JP4789170B2 - コリオリ流量計の駆動信号を校正して駆動装置により導管を所望の振動モードで振動させるためのシステム - Google Patents

コリオリ流量計の駆動信号を校正して駆動装置により導管を所望の振動モードで振動させるためのシステム Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、コリオリ質量流量計の導管などの装置を通る材料フローの特性を測定するための装置に関する。より詳細には、本発明は、導管に固定された駆動装置を校正して、所望の振動モードでのみ導管を励振することに関する。更に一層詳細には、本発明は、駆動装置に所望の振動モードで導管を振動させる駆動信号の決定に関する。
【0002】
課題についての記述
流量計内の導管を通って流れる材料についての質量流量及び他の情報を測定するためにコリオリ効果質量流量計を使用することは周知である。コリオリ流量計の例が、米国特許第4,109,524号(1978年8月29日発行)、第4,491,025号(1985年1月1日発行)、再発行特許第31,450号(1982年2月11日発行)に開示されており、これらの全てはJ.E.スミス等によるものである。これらの流量計は、直線状の又は彎曲した構成の1つ又は複数の導管を備える。コリオリ質量流量計における各導管構成は1組の固有振動モードを有し、これら振動モードは単純な曲げ、ねじれ又は結合型であり得る。それぞれの導管は、これら固有振動モードの1つで共振状態で振動するよう駆動される。材料は流量計の入口側に接続されたパイプラインから流量計へ流入し、1つ又は複数の導管を通るよう方向付けられ、流量計の出口側を通って流量計から出る。材料の詰まった振動しているシステムの固有振動モードは、導管と導管を流れる材料との質量の組み合わせによって部分的に規定される。
【0003】
流量計を通る流れが無い場合は、導管に沿った全ての点は、加えられた駆動力により、同一の位相又は補正可能な小さい初期固定位相オフセットで振動する。材料が流れ始めると、コリオリの力により、振動している導管に沿ったそれぞれの点が異なる位相を有するようになる。導管の入口側の位相は駆動装置より遅れ、導管の出口側の位相は駆動装置より進む。導管の運動を表す正弦波信号を生成するために、ピックオフが導管上に置かれる。ピックオフから出力された信号は信号間の位相差を決定するために処理される。2つのピックオフ信号間の位相差は、導管を通る材料の質量流量に比例する。
【0004】
全てのコリオリ流量計及び全ての振動管密度計の必須の構成要素は、駆動又は励振システムである。駆動システムは、周期的な物理力を導管に加えて導管を振動させるよう動作する。駆動システムは、導管に取り付けられた駆動機構と、駆動信号を生成して駆動機構を動作させるための駆動回路とを有する。駆動機構は、通常、一方の導管に取り付けられた磁石と該磁石に対向した状態で他方の導管に取り付けられたワイヤ・コイルなどの多くの周知の配置の1つを有する。
【0005】
駆動回路は、駆動機構に周期的駆動信号を連続的に印加する。駆動信号は通常は正弦波状又は方形の形をしている。代表的な磁気コイルの駆動機構においては、周期的駆動信号によりコイルが交流磁場を作り出す。コイルの交流磁場と磁気力によって作り出された一定の磁場とにより、流管は正弦波パターンで振動させられる。当業者は理解するように、電気信号を機械的力に変換することのできる任意のデバイスが駆動装置としての応用に適している(例えば、カーペンタに発行され、マイクロ・モーション社に譲渡された米国特許第4,777,833号参照)。また、正弦波信号を使用する必要はない。任意の周期的信号が駆動装置信号として適切であり得る(例えば、カロテイ等に発行され、マイクロ・モーション社に譲渡された米国特許第5,009,109号参照)。
【0006】
二重管の流量計については、コリオリ流量計が典型的には振動するよう駆動される典型的なモードは、第1位相ずれ曲げモードであるが、これが唯一のモードではない。第1位相ずれ曲げモードは、二重管コリオリ流量計の2つの導管が逆相で振動する基本共振曲げモードである。しかし、これは、コリオリの振動構造に存在する唯一の振動モードではない。高次の振動モードも導管において励振され得る。例えば、第1位相ずれ捻れモードが、振動する導管を通って流れる材料及びその流れる材料によって生じたコリオリの力の結果として励振され得る。励振される可能性のある高次の他の振動モードは、同相曲げ振動モードと横振動モードとを含む。
【0007】
何百もの振動モードが、第1位相ずれ曲げモードで駆動されるコリオリ流量計において励振され得る。第1位相ずれ曲げモード近くの比較的狭い周波数範囲内においてさえ、駆動システムによって励振され得る少なくとも若干の追加の振動モードが存在する。駆動装置によって励振される複数のモードに加えて、望ましくない振動モードも、流量計の外部の振動に起因して励振され得る。例えば、工程ラインにおける近くの機械が、不要な振動モードをコリオリ流量計に励振する振動を生成する場合がある。
【0008】
駆動機構が理想的ではないので、駆動システムは追加の及び望ましくない振動モードを励振し得る。駆動システムは、コマンド信号を生成する駆動回路と、受信したコマンド信号を力に変換する駆動機構とから構成される。理想的な駆動機構は線形であるので、駆動機構はコマンド信号に線形に関係する力を生成する。しかし、駆動装置に印加されたコマンド信号と駆動装置によって生成された力との関係は、種々の理由に起因して非線形である。製造許容差は、駆動装置の素子が導管上に対称に位置していることを求める。結果的に生じる任意の非線形性によって駆動力に歪みが生じるので、この歪みは元の駆動信号の高調波の形で構造物に加えられた力のように見える。駆動システムは、導管に十分な力を加えて所望の振動モードで振動させる駆動装置に駆動信号を印加するよう構成されている。しかし、駆動装置が理想的でない場合には、導管に加えられる力が理想的ではないことになり、一層高い周波数の力が生成される。これらの一層高い周波数の力が、他の不要な構造モードを励振し得る。
【0009】
偏心力が加わると、導管に多くの振動モードが励振される。したがって、第1位相ずれ曲げモード等の所望の振動モードで振動又は共振するよう駆動されているコリオリ流量計は、実際には、所望のモードに加えて他の多くのモードで振動する導管を備え得る。第1位相ずれ曲げモード以外の異なるモードで振動するよう駆動されている計器は、意図された駆動モードに加えて、多くの励振された振動モードを有するという同じ現象を経験する。
【0010】
駆動装置に対する導管による偏心力の印加は、コリオリ流量計等の装置が不平衡である場合に特に問題となり得る。装置が平衡となるのは、装置の振動が互いに打ち消しあって装置のゼロ・サム振動を生じる場合である。振動が打ち消されない場合、装置は不平衡である。これにより、力がシステムに加えられる。二重管コリオリ流量計等の典型的な二重導管装置は、2つの導管が互いに逆相で振動して逆の振動を打ち消すため、平衡となる。しかし、不平衡な装置は、逆方向に振動して導管からの振動力を打ち消すような導管を備えていない。
【0011】
不平衡は周囲環境と導管との間に大きな結合を生じさせる。この結合により周囲環境の構造的動特性のインパクトが増すばかりでなく、望ましくない振動モードが、駆動装置によって導管に加えられた力の高調波によって励振され得る。したがって、所望の振動モードのみを励振させる力を加える駆動装置を備えることは、不平衡な装置において望ましいことである。
【0012】
上述した理由から、流量計の振動管を駆動し且つ導管を振動させる駆動装置によって励振される望ましくない振動モードを減少させる、測定装置において導管を振動させるための駆動回路システムが必要とされる。
【0013】
解決法についての記述
上述の及び他の問題は、駆動信号を校正するためのシステムを提供することにより解決され、当該技術分野における進歩が達成される。本発明の校正システムは、導管を通って流れる材料の特性を測定するために、導管に固定された駆動装置に印加すべき適正な駆動信号を決定する。これにより、駆動装置は所望の振動モードで導管を振動させる力を加えることができる。適正な駆動信号を決定することにより、駆動装置によって導管に加えられる高調波力が減少する。これにより、所望の振動モードでの振動の量が増加し、望ましくない振動モードでの振動の量が低減される。望ましくない振動モードでの振動が減少するので、流量計が受ける雑音フロアが大幅に低下する。所望の応答を増幅し且つ雑音を低減させることにより、質量流量等の特性の一層正確な測定を行うことが可能となる。更に、測定の反復可能性が向上する。
