JP2001329009A - オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒 - Google Patents

オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒

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JP2001329009A
JP2001329009A JP2000153733A JP2000153733A JP2001329009A JP 2001329009 A JP2001329009 A JP 2001329009A JP 2000153733 A JP2000153733 A JP 2000153733A JP 2000153733 A JP2000153733 A JP 2000153733A JP 2001329009 A JP2001329009 A JP 2001329009A
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Kunihiko Tashino
邦彦 田篠
Isa Nishiyama
伊左 西山
Takuma Yoshida
琢磨 吉田
Sukehiro Suzuki
祐洋 鈴木
Hayashi Ogawa
速 小川
Maki Sato
真樹 佐藤
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Toho Titanium Co Ltd
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Toho Titanium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロピレン重合体を高い立体規則性を維持し
ながら極めて高い収率で得ることができ、しかも高対水
素レスポンス能を持つオレフィン類重合用固体触媒成分
および触媒を提供すること。 【解決手段】(a)マグネシウム化合物、(b)四塩化
チタン、(c)下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン
原子を示し、R2 およびR3 は3級炭素を有する炭素数
4〜8のアルキル基を示し、R2 とR3 は同一であって
も異なってもよく、また、置換基R1 の置換数nは0、
1又は2であり、nが2のとき、R1 は同一であっても
異なってもよい。)で表されるフタル酸ジエステル又は
その誘導体、および(d)水酸基含有炭化水素から形成
されるオレフィン類重合用固体触媒成分及び触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体規則性を高度
に維持しながら、極めて高い収率でオレフィン重合体を
得ることができ、さらに高対水素レスポンス能を持つオ
レフィン類重合用固体触媒成分およびこれを用いた触媒
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オレフィン類の重合においては、
マグネシウム、チタン、電子供与性化合物及びハロゲン
を必須成分として含有する固体触媒成分が知られてい
る。また該固体触媒成分、有機アルミニウム化合物及び
有機ケイ素化合物から成るオレフィン類重合用触媒の存
在下に、プロピレンなどのオレフィンを重合もしくは共
重合させるオレフィン類の重合方法が数多く提案されて
いる。例えば、特開昭57−63310号公報および特
開昭57−63311号公報には、マグネシウム化合
物、チタン化合物およびフタル酸ジエステルをはじめと
するジエステル化合物の電子供与体を含有する固体触媒
成分と有機アルミニウム化合物およびSi−O−C結合
を有する有機ケイ素化合物との組み合わせから成る触媒
を用いて、炭素数3以上のオレフィン類を重合させる方
法が開示されている。
【0003】また、特開平1−6006号公報には、ア
ルコキシマグネシウム、四塩化チタン、フタル酸ジブチ
ルを含むオレフィン類重合用固体触媒成分が開示されて
おり、この固体触媒成分の存在下にプロピレンを重合す
ることによって、立体規則性重合体が高収率で得られて
おり、ある程度効果を上げている。
【0004】そこで、近年のオレフィン重合体のコスト
低減要求、プロセス改善、また共重合体のような高機能
を有する重合体を効率よく製造するために、さらに触媒
の高活性化が強く望まれており、この要求を満足するに
は必ずしも十分ではなく、より一層の改良が望まれてい
る。
【0005】ところで、上記のような触媒を用いて得ら
れるポリマーは、自動車あるいは家電製品等の成型品の
他、容器やフィルム等種々の用途に利用されている。こ
れらは、重合により生成したポリマーパウダーを溶融
し、各種の成型機により成型されるが、特に射出成型等
でかつ大型の成型品を製造する際に、溶融ポリマーの流
動性(メルトフローレイト)が高いことが要求される場
合があり、そのためポリマーのメルトフローレイトを上
げるべく多くの研究が為されている。
【0006】メルトフローレイトは、ポリマーの分子量
に大きく依存する。当業界においてはオレフィン類の重
合に際し、生成ポリマーの分子量調節剤として水素を添
加することが一般的に行なわれている。このとき低分子
量のポリマーを製造する場合、すなわち高メルトフロー
レイトのポリマーを製造するためには通常多くの水素を
添加するが、リアクターの耐圧にはその安全性から限度
があり、添加し得る水素量にも制限がある。より多くの
水素を添加するためには重合するモノマーの分圧を下げ
ざるを得ず、この場合重合体の生産性が低下することに
なる。また、水素を多量に用いることからコストの面の
問題も生じる。従って、より少ない水素量で高メルトフ
ローレイトのポリマーが製造できるような、いわゆる対
水素活性あるいは対水素レスポンス能が高くかつ高立体
規則性ポリマーを高収率で得られる触媒の開発が望まれ
ていたが、上記従来の技術では係る課題を解決するには
充分ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、かかる従来技術に残された問題点を解決し、オレフ
ィン類重合体を極めて高い収率で得ることができ、特に
はプロピレン重合体を高い立体規則性を維持しながら極
めて高い収率で得ることができ、しかも高対水素レスポ
ンス能を持つオレフィン類重合用固体触媒成分および触
媒を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術に残された課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結
果、マグネシウム化合物、四塩化チタン、特定のフタル
酸ジエステル又は水酸基含有炭化水素からなる固体触媒
成分が、オレフィン類の重合に供したときに極めて高い
活性を示し、特にプロピレンの重合に供したとき、高い
立体規則性を維持しながら極めて高い活性を示し、さら
に高対水素レスポンス能を持つことを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、(a)マグネシウム化
合物、(b)四塩化チタン、(c)下記一般式(1):
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基
又はハロゲン原子を示し、R2 およびR3 は3級炭素を
有する炭素数4〜8のアルキル基を示し、R2 とR3
同一であっても異なってもよく、また、置換基R1 の置
換数nは0、1又は2であり、nが2のとき、R1 は同
一であっても異なってもよい。)で表されるフタル酸ジ
エステル又はその誘導体、および(d)水酸基含有炭化
水素から形成されることを特徴とするオレフィン類重合
用固体触媒成分を提供するものである。
【0012】また、本発明は、(A)前記オレフィン類
重合用固体触媒成分、(B)下記一般式(2); R4 p AlQ3-p (2) (式中、R4は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Q は水
