JP2001331476A - 曲線適合方法、曲線適合装置、曲線適合プログラム記憶媒体、および損失係数測定装置 - Google Patents
曲線適合方法、曲線適合装置、曲線適合プログラム記憶媒体、および損失係数測定装置Info
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- JP2001331476A JP2001331476A JP2000151183A JP2000151183A JP2001331476A JP 2001331476 A JP2001331476 A JP 2001331476A JP 2000151183 A JP2000151183 A JP 2000151183A JP 2000151183 A JP2000151183 A JP 2000151183A JP 2001331476 A JP2001331476 A JP 2001331476A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は共振点および反共振点を持つ周波数応
答関数に曲線適合(カーブフィット)を行なう曲線適合
方法、曲線適合装置、コンピュータをそのような曲線適
合装置として動作させる曲線適合プログラムが記憶され
てなる曲適合プログラム記憶媒体、および曲線適合の手
法を用いて測定対象物体の損失係数を測定する損失係数
測定装置に関し、共振点および反共振点を持つ周波数応
答関数に、反共振点を含め高精度に曲線適合(カーブフ
ィット)を行なう。 【解決手段】曲線適合のモデルとして極零モデルを採用
し、さらに曲線適合の対象となる周波数応答関数の絶対
値の対数と極零モデルの絶対値の対数とに基づく評価関
数を採用して、偏分反復法を適用することにより、極零
モデルのパラメータの値を決定する。
答関数に曲線適合(カーブフィット)を行なう曲線適合
方法、曲線適合装置、コンピュータをそのような曲線適
合装置として動作させる曲線適合プログラムが記憶され
てなる曲適合プログラム記憶媒体、および曲線適合の手
法を用いて測定対象物体の損失係数を測定する損失係数
測定装置に関し、共振点および反共振点を持つ周波数応
答関数に、反共振点を含め高精度に曲線適合(カーブフ
ィット)を行なう。 【解決手段】曲線適合のモデルとして極零モデルを採用
し、さらに曲線適合の対象となる周波数応答関数の絶対
値の対数と極零モデルの絶対値の対数とに基づく評価関
数を採用して、偏分反復法を適用することにより、極零
モデルのパラメータの値を決定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は共振点および反共振
点を持つ周波数応答関数に曲線適合(カーブフィット)
を行なう曲線適合方法、曲線適合装置、コンピュータを
そのような曲線適合装置として動作させる曲線適合プロ
グラムが記憶されてなる曲線適合プログラム記憶媒体、
および曲線適合の手法を用いて測定対象物体の損失係数
を測定する損失係数測定装置に関する。
点を持つ周波数応答関数に曲線適合(カーブフィット)
を行なう曲線適合方法、曲線適合装置、コンピュータを
そのような曲線適合装置として動作させる曲線適合プロ
グラムが記憶されてなる曲線適合プログラム記憶媒体、
および曲線適合の手法を用いて測定対象物体の損失係数
を測定する損失係数測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】材料の物性の重要な評価量の1つとして
損失係数がある。損失係数の測定は、測定対象物体を様
々な周波数で加振してその振動の振舞いを表わす周波数
応答関数を求め、その周波数応答関数の特性から損失係
数を求めることにより行なわれる。
損失係数がある。損失係数の測定は、測定対象物体を様
々な周波数で加振してその振動の振舞いを表わす周波数
応答関数を求め、その周波数応答関数の特性から損失係
数を求めることにより行なわれる。
【0003】図8は、ある1つの測定対象物体について
求めた周波数応答関数(両端自由梁の駆動点インピーダ
ンス)の一例を示す図である。
求めた周波数応答関数(両端自由梁の駆動点インピーダ
ンス)の一例を示す図である。
【0004】図8のように与えられる周波数応答関数か
ら損失係数を求める方法にはいろいろあるが、以下に代
表的な2つの方法について説明する。
ら損失係数を求める方法にはいろいろあるが、以下に代
表的な2つの方法について説明する。
【0005】(1)半値幅法 半値幅法は、共振特性(図8の谷に対応)のピークの周
波数f0とその両側で3dB低下する周波数f1およびf
2から下式により損失係数ηを求める方法であり、従来
から用いられている基本的な方法である(日本工業基準
JIS G 0602、制振鋼板の振動減衰特性試験方
法、(1993)参照)。
波数f0とその両側で3dB低下する周波数f1およびf
2から下式により損失係数ηを求める方法であり、従来
から用いられている基本的な方法である(日本工業基準
JIS G 0602、制振鋼板の振動減衰特性試験方
法、(1993)参照)。
【0006】 η=(f2−f1)/f0 …(1) (2)モーダルダンピング法 伝達関数(応答/加振力)のn番目の極または零点がs
n=−α±jβnと与えられたときに、減衰比ζを下式で
定義する(長松昭男、モード解析入門、コロナ社、19
93参照)。この定義は、多自由度系の振動の損失を評
価する場合に必要な定義である。減衰比と損失係数はζ
=η/2の関係がある。
n=−α±jβnと与えられたときに、減衰比ζを下式で
定義する(長松昭男、モード解析入門、コロナ社、19
93参照)。この定義は、多自由度系の振動の損失を評
価する場合に必要な定義である。減衰比と損失係数はζ
=η/2の関係がある。
【0007】
【数3】
【0008】但し、ζnはn番目の極または焦点の減衰
比を表わす。
比を表わす。
【0009】上記の2つの方法は損失係数が小さい時に
は十分な精度で一致するが、損失が大きくなり、しかも
モード間隔(図8のピークどうしの間隔)が狭くなって
くると、互いの共振が影響しあい、半値幅法では正しい
値が求められなくなる。
は十分な精度で一致するが、損失が大きくなり、しかも
モード間隔(図8のピークどうしの間隔)が狭くなって
くると、互いの共振が影響しあい、半値幅法では正しい
値が求められなくなる。
【0010】図9は、損失係数が0.5のときの両端自
由梁を中央加振したときの周波数応答関数の例を示した
図である。
由梁を中央加振したときの周波数応答関数の例を示した
図である。
【0011】損失係数を半値幅法で求めようとすると、
共振から3dB低下するまでに前後のモードのために盛
りあがってきてしまい、損失係数を正しく求めることが
できない。そこで、特性全体に曲線適合(カーブフィッ
ト)を適用して損失係数を求めることが必要となる。
共振から3dB低下するまでに前後のモードのために盛
りあがってきてしまい、損失係数を正しく求めることが
できない。そこで、特性全体に曲線適合(カーブフィッ
ト)を適用して損失係数を求めることが必要となる。
【0012】さらに、最近は共振特性から損失係数を求
めるだけでなく、図8の山に対応する反共振特性から損
失係数を求めることも考えられている。その理由は下記
の2点である。
めるだけでなく、図8の山に対応する反共振特性から損
失係数を求めることも考えられている。その理由は下記
の2点である。
【0013】1)周波数応答関数を求めるときに、共振
ではインピーダンスが小さいために測定系の影響を受け
やすい。
ではインピーダンスが小さいために測定系の影響を受け
やすい。
【0014】2)共振のみでなく、共振と共振との間に
ある反共振でも損失係数が求められれば、1つの試料か
らより多くの周波数ポイントでの損失係数の測定が可能
となる。
ある反共振でも損失係数が求められれば、1つの試料か
らより多くの周波数ポイントでの損失係数の測定が可能
となる。
【0015】反共振においても、図7の特性を上下反転
し、(1)式を適用して損失係数を求めることが考えら