【0014】
適正な駆動信号を校正するために、加速度計等のピックオフが、駆動装置の近くの導管に固定される。コンピュータ又はディジタル・プロセッサが広帯域雑音信号で駆動装置を励振する。これにより、駆動装置は帯域制限された雑音力を導管に印加し、ピックオフは駆動装置において振動構造の運動を測定する。そこで、ディジタル・プロセッサはピックオフから構造の運動についてのデータを受け取る。該データは、構造及び駆動装置の動的モデルを生成するようディジタル・プロセッサによって使用される。ディジタル・プロセッサは、動的モデルを使用して、駆動装置が所望の振動モードで導管を振動させる力を導管に加える駆動信号を決定する。
【0015】
一つの実施の形態においては、ディジタル・プロセッサは結果をディスプレイ等に出力し、駆動装置に接続された従来のアナログ駆動回路は適正な駆動信号を生成するよう構成される。好ましい実施の形態においては、従来の駆動回路は基準電圧を設定することにより構成され得る。
【0016】
代替の実施の形態においては、計器電子回路は、駆動装置に印加される駆動信号を制御するディジタル信号プロセッサを備える。ディジタル信号プロセッサを計器電子回路において使用すると、ディジタル信号プロセッサによって周期的に校正が実施され、装置の構造動力学が変化するとき駆動信号を調整することができる。これは、導管を駆動装置で周期的に振動させることによって行われる。次いで、振動からのデータはメモリに格納される。そこで、格納されたデータはそのときの振動からのデータと共に使用され、装置の新しい構造力学の検出と新たな駆動信号の決定が行われる。
【0017】
本発明の一つの態様は、流量測定装置における少なくとも1本の流管における材料の流れの特性を測定するため、駆動装置に印加すべき駆動信号を校正して、前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を振動させる方法であって、
前記駆動装置を用いて前記少なくとも1本の流管を振動させるステップと、
前記流管を振動させることに応答して、前記少なくとも1本の流管の振動を測定するステップと、
前記少なくとも1本の流管の前記の測定された振動から、前記流量測定装置及び前記駆動装置の物理的特性を検出するステップと、
前記物理的特性の検出に応答して、前記駆動装置のための駆動信号を定義するステップと、
前記の定義された駆動信号を前記駆動装置に印加して、前記少なくとも1本の流管を所望の振動モードで振動させるステップと、
によって特徴付けられる方法である。
【0018】
別の態様は前記流量測定装置が流量計である方法であり、この方法は前記流量計の駆動装置に印加すべき駆動信号を校正するためのものであり、
第1の信号を前記駆動装置に印加して、前記少なくとも1本の流管を振動させるステップと、
前記第1の信号が前記駆動装置に印加されたときに前記少なくとも1本の流管を振動させることに応答して、前記少なくとも1本の流管と前記駆動装置の振動を測定するステップと、
前記第1の信号が前記駆動装置に印加されたときの前記少なくとも1本の流管の前記振動の前記測定に応答して、前記流管と前記駆動装置を含む前記流量計の望ましくない物理的特性を含む物理的振動特性を決定するステップと、
前記の決定された物理的振動特性のための補正係数を決定するステップと、
前記の決定された物理的振動特性と前記補正係数とを利用して、前記駆動装置に印加るべき駆動信号を定義するステップと、
前記の定義された駆動信号を前記駆動装置に印加して、前記少なくとも1本の流管を、前記望ましくない物理的振動特性を補償する所望の振動モードで振動させるステップと、
によって特徴付けられる。
【0019】
別の態様は、前記少なくとも1本の流管の前記振動の測定値を格納するステップであり、前記装置の前記物理的特性を検出する前記ステップは、振動のそのときの測定値と振動の前記の格納された測定値とを組み合わせて、前記物理的特性を決定するステップを更に含む。
【0020】
別の態様は、前記駆動信号を決定して駆動信号回路により前記駆動信号を生成させることに応答して、前記駆動信号回路における基準電圧を設定するステップを含む。
【0021】
別の態様は、前記駆動信号を校正するための前記方法を周期的に繰り返すステップを更に含む。
【0022】
別の態様は、前記駆動装置及び前記流量測定装置の前記物理的特性を検出する前記ステップが、前記の測定された振動から前記流量測定装置及び前記駆動装置の力学をモデル化するステップを含む。
【0023】
別の態様は、駆動回路を修正して前記駆動信号を生成するステップを更に含む。
【0024】
別の態様は、前記駆動信号を決定する前記ステップが、
駆動信号を前記導管に加えられる力と関係付ける関数に対する多項式の係数を計算するステップと、
前記駆動信号を前記力に関係付ける前記関数の逆関数の多項式の係数を決定するステップと、
前記駆動信号のコマンド・レベルを前記逆関数に挿入して、前記駆動信号を決定するステップと、
を含むことである。
【0025】
別の態様は、材料の特性を測定するための装置のための計器電子回路であり、前記装置は、材料を受け取る少なくとも1本の流管と、前記少なくとも1本の流管を振動させるための駆動装置と、前記流管に沿う点において前記少なくとも1つの導管の振動を測定するためのピックオフ・センサとを備え、前記計器電子回路は、駆動信号を前記駆動装置に印加して、前記駆動装置により少なくとも流管を振動させる駆動回路と、前記少なくとも1本の流管における材料の流れの特性を測定するための回路とを備えており、更に、
前記ピックオフ・センサから信号を受信し、前記少なくとも1本の流管の前記の測定された振動から前記流量測定装置及び前記駆動装置の物理的特性を検出する第1の回路と、
前記装置及び前記駆動装置の前記物理的特性から、前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を所望の振動モードで振動させる駆動信号を決定する第2の回路と、
を備える。
【0026】
別の態様は、前記少なくとも1本の流管の振動の測定値を格納するメモリを更に備える。
【0027】
別の態様は、前記第1の回路が、振動のそのときの測定値と振動の前記の格納された測定値とを組み合わせて前記物理的特性を決定する回路を更に備えることである。
【0028】
別の態様は、前記駆動信号を決定することに応答して前記駆動信号を生成して駆動信号回路により前記駆動信号を生成させるレベルに設定された、前記駆動信号回路における基準電圧を有する。
【0029】
別の態様は、前記駆動信号の校正を周期的に繰り返すタイミング回路を備える。
【0030】
別の態様は、前記第1の回路が、前記の測定された振動から前記装置及び前記駆動装置の力学をモデル化するモデリング回路を備えることである。
【0031】
別の態様は、前記第2の回路が、
駆動信号を前記導管に加えられる力に関係付ける関数に対する多項式の係数を計算する回路と、
前記駆動信号を前記力に関係付ける前記関数の逆関数の多項式の係数を決定する回路と、
前記駆動信号のコマンド信号を前記逆関数内に挿入して前記駆動信号を決定する回路と、
を備えることである。
【0032】
別の態様は、少なくとも1本の流管を流れる材料の特性を測定するための装置において、駆動装置に印加すべき駆動信号を校正して前記駆動装置により前記少なくとも流管を振動させるための製品であって、前記製品は、
前記少なくとも1本の流管に固定されたピックオフ・センサから前記少なくとも1本の流管の振動を測定する信号を受信し、
前記少なくとも1本の流管の前記の測定された振動から前記装置及び前記駆動装置の物理的特性を検出し、
前記装置及び前記駆動装置の前記物理的特性から、前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を所望の振動モードで振動させる駆動信号を決定する
ことをプロセッサに指示するための命令と、
