JP2004500209A - グラフトおよびコネクタの移送 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は血管の２つの開口縁の間の開口をシールする血管結合装置を提供する。
【解決手段】血管結合装置が、リング要素と、少なくとも２つの開口縁を、少なくとも１本のフィンガー部とリングのいずれか一方と１本の前記フィンガー部との間で圧迫することにより、血管の２つの開口縁の間の開口の少なくとも一部をシールするようになっている、複数のフィンガー部と、体内で前記開口縁の少なくとも１つを前記フィンガー部と前記リングとの間のスペースへ引込むようになっている少なくとも１つのプラースパイクと、を有する。

Description

【０００１】
［関連出願］
本出願は出願人バイパス　インコーポレッドらによって出願された以下のＰＣＴ出願ＰＣＴ／ＩＬ９９／００２８５， ＰＣＴ／ＩＬ９９／００２８４， ＰＣＴ／ＩＬ９９／００６７４， ＰＣＴ／ＩＬ９９／００６７０， ＰＣＴ／ＩＢ００／００３０２， ＰＣＴ／ＩＢ００／００３１０、ＰＣＴ／ＩＬ００／００６０９， ＰＣＴ／ＩＬ００／００６１１， ＰＣＴ／ＩＬ０１／０００７４、および本出願と同日でＰＣＴイスラエルの受付官庁に提出された名称「ＴＲＡＮＳＶＡＳＣＵＬＡＲ ＢＹＰＡＳＳ ＭＥＴＨＯＤ ＡＮＤ ＳＹＳＴＥＭ」で代理人ファイル番号が０８８／０２０２１である出願に関連し、これらは全て米国を指定しており、これらの開示はここに参照によって包含される。
【０００２】
［発明の技術分野］
本発明は、特に吻合結合に効果を与える、血管の穴の開口縁の処置に関する。
【０００３】
［発明の背景］
血管の開口縁の外翻は、例えばここに参照によって包含される米国特許第５，３６６，４６２号や５，６９５，５０４号に記載されているように、一般的に体外で行なわれる。しかしながら大動脈は体外に出せないので、大動脈の穴の開口縁をそのように処置することはできない。
【０００４】
［発明の概要］
本発明の一部の形態の１つの態様は血管内の穴の開口縁の外翻、例えば吻合コネクタや開口閉塞装置によって両開口縁を係合させるときに用いるもの、に関する。本発明の例示的な実施形態は、血管の開口縁をコネクタに後退引込みするためにプラーが使用される。選択として、例えば装置移送システムの一部となって、プラーは取り外し可能である。代替として、プラーは接合部に残ってもよい。代替として、プラーが使用されず、例えば、装置の形状の変化により開口縁が後退引込みされる。装置の中へ後退引込みされる代わりに、移送システムへ後退引込みされ、その後、吻合装置が使用される。移送システムは、本発明の一部の形態では、後退引込み動作をガイドする。
【０００５】
本発明の例として示した実施形態においては、プラーは開口縁を貫く。代替として、プラーは開口縁を係合させるのみである。
【０００６】
プラーは様々な種類の血管処置装置に使用されうる。それによって、プラーは、血管の開口縁を、他の開口縁や装置に対する所望の位置に移動させ、また選択として操作中に開口縁を適所に保持したり移動させる。選択として、例えば多数の血管を処置するために、１組以上のプラーが用意される。複数のプラーが用意される場合は、プラーは、例えば同時にまたは順番に作動する。
【０００７】
吻合装置は、例えば１つの部分または２つの部分を有していても良く、或いは複数の独立した（またはスレッドによって繋がった）クランプ要素を有してもよい。
【０００８】
後退引込みされた開口縁は血液のリークを防止するために互いに押圧されてもよい。代替として、装置の一部分に押圧されてもよい。
【０００９】
本発明の一部の形態の１つの態様は、吻合コネクタの設計に関する。本発明の例示的な実施形態においては、コネクタはリングと複数のフィンガー部を有し、フィンガー部は、リングに取り付けられ、また１つ以上の血管の開口縁をフィンガー部と開口縁との間に働く摩擦によって係合させるようになっている。選択として、２組のフィンガー部が開口縁を係合させるために用意され、それはリングの両サイドに配置されている。代替として、１組のフィンガー部のみ用意される。選択として、フィンガー部は開口縁を貫かない、例えば、丸められた先端を有するか、開口縁の先端同士を当接させる。フィンガー部は、例えば、塑性的に変形可能であってもよく、或いは弾性的、形状記憶および／または超弾性であってもよい。選択として、フィンガー部は２つの開口縁、例えば１つの血管の開口縁または２つの異なる血管の開口縁をいっしょに保持する。フィンガー部は、同一または異なるフィンガー部に向けて開口縁を保持する代替または追加として、リングとの間で開口縁を保持する。選択として、フィンガー部はリングに向かって内側に折りたたまれる。
【００１０】
本発明の一部の形態の１つの態様は、吻合結合を行なう方法に関する。本発明の例示的な形態においては、コネクタの移送装置が３種類の状態を取る。第１の状態では血管の開口に挿入される複数のスパイクが配列される。第２の状態では、スパイクが後退引込みされ、血管を移送装置の中に設置されたグラフトに向かって引込む。第３の状態では、スパイクは引き戻されて分断される。本発明の例示的な形態においては、スパイクは、移送システムによって引込まれるチューブの末端に取り付けられる。選択として、第３の状態においては、例えば引込まれたスパイクまたはチューブの上のナイフや突起によって、スパイクはさらに引込まれて移送システムから別に分かれる。
【００１１】
本発明の例示的な形態においては、スパイクは第１の小孔付きリングに向かって引込まれることにより分断される。リングはスパイク上の突起よりも小さい小孔を有する。選択として、小孔はリング内のスロットであり、第２の小孔付きリングによってスロットの横方向でのスパイクの移動が抑制される。選択として、第２の小孔付きリングは共に分断されたスパイクを保持するベースリングとして機能する。選択として、ベースリングは第１の小孔付きリングより薄い。
【００１２】
例えば、リングが半径方向に圧縮し、ねじれ、および／またはリングがシールされた円であるときに、類似の装置が穴をシールするために使用されてもよい。
【００１３】
本発明の一部の形態の態様は複数のクリップを用いて２つの血管を結合する方法に関連する。本発明の例示的な形態においては、２つの血管の開口縁が外翻され、クリップは外翻された部分の上に向けて閉じ、その結果、開口縁は血管の外側に残り、血管の管腔同士が結合される。本発明の一部の形態においては、開口縁は、開口縁を貫くフックを用いて外翻される。代替として、フックは開口縁を貫かない。
【００１４】
本発明の一部の形態の態様は、グラフトの折り返された部分が前のスパイクの間に隣接して配置されるように、コネクタにグラフトを取り付ける方法に関する。ターゲットである血管への吻合が行なわれている間、グラフトのこの部分は取り外し可能なスパイクによって適切な場所に保持される。代替として、コネクタは第２のスパイク群を含み、これはグラフトの部分を適切な位置に保持する。
【００１５】
本発明の一部の形態の態様は吻合コネクタのスパイクをターゲットとなる血管に挿入する方法に関する。一般に、コネクタの前側のスパイクが細く、長く、先端が曲がっている場合は、絡み合いやすく、この絡み合いはコネクタの適切な配置を妨げる。例えば血液がターゲットとなる血管から噴出しているときや血管がシールされている時などに、スパイクのターゲットとなる血管への挿入を急いで行う場合は、この絡み合いはより起こりやすくなる。
【００１６】
本発明の例示的な形態においては、２ステップのプロセスが用意される。第１のステップでは、血管が切開されこの切開部にガイドが挿入される。第２のステップでは、前側のスパイクはガイドを介して挿入され、ガイドが取り除かれ、スパイクが引込まれて結合が行なわれる。選択として、ガイドが移送システムに引込まれるような分断可能なチューブであり、チューブが引込まれてガイドが分断されて、ガイドが取り除かれる。
【００１７】
従って、本発明の例示的な形態によれば、
リング要素と、
少なくとも２つの血管開口縁を、フィンガー部と、前記フィンガー部と前記リングの少なくとも一方との間で圧迫することにより、２つの血管開口縁の間の開口の少なくとも一部をシールするようになっている、前記リング要素に設けられれた複数のフィンガー部と、
体内で、前記開口縁の少なくとも１つを前記フィンガー部と前記リングとの間のスペースへ引込むようになっている少なくとも１つのプラースパイクと、
を有する血管結合装置が提供される。選択として、前記フィンガー部は、前記開口縁を前記スペース内で係合する静止位置からの復帰が規制されている。代替または追加として、前記少なくとも１つのプラーは、細長い引込み可能なチューブと一体化している。代替または追加として、前記少なくとも１つのプラーは円錐形に並べられた複数のプラーであり、円錐の頂点は血管の開口への挿入するようになっている。選択として、前記少なくとも１つのプラーは、前記リングの外側にあって、前記プラーが後退引込みされると前記円錐が開くようになっている。代替または追加として、それぞれのプラーは折れ曲がった先端を有し、前記開口縁を係合させるようになっている。
【００１８】
本発明の例示的な形態によれば、各プラーは、前記プラーが前記リングに向かって後退引込みされた後に前記プラーを分断させるための指定分断エリアを有し、この結果前記プラーの先端部分のみが体内に残る。選択として、前記先端部分はプリカールされおり、前記分断によって前記部分は閉じてカールした形状に戻る。代替または追加として、各プラーは、前記先端部分が後退引込みされるのを防止するための、交軸方向に延びる突起を有する。
【００１９】
本発明の例示的な形態においては、プラーのそれぞれが平滑であり、前記プラーは前記開口縁を通って前記体外へ後退引込みされる。
【００２０】
代替または追加として、各プラーは、グラフトの壁面に貫挿するようにされた、尖った先端を有する。
【００２１】
本発明の例示的な形態によれば、前記リングは楕円形状である。
【００２２】
本発明の例示的な形態によれば、前記フィンガー部は前記開口縁のいずれにも侵入しない。
【００２３】
従って、本発明の例示的な形態によれば、複数の折り曲げ可能なクリップを有し、前記クリップはその間で２つの開口縁を把持して該両開口縁を互いに当接させて前記開口をシールするようになっており、前記クリップ要素は先が丸められて前記血管の壁面に侵入しないようになっている、２つの血管開口縁の間の開口をシールする血管結合装置が提供される。選択として、前記クリップはリング上に配設される。
【００２４】
本発明の例示的な形態によれば、
複数の小孔が形成されたリング要素と、
先端部を有し、前記先端部近傍に指定分断エリアがあり、前記先端部は、複数の前記小孔に密着しながらそこを通過するようになっており、さらに後退引込み可能な長いチューブと一体化し、前記装置を取り付けたときに前記スパイクの前記先端部のみが体内に残るようになっている、プラースパイクと、を有する、２つの血管開口縁の間の開口をシールする血管結合装置がさらに提供される。選択として、前記チューブは軸方向に分断されるチューブである。代替または追加として、前記チューブは、前記チューブが充分に引込み後退されたときに、対応する移送システムを軸方向に分断するようになっている突起を有する。代替または追加として、前記スパイクはプリカールされており、前記スパイクが前記指定分断エリアで分断されたとき、前記先端部はカールの弧の角度が分断前よりも大きくなるような、プリカール状態に戻る。代替または追加として、前記小孔には前記スパイクが戻るのを防止するリーフ要素が形成されている。代替または追加として、前記スパイク上の前記指定分断エリアに近接する位置には突起が形成されている。