れるものの、損失が大きくなると(1)式が適用できな
いという問題点は残る。
し、(1)式を適用して損失係数を求めることが考えら
れるものの、損失が大きくなると(1)式が適用できな
いという問題点は残る。
【0016】そこで、周波数応答関数に曲線適合を適用
して、損失係数を求めることがどうしても必要となる。
して、損失係数を求めることがどうしても必要となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】周波数応答関数の曲線
適合(カーブフィット)自体は、モード解析という分野
で頻繁に使われている既に確立された技術である。モー
ド解析においては、一点または数点の参照点とその他の
多数点との間の周波数応答関数(加振力に対する振動応
答など)を測定し、それに共振モデルを適用し、共振周
波数、損失係数、モード姿態などを求めることが行われ
ている。この考え方は、いかなる振動であっても多数の
共振モードの組み合わせで合成できる、という理論に基
づいている。モード解析では下式のモデルが一般に用い
られる(長松昭男、モード解析入門、コロナ社、199
3 参照)。
適合(カーブフィット)自体は、モード解析という分野
で頻繁に使われている既に確立された技術である。モー
ド解析においては、一点または数点の参照点とその他の
多数点との間の周波数応答関数(加振力に対する振動応
答など)を測定し、それに共振モデルを適用し、共振周
波数、損失係数、モード姿態などを求めることが行われ
ている。この考え方は、いかなる振動であっても多数の
共振モードの組み合わせで合成できる、という理論に基
づいている。モード解析では下式のモデルが一般に用い
られる(長松昭男、モード解析入門、コロナ社、199
3 参照)。
【0018】
【数4】
【0019】ここで、Y(ω)はコンプライアンス関
数、Iは分析帯域内の共振の数、iは共振の番号(1〜
I)、ωは角周波数、ωiはi番目の共振の不減衰固有
角周波数、ηiはi番目の共振の損失係数、Kiはモード
定数、Cは慣性拘束、Dは剰余コンプライアンスといわ
れるものである。(3)式は、電気回路を用いて、図1
0のようなインダクタンスm1,m2,…,mI、キャパ
シタンス1/k1,i/k2,…,1/kI,および抵抗
C1,C2,…,CIからなるI個の直列共振と、インダ
クタンスm0と、キャパシタンス1/k0とが並列につな
がった回路で表すことができる。このモデルの場合には
基本的に共振回路から成っているので、共振の特性はフ
ィットできるが、共振と共振の間に現れる反共振の特性
をフィットすることはできない(鈴木他、「共振および
反共振における損失係数について」、通学技法(EA9
9−105)、(2000年3月)参照)。モード解析
の曲線適合において、山の特性はフィットできるが谷の
特性はずれてしまうことがよくあるが、(3)式のモデ
ルは共振のみフィットできる構造を有していることに原
因がある。従来は、モード解析では応答が小さくなる反
共振での特性は問題とすることが少なかったので、
(3)式のモデルが有効に使われていたのである。
数、Iは分析帯域内の共振の数、iは共振の番号(1〜
I)、ωは角周波数、ωiはi番目の共振の不減衰固有
角周波数、ηiはi番目の共振の損失係数、Kiはモード
定数、Cは慣性拘束、Dは剰余コンプライアンスといわ
れるものである。(3)式は、電気回路を用いて、図1
0のようなインダクタンスm1,m2,…,mI、キャパ
シタンス1/k1,i/k2,…,1/kI,および抵抗
C1,C2,…,CIからなるI個の直列共振と、インダ
クタンスm0と、キャパシタンス1/k0とが並列につな
がった回路で表すことができる。このモデルの場合には
基本的に共振回路から成っているので、共振の特性はフ
ィットできるが、共振と共振の間に現れる反共振の特性
をフィットすることはできない(鈴木他、「共振および
反共振における損失係数について」、通学技法(EA9
9−105)、(2000年3月)参照)。モード解析
の曲線適合において、山の特性はフィットできるが谷の
特性はずれてしまうことがよくあるが、(3)式のモデ
ルは共振のみフィットできる構造を有していることに原
因がある。従来は、モード解析では応答が小さくなる反
共振での特性は問題とすることが少なかったので、
(3)式のモデルが有効に使われていたのである。
【0020】また、周波数軸上で行う従来の曲線適合
(カーブフィット)の方法は、測定された周波数応答関
数Am(ω)(一般に複素数)に対してモデルY(ω)
(一般に複素数)をフィットする場合、
(カーブフィット)の方法は、測定された周波数応答関
数Am(ω)(一般に複素数)に対してモデルY(ω)
(一般に複素数)をフィットする場合、
【0021】
【数5】
【0022】で定義する自乗誤差λを最小にする方法が
取られる。ここで、Mはフィットに使用する帯域内の周
波数の点数である。(4)式ではAm(ω)、Ym(ω)
ともに、真数が用いられており、値が大きい、山の周波
数領域ではよくフィットできるが、谷ではフィットの精
度が落ちる。たとえば、実測した山のレベルを1とし、
5%の誤差でフィットできたとすると、λm=(1−
0.95)2=0.0025がその周波数での全体のλ
への寄与量である。一方、谷のレベルが山のレベルより
40dB低いものとすると、実測値は0.01である。
それに対して50%の誤差でしかフィット出来ないとし
ても、λm=(0.01−0.005)2=0.0002
5(=λm/10)しか全体のλに寄与しない。これ
が、(4)式を用いると応答関数が大きい周波数領域
(山の付近)では良くフィットし、値が小さい周波数領
域(谷の付近)ではフィットできない理由である。
取られる。ここで、Mはフィットに使用する帯域内の周
波数の点数である。(4)式ではAm(ω)、Ym(ω)
ともに、真数が用いられており、値が大きい、山の周波
数領域ではよくフィットできるが、谷ではフィットの精
度が落ちる。たとえば、実測した山のレベルを1とし、
5%の誤差でフィットできたとすると、λm=(1−
0.95)2=0.0025がその周波数での全体のλ
への寄与量である。一方、谷のレベルが山のレベルより
40dB低いものとすると、実測値は0.01である。
それに対して50%の誤差でしかフィット出来ないとし
ても、λm=(0.01−0.005)2=0.0002
5(=λm/10)しか全体のλに寄与しない。これ
が、(4)式を用いると応答関数が大きい周波数領域
(山の付近)では良くフィットし、値が小さい周波数領
域(谷の付近)ではフィットできない理由である。
【0023】このように、従来の曲線適合の手法では、
共振点はよくフィットできるが、反共振点では特性がず
れてしまい、反共振点の特性をも含めた高精度な曲線適
合を行なうことができず、損失係数等の特性の測定精度
に限界を来していた。
共振点はよくフィットできるが、反共振点では特性がず
れてしまい、反共振点の特性をも含めた高精度な曲線適
合を行なうことができず、損失係数等の特性の測定精度
に限界を来していた。
【0024】本発明は、上記事情に鑑み、共振点および
反共振点を持つ周波数応答関数に、反共振点を含め高精
度に曲線適合(カーブフィット)を行なうことのできる
曲線適合方法、曲線適合装置、コンピュータをそのよう
な曲線適合装置として動作させる曲線適合プログラムが
記憶されてなる曲線適合プログラム記憶媒体、およびそ
のような曲線適合の手法を採用して測定対象物体の損失
係数を求める損失係数測定装置を提供することを目的と
する。
反共振点を持つ周波数応答関数に、反共振点を含め高精
度に曲線適合(カーブフィット)を行なうことのできる
曲線適合方法、曲線適合装置、コンピュータをそのよう
な曲線適合装置として動作させる曲線適合プログラムが
記憶されてなる曲線適合プログラム記憶媒体、およびそ
のような曲線適合の手法を採用して測定対象物体の損失
係数を求める損失係数測定装置を提供することを目的と
する。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の曲線適合方法は、共振点および反共振点を持つ周波
