合針において
は、刺通孔を拡げて組織体の損傷を大きくさせるといっ
た問題があった。
【0011】したがって、本発明は、縫合手術時等にお
いて鉗子による把持性の向上を図った医療用縫合針を提
供することを目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明にかかる医療用縫合針は、全体略半円弧状を呈する胴
部の先端側に刃先部が形成されるとともに、前記刃先部
と対向する基端側に糸入れ孔が形成されてなる。医療用
縫合針は、糸入れ孔が形成された基端部の近傍部位が、
断面略正方形の角形に形成されて、鉗子クランプ部を構
成してなる。医療用縫合針は、胴部の、円弧の頂点部近
傍の断面形状が、半径方向を長軸とした楕円形状若しく
は矩形形状に形成されてなる。医療用縫合針は、胴部の
頂点部の近傍から前記刃先部の近傍に至る部位が、各側
面を凹面とした断面略三角形状を呈して形成されてな
る。
【0013】以上のように構成された本発明にかかる医
療用縫合針によれば、鉗子クランプ部が角形に形成され
ることで、手術時に鉗子によるクランプ方向の自由度が
大きくなるとともにクランプが確実に行われるようにな
り、操作性の向上と組織体の損傷を抑制した縫合手術を
可能とする。
【0014】また、医療用縫合針によれば、半径方向を
長軸とした楕円形状若しくは矩形形状を呈することで胴
部の曲げ応力に対する強度が向上し、刺通部の組織損傷
が抑制されて縫合性の向上が図られるようになる。さら
に、医療用縫合針によれば、刃先部に連続する胴部の各
側面が凹面に構成されることで、刺通抵抗が低減されて
組織体の損傷も少なく縫合性の向上が図られるようにな
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。第1の実施の形態
として図1及び図2に示した縫合針1は、もっぱら表皮
縫合用に用いられる角形縫合針であり、線引き加工によ
って所定の線径に形成した鋼線材やステンレス線材を素
材として、例えば胴部2を角形の外形とするプレス加
工、所定の長さとする切断加工、鋭利な刃先部3を形成
する研磨加工、基端部4に糸入れ孔5を形成する糸入れ
孔加工、全体を半円弧状とする曲げ加工或いは仕上げ処
理等の工程を経て制作される。
【0016】縫合針1は、図1に示すように、適宜の曲
率を以って湾曲された全体が略円弧状を呈する胴部2
と、この胴部2の先端側に形成された刃先部3と、この
刃先部3と対向して胴部2の他端側に形成されて鉗子に
よるクランプ部を構成する基端部4とからなる。縫合針
1は、基端部4に糸入れ孔5が形成されるとともに、糸
ガイド溝6が形成されている。
【0017】縫合針1は、断面円形を呈する針素材がプ
レス装置に供給され、このプレス金型装置に設置された
角形キャビティを有するプレス金型によって断面全体が
角形形状に形成される。プレス金型装置は、詳細を省略
するがプレス金型が供給される針素材に対する上下方向
のプレス圧を所定の間隔で変更されることで、正方形断
面の部位と長方形断面の部位とを連続して形成する。縫
合針1は、詳細を後述するように後加工が施されて、正
方形断面部位が刃先部3及び基端部4を構成するととも
に、長方形断面部位が胴部2を構成する。勿論、縫合針
1は、かかるプレス金型装置ばかりでなく他の適宜に構
成されたプレス金型装置によっても形成される。
【0018】縫合針1は、上述した針素材が各正方形断
面部位の中央部において切断されてそれぞれ所定の長さ
とされ、その一端部に対して研磨加工を施すことによっ
て刃先部3を形成する。刃先部3は、胴部2の曲げ加工
を施した際に外周側となる外側面側を頂点とするととも
に懐側を底面3aとして正方形の両側面を研磨して切開
面3b、3cを形成する研磨加工が施されることによっ
て、正三角形断面を以って形成される。刃先部3は、詳
細には先端部に向かって次第に先鋭となる三角錐形状を
以って形成されている。
【0019】縫合針1は、上述した針素材に対して曲げ