【００２５】
本発明の例示的な形態によれば、リトラクタと、
前記コネクタの複数のプラースパイクと一体化し、前記リトラクタと連結して後退引込みされ、少なくとも１つのスパイクに少なくとも１つの肉厚エリアが形成されている、チューブと、
前記少なくとも１つの肉厚エリアが後退引き込みされるのを防止し、前記リトラクタが前記チューブを充分な量引込んだ時に前記スパイクが分断されるようにする、ベースリングと、
を有するコネクタ移送システムがさらに提供される。選択として、前記チューブは突起を有し、前記チューブが充分に後退引込みされた時、前記移送システムは前記突起によって分断されるようになっている。代替または追加として、前記システムは前記ベースリングを前記一体チューブに対して適切な位置に維持する静止チューブを有する。
【００２６】
本発明の例示的な形態によれば、複数のフィンガー部を有するリングコネクタを移送し、前記フィンガー部はその上で開状態と閉状態をとる、コネクタ移送システムであって、
リトラクタと、
複数のプラースパイクと一体化し、それによって後退引込みを行なうためにリトラクタと連結するチューブと、
前記プラースパイクが前記リングコネクタに後退引込みされたときに前記複数のフィンガー部を閉じるようになっているアウターチューブと、を有するコネクタ移送システムがさらに提供される。選択として、前記プラースパイクが前記コネクタを越えて引込まれたときに、前記牽引スパイクをまっすぐに延ばすのをガイドするための、複数のスロットが前記アウターチューブに形成されている。
【００２７】
本発明の例示的な形態によれば、前記フィンガー部は塑性変形して閉じる。選択として、前記アウターチューブはその内径が前記コネクタの外径よりも小さいインナーリップを有し、前記アウターチューブが前記コネクタに対して移動したときは、前記フィンガー部は該インナーリップによって、前記リングに向かって内向きに押込まれる。
【００２８】
本発明の例示的な形態によれば、前記フィンガー部はリリースされて閉じ、前記閉状態となる。選択として、前記アウターチューブにはインナーリップがあり、前記フィンガー部が前記リングから離れて該インナーリップに当接して保持され、前記アウターチューブが後退引込みされたときは前記フィンガー部は前記リップからリリースされて閉じる。代替として、前記アウターチューブには複数のスロットがあり、前記フィンガー部は前記スロットの中に保持され、前記アウターチューブが後退引込みされると前記フィンガー部は前記スロットからリリースされて閉じる。選択として、前記スロットの幅は、前記フィンガー部の幅より狭い。選択として、前記スロットの幅は、前記フィンガー部の幅より１０％狭い。
【００２９】
本発明の例示的な形態によれば、前記システムは前記コネクタを前記一体チューブに対して適切な位置に維持する静止チューブを有する。
【００３０】
本発明の例示的な形態によれば、吻合結合に先立ってリングコネクタのフィンガー部を引き戻す方法であって、
スロットのあるアウターチューブを含み、前記チューブの中に設けられ、前記フィンガー部は前記スロットに対応している、コネクタ移送システムを提供し、
器具をスロットにガイドして前記フィンガー部に接触するように前記スロットに挿入し、
前記器具を用いて、前記スロット付きアウターチューブに保持されるように前記フィンガー部を引き戻す、方法がさらに提供される。選択として、前記フィンガー部は引き戻されて前記スロットの中に置かれる。代替として、前記スロットに挿入された器具を用いることによって前記フィンガー部は引き戻され、前記フィンガー部は前記アウターチューブのインナーリップに置かれる。
【００３１】
本発明の例示的な形態によれば、円錐状に配列されたプラースパイクを備えた移送システムと、
両端に開口が形成され、この底部の大きいほうの開口は前記円錐状配列を受け、またこの頂部の小さいほうの開口が血管に挿入されるような、円錐形状のボディと、を有する、吻合装置がさらに提供される。選択として、前記円錐形状のボディは、前記移送システムが前進すると前記小さいほうの開口が広がるような形状である。代替または追加として、前記円錐形状のボディはその軸方向にあらかじめ分割されている。代替または追加として、前記円錐に取り付けられるようになっており、また前記円錐の小さいほうの開口を通って取り付けられる少なくとも１つの切開ブレードを備えた、切開機構を前記装置は有する。選択として、前記装置はその頂点が前記円錐の頂点に当たる、より小さい上下逆な円錐を有し、これは前記少なくとも１つのブレードによって切開された穴に挿入され、前記より小さな円錐は台になる。
【００３２】
本発明の例示的な形態によれば、前記円錐は少なくとも部分的にその頂点からあらかじめ分割されている。選択として、前記円錐は反対側であらかじめ分割されている。
【００３３】
【発明の実施の形態】
［図面の簡単な説明］
本発明の非限定の実施形態は図面と共に以下の例示的な形態の記述を参照して説明される。図面は、通常寸法どおりに示されたものではなく、またいかなる計測値も例示的なものであり必ずしも限定を伴うものではない。図面に於いては、１つ以上の図面に現れる同一の構造、要素または部位には、これらが現れる全ての図面において同一または類似の符号が好適に割り当てられる。
【００３４】
［例示的な形態の詳細な説明］
図１Ａ−１Ｄは、本発明の例示的な形態による、血管結合方法を示すものである。図１Ａにおいては、クリップ１０４は、末端に穴の開いた血管１００と側面に穴の開いた血管１０２は、クリップ１０４を用いて結合される。クリップ１０４は、例えば針状突起１０８のような血管係合手段を備え、血管１００と係合する第１のアーム１０６と、例えば針状突起１１２のような血管係合手段を備えて血管１０２と係合する第２のアーム１１０と、を有する。本形態および他の形態においては、血管および／またはグラフトは自然の血管系、合成物、自己移植片、異種移植片、死体片、および／または他のいかなる種類の血管の一部であってもよい。
【００３５】
図１Ａにおいては、２つの血管が針状突起によって係合し、血管１００の開口縁１１４は針状突起１０８によって係合し、また血管１０２の開口縁１１６は針状突起１１２によって係合する。２つの開口縁は隣接していても良く、また多少離れていてもよい。
【００３６】
図１Ｂにおいては、クリップ１０４は折りたたまれ、２つの開口縁の管腔部分はクリップの２つのアームによって互いに圧迫される。針状突起は変形中に血管の開口縁が不意に外れるのを防止するおよび／または結合終了後に結合部の結合状態を維持する。
【００３７】
クリップの変形は、例えば弾性、超弾性、または形状記憶クリップの使用のように、様々な方法で行なわれうる。上記例示した方法は外力を必要としない。代替として、クリップ１０４は塑性変形する。
【００３８】
図１Ａに示されるクリップ１０４は、針状突起を保持する両アーム間の角度が１８０度以上であるが、一部の形態においては、クリップ１０４は平坦または角度が１８０度以下となり、クリップはプライヤまたはクランピングシザースによって押込まれて閉じられる。アーム間の角度は、血管開口縁の針状突起への取り付け易さに影響する。
【００３９】
図１Ｃおよび１Ｄは、血管開口縁を針状突起に後退引込みするためのプラーの使用方法を示したものである。図１Ｃは、カーブした先端部１２２を有し、血管１００の開口縁１１４を針状突起１０８に引込むプラー１２０を示したものである。図１Ｄはカーブした先端部１２６を有し、血管１０２の開口縁１１６を針状突起１１２に向けて引込むプラー１２７を示したものである。代替として、例えば手動による取り付けのような、取り付けのための他の方法を用いてもよい。図１Ｃ−１Ｄの方法を実行するための装置の例は後述する。
【００４０】
本発明の一部の形態においては、先端部１２６（および１２２）が尖っている。代替として、例えば先端部と係合する血管管壁へ先端部が侵入するのを防止する等の理由から、先端部１２６は丸められていてもてもよい。また、例えば血管管壁へ先端部の過度の侵入を防止する等の理由から、先端部１２６は叉状であってもよい。
【００４１】
上記のクリップは、側方と末端との吻合結合に用いられるものであるが、例えば末端同士または側方同士の結合などの、他の結合に用いてもよい。
【００４２】
図１Ｅは図１Ａ−１Ｄに記載の方法に適したクリップの上面図である。この例示的な形態においては、クリップ１０４は楕円形のリングを有し、その一端はアーム１０６であり、他端はアーム１１０である。針状突起は楕円の頂部に形成されている。２つのクロスバーがあり、これはクリップ１４０自身がプラー１２０および１２７用のピボットとして機能できるようにするためもものである。代替の形態においては、クリップ１４０が棒状である。以下に示すように、吻合を完全に行なうにはこのようなクリップが複数必要であるか、または多クリップコネクタが必要であろう。
【００４３】
図２Ａ−２Ｂは、本発明の代替の例示的な形態による、血管結合方法を示したものである。クリップ２０４は図１におけるクリップ１０４と同一のものでよく、これは血管１００および１０２に取り付けらられている。２つの針状突起２２２および２２６を有しその１つが各々の血管用である１つのプラー２２０が、２つの分離型のプラーの代わりに示されている。このプラーが、図１のクリップ１０４上に血管を取り付けるために選択可能に用いられる。間隔を置いて配置された２つの部分を有するコントラ要素２３２が、クリップ１０４の後方、針状突起２２２および２２６の反対側に配置されている。プラー２２０がコントラ要素２３２に向かって後退引込みされると、クリップ２０４はコントラ要素２３２の部分の間に引込まれて折れ曲がり、２つの血管開口縁はアームの間に挟まれる。結合が終了した結果を図２Ｂに示す。コントラ要素２３２はその部分の片方または両方に張出部２３６を選択的に有し、これはクリップ２０４が過度に後退引込みされるのを防止する。選択として、クリップ２０４を曲げて吻合箇所がさらにシールされるよう、コントラ要素２３２は互いに近づくように動かされる。クリップ２０４のみが体内に残されるように、コントラ要素２３２が、処理終了後に取り除かれてもよい。類似の穴閉塞装置が、同一の血管の開口縁同士を結合するために使用されうることを理解されたい。
【００４４】
プラー２２０はポイント２３４で切断されても良く、その場合は針状突起２２２および２２６は吻合結合部内に残される。また、針状突起は生体に被吸収可能であってもよい。代替または追加として、針状突起は血管から引き抜かれ、血管の開口縁を結合エリアより外側の部分で分断させることが可能である。本発明の一部の形態においては、針状突起は血管管壁の厚さよりも短く、分断は完全には行なわれない。また、針状突起２２２および２２６が、体温または、液体中や電解質中に置かれることによって軟らかくなり、引き抜けるようになる。代替として、針状突起２２２および２２６が横棒１３０（図１Ｅ）によって曲げ戻され、より後退引込みしやすくなる。代替または追加として、針状突起２２２および２２６は尖っておらず、血管の管壁に侵入せず、引き戻されて管壁をスライドするのみであり、場合によっては変形して、コネクタから離れる。代替または追加として、例えばスレッドやワイヤを用いて、プラー２２０はクリップの他の部分に接続されていてもよい。