数応答関数に曲線適合を行なう曲線適合方法において、
曲線適合のモデルとして極零モデルを採用し、さらに曲
線適合の対象となる周波数応答関数の絶対値の対数と極
零モデルの絶対値との対数に基づく評価関数を採用し
て、偏分反復法を適用することにより、極零モデルのパ
ラメータの値を決定することを特徴とする。
明の曲線適合方法は、共振点および反共振点を持つ周波
数応答関数に曲線適合を行なう曲線適合方法において、
曲線適合のモデルとして極零モデルを採用し、さらに曲
線適合の対象となる周波数応答関数の絶対値の対数と極
零モデルの絶対値との対数に基づく評価関数を採用し
て、偏分反復法を適用することにより、極零モデルのパ
ラメータの値を決定することを特徴とする。
【0026】本発明の曲線適合方法は、1つには、曲線
適合のモデルとして極零モデルを採用したことに特徴が
ある。極零モデルには、共振点のみでなく反共振点もフ
ィットできるだけの自由度がある。
適合のモデルとして極零モデルを採用したことに特徴が
ある。極零モデルには、共振点のみでなく反共振点もフ
ィットできるだけの自由度がある。
【0027】また、本発明の曲線適合方法のもう1つの
特徴は、偏分反復法を適用するにあたり、曲線適合の対
象となる周波数応答関数の絶対値の対数と極零モデルの
絶対値の対数とに基づく評価関数を採用したことにあ
る。このような評価関数を採用したことにより、共振点
と反共振点が同等の重みで評価に加えられることにな
り、上記の、極零モデルを採用したことと相俟って、共
振点と反共振点のいずれもを高精度にフィットさせた曲
線適合が可能となる。
特徴は、偏分反復法を適用するにあたり、曲線適合の対
象となる周波数応答関数の絶対値の対数と極零モデルの
絶対値の対数とに基づく評価関数を採用したことにあ
る。このような評価関数を採用したことにより、共振点
と反共振点が同等の重みで評価に加えられることにな
り、上記の、極零モデルを採用したことと相俟って、共
振点と反共振点のいずれもを高精度にフィットさせた曲
線適合が可能となる。
【0028】ここで、上記の「曲線適合の対象となる周
波数応答関数の絶対値の対数と極零モデルの絶対値の対
数とに基づく評価関数」は、典型的には、「曲線適合の
対象となる周波数応答関数の絶対値の対数と極零モデル
の絶対値の対数との差分の、曲線適合の対象としている
周波数帯域内の自乗和」をいうが、自乗和である必要は
なく、その自乗和と同等の振舞いをする、上記差分の絶
対値の和や、上記差分の4乗和等であってもよく、ある
いはそれらの関数のいずれかの逆数であってもよく、そ
の評価関数の関数形は特に限定されるものではない。
波数応答関数の絶対値の対数と極零モデルの絶対値の対
数とに基づく評価関数」は、典型的には、「曲線適合の
対象となる周波数応答関数の絶対値の対数と極零モデル
の絶対値の対数との差分の、曲線適合の対象としている
周波数帯域内の自乗和」をいうが、自乗和である必要は
なく、その自乗和と同等の振舞いをする、上記差分の絶
対値の和や、上記差分の4乗和等であってもよく、ある
いはそれらの関数のいずれかの逆数であってもよく、そ
の評価関数の関数形は特に限定されるものではない。
【0029】ここで、上記本発明の曲線適合方法におい
て、曲線適合のモデルとして、式
て、曲線適合のモデルとして、式
【0030】
【数6】
【0031】但し、ωは角周波数 Z(ω)はωを変数とするインピーダンス関数 jは虚数単位 H,ω1,ω2,ω3,ω4,…,η1,η2,η3,η4,…
は各パラメータである。で表わされる極零モデル、ある
いは該式と同等の式で表わされる極零モデルを採用する
ことが好ましい。
は各パラメータである。で表わされる極零モデル、ある
いは該式と同等の式で表わされる極零モデルを採用する
ことが好ましい。
【0032】上記(5)式は、両端自由梁のインピーダ
ンスまたは片持梁のアドミタンス、あるいはそれらと同
等の特性を見なすことのできる物理現象のインピーダン
ス特性のモデル化に適している。
ンスまたは片持梁のアドミタンス、あるいはそれらと同
等の特性を見なすことのできる物理現象のインピーダン
ス特性のモデル化に適している。
【0033】ここで、上記の、「該式と同等の式」と
は、例えば、(5)式を変形した式、(5)式に補正係
数等を付加した式等、実質的に(5)式と同等とみなす
ことのできる式をいう。
は、例えば、(5)式を変形した式、(5)式に補正係
数等を付加した式等、実質的に(5)式と同等とみなす
ことのできる式をいう。
【0034】また、上記本発明の曲線適合方法におい
て、曲線適合のモデルとして、式
て、曲線適合のモデルとして、式
【0035】
【数7】
【0036】但し、ωは角周波数 Z(ω)はωを変数とするインピーダンス関数 jは虚数単位 H,ω1,ω2,ω3,ω4,…,η1,η2,η3,η4,…
は各パラメータである。で表わされる極零モデル、ある
いは該式と同等の式で表わされる極零モデルを採用する
ことも好ましい態様である。
は各パラメータである。で表わされる極零モデル、ある
いは該式と同等の式で表わされる極零モデルを採用する
ことも好ましい態様である。
【0037】上記(6)式は、両端自由梁のアドミタン
スまたは片持梁のインピーダンス、あるいはそれらと同
等の特性と見なすことのできる物理現象のインピーダン
ス特性のモデル化に適している。
スまたは片持梁のインピーダンス、あるいはそれらと同
等の特性と見なすことのできる物理現象のインピーダン
ス特性のモデル化に適している。
【0038】ここで、上記の、「該式と同等の式」の意
味は、(5)式の場合と同様であり、重複説明は省略す
る。
味は、(5)式の場合と同様であり、重複説明は省略す
る。
【0039】また、上記目的を達成する本発明の曲線適
合装置は、共振点および反共振点を持つ周波数応答関数
に曲線適合を行なう曲線適合装置において、曲線適合の
対象となる周波数応答関数、あるいは該周波数応答関数
を求めることのできる測定量を取得する対象関数取得部
と、曲線適合のモデルとして極零モデルを採用し、さら
に曲線適合の対象となる周波数応答関数の絶対値の対数
と極零モデルの絶対値の対数とに基づく評価関数を採用
して、偏分反復法を適用することにより、極零モデルの
パラメータの値を決定するパラメータ決定部とを備えた
ことを特徴とする。
合装置は、共振点および反共振点を持つ周波数応答関数
に曲線適合を行なう曲線適合装置において、曲線適合の
対象となる周波数応答関数、あるいは該周波数応答関数
を求めることのできる測定量を取得する対象関数取得部
と、曲線適合のモデルとして極零モデルを採用し、さら
に曲線適合の対象となる周波数応答関数の絶対値の対数
と極零モデルの絶対値の対数とに基づく評価関数を採用
して、偏分反復法を適用することにより、極零モデルの
パラメータの値を決定するパラメータ決定部とを備えた
ことを特徴とする。
【0040】ここで、対象関数取得部で取得される、
「曲線適合の対象となる周波数応答関数、あるいは該周
波数応答関数を求めることのできる測定量」とは、周波
数応答関数自体を取得してもよく、あるいは、周波数応
答関数を求めることのできる測定量、例えば測定対象物
体に加えられた力の測定量とその測定対象物体の加速度
の測定量等を取得し、内部で周波数応答関数を求めても
よいことを意味している。
「曲線適合の対象となる周波数応答関数、あるいは該周
波数応答関数を求めることのできる測定量」とは、周波
数応答関数自体を取得してもよく、あるいは、周波数応
答関数を求めることのできる測定量、例えば測定対象物
体に加えられた力の測定量とその測定対象物体の加速度
の測定量等を取得し、内部で周波数応答関数を求めても
よいことを意味している。
【0041】また、上記目的を表わす本発明の曲線適合
プログラム記憶媒体は、コンピュータにローディングさ
れ、該コンピュータを、共振点および反共振点を持つ周
波数応答関数に曲線適合を行なう曲線適合装置として動
作させる曲線適合プログラムが記憶されてなる曲線適合
