JP2001329827A - 自動二輪車の4サイクルエンジンのブリーザ構造 - Google Patents
自動二輪車の4サイクルエンジンのブリーザ構造Info
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Abstract
く、省スペースで、従来よりも部品点数を削減するとと
もにコストの削減を図り、簡単な構成でオイルミストを
低減できる自動二輪車のブリーザ構造を提供することを
目的とする。 【解決手段】 クランクケース41のクランク軸40軸
方向一方側に動力伝達ケース43を備え、他方側にタイ
ミングチェーン室48の外側にケースカバー51を配置
して、ケースカバー51の外側のクランク軸40軸端4
0aに冷却ファン50を備えた自動二輪車のエンジン2
0において、クランクケース41の上部にブリーザ室5
4を一体的に形成するとともに、ケースカバー51をブ
リーザ室壁部55と隙間56を有して配置し、ブリーザ
室壁部55にケースカバー51と対向する位置に開口部
57を設け、開口部57を介してブリーザ室54内とク
ランクケース41内とを連通することを特徴とする。
Description
ジンの潤滑装置に関し、特に、4サイクルエンジンのブ
リーザ構造に関するものである。
ンクケース内の各動作部に供給される潤滑油は、一部が
飛散してオイルミストとなりクランクケース内に充満す
る。特に、吸排気弁を動作するための動弁装置を駆動す
るカムチェーンに充分給油が行われる場合には、潤滑油
が飛散してカムチェーン室にオイルミストが多く充満す
る。そこで、オイルミストを分離するために、従来のエ
ンジンのブリーザ構造は、一般に、図5に示すように、
エンジン100のクランクケース101に形成されたブ
リーザ室102の入口にオイルセパレータ103を設け
ることにより、該ブリーザ室102に入るブローバイガ
ス中のオイル量を低減するようにしたものが知られてい
る。図中の矢印はブローバイガスの流れを示す。
方法によると、オイルセパレータをエンジン本体とは別
体で設ける必要があり、部品点数の増加とともに、コス
トアップになるという問題点があった。また、エンジン
本体近傍にオイルセパレータを取付けるスペースを確保
する必要があり、ブリーザ室の入口を設置する自由度が
低いという問題点があった。
れたものであって、オイルセパレータを別体で取付ける
ことなく、省スペースで、従来よりも部品点数を削減す
るとともにコストの削減を図り、しかも簡単な構成でオ
イルミストを低減できる自動二輪車の4サイクルエンジ
ンのブリーザ構造を提供することを目的とする。
ランクケースのクランク軸軸方向一方側にVベルト自動
変速機を収納した動力伝達ケースを一体的に備える一
方、該クランクケースのクランク軸軸方向他方側にエン
ジンの動弁装置に動力を伝達するタイミングチェーンを
配置して、該タイミングチェーンを収納するタイミング
チェーン室のクランク軸側外側にケースカバーを配置し
て、該ケースカバーの外側に配置するクランク軸軸端に
エンジン冷却用冷却ファンを備えた自動二輪車の4サイ
クルエンジンにおいて、前記クランクケースの上部にブ
リーザ室を一体的に形成するとともに、前記ケースカバ
ーを前記ブリーザ室壁部と隙間を有して配置し、前記ブ
リーザ室壁部に前記ケースカバーと対向する位置に開口
部を設け、該開口部を介して該ブリーザ室内とクランク
ケース内とを連通することを特徴とする自動二輪車の4
サイクルエンジンのブリーザ構造である。
バーとの隙間は、前記タイミングチェーンの軌道位置よ
りクランク軸軸方向外側に形成することが好ましい。ま
た、前記ケースカバーの内側に、前記隙間のクランクケ
ース内側の開口部と対向して隔壁部を連続的に突出形成
することが好ましい。
ク軸軸方向一方側にVベルト自動変速機を収納した動力
伝達ケースを一体的に備え、シリンダブロックをクラン
クケースから車体進行方向前方に向かい側面視略水平に
突設するとともに、キャブレタを介して吸気をエンジン
本体に供給する吸気装置のエアクリーナを前記動力伝達
ケース上に配置する一方、該クランクケースのクランク
軸軸方向他方側にエンジンの動弁装置に動力を伝達する