【００４５】
図２Ｃは本発明の代替の例示的な形態による、代替の血管結合装置２４０を示したものである。装置２４０は、クリップ２４２およびプラー２４４を有し、これらおおよそクリップ１０４およびクリップ２０４と類似である。ただし、クリップ２４４はあらかじめ曲げられている。それゆえに、プラー２４４は、クリップ２４２の２つのアームの間に形成された挟スペース２４６の中に生体組織である開口縁を引き入れる必要がある。針状突起２４８は一旦スペース２４６に引き入れられた開口縁が、引戻されるのを防止する。本発明の一部の形態によれば、スペース２４６には、スペースを２つに分け、その分かれたスペースのそれぞれが開口縁のそれぞれに対応するような、壁面（記載せず）がある。壁面の代替または追加として、ガーゼ、パッド、または生体被吸収性の物質が、２つの開口縁および／または開口縁と装置を分ける、分離層として用意されていてもよい。本発明の例示的な形態においては、分離層は、例えば凝固の防止や漏洩した血液の凝固などの目的のため、溶融性ヘパリンまたは他の血液凝固促進または拮抗剤を溶出する。同様に他の薬品が使用されてもよい。薬品が分離層内に浸透しているか、或いは、例えば格子に取り込まれていてもよく、薬品はゆっくりと時間をかけて放出される。
【００４６】
図２Ｄは、本発明の例示的な形態による、代替のクリップ２５２を示すものである。例えば図１Ｅに示された物のような、前述のクリップは、向かい合わせのアームを有する。しかしながら、これは必須の物ではない。クリップ２５２は、ベース２５６の一方の側にある１本のアーム２５３と、反対側にある２本のアーム２５４と、を有する。対応する非対称のプラー２５０もまた示されており、これは、２つのプラー針状突起２６０と、対向する１本のプラー針状突起２６０と、をスレッド２６２上に有する。前述のような形で、アーム２５３および２５４が針状突起を有していてもよい。しかしながら、本発明の例示的な形態においては、血管の組織が２本のアーム２５４の間に挟まれ、またその時アーム２５４の間のスペースに押込まれうる。選択として、アームがある角度をもって延び、アームの間のスペースが、よりくさび状になる構成としてもよい。また、アーム間距離が、ターゲットとなる２つの血管の合計の幅よりも短くなる構成としてもよい。代替または追加として、アーム２５４は弾性的に歪んで組織の幅がより大きいような場合に対応可能である。
【００４７】
図３Ａ−３Ｄは、本発明の例示的な形態による、クリップとプラーの組み合わせを用いた穴閉塞装置３００を示したものである。図１および２は異なる血管の２つの開口縁を結合することに関するものであるが、類似の原理を、同一の血管の２つの開口縁をまとめてシールするような、穴の閉塞に用いてもよい。
【００４８】
図３Ａは穴閉塞装置３００をレイアウト図で示したものである。図３Ｂでは、装置３００は折り畳まれており、ベース３０２および２本のアーム３０４が形成され、それぞれのアームは１つ以上の針状突起３０６をその先端に有する。
【００４９】
図３Ｃは装置３００が使用されている状態を示したものである。本発明の例示的な形態によれば、装置３００は、中空であってもよいコントラチューブ３２０によって、血管３１２の中の穴３１０に隣接するように、血管３１２に保持される。代替として、装置３００はチューブ３００上に取り付けられていてもよい。穴３１０は開口縁３１８および３２０を有し、これらはプラー３１４によって装置３００に引込まれうるものである。また、プラー３１４は、チューブ３２０内にわたされたスレッドまたはワイヤ３１６によって引込まれてもよい。
【００５０】
図３Ｄはプラー３１４が開口縁３１８および３２０を装置３００に引込んだ後の穴３１０を示したものである。プラー３１４（結合部に残されてもよい）は、図示されていないが、例えば（ベース３０２の穴を通り、選択としてベース３０２自身と接触して曲げ戻された後に）後退引込みされるか、前述のように吸収される。装置３００の大きさは、穴の大きさや血管の厚さが様々なものに対応するように設定されてもよい。代替または追加として、例えば図３Ａに示されたもののような平坦な装置がその場で曲げられ、所望の穴閉塞特性に対応させる。装置３００はそれぞれのアーム上に２つの針状突起３０６が配置されて示されているが、より多くのまたはより少ない針状突起が用いられてもよく、またそれらは対向していなくてもよく、針状突起の代わりに（尖っていない）突起を使用してもよい。装置の長さは、例えば穴３１０の大きさによって決まる。代替または追加として、寸法に応じて複数の装置３００が利用される。
【００５１】
同様に、図１−２のクリップは、同時に移送を行う等の目的のため、例えば１つづつ、または多クリップ移送システムを用いて、別々のクリップとして使用されてもよい。典型的な例としては、２つの血管を互いに結合させるために、例えば３，４，５，６，またはそれ以上のクリップというように、複数のクリップがが必要とされる。代替として、単一の吻合コネクタ（または穴閉塞装置）を形成するために、例えばスレッドやリングを利用して、クリップは互いに連結される。代替として、前述のコネクタおよび穴閉塞装置（例えば前述のＰＣＴ出願に記載されたものなど）は、例えばそれぞれのクリップが２つの対向するスパイクを有するような、また選択としてリング部分を有するような、クリップを供給するために、分割型としてもよい。
【００５２】
スパイクやアームを曲げることに対する代替または追加として、トーションバー機構が、アームを回転させるために用いられる。本発明の例示的な形態においては、図２Ｄにおけるクリップ２５２のベース２５６がトーションバーとして形成されており、これはアーム２５４および２５３を曲げる代替または追加としてねじるものである。クリップ２５２は次いで圧迫クリップとなり、２つの血管組織の強制的な係合のみを行なう。
【００５３】
図４は、本発明の例示的な形態による、多クリップコネクタ４００を示したものである。コネクタ４００は複数の「側方」係合クリップアーム４０４とその反対に形成された複数の「末端」係合クリップアーム４０６を備えたリング４０２を有する。図のように、対向するクリップアームは同じ円周位置にある必要はないが、そのようにすることも可能である。代替または追加として、「側方」クリップアームと「末端」クリップアームの数は異なっていてもよい。代替または追加として、本コネクタは２つの「側方」に穴が形成された血管または２つの「末端」に穴が形成された血管のために使用されうる。図のように、クリップアームは血管管壁に侵入するようには設計されていないが、一部の形態においては、少なくとも一部のクリップアームが血管管壁に侵入してもよく、またこのアームは、叉状であるか、その先端から遠位方向に向かう突起を有するようなものであってもよく、これらは過度の侵入を防止しつつ血管管壁のアームに沿った移動を防止する。反対側のクリップアームのおおよその設計は同一であっても異なっていてもよい。代替または追加として、リング４０２の同サイドのクリップアームもまた（図のように）同一でも良く、また、例えば代替のクリップアームが異なる設計である等、異なっていてもよい。
【００５４】
図５Ａ−５Ｆは、本発明の例示的な形態による、図４のクリップを取り付ける方法を示すものである。これらの図においては、簡略化のため、繰り返し要素が部分的に省略されている。例えば切開外科手術、内視鏡手術または顕微鏡手術、および／または血管間処置に、システム５００は使用されうる。
【００５５】
図５Ａは移送システム５００を示し、それはそこの中に取り付けられたグラフト５０２とコネクタ４００を有する。本図は断面図であり、一つの「側方」アーム４０４と一つの「末端」アーム４０６の動作が明確に分かるようになっている。
【００５６】
システム５００は、アウターコントラチューブ５０６と内側プッシャチューブ５０４を有する。コネクタ４００は、例えば弾性的に、または摩擦によって、アウターコントラチューブ５０６によって保持される。外側ベースチューブ５０８は、後述するが、「側方」アームを閉じるために用いられる。複数の「側方」血管プラー５１２が、アウターチューブ５０６内に形成された小孔５１４を通っている。複数の「末端」血管プラー５１０が、アウターチューブ５０６内に形成された小孔５１６を通っている。本発明の例示的な形態においては、アーム５０４および５０６は少しずつ場所を変えて配置されており、小孔５１４および５１６はアームの位置に対応するよう少しずつずらして配置されている。プラーの先端は、血管の組織が引込まれる先であるアームに対応して整列していても、していなくてもよい。一部の形態においては、少なくとも一部のプラーは、非平面形状であってもよい。
【００５７】
図５Ｂにおいては、プラー５１０は、後退引込みされて、グラフト５０２の開口縁をクリップ装置４００にむかって引込む。このステップは、体内と体外のどちらでも実行されうる。
【００５８】
図５Ｃは、ターゲットである側方血管５２０の近くにあるシステム５００を示したものである。ターゲットの血管５２０は、例えば冠動脈、人工もしくは生体のグラフト、大動脈、左内胸動脈、冠静脈、大動脈または大腿部動脈や脚部静脈のような末梢の血管、または他のあらゆる既知の血管でありうる。また、グラフト５０２も、あらゆる既知の血管でありうる。プラー５１２は、血管５２０の開口に入るように前方に延びている。本発明の一部の形態においては、プラー５１２の挿入は手動で行なわる。他の形態では、システム５００とターゲットとなる血管の穴とが整列することによって、挿入が容易なものとなる。開口を形成するためのパンチが、外部ベースチューブを通り、次いでグラフト移送部と入れ替わるようになっていてもよいことを留意されたい。代替として、パンチがグラフト５０２を通るようにしてもよい。代替として、システムとは別にパンチ用装置を使用する。代替として、切開はナイフを用いて行なわれる。
【００５９】
図５Ｄにおいては、プラー５１２が後退引込みされ、血管５２０の切開部分の開口縁をクリップへ引込み、２つの血管開口縁は近づき、接触または互いに重なり合う。
【００６０】
図５Ｅにおいては、ベース５０８の近位側内向き部分５２２が内側に押込まれ、その結果アーム４０４は血管５２０の開口縁を把持し、このプロセスでさらに開口縁は外翻しうる。部分５２２は、アームが所望のケイジョウになるようにガイドする傾斜部分５２６を有していてもよい。部分５２２を動かす１つの例示的な方法は、アウトサイドチューブ５２４がベースアウターチューブ５０８を覆うようにこれを前進させることであり、この結果、これはその半径方向に圧縮される。プラー５１２はアーム４０４を閉じる時は変形していてもよいが、これは通常の場合、結果に影響を及ぼさない。
【００６１】
図５Ｆでは、インナープッシャチューブ５０４が前進し、クリップ４０４のアーム４０６を閉じる。ベースチューブ５０８が、圧迫のためのコントラとして機能してもよい。この結果、血管はアーム４０４と４０６の間で強固に保持され、好ましくは血液のリークを防止する。