素原子又はハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の整数
である。)で表される有機アルミニウム化合物、および
(C)下記一般式(3); R5 q Si(OR6)4-q (3) (式中、R5は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアル
キル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、又はアラル
キル基を示し、同一または異なっていてもよく、R6は炭
素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル
基、ビニル基、アリル基、又はアラルキル基を示し、同
一または異なっていてもよく、qは0≦q≦3の整数で
ある。)で表される有機ケイ素化合物を含有することを
特徴とするオレフィン類重合用触媒を提供するものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のオレフィン類重合用固体
触媒成分(A)の調製に用いられるマグネシウム化合物
(以下単に「成分(a)」ということがある。)として
は、ジハロゲン化マグネシウム、ジアルキルマグネシウ
ム、ハロゲン化アルキルマグネシウム、ジアルコキシマ
グネシウム、ジアリールオキシマグネシウム、ハロゲン
化アルコキシマグネシウムあるいは脂肪酸マグネシウム
等が挙げられる。
【0014】ジハロゲン化マグネシウムの具体例として
は、二塩化マグネシウム、二臭化マグネシウム、二沃化
マグネシウム、二フッ化マグネシウム等が挙げられる。
【0015】ジアルキルマグネシウムとしては、一般式
R7R8Mg(式中、R7及びR8は炭素数1〜10のアルキル基
を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)で表さ
れる化合物が好ましく、より具体的には、ジメチルマグ
ネシウム、ジエチルマグネシウム、メチルエチルマグネ
シウム、ジプロピルマグネシウム、メチルプロピルマグ
ネシウム、エチルプロピルマグネシウム、ジブチルマグ
ネシウム、メチルブチルマグネシウム、エチルブチルマ
グネシウム等が挙げられる。これらのジアルキルマグネ
シウムは、金属マグネシウムをハロゲン化炭化水素ある
いはアルコールと反応させて得ることができる。
【0016】ハロゲン化アルキルマグネシウムとして
は、一般式R9MgD1(式中、R9は炭素数1〜10のアルキ
ル基を示し、D1はハロゲン原子を示す。)で表される化
合物が好ましく、より具体的には、エチル塩化マグネシ
ウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化マグネシ
ウム等が挙げられる。これらのハロゲン化マグネシウム
は、金属マグネシウムをハロゲン化炭化水素あるいはア
ルコールと反応させて得ることができる。
【0017】ジアルコキシマグネシウムまたはジアリー
ルオキシマグネシウムとしては、一般式Mg(OR10)(OR11)
(式中、R10 及びR11 は炭素数1〜10のアルキル基、
またはアリール基を示し、互いに同一でも異なっていて
もよい。)で表される化合物が好ましく、より具体的に
は、ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウ
ム、ジプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウ
ム、ジフェノキシマグネシウム、エトキシメトキシマグ
ネシウム、エトキシプロポキシマグネシウム、ブトキシ
エトキシマグネシウム等が挙げられる。これらのジアル
コキシマグネシウムまたはジアリールオキシマグネシウ
ムは、金属マグネシウムをハロゲンあるいはハロゲン含
有金属化合物等の存在下にアルコールと反応させて得る
ことができる。
【0018】ハロゲン化アルコキシマグネシウムとして
は、一般式Mg(OR12)D2(式中、R12は炭素数1〜10の
アルキル基、D2はハロゲン原子を示す。)で表される化
合物が好ましく、より具体的には、メトキシ塩化マグネ
シウム、エトキシ塩化マグネシウム、プロポキシ塩化マ
グネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム等が挙げられ
る。
【0019】脂肪酸マグネシウムとしては、一般式Mg(R
13COO)2 (式中、R13 は炭素数1〜20の炭化水素基を
示す。)で表される化合物が好ましく、より具体的に
は、ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、オクタン酸マグネシウム及びデカン酸マグネシウム
等が挙げられる。
【0020】本発明におけるこれらマグネシウム化合物
の中で、ジアルコキシマグネシウムが好ましく、その中
でも特にジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネ
シウムが好ましく用いられる。また、上記のマグネシウ
ム化合物は、単独あるいは2種以上併用することもでき
る。
【0021】本発明において成分(a)としてジアルコ
キシマグネシウムを用いる場合、ジアルコキシマグネシ
ウムは顆粒状又は粉末状であり、その形状は不定形ある
いは球状のものが使用し得る。例えば球状のジアルコキ
シマグネシウムを使用した場合、より良好な粒子形状と
狭い粒度分布を有する重合体粉末が得られ、重合操作時
の生成重合体粉末の取扱い操作性が向上し、生成重合体
粉末に含まれる微粉に起因する閉塞等の問題が解消され
る。
【0022】上記の球状ジアルコキシマグネシウムは、
必ずしも真球状である必要はなく、楕円形状あるいは馬
鈴薯形状のものが用いられる。具体的にその粒子の形状
は、長軸径lと短軸径wとの比(l/w)が通常3以下
であり、好ましくは1から2であり、より好ましくは1
から1.5である。このような球状ジアルコキシマグネ
シウムの製造方法は、例えば特開昭58−41832号
公報、同62−51633号公報、特開平3−7434
1号公報、同4−368391号公報、同8−7338
8号公報などに例示されている。
【0023】また、上記ジアルコキシマグネシウムの平
均粒径は、通常1から200μm、好ましくは5から1
50μmである。球状のジアルコキシマグネシウムの場
合、その平均粒径は通常1から100μm、好ましくは
5から50μmであり、更に好ましくは10から40μ
mである。また、その粒度については、微粉及び粗粉の
少ない、粒度分布の狭いものを使用することが望まし
い。具体的には、5μm以下の粒子が20%以下であ
り、好ましくは10%以下である。一方、100μm以
上の粒子が10%以下であり、好ましくは5%以下であ
る。更にその粒度分布をln(D90/D10)(ここ
で、D90は積算粒度で90%における粒径、D10は
積算粒度で10%における粒径である。)で表すと3以
下であり、好ましくは2以下である。
【0024】本発明におけるオレフィン類重合用固体触
媒成分(A)の調製に四塩化チタン(以下、単に「成分
(b)」ということがある。)を用いるが、四塩化チタ
ン以外のハロゲン化チタン化合物もこれと併用すること
ができる。四塩化チタンと併用することができるハロゲ
ン化チタン化合物としては、一般式Ti(OR14)n Cl
4-n(式中、R14 は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
nは1≦n≦3の整数である。)で表されるアルコキシ
チタンクロライドが例示される。また、上記のハロゲン
化チタン化合物は、単独あるいは2種以上併用すること
もできる。具体的には、Ti(OCH3)Cl3 、Ti(OC2H5)Cl3
Ti(OC3H7)Cl3、Ti(O-n-C4H9)Cl3 、Ti(OCH3)2Cl2、Ti(O
C2H5)2Cl2 、Ti(OC3H7)2Cl2 、Ti(O-n-C4H9)2Cl2、Ti(O
CH3)3Cl 、Ti(OC2H5)3Cl、Ti(OC3H7)3Cl、Ti(O-n-C4H9)