前記命令を格納する、前記プロセッサによって読み取り可能な媒体と、
を備える。
【0033】
別の態様は、前記命令が、前記プロセッサに、前記駆動信号を前記駆動装置に印加して前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を前記所望のモードで振動させることを指示する命令を更に備えることである。
【0034】
別の態様は、前記命令が、前記少なくとも1本の流管の前記振動の測定値をメモリに格納することを前記プロセッサに指示する命令を更に備えることである。
【0035】
別の態様は、前記装置及び前記駆動装置の前記物理的特性をプロセッサが検出するための前記命令が、前記メモリから前記測定値を読み取り、振動のそのときの測定値と振動の前記の格納された測定値とを組み合わせて前記物理的特性を決定することを前記プロセッサに指示する命令を更に備えることである。
【0036】
別の態様は、前記命令が、前記駆動信号を決定して駆動信号回路により前記駆動信号を生成させることに応答して、前記駆動信号回路に対する基準電圧を表示することを前記プロセッサに指示する命令を更に備えることである。
【0037】
別の態様は、前記命令が、前記駆動信号の校正を周期的に繰り返すことを前記プロセッサに指示する命令を更に備えることである。
【0038】
別の態様は、前記駆動装置及び前記装置の前記物理的特性を検出する前記命令が、前記の測定された振動から前記装置及び前記駆動装置の力学をモデル化することを前記プロセッサに指示する命令を備えることである。
【0039】
別の態様は、前記駆動信号を決定することを前記プロセッサに指示する前記命令が、駆動信号を前記導管に加えられる力に関係付ける関数に対する多項式の係数を計算し、前記駆動信号を前記力に関係付ける前記関数の逆関数の多項式の係数を決定し、前記駆動信号のコマンド信号を前記逆関数に挿入して前記駆動信号を決定することを前記プロセッサに指示する命令を備えることである。
【0040】
別の態様は、少なくとも1本の流管での材料の流れの特性を測定するための装置において、駆動装置に対する駆動信号を校正して前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を振動させる方法であり、該方法は、
前記駆動装置によって前記少なくとも1本の流管を振動させるステップと、
前記振動に応答した前記少なくとも1本の流管の振動を測定するステップと、
前記少なくとも1本の流管の前記の測定された振動から、前記装置及び前記駆動装置の物理的特性を検出するステップと、
前記少なくとも1本の流管及び前記駆動装置の前記物理的特性から、前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を所望の振動モードで振動させる駆動信号を決定するステップと、
を備えることである。
【0041】
駆動信号校正システムについての上述の及び他の特徴は、詳細な説明及び図面を読むことによって理解できるであろう。
【0042】
詳細な説明
コリオリ流量計一般―――図1
図1は、コリオリ計器組み立て体10と計器電子回路20とを備えたコリオリ流量計5の一例を示す図である。計器電子回路20はリード線100を介して計器組み立て体10に接続され、経路26を経由して密度、質量流量、体積流量、総質量流量の情報を提供する。コリオリ流量計の構造が描かれているが、当業者には明らかなように、本発明は、導管を通って流れる材料の特性を測定するための振動導管を備えた任意の装置で実行可能である。このような装置の別の例は、コリオリ質量流量計によって提供される追加の測定機能を持たない振動管密度計である。
【0043】
計器組み立て体10は、フランジ101、101’、マニホルド102、導管103A、103B等の1対のプロセス接続を備えている。導管103A、103Bには、駆動装置104、加速度計190、ピックオフ・センサ105、105’が接続される。ブレース・バー106、106’は、それぞれの導管が振動する軸W、W’を規定するよう動作する。
【0044】
測定されているプロセス材料を運ぶパイプライン・システム(図示せず)に流量計10が挿入されると、材料はフランジ101を通って計器組み立て体10に入り、マニホルド102を通過し、向きを変えて導管103A、103Bに入り、導管103A、103Bを流れて通り、マニホルド102に戻り、フランジ101’を通って計器組み立て体10から出る。
【0045】
導管103A、103Bは、それぞれ曲げ軸W−W、W’−W’に関して実質的に同じ質量分布、慣性モーメント及び弾性係数を有するように選択され、マニホルド102に適切に取り付けられる。導管103A、103Bは本質的に平行にマニホルドから外に向かって延びている。
【0046】
導管103A、103Bは、それぞれの曲げ軸W及びW’に関して、逆相で且つ流量計のいわゆる第1位相ずれ共振曲げモードで、駆動装置104によって駆動される。駆動装置104は、導管103Aに取り付けられた磁石と、導管103Bに取り付けられ且つ交流が両方の導管を振動させるために通過する対向するコイルとのような多くの周知の配置のうちの任意のものを備え得る。適切な駆動信号が計器電子回路20によりリード線110を介して駆動装置104に印加される。
【0047】
ピックオフ105、105’は、導管の振動を測定するため、少なくとも1つの導管103A、103Bの対向する端部に置かれる。導管103A、103が振動すると、ピックオフ105、105’は第1の速度信号及び第2の速度信号を生成する。第1の速度信号及び第2の速度信号はリード線111、111’に印加される。加速度計ピックオフ105”が駆動装置104の近くで導管に固定され、導管103A、103Bの振動に応答して加速度信号を生成する。加速度信号は流管103A、103Bの振動を表すリード線111”に印加される。
【0048】
計器電子回路20は、リード線111’ に現れる第1のピックオフ速度信号、リード線111に現れる第2のピックオフ速度信号及びリード線111”に現れる駆動装置速度信号を受信する。計器電子回路20は第1の速度信号及び第2の速度信号を処理し、計器組み立て体10を通過する材料の質量流量、密度又は他の特性を計算する。この計算された情報は、計器電子回路20により経路26を介して(図4に示す)ディジタル信号処理ユニットなどの利用手段(図示せず)に印加される。
【0049】
コリオリ流量計5が振動管密度計と構造上同じであることは当業者に周知である。振動管密度計も、流体が通過する振動管を利用しており、サンプル型の密度計の場合には、流体が保持される振動管を利用する。振動管密度計も、導管を励振して振動させるための駆動システムを用いる。振動管密度計は、通常、単一のフィードバック信号のみを利用する。これは、密度測定には周波数の測定のみを必要とし、位相測定は不必要であるためである。本発明についての記述は、振動管密度計にも等しく当てはまる。当業者は理解するように、コリオリ流量計は2つの利用可能なフィードバック信号を既に有しているが、通常は振動管密度計は利用可能な1つのフィードバック信号しか有していない。したがって、本発明を振動管密度計に適用するには、振動管密度計に追加のフィードバック信号を設けるだけで良い。更に、当業者は理解するように、以下に記述する発明のプロセス及び方法は、導管103A、103Bを振動させることにより材料の特性を測定する任意の装置において使用可能である。
【0050】
計器電子回路―――図2
図2は、計器電子回路20の更なる詳細を示す図である。計器電子回路20は特性測定回路30と流管駆動回路40とを備える。特性測定回路30は、材料が振動導管103A、103Bを通過するときの質量流量等の材料特性を、振動導管上の2点間の位相差に基づいて計算するための多くの公知の回路の1つである。特性測定回路30はライン26上に利用手段(図示せず)への出力を生成する。利用手段は、例えば、図4に示したディスプレイ又はディジタル処理ユニットであり得る。特性測定回路30の詳細は当業者には周知であり、本発明の部分を形成しない。材料の質量流量を決定するための特性測定回路30に関する情報の例については、1983年11月29日にスミスに対して発行されマイクロ・モーション社に譲渡された米国再発行特許第31,450号、1989年11月14日にゾロックに発行されマイクロ・モーション社に譲渡された米国特許第4,879,911号、又は1993年8月3日にゾロックに発行されマイクロ・モーション社に譲渡された米国特許第5,231,884号を参照のこと。