プログラム記憶媒体であって、前記曲線適合プログラム
が、曲線適合のモデルとして極零モデルを採用し、さら
に、曲線適合の対象となる周波数応答関数の絶対値の対
数と極零モデルの絶対値の対数とに基づく評価関数を採
用して、偏分反復法を適用することにより、極零モデル
のパラメータの値を決定するものであることを特徴とす
る。
プログラム記憶媒体は、コンピュータにローディングさ
れ、該コンピュータを、共振点および反共振点を持つ周
波数応答関数に曲線適合を行なう曲線適合装置として動
作させる曲線適合プログラムが記憶されてなる曲線適合
プログラム記憶媒体であって、前記曲線適合プログラム
が、曲線適合のモデルとして極零モデルを採用し、さら
に、曲線適合の対象となる周波数応答関数の絶対値の対
数と極零モデルの絶対値の対数とに基づく評価関数を採
用して、偏分反復法を適用することにより、極零モデル
のパラメータの値を決定するものであることを特徴とす
る。
【0042】さらに、上記目的を達成する本発明の損失
係数測定装置は、共振点および反共振点を持って振動す
る測定対象物体の損失係数を測定する損失係数測定装置
において、測定対象物体を加振する加振部と、その測定
対象物体に加えられた力と、その測定対象物体の、速度
あるいは速度が導出される物理量とを測定する測定部
と、測定部で測定された、力と、速度あるいは速度が導
出される物理量とに基づいて、前記測定対象物体の周波
数応答関数を求め、曲線適合のモデルとして各極および
各零点それぞれに対応する各損失係数を表わす各パラメ
ータを持つ極零モデルを採用し、さらに、前記周波数応
答関数の絶対値の対数と極零モデルの絶対値の対数とに
基づく評価関数を採用して、偏分反復法を適用し、極零
モデルのパラメータの値を決定することにより、測定対
象物体の各極および各零点の各損失係数を求める演算部
とを備えたことを特徴とする。
係数測定装置は、共振点および反共振点を持って振動す
る測定対象物体の損失係数を測定する損失係数測定装置
において、測定対象物体を加振する加振部と、その測定
対象物体に加えられた力と、その測定対象物体の、速度
あるいは速度が導出される物理量とを測定する測定部
と、測定部で測定された、力と、速度あるいは速度が導
出される物理量とに基づいて、前記測定対象物体の周波
数応答関数を求め、曲線適合のモデルとして各極および
各零点それぞれに対応する各損失係数を表わす各パラメ
ータを持つ極零モデルを採用し、さらに、前記周波数応
答関数の絶対値の対数と極零モデルの絶対値の対数とに
基づく評価関数を採用して、偏分反復法を適用し、極零
モデルのパラメータの値を決定することにより、測定対
象物体の各極および各零点の各損失係数を求める演算部
とを備えたことを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
説明する。
【0044】図1は、本発明の損失係数測定装置の一実
施形態を示す構成図である。
施形態を示す構成図である。
【0045】この図1に示す損失係数測定装置1の演算
装置10からは、様々な周波数の加振信号が出力され、
アンプ15を経由して加振機16に入力される。加振機
16に入力された加振信号に基づいて、インピーダンス
ヘッド17および固定金具18を介して測定対象物体2
(ここでは両端自由梁)を加振する。インピーダンスヘ
ッド17には力センサ19と加速度センサ20が備えら
れており、加振機16により測定対象物体2に加えられ
た力が力センサ19で測定されるとともに、測定対象物
体2の加速度が加速度センサ20で測定される。それら
のセンサ19,20で得られた力信号、加速度信号は、
演算装置10に入力される。
装置10からは、様々な周波数の加振信号が出力され、
アンプ15を経由して加振機16に入力される。加振機
16に入力された加振信号に基づいて、インピーダンス
ヘッド17および固定金具18を介して測定対象物体2
(ここでは両端自由梁)を加振する。インピーダンスヘ
ッド17には力センサ19と加速度センサ20が備えら
れており、加振機16により測定対象物体2に加えられ
た力が力センサ19で測定されるとともに、測定対象物
体2の加速度が加速度センサ20で測定される。それら
のセンサ19,20で得られた力信号、加速度信号は、
演算装置10に入力される。
【0046】演算装置10では、入力された力信号及び
加速度信号に基づいて測定対象物体2の周波数応答関数
が求められ、極零モデルを用いてカーブフィットが行な
われてその極零モデルのパラメータの値が決定され、そ
のパラメータの一部として損失係数が求められる。演算
方法の詳細は後述する。
加速度信号に基づいて測定対象物体2の周波数応答関数
が求められ、極零モデルを用いてカーブフィットが行な
われてその極零モデルのパラメータの値が決定され、そ
のパラメータの一部として損失係数が求められる。演算
方法の詳細は後述する。
【0047】本発明の損失特性測定装置との対比では、
演算装置10、加振機16、および、インピーダンスヘ
ッド17(力センサ19および加速度センサ20を含
む)が、それぞれ、本発明の損失特性測定装置にいう演
算部、加振部、および測定部に相当する。
演算装置10、加振機16、および、インピーダンスヘ
ッド17(力センサ19および加速度センサ20を含
む)が、それぞれ、本発明の損失特性測定装置にいう演
算部、加振部、および測定部に相当する。
【0048】演算装置10は、本実施形態では、コンピ
ュータと、そのコンピュータ内で実行されるプログラム
とから構成されており、以下先ずコンピュータ自体につ
いて説明し、次いでそのコンピュータに実現された演算
装置の機能について説明する。図1に示す損失係数測定
装置1の演算装置10は、本発明の曲線適合装置の一実
施形態でもある。
ュータと、そのコンピュータ内で実行されるプログラム
とから構成されており、以下先ずコンピュータ自体につ
いて説明し、次いでそのコンピュータに実現された演算
装置の機能について説明する。図1に示す損失係数測定
装置1の演算装置10は、本発明の曲線適合装置の一実
施形態でもある。
【0049】図2は、本発明の実施形態としての損失係
数測定装置を構成する演算装置、すなわち本発明の実施
形態としての曲線適合装置が実現されたコンピュータの
外観斜視図である。
数測定装置を構成する演算装置、すなわち本発明の実施
形態としての曲線適合装置が実現されたコンピュータの
外観斜視図である。
【0050】コンピュータ(演算装置、曲線適合装置)
10は、CPU、主記憶装置、ハードディスク、通信用
ボード等が内蔵された本体部11、本体部11からの指
示により表示画面12a上に画像や文字列を表示するデ
ィスプレイ12、コンピュータ10にユーザの指示を入
力するためのキーボード13、表示画面12a上の任意
の位置を指定することにより、その指定時にその位置に
表示されていたアイコン等に応じた指示を入力するマウ
ス14を備えている。
10は、CPU、主記憶装置、ハードディスク、通信用
ボード等が内蔵された本体部11、本体部11からの指
示により表示画面12a上に画像や文字列を表示するデ
ィスプレイ12、コンピュータ10にユーザの指示を入
力するためのキーボード13、表示画面12a上の任意
の位置を指定することにより、その指定時にその位置に
表示されていたアイコン等に応じた指示を入力するマウ
ス14を備えている。
【0051】また、コンピュータ10の本体部11に
は、さらに外観上、フロッピィディスク、CDROM
(図2には図示せず:図3参照)が装填されるFD装填
口11a;CDROM装填口11bを有しており、それ
らの内部には、それらの装填口11a,11bから装填
されたフロッピィディスクやCDROMをドライブして
アクセスする、フロッピィディスクドライブ、CDRO
Mドライブも内蔵されている。
は、さらに外観上、フロッピィディスク、CDROM
(図2には図示せず:図3参照)が装填されるFD装填
口11a;CDROM装填口11bを有しており、それ
らの内部には、それらの装填口11a,11bから装填