3Cl 等が例示される。
【0025】本発明におけるオレフィン類重合用固体触
媒成分(A)の調製に用いられる上記一般式(1)で表
されるフタル酸ジエステル又はその誘導体において、R
1 の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t- ブ
チル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であ
り、これらのなかで好ましい基は、メチル基、臭素原
子、又はフッ素原子であり、より好ましくはメチル基で
ある。置換基R1 の置換数nは0、1又は2であり、置
換基の位置は特に制限はなく、nが1の場合、置換基は
フタル酸ジエステルのベンゼン環の3位又は4位に位置
する水素原子と置換することが好ましく、nが2の場
合、置換基はフタル酸ジエステルのベンゼン環の4位お
よび5位に位置する水素原子と置換することが好まし
い。また、本発明の一般式(1)で表されるフタル酸ジ
エステル又はその誘導体において、R2 及びR3 の具体
例としては、t−ブチル基、2,2-ジメチルプロピル
基(ネオペンチル基)、2,2-ジメチルブチル基、2,2-ジ
メチルペンチル基、2,2-ジメチルヘキシル基であり、好
ましくは2,2- ジメチルプロピル基(ネオペンチル
基)である。
【0026】本発明におけるオレフィン類重合用固体触
媒成分(A)の調製に用いられる上記一般式(1)で表
されるフタル酸ジエステル又はその誘導体の具体例とし
ては、フタル酸ジ-t- ブチル、4−メチルフタル酸ジ-t
- ブチル、4−エチルフタル酸ジ-t- ブチル、4、5-
ジメチルフタル酸ジ-t- ブチル、4- ブロモフタル酸ジ
-t- ブチル、3−フルオロフタル酸ジ-t- ブチル、フタ
ル酸ジネオペンチル、3−メチルフタル酸ジネオペンチ
ル、4−メチルフタル酸ジネオペンチル、3−エチルフ
タル酸ジネオペンチル、4−エチルフタル酸ジネオペン
チル、4,5−ジメチルフタル酸ジネオペンチル、4,
5−ジエチルフタル酸ジネオペンチル、3−フルオロフ
タル酸ジネオペンチル、4−ブロモフタル酸ジネオペン
チル、3−クロロフタル酸ジネオペンチル、4−クロロ
フタル酸ジネオペンチル、3- メチルフタル酸- t- ブ
チルネオペンチル、4- メチルフタル酸- t- ブチルネ
オペンチル、3- エチルフタル酸- t- ブチルネオペン
チル、4- エチルフタル酸- t- ブチルネオペンチル、
4,5−ジメチルフタル酸−t−ブチルジネオペンチ
ル、4,5−ジエチルフタル酸- t- ブチルネオペンチ
ル、フタル酸ビス(2,2−ジメチルブチル)、フタル
酸ビス(2,2−ジメチルペンチル)、フタル酸ビス
(2,2−ジメチルヘキシル)が挙げられる。これらの
うち、好ましい化合物は、フタル酸ジネオペンチル、4
−メチルフタル酸ジネオペンチル、4−エチルフタル酸
ジネオペンチル、4,5−ジメチルフタル酸ジネオペン
チル、4,5−ジエチルフタル酸ジネオペンチル、3−
フルオロフタル酸ジネオペンチル、3−クロロフタル酸
ジネオペンチル、4−クロロフタル酸ジネオペンチル、
4−ブロモフタル酸ジネオペンチルである。これらのフ
タル酸ジエステル又はフタル酸ジエステル誘導体は1種
でも2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0027】次いでオレフィン類重合用固体触媒成分
(A)の調製に用いられる成分(d)の水酸基含有炭化
水素としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3
〜10のシクロアルキル基、又はハロゲンで置換されて
いてもよい、フェノール、ベンゼンジオール、又はベン
ゼントリオールが好ましい。該成分(d)の化合物にお
いて、置換基である炭素数1〜10のアルキル基の好ま
しい基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
‐ブチル基であり、置換基である炭素数3〜10のシク
ロアルキル基の好ましい基としては、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基であり、置換基であるハロゲン原
子の好ましい基としては、フッ素原子、臭素原子、塩素
原子である。上記置換基の置換数としては、通常0、1
又は2であるが、0又は1が好ましい。置換基の置換数
が2の場合、それぞれの置換基は同一であっても異なっ
ていてもよい。
【0028】炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜
10のシクロアルキル基、又はハロゲンで置換されてい
てもよい、フェノールの具体例としては、フェノール、
2‐メチルフェノール、3−メチルフェノール、4‐メ
チルフェノール、2‐エチルフェノール、3−エチルフ
ェノール、4‐エチルフェノール、2‐n−プロピルフ
ェノール、2−イソプロピルフェノール、3−n‐プロ
ピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4‐n
‐プロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、
2−n‐ブチルフェノール、2−イソブチルフェノー
ル、2−t‐ブチルフェノール、3−n‐ブチルフェノ
ール、3−イソブチルフェノール、3−t‐ブチルフェ
ノール、4−n‐ブチルフェノール、4−イソブチルフ
ェノール、4−t‐ブチルフェノール、2,4−ジメチ
ルフェノール、2,4−ジエチルフェノールが挙げられ
る。また、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜1
0のシクロアルキル基、又はハロゲンで置換されていて
もよい、ベンゼンジオール、又はベンゼントリオールの
具体例としては、カテコール、ヒドロキノン、ピロガロ
ール、ヒドロキシヒドロキノン、3−メチルカテコー
ル、4- メチルカテコール、3−エチルカテコール、4
- エチルカテコール、3−n−プロピルカテコール、4
−n−プロピルカテコール、3−イソプロピルカテコー
ル、4−イソプロピルカテコール、3−n−ブチルカテ
コール、4−n−ブチルカテコール、3−イソブチルカ
テコール、4−イソブチルカテコール、3−t−ブチル
カテコール、4−t−ブチルカテコール、3−n−ペン
チルカテコール、4−n−ペンチルカテコール、3−イ
ソペンチルカテコール、4−イソペンチルカテコール、
3−ネオペンチルカテコール、4−ネオペンチルカテコ
ール、4,5ジ−t−ブチルカテコール、4‐メチルピ
ロガロール、5‐メチルピロガロール、4‐エチルピロ
ガロール、5‐エチルピロガロール、4‐n−プロピル
ピロガロール、5‐n−プロピルピロガロール、4‐イ
ソプロピルピロガロール、5‐イソプロピルピロガロー
ル、4‐n−ブチルピロガロール、5‐n−ブチルピロ
ガロール、4‐イソブチルピロガロール、5‐イソブチ
ルピロガロール、4‐t−ブチルピロガロール、5‐t
−ブチルピロガロール、4‐n−ペンチルピロガロー
ル、5‐n−ペンチルピロガロール、4‐イソペンチル
ピロガロール、5‐イソペンチルピロガロール、4‐ネ
オペンチルピロガロール、5‐ネオペンチルピロガロー
ル、3−メチルヒドロキシヒドロキノン、5−メチルヒ
ドロキシヒドロキノン、6−メチルヒドロキシヒドロキ
ノン、3−フルオロカテコール、4−フルオロカテコー
ル、3−クロロカテコール、4−クロロカテコール、3
−ブロモカテコール、4−ブロモカテコール、3−ヨー
ドカテコール、4−ヨードカテコール、4‐フルオロピ
ロガロール、5‐フルオロピロガロール、4‐クロロピ
ロガロール、5‐クロロピロガロール、4‐ブロモピロ
ガロール、5‐ブロモピロガロール、4‐ヨードピロガ
ロール、5‐ヨードピロガロール、4−シクロペンチル
カテコール、4−シクロヘキシルカテコールなどが挙げ
られる。これらのうち、成分(d)の水酸基含有炭化水
素の好ましいものとしては、フェノール、3−メチルフ
ェノール、4‐メチルフェノール、3−エチルフェノー