加工が施されることによって、長さ方向の略中央部を頂
点2aとして胴部2が所定の曲率を以って半円弧状に折
曲される。縫合針1は、この場合、長方形断面の胴部2
が、半径方向を長軸とするようにして位置決めされた状
態で曲げ加工が施される。縫合針1は、胴部2及び基端
部4がそれぞれ矩形断面を呈して形成されている。
【0020】したがって、縫合針1は、全体が矩形断面
を呈する形状の角形針であるが、上述したように針素材
に対するプレス加工や研磨処理を施すことによって胴部
2、刃先部3及び基端部4が詳細をそれぞれ図2に示す
断面形状を以って形成されてなる。すなわち、縫合針1
は、図1においてA−A断面線に沿う基端部4の断面形
状が、図2(A)に示すように針素材の原形状である略
正方形を呈して形成されている。縫合針1は、図1にお
いてB−B断面線に沿う胴部2の頂点部位2aの断面形
状が、図2(B)に示すように半径方向を長軸とする略
長方形を呈して形成されている。縫合針1は、図1にお
いてC−C断面線に沿った刃先部3の断面形状が、図2
(C)で示すように略正三角形を呈して形成されてい
る。
【0021】縫合針1には、図1に示すように、糸入れ
孔5が基端部4の内面4aと外側面4bとを貫通して形
成されている。すなわち、糸入れ孔5は、刃先部3と対
向する基端部4の懐側の内面4cと外周面となる外側面
4bにそれぞれ開口される。また、糸入れ孔5は、軸方
向の長孔として構成されてなる。糸入れ孔5は、図1に
示すようにその上端部位が基端部4の上端面4cと平行
な角孔形状を以って構成されている。なお、ガイド溝6
も、図1に示すように、基端部4の上端面4cに、糸入
れ孔5と平行して内面4aと外側面4bとに解放するV
溝として構成されている。糸ガイド溝6は、糸入れ孔5
に縫合糸7をガイドする。
【0022】縫合針1においては、基端部4を鉗子で把
持して刃先部3を縫合箇所に刺通した後に、受取り側の
鉗子によって基端部4が再把持される操作が繰り返され
て縫合手術が行われる。縫合針1においては、上述した
ように基端部4が正方形断面を呈して形成されているこ
とから、90°単位で鉗子による把持が確実に行われる
ようになる。したがって、縫合針1においては、狭い箇
所の縫合手術においても鉗子による把持操作が確実かつ
容易に行われるようになるとともに、再クランプの操作
も不要とする。縫合針1においては、鉗子による把持性
が向上されることから縫合手術の効率化が図られるとと
もに刃先部3が回転して周囲の組織体を損傷するといっ
た事態の発生を防止する。
【0023】縫合針1においては、胴部2が湾曲された
構造であり、鉗子によって把持した基端部4に力を入れ
て刃先部3を縫合箇所に刺通させる際に、この胴部2の
頂点部2aに応力が集中する。縫合針1は、これにより
胴部2において、拡径したり縮径したりする曲げ応力が
生じる。縫合針1は、上述したように胴部2がその頂点
部2aの近傍部位を半径方向を長軸とする略長方形を呈
して形成されていることによって、曲げ応力に対する機
械的強度の向上が図られる。
【0024】したがって、縫合針1は、断面形状がより
小型化されることで刺通孔の大型化を抑制し、組織体の
損傷を少なくする。また、縫合針1は、刃先部3が縫合
箇所を刺通する際に胴部2の弾性変形が抑制されること
で、よりスムーズな刺通操作が行われるようになる。縫
合針1は、これによって縫合性や操作性が大幅に向上さ
れた縫合手術が行われるようにする。
【0025】本発明の第2の実施の形態として図3及び
図4に示した縫合針10は、もっぱら血管や内臓の縫合
用に用いられる丸形縫合針であって円形断面を有する構
成に特徴を有している。縫合針10は、全体の基本的な
構成を上述した角形縫合針1と同様とすることから、対
応する部位については同一符号を付すことによって詳細
な説明を省略する。
【0026】縫合針10は、例えば胴部2を所定の外形
形状とするプレス加工、線引き加工によって所定の線径