されたフロッピィディスクやCDROMをドライブして
アクセスする、フロッピィディスクドライブ、CDRO
Mドライブも内蔵されている。
【0052】ここでは、コンピュータ10に装填される
CDROMに本発明にいう曲線適合プログラムが記憶さ
れており、このCDROMがCDROM装填口11bか
ら本体部11内に装填され、CDROMドライブにより
そのCDROMに記憶された曲線適合プログラムがコン
ピュータ10のハードディスク内にインストールされ
る。このコンピュータ10のハードディスク内にインス
トールされた曲線適合プログラムが起動されると、コン
ピュータ10は、本発明の曲線適合装置の一実施形態と
して動作する。
CDROMに本発明にいう曲線適合プログラムが記憶さ
れており、このCDROMがCDROM装填口11bか
ら本体部11内に装填され、CDROMドライブにより
そのCDROMに記憶された曲線適合プログラムがコン
ピュータ10のハードディスク内にインストールされ
る。このコンピュータ10のハードディスク内にインス
トールされた曲線適合プログラムが起動されると、コン
ピュータ10は、本発明の曲線適合装置の一実施形態と
して動作する。
【0053】従って、曲線適合プログラムが記憶された
CDROMは、本発明の曲線適合プログラム記憶媒体の
一実施形態に相当する。
CDROMは、本発明の曲線適合プログラム記憶媒体の
一実施形態に相当する。
【0054】また、このCDROMに記憶された曲線適
合プログラムは、上記のようにしてコンピュータ10の
ハードディスク内にインストールされるが、その曲線適
合プログラムがインストールされた状態のハードディス
クも、本発明の曲線適合プログラム記憶媒体の一実施形
態に相当する。
合プログラムは、上記のようにしてコンピュータ10の
ハードディスク内にインストールされるが、その曲線適
合プログラムがインストールされた状態のハードディス
クも、本発明の曲線適合プログラム記憶媒体の一実施形
態に相当する。
【0055】さらに、その曲線適合プログラムがフロッ
ピィディスク等にダウンロードされるときは、そのダウ
ンロードされた曲線適合プログラムを記憶した状態にあ
るフロッピィディスク等も、本発明の曲線適合プログラ
ム記憶媒体の一実施形態に相当する。
ピィディスク等にダウンロードされるときは、そのダウ
ンロードされた曲線適合プログラムを記憶した状態にあ
るフロッピィディスク等も、本発明の曲線適合プログラ
ム記憶媒体の一実施形態に相当する。
【0056】図3は、図2に示すコンピュータのハード
ウェア構成図である。
ウェア構成図である。
【0057】ここには、中央演算処理装置(CPU)1
11、RAM112、ハードディスクコントローラ11
3、フロッピィディスクドライブ114、CDROMド
ライブ115、マウスコントローラ116、キーボード
コントローラ117、ディスプレイコントローラ11
8、出力インターフェース119、および入力インター
フェース120が備えられており、それらはバス110
で相互に接続されている。
11、RAM112、ハードディスクコントローラ11
3、フロッピィディスクドライブ114、CDROMド
ライブ115、マウスコントローラ116、キーボード
コントローラ117、ディスプレイコントローラ11
8、出力インターフェース119、および入力インター
フェース120が備えられており、それらはバス110
で相互に接続されている。
【0058】フロッピィディスクドライブ114、CD
ROMドライブ115は、図2を参照して説明したよう
に、フロッピィディスク51、CDROM52が装填さ
れ、装填されたフロッピィディスク51、CDROM5
2をアクセスするものである。
ROMドライブ115は、図2を参照して説明したよう
に、フロッピィディスク51、CDROM52が装填さ
れ、装填されたフロッピィディスク51、CDROM5
2をアクセスするものである。
【0059】また、ここには、ハードディスクコントロ
ーラ113によりアクセスされるハードディスク53、
マウスコントローラ116により制御されるマウス1
4、キーボードコントローラ117により制御されるキ
ーボード13、およびディスプレイコントローラ118
により制御されるディスプレイ12も示されている。
ーラ113によりアクセスされるハードディスク53、
マウスコントローラ116により制御されるマウス1
4、キーボードコントローラ117により制御されるキ
ーボード13、およびディスプレイコントローラ118
により制御されるディスプレイ12も示されている。
【0060】また、出力インターフェース119は加振
信号の出力を担っており、入力インターフェース120
は、加速度信号および力信号の入力を担っている。
信号の出力を担っており、入力インターフェース120
は、加速度信号および力信号の入力を担っている。
【0061】図4は、曲線適合プログラム記憶媒体に曲
線適合プログラムが記憶された状態を示す模式図であ
る。
線適合プログラムが記憶された状態を示す模式図であ
る。
【0062】図4に示す曲線適合プログラム記憶媒体
は、前述したCDROMやハードディスク、フロッピィ
ディスク等を代表的に示すものである。
は、前述したCDROMやハードディスク、フロッピィ
ディスク等を代表的に示すものである。
【0063】図5は、図4に1つのブロックで示す曲線
適合プログラムの構造を示すフローチャートである。
適合プログラムの構造を示すフローチャートである。
【0064】具体的な演算アルゴリズムは後述すること
とし、ここでは処理の流れについて説明する。
とし、ここでは処理の流れについて説明する。
【0065】先ず、入力された加速度信号及び力信号に
基づいて周波数応答関数が求められる(ステップa)。
基づいて周波数応答関数が求められる(ステップa)。
【0066】次に、極零モデルの各パラメータの各初期
値が取得される(ステップd)。
値が取得される(ステップd)。
【0067】この段階での初期値は、例えばオペレータ
によって適当な値が与えられることになる。
によって適当な値が与えられることになる。
【0068】次に、ステップaで求められた周波数応答
関数の絶対値の対数と極零モデルの絶対値の対数との差
分の自乗和が求められ(ステップc)、パラメータの初
期値が更新される(ステップe)。これが所定回数繰り
返され(ステップd)、高精度な曲線適合(カーブフィ
ット)が行なわれる。
関数の絶対値の対数と極零モデルの絶対値の対数との差
分の自乗和が求められ(ステップc)、パラメータの初
期値が更新される(ステップe)。これが所定回数繰り
返され(ステップd)、高精度な曲線適合(カーブフィ
ット)が行なわれる。
【0069】以下、具体的な曲線適合のアルゴリズムに
ついて説明する。
ついて説明する。
【0070】前掲の文献(鈴木他、「共振および反共振
における損失係数について」、通学技法(EA99−1
05)、(2000年3月))では、両端自由梁および
片持ち梁の場合の機械インピーダンス特性をモデル化す
るための極零モデルを示している。両端自由梁および片
持梁に対して、それぞれ前掲の(5)式または(6)式
を用いる。
における損失係数について」、通学技法(EA99−1
05)、(2000年3月))では、両端自由梁および
片持ち梁の場合の機械インピーダンス特性をモデル化す
るための極零モデルを示している。両端自由梁および片
持梁に対して、それぞれ前掲の(5)式または(6)式
を用いる。
【0071】
【数8】
【0072】
【数9】
【0073】分子の[ ]に囲まれた各項が零点(イン
ピーダンス関数の谷、共振に対応)を表し、分母のそれ
が極(インピーダンス関数の山、反共振に対応)を表
す。Hは全体のレベルを上げ下げする係数であり、特性
の形状には影響しない。従来採用されていた(3)式
と、(5)および(6)式との基本的な違いは、(3)
式には1つの極に対して3つのパラメータが用いられて
おり、零点は陽には現れていないのに対して、(5)お
よび(6)式は1つの極および1つの零点のそれぞれに
2つのパラメータが設定されていることであり、それだ