タイミングチェーンを配置して、該タイミングチェーン
を収納するタイミングチェーン室を配置する自動二輪車
の4サイクルエンジンにおいて、前記クランクケースの
上部であって該クランクケースのクランク軸軸方向両側
に亘りブリーザ室を形成し、ブリーザ室壁部に前記タイ
ミングチェーン室と該ブリーザ室とを連通する連通孔を
形成する一方、前記ブリーザ室壁部の動力伝達ケース側
に、前記エアクリーナおよび通気径路に連通する連通孔
を形成することを特徴とする自動二輪車の4サイクルエ
ンジンのブリーザ構造であっても良い。
ブリーザ室を一体的に形成することにより、オイルセパ
レータを別体で設ける必要がないので、省スペースで、
従来よりも部品点数を削減するとともにコストの削減を
図ることができる。また、ケースカバーをブリーザ室壁
部と隙間を有して配置して、前記ブリーザ室壁部に前記
ケースカバーと対向する位置に開口部を設けることによ
り、ブリーザ室への入口となる該開口部に潤滑油の飛沫
が直接飛び込むことを防止し、ブリーザ性能の向上を図
ることができる。
隙間を、タイミングチェーンの軌道位置よりクランク軸
軸方向外側に形成することにより、該タイミングチェー
ンの遠心力により飛散した潤滑油の飛沫が前記隙間に直
接飛び込むことがないのでブリーザ性能の向上を図るこ
とができる。
壁部とケースカバーとの隙間に対向して隔壁部を連続的
に突出形成したことにより、オイルミストの流れを一旦
隔壁部に当てて、気液分離作用の向上を図ることができ
る。
ランクケースのクランク軸軸方向両側に亘りブリーザ室
を形成し、ブリーザ室壁部にタイミングチェーン室と該
ブリーザ室とを連通する連通孔を形成する一方、前記ブ
リーザ室壁部の動力伝達ケース側に、前記エアクリーナ
および通気径路に連通する連通孔を形成することによ
り、ブリーザ室とエアクリーナとを連結するブリーザホ
ースの長さを短縮できるとともに、ブリーザホースの配
設スペースを節約することができ、しかも、ブリーザ室
の容積を大きくすることができる。
を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に
係る自動二輪車の4サイクルエンジンのブリーザ構造が
用いられたユニットスイング型エンジンが搭載された自
動二輪車の全体の構成を示す説明図、図2は前記エンジ
ンの構成を示す側面部分断面図、図3は前記エンジンの
構成を示す平面断面図、図4は本実施形態に係るブリー
ザ構造の構成を示す詳細断面図である。
ブリーザ構造は、図1に示すように、小型自動二輪車で
あって、いわゆるスクータ型自動二輪車1に搭載される
強制空冷型のユニットスイング型4サイクルエンジン2
0に採用したものである。前記スクータ型自動二輪車1
には、フロントカバー2とシート3の下方を覆うボディ
カバー4との間に足載せのフロア部5が形成されてい
る。車体前部には、前輪6を軸支するフロントフォーク
7がヘッドパイプ8に枢支され、該ヘッドパイプ8から
フレームパイプ9が下方へ延出し、さらに後方へ屈曲し
てフロア部5を延設するとともに後部フレーム10に接
合している。前記後部フレーム10の立上り部より後方
へ向かいエンジンハンガー11が突出して設けられてい
る。該エンジンハンガー11の先端部には後述するスイ
ングユニット12の前端のエンジンマウント13が枢支
され、該スイングユニット12を揺動自在に支持してい
る。
ように、車体下方左側に配置され、その内部にはエンジ
ン20の動力を後輪30に伝達する伝達機構として後述
するVベルト自動変速機42が内蔵されている。前記ス
イングユニット12は、その前部には前記エンジン20
が一体的に設けられ、また、その後部と後部フレーム1
0との間にはクッション15が介装されるとともに、そ
の後部には後輪30が軸支され、かつ、その後部の上側
に沿ってエアクリーナ25が配設されている。
シリンダブロック21を前方に傾けて水平に近い状態で
配置されており、該シリンダブロック21の上側に形成
された吸気口22から後方へ吸気管23が延出し、該シ
リンダブロック21上方に配置されたキャブレタ24に
接合されている。さらに、該キャブレタ24より後方に
コネクティングチューブ26が延出してさらに後方に配