【００６２】
本発明の一部の形態によれば、図５Ｅおよび５Ｆに記載のステップは同時に行われるか、或いは反対の順番で実行される。一方の側の全てのアームに対して同時に操作を行なうことが好ましいが、一部の形態においては、必ずしも一方の側のアームの全てが閉じられるわけではない。
【００６３】
吻合が完了したとき、プラー５１２および５１０は後退引込みされても良く、またクリップ４００を開放するために、ベースチューブ５０８はその半径方向に広がることができる。アウターチューブ５０６からクリップ４００を開放するためにインナーチューブ５０４がさらに前進してもよい。代替として、プラーは、例えば切断されて体内に残され、場合によっては吸収される等、上記のように処理される。
【００６４】
以上、塑性的に取り付けられる装置の取り付けにつき説明した。弾性、形状記憶または超弾性の装置においても、類似の移送システムが使用されうる。例えば、ベースチューブ５０８は、（ベースチューブ５０８が前進するまで）アーム４０４を開いておくための針状突起またはインナーリップを有していても良く、またインナーチューブ５０４は（インナーチューブ５０４が後退引込みされるまで）アーム４０６が閉じるのを防止する張出部を有していてもよい。装置４００が塑性変形をする場合であっても、例えば、取り付けのためおよび／またはアウターチューブ５０６によって保持されるようにするために半径方向へ圧縮できるよう、リング４０２は弾性的であってよい。
【００６５】
上記の図５と下記の図６は血管側方と末端との吻合につき記載したものであるが、類似の機構は斜めのものや側方同士または末端同士の結合に使用してもよい。上記の結合に於いては、血管は、例えばシステムの軸と垂直な管腔内を通るなど、移送システム５００の残りとは同軸でないような配置となっていてもよい。しかしながら、プラーのおおよその働きは同一である。
【００６６】
追加または代替として、システム５００は、（２つ、３つ或いはそれ以上の長さ方向に分断される部位に）分断さるシステムであり、より容易にグラフト５０２から取り外すことができるようになっている。
【００６７】
図６Ａ−６Ｃは、本発明の例示的な形態による、吻合結合に於いて多クリップを取り付ける代替の方法を示したものである。
【００６８】
図６Ａには、プラー６０６に貫かれている開口縁６０４を有するグラフト６０２が示されている。グラフト上に取り付けられた移送システム６００は、吻合コネクタ６０８が設けられたインナーチューブ６２０を有する。コネクタ６０８は、例えばリング６１６や複数のクリップアームを有していてもよい。本発明の例示的な形態においては、コネクタ６０８は超弾性、弾性または形状記憶であり、それは、折り曲げを抑制手段６２６によって防止されたアーム６１８を具備している。本発明の例示的な形態においては、抑制手段６２６の内向き張出部６１０は、アーム６１８の半径方向の移動を防止する円周方向向きの（すなわち図面に垂直な方向を向いた）バンプ６１２を有する（または抑制手段にスロットが形成されている）。抑制手段６２６がコネクタ６０８に対して回転する、または抑制手段６２６が半径方向に拡大すると、アーム６１８はリリースされる。
【００６９】
移送システム６００はさらに、プラー６０６とコントラチューブ６２２を後退引込みするための後退引込みチューブ６２４を有し、コントラチューブ６２２はオプショナルリップ６１４を有し、これはコネクタ６０８が後退引込みされるのを防止する。
【００７０】
図６Ｂでは、プラー６０６が、「側方」血管６３０内に開口縁６３２を有する切開部６３４の中に延びている。
【００７１】
図６Ｃでは、プラー６０６が後退引込みされて、開口縁６３２を外翻し、開口縁６３２と開口縁６０４を共にコネクタ６０８内に引込む。抑制手段６２６は次いでアーム６１８をリリースし、コネクタ６０８が閉じられるようにし、グラフト６０２と血管６３０との結合部をシールする。このように、プラー６０６は通常は、少なくとも血管６３０を保持するためには、これ以上必要なものではない。プラー６０６はさらに後退引込みされ、また、後退引込みによってプラーがまっすぐに伸ばされて血管にダメージを与えないようにすることができる。コネクタ６０８は、例えばコントラチューブ６２２を前進させることによってリリース可能である。塑性変形に基づく形態では、抑制手段６２６はアンビルとして機能し、アーム６１８を半径方向に圧迫する。
【００７２】
アーム６１８は、例えば開口縁６３２および６０４の一方または双方に侵入する等の理由から、図のように尖った先端部を有してもよい。代替として、アーム６１８の先端部は、侵入せずに圧力のみを加えるようにするため、丸められていてもよい。代替として、アーム６１８が、開口縁６０４をコネクタの上部との間で、また開口縁６３２をコネクタのリング部分との間で保持してもよい。
【００７３】
図５および６は吻合コネクタを示したものであるが、類似の移送システムが、穴の閉塞など、１つの血管の２つの開口縁を結合するために使用されうることを留意されたい。このような場合は、コネクタは、図４のリングではなく、線状のコネクタまたは、アームがその底部のみに配置されてそこを向いた円形のコネクタであってもよい。
【００７４】
図７は、本発明の代替の例示的な形態による、リング−クリップ吻合コネクタである。コネクタ７５０は、その上でグラフトが外翻されてもよいようなリング７５２と、例えば図のように「Ｃ」字状にカーブした複数のフィンガー部７５４と、を有し、これらによって血管の開口縁は、外翻されたグラフトとの間でシール可能となる。選択可能な形態においては、リング７５２は可撓性および／または被吸収性を有し、例えば縫合糸またはプラスチックからなる。代替として、リング７５２およびフィンガー部７５４は単一材料からなる単一の連続した要素として形成される。選択として、フィンガー部７５４は丸められた先端部７５６を有し、その先端は保持している血管を貫通しない。
【００７５】
図８は、本発明の例示的な形態による、コネクタ７５０を移送する装填型移送システム８００の断面図を示したものである。
【００７６】
移送システム８００は、後退引込み可能なインナーチューブ８０２と、コネクタ７５０がそこに取り付けられるベースチューブ８０４と、アウターチューブ８０６と、を有する。本発明の例示的な形態においては、チューブ８０２は、複数のプラー８１０を後退引込みするために使用される、および／または複数のプラー８１０と一体化している。選択として、プラー８１０の末端はフック８１２となっており、ターゲットとなる血管の開口の開口縁を係合させるようになっている。選択として、プラー８１０はリング７５２の外側に円錐状に配列されている。それ故に、後退引込みされるとプラーは半径方向に広がっていく。
【００７７】
本発明の例示的な形態においては、アウターチューブ８０６にはインナーステップ８０８があり、図９Ａに記載されているようにその中にフィンガー部７５４は引込まれて位置規制されている。
【００７８】
図９Ａは移送システム８００の先端部の斜視図である。アウターチューブ８０６には複数のスロット９０６が形成されており、そのそれぞれはコネクタ７５０のフィンガー部７５４に対応している。本発明の例示的な形態においては、例えばペンや釘等の細身の物が、ステップ８０８（図８）の奥のフィンガー部を引込むために使用され、そのときスロット９０６はガイドとして機能する。例えば、フィンガー部の内側に向かって配置され、かつスロットにガイドされたペンが引き戻されて外へ出、そのときフィンガー部は一緒に引き戻される。本発明の例示的な形態においては、コネクタ７５０は操作によって弾性（または超弾性）変形し、アウターチューブ８０６がベースチューブ８０４に対して後退引込みされると、フィンガー部はそれぞれの静止位置（図８参照）に戻り、フィンガー部７５４とリング７５２の間またはフィンガー部の中で、血管の組織は係合する。
【００７９】
代替として、コネクタ７５０は塑性的に変形可能であってもよい。例えば、アウターチューブ８０６の前進により、フィンガー部がリングに近づけらけるようにしてもよい。従って静止位置は、わずかに開いたフィンガー部を有しうる。弾性的な装置の場合であっても、例えばフィンガー部による血管組織の挟まれを防止するため、わずかな隙間があることが好ましい。
【００８０】
本発明の例示的な形態によれば、グラフト（図示せず）は移送システム８００内の開口９０２を通って送られ、選択としてリング７５２の上で外翻される。ＰＣＴ出願ＰＣＴ／ＩＬ０１／０００６９には移送システムを通るグラフトを引込む例示的な方法が記載され、またＰＣＴ出願ＰＣＴ／ＩＬ０１／０００７４にはグラフトを外翻する例示的な方法が記載されている。
【００８１】
フィンガー部が引き戻される前または後に、グラフトがリング７５２の上で外翻されてもよい。
【００８２】
選択として、プラー８１０がグラフトを貫いてもよい。一例としては、フィンガー部７５４が引き戻され、グラフトがリング７５２上で外翻され、次いでプラーが前進してグラフトに侵入する。代替として、例えば後述の図１１に記載されているように、プラーがグラフトを貫かない。代わりに、（少なくとも部分的に）外翻されたグラフトが、フィンガー部の一部または全てによって適切に閉塞位置に保持される。残りのフィンガー部は引き戻され、アウターチューブ８０６によってリリースされるようになる。
【００８３】
本発明の例示的な形態によれば、プラー８１０が後退引込みされると、これらはリング２５２に隣接するターゲットとなる血管の開口縁を引き戻し、結果、アウターチューブ８０６が後退引込みされると、フィンガー部７５４がリリースされて開口縁と係合する。代替として、プラー８１０が、既に閉じているフィンガー部７５４とリング７５２との間に引込む。
【００８４】
本発明の例示的な形態によれば、移送システム８００は、あらかじめ形成された分断部９０４を伴って形成されており、結合が完了するとシステム８００は分断して容易にグラフトから離れることができる。本発明の例示的な形態によれば、チューブ８０２は後退引込みされた時にシステム８００を分断させるナイフまたは張出部を有する。
【００８５】
図９Ｂは、本発明の例示的に形態による、代替の装填型移送システム９２０の斜視図である。アウターチューブ９２６には複数のスロット９２２があり、その幅はフィンガー部７５４を充分収納可能な大きさである。本発明の例示的な形態においては、スロットはフィンガー部７５４よりもわずかに（例えば１％から２０％の間）狭く、フィンガー部がスロットの中に引き入れられると、わずかにねじれてアウターチューブ９２６のアウターリップ９２３によって適切な位置に維持される。アウターチューブ９２６を後退引込みすることによって、フィンガー部は歪み、次いでそれぞれの静止位置にリリースされて元に戻る。選択として、フィンガー部のスロットと当たる部分は広げられる。
【００８６】
また、図中には、スロット９２２とスロット９２２の間に配設された複数のオプショナルスロット９２４が示されており、これはプラー８１０がグラフトに侵入する時に使用されうる。本発明の例示的な形態においてはグラフトはリップ９２３上で外翻され、次いでプラー８１０が前進する。スロット９２４は、グラフトをフック８１２の尖った先端部に動かすための細身の物体をガイドするために利用され、その結果フックはグラフトに侵入する。代替または追加として、スロット９２４は、プラー８１０が血管から後退引込みされるときに、プラー８１０をまっすぐ延ばすのをガイドするために使用される。