け後者の方が自由度が多いということである。本発明の
特徴の1つは、例えば(5)式または(6)式で表され
る極零モデルを用いることである。
ピーダンス関数の谷、共振に対応)を表し、分母のそれ
が極(インピーダンス関数の山、反共振に対応)を表
す。Hは全体のレベルを上げ下げする係数であり、特性
の形状には影響しない。従来採用されていた(3)式
と、(5)および(6)式との基本的な違いは、(3)
式には1つの極に対して3つのパラメータが用いられて
おり、零点は陽には現れていないのに対して、(5)お
よび(6)式は1つの極および1つの零点のそれぞれに
2つのパラメータが設定されていることであり、それだ
け後者の方が自由度が多いということである。本発明の
特徴の1つは、例えば(5)式または(6)式で表され
る極零モデルを用いることである。
【0074】本発明の第2の特徴は、前述の(4)式の
代わりに、周波数応答関数の絶対値の対数(例えばデシ
ベル)をとり、極零モデルの特性の、同じ表現(絶対値
の対数(例えばデシベル))の値との差分の自乗和が最
小となるように誤差関数λdBを用いる(ここではインピ
ーダンスでフィットすることとし、記号Zを用いてい
る)ことである。
代わりに、周波数応答関数の絶対値の対数(例えばデシ
ベル)をとり、極零モデルの特性の、同じ表現(絶対値
の対数(例えばデシベル))の値との差分の自乗和が最
小となるように誤差関数λdBを用いる(ここではインピ
ーダンスでフィットすることとし、記号Zを用いてい
る)ことである。
【0075】
【数10】
【0076】ここで、AdBmはフィットの対象となる周
波数応答関数のデシベル値、ZdB(ω)は極零モデルの
周波数応答関数のデシベル値である。
波数応答関数のデシベル値、ZdB(ω)は極零モデルの
周波数応答関数のデシベル値である。
【0077】デシベルの差の自乗和をとり、それを最小
化することにより、実測値とモデルとの、真値でのフィ
ットの程度が%で同じ場合はデシベル値で同じ値になる
ので、(7)式を用いればレベルの大小に無関係に曲線
適合ができることになる。
化することにより、実測値とモデルとの、真値でのフィ
ットの程度が%で同じ場合はデシベル値で同じ値になる
ので、(7)式を用いればレベルの大小に無関係に曲線
適合ができることになる。
【0078】従来(4)式で与えられる自乗和を最小化
する方法は、偏分反復法と呼ばれるものであり、初期値
を与えて自乗誤差とそれを最小化する偏分量を計算し、
その偏分量を用いて初期値を更新する手法である。基本
的には本発明でも、偏分反復法が用いられる。
する方法は、偏分反復法と呼ばれるものであり、初期値
を与えて自乗誤差とそれを最小化する偏分量を計算し、
その偏分量を用いて初期値を更新する手法である。基本
的には本発明でも、偏分反復法が用いられる。
【0079】説明を分りやすくするために、両端自由梁
の極(特性の山、反共振に対応)が2つ、零(特性の
谷、共振に対応)が2つの場合の機械インピーダンスモ
デルについて説明する。極および零の数が異なっても同
じ手法が適用できる。
の極(特性の山、反共振に対応)が2つ、零(特性の
谷、共振に対応)が2つの場合の機械インピーダンスモ
デルについて説明する。極および零の数が異なっても同
じ手法が適用できる。
【0080】
【数11】
【0081】(8)式を対数値に変換する。ここでは一
般的に用いられるdB値を用いる。
般的に用いられるdB値を用いる。
【0082】
【数12】
【0083】対数をとることにより、それぞれの極およ
び零点が分離されるので、以下に示す各パラメータによ
る微分値は、それぞれの極または零点内のパラメータ
(計2つ)のみに影響される。
び零点が分離されるので、以下に示す各パラメータによ
る微分値は、それぞれの極または零点内のパラメータ
(計2つ)のみに影響される。
【0084】
【数13】
【0085】ほかのωiやηiに関する微分も同様に与え
られる(極の場合は右辺に負の符号が付く)。
られる(極の場合は右辺に負の符号が付く)。
【0086】
【数14】
【0087】以上により、モデルの全てのパラメータに
よる微係数が求められる。
よる微係数が求められる。
【0088】極零モデル(dB表示)の特性を決める各
パラメータを微小量変化させたときの特性を下式のよう
に線形近似する。
パラメータを微小量変化させたときの特性を下式のよう
に線形近似する。
【0089】
【数15】
【0090】ここで、 Zms:周波数点m、初期値のパラメータの集合s
(γ1、γ2、…)でのデシベル値 Zmsd:周波数点m、初期値のパラメータの集合s
(γ1、γ2、…)から各パラメータを微小量(Δγ1、
Δγ2、…)変化させたときのデシベル値 (∂Z/∂γi)ms:Z(ω)(デシベル値)をパラメ
ータγi(本例ではi=1〜9)で微分し、m番目の角
周波数および初期値の集合sを代入した値である。
(γ1、γ2、…)でのデシベル値 Zmsd:周波数点m、初期値のパラメータの集合s
(γ1、γ2、…)から各パラメータを微小量(Δγ1、
Δγ2、…)変化させたときのデシベル値 (∂Z/∂γi)ms:Z(ω)(デシベル値)をパラメ
ータγi(本例ではi=1〜9)で微分し、m番目の角
周波数および初期値の集合sを代入した値である。
【0091】(7)式に対応したデシベル値の自乗誤差
は下式で与えられる。
は下式で与えられる。
【0092】
【数16】
【0093】これを、各パラメータの微小変化量で微分
すると、下式の連立方程式が得られる。
すると、下式の連立方程式が得られる。
【0094】
【数17】
【0095】ここで、Σはマトリックスあるいはベクト
ルの各要素を加算することを意味するものとする。
ルの各要素を加算することを意味するものとする。
【0096】上記の連立方程式を解き、初期値を更新す
る。
る。
【0097】 γsi'=γsi+μΔγi (μ:収束係数) …(16) 更新後の初期値を使って同じことを繰り返す。これによ
り、初期値での値が多少ずれていても、初期値からの偏
分量を反復して変化させることにより、目的の応答関数
に近づけることができる。尚、収束係数は1〜0.1程
度の範囲で選択する。初期値が真値に近い場合は、発散
しにくいので、大きな値を設定することができる。
り、初期値での値が多少ずれていても、初期値からの偏
分量を反復して変化させることにより、目的の応答関数
に近づけることができる。尚、収束係数は1〜0.1程
度の範囲で選択する。初期値が真値に近い場合は、発散
しにくいので、大きな値を設定することができる。
【0098】
【実施例】ここでは、数値計算により本発明が所望の機
能を有していることを説明する。
能を有していることを説明する。
【0099】まず、真値である特性を、表1の真のパラ
メータ値を用いて計算する。周波数に関しては、梁の場
合は周波数比が知られているので、真値はその比となる
ように設定した。損失係数は実際の試料では周波数によ
り複雑に変化するものではないが、ここでは0.1から
0.3の範囲で変化するものとした。これらのパラメー
タ値と(5)式とを用いて、真の特性を計算する。これ
は、実際には測定結果に対応するものである。測定結果
の場合は特性値だけが知られており、真のパラメータ値
を偏分反復法で求めることになる。なお、ここでは角周
波数(ω)でなく、周波数(Hz)を用いている。
メータ値を用いて計算する。周波数に関しては、梁の場
合は周波数比が知られているので、真値はその比となる
ように設定した。損失係数は実際の試料では周波数によ
り複雑に変化するものではないが、ここでは0.1から
0.3の範囲で変化するものとした。これらのパラメー
タ値と(5)式とを用いて、真の特性を計算する。これ
は、実際には測定結果に対応するものである。測定結果
の場合は特性値だけが知られており、真のパラメータ値
を偏分反復法で求めることになる。なお、ここでは角周
波数(ω)でなく、周波数(Hz)を用いている。
【0100】反復計算の初期値として用いた値を表1の
「初期値のパラメータ」に示す。初期値は特性値から大