ル、4‐エチルフェノール、4‐n‐プロピルフェノー
ル、4−イソプロピルフェノール、4−n‐ブチルフェ
ノール、4−イソブチルフェノール、4−t‐ブチルフ
ェノール、カテコール、ピロガロール、3−メチルカテ
コール、4−メチルカテコール、3−エチルカテコー
ル、4−エチルカテコール、3−t−ブチルカテコー
ル、4−t−ブチルカテコール、4,5−ジ−t−ブチ
ルカテコール、3−フルオロカテコール、4‐フルオロ
カテコール、3−クロロカテコール、4‐クロロカテコ
ール、3−ブロモカテコール、4‐ブロモカテコール、
4−シクロペンチルカテコール、4−シクロヘキシルカ
テコール、3,5−ジ−t−ブチルカテコールが挙げら
れ、特に好ましい水酸基含有炭化水素としては、カテコ
ール、又は4,5−ジ−t−ブチルカテコールをあげる
ことができる。これらの水酸基含有炭化水素は1種でも
2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0029】本発明におけるオレフィン類重合用固体触
媒成分(A)の調製においては、上記必須の成分の他、
更に、アルミニウムトリクロライド、ジエトキシアルミ
ニウムクロライド、ジイソプロポキシアルミニウムクロ
ライド、エトキシアルミニウムジクロライド、イソプロ
ポキシアルミニウムジクロライド、ブトキシアルミニウ
ムジクロライド、トリエトキシアルミニウム等のアルミ
ニウム化合物またはステアリン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム等の有機
酸の金属塩または常温で液状あるいは粘稠状の鎖状、部
分水素化、環状あるいは変性ポリシロキサン等のポリシ
ロキサンを使用することができる。鎖状ポリシロキサン
としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサンが、部分水素化ポリシロキサンとしては、
水素化率10〜80%のメチルハイドロジェンポリシロ
キサンが、環状ポリシロキサンとしては、ヘキサメチル
シクロペンタンシロキサン、2,4,6−トリメチルシ
クロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシ
クロテトラシロキサンが、また、変性ポリシロキサンと
しては、高級脂肪酸基置換ジメチルシロキサン、エポキ
シ基置換ジメチルシロキサン、ポリオキシアルキレン基
置換ジメチルシロキサンが例示される。
【0030】前記オレフィン類重合用固体触媒成分
(A)は、上述したような成分(a)、成分(b)、成
分(c)および成分(d) を接触させることにより調製す
ることができ、この接触は、不活性有機溶媒の不存在下
で処理することも可能であるが、操作の容易性を考慮す
ると、該溶媒の存在下で処理することが好ましい。用い
られる不活性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、
シクロヘキサン等の飽和炭化水素化合物、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素
化合物、オルトジクロルベンゼン、塩化メチレン、四塩
化炭素、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素化合物
等が挙げられるが、このうち、沸点が90〜150℃程
度の、常温で液体の芳香族炭化水素化合物、具体的には
トルエン、キシレン、エチルベンゼンが好ましく用いら
れる。
【0031】また、オレフィン類重合用固体触媒成分
(A)を調製する方法としては、上記の成分(a)のマ
グネシウム化合物を、アルコール又はチタン化合物等に
溶解させ、それと成分(b)あるいは成分(b)および
成分(c)との接触あるいは加熱処理などにより固体物
を析出させ、さらに成分(b)およびあらかじめ成分
(b)と接触させた成分(d)を接触させ固体成分を得
る方法、成分(a)を成分(b)又は不活性炭化水素溶
媒等に懸濁させ、更に成分(c)あるいは成分(c)と
成分(b)を接触し、さらに成分(b)と接触させた成
分(d)を接触させ、オレフィン類重合用固体触媒成分
(A)を得る方法等が挙げられる。
【0032】このうち、前者の方法で得られた固体触媒
成分の粒子はほぼ球状に近く、粒度分布もシャープであ
る。また、後者の方法においても、球状のマグネシウム
化合物を用いることにより、球状でかつ粒度分布のシャ
ープな固体触媒成分を得ることができ、また球状のマグ
ネシウム化合物を用いなくとも、例えば噴霧装置を用い
て溶液あるいは懸濁液を噴霧・乾燥させる、いわゆるス
プレードライ法により粒子を形成させることにより、同
様に球状でかつ粒度分布のシャープな固体触媒成分を得
ることもできる。
【0033】各成分の接触は、不活性ガス雰囲気下、水
分等を除去した状況下で、撹拌機を具備した容器中で、
撹拌しながら行われる。接触温度は、単に接触させて撹
拌混合する場合や、分散あるいは懸濁させて変性処理す
る場合には、室温付近の比較的低温域であっても差し支
えないが、接触後に反応させて生成物を得る場合には、
40〜130℃の温度域が好ましい。反応時の温度が4
0℃未満の場合は充分に反応が進行せず、結果として調
製された固体触媒成分の性能が不充分となり、130℃
を超えると使用した溶媒の蒸発が顕著になるなどして、
反応の制御が困難になる。なお、反応時間は1分以上、
好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上であ
る。
【0034】本発明において、オレフィン類重合用固体
触媒成分(A)を調製する際、成分(a)〜(d)の接
触順序は任意であるが、特に成分(d)は、予め成分
(b)と接触させた後、成分(a)および/または成分
(c)と接触させることが、固体触媒成分の活性を向上
させるうえで好ましい。ここで、成分(d)をあらかじ
め成分(b)と接触させる際、水酸基含有炭化水素と四
塩化チタンとの錯化合物を形成させた後、成分(a)お
よび/または成分(c)と接触させることも好ましい態
様の一つである。さらには、成分(b)または成分
(b)と成分(d)の混合物を、上記成分(a)〜
(d)を接触させて得られた固体成分に2回以上、好ま
しくは2〜8回繰り返し接触させることも、固体触媒成
分の活性を向上させるうえで好ましい態様である。
【0035】以下に、オレフィン類重合用固体触媒成分
(A)の調製方法を例示する。 (1)塩化マグネシウム(a)をテトラアルコキシチタ
ンに溶解させた後、ポリシロキサンを接触させて固体生
成物を得、該固体生成物と四塩化チタン(b)を反応さ
せ、次いで成分(c)を接触反応させ、更に四塩化チタ
ン(b)およびあらかじめ四塩化チタン(b)と接触さ
せた成分(d)を接触させてオレフィン類重合用固体触
媒成分(A)を調製する方法。なおこの際、オレフィン
類重合用固体触媒成分(A)に対し、有機アルミニウム
化合物、有機ケイ素化合物及びオレフィンで予備的に重
合処理することもできる。
【0036】(2)無水塩化マグネシウム及び2−エチ
ルヘキシルアルコールを反応させて均一溶液(a)とし
た後、該均一溶液に無水フタル酸を接触させ、次いでこ
の溶液に、四塩化チタン(b)及び成分(c)を接触反
応させて固体生成物を得、該固体生成物に更に四塩化チ
タン(b)およびあらかじめ四塩化チタン(b)と接触
させた成分(d)を接触させてオレフィン類重合用固体
触媒成分(A)を調製する方法。
【0037】(3)金属マグネシウム、ブチルクロライ
ド及びジブチルエーテルを反応させることによって有機
マグネシウム化合物(a)を合成し、該有機マグネシウ
ム化合物に、テトラブトキシチタン及びテトラエトキシ
チタンを接触反応させて固体生成物を得、該固体生成物
に成分(c)、ジブチルエーテル及び四塩化チタン
(b)を接触反応させ、さらにあらかじめ四塩化チタン
(b)と接触させた成分(d)を接触させてオレフィン
類重合用固体触媒成分(A)を調製する方法。なおこの
際、該固体成分に対し、有機アルミニウム化合物、有機
ケイ素化合物及びオレフィンで予備的に重合処理するこ
