JP2001329215A - ポリアミド系抗菌性粉体塗料用組成物 - Google Patents
ポリアミド系抗菌性粉体塗料用組成物Info
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Abstract
料用組成物を提供する。 【解決手段】 ポリアミドを主体とする粉体塗料におい
て、抗菌剤として亜鉛及び/又は銀/亜鉛複合系化合物
を配合し、ポリアミドとしてポリアミド11またはポリ
アミド12を配合することを特徴とするポリアミド系抗
菌性粉体塗料用組成物。
Description
粉体塗料用組成物に関する。その目的とする所は、変色
の少ないポリアミド系抗菌性粉体塗料用組成物を提供す
ることにある。
性改良等のために、表面を塗装することが古くから行わ
れている。有機系塗料としてはエステル、エポキシ、或
いはその複合系、ウレタン、アクリル、ポリアミド、フ
ッ素系樹脂等が広く用いられているが、これらは取扱い
性のため一般に有機溶剤に溶解または分散した状態で使
用されている。しかし、生活環境、作業環境等の点から
有機溶剤の使用は好ましくなく、また法的にも規制され
る方向にある、これを解決するために、脱有機溶剤とし
て、水溶性、水分散系、或いは粉体塗料が開発され、既
に実用化されている。
の人に使用されたり、食品、医療、衛生関係に使用され
る分野にあっては、抗菌、防かび性が要求される用途が
多い。例えばショッピングカート、バスや鉄道車両の手
すり、台所用品や風呂場回り等が一例として挙げられ
る。こういった目的のために抗菌剤や防かび剤を樹脂に
添加、配合することは一般に行われている。
合物、無機系化合物等色々あるが、天然品は沸点の低い
ものが多く、取扱いが困難である。有機系化合物は樹脂
との相溶性は良いが熱安定性の低いものが多く、溶融加
工時の分解による性能低下の問題がある。他方、無機系
化合物は安定性には優れているが、樹脂への分散不良や
水への溶出による耐久性の問題がある。従って、抗菌、
防かび剤は配合する樹脂の種類や加工条件、使用条件、
目的等に応じて選択することが重要である。
は無機系抗菌剤、特に効果の大きい銀系化合物を使用し
た場合、変色する問題があり、その使用に制限があっ
た。本発明はポリアミド系粉体塗料において、変色の少
ない抗菌性組成物を提供せんとするものであり、特定の
剤を樹脂に配合することによってその目的を達せられる
ことを見出した。
主体とする粉体塗料において、抗菌剤として亜鉛及び/
又は銀/亜鉛複合系化合物を配合することを特徴とする
ポリアミド系抗菌性粉体塗料用組成物である。
は、炭素数6以上のアミノカルボン酸又はラクタムもし
くは炭素数6以上のジアミンとジカルボン酸との塩の重
合体であるポリアミドをいう。 「炭素数6以上のアミ
ノカルボン酸又はラクタムもしくは炭素数6以上のジア
ミンとジカルボン酸との塩」としては、例えばω−アミ
ノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプ
リル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ωーアミノカプリン
酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸等のアミノカルボン酸;カプロラクタム、エナントラ
クタム、カプリルラクタム、ラウロラクタム等のラクタ
ム;ヘキサメチレンジアミンーアジピン酸塩、ヘキサメ
チレンジアミン−セバシン酸塩、ヘキサメチレンジアミ
ン−イソフタル酸塩、ウンデカメチレンジアミン−アジ
ピン酸塩、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン
−ドデカンジ酸塩等の塩類、等々が例示される。ポリア
ミドは単一重合体であっても、共重合体であってもよ
い。また、他樹脂をブレンドしたものでもよい。また、
触媒、各種安定剤等を含有していてもよい。この中でポ