まかには推定が可能である。周波数の推定は容易である
から、誤差を10%として、交互に増減させた。損失係
数は正確な推定が困難であるので、誤差を大きめに30
%として増減させた。係数Hは10%変化させた。
「初期値のパラメータ」に示す。初期値は特性値から大
まかには推定が可能である。周波数の推定は容易である
から、誤差を10%として、交互に増減させた。損失係
数は正確な推定が困難であるので、誤差を大きめに30
%として増減させた。係数Hは10%変化させた。
【0101】上記の真の特性値(デシベル値)とパラメ
ータの初期値を用いて偏分反復法を開始し、十分収束し
たと思われるところで、繰り返しを中止する。最後に得
られたパラメータの値を真のパラメータに対する推定値
とする。結果を表1の「収束後のパラメータ」に示す。
括弧内は真値との比を示したものである。パラメータが
十分収束したかどうかは、真の特性値と推定したパラメ
ータ値とのデシベルの差を見て確認できる。
ータの初期値を用いて偏分反復法を開始し、十分収束し
たと思われるところで、繰り返しを中止する。最後に得
られたパラメータの値を真のパラメータに対する推定値
とする。結果を表1の「収束後のパラメータ」に示す。
括弧内は真値との比を示したものである。パラメータが
十分収束したかどうかは、真の特性値と推定したパラメ
ータ値とのデシベルの差を見て確認できる。
【0102】
【表1】
【0103】図6に、真の特性(実線)と、初期のパラ
メータ値を用いた特性(破線)を示す。
メータ値を用いた特性(破線)を示す。
【0104】収束後の結果は、真の特性とグラフ表示上
で重なってしまい、この図面上では差が見られないほど
に良く近似できている。
で重なってしまい、この図面上では差が見られないほど
に良く近似できている。
【0105】収束後のパラメータの推定誤差は、周波数
では最大の誤差が0.11%である。また、損失係数は
最大で2%の誤差であり、十分な精度で推定できている
ことが分る。なお、別のパラメータ値を初期値として用
いた検討でも同様な推定精度が得られることを確認して
いる。
では最大の誤差が0.11%である。また、損失係数は
最大で2%の誤差であり、十分な精度で推定できている
ことが分る。なお、別のパラメータ値を初期値として用
いた検討でも同様な推定精度が得られることを確認して
いる。
【0106】図7は図8に示す実測のインピーダンス特
性に本発明の手法を適用し、共振周波数、反共振周波数
および損失係数を求めた例である。初期値としての周波
数は目視により切りのいい数字を用いた。損失係数の初
期値としては全ての極および零に対して0.05を用い
た。
性に本発明の手法を適用し、共振周波数、反共振周波数
および損失係数を求めた例である。初期値としての周波
数は目視により切りのいい数字を用いた。損失係数の初
期値としては全ての極および零に対して0.05を用い
た。
【0107】結果を図7および表2に示す。図7の実線
が実測値、破線がフィット後の極零モデルの特性であ
る。両者は良く合っており、実測結果でも本発明が有効
であることが示されている。得られた共振周波数、反共
振周波数および損失係数を表2に示す。共振周波数およ
び反共振周波数は実測値に近い値を推測することが可能
であり、収束値とかなり近い。損失係数については初期
値から増えるものもあれば減少しているものもある。損
失係数の初期値を、実測値よりかなり大きい値からスタ
ートしても小さな値からスタートしても同じ値に収束す
る。
が実測値、破線がフィット後の極零モデルの特性であ
る。両者は良く合っており、実測結果でも本発明が有効
であることが示されている。得られた共振周波数、反共
振周波数および損失係数を表2に示す。共振周波数およ
び反共振周波数は実測値に近い値を推測することが可能
であり、収束値とかなり近い。損失係数については初期
値から増えるものもあれば減少しているものもある。損
失係数の初期値を、実測値よりかなり大きい値からスタ
ートしても小さな値からスタートしても同じ値に収束す
る。
【0108】
【表2】
【0109】尚、上記の説明では、(15)式の連立方
程式を解く旨説明したが、(15)式の連立方程式を解
かずに、(15)式を [A]{Δγ}={B} …(17) と表したときに、行列[A]のi番目の対角要素aiiと
ベクトル{B}のi番目の要素biを用いて Δγi=μ(bi/aii) (μ=0.5) …(18) により、更新量を求め、それを使用することもできる。
このように、(16)式の連立方程式を求めることは必
ずしも必要なものではない。
程式を解く旨説明したが、(15)式の連立方程式を解
かずに、(15)式を [A]{Δγ}={B} …(17) と表したときに、行列[A]のi番目の対角要素aiiと
ベクトル{B}のi番目の要素biを用いて Δγi=μ(bi/aii) (μ=0.5) …(18) により、更新量を求め、それを使用することもできる。
このように、(16)式の連立方程式を求めることは必
ずしも必要なものではない。
【0110】また、ここでは、損失係数を求める場合を
例に述べたが、本発明は、音声分析、音声合成等で極零
モデルを用いる場合のパラメータ値の決定にも用いるこ
とが可能であり、広範囲の利用が考えられる。
例に述べたが、本発明は、音声分析、音声合成等で極零
モデルを用いる場合のパラメータ値の決定にも用いるこ
とが可能であり、広範囲の利用が考えられる。
【0111】
【発明の効果】以上で述べたように、本発明によれば、
特性の山と谷の双方を同時に精度よく曲線適合でき、例
えば損失係数を求める場合に、損失係数が大きくなりし
かも隣接するモード間隔が狭くなった場合でも、各モー
ドごとに分離して推定することができる。
特性の山と谷の双方を同時に精度よく曲線適合でき、例
えば損失係数を求める場合に、損失係数が大きくなりし
かも隣接するモード間隔が狭くなった場合でも、各モー
ドごとに分離して推定することができる。
【図1】本発明の損失係数測定装置の一実施形態を示す
構成図である。
構成図である。
【図2】コンピュータの外観斜視図である。
【図3】図2に示すコンピュータのハードウェア構成図
である。
である。
【図4】曲線適合プログラム記憶媒体に曲線適合プログ
ラムが記憶された状態を示す模式図である。
ラムが記憶された状態を示す模式図である。
【図5】曲線適合プログラムの構造を示すフローチャー
トである。
トである。
【図6】真の特性(実線)と、初期のパラメータ値を用
いた特性(破線)とを示す図である。
いた特性(破線)とを示す図である。
【図7】図8に示す実測のインピーダンス特性に本発明
の手法を適用した例を示す図である。
の手法を適用した例を示す図である。
【図8】ある1つの測定対象物体について求めた周波数
応答関数の一例を示す図である。
応答関数の一例を示す図である。
【図9】損失係数が0.5のときの両端自由梁を中央加
振したときの周波数応答関数の例を示した図である。
振したときの周波数応答関数の例を示した図である。
【図10】(3)式を電気回路で示した図である。
1 損失係数測定装置 2 測定対象物体 10 コンピュータ(演算装置、曲線適合装置) 11 本体部 11a FD装填口 11b CDROM装填口 12 ディスプレイ 12a 表示画面 13 キーボード 14 マウス 15 アンプ 16 加振機 17 インピーダンスヘッド 18 固定金具 19 力センサ 20 加速度センサ 51 フロッピィディスク 52 CDROM 53 ハードディスク 111 中央演算処理装置(CPU) 112 RAM 113 ハードディスクコントローラ 114 マウス 115 CDROMドライブ 116 マウスコントローラ 117 キーボードコントローラ 118 ディスプレイコントローラ 119 出力インターフェース 120 入力インターフェース 310 演算装置 311 アンプ 312 加振機 313 インピーダンスヘッド 314 固定金具 315 力センサ 316 加速度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 直樹 神奈川県横浜市緑区白山1丁目16番1号 オンテックアールアンドデー株式会社内 Fターム(参考) 5B056 BB55 HH00