【0051】
流量計駆動回路システムにおいて、駆動回路40は左ピックオフ105から経路41を経由してフィードバック信号を受信する。図3に関して詳細に記述するように、駆動回路システムは経路110を経由して駆動コイル104に駆動信号を印加する。当業者は理解するように、既存の駆動システムが駆動回路40へのフィードバックとして右ピックオフ・センサを利用してもよい。また、既存の駆動システムのなかには、駆動回路40へのフィードバックとして両方のピックオフ信号の和を利用するものもある。
【0052】
駆動回路40―――図3
図3は、駆動回路40の更なる詳細を示す図である。駆動回路40は流量計のピックオフの1つから経路41上でフィードバック信号を受信し、経路110を介して駆動装置104に駆動信号を印加するようピックオフ信号の大きさを調整する。上述したように、既存の駆動システムのなかには、2つのピックオフ信号を合計し、その合計した信号を処理して駆動信号を生成するものがある。駆動回路40はピックオフ105から経路41を経由して信号を受信する。ピックオフ信号は整流器300を通って積分器301へ送られる。積分器301から出力された信号は、ピックオフ信号105の平均振幅を表す。平均振幅信号は振幅制御器302に印加される。振幅制御器302は、積分器301からの平均振幅信号を基準電圧Vrefと比較する。平均振幅が基準電圧未満の場合は、ピックオフ信号は乗算器303によって増幅され、振幅が調整されたピックオフ信号が乗算器303によって経路305に印加される。振幅が調整されたピックオフ信号305は電力増幅器304によって増幅されて最終駆動信号が生成され、経路110を経由して駆動装置104に送られる。こうして、駆動回路40は比較的一定の振幅駆動信号を維持するよう動作する。既存の駆動制御回路40の詳細はコリオリ流量計電子機器の当業者にとっては周知であり、本発明の部分を形成しない。駆動回路40の多くの実施形態についての一層詳細な説明については、米国特許第5,009,109号を参照のこと。
【0053】
ディジタル処理ユニット―――図4
図4は、本発明の駆動信号校正を提供する命令を実行するディジタル処理ユニット400を示す図である。ディジタル処理ユニット400は、本発明の駆動信号校正等のアプリケーションを実施するためにメモリに格納された命令を実行するプロセッサ401を備える。プロセッサ401は任意の従来のプロセッサ、マイクロプロセッサ、又は一連の命令を実施するよう接続されている直列プロセッサであり得る。
【0054】
プロセッサ401はメモリ・バス402に接続され、メモリからの命令及びデータの読み取りとデータのメモリへの書き込みとを行う。ランダム・アクセス・メモリ(RAM)412は、経路411を介してメモリ・バス402に接続された揮発性メモリである。RAM412は、プロセッサ401によって実行されている命令及びその命令を実施するための必要なデータを格納する。読取り専用メモリ(ROM)414は経路413を介してメモリ・バス402に接続される。ROM414は、プロセッサ400がアプリケーションを実施できるようプロセッサ401がシステム・ルーチンを実行するのに必要な構成及びオペレーティング・システム情報を格納する。
【0055】
プロセッサ40は入出力(「I/O」)バス403にも接続される。I/Oバス403は、プロセッサ401が周辺デバイスとの間でデータを送受信することができるよう、プロセッサ401を周辺デバイスに接続する。I/Oバス403に接続されたデバイスの若干の例は、メモリ422、ディスプレイ424、I/Oデバイス426、I/Oデバイス428を含むが、これらに限定されるものではない。メモリ422は経路421を介してI/Oバス403に接続されており、メモリ422はプロセッサ401によって実行可能なアプリケーションのためのデータ及び命令を格納する。メモリ422の一例は、磁気ディスクとの間でデータの読み書きを行う磁気ディスク・ドライブである。ディスプレイ424は経路423を介してI/Oバス403に接続されており、ディスプレイ424は、プロセッサ401からのデータを受け取り、ユーザが理解可能なようにデータを表示することができるデバイス及び接続されたドライバである。例えば、ディスプレイ424はバスに接続されたモニタとビデオ・カードとであってよい。ディスプレイ424は、受信したデータから可聴音を提供するデバイスであってもよい。
【0056】
I/Oデバイス426は経路425を介してI/Oバス403に接続される。I/Oデバイス426は、入力データを受信しデータをユーザ又は他の機械に出力するデバイスである。I/Oデバイス426の例は、キーボード、マウス、マイクロホン、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)接続、モデム、又は同等なデバイスを含むが、これらに限定されるものではない。I/Oデバイス428は経路413を介してI/Oバス403に接続され、好ましい実施の形態では、経路26を介して計器電子回路20からデータを受け取るI/Oデバイスである。I/Oデバイス428は、経路26を介して受信されたデータをプロセッサ401が認識可能なデータに変換する。
【0057】
計器電子回路20のためのディジタル信号プロセッサ―――図5
或いは、ディジタル処理ユニット400を計器電子回路20に接続する代りに、計器電子回路はディジタル信号プロセッサであってよい。図5は計器電子回路20の構成要素を示す図であり、計器電子回路20はディジタル信号プロセッサである。経路111、111’は左右の速度信号を流量計組み立て体10から計器電子回路20に伝送する。これら速度信号は計器電子回路20のアナログ/ディジタル(A/D)コンバータ503によって受信される。A/Dコンバータ503は、左右の速度信号をプロセッサ501によって使用可能なディジタル信号に変換し、そのディジタル信号を経路513を経由してI/Oバス510に送る。該ディジタル信号はI/Oバス510によってプロセッサ501に運ばれる。駆動装置信号は、I/Oバス510及び経路512を経由してディジタル/アナログ(D/A)コンバータ502に送られる。D/Aコンバータ502からのアナログ信号は経路110を介して駆動装置104に送られる。経路26はI/Oバス510に接続されており、信号を、計器電子回路20がオペレータとの間でデータを送受信できるようにする入出力手段(図示せず)に運ぶ。
【0058】
プロセッサ501は、経路521を介して読取り専用メモリ(ROM)520から、流量計の種々の機能を実行するための命令を読み取る。その機能は、材料の質量流量の計算、材料の体積流量の計算、材料の密度の計算を含むが、これらに限定されない。種々の機能を実行するためのデータ及び命令はランダム・アクセス・メモリ(RAM)530に格納される。プロセッサ501は経路531を介してRAMメモリ530において読み書き動作を実行する。
【0059】
駆動信号校正の基本原理
本発明は、コリオリ流量計5等の装置において駆動信号を校正するためのシステムである。校正された駆動信号は駆動装置に印加され、駆動装置は導管を所望の振動モードで振動させる力を導管に加える。駆動信号の校正は、装置がパイプラインにおいて動作状態になる前に完了され、又は、装置がパイプラインを通って流れる材料の特性を測定している間に周期的に実施され得る。
【0060】
駆動信号を校正するために、コリオリ流量計5の数学的モデルを生成しなければならない。この検討のために、コリオリ流量計5のシステムは非線形であって時間的に不変であると仮定する。このようなシステムにおいては、入力と出力の関係は時間的に変化しない。非線形で時間的に不変なシステムを数学的にモデル化するための最も一般的な方式は、下記の方程式によって与えられる。
【0061】
【数1】
Figure 0004789170
但し、
【0062】
【外1】
Figure 0004789170
は、全ての測定された振動、
xはシステムの状態、
rはシステムへの入力(駆動信号)、
yはシステムの出力