リアミド11及びポリアミド12が好ましい。
「ポリアミド」樹脂に、場合によって顔料、染料、各種
添加剤、例えば熱安定剤、光安定剤、易滑剤、潤滑剤、
可塑剤、帯電防止剤、結晶核剤、難燃剤等を、例えば粉
体状態で混合、或いは混練後粉体化して塗料用に供する
ものをいう。流動浸漬塗装法、静電塗装法、溶射塗装法
等、塗装方法は問わない。
品(例えばヒノキチオール、キチン、キトサン等)、有
機系化合物(例えばイミダゾール系、チアゾール系、ニ
トリル系、ハロアルキルチオ系、ピリジン系、トリアジ
ン系、ブロム系、四級アンモニウム系等)、無機系化合
物(例えばゼオライト系、りん酸ジルコニウム系、りん
酸カルシウム系、チタニア系、酸化珪素系、無機イオン
交換体等)等が挙げられる。
び又は銀/亜鉛複合体化合物である必要がある。これら
金属は例えばゼオライトに担持したもの、無機イオン交
換体に担持したもの、或いはガラス状無機化合物に担持
したもの等が例示される。
複合系化合物をポリアミド樹脂に配合した組成物の形態
は任意である。例えば粉末状態で機械的に混合された組
成物、、抗菌剤がポリアミド粉末表面に付着した状態で
ある組成物、抗菌剤がポリアミド粉末表面にコーテイン
グされた状態である組成物、抗菌剤がポリアミド中に練
り込まれた状態である組成物、或いはこれらの形態が複
合化された組成物等が例示される。
ミドへの配合割合は特に限定されないが、性能と価格の
バランスで決められる。一般に0.01%以上、10%
以下、好ましくは0.05 %以上5%以下、特に好ま
しくは0.1%以上、3%以下である。
成物の製造方法は任意である。例えば抗菌剤とポリアミ
ド粉末とを攪拌混合機で機械的に混合して組成物とする
方法、抗菌剤とポリアミド粉末とを混合後、更に衝突エ
ネルギー、せん断エネルギー等によって抗菌剤をポリア
ミド粒子表面に付着或いは溶着させて組成物とする方
法、抗菌剤をポリアミド中に練り込み、それを粉砕して
粉体状組成物とする方法等が例示される。勿論これらの
方法に限定されるものでないことは言うまでもない。
粉末を用いて粉体塗装する方法は限定されず、従来公知
の流動浸漬法、静電塗装法、溶射塗装法等採用できる。
有し、かつ塗装工程の加熱工程を経ても変色が少なく、
良好な表面特性を与える。本粉体塗料用組成物で塗装さ
れたものの用途としては、公共乗物の手すり、ショッピ
ングカート、食器洗浄機、台所用品、湿気の多い部屋の
壁材等に効果を発揮する。
するが、本発明はこれだけに限定されるものでないこと
は言うまでもない。尚、実施例と比較例において、塗装
及び塗膜の評価は以下の方法で行った。 (1) 塗装 脱錆、脱脂処理した厚さ3.2mmの鉄板にエポキシ系
プライマーをスプレーして、乾燥後の塗膜厚さが約10
ミクロンになるように塗布した。該鉄板を400Cに設
定したオーブン中で約3分40秒加熱し、鉄板の表面温
度が280Cになった時点で取り出した。他方抗菌剤を
所定割合で配合した粉体塗料を満たした流動床中で約4
00ミクロン厚さに塗装し、塗膜試験用サンプルとし
た。
Cにて24時間培養した。試料サンプルフィルム(上記
塗膜、3cm x 3 cm)上に菌液0.15mlを滴下
し、その上にポリエチレンフィルムをかぶせて密着させ
た。これを35C,90%関係湿度下で保存した。一試
料に対し、3個の試験を実施した。またポリエチレンフ
ィルムを対照試料とし、同様に試験した。保存24時間
後に生理的食塩水2mlを用いて試料から生残菌を洗い
出し、この洗い出し液中の生菌数を寒天平板培養法(3
5C,2日間培養)により測定した。
し隙間間隔は2mmとし、剥がれないで残った桝目の数
で表し、25/25は、「一目も剥がれなし」を意味す
る。
た。 白度:ASTM E313に従ってWIを測定した。 光沢度:JIS K5400の8.5.2法に準じて行
った。但し入射角は60度とした。
し、所定時間処理した。 促進耐候性:JIS K5400の7.6法に準じて行
った。
る粉体塗料(エルフ・アトケム社製リルサンファインパ