とによって、オレフィン類重合用固体触媒成分(A)を
調製することもできる。
【0038】(4)ジブチルマグネシウム等の有機マグ
ネシウム化合物と、有機アルミニウム化合物を、炭化水
素溶媒の存在下、例えばブタノール、2−エチルヘキシ
ルアルコール等のアルコールと接触反応させて均一溶液
(a)とし、この溶液に、例えば SiCl4 、HSiCl3、ポ
リシロキサン等のケイ素化合物を接触させて固体生成物
を得、次いで芳香族炭化水素溶媒の存在下で該固体生成
物に、四塩化チタン(b)及び成分(c)を接触反応さ
せた後、更に四塩化チタン(b)およびあらかじめ四塩
化チタン(b)と接触させた成分(d)を接触させてオ
レフィン類重合用固体触媒成分(A)を得る方法。
【0039】(5)塩化マグネシウム、テトラアルコキ
シチタン及び脂肪族アルコールを、脂肪族炭化水素化合
物の存在下で接触反応させて均質溶液(a)とし、その
溶液に四塩化チタン(b)を加えた後昇温して固体生成
物を析出させ、該固体生成物に成分(c)を接触させ、
更に四塩化チタン(b)およびあらかじめ四塩化チタン
(b)と接触させた成分(d)と反応させてオレフィン
類重合用固体触媒成分(A)を得る方法。
【0040】(6)金属マグネシウム粉末、アルキルモ
ノハロゲン化合物及びヨウ素を接触反応させ、その後テ
トラアルコキシチタン、酸ハロゲン化物、及び脂肪族ア
ルコールを、脂肪族炭化水素の存在下で接触反応させて
均質溶液(a)とし、その溶液に四塩化チタン(b)を
加えた後昇温し、固体生成物を析出させ、該固体生成物
に成分(c)を接触させ、更に四塩化チタン(b)およ
びあらかじめ四塩化チタン(b)と接触させた成分
(d)と反応させてオレフィン類重合用固体触媒成分
(A)を調製する方法。
【0041】(7)ジエトキシマグネシウム(a)をア
ルキルベンゼンまたはハロゲン化炭化水素溶媒中に懸濁
させた後、四塩化チタン(b)と接触させ、その後昇温
して成分(c)と接触させて固体生成物を得、該固体生
成物をアルキルベンゼンで洗浄した後、アルキルベンゼ
ンの存在下、再度四塩化チタン(b)およびあらかじめ
四塩化チタン(b)と接触させた成分(d)と接触させ
てオレフィン類重合用固体触媒成分(A)を調製する方
法。なおこの際、該固体成分を、炭化水素溶媒の存在下
又は不存在下で加熱処理してオレフィン類重合用固体触
媒成分(A)を得ることもできる。
【0042】(8)ジエトキシマグネシウム(a)をア
ルキルベンゼン中に懸濁させた後、四塩化チタン(b)
及び成分(c)と接触反応させて固体生成物を得、該固
体生成物をアルキルベンゼンで洗浄した後、アルキルベ
ンゼンの存在下、再度四塩化チタン(b)およびあらか
じめ四塩化チタン(b)と接触させた成分(d)と接触
させてオレフィン類重合用固体触媒成分(A)を得る方
法。なおこの際、該固体成分と四塩化チタン(b)とを
2回以上接触させてオレフィン類重合用固体触媒成分
(A)を得ることもできる。
【0043】(9)ジエトキシマグネシウム(a)、塩
化カルシウム及びSi(OR154 (式中、R15 はアルキル
基又はアリール基を示す。)で表されるケイ素化合物を
共粉砕し、得られた粉砕固体物を芳香族炭化水素に懸濁
させた後、四塩化チタン(b)及び成分(c)と接触反
応させ、次いで更に四塩化チタン(b)およびあらかじ
め四塩化チタン(b)と接触させた成分(d)を接触さ
せることによりオレフィン類重合用固体触媒成分(A)
を調製する方法。
【0044】(10)ジエトキシマグネシウム(a)及
び成分(c)をアルキルベンゼン中に懸濁させ、その懸
濁液を四塩化チタン(b)中に添加し、反応させて固体
生成物を得、該固体生成物をアルキルベンゼンで洗浄し
た後、アルキルベンゼンの存在下、再度四塩化チタン
(b)およびあらかじめ四塩化チタン(b)と接触させ
た成分(d)を接触させてオレフィン類重合用固体触媒
成分(A)を得る方法。
【0045】(11)ハロゲン化カルシウム及びステア
リン酸マグネシウムのような脂肪族マグネシウム(a)
を、四塩化チタン(b)及び成分(c)と接触反応さ
せ、その後更に四塩化チタン(b)およびあらかじめ四
塩化チタン(b)と接触させた成分(d)と接触させる
ことによりオレフィン類重合用固体触媒成分(A)を調
製する方法。
【0046】(12)ジエトキシマグネシウム(a)を
アルキルベンゼンまたはハロゲン化炭化水素溶媒中に懸
濁させた後、四塩化チタン(b)と接触させ、その後昇
温して成分(c)と接触反応させて固体生成物を得、該
固体生成物をアルキルベンゼンで洗浄した後、アルキル
ベンゼンの存在下、再度四塩化チタン(b)およびあら
かじめ四塩化チタン(b)と接触させた成分(d)と接
触させてオレフィン類重合用固体触媒成分(A)を調製
する方法であって、上記懸濁・接触並びに接触反応のい
ずれかの段階において、塩化アルミニウムを接触させて
オレフィン類重合用固体触媒成分(A)を調製する方
法。
【0047】(13)ジエトキシマグネシウム、2−エ
チルヘキシルアルコール及び二酸化炭素を、トルエンの
存在下で接触反応させて均一溶液(a)とし、この溶液
に四塩化チタン(b)及び成分(c)を接触反応させて
固体生成物を得、更にこの固体生成物をテトラヒドロフ
ランに溶解させ、その後更に固体生成物を析出させ、こ
の固体生成物に四塩化チタン(b)およびあらかじめ四
塩化チタン(b)と接触させた成分(d)を接触反応さ
せ、場合により四塩化チタン(b)との接触反応を繰り
返し行い、オレフィン類重合用固体触媒成分(A)を調
製する方法。なおこの際、上記接触・接触反応・溶解の
いずれかの段階において、例えばテトラブトキシシラン
等のケイ素化合物を使用することもできる。
【0048】(14)塩化マグネシウム(a)、有機エ
ポキシ化合物及びリン酸化合物をトルエンの如き炭化水
素溶媒中に懸濁させた後、加熱して均一溶液とし、この
溶液に、無水フタル酸及び四塩化チタン(b)を接触反
応させて固体生成物を得、該固体生成物に成分(c)を
接触させて反応させ、得られた反応生成物をアルキルベ
ンゼンで洗浄した後、アルキルベンゼンの存在下、再度
四塩化チタン(b)およびあらかじめ四塩化チタン
(b)と接触させた成分(d)を接触させることにより
オレフィン類重合用固体触媒成分(A)を得る方法。
【0049】(15)ジアルコキシマグネシウム
(a)、チタン化合物及び成分(c)をトルエンの存在
下に接触反応させ、得られた反応生成物にポリシロキサ
ン等のケイ素化合物を接触反応させ、更に四塩化チタン
(b)およびあらかじめ四塩化チタン(b)と接触させ
た成分(d)を接触反応させ、次いで有機酸の金属塩を
接触反応させた後、再度四塩化チタン(b)を接触させ
ることによりオレフィン類重合用固体触媒成分(A)を
得る方法。
【0050】また、本発明で用いられるオレフィン類重
合用固体触媒成分(A)の好ましい調製方法としては、
以下のような方法が挙げられる:例えば、成分(a)と
してジアルコキシマグネシウムを常温で液体の芳香族炭
化水素化合物に懸濁させることによって懸濁液を形成
し、次いでこの懸濁液に成分(b)の四塩化チタンを−
20〜100℃、好ましくは−10〜70℃、より好ま
しくは0〜30℃で接触し、40〜130℃、より好ま
しくは70〜120℃で反応させる。この際、上記の懸
濁液に四塩化チタンを接触させる前又は接触した後に、
成分(c)として4 −メチルフタル酸ジ- ネオペンチル
を、−20〜130℃で接触させ、固体反応生成物を得
る。この固体反応生成物を常温で液体の芳香族炭化水素
化合物で洗浄した後、四塩化チタンと成分(d)として
カテコールなどの水酸基含有炭化水素の混合物を、芳香
族炭化水素化合物の存在下に、40〜130℃、より好
ましくは70〜120℃で1回以上12回以下接触反応
させ、更に常温で液体の炭化水素化合物で洗浄しオレフ
ィン類重合用固体触媒成分(A)を得る。
【0051】各化合物の使用量比は、調製法により異な
るため一概には規定できないが、例えば成分(a)1モ
ル当たり、成分(b)が0.5〜100モル、好ましく
は0.5〜50モル、より好ましくは1〜10モルであ
り、成分(c)が0.01〜10モル、好ましくは0.