であり、f及びgは、システムの挙動を記述する関数である。式1及び2は一般的過ぎるので、所望の振動モードで振動する導管103A、103B等の、所望の出力を生成するのに必要な所要の入力を決定するためには使用できない。コリオリ流量計5のシステムについての情報を使用するには、モデルの一層具体的な数式が選択される。流量計モデルは、2つのサブシステム、つまり、流量計の機械的構造を表すサブシステムと構造上に置かれた駆動装置を表すサブシステムとに分けることができる。機械的構造は、理想的線形システムによって正確にモデル化されるものとして知られている。駆動装置は駆動力を構造に加えるので、理想的ではない。駆動装置サブシステムは非線形関数としてモデル化される。コリオリ流量計5については、システムのモデル化のために、下記の標準状態空間式が選択された。
【0063】
【数2】
Figure 0004789170
但し、
A、B、C、Dは、コリオリ流量計組み立て体10の構造的動特性をモデル化するマトリクスであり、
a(r)は、駆動コマンド信号と駆動装置によって生成される力との関係をモデル化する関数であり、
rは駆動装置信号である。
式3及び4から、fa(r)の逆(fa -1(r))がシステムの非線形性を補償し、導管103A、103Bに加えられる力を所望の振動モードで当該領域にわたって線形にすることが分かる。fa(r)の正確な形は未知である。fa -1(r)を近似する1つの方法は下記の式5に示す仮定の多項式である。
【0064】
【数3】
Figure 0004789170
但し、α0...α4は未知の定数である。
【0065】
a -1(r)を近似するために使用される多項式の次数は、r(コマンド信号)が流量計を駆動している間に取ることのできる値の範囲にわたってシステムで表示される非線形性の特性によって決定される。駆動信号を校正するためにfa -1(r)が決定され、駆動信号がfa -1(r)に設定され、その結果生じる動的システムは
【0066】
【数4】
Figure 0004789170
のようになる。但し、(fa -1(r))は補正係数 (7)
である。
【0067】
したがって、駆動信号を校正するためには、α0、I∈{0,1,2,3,...}が特定の駆動装置について決定されなければならない。現在の検討のために、fa(r)は下記の多項式によって近似される。
【0068】
【数5】
Figure 0004789170
簡単にするために、3次多項式が当てはめられて示されるが、必要ならば、異なる次数の多項式をデータに当てはめることができる。したがって、式3及び4は
【0069】
【数6】
Figure 0004789170
のように書き換えることができる。最終的には、
【0070】
【数7】
Figure 0004789170
が成り立つ。式10A、10Bは、多項式の各項[r,r2,r3]に対応する入力を有する多入力動的システムのための動的方程式と見ることができる。標準多入力システム識別手法を使用すると、動的システムに関連する全ての変数を決定することができる。「システム識別 第2部 ユーザのための理論」(レナート・リジュング著、PTRプレンティス・ホール、1987年発行)は、式10A、l0Bに含まれるパラメータを推定するために使用できる技術についての詳細な説明を掲載している。
【0071】
動的システムのための変数を決定したなら、逆関数(補正係数)fa -1(r)を決定しなければならない。駆動装置104はコリオリ流量計5などの装置の通常の動作範囲にわたって単調である非線形性を有するので、逆関数は存在する。逆関数、fa -1(r)を決定するための1つの方式は、式、
【0072】
【数8】
Figure 0004789170
のような逆関数に多項式を当てはめることである。しかし、逆関数を決定するために他の方法を使用することができる。
【0073】
以下は、駆動装置104に印加される駆動信号を校正して、駆動装置104に導管103A、103Bを所望の振動モードで振動させる例である。駆動装置104は下記の式によってモデル化されると仮定する。
【0074】
【数9】
Figure 0004789170
この例のコリオリ流量計5の離散的構造モデルは、式12、13、14、15における下記の項によって定義される2次システムである。
【0075】
【数10】
Figure 0004789170
第1のステップは、信号発生器を使用して帯域制限ランダム雑音コマンド信号をコリオリ流量計5駆動装置に印加することであり、加速度計190からの出力データが読み取られる。次いで、非線形性を当てはめるために使用される多項式の次数が推定される。選択される多項式の次数には多くの自由度がある。高過ぎる次数を選択した場合は、その高い次数に関連する項は小さくなって無視し得る。この場合、5次多項式が選択された。多項式の各項に対しては、システム・モデルへの入力が作り出され、この単一の入力システムは仮想多入力(全ての個々の素子の和に対応する物理駆動装置コマンド)システムとなる。
【0076】
それぞれの入力は多項式、即ち式8の異なる項に対応する。入力はベクトル[r,r2,r3,r4,r5]になる。モデルのパラメータを推定するため、標準MIMO識別技術が使用される。Bマトリクスにおける項は非線形性多項式の係数になる。これらのパラメータを推定するための様々な技術の検討については、参照文献1を参照のこと。
【0077】
モデルが決定されると、Bマトリクスが検査される。式10Aにおいて理解されるように、Bマトリクスは、多項式の係数でスケーリングされた列ベクトルから構成される。βの第1の列で式10Aを割ることにより、多項式係数推定値βが導出される。
【0078】
この例では、信号対雑音発生器を40dBの信号対雑音比に設定した。次いで、5次多項式を、下記の結果を生じる駆動信号fa(r)として使用した。
【0079】
【数11】
Figure 0004789170
式11と式16とを比較すると明らかなように、システムは駆動装置の非線形性を正確に特徴付けている。次のステップは、この当てはめられた式16の関数fa(r)を取り上げて、逆関数(補正係数)fa -1(r)を決定することである。この補正係数を見出す方法は色々ある。ここで使用した方法は、当てはめられた関数である式16をrの値の範囲にわたって評価することであった。次いで、rの値及びfarの値を逆転させ、該逆数に対して別の多項式を当てはめるよう最小自乗法を使用する。「数値数学及び計算」(ウォード・ケニー及びデービッド・キンケード著、ブルックス/コール出版社、1980年発行)は、ここで使用された最小自乗法を検討している。好ましい実施の形態においては、10次多項式が逆数に当てはめられる。
【0080】
次いで、補正係数を使用して、駆動装置104に印加するべき、式(5)の校正された駆動信号を決定する。校正された駆動信号は、校正されていないコマンド信号での逆関数を評価することによって決定される。次いで、校正されたコマンド信号が駆動装置104に印加される。図7は、駆動信号が校正されていないコリオリ流れでの導管の振動を示す図である。125Hz付近の第1のピーク701は第1曲げ振動モードでの振動を表す。本発明による好ましい実施形態においては、第1のピーク701は所望の振動モードを表す。702及び703は、アクチュエータの非線形性によって生じる振動成分を表す。これらの成分はそれぞれ250Hzと375Hzである。図6は、例示の好ましい実施の形態において、理想的な駆動信号が駆動装置104に印加された場合の導管103A、103Bの振動を示すグラフである。理解されるように、本発明による好ましい実施の形態では所望の振動モードである第1曲げ振動モードの約125Hzでの振動周波数においてピーク601のみが生じる。
【0081】
図8は、第2の実施の形態において、駆動装置104に印加されている校正された駆動信号によって引き起こされる導管103A、103Bの振動を示すグラフである。この実施の形態では、校正された駆動信号は、所望の振動モードの全ての高調波を除去するものではなく、代わりに、校正された駆動信号は結果として生じる高調波信号を50dBより大きい率で減少させる。
【0082】