置されたエアクリーナ25に連結され、吸気系が構成さ
れている。
図3に示すように、前記エンジン20を中心に車体右側
に配設されている。前記シリンダブロック21の下側に
形成された排気口(図示省略)から下向きに延出した排
気管33は、車体方向右側に偏向し屈曲して後方へ向け
て延設されて前記マフラー31の膨出部に嵌挿されてい
る。前記マフラー31から後方へテールパイプ(図示省
略)が突出している。
うに、クランク軸40の反駆動伝達側の軸端40aに冷
却ファン50が設けられる強制空冷方式のエンジンであ
る。クランクケース41のクランク軸40の駆動伝達側
の軸端40bには、エンジンの負荷に応じて無段階に変
速されるVベルト自動変速機42が設けられ、該Vベル
ト自動変速機42を収納した動力伝達ケース43が一体
的に設けられている。前記冷却ファン50が設けられる
反駆動伝達側には、該冷却ファン50の外周を覆うとと
もに、シリンダブロック21およびシリンダヘッド44
を覆うように冷却風カウリング45が取付けられてい
る。
は、クランク軸40の回転に連動してシリンダヘッド4
4内の動弁装置46に動力を伝達するタイミングチェー
ン47が配置され、該タイミングチェーン47を収納す
るタイミングチェーン室48のクランク軸40側外側に
ケースカバー51が配置されている。前記ケースカバー
51の外側に配置するクランク軸40の軸端40aに
は、前記冷却ファン50を備えたフライホイールマグネ
トー53が取付けられている。
3、図4に示すように、ブリーザ室54がクランク軸4
0軸方向両側、すなわち、駆動伝達側から反駆動伝達側
に亘り一体的に形成され、反駆動伝達側には、前記ケー
スカバー51がブリーザ室壁部55と隙間56を有して
配置されている。一方、駆動伝達側には、前記ブリーザ
室壁部55の動力伝達ケース43側に、外部に連通する
連通孔54aが形成されている。前記連通孔54aに
は、接続用のニップル60が取付けられ、該ニップル6
0には、ブリーザホース61が連結されて前記エアクリ
ーナ25と連通している。
カバー51と対向する位置に開口部57が形成され、該
開口部57を介して該ブリーザ室54内とクランクケー
ス41内とを連通している。前記壁部55と前記ケース
カバー51との隙間56は、前記タイミングチェーン4
7の軌道位置よりクランク軸40軸方向外側に形成され
ている。前記ケースカバー51の内側には、隔壁部58
が前記隙間56のクランクケース41内側の開放部56
aと対向するとともに隙間を有して連続的に突出形成さ
れている。
る。エンジン20内の各動作部に供給された潤滑油は、
各部位を潤滑するとともにクランク軸40の回転により
動作するタイミングチェーン47の遠心力により飛散し
て、一部がオイルミストとなりクランクケース41内に
充満する。これにより、ブローバイガス中にオイルミス
トが含まれる状態となる。
からブリーザ室54に流れ込む時、隔壁58に当たり、
更に、クランクケース41内空間から狭くなる開放部5
6aを介して隙間56を通って開口部57よりブリーザ
室54内に流れ込む。この時、隔壁58やケースカバー
51およびブリーザ室壁部55の表面でオイルミストが
液状となり、ブローバイガス中のオイルミスト量を削減
することができる。そして、ブリーザ室54内を通過し
て開口部57と反対側に形成された連通孔54aより吸
気径路に送気されるので、さらにブローバイガス中のオ
イルミストを効果的に削減できる。
ると、クランクケース41の上部にブリーザ室54を駆
動伝達側から反駆動伝達側に亘り一体的に形成し、ケー
スカバー51をブリーザ室壁部55と隙間を有して配置
して該ケースカバー51とブリーザ室壁部55との間に
送気通路を形成するようにしたので、ブローバイガス中
のオイルミストを効果的に削減できる。また、前記ブリ
ーザ室壁部55に前記ケースカバーと対向する位置に開
口部57を設けたので、該開口部57からブリーザ室5
4内へ潤滑油の飛沫が直接飛び込むことを防止し、ブリ
ーザ性能の向上を図ることができる。
51との隙間56、すなわち、送気通路をタイミングチ
ェーン47の軌道位置よりクランク軸40方向外側に形
成したので、該タイミングチェーン47の遠心力により