に形成した鋼線材やステンレス線材を素材として、所定
の長さとする切断加工、鋭利な刃先部3を形成する研磨
加工、基端部4に糸入れ孔5を形成する糸入れ孔加工、
全体を半円弧状とする曲げ加工或いは仕上げ処理等の工
程を経て制作される。縫合針10は、湾曲された胴部2
の中央部位が詳細を後述するように楕円断面として構成
するために、針素材に対して適宜のプレス加工が施され
る。縫合針10は、刃先部3が、詳細には先端部に向か
って次第に先鋭となる針形状を以って形成されている。
【0027】縫合針10は、例えば胴部2を所定の外形
形状とするプレス加工、線引き加工によって所定の線径
に形成した鋼線材やステンレス線材を素材として、所定
の長さとする切断加工、鋭利な刃先部3を形成する研磨
加工、基端部4に糸入れ孔5を形成する糸入れ孔加工、
全体を半円弧状とする曲げ加工或いは仕上げ処理等の工
程を経て制作される。縫合針10は、湾曲された胴部2
の中央部位が詳細を後述するように楕円断面として構成
するために、針素材に対して適宜のプレス加工が施され
る。縫合針10は、刃先部3が、詳細には先端部に向か
って次第に先鋭となる針形状を以って形成されている。
【0028】縫合針10も、基端部4の図3においてD
−D断面線に沿った部位が鉗子によるクランプ部を構成
する。縫合針10は、このクランプ部位の断面形状が、
図4(A)に示すように、正方形断面を呈して形成され
ている。縫合針10は、かかる構成によって90°単位
で鉗子による把持が確実に行われるようになる。縫合針
10においては、鉗子による把持性が向上されることか
ら縫合手術の効率化が図られるとともに刃先部3が回転
して周囲の組織体を損傷するといった事態の発生を防止
する。
【0029】縫合針10は、図3に示すように、糸入れ
孔5が基端部4の両側面4d、4e(4eは図示せず)
を貫通して形成されている。すなわち、糸入れ孔5は、
刃先部3と対向する基端部4の懐側の内面4aと直交す
る両側面4d、4eにそれぞれ開口される。また、糸入
れ孔5は、軸方向の長孔として構成されてなる。糸入れ
孔5は、その上端部位が基端部4の上端面4cと平行な
角孔形状を以って構成されている。なお、糸ガイド溝6
の上部は、基端部4の上端面4cに、V溝として構成さ
れている。糸ガイド溝6は、糸入れ孔5に縫合糸7をガ
イドする。
【0030】縫合針10は、刃先部3と対向しない基端
部4の一方側面4d側から糸入れ孔5に縫合糸7が挿通
されて他方の側面4e側から引き出される。したがっ
て、縫合針10においては、縫合糸7の挿脱方向が刃先
部3の向きと異なることで、刃先部3に細心の注意をは
らいながら糸入れ孔5に対する縫合糸7の糸入れを慎重
に行うことが不要となる。したがって、縫合針10にお
いては、縫合位置7の糸入れ操作が簡便となり作業の安
全性と効率化が図られるようになる。
【0031】ところで、縫合針10においては、縫合手
術の前後において、種々の負荷が湾曲構造の胴部2にか
かることで弾性変形が生じて基端部4に対してばね力と
して作用するようになる。縫合針10においては、胴部
2が円弧状を呈する形状であることから、ばね力がその
曲率中心に対して接離する方向に作用する。一方、縫合
針10においては、縫合手術中に縫合糸7に対して引張
り力が作用する。
【0032】したがって、縫合針10においては、胴部
2の弾性変形により生じるばね力の方向と縫合糸7に対
する引張り力とが互いに直交する方向に作用すること
で、縫合糸7が糸入れ孔5内で基端部4の外側面4b側
のコーナ部5aに安定した状態で位置するようになる。
縫合針1においては、これによって糸入れ孔5からの縫
合糸7の糸抜けが抑制されて安定した縫合手術が行われ
るようにする。
【0033】縫合針10においては、組織体に刺通され
る刃先部3が、組織体を拡げながら進入する。縫合針1
0は、上述したように糸入れ孔5が刃先部3の組織体の
切開方向と同一方向となる基端部4の両側面4d、4e