ピーク801は、所望の振動モードつまり第1曲げ振動モードでの振動を表すピークである。ピーク802〜807は、所望の振動モードの高調波での振動を表す。図8と図6とを比較すると明らかなように、校正された駆動信号は、校正されていない信号によって導管が駆動された場合と比べて、ずっと多くの高調波で導管を振動させる。しかし、それぞれの高調波のレベルは、50dBよりも大きく減少しているが、これは、100倍よりも大きい減少に対応しており、受信信号から容易に除去され得る。
【0083】
コリオリ流量計5のための駆動信号を校正する方法―――図9
図9は、コリオリ流量計5のための駆動信号の校正を実施するのに取られるステップである方法900の流れ図である。方法900は、導管103A、103Bを振動させることにより、ステップ901で開始する。上述したように、校正プロセスの説明において、例示の好ましい実施の形態では、導管103A、103Bはランダム雑音を駆動装置104に印加することにより振動させられる。ステップ902において、導管103A、103Bの振動が、振動させられている導管に応答して測定される。測定値はステップ903で受け取られる。測定値は加速度計190とピックオフ105、105’からのデータを含み得る。駆動信号の校正に将来使用するために、ステップ904で、測定データがメモリ又は他の記憶装置デバイスに格納される。
【0084】
ステップ903での測定値の取得に応答して、ステップ905で、コリオリ流量計5の力学のモデルが生成される。力学のモデルは、ステップ903からの測定値のみを使用して生成され、又は、ステップ903で受け取られて格納された測定データを使用して生成され得る。ステップ906において、ステップ905で生成されたコリオリ流量計5の力学的モデルを使用して、導管を所望の振動モードで振動させるために駆動装置104に印加される適正な駆動信号が決定される。次いで、ステップ907において、所望の駆動信号を駆動装置104に印加するように駆動回路が構成される。駆動信号を修正することができる1つの方式は、駆動回路における基準電圧を変えることである。代わりに、ディジタル信号プロセッサが適正な電圧をメモリに格納し、必要な場合に該電圧を駆動104に加える。
【0085】
判定ステップ908では、方法900を周期的に繰り返すべきか否かを決定する。駆動信号を再校正するよう方法900を周期的に繰り返すことは行わない場合は、方法900は終了する。そうでない場合には、ステップ901から方法900が繰り返される。方法900を周期的に繰り返すことの目的は、コリオリ流量計5の構成要素の磨耗に起因するシステムの力学の変化を補償するように駆動信号を調整するために駆動信号を周期的に校正することである。
【0086】
ディジタル・プロセッサが校正を実施するプロセス―――図10
図10は、図9に示した方法900を実施するために処理ユニット400又はディジタル信号プロセッサ500等のプロセッサによって実施されるステップであるプロセス1000を示している。プロセッサに接続されたメモリに格納された命令は、プロセス1000のステップを実施するためにプロセッサによって実行される命令を含んでいる。プロセス1000のステップを実施するために実行可能なアプリケーションを書くことは、当業者に委ねられる。
【0087】
プロセス1000は、駆動信号を生成することによりステップ1001で開始する。上述したように、好ましい実施の形態では、生成される駆動信号はランダム雑音である。ステップ1002において、生成された信号は、コリオリ流量計5の構造力学モデルを生成する際に使用するよう格納される。次いで、ステップ1003で、生成された駆動信号は駆動装置104に送られる。駆動装置104は駆動信号を受信することに応答して導管103A、l03Bを振動させる。加速度計190及びピックオフ105、105’は導管103A、103Bの振動を測定し、流管を振動させている駆動装置104に応答して測定データを送信器に送る。
【0088】
ステップ1004において、加速度計1004及びピックオフ105、105’からの測定データがプロセッサによって受け取られる。測定データの受け取りに応答して、プロセッサは、ステップ1005で、接続されたメモリにデータを格納する。ステップ1004での測定データの受信に応答して、ステップ1006において、コリオリ流量計5の構造力学のモデルが生成される。力学モデルは、ステップ1004で受け取ったデータから生成され、又は、ステップ1004で受け取られたデータと以前の測定からメモリに格納されたデータとから生成され得る。
【0089】
ステップ1006において、ステップ1005で生成された力学モデルを使用して、駆動装置104に導管103A、103Bを所望の振動モードで振動させるよう駆動装置104に印加されるべき適正な駆動信号を決定する。適正な駆動信号を決定する1つの可能なプロセスの例を以下に記載する。次いで、ステップ1006で決定された適正な駆動信号を提供するように、ステップ1007で駆動回路が修正される。駆動信号を修正する1つの方式は、駆動回路における基準電圧を変えることである。代わりに、ディジタル信号プロセッサが適正な電圧をメモリに格納し、必要な場合に該電圧を駆動104に加えることができる。
【0090】
判定ステップ1008において、プロセス1000を周期的に繰り返すべきか否かが決定される。プロセス1000を周期的に繰り返して駆動信号を再校正することを行わない場合には、プロセス1000は終了する。そうでない場合には、ステップ1010においてプロセッサはカウンタを始動させ、所定の時間だけ待機する。所定の時間が経過すると、プロセス1000がステップ1001から繰り返される。プロセス1000を周期的に繰り返すことの目的は、駆動信号を調整して、コリオリ流量計5内の構成要素の磨耗によるシステムの力学の変化を補償するよう駆動信号を周期的に校正することである。
【0091】
適正な駆動信号を決定するためのプロセス又は方法の例―――図11
図11は、要素906、1007の更なる詳細を開示しており、導管103A、103Bを所望の振動モードで振動させるよう駆動装置104に印加する適正な駆動信号を決定するための1つの例示のプロセス1100又は方法を示す図である。プロセス1100はステップ1101において開始され、振動測定データから生成された動的モデルを使用して、駆動信号に応答して導管103A、103Bに加えられる力をモデル化する多項式関数の係数が計算される。多項式関数の係数が決定されると、ステップ1102において、ステップ1101で決定された力の係数を使用して逆関数の係数が決定される。次いで、駆動装置104に加えられるべき駆動のための適正なコマンドを決定するため、ステップ1103において、逆関数を表す多項式に駆動コマンド信号が挿入される。ステップ1103の後、プロセス1100が終了する。
【0092】
概要
以上記述した発明は、コリオリ流量計の校正に関するもので、一層詳細には、関連する駆動信号の校正に関する。
【0093】
コリオリ流量計は少なくとも1つの導管から構成され、その一例が、導管103A、103B等の2つの導管を備えたものとして図1に示される。導管は、導管に取り付けられた駆動装置に印加される駆動信号によって振動させられる。駆動装置は、磁石と対向するコイルとから構成され得る物理的構造である。駆動信号110は正弦波等の周期波形であり、計器電子回路20によって提供される。これも図1に示される。駆動信号の他の周期波形も使用できるが、記述した実施の形態のための駆動信号は125ヘルツ(Hz)の周波数を有する正弦波である。質量流量や質量密度等の、流量計の中を通過する物質に関係する測定は、導管から発せられるピックオフ信号から行われる。測定値は、物質が流量計を通過するときの駆動信号の周波数と位相との偏差から決定される。
【0094】
流量計を通過する物質の正確な測定を行うためには、駆動信号を校正することが必須である。しかし、個々の流量計の導管及び駆動装置の構造上のばらつきに起因して、測定の不正確さが存在し得る。構造上のばらつきは、駆動信号の高調波のような不要な非線形応答を作り出す。駆動信号の高調波はノイズ・フロアを上昇させ、予期せぬ方法で導管を振動させるので、不正確な測定値を生じさせることになる。
【0095】