飛散した潤滑油の飛沫が前記隙間に直接飛び込むことが
ないという効果を有する。
ザ室壁部55と該ケースカバー51との隙間56に対向
して隔壁部58を連続的に突出形成したことにより、オ
イルミストの流れを一旦隔壁部に当てて、気液分離作用
の向上を図ることができる。また、該隔壁部58をケー
スカバー51に一体的に形成したので、ブリーザ構造を
構成する部品点数を削減でき、組付け作業性の向上を図
ることができる。
3側に、連通孔54aを形成したので、該ブリーザ室5
4とエアクリーナ25とを連結するブリーザホース61
の長さを短縮できるとともに、該ブリーザホース61の
設置スペースを節約することができ、しかも、ブリーザ
室54の容積を大きくすることができる。
項1〜4記載の自動二輪車のエンジンのブリーザ構造に
よれば、クランクケースの上部にブリーザ室を一体的に
形成することにより、オイルセパレータを別体で設ける
必要がなく、省スペースで、従来よりも部品点数を削減
するとともにコストの削減を図ることができる。また、
ケースカバーをブリーザ室壁部と隙間を有して配置し
て、前記ブリーザ室壁部に前記ケースカバーと対向する
位置に開口部を設けることにより、ブリーザ室への入口
となる該開口部に潤滑油の飛沫が直接飛び込むことを防
止し、ブリーザ性能の向上を図ることができる。
ルエンジンのブリーザ構造が用いられたユニットスイン
グ型エンジンが搭載された自動二輪車の全体の構成を示
す説明図である。
る。
細断面図である。
断面図、(b)は(a)のA−A断面矢視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 エンジンのクランクケースのクランク軸
軸方向一方側にVベルト自動変速機を収納した動力伝達
ケースを一体的に備える一方、該クランクケースのクラ
ンク軸軸方向他方側にエンジンの動弁装置に動力を伝達
するタイミングチェーンを配置して、該タイミングチェ
ーンを収納するタイミングチェーン室のクランク軸側外
側にケースカバーを配置して、該ケースカバーの外側に
配置するクランク軸軸端にエンジン冷却用冷却ファンを
備えた自動二輪車の4サイクルエンジンにおいて、 前記クランクケースの上部にブリーザ室を一体的に形成
するとともに、前記ケースカバーを前記ブリーザ室壁部
と隙間を有して配置し、前記ブリーザ室壁部に前記ケー
スカバーと対向する位置に開口部を設け、該開口部を介
して該ブリーザ室内とクランクケース内とを連通するこ
とを特徴とする自動二輪車の4サイクルエンジンのブリ
ーザ構造。 - 【請求項2】 前記ブリーザ室壁部と前記ケースカバー
との隙間は、前記タイミングチェーンの軌道位置よりク
ランク軸軸方向外側に形成することを特徴とする請求項
1に記載の自動二輪車の4サイクルエンジンのブリーザ
構造。 - 【請求項3】 前記ケースカバーの内側に、前記隙間の
クランクケース内側の開口部と対向して隔壁部を連続的
に突出形成したことを特徴とする請求項1または2に記
載の自動二輪車の4サイクルエンジンのブリーザ構造。 - 【請求項4】 エンジンのクランクケースのクランク軸
軸方向一方側にVベルト自動変速機を収納した動力伝達
ケースを一体的に備え、シリンダブロックをクランクケ
ースから車体進行方向前方に向かい側面視略水平に突設
するとともに、キャブレタを介して吸気をエンジン本体
に供給する吸気装置のエアクリーナを前記動力伝達ケー
ス上に配置する一方、該クランクケースのクランク軸軸
方向他方側にエンジンの動弁装置に動力を伝達するタイ
ミングチェーンを配置して、該タイミングチェーンを収
納するタイミングチェーン室を配置する自動二輪車の4
サイクルエンジンにおいて、 前記クランクケースの上部であって該クランクケースの
クランク軸軸方向両側に亘りブリーザ室を形成し、ブリ
ーザ室壁部に前記タイミングチェーン室と該ブリーザ室
とを連通する連通孔を形成する一方、前記ブリーザ室壁
部の動力伝達ケース側に、前記エアクリーナおよび通気
径路に連通する連通孔を形成することを特徴とする自動
二輪車の4サイクルエンジンのブリーザ構造。
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