【００８７】
図１０Ａは、ボディ１００２を有する装填型移送システム８００の全体の斜視図である。本発明の例示的な形態においては、インナーチューブ８０は、１組のレバー１０００を互いに押込むことによって後退引込みされ、その時チューブ８０２のベース１００４が後退引込みされる。例えばチューブ１００８が不意に後退引込みされるのを防止するため、及び／または操作ステップの進行を制御するために、１つまたはそれ以上の安全ピン１００６および１００８が用意されていてもよい。本発明の例示的な形態では、インナーチューブ８０２が充分に後退引込みされると、その動きが外部チューブ８０６の後退引込み（または前進）に連動し、フィンガー部７５４はリリースされる。
【００８８】
図１０Ｂは、装填型移送システム８００の全体の側断面図である。ベース１００４はシャフト１０１０と連結された状態で示されており、シャフト１０１０はインナーチューブ８０２と係合しているか連結するか一体化している。選択として、ピン１００６のような安全ピンに対応する絞り部１０１２が、チューブ８０２内に設けられている。本発明の例示的な形態においては、アウターチューブ８０６に固定されたピン１０１４は、インナーチューブ８０２のスロット１０１６と相互作用し、インナーチューブ８０２が充分に後退引込みされた時にインナーチューブ８０２はアウターチューブ８０６を後退引込みできるようにする。
【００８９】
図１１Ａ−１１Ｅは、本発明の例示的な形態による、部分的に外翻が行なわれたコネクタ１１０２を示したものである。コネクタ１１０２は、表面上はコネクタ１０２と類似であるが、フック状の先端部１１０８を有する複数のスパイク１１０６が設けられたリング１１０４を有している。これらのスパイクはベースリング１１１０の小孔１１１２に挿通されている。本発明のある例示的な形態においては、しかしながら、ベースリング１１１０には第２の小孔１１１４の列が形成され、フック状の先端部１１１８を有する複数のグラフト引込みスパイク１１１６がそこに挿通されている。これらのスパイクは、第２のリング（図示せず）に設けられていてもよく、あるいは移送システムの一部であってもよい。
【００９０】
このコネクタにおいては、スパイク１１０６上でグラフト１００を外翻する代わりに、ベースリング１１１０上で少なくとも部分的に外翻されるようにグラフト末端１０１が変形しており、グラフト末端はスパイクに貫かれることなくそれと接している。
【００９１】
図１１Ａは、グラフト１００がコネクタ１１０２に挿入された時の初期位置を示したものであり、フック１１１８がグラフト末端１０１を半径方向に変形させる位置に配置されるよう、プラースパイク１１１６が折り曲げられている。
【００９２】
図１１Ｂは、図１１Ａの上面図を示したものである。
【００９３】
図１１Ｃは、引張スパイクの効果を示したものであり、フック１１１８はグラフト末端１０１と係合してそれを引き戻す。スパイクフック１１０８はターゲットとなる血管１１２０の中にあることが示されている。
【００９４】
図１１Ｄは図１１Ｃのコネクタ１１０２の上面図１１０２を示したものであり、スパイクの間のグラフト末端１０１の部分１１２２がスパイク１１０６を通って引込まれている。スパイクに隣接する部分１１２４は、スパイク１１０８と隣接するように引き戻される。通常は、部分は両タイプ共に９０度外翻され、これらの管腔はターゲットとなる血管１１２０に接触可能となる。選択として、スパイク１１０６の基部には半径方向にくぼみが形成されており、部分１１２４がより多く引込まれることができるようになっている。
【００９５】
図１１Ｅでは、（例えばリング１１０４を引き戻すことによって）スパイク１１１６が引き戻され、フック１１０８はターゲットとなる血管１１２０に係合して吻合が完了する。
【００９６】
選択として、スパイク１１１６が更に後退引込みされ、これらがグラフト末端１０１をリリースしたのち体内から摘出される。一部の形態においては、スパイクフック１１１８は、部分１１２４を通ったまま分断されうる。代替または追加として、スパイク１１１６は生体被吸収性材料からなる。また、スパイク１１１６は、コネクタ１１０２及びグラフト１００を移送及び設置するために使用される移送システムに取り付けられる。代替として、スパイク１１１６は切断され、フック１１１８は体内に残される。代替として、例えば図１２に示されているように、スパイク１１１６の一部は分断される。
【００９７】
図示されるように、小孔１１１４は、小孔１１１２のさらに半径方向外側にある。しかしながら、他の設計においては、両者が同一円周上に配置されていてもよい。
【００９８】
本発明の代替の形態においては、小孔１１１４は、移送システム（図示せず）の一部である分割リング（図示せず）に形成されている。取り付けが終了すると、このリングは体内から摘出される。
【００９９】
小孔１１１４及び１１１２がクローズな小孔である代替または追加として、スロットまたはスリット（例えば、リング１１１０の外側に開放されている）が代わりに提供されうる。
【０１００】
図１２Ａは、本発明の例示的な形態による、吻合コネクタの例示的なベースリングを示したものである。リング１２００は上記のあらゆるコネクタに使用されうる。リング１２０２は、ベース部１２０２を有し、その中にスパイクが通過する複数の小孔１２０３が形成されている。選択として、各小孔は板ばね部１２０６を有する。フックが小孔１２０３を通って押されると、フックは、板ばねを側方に押す。代替の形態においては、小孔１２０３はベース１２０２の外側及び／または内側にあるスロットである。
【０１０１】
図１２Ｂ−１２Ｄは、本発明の例示的な形態による、コネクタを取り付けるプロセスであってコネクタの一部が取り外されるようなものを示したものである。図１２Ｂは、例えば図１２Ａに示したもののようなベースリング１２０２、及び、リング１２０４に取り付けられたフック先端部１２０８を備えた複数のスパイク１２０６を有する、コネクタ１２０１を示したものである。
【０１０２】
使用の際には、グラフト１００がスパイク１２０６に取り付けられた後、例えば上記の方法の１つを使用して、フック１２０８が、血管１１２０（図１１Ｃ）のようなターゲットとなる血管の中に取り付けられる。次いでリング１２０４が、例えばその中に形成された複数の小孔１２１０と係合することによって、後退引込みされ（図１２Ｃ）、スパイク１２０６及びフック１２０８は後退引込みされて吻合部がシールされる（図１１Ａ−１１Ｅも参照のこと）。図１２Ｄでは、リング１２０４及びスパイク１２０６のほとんどの部分がフック１２０８から切り離される。選択として、このような分断のためにあらかじめ強度を落とした箇所で、スパイク１２０６は分断される。このような強度低下は、例えばコネクタを細くする、コネクタに穴を開ける、または化学及び／または熱処理によって為すことが可能である。本発明の例示的な形態においては、強度低下部分は、コネクタが２本の血管及び選択としてフック部分をリングにロックする手段を結合可能となる距離だけ離れたところに形成される。
【０１０３】
図１２Ｅ−１２Ｇは、図１２Ｂ−１２Ｄのプロセスによる効果であって、コネクタの１つのスパイクに働いたものを示したものである。図１２Ｅは、強度低下部１２２０を含むスパイク１２０６を示したものである。選択として、スパイク１２０６は張出部１２１４を有する。本発明の例示的な形態では、張出部１２１４は、スパイク１２０６がリング１２０２から小孔１２０３を通って落下するのを防止するために使用される。代替または追加として、張出部１２１４は、スパイク１２０６を分断する時にフック１２０８が引込まれるのを防止する。選択として、このような張出部はスパイク１２０６の一部のみにある。
【０１０４】
本発明の例示的な形態では、例えばリングのような、ストッパ１２１８が、分断中にフック１２０８が後退引込みされるのを防ぐために用意される。このようなストッパは張出部１２１４を付勢してもよい。代替または追加として、ストッパは、例えばスパイクをクランプする等の手段によって、スパイクと係合してもよい。ストッパ１２１８をリング１２０２に連結するオプショナルスペーサ１２１６が用意されてもよい。選択として、このクランプによって、スパイク１２０６を折り曲るおよび／または部分的に切断し、その結果強度低下部分が発生したり、強度低下部分の強度が折り曲げによって低下する。
【０１０５】
本発明の例示的な形態によれば、リング１２０２は楕円形状である。本発明の例示的な形態では、グラフトは不均等に外翻されるかある角度で切断され、吻合が完了すると斜めの結合が形成される。本発明の例示的な形態では、楕円の軸は、結合の傾きの方向を選択するために使用される。このような楕円リングはここの他の形態にも使用されうる。
【０１０６】
図１２Ｆでは、スパイク１２０６が後退引込みされ、一方、張出部１２１４は保持され、スパイク１２０６は強度低下部１２２０で分断される。
【０１０７】
図１２Ｇは、（１つのフック１２０８による）最終的に完了した、グラフト１００とターゲットである血管１１２０の間の吻合状態を示すものである。
【０１０８】
張出部１２１４を設ける代替または追加として、（例えば超弾性や形状記憶である）スパイク１２０６がプリストレスされても良く、スパイクの分断部分は折れ戻り、リング１２０２をまたいで折れ戻るようになる。代替または追加として、スパイクの末端は上向きに曲げられている。
【０１０９】
図１２Ｈ−１２Ｊは、本発明の例示的な形態による、自発的にカールするスパイクを備えたコネクタ１２５０を示したものである。コネクタ１２５０の中では、複数の前側スパイク１２５２は、少なくともその先端でカールしている。しかしながら、スパイク１２５２がベースリング１２５６を通って後退引込みされると、それらの先端部はリングによって部分的にまっすぐになる。次いでスパイクは、例えばスパイクの先端部と近接する肉厚部分で前述のように分断され、その時スパイクは、図１２Ｊのような元のカーブした形状に戻る。このようなカーブした形状であれば、スパイクの先端はまずリング１２５６から脱落しない、および／またはより大きなシール圧力を提供可能となりうる。代替または追加として、カーブした先端部を使用することにより、血管の外側に尖った部分が出る可能性を減少させることができる。本発明の例示的な形態によれば、カールしたスパイクの弧は１８０度以上、２００度以上、２７０度以上、３６０度以上、或いはそれ以上、それ以下、またはその中間のあらゆる角度がありうる。
【０１１０】
図１３Ａおよび１３Ｂは、本発明の例示的な実施の形態による、コネクタ移送システム１３００を示したものである。レバー１０００によって操作される移送システム８００とは異なり、システム１３００は、ノブ１３１２をハンドル１３１０に対して回転させることによって操作され、複数のスパイク１２０６が連結されたインナーチューブ１３０２は後退引込みされる。本発明の例示的な形態においては、インナーチューブ１３０２は、ノブ１３１２上のねじと係合するようなねじが切られている。
【０１１１】