01〜1モル、より好ましくは0.02〜0.6モルで
あり、成分( d) が0.0005〜1モル、好ましくは
0.0005〜0.5モル、より好ましくは0.001
〜0.1モルである。また、成分(d)をあらかじめ成
分(b)に接触させて用いる際、成分(b)の使用量
は、成分(b)1モルに対し、0.00002〜0.0
5モル、好ましくは0.0001〜0.01モルであ
る。
【0052】上記のように調製したオレフィン類重合用
固体触媒成分(A)は、マグネシウム、チタン、成分
(c)及びハロゲン原子を含有する。各成分の含有量は
特に規定されないが、好ましくはマグネシウムが10〜
30重量%、チタンが1〜5重量%、成分(c)が1〜
20重量%、ハロゲン原子が40〜70重量%である。
【0053】本発明のプロピレン重合用触媒を形成する
際に用いられる有機アルミニウム化合物(B)(以下、
「成分(B)」ということがある。)としては、下記一
般式 R4 p AlQ3-p (2) (式中、R4は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Q は水
素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の
整数である。)で表される化合物を用いることができ
る。このような有機アルミニウム化合物(B)の具体例
としては、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニ
ウムクロライド、トリイソブチルアルミニウム、ジエチ
ルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムハイ
ドライドが挙げられ、1種あるいは2種以上が使用でき
る。好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウムである。
【0054】本発明のプロピレン重合用触媒を形成する
際に用いられる有機ケイ素化合物(C)(以下、「成分
(C)」ということがある。)としては、下記一般式
(3) R5 q Si(OR6)4-q (3) (式中、R5は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアル
キル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、又はアラル
キル基を示し、同一または異なっていてもよく、R6は炭
素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル
基、ビニル基、アリル基、又はアラルキル基を示し、同
一または異なっていてもよく、qは0≦q≦3の整数で
ある。)で表される化合物が用いられる。このような有
機ケイ素化合物としては、フェニルアルコキシシラン、
アルキルアルコキシシラン、フェニルアルキルアルコキ
シシラン、シクロアルキルアルコキシシラン、シクロア
ルキルアルキルアルコキシシラン等を挙げることができ
る。
【0055】上記の有機ケイ素化合物を具体的に例示す
ると、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシ
シラン、トリ−n−プロピルメトキシシラン、トリ−n
−プロピルエトキシシラン、トリ−n−ブチルメトキシ
シラン、トリイソブチルメトキシシラン、トリ−t−ブ
チルメトキシシラン、トリ−n−ブチルエトキシシラ
ン、トリシクロヘキシルメトキシシラン、トリシクロヘ
キシルエトキシシラン、シクロヘキシルジメチルメトキ
シシラン、シクロヘキシルジエチルメトキシシラン、シ
クロヘキシルジエチルエトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ−n−プロ
ピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラ
ン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピ
ルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラ
ン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジ
メトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、n
−ブチルメチルジメトキシシラン、ビス(2 −エチルヘ
キシル)ジメトキシシラン、ビス(2 −エチルヘキシ
ル)ジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシ
ラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロヘ
キシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシ
シラン、ビス(3 −メチルシクロヘキシル)ジメトキシ
シラン、ビス(4 −メチルシクロヘキシル)ジメトキシ
シラン、ビス(3,5−ジメチルシクロヘキシル)ジメト
キシシラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシ
シラン、シクロヘキシルシクロペンチルジエトキシシラ
ン、シクロヘキシルシクロペンチルジプロポキシシラ
ン、3 −メチルシクロヘキシルシクロペンチルジメトキ
シシラン、4 −メチルシクロヘキシルシクロペンチルジ
メトキシシラン、3,5 −ジメチルシクロヘキシルシクロ
ペンチルジメトキシシラン、3 −メチルシクロヘキシル
シクロヘキシルジメトキシシラン、4 −メチルシクロヘ
キシルシクロヘキシルジメトキシシラン、3,5 −ジメチ
ルシクロヘキシルシクロヘキシルジメトキシシラン、シ
クロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチル
メチルジエトキシシラン、シクロペンチルエチルジエト
キシシラン、シクロペンチル(イソプロピル)ジメトキ
シシラン、シクロペンチル(イソブチル)ジメトキシシ
ラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロ
ヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチ
ルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシ
シラン、シクロヘキシル(n−プロピル)ジメトキシシ
ラン、シクロヘキシル(イソプロピル)ジメトキシシラ
ン、シクロヘキシル(n−プロピル)ジエトキシシラ
ン、シクロヘキシル(イソブチル)ジメトキシシラン、
シクロヘキシル(n−ブチル)ジエトキシシラン、シク
ロヘキシル(n−ペンチル)ジメトキシシラン、シクロ
ヘキシル(n−ペンチル)ジエトキシシラン、ジフェニ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フ
ェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエト
キシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニ
ルエチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメ
トキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−
プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキ
シシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチル
トリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、
n−ブチルトリエトキシシラン、2-エチルヘキシルトリ
メトキシシラン、2-エチルヘキシルトリエトキシシラ
ン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチ
ルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシ
ラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプ
ロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を挙げること
ができる。上記の中でも、ジ−n−プロピルジメトキシ
シラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ−n−ブ
チルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラ
ン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチル
ジエトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、ジ
シクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジ
エトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラ
ン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘ
キシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチル
ジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラ
ン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、シクロペンチ
ルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジエ
トキシシラン、シクロペンチルエチルジエトキシシラ
ン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、
シクロヘキシルシクロペンチルジエトキシシラン、3−
メチルシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラ
ン、4−メチルシクロヘキシルシクロペンチルジメトキ
シシラン、3,5−ジメチルシクロヘキシルシクロペン
チルジメトキシシランが好ましく用いられ、該有機ケイ
素化合物(C)は1種あるいは2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0056】次に本発明のオレフィン類重合用触媒は、
前記したオレフィン類重合用固体触媒成分(A)、成分
(B)、および成分(C)より成り、該触媒の存在下に
オレフィン類の重合もしくは共重合を行う。オレフィン
類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−
ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘ
キサン等であり、これらのオレフィン類は1種あるいは
2種以上併用することができる。とりわけ、エチレン、
プロピレン及び1−ブテンが好適に用いられる。特に好
ましくはプロピレンである。プロピレンの重合の場合、
他のオレフィン類との共重合を行うこともできる。共重
合されるオレフィン類としては、エチレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニル
シクロヘキサン等であり、これらのオレフィン類は1種
あるいは2種以上併用することができる。とりわけ、エ
チレン及び1−ブテンが好適に用いられる。
【0057】各成分の使用量比は、本発明の効果に影響
を及ぼすことのない限り任意であり、特に限定されるも
のではないが、通常成分(B)はオレフィン類重合用固
体触媒成分(A)中のチタン原子1モル当たり、1〜2
000モル、好ましくは50〜1000モルの範囲で用
いられる。成分(C)は、成分(B)1モル当たり、
0.002〜10モル、好ましくは0.01〜2モル、
特に好ましくは0.01〜0.5モルの範囲で用いられ
る。
【0058】各成分の接触順序は任意であるが、重合系
内にまず有機アルミニウム化合物(B)を装入し、次い
で有機ケイ素化合物(C)を接触させ、更に固体触媒成
分(A)を接触させることが望ましい。
【0059】本発明における重合方法は、有機溶媒の存
在下でも不存在下でも行うことができ、またプロピレン
等のオレフィン単量体は、気体及び液体のいずれの状態
でも用いることができる。重合温度は200℃以下、好
ましくは100℃以下であり、重合圧力は10MPa以
下、好ましくは5MPa以下である。また、連続重合
法、バッチ式重合法のいずれでも可能である。更に重合
反応を1段で行ってもよいし、2段以上で行ってもよ
い。
【0060】更に、本発明においてオレフィン類重合用
固体触媒成分(A)、成分(B)、及び成分(C)より
成る触媒を用いてオレフィンを重合するにあたり(本重
合ともいう。)、触媒活性、立体規則性及び生成する重
合体の粒子性状等を一層改善させるために、本重合に先
立ち予備重合を行うことが望ましい。予備重合の際に
は、本重合と同様のオレフィン類あるいはスチレン等の
モノマーを用いることができる。
【0061】予備重合を行うに際して、各成分及びモノ
マーの接触順序は任意であるが、好ましくは、不活性ガ
ス雰囲気あるいはオレフィンガス雰囲気に設定した予備
重合系内にまず成分(B)を装入し、次いでオレフィン
類重合用固体触媒成分(A)を接触させた後、プロピレ
ン等のオレフィン及び/または1種あるいは2種以上の
他のオレフィン類を接触させる。成分(C)を組み合わ
せて予備重合を行う場合は、不活性ガス雰囲気あるいは
オレフィンガス雰囲気に設定した予備重合系内にまず成
分(B)を装入し、次いで成分(C)を接触させ、更に
固体触媒成分(A)を接触させた後、プロピレン等のオ
レフィン及び/または1種あるいはその他の2種以上の
オレフィン類を接触させる方法が望ましい。
【0062】本発明によって形成されるオレフィン類重
合用触媒の存在下で、オレフィン類の重合を行った場
合、従来の触媒を使用した場合に較べ、高い立体規則性
を維持しながら極めて高い収率でオレフィン類重合体を
得ることができる。さらに、高水素レスポンスも実現で
きる。
【0063】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比しつ
つ、具体的に説明する。 実施例1 〔固体触媒成分(A)の調製〕窒素ガスで十分に置換さ
れ、撹拌機を具備した容量500mlの丸底フラスコにジ
エトキシマグネシウム10gおよびトルエン80mlを装
入して、懸濁状態とした。次いで該懸濁溶液に四塩化チ
タン20mlを加えて、昇温し、80℃に達した時点で4
- メチルフタル酸ジネオペンチル3.5gを3.5ml
のトルエンに溶解させた溶液を加え、さらに昇温して1
10℃とした。その後110℃の温度を保持した状態
で、1時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、90
℃のトルエン100mlで3回洗浄した。新たに四塩化チ
タン20mlとカテコール0.11gをトルエン80mlに
溶解した溶液を加え、110℃に昇温し、1時間撹拌し
ながら反応させた。この反応を更に2回繰り返した。反
応終了後、40℃のn−ヘプタン100mlで7回洗浄し
て、固体触媒成分を得た。なお、この固体触媒成分中の
固液を分離して、固体分中のチタン含有率を測定したと
ころ、3.7重量%であった。
【0064】〔重合触媒の形成および重合〕窒素ガスで
完全に置換された内容積2.0リットルの撹拌機付オー
トクレーブに、トリエチルアルミニウム1.98mmol、
シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン0.1
3mmolおよび前記固体触媒成分をチタン原子として0.
0026mmol装入し、重合用触媒を形成した。その後、
水素ガス2.0リットル、液化プロピレン1.4リット
ルを装入し、20℃で5分間予備重合を行なった後に昇
温し、70℃で1時間重合反応を行った。固体触媒成分
1g当たりの重合活性は107,300g-PP/g-catであ
った。重合体(a)のメルトインデックスの値(MI)(
測定方法は、ASTM D1238、JIS k 7210に準ずる) は22
g/10分であった。なお、ここで使用した固体触媒成
分当たりの重合活性は次式により算出した。重合活性=
(a)247.8(g)/固体触媒成分0.00231
(g) またこの重合体を沸騰n−ヘプタンで6時間抽出したと
きのn−ヘプタンに不溶解の重合体(b)は240.0
gであり、重合体中の沸騰n−ヘプタン不溶分の割合は
96.9重量%となった。固体触媒成分1g当たりの重
合活性、ヘプタン不溶分(HI)、メルトインデックス(
MI) を表1に再掲する。
【0065】実施例2 窒素ガスで十分に置換され、撹拌機を具備した容量50
0mlの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム10gお
よびトルエン80mlを装入して、懸濁状態とした。次い
で該懸濁溶液に四塩化チタン20mlを加えて、昇温し、
80℃に達した時点で、フタル酸ジネオペンチル3.4
gを10.2mlのトルエンに溶解させた溶液を加え、
さらに昇温して110℃とした。その後110℃の温度
を保持した状態で、1時間撹拌しながら反応させた。反
応終了後、90℃のトルエン100mlで3回洗浄した。
新たに四塩化チタン20mlとカテコール0.11gをト
ルエン80mlに溶解した溶液を加え、110℃に昇温
し、1時間撹拌しながら反応させた。この反応を更に4
回繰り返した。反応終了後、40℃のn−ヘプタン10
0mlで7回洗浄して、固体触媒成分を得た。なお、この
固体触媒成分中の固液を分離して、固体分中のチタン含
有率を測定したところ、3.0重量%であった。これを
用いて実施例1と同様に重合を行なった。重合結果を表
1に併載する。
【0066】実施例3 4- メチルフタル酸ジネオペンチル3.5gを3.5m
lのトルエンに溶解させた溶液のかわりに4、5‐ジメ
チルフタル酸ジネオペンチル3.6gを5.8mlのト
ルエンに溶解させた溶液を用いた以外は、実施例1と同
様に固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の形成および
重合を行った。その結果、得られた固体触媒成分中のチ
タン含有量は2.8重量%であった。重合結果を表1に
併載する。
【0067】実施例4 4- メチルフタル酸ジネオペンチル3.5gを3.5m
lのトルエンに溶解させた溶液のかわりにフタル酸-t-
ブチルネオペンチル3.2gを9.6mlのトルエンに
溶解させた溶液を用いた以外は、実施例1と同様に固体
触媒成分を調製し、更に重合触媒の形成および重合を行
った。その結果、得られた固体触媒成分中のチタン含有
量は3.8重量%であった。重合結果を表1に併載す
る。
【0068】実施例5 4- メチルフタル酸ジネオペンチル3.5gを3.5m