ウダー)W1482に、銀置換無機イオン交換体(抗菌
剤A)、亜鉛系無機ガラス(抗菌剤B),及び亜鉛系無
機ガラスに銀置換無機イオン交換体を複合化したもの
(抗菌剤C)を夫々所定割合で混ぜ、ヘンシェルミキサ
ーで攪拌混合し、粉体状組成物とした。これを流動浸漬
法で鉄板上に塗装した。抗菌剤を配合しなかった塗膜
(組成物1)の白度は76.8(比較例1)、抗菌剤A
を0.2%配合したもの(組成物2)の塗膜は54.5
(比較例2)で変色が大きかったのに対して、抗菌剤B
を0.2%配合したもの(組成物3)は76.0(実施
例1)、抗菌剤Cを0.2%配合したもの(組成物4)
の塗膜白度は75.9(実施例2)であり、抗菌剤を配
合しなかった組成物1の塗膜と大差ない白度を示した。
組成物1及び4の塗膜の密着性はいずれも25/25で
あり、抗菌剤を配合したことによる密着性の低下は認め
られなかった。また生菌数は組成物1(抗菌剤無配合)
が大腸菌10E6、黄色ぶどう球菌10E5であったの
に対して、組成物2(銀系)、組成物3(亜鉛系)、組
成物4(銀/亜鉛複合系)共に大腸菌、黄色ぶどう球菌
がいずれも10以下であり、優れた抗菌性を示した。
料(エルフ・アトケム社製リルサンファインパウダー)
グレー3362に、亜鉛系無機ガラスに銀置換無機イオ
ン交換体を複合化したもの(抗菌剤C)を0.3%混
ぜ、ヘンシェルミキサーで攪拌混合し、粉体状組成物と
した(組成物5)。また比較に抗菌剤を配合しなかった
ものも準備した(比較例3)。これらを流動浸漬法で鉄
板上に塗装し、サンシャインウエザオメーターで100
0時間促進耐候性のテストを実施した。色差(デルタ
E)は共に0.8、光沢度は組成物6からのものが6
7.4、比較例が64.0であり、抗菌剤を配合するこ
とによる変化は殆どなかった。
体塗料(エルフ・アトケム社製リルサンファインパウダ
ー)W1482に、亜鉛系無機ガラスに銀置換無機イオ
ン交換体を複合化したもの(抗菌剤C)を0.5%混
ぜ、ヘンシェルミキサーで攪拌混合した粉体状組成物6
を、流動浸漬法で鉄板上に塗装した。塗膜の白度は7
6.5であり(実施例4)、比較例1と大差なかった。
尚、抗菌剤A(銀系)を0.5%配合した塗膜の白度は4
1.2であり、比較例2よりも更に変色が大きかった
(比較例4)。組成物6の塗膜を、抗菌剤を配合しなかっ
た塗膜(組成物1)と共に23Cの水中で1000時間
処理した。処理後の生菌数の増減値差(抗菌剤無配合塗
膜の菌数に対する抗菌剤配合塗膜の菌数の比の逆数の対
数で表す。従って数値の大きい方が効果を維持している
ことを意味する)は、大腸菌が5、黄色ぶどう球菌が2
で、耐久性ある抗菌性を示した。
加熱工程を経ても塗膜の変色が少なく、耐久性ある抗菌
性塗膜を与える。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリアミドを主体とする粉体塗料におい
て、抗菌剤として亜鉛及び/又は銀/亜鉛複合系化合物
を配合することを特徴とするポリアミド系抗菌性粉体塗
料用組成物。 - 【請求項2】 請求項1において、ポリアミドがポリア
ミド11又はポリアミド12であることを特徴とするポ
リアミド系抗菌性粉体塗料用組成物。 - 【請求項3】 請求項1において、ポリアミドと抗菌剤
とが粉末状態で機械的に混合されたことを特徴とするポ
リアミド系抗菌性粉体塗料用組成物。 - 【請求項4】 請求項1において、抗菌剤がポリアミド
粉末表面に付着した状態であることを特徴とするポリア
ミド系抗菌性粉体塗料用組成物。 - 【請求項5】 請求項1において、抗菌剤がポリアミド
粉末表面にコーテイングされた状態であることを特徴と
するポリアミド系抗菌性粉体塗料用組成物。 - 【請求項6】 請求項1において、抗菌剤がポリアミド
中に練り込まれた状態であることを特徴とするポリアミ
ド系抗菌性粉体塗料用組成物。
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