図１２に記載されているように、プラースパイク１２０６は交軸方向に張り出した張出部１２１４および強度低下部１２２０を有してもよい。図１２とは異なり、例えばＰＣＴ／ＩＬ０１／０００７４のように、スパイクが加熱されているときにスパイクを曲げた状態に保持する及び／または超弾性記憶点を超えてスパイクを曲げる治具手段によって、スパイクの先端部１２０８は曲げられていてもよい。選択として、スパイク１２０６は、スパイク８１０（図８）のように、円錐状に配列されていてもよいが、これは必要とされるものではない。
【０１１２】
本発明の例示的な形態においては、システム１３００は、末梢血管内で利用され、この血管は血液リーク防止のためにクランプされており、心臓内で用いるよりも危険性は少ない。
【０１１３】
本発明の例示的な形態においては、システム１３００は、スリットまたは強度低下部１３０６を有し、インナーチューブが後退引込みされると突出部１３０４がスリット１３０６に入る、またはスリットを切断するような、分断型のシステムである。グラフトを供給するために、小孔１３０８が使用されていてもよい。
【０１１４】
選択として、１つまたはそれ以上のピン１３１４が用意される。本発明の例示的な形態では、ピン１３１４は、ばねが装着されており、また吻合プロセスのあるステージに対応した量だけインナーチューブ１３０２が後退引込みされた時に、ノブ１３１２の回転をロックするために後退する。一例では、ピン１３４はインナーチューブ１３０２の複数の穴の上に横たわる。張出部１２１４がリング１２１８に対してロックされる位置にチューブ１３０２が後退引込みされた時、第１のステージが終了する。強度低下部１２２０が分断されたとき、第２のステージが終了する。スリット１３０６が広げられたとき、第３のステージが終了する。代替として、例えば回転機構におけるクリックのような、他のフィードバック機構が提供されてもよい。
【０１１５】
図１４Ａ−１４Ｄは、図１３のシステムでの、一組の相互作用リングおよび、それらの使用について示したものである。図１４Ａは、プラーのスパイク１２０６を挿入するための複数のスロット１４０４を有する、例示的なリング１４１８を示したものである。選択として、スパイクはねじられるか半径方向に曲げられ、そのためにスロット１４０４の幅は張出部１２２０のそれより小さくなっている。グラフトを通すためのセンター小孔１４０６が形成されている。スペーサをリング１２０２からリング１２１８へ挿入するおよび／またはリング１２１８を移送システム１３００に取り付ける、複数の開口１４０２が選択可能に形成され、スパイク１２０６が分断されたあとにそれはインナーチューブごと後退引込みされることが可能である。
【０１１６】
図１４Ｂは、図１２Ａのリング１２０２の代替である、例示的なコネクタのリング１４２０を示したものである。本発明の例示的な形態によれば、複数の小孔１４２３がリングの中にあり、またそれはリング１４１８のスロット１４０４に対応している。２つまたはそれ以上の金属のフラップ１４２６が選択的に各穴の側方に形成され、これにより拡張部１２２０が小孔１４２３を通ることができるようになる。
【０１１７】
図１４Ｃは、互いに連結され、スペーサリング１２１６によってある程度離されているリング１４２およびリング１４１８を示したものであり、これは例えば中央部に１つの大きい孔が形成されているリングである。リング１４１８とスペーサ１２１６を連結している例示的なボルト１４３０が示されている。選択として、リング１４２０はボルト１４３０の頭部間で位置決めされて保持される。選択として、リング１４２０はリング１４１８とリング１４２０の位置合わせに利用される切り欠きを有する。
【０１１８】
図１４Ｄはリング１４１８および１２１６を通って設置されたスパイク１２０６を示したものである。
【０１１９】
装置８００および１３００にある潜在的な問題は、スパイクがターゲットとなる血管に挿入されたときに、これらが互いに絡み合って、スパイクの後退引込みと広がりが正しく行われなくなる可能性があることである。
【０１２０】
図１５は、スパイクをターゲットとなる血管１５０２に挿入するための、例示的なスパイクガイド装置１５００を示したものである。装置１５００は一般に、円錐形状のボディ１５０４を有し、これは選択として縦方向に分割する。選択として、小さな逆向きの円錐部１５１２がその先端にあり、ボディ１５０４をターゲットとなる血管１５０２に固定するのを補助する。
【０１２１】
ターゲットとなる血管１５０２に穴を形成するために、切開機構１５０６がガイドの中に挿入されている。本発明の例示的な形態においては、切開機構はプランジャ１５０８を有し、これが前進すると、２つの切開ヘッド１５１０（フックなど）が互いに回転し、その間で血管の組織に係合して切開する。本発明の例示的な形態においては、ボディ１５０４は分割ヘッドを有し、切開ヘッドは分割ヘッドを通過する。
【０１２２】
寸法の小さい装置が示されているが、胸部または血管間での使用のために、類似のより長い装置が使用されうる。装置１５００は可撓性を有していてもよく、また剛体であってもよい。
【０１２３】
図１６Ａ−１６Ｆは、本発明の例示的な形態による、ガイド装置１５００を用いた吻合の実行プロセスを示したものである。図１６Ａでは、ボディ１５０４はターゲットとなる血管１５０２に接触して、切開ヘッド１５１０はターゲットとなる血管に係合するように近づき始めている。
【０１２４】
本発明の例示的な形態においては、ターゲットとなる血管は冠動脈であり、パンチングよりも切開の方が望ましい。代替として、パンチングや他の示された切開方法を用いてもよい。
【０１２５】
図１６Ｂでは、ボディ１５０４が前進し、上下逆の円錐１５１２が血管の中に入る。選択として、切開ヘッド１５１０がボディ１５４０をターゲットとなる血管１５０２に向かって引込む、及び／またはターゲットとなる血管１５０２の管壁を引き出す。ある例に於いては、ヘッド１５１０は、図示されているような内側ではなく、外側に向いている。 【０１２６】
図１６Ｃでは、切開機構１５０６が外され、グラフト１５２２（図１６Ｆ）に設けられた複数の前側スパイク１５２０を有する移送システム（例えば８００）に入れ換えられる。選択として、移送システムがターゲットとなる血管１５０２に向かって前進すると、血管に適合するようにガイド１５０４が広がり、ターゲットとなる血管に形成された開口を広げ、スパイク１５２０は絡まない。選択として、ガイド１５０４は水溶性のゲルで満たされており、血液のリークを減少または防止する。
【０１２７】
図１６Ｄでは、例えば引き戻されたり２つに分かれたりして、ガイド１５０４が取り外される。選択として、ガイド１５０４は当初より２つ（またはそれ以上）の部分からなっており、ガイドは単に分かれて外される。
【０１２８】
図１６Ｅでは、スパイク１５２０が後退引込みされ、吻合部が形成される。
【０１２９】
図１６Ｆは、スパイク１５２０およびリング１５２４を有するコネクタ（例えば図１２に示されたもの）によって、グラフト１５２２がターゲットとなる血管１５２２と連結された、完了した吻合部を示したものである。
【０１３０】
図１７Ａ−１７Ｃは、本発明の例示的な形態による、２つの血管を結合する他のクリップ装置の取り付けを示したものである。
【０１３１】
図１７Ａでは、クリップ７００が弾性、超弾性、または形状記憶性を有し、折りたたまれた状態になろうとする（すなわち、自発的に閉じる）。例えばクリップ７００のアーム７０８と係合するスロット部７１２を有する抑制手段７０６は、アームが閉じるのを防止する。クリップ７００の他のアーム７１０は、他のスロット（またはバンプ）７１４の中で保持されうる。代替として、クリップ７００は、ここではホルダ７１８によって保持されて示されているリング７１６と結合した複数のクリップを有する、単一のコネクタの一部である。
【０１３２】
作業中は、グラフト７０２の開口縁はクリップ７００のアーム７０８によって貫かれる。アーム７０８は血管７０４（片側のみ図示）の切開部に挿入される。規制手段７０６がクリップ７００を開放すると、クリップは閉じ、グラフト７０２と血管７０４とが共にシールされる。塑性変形に基づく形態では、規制手段７０６の後退引込みによって、アーム７０８がアーム７１０に向かって折りたたまれる。
【０１３３】
図１７Ｂは、自発的に閉じるクリップ７２０がグラフト７０２と血管７０４を貫くような、本発明の代替の形態を示したものである。クリップは例えば手動操作によって血管７０４の切開部に挿入され、次いで引き戻されて血管の管壁に埋め込まれる。抑制用のアウターチューブ７２２が後退引込みされると、クリップ７２０は自発的に折りたたまれる。本発明の一部の形態においては、クリップ７００と同様、クリップ７２０もまた多クリップ型コネクタの一部であってもよい。
【０１３４】
図１７Ｃは、例えば手動で、またはプラー（図示せず）を用いることによって、クリップ７３０の中にグラフト７０２と血管７０４の開口縁が挿置されるような、本発明の代替の形態を示したものである。クリップ７３０は、ベース７３６に接合された２本のアーム７３２及び７３４を有する。本発明の例示的な形態においては、クリップ７３０は、アーム７３２及び７３４が自発的に内側に折り曲げられるようにプリストレスされている。アーム７３２及び７３４はそれぞれ張出部７３２及び７３４としてベース７３６から張り出している。規制手段は、張出部７３２及び７３４を介してクリップ７３０に当接してそれを適切な位置に維持する、２つの対向する抑制手段要素７３８及び７４０を有する。クリップ７３０は、アーム７３２と７３４とが互いに向かい合う方向に閉じる、自発的に閉じるクリップである。規制手段７３８及び７４０が離れると、アーム７３２及び７３４は互いの方向に前進し、グラフト７０２及び血管７０４の開口縁に係合してそれらが互いにシールされるようにする。本発明の例示的な形態によれば、アーム７３２と７３４との間の距離を広げて血管７０４とグラフト７０２の開口縁をクリップの中に挿入しやすくするために、規制手段７３８及び７４０は連動する。クリップ７３０は血管及びグラフトに当接して配置され、規制部材が離されるとアーム７３２及び７３４は開口縁に当たってそれをクリップの中に前進させてもよい。
【０１３５】
上記の装置は、例えば特定の種類の血管に適合するような、様々な形の変形があってもよい。本発明の一部の形態においては、装置の寸法及び／または装置が適用されるべき状況について記載された使用説明書と共に、装置はまとめられる及び／または販売される。
【０１３６】
装置の以下のパラメータ１つまたはそれ以上は変形されてもよい。例を以下に示す。
【０１３７】
（ａ）クリップのアームに含まれる針状突起の数。１つのみの針状突起が示されているが、２、３、或いはそれ以上の針状突起が用意されうる。
【０１３８】
（ｂ）アームにおける針状突起の位置。針状突起はアームの先端に示されているが、これらはさらに内側に配置されていてもよい。複数の針状突起を備えた装置においては、例えば針状突起が横並びであっても良く、また１つが他よりも前にあるような形であってもよい。
【０１３９】
（ｃ）アームの形状。例えば方形、弓形、円形、線分または円弧状など、様々な形状が提供されうる。アームは平面状でもよく、また例えばカーブするような、平面から外れて広がる形状であってもよい。
【０１４０】