を貫通して形成されている。したがって、縫合針10に
おいては、縫合手術時において糸入れ孔5内における縫
合糸7の収まり位置が切開方向と同一方向となり刃先部
3の刺通抵抗が低減されるようになる。縫合針10にお
いては、かかる構成によって刺通孔が大きくなることが
抑制されて組織体の損傷も少なくなり、縫合性の向上が
図られるようになる。
【0034】縫合針10も、長さ方向の略中央部を頂点
2aとして胴部2が所定の曲率を以って半円弧状に折曲
される。縫合針10は、図3においてE−E断面線に沿
った胴部2の頂点部2aの近傍の断面形状が、図4に示
すように半径方向を長軸とする楕円形を呈している。縫
合針10には、縫合手術の際に胴部2の頂点部2aに応
力が集中してこの胴部2に拡径方向や縮径方向の曲げ応
力が生じる。縫合針10は、上述した胴部2の断面がそ
の頂点部2aの近傍部位を楕円形とされることによっ
て、曲げ応力に対する機械的強度の向上が図られる。
【0035】本発明の第3の実施の形態として図5及び
図6に示した縫合針20は、上述した縫合針1と同様に
角形縫合針を基本形態とするが、胴部2の頂点部2aか
ら刃先部3の根元部位に至る部位が研削領域21として
緩やかな曲率面の凹面とされた構成に特徴を有してい
る。なお、縫合針20は、全体の基本的な構成を上述し
た角形縫合針1と同様とすることから、対応する部位に
ついては同一符号を付すことによって詳細な説明を省略
する。
【0036】縫合針20も、例えば胴部2を所定の外形
形状とするプレス加工、線引き加工によって所定の線径
に形成した鋼線材やステンレス線材を素材として、所定
の長さとする切断加工、鋭利な刃先部3を形成する研磨
加工、基端部4に糸入れ孔5を形成する糸入れ孔加工、
全体を半円弧状とする曲げ加工或いは仕上げ処理等の工
程を経て制作される。縫合針20も、基端部4の図5に
おいてF−F断面線に沿った部位が鉗子によるクランプ
部を構成する。縫合針20においては、このクランプ部
位の断面形状が、図6(A)に示すように、正方形断面
を呈して形成されている。
【0037】縫合針20においては、刃先部3を形成す
る研磨加工に際して、その研磨加工が胴部2の頂点部2
aの近傍まで行われる。縫合針20は、上述したように
刃先部3を、断面形状が正三角形であり先端部に向かっ
て次第に先鋭となる正三角錐形状とする研磨加工が施さ
れて形成される。縫合針20は、外周側となる外側面側
を頂点とするとともに懐側が底面3aとなるようにして
胴部2の曲げ加工が施され、両側面が切開面3b、3c
として構成されてなる。
【0038】縫合針20は、この刃先部3の研磨加工の
先工程或いは後工程において、切開面3b、3cに連続
するようにして刃先部3の根元部位から胴部2の頂点部
2aの近傍部位に至る領域にも、その正方形及び長方形
断面の両側面に対する研削が施される。縫合針20は、
これによって研削領域21が正三角形或いは二等辺三角
形の断面形状形成されてなる。
【0039】縫合針20には、研削領域21の各面に対
して、例えば円筒砥石を用いた円筒研削加工が施され
る。縫合針20は、これによって図5においてG−G断
面線に沿って断面して図6(B)に示された研削領域2
1が、刃先部3の底面3aに連続する底面21aと、切
開面3b、3cに連続する両側面21b、21cとをそ
れぞれ図7に示すように軸方向の全域に亘って緩やかな
曲率を有する凹面として構成されてなる。
【0040】縫合針20においては、縫合手術時に切開
面3b、3cによって組織体を押し拡げるようにして刃
先部3が刺通され、この刃先部3に続いて胴部2と基端
部4とが刺通孔内を進入して縫合を行う。縫合針20に
は、上述したように刃先部3の根元部位から胴部2の頂
点2aの近傍部位に亘って上述した凹面構造の研削領域
21が形成されている。
【0041】したがって、縫合針20においては、各側
面21a乃至21cが組織体との全面接触から各稜線部
における線接触の状態となることで刺通抵抗の大幅な低