Claims (6)
- 【請求項1】 共振点および反共振点を持つ周波数応答
関数に曲線適合を行なう曲線適合方法において、 曲線適合のモデルとして極零モデルを採用し、さらに曲
線適合の対象となる周波数応答関数の絶対値の対数と極
零モデルの絶対値の対数とに基づく評価関数を採用し
て、偏分反復法を適用することにより、極零モデルのパ
ラメータの値を決定することを特徴とする曲線適合方
法。 - 【請求項2】 曲線適合のモデルとして、式 【数1】 但し、ωは角周波数 Z(ω)はωを変数とするインピーダンス関数 jは虚数単位 H,ω1,ω2,ω3,ω4,…,η1,η2,η3,η4,…
は各パラメータである。で表わされる極零モデル、ある
いは該式と同等の式で表わされる極零モデルを採用する
ことを特徴とする請求項1記載の曲線適合方法。 - 【請求項3】 曲線適合のモデルとして、式 【数2】 但し、ωは角周波数 Z(ω)はωを変数とするインピーダンス関数 jは虚数単位 H,ω1,ω2,ω3,ω4,…,η1,η2,η3,η4,…
は各パラメータである。で表わされる極零モデル、ある
いは該式と同等の式で表わされる極零モデルを採用する
ことを特徴とする請求項1記載の曲線適合方法。 - 【請求項4】 共振点および反共振点を持つ周波数応答
関数に曲線適合を行なう曲線適合装置において、 曲線適合の対象となる周波数応答関数、あるいは該周波
数応答関数を求めることのできる測定量を取得する対象
関数取得部と、 曲線適合のモデルとして極零モデルを採用し、さらに曲
線適合の対象となる周波数応答関数の絶対値の対数と極
零モデルの絶対値の対数とに基づく評価関数を採用し
て、偏分反復法を適用することにより、極零モデルのパ
ラメータの値を決定するパラメータ決定部とを備えたこ
とを特徴とする曲線適合装置。 - 【請求項5】 コンピュータにローディングされ、該コ
ンピュータを、共振点および反共振点を持つ周波数応答
関数に曲線適合を行なう曲線適合装置として動作させる
曲線適合プログラムが記憶されてなる曲線適合プログラ
ム記憶媒体であって、 前記曲線適合プログラムが、曲線適合のモデルとして極
零モデルを採用し、さらに、曲線適合の対象となる周波
数応答関数の絶対値の対数と極零モデルの絶対値の対数
とに基づく評価関数を採用して、偏分反復法を適用する
ことにより、極零モデルのパラメータの値を決定するも
のであることを特徴とする曲線適合プログラム記憶媒
体。 - 【請求項6】 共振点および反共振点を持って振動する
測定対象物体の損失係数を測定する損失係数測定装置に
おいて、 測定対象物体を加振する加振部と、 前記測定対象物体に加えられた力と、該測定対象物体の
速度あるいは該速度が導出される物理量とを測定する測
定部と、 前記測定部で測定された、力と、速度あるいは該速度が
導出される物理量とに基づいて、前記測定対象物体の周
波数応答関数を求め、曲線適合のモデルとして各極およ
び各零点それぞれに対応する各損失係数を表わす各パラ
メータを持つ極零モデルを採用し、さらに、前記周波数
応答関数の絶対値の対数と極零モデルの絶対値の対数と
に基づく評価関数を採用して、偏分反復法を適用し、極
零モデルのパラメータの値を決定することにより、前記
測定対象物体の各極および各零点の各損失係数を求める
演算部とを備えたことを特徴とする損失係数測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000151183A JP2001331476A (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 曲線適合方法、曲線適合装置、曲線適合プログラム記憶媒体、および損失係数測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000151183A JP2001331476A (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 曲線適合方法、曲線適合装置、曲線適合プログラム記憶媒体、および損失係数測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001331476A true JP2001331476A (ja) | 2001-11-30 |
Family
ID=18656782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000151183A Pending JP2001331476A (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 曲線適合方法、曲線適合装置、曲線適合プログラム記憶媒体、および損失係数測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001331476A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024179348A1 (zh) * | 2023-02-27 | 2024-09-06 | 北京车和家汽车科技有限公司 | 加速度相关性曲线的生成方法、装置、设备、介质及车辆 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03225247A (ja) * | 1990-01-31 | 1991-10-04 | Hitachi Seiko Ltd | 振動特性解析方法及び装置 |
JPH08139151A (ja) * | 1994-11-10 | 1996-05-31 | Mitsubishi Electric Corp | デバイスシミュレーションの方法および装置 |
JPH09297112A (ja) * | 1996-03-08 | 1997-11-18 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 構造パラメータ解析装置及び解析方法 |
-
2000
- 2000-05-23 JP JP2000151183A patent/JP2001331476A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03225247A (ja) * | 1990-01-31 | 1991-10-04 | Hitachi Seiko Ltd | 振動特性解析方法及び装置 |
JPH08139151A (ja) * | 1994-11-10 | 1996-05-31 | Mitsubishi Electric Corp | デバイスシミュレーションの方法および装置 |
JPH09297112A (ja) * | 1996-03-08 | 1997-11-18 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 構造パラメータ解析装置及び解析方法 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
鈴木 外3名: "共振および反共振における損失係数について", 電子情報通信学会技術研究報告(EA99-105), vol. 第99巻、第689号, JPN7007000976, 14 March 2000 (2000-03-14), pages 9 - 16, ISSN: 0000924024 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024179348A1 (zh) * | 2023-02-27 | 2024-09-06 | 北京车和家汽车科技有限公司 | 加速度相关性曲线的生成方法、装置、设备、介质及车辆 |
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