（ｄ）針状突起の長さ。針状突起は血管の管壁を充分に貫ける長さであってもよい。代替として、例えば血管の一部の層のみに侵入するように、より短い長さであってもよい。１つの装置に取り付けられた異なる針状突起の長さや他の特性が、例えばターゲットとなる血管の特性に応じて、異なっていてもよいことに留意されたい。例えば長さは、０．１ｍｍ、０．５ｍｍ、１ｍｍ、２ｍｍ、あるいはそれ以上、それ以下、或いはその間でありうる。たとえば尖りの度合い（尖っている／丸められている）など、他の針状突起の設計上のパラメータも同様に変形されてもよい。
【０１４１】
（ｅ）アームの長さ。アームの長さもまた、ターゲットとなる血管の特性や結合部の形状によって変わりうる。例えば長さは、１ｍｍ、３ｍｍ、５ｍｍ、７ｍｍ、あるいはそれ以上、それ以下、或いはその間でありうる。
【０１４２】
（ｆ）ベースの有無および寸法。全ての装置がベースを持っているわけではないが、例えばベースの長さは、１ｍｍ、３ｍｍ、５ｍｍ、７ｍｍ、あるいはそれ以上、それ以下、或いはその間でありうる。例えばベースの（２本のアーム間の）幅は、０．５ｍｍ、１ｍｍ、３ｍｍ、５ｍｍ、あるいはそれ以上、それ以下、或いはその間でありうる。
【０１４３】
（ｇ）管腔の存在または外形。管腔の中央に装置がある場合、管腔及びパンチングされた穴の形状は、例えば円形、楕円形、多角形に変形可能である。
【０１４４】
（ｈ）装置の固体性。装置の表面は連続的であるが、本発明の一部の形態においては、例えば図３Ａや１Ｅに示されるように、１つまたはそれ以上の穴が装置の表面に形成されていてもよい。これは体内に残される異物の総量を減らしうる。しかしながら、本発明の一部の形態においては、血液に含まれる異物の総量は極めて低く或いは０に抑えられうることを留意されたい。
【０１４５】
（ｉ）平滑度。２つの血管の部分を圧迫によって結合する装置における、圧迫を加える手段（例えばフィンガー部７５４）は平滑であってもよい。代替として、これらはでこぼこでも良く、粗く仕上げされていても良く、或いは小さなスパイクや針状突起を有していてもよい。選択として、大きなパターンが形成されている。例えば、フィンガー部７５４はリング７５２内のぎざぎさに勘合するようになっている。
【０１４６】
ステップの順番の変更、どのステップが体内で行なわれどれが体外で行なわれるか、吻合結合を行なう順序、各吻合内でのステップの順序、吻合結合に用いる厳密な物質、血管の側方と末端との吻合に於いてどの血管が「側方」側でどの血管が「末端」側か、及び／または接合される２つの開口縁は同じ血管のものか異なる血管のものか等、血管を処置する上記の方法及び装置は多くの形の変形がありうるという点を理解されたい。さらに、機械の形態において、例えば相対的に移動する必要がある部分において可動要素の変わりに固定要素を使用するなど、様々な要素は開示の内容を越えない範囲で交換可能である。加えて、方法と装置の両方で、様々な特徴における多様性が記載されている。異なる特徴が異なる形で組み合わされうるという点を理解されたい。特に、ある特定の形態内の上記の全ての特徴が、本発明の全ての類似の例示的な形態に必要であるとは限らない。さらに、上記の異なる形態からの上記の特徴を組み合わせることもまた、本発明の一部の例示的な形態の範囲内であると考えられる。加えて、本発明の他の例示的な形態によれば、本発明のここに記載された特徴の一部は、関連出願の装置で使用されるようになっている。本発明を説明するために使用された特定の外径形状が、本発明の最も広い解釈がこれらの形状のみであると本発明を限定するべきではなく、例えば、円形の管腔が示されていても他の形態では楕円形の管腔が使用されうる。
【０１４７】
１つまたは少数の吻合結合を行なうのに適した医療用装置のセットを含む外科用具もまた、本発明の範囲内である。上記の計測値は特定の場合における例示的な計測値に過ぎず、実際の計測値は適用によって異なる。請求項における「有する」「含む」「備える」「具備する」または類似の用語は、「含むかそれに制限されるものではない」という意味である。
【０１４８】
ここまでに記述されたものによって本発明が限定されるものではないということは、当業者によって理解されるだろう。むしろ、本発明の範囲は請求項のみによって限定される。
【図面の簡単な説明】
【図１Ａ】
本発明の例示的な形態による、血管結合方法および装置を示したものである。
【図１Ｂ】
本発明の例示的な形態による、血管結合方法および装置を示したものである。
【図１Ｃ】
本発明の例示的な形態による、血管結合方法および装置を示したものである。
【図１Ｄ】
本発明の例示的な形態による、血管結合方法および装置を示したものである。
【図１Ｅ】
図１Ａ−１Ｄに記載の方法に適したクリップの上面図である。
【図２Ａ】
本発明の代替の例示的な形態による、血管結合法を示したものである。
【図２Ｂ】
本発明の代替の例示的な形態による、血管結合方法を示したものである。
【図２Ｃ】
本発明の代替の例示的な形態による、代替の血管結合装置を示したものである。
【図２Ｄ】
本発明の例示的な形態による、代替のクリップ２５２を示すものである。
【図３Ａ】
本発明の例示的な形態による、クリップとプラーの組み合わせによる穴閉塞装置を示したものである。
【図３Ｂ】
本発明の例示的な形態による、クリップとプラーの組み合わせによる穴閉塞装置を示したものである。
【図３Ｃ】
本発明の例示的な形態による、クリップとプラーの組み合わせによる穴閉塞装置を示したものである。
【図３Ｄ】
本発明の例示的な形態による、クリップとプラーの組み合わせによる穴閉塞装置を示したものである。
【図４】
本発明の例示的な形態による、多クリップ型のコネクタを示したものである。
【図５Ａ】
本発明の例示的な形態において、図４のクリップを取り付ける方法を示したものである。
【図５Ｂ】
本発明の例示的な形態において、図４のクリップを取り付ける方法を示したものである。
【図５Ｃ】
本発明の例示的な形態において、図４のクリップを取り付ける方法を示したものである。
【図５Ｄ】
本発明の例示的な形態において、図４のクリップを取り付ける方法を示したものである。
【図５Ｅ】
本発明の例示的な形態において、図４のクリップを取り付ける方法を示したものである。
【図５Ｆ】
本発明の例示的な形態において、図４のクリップを取り付ける方法を示したものである。
【図６Ａ】
本発明の例示的な形態において、吻合結合中に多クリップを取り付ける代替の方法を示したものである。
【図６Ｂ】
本発明の例示的な形態において、吻合結合中に多クリップを取り付ける代替の方法を示したものである。
【図６Ｃ】
本発明の例示的な形態において、吻合結合中に多クリップを取り付ける代替の方法を示したものである。
【図７】
本発明の例示的な形態による、リング−クリップ型の吻合コネクタを示したものである。
【図８】
本発明の例示的な形態による、図７のコネクタを移送する装填型移送システムの先端部の断面図である。
【図９Ａ】
図８の装填型移送システムの先端部の斜視図である。
【図９Ｂ】
本発明の例示的な形態による、代替の装填型移送システムの先端部の斜視図である。
【図１０Ａ】
図８の装填型移送システム全体の斜視図である。
【図１０Ｂ】
図８の装填型移送システム全体の側断面図である。
【図１１Ａ】
本発明の例示的な形態において、部分的に外翻が行われたコネクタを示したものである。
【図１１Ｂ】
本発明の例示的な形態において、部分的に外翻が行われたコネクタを示したものである。
【図１１Ｃ】
本発明の例示的な形態において、部分的に外翻が行われたコネクタを示したものである。
【図１１Ｄ】
本発明の例示的な形態において、部分的に外翻が行われたコネクタを示したものである。
【図１１Ｅ】
本発明の例示的な形態において、部分的に外翻が行われたコネクタを示したものである。
【図１２Ａ】
本発明の例示的な形態による、吻合コネクタの一部分を示したものである。
【図１２Ｂ】
コネクタの一部が取り外されるように、コネクタを取り付ける方法を示したものである。
【図１２Ｃ】
コネクタの一部が取り外されるように、コネクタを取り付ける方法を示したものである。
【図１２Ｄ】
コネクタの一部が取り外されるように、コネクタを取り付ける方法を示したものである。
【図１２Ｅ】
コネクタの１つのスパイクについて、図１２Ｂ−１２Ｄのプロセスの効果を示したものである。
【図１２Ｆ】
コネクタの１つのスパイクについて、図１２Ｂ−１２Ｄのプロセスの効果を示したものである。
【図１２Ｇ】
コネクタの１つのスパイクについて、図１２Ｂ−１２Ｄのプロセスの効果を示したものである。
【図１２Ｈ】
本発明の例示的な形態による、自発的にカールするスパイクを有するコネクタを示したものである。
【図１２Ｉ】
本発明の例示的な形態による、自発的にカールするスパイクを有するコネクタを示したものである。
【図１２Ｊ】
本発明の例示的な形態による、自発的にカールするスパイクを有するコネクタを示したものである。
【図１３Ａ】
本発明の例示的な形態による、コネクタ移送システムを示したものである。
【図１３Ｂ】
本発明の例示的な形態による、コネクタ移送システムを示したものである。
【図１４Ａ】
図１３のシステムにおける、一組の相互作用リングおよび、それらの使用について示したものである。
【図１４Ｂ】
図１３のシステムにおける、一組の相互作用リングおよび、それらの使用について示したものである。
【図１４Ｃ】
図１３のシステムにおける、一組の相互作用リングおよび、それらの使用について示したものである。
【図１４Ｄ】
図１３のシステムにおける、一組の相互作用リングおよび、それらの使用について示したものである。
【図１５】
本発明の例示的な形態による、血管パンチングおよび貫通装置を示したものである。
【図１６Ａ】
本発明の例示的な形態による、図１５のパンチング装置を用いた吻合を行うプロセスを示したものである。
【図１６Ｂ】
本発明の例示的な形態による、図１５のパンチング装置を用いた吻合を行うプロセスを示したものである。
【図１６Ｃ】
本発明の例示的な形態による、図１５のパンチング装置を用いた吻合を行うプロセスを示したものである。
【図１６Ｄ】
本発明の例示的な形態による、図１５のパンチング装置を用いた吻合を行うプロセスを示したものである。
【図１６Ｅ】
本発明の例示的な形態による、図１５のパンチング装置を用いた吻合を行うプロセスを示したものである。
【図１６Ｆ】
本発明の例示的な形態による、図１５のパンチング装置を用いた吻合を行うプロセスを示したものである。
【図１７Ａ】
本発明の例示的な形態による、２つの血管を結合するための他のクリップ装置の配置を示したものである。
【図１７Ｂ】
本発明の例示的な形態による、２つの血管を結合するための他のクリップ装置の配置を示したものである。
【図１７Ｃ】
本発明の例示的な形態による、２つの血管を結合するための他のクリップ装置の配置を示したものである。
【符号の説明】
１００、１０２　　　血管
１０４　　　　　　　クリップ
１０６、１１０　　　アーム
１０８、１１２　　　針状突起
１２０、１２７　　　プラー
１２２、１２６　　　先端部
１３０　　　　　　　横棒
２０４　　　　　　　クリップ
２３２　　　　　　　コントラ要素
２３６　　　　　　　張出部
２４０　　　　　　　結合装置
２４４　　　　　　　プラー
２４８　　　　　　　針状突起
２５０　　　　　　　プラー
２５２　　　　　　　クリップ
２５６　　　　　　　ベース