lのトルエンに溶解させた溶液のかわりに4−ブロモフ
タル酸ジネオペンチル4.2gを5.3mlのトルエン
に溶解させた溶液を用いた以外は、実施例1と同様に固
体触媒成分を調製し、更に重合触媒の形成および重合を
行った。その結果、得られた固体触媒成分中のチタン含
有量は3.0重量%であった。重合結果を表1に併載す
る。
【0069】実施例6 フタル酸ジネオペンチル3.4gを10.2mlのトル
エンに溶解させた溶液のかわりに3−フルオロフタル酸
ジネオペンチル3.5gを4.7mlのトルエンに溶解
させた溶液を用いた以外は、実施例2と同様に固体触媒
成分を調製し、更に重合触媒の形成および重合を行っ
た。その結果、得られた固体触媒成分中のチタン含有量
は3.2重量%であった。重合結果を表1に併載する。
【0070】実施例7 カテコール0.11gの代わりに4,5−ジ−t−ブチ
ルカテコール0.22gを用いた以外は、実施例2と同
様に実験を行った。その結果得られた固体触媒成分中の
チタン含有量は2.7重量%であった。重合結果を表1
に併載する。
【0071】比較例1 〔固体触媒成分(A)の調製〕窒素ガスで十分に置換さ
れ、撹拌機を具備した容量500mlの丸底フラスコにジ
エトキシマグネシウム10gおよびトルエン80mlを装
入して、懸濁状態とした。次いで該懸濁溶液に四塩化チ
タン20mlを加えて、昇温し、80℃に達した時点でフ
タル酸ジ-n- ブチル3.0gを加え、さらに昇温して1
10℃とした。その後110℃の温度を保持した状態
で、1時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、90
℃のトルエン100mlで3回洗浄し、新たに四塩化チタ
ン20mlおよびトルエン80mlを加え、110℃に昇温
し、1時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、40
℃のn−ヘプタン100mlで7回洗浄して、固体触媒成
分を得た。なお、この固体触媒成分中の固液を分離し
て、固体分中のチタン含有率を測定したところ、3.0
重量%であった。
【0072】〔重合触媒の形成および重合〕該固体触媒
成分を用いて実施例1の重合触媒の形成および重合を行
なった。重合結果を表1に併載する。
【0073】比較例2 フタル酸ジ-n- ブチル3.0gのかわりにフタル酸ジネ
オペンチル3.4gを用いた以外は、比較例1と同様に
触媒調製および重合を行なった。その結果固体触媒成分
中のチタン含有量は3.6重量%であった。重合結果を
表1に併載する。
【0074】参考例1 90℃のトルエン100mlで3回洗浄した後に加える、
四塩化チタン20mlおよびトルエン80mlの代わりに、
カテコール0.11gを四塩化チタン20mlおよびトル
エン80ml中に加え室温で1時間撹拌した溶液を用いた
点、及び110℃に昇温して1時間撹拌しながら反応さ
せる代わりに110℃に昇温して1時間撹拌しながら反
応させる操作を3回繰り返した点以外は、比較例1と同
様に触媒調製および重合を行なった。その結果固体触媒
成分中のチタン含有量は3.3重量%であった。重合結
果を表1に併載する。
【0075】
【表1】
【0076】以上の結果から、本発明の固体触媒成分及
び触媒を用いてオレフィン類の重合を行うことにより、
極めて高い収率でオレフィン類重合体が得られることが
わかる。また、同一量の水素を添加した際の活性が高く
なっており、対水素レスポンス能も極めて優れているこ
とが判る。
【0077】
【発明の効果】本発明のオレフィン類重合用触媒は、立
体規則性を高度に維持しながら、オレフィン類重合体を
極めて高い収率でオレフィン類重合体が得ることがで
き、かつ対水素レスポンス能が従来の比べて高い。従っ
て、汎用ポリオレフィンを、低コストで提供し得ると共
に、高機能性を有するオレフィン類の共重合体の製造に
おいて有用性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重合用触媒を調製する工程を示すフロ
ーチャート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 琢磨 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎3−3−5 東邦 チタニウム株式会社内 (72)発明者 鈴木 祐洋 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎3−3−5 東邦 チタニウム株式会社内 (72)発明者 小川 速 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎3−3−5 東邦 チタニウム株式会社内 (72)発明者 佐藤 真樹 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎3−3−5 東邦 チタニウム株式会社内 Fターム(参考) 4J028 AA01A AB01A AC02A AC05A BA00A BA01A BA02B BB01B BC04A BC05A BC06A BC14B BC15B BC16B BC27B BC32B BC34B CA15A CA16A CB25A CB35A CB36A CB44A EA01 EB01 EB02 EB03 EB04 EB05 EB07 EB08 EB10 FA01 FA02 GA12 GB02 GB07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)マグネシウム化合物、(b)四塩
    化チタン、(c)下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン
    原子を示し、R2 およびR3 は3級炭素を有する炭素数
    4〜8のアルキル基を示し、R2 とR3 は同一であって
    も異なってもよく、また、置換基R1 の置換数nは0、
    1又は2であり、nが2のとき、R1 は同一であっても
    異なってもよい。)で表されるフタル酸ジエステル又は
    その誘導体、および(d)水酸基含有炭化水素から形成
    されることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成
    分。
  2. 【請求項2】 前記マグネシウム化合物が、ジアルコキ
    シマグネシウムであることを特徴とする請求項1に記載
    のオレフィン類重合用固体触媒成分。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)中、R2 又はR3 がネ
    オペンチル基であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
  4. 【請求項4】 前記成分(c)が、フタル酸ジネオペン
    チル又はフタル酸ジネオペンチル誘導体であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィ
    ン類重合用固体触媒成分。
  5. 【請求項5】 前記水酸基含有炭化水素が、炭素数1〜
    10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル
    基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい、フェノ
    ール、ベンゼンジオール、又はベンゼントリオールであ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載
    のオレフィン類重合用固体触媒成分。
  6. 【請求項6】 (A)請求項1〜5のいずれか1項に記
    載のオレフィン類重合用固体触媒成分、(B)下記一般
    式(2); R4 p AlQ3-p (2) (式中、R4は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Q は水
    素原子又はハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の整数
    である。)で表される有機アルミニウム化合物、および
    (C)下記一般式(3); R5 q Si(OR6)4-q (3) (式中、R5は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアル
    キル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、又はアラル
    キル基を示し、同一または異なっていてもよく、R6は炭
    素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル
    基、ビニル基、アリル基、又はアラルキル基を示し、同
    一または異なっていてもよく、qは0≦q≦3の整数で
    ある。)で表される有機ケイ素化合物を含有することを
    特徴とするオレフィン類重合用触媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002105117A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Toho Titanium Co Ltd オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒

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