記述した発明は、出力の演繹的知識を駆動信号に適用するという新規な方法によって、不要な駆動信号高調波の問題を解決する。まず、コリオリ流量計は、実際の物理的構造であるコリオリ流量計の駆動装置に試験駆動信号を印加することによって特徴付けられる。そこで、加速度計が、試験駆動信号によって流管に生成された振動に関するデータを収集する。当該システムは、出力を入力で割った値と等価の伝達関数を有する単一入力/単一出力システムとして特徴付けられ得る。コリオリ流量計システムの状態空間方程式は、それぞれの個々の流量計の入力、出力及び構造特性を含むように書くことができる。状態空間方程式は
【0096】
【数12】
Figure 0004789170
として書き表される。
【0097】
但し、A、B、C、Dは、それぞれの個々の流量計の構造パラメータを表す係数を有する状態空間マトリクスであり、fA(r)は、式1及び2で以前に示したように、駆動信号を表す多項式関数である。
【0098】
単一入力/単一出力システムから多入力/単一出力システムへの変換は、元の信号からの複数の入力を所定数の多項式の項を構成することによって行うことができる。例えば、
【0099】
【数13】
Figure 0004789170
(但し、aはスカラ、fは周波数、tは時間である)の形の正弦のような単一の信号から、高次の成分を含む多入力信号を生成するには、多項式の次数を予め決めておかなければならない。そうすると、システムへの多入力が、
【0100】
【数14】
Figure 0004789170
のような所望の多項式の項の数だけ生成される。
【0101】
任意の多項式の次数を選ぶことができるが、本発明の目的のためには、5次多項式で十分であると決定された。これは、高次の成分はシステム全体に無視し得る程の影響しか及ぼさない傾向があるためである。コリオリ流量計システムの多入力信号によって特徴付けられた入力と出力信号が公知であるため、システムはその伝達関数によって特徴付けられ得る。伝達関数をその制御可能な正規形式に変換することによって、状態空間マトリクスA、B、C、Dを解くことができる。同様の教示は当業者には周知であり、上述のレナート・リジュングの参考文献等の参考文献に見出すことができる。
【0102】
システムがその伝達関数によって特徴付けられると、状態空間マトリクスA、B、C、Dは、当業者には周知である制御可能な正規形式に構成される。制御可能な正規形式から、Bマトリクスの係数を使用して信号補償要素が構成される。信号補償要素は、
【0103】
【数15】
Figure 0004789170
と書き表される形をしている。但し、β係数は、前述の制御可能な正規形式のBマトリクス係数によって表され、rは入力信号である。
【0104】
β係数が決定されると、駆動信号がシステムに入力される。出力はデータの新たな組を生じる。新たな出力データは、当業者には周知の最小自乗アルゴリズムを使用して曲線当てはめされる。最小自乗曲線当てはめは所定の次数の多項式を生成する。多項式が生成されると、多項式の逆数が計算され、非試験駆動信号が逆多項式に対して評価される。
【0105】
例示のために、広帯域雑音からなる試験信号がコリオリ流量計に入力された。2次システムが例として十分なものとして予め決められた。伝達関数が生成され、制御可能な正規形式で書き表されたとき
【0106】
【数16】
Figure 0004789170
の状態空間マトリクスA、B、C、Dを生じた。
【0107】
40デシベル(dB)の信号対雑音比(SNR)を有する125Hzの正弦波からなる駆動信号がシステムに印加された。駆動信号は
【0108】
【数17】
Figure 0004789170
の形式の多項式関数にフォーマット化された。但し、rは、式11に示すように駆動信号である。信号の係数は、非線形高調波成分を備える実際の流量計出力の発見的データに基づいたものであり、ここでは単なる例として使用された。次いで、上述の関数を、式1、式2に示すように、コリオリ流量計の公知の状態空間構造パラメータに適用する。加速度計を表す出力データの電力スペクトル・ディスプレイ(PSD)は、図7に示すように、結果として生じる駆動信号高調波を明らかにする。出力データは、5次多項式関数の式の最小自乗アルゴリズムを使用して曲線当てはめされる。最小自乗アルゴリズムは、式8に示すように、
【0109】
【数18】
Figure 0004789170
という多項式関数を生成した。上述の曲線当てはめしたfA(r)の逆多項式関数が計算された。逆多項式関数は、図1に示す計器電子回路20のメモリ場所等の計器電子回路のメモリ場所に格納される。逆多項式関数は、逆多項式関数を駆動信号のサンプル値で評価することによって駆動信号に適用される。例えば、駆動信号のサンプルが逆多項式関数に入力され、その結果は、駆動信号の補償されたサンプルを表す出力サンプルである。プロセス全体が、図8のPSDによって分かるように、駆動信号高調波の振幅の低減を生成する。
【0110】
以前には、駆動信号高調波は、コリオリ流管を予測不可能な程に振動させるに足る振幅を有していた。この新規な方法は、教示したように、駆動信号高調波の振幅をほぼ無視できる程にまで実質的に減少させる。結果は変動するけれども、上述の例は、駆動信号高調波を20dBより大きく効果的に減少させ、高調波は0dBを超えなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の駆動信号校正システムを組み込んだコリオリ質量流量計を示す図である。
【図2】 本発明の駆動信号校正システムで使用される計器電子回路を示す図である。
【図3】 駆動信号校正システムにより所望の振動モードを励振するために決定される駆動信号を生成する駆動回路を示す図である。
【図4】 駆動信号の校正を実施する処理ユニットを示す図である。
【図5】 ディジタル送信器を用いた計器電子回路20の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】 理想的な駆動システムによって振動させられている導管の振動のグラフを示す図である。
【図7】 理想的ではないが典型的な駆動システムによって振動させられている導管の振動のグラフを示す図である。
【図8】 校正された駆動信号を有する駆動システムによって振動させられる導管の実際の振動のグラフを示す図である。
【図9】 駆動信号を校正するための方法の流れ図を示す図である。
【図10】 駆動信号の校正を実施するためにディジタル・プロセッサによって実施されるプロセスを示す図である。
【図11】 要素906及び1007の更なる詳細を示す図である。

Claims (24)

  1. 流量測定装置における少なくとも1本の流管での材料の流れの特性を測定するため、駆動装置に印加すべき駆動信号を校正して前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を振動させる方法であって、
    雑音信号を用いて、前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を振動させるステップと、
    前記雑音信号で前記流管を振動させることに応答して、前記少なくとも1本の流管の振動を測定するステップと
    を含む方法において、
    前記雑音信号に応答しての前記少なくとも1本の流管の前記の測定された振動から、前記少なくとも1本の流管及び前記駆動装置の物理的特性を検出するステップと、
    前記少なくとも1本の流管及び前記駆動装置の前記物理的特性の検出に応答して、前記駆動装置のための駆動信号を定義するステップであって、前記駆動信号を、前記駆動装置の前記物理的特性にしたがって計算するステップと、
    前記の定義された駆動信号を前記駆動装置に印加して、前記少なくとも1本の流管を所望の振動モードで振動させるステップと、
    を備えることを特徴とする方法。
  2. 前記流量測定装置が流量計であり、前記方法が、前記流量計の駆動装置に印加すべき駆動信号を校正するための方法であって、該方法が、
    第1の信号を前記駆動装置に印加して、前記少なくとも1本の流管を振動させるステップと、
    前記第1の信号が前記駆動装置に印加されたときに前記少なくとも1本の流管を振動させることに応答して、前記少なくとも1本の流管と前記駆動装置の振動を測定するステップと、