２６０　　　　　　　針状突起
３００　　　　　　　穴閉塞装置
３０２　　　　　　　ベース
３０４　　　　　　　アーム
３１２　　　　　　　血管
３２０　　　　　　　コントラチューブ
４００　　　　　　　コネクタ
４０２　　　　　　　リング
４０４、４０６　　　クリップアーム
５００　　　　　　　移送システム
５０２　　　　　　　グラフト
５０４　　　　　　　内側プッシャチューブ
５０６　　　　　　　アウターコントラチューブ
５０８　　　　　　　外側ベースチューブ
５１２　　　　　　　プラー
６００　　　　　　　移送システム
６０６　　　　　　　プラー
６０８　　　　　　　コネクタ
６１２　　　　　　　バンプ
６２６　　　　　　　抑制手段
７００　　　　　　　クリップ
７０６　　　　　　　抑制手段
７０８、７１０　　　アーム
７１２　　　　　　　スロット部
７１８　　　　　　　ホルダ
７２０　　　　　　　クリップ
７３０　　　　　　　クリップ
７３２、７３４　　　張出部
７５０　　　　　　　コネクタ
７５２　　　　　　　リング
７５４　　　　　　　フィンガー部
８００　　　　　　　装填型移送システム
８０２　　　　　　　インナーチューブ
８０４　　　　　　　ベースチューブ
８０６　　　　　　　アウターチューブ
８１０　　　　　　　プラー
９２０　　　　　　　装填型移送システム
９２２、９２４　　　スロット
１０００　　　　　　レバー
１００６、１００８　安全ピン
１０１６　　　　　　スロット
１０２２　　　　　　ボディ
１１０２　　　　　　コネクタ
１１０４　　　　　　リング
１１０６、１１１６　スパイク
１１０８、１１１８　フック
１１１０　　　　　　ベースリング
１１１２、１１１４　小孔
１２００　　　　　　ベースリング
１２０１　　　　　　コネクタ
１２０３　　　　　　小孔
１２０６　　　　　　スパイク
１２１４　　　　　　張出部
１２１６　　　　　　オプショナルスペーサ
１２１８　　　　　　ストッパ
１２２０　　　　　　強度低下部
１２５０　　　　　　コネクタ
１３００　　　　　　コネクタ移送システム
１３１０　　　　　　ハンドル
１３１２　　　　　　ノブ
１５００　　　　　　スパイクガイド装置
１５０４　　　　　　ボディ
１５０６　　　　　　切開機構
１５１０　　　　　　切開ヘッド
１５１２　　　　　　円錐部

Claims (44)

1. リング要素と、
   少なくとも２つの血管開口縁を、フィンガー部と、前記フィンガー部及びリングの少なくとも一方との間で圧迫することにより、２つの血管開口縁の間の開口の少なくとも一部をシールするようになっている、前記リング要素に設けられれた複数のフィンガー部と、
   体内で、前記開口縁の少なくとも１つを前記フィンガー部と前記リングとの間のスペースへ引込むようになっている少なくとも１つのプラースパイクと、
   を有する、２つの血管開口縁の間の開口をシールする血管結合装置。
2. 前記フィンガー部は、前記開口縁を前記スペース内で係合する静止位置からの復帰が規制されている、請求項１に記載の装置。
3. 前記少なくとも１つのプラーは、後退引込み可能な細長いチューブと一体化している、請求項１に記載の装置。
4. 前記少なくとも１つのプラーは、円錐形に並べられた複数のプラーであり、円錐の頂点は血管開口へ挿入するようになっている、請求項１に記載の装置。
5. 前記少なくとも１つのプラーは、前記リングの外側にあって、前記プラーが後退引込みされると前記円錐が開くようになっている、請求項４に記載の装置。
6. 各プラーは折れ曲がった先端を有し、前記開口縁を係合させるようになっている、請求項４に記載の装置。
7. 各プラーは、前記プラーが前記リングに向かって後退引込みされた後に前記プラーを分断させるための指定分断エリアを有し、この結果前記プラーの先端部分のみが体内に残る、請求項１に記載の装置。
8. 前記先端部分はプリカールされおり、前記分断によって前記部分は閉じてカールした形状に戻る、請求項７に記載の装置。
9. 各プラーは、前記先端部分が後退引込みされるのを防止するための、交軸方向に延びる突起を有する、請求項７に記載の装置。
10. 各プラーが平滑であり、前記プラーは前記開口縁を通って前記体外へ後退引込みされる、請求項１に記載の装置。
11. 各プラーは、グラフトの壁面に貫挿するようにされた、尖った先端を有する、請求項１に記載の装置。
12. 前記リングが楕円形状である、請求項１に記載の装置。
13. 前記フィンガー部は前記開口縁のいずれにも侵入しない、請求項１に記載の装置。
14. 複数の折り曲げ可能なクリップを有し、前記クリップはその間で２つの開口縁を把持して該両開口縁を互いに当接させて前記開口をシールするようになっており、前記クリップ要素は先が丸められて前記血管の壁面に侵入しないようになっている、２つの血管開口縁の間の開口をシールする血管結合装置。
15. 前記クリップはリング上に配設されている、請求項１４に記載の装置。
16. 複数の小孔が形成されたリング要素と、
    先端部を有し、前記先端部近傍に指定分断エリアがあり、前記先端部は、複数の前記小孔に密着しながらそこを通過するようになっており、さらに後退引込み可能な長いチューブと一体化し、前記装置を取り付けたときに前記スパイクの前記先端部のみが体内に残るようになっている、プラースパイクと、
    を有する、２つの血管開口縁の間の開口をシールする血管結合装置。
17. 前記チューブは軸方向に分断されるチューブである、請求項１６に記載の装置。
18. 前記チューブは、前記チューブが充分に引込み後退されたときに、対応する移送システムを軸方向に分断するようになっている突起を有する、請求項１６に記載の装置。
19. 前記スパイクはプリカールされており、前記スパイクが前記指定分断エリアで分断されたとき、前記先端部はカールの弧の角度が分断前よりも大きくなるような、プリカール状態に戻る、請求項１６に記載の装置。
20. 前記小孔には前記スパイクが戻るのを防止するリーフ要素が形成されている、請求項１６に記載の装置。
21. 前記スパイク上の前記指定分断エリアに近接する位置には突起が形成されている、請求項１６に記載の装置。
22. リトラクタと、
    前記コネクタの複数のプラースパイクと一体化し、前記リトラクタと連結して後退引込みされ、少なくとも１つのスパイクに少なくとも１つの肉厚エリアが形成されている、チューブと、
    前記少なくとも１つの肉厚エリアが後退引き込みされるのを防止し、前記リトラクタが前記チューブを充分な量引込んだ時に前記スパイクが分断されるようにする、ベースリングと、
    を有するコネクタ移送システム。
23. 前記チューブは突起を有し、前記チューブが充分に後退引込みされた時、前記移送システムは前記突起によって分断されるようになっている、請求項２２に記載の装置。
24. 前記システムは前記ベースリングを前記一体チューブに対して適切な位置に維持する静止チューブを有する、請求項２２に記載のシステム。
25. 複数のフィンガー部を有するリングコネクタを移送し、前記フィンガー部はその上で開状態と閉状態をとる、コネクタ移送システムであって、
    リトラクタと、
    複数のプラースパイクと一体化し、それによって後退引込みを行なうためにリトラクタと連結するチューブと、
    前記プラースパイクが前記リングコネクタに後退引込みされたときに前記複数のフィンガー部を閉じるようになっているアウターチューブと、を有するコネクタ移送システム。
26. 前記プラースパイクが前記コネクタを越えて引込まれたときに、前記牽引スパイクをまっすぐに延ばすのをガイドするための、複数のスロットが前記アウターチューブに形成されている、請求項２５に記載のシステム。
27. 前記フィンガー部は塑性変形して閉じる、請求項２５に記載のシステム。
28. 前記アウターチューブはその内径が前記コネクタの外径よりも小さいインナーリップを有し、前記アウターチューブが前記コネクタに対して移動したときは、前記フィンガー部は該インナーリップによって、前記リングに向かって内向きに押込まれる、請求項２７に記載のシステム。
29. 前記フィンガー部はリリースされて閉じ、前記閉状態となる、請求項２５に記載のシステム。
30. 前記アウターチューブにはインナーリップがあり、前記フィンガー部が前記リングから離れて該インナーリップに当接して保持され、前記アウターチューブが後退引込みされたときは前記フィンガー部は前記リップからリリースされて閉じる、請求項２９に記載のシステム。
31. 前記アウターチューブには複数のスロットがあり、前記フィンガー部は前記スロットの中に保持され、前記アウターチューブが後退引込みされると前記フィンガー部は前記スロットからリリースされて閉じる、請求項２９に記載のシステム。
32. 前記スロットの幅は、前記フィンガー部の幅より狭い、請求項３１に記載のシステム。
33. 前記スロットの幅は、前記フィンガー部の幅より１０％狭い、請求項３１に記載のシステム。
34. 前記システムは、前記コネクタを前記一体チューブに対して適切な位置に維持する静止チューブを有する、請求項２５に記載のシステム。
35. 吻合結合に先立ってリングコネクタのフィンガー部を引き戻す方法であって、
    スロットのあるアウターチューブを含み、前記チューブの中に設けられ、前記フィンガー部は前記スロットに対応している、コネクタ移送システムを提供し、
    器具をスロットにガイドして前記フィンガー部に接触するように前記スロットに挿入し、
    前記器具を用いて、前記スロット付きアウターチューブに保持されるように前記フィンガー部を引き戻す、方法。
36. 前記フィンガー部は引き戻されて前記スロットの中に置かれる、請求項３５に記載の方法。
37. 前記スロットに挿入された器具を用いることによって前記フィンガー部は引き戻され、前記フィンガー部は前記アウターチューブのインナーリップに置かれる、請求項３５に記載の方法。
38. 円錐状に配列されたプラースパイクを備えた移送システムと、
    両端に開口が形成され、この底部の大きいほうの開口は前記円錐状配列を受け、またこの頂部の小さいほうの開口が血管に挿入されるような、円錐形状のボディと、
    を有する、吻合装置。
39. 前記円錐形状のボディは、前記移送システムが前進すると前記小さいほうの開口が広がるような形状である、請求項３８に記載の装置。
40. 前記円錐形状のボディはその軸方向にあらかじめ分割されている、請求項３８に記載の装置。
41. 前記円錐に取り付けられるようになっており、また前記円錐の小さいほうの開口を通って取り付けられる少なくとも１つの切開ブレードを備えた、切開機構を有する、請求項３８に記載の装置。
42. 前記装置はその頂点が前記円錐の頂点に当たる、より小さい上下逆な円錐を有し、これは前記少なくとも１つのブレードによって切開された穴に挿入され、前記より小さな円錐は台になる、請求項４１に記載の装置。
43. 前記円錐は少なくとも部分的にその頂点からあらかじめ分割されている、請求項３８から４２に記載の装置。
44. 前記円錐は反対側であらかじめ分割されている、請求項４３に記載の装置。

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