減が図られるとともに組織体の粘着による切れ味の低下
が抑制される。また、縫合針20においては、切開面3
b、3cが円弧面として構成されることで、組織体の返
りが効率的に行われてスムーズに押し拡げられるように
なる。縫合針20は、これによって通りが良くなり、組
織体の損傷を少なくして縫合性の向上が図られるように
なる。
【0042】なお、縫合針20は、角形縫合針に限定さ
れるものではなく、血管や内臓の縫合用に用いられる丸
形縫合針であってもよいことは勿論である。また、縫合
針20は、刃先部3の底面21aも凹面形状に構成され
たが、少なくとも切開面21b、21cが凹面形状とさ
れればよい。また、縫合針20は、凹面21を円筒砥石
によって研削するようにしたが、例えば外形形状を形成
するプレス加工を施す際に同時に形成するようにしても
よいことは勿論である。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる医療用縫合針によれば、鉗子クランプ部が角形に形
成されることで、手術時に鉗子によるクランプ方向の自
由度が大きくなるとともにクランプが確実に行われるよ
うになり、操作性の向上と組織体の損傷を抑制した縫合
手術を可能とする。また、医療用縫合針によれば、半径
方向を長軸とした楕円形状若しくは矩形形状を呈するこ
とで胴部の曲げ応力に対する強度が向上し、刺通部の組
織損傷が抑制されて縫合性の向上が図られるようにな
る。さらに、医療用縫合針によれば、刃先部に連続する
胴部の各側面が凹面に構成されることで、刺通抵抗が低
減されて組織体の損傷も少なく縫合性の向上が図られる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる縫合針の第1の実施の形態とし
て示す角形縫合針の正面図である。
【図2】同縫合針の各部位の端面図であり、同図(A)
は図1A−A線の端面図、同図(B)は同B−B線の端
面図、同図(C)は同C−C線の端面図である。
【図3】本発明にかかる縫合針の第2の実施の形態とし
て示す丸形縫合針の正面図である。
【図4】同縫合針の各部位の端面図であり、同図(A)
は図3D−D線の端面図、同図(B)は同E−E線の端
面図である。
【図5】本発明にかかる縫合針の第3の実施の形態とし
て示す縫合針の正面図である。
【図6】同縫合針の各部位の端面図であり、同図(A)
は図5F−F線の端面図、同図(B)は同G−G線の端
面図である。
【符号の説明】 1 縫合針 2 胴部 2a 頂点部 3 刃先部 3b 切開面 3c 切開面 4 基端部 4a 内面 4b 外側面 5 糸入れ孔 7 縫合糸 10 縫合針 20 縫合針 21 研削領域 21a 切開面 21b 切開面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体略半円弧状を呈する胴部の先端側に
    刃先部が形成されるとともに、前記刃先部と対向する基
    端側に糸入れ孔が形成されてなる医療用縫合針におい
    て、前記胴部は、前記糸入れ孔が形成された基端部の近
    傍部位が、断面略正方形の角形に形成されて鉗子クラン
    プ部を構成することを特徴とする医療用縫合針。
  2. 【請求項2】 前記胴部は、円弧の頂点部近傍の断面形
    状が、半径方向を長軸とした楕円形状若しくは矩形形状
    に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の医
    療用縫合針。
  3. 【請求項3】 前記胴部の頂点部の近傍から前記刃先部
    の近傍に至る部位が、各側面を凹面とした断面略三角形
    状を呈して形成されていることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の医療用縫合針。
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