    前記第1の信号が前記駆動装置に印加されたときの前記少なくとも1本の流管の前記振動の前記測定に応答して、前記流管と前記駆動装置を含む前記流量計の望ましくない物理的特性を含む物理的振動特性を決定するステップと、
    前記の決定された物理的振動特性のための補正係数を決定するステップと、
    前記の決定された物理的振動特性と前記補正係数とを利用して、前記駆動装置に印加すべき駆動信号を定義するステップと、
    前記の定義された駆動信号を前記駆動装置に印加して、前記少なくとも1本の流管を、前記望ましくない物理的振動特性を補償する所望の振動モードで振動させるステップと、
    を備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1本の流管の前記振動の測定値を格納するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記流量測定装置の前記物理的特性を検出する前記ステップが、測定時の振動の測定値と振動の前記の格納された測定値とを組み合わせて、前記物理的特性を決定するステップを更に含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記駆動信号を定義して駆動信号回路に前記駆動信号を生成させることに応答して、前記駆動信号回路における基準電圧を設定するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記駆動信号を校正するための前記方法を周期的に繰り返すステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記駆動装置及び前記流量測定装置の前記物理的特性を検出する前記ステップが、前記の測定された振動から前記流量測定装置及び前記駆動装置の力学をモデル化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 駆動回路を修正して前記駆動信号を生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記駆動信号を定義する前記ステップが、
    駆動信号を前記少なくとも1本の流管に加えられる力と関係付ける関数に対する多項式の係数を計算するステップと、
    前記駆動信号を前記力に関係付ける前記関数の逆関数の多項式の係数を決定するステップと、
    前記駆動信号のコマンド信号を前記逆関数に挿入して、前記駆動信号を定義するステップと、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 材料の特性を測定するための流量測定装置のための計器電子回路であって、前記流量測定装置が、材料を受け取る少なくとも1本の流管と、前記少なくとも1本の流管を振動させるための駆動装置と、前記流管に沿う点において前記少なくとも1本の流管の振動を測定するためのピックオフ・センサとを備える計器電子回路において、
    駆動信号を前記駆動装置に印加して、前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を振動させる駆動回路と、
    前記少なくとも1本の流管での材料の流れの特性を測定するための回路と、
    前記ピックオフ・センサから信号を受信し、前記駆動装置へ送られた雑音信号に応答しての前記少なくとも1本の流管の前記の測定された振動から前記少なくとも1本の流管及び前記駆動装置の物理的特性を検出する第1の回路と、
    前記信号の受信に応答して、前記駆動装置の前記物理的特性にしたがって計算された駆動信号を定義する第2の回路であって、前記駆動装置が、前記駆動信号により、前記少なくとも1本の流管及び前記駆動装置の前記物理的特性から、前記少なくとも1本の流管を所望の振動モードで振動させる第2の回路と、
    を具備する計器電子回路。
  11. 前記少なくとも1本の流管の振動の測定値を格納するメモリを更に備える、請求項10に記載の計器電子回路。
  12. 前記第1の回路が、測定時の振動の測定値と振動の前記の格納された測定値とを組み合わせて前記物理的特性を決定する回路を更に備える、請求項11に記載の計器電子回路。
  13. 前記駆動信号を定義することに応答して前記駆動信号を生成して駆動信号回路により前記駆動信号を生成させるレベルに設定された、前記駆動信号回路における基準電圧を更に備える、請求項10に記載の計器電子回路。
  14. 前記駆動信号の校正を周期的に繰り返すタイミング回路を更に備える、請求項10に記載の計器電子回路。
  15. 前記第1の回路が、前記の測定された振動から前記流量測定装置及び前記駆動装置の力学をモデル化するモデリング回路を備える、請求項10に記載の計器電子回路。
  16. 前記第2の回路が、
    駆動信号を前記少なくとも1本の流管に加えられる力に関係付ける関数に対する多項式の係数を計算する回路と、
    前記駆動信号を前記力に関係付ける前記関数の逆関数の多項式の係数を決定する回路と、
    前記駆動信号のコマンド信号を前記逆関数に挿入して前記駆動信号を決定する回路と、
    を備える、請求項10に記載の計器電子回路。
  17. 少なくとも1本の流管を流れる材料の特性を測定するための流量測定装置において、駆動装置に印加すべき駆動信号を校正して前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を振動させるための製品であって、
    前記少なくとも1本の流管に固定され、且つ前記駆動装置へ送られた雑音信号に応答するピックオフ・センサから、前記少なくとも1本の流管の振動を測定する信号を受信し、
    前記雑音信号に応答しての前記少なくとも1本の流管の前記の測定された振動から前記少なくとも1本の流管及び前記駆動装置の物理的特性を検出し、
    前記少なくとも1本の流管及び前記駆動装置の前記物理的特性から、前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を所望の振動モードで振動させる駆動信号を定義し、該駆動信号を前記駆動装置の前記物理的特性にしたがって計算する
    ことをプロセッサに指示する命令と、
    前記命令を格納する、前記プロセッサによって読み取り可能な媒体と、
    を具備する製品。
  18. 前記命令が、前記プロセッサに、前記駆動信号を前記駆動装置に印加して前記駆動装置により前記少なくとも1本の流管を前記所望のモードで振動させることを指示する命令を更に備える、請求項17に記載の製品。
  19. 前記命令が、前記少なくとも1本の流管の前記振動の測定値をメモリに格納することを前記プロセッサに指示する命令を更に備える、請求項17に記載の製品。
  20. 前記流量測定装置及び前記駆動装置の前記物理的特性を検出することを前記プロセッサに指示する前記命令が、前記メモリから前記測定値を読み取り、測定時の振動の測定値と振動の前記の格納された測定値とを組み合わせて前記物理的特性を決定することを前記プロセッサに指示する命令を更に備える、請求項19に記載の製品。
  21. 前記命令が、前記駆動信号を定義して駆動信号回路により前記駆動信号を生成させることに応答して、前記駆動信号回路に対する基準電圧を表示することを前記プロセッサに指示する命令を更に備える、請求項17に記載の製品。
  22. 前記命令が、前記駆動信号の校正を周期的に繰り返すことを前記プロセッサに指示する命令を更に備える、請求項17に記載の製品。
  23. 前記駆動装置及び前記流量測定装置の前記物理的特性を検出する前記命令が、前記の測定された振動から前記流量測定装置及び前記駆動装置の力学をモデル化することを前記プロセッサに指示する命令を備える、請求項17に記載の製品。
  24. 前記駆動信号を定義することを前記プロセッサに指示する前記命令が、駆動信号を前記少なくとも1本の流管に加えられる力に関係付ける関数に対する多項式の係数を計算し、前記駆動信号を前記力に関係付ける前記関数の逆関数の多項式の係数を決定し、前記駆動信号のコマンド信号を前記逆関数に挿入して前記駆動信号を決定することを前記プロセッサに指示する命令を備える、請求項17に記載の製品。
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