JP2001328972A - 新規なアミド系化合物、結晶性熱可塑性樹脂用結晶核剤および結晶性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

新規なアミド系化合物、結晶性熱可塑性樹脂用結晶核剤および結晶性熱可塑性樹脂組成物

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JP2001328972A
JP2001328972A JP2000150394A JP2000150394A JP2001328972A JP 2001328972 A JP2001328972 A JP 2001328972A JP 2000150394 A JP2000150394 A JP 2000150394A JP 2000150394 A JP2000150394 A JP 2000150394A JP 2001328972 A JP2001328972 A JP 2001328972A
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crystalline thermoplastic
thermoplastic resin
nucleating agent
acid
rosin
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JP2000150394A
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Koji Yamada
幸治 山田
Eisuke Natsuhara
英介 夏原
Takayuki Abe
孝之 安部
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性熱可塑性樹脂の結晶化速度を高め、し
かも機械的性質に優れた成形体(結晶性熱可塑性樹脂組
成物)を製造しうる結晶性熱可塑性樹脂用核剤および結
晶性熱可塑性樹脂用組成物を提供する。 【解決手段】 一般式(1):X−Y−Z−Y−X (式中、Xはロジン酸残基、Yは−CONH−または−
NHCO−、Zはナフタレン、ベンズアニリドまたはジ
フェニルスルフォンのいずれかに由来する2価の官能基
を示す)で表されるアミド系化合物;該アミド系化合物
を含有してなる結晶性熱可塑性樹脂用結晶核剤;結晶性
熱可塑性樹脂(A)100重量部に、該結晶核剤(B)
0.001〜30重量部を含有させてなる結晶性熱可塑
性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアミド系化
合物、当該アミド系化合物を含有する結晶性熱可塑性樹
脂用結晶核剤および結晶性熱可塑性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリアセタールなどの結晶性熱可塑性樹脂は、優
れた加工性、耐薬品性、電気的性質、機械的性質などを
有しているため、射出成形品、中空成形品、フィルム、
シート、繊維などに加工され各種用途に用いられてい
る。しかしながら、これらの結晶性熱可塑性樹脂は用途
によっては、剛性、耐熱剛性、透明性などが充分とはい
えない場合がある。
【0003】結晶性熱可塑性樹脂からなる成形体の剛
性、耐熱剛性、透明性を向上させるには、成形加工時に
微細な結晶を急速に生成させればよいことが知られてい
る。そのため従来から結晶性熱可塑性樹脂の結晶化速度
を速める手段として、たとえばタルクなどの結晶核剤が
用いられている。しかし、このような従来の結晶核剤
は、結晶化速度の向上効果が必ずしも充分ではなく、得
られる成形体の衝撃強度などの機械的性質や光沢などの
光学的性質が必ずしも満足するものではなかった。
【0004】上記問題点を解決するため、本願出願人ら
は特定のロジン酸金属塩からなる結晶性熱可塑性樹脂用
結晶核剤を特願平6−127478号として提案した。
この結晶核剤を配合した結晶性熱可塑性樹脂組成物は、
機械的性質や光学的性質に優れているものの、結晶性熱
可塑性樹脂組成物には、さらなる機械的性質の向上が求
められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な状況のもとになされたものであって、結晶性熱可塑性
樹脂の結晶化速度を早め、しかも機械的性質に優れた成
形体(結晶性熱可塑性樹脂組成物)を製造しうる結晶性
熱可塑性樹脂用組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、下記一般式
(1)で表される新規なアミド系化合物を、結晶性熱可
塑性樹脂の結晶核剤として使用することにより前記課題
を解決できることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、 一般式(1):X
−Y−Z−Y−X (式中、Xはロジン酸残基、Yは−CONH−または−
NHCO−、Zはナフタレン、ベンズアニリドまたはジ
フェニルスルフォンのいずれかに由来する2価の官能基
を示す)で表される新規なアミド系化合物;前記アミド
系化合物を含有してなる結晶性熱可塑性樹脂用結晶核
剤;結晶性熱可塑性樹脂(A)100重量部に、前記結
晶核剤(B)0.001〜30重量部を含有させてなる
結晶性熱可塑性樹脂組成物、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のアミド系化合物は一般式
(1):X−Y−Z−Y−X (式中、Xはロジン酸残基、Yは−CONH−または−
NHCO−、Zはナフタレン、ベンズアニリドまたはジ
フェニルスルフォンのいずれかに由来する2価の官能基
を示す)で表される新規なアミド系化合物である。
【0009】かかる一般式(1)で表されアミド系化合
物中のXであるロジン酸残基は、ロジン酸またはロジン
アミンに由来するものである。なお、ロジンアミンは、
ロジン酸のカルボキシル基をアミンに変換したものであ
る。
【0010】ロジン酸の具体例としては、たとえば、ピ
マル酸、サンダラコピマル酸、パラストリン酸、イソピ
マル酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオア
ビエチン酸、ジヒドロピマル酸、ジヒドロアビエチン
酸、テトラヒドロアビエチン酸などを例示できる。これ
らロジン酸のなかでも、デヒドロアビエチン酸、ジヒド
ロアビエチン酸またはジヒドロピマル酸から選ばれる少
なくとも1種のロジン酸が、色調の安定性や結晶性に優
れており好ましい。特にデヒドロアビエチン酸が好まし
い。
【0011】なお、前記ロジン酸は、通常、ガムロジ
ン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン中
に混合物として存在する。したがって、ロジン酸として
天然ロジン等の複数種のロジン酸からなるものを用いた
場合には、一般式(1)で表されるアミド系化合物は、
ロジン酸残基の異なる複数のアミド系化合物の混合物と
して得られる。また、ロジン酸としては、不均化ロジ
ン、水素化ロジン、脱水素化ロジンなどの各種変性ロジ
ン;前記天然ロジンの精製物、変性ロジンの精製物など
を使用することもできる。また、デヒドロアビエチン酸
は、天然ロジンを不均化または脱水素化し、次いで精製
することにより得られる。
【0012】また、一般式(1)で表されアミド系化合
物中のZは、ナフタレン、ベンズアニリド、またはジフ
ェニルスルフォンのいずれかに由来する2価の官能基を
示す。Zを構成する前駆化合物としては、ジアミノナフ
タレン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノジフェニル
スルフォンなどのジアミン、ナフタレンジカルボン酸、
ベンズアニリドジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジ
カルボン酸などのジカルボン酸、ナフタレンジイソシア
ネートなどのジイソシアネートが例示出来る。なお、当
該前駆化合物における2価の官能基の結合位置は特に制
限されない。
【0013】本発明の前記一般式(1)で表されるアミ
ド系化合物は、前記芳香族系ジアミンと、前記ロジン酸
またはその誘導体を反応させてアミド化する方法、前記
芳香族系ジイソシアネートと、前記ロジン酸またはその
誘導体を反応させてアミド化する方法、あるいは前記芳
香族系ジカルボン酸またはその誘導体と、前記ロジンア
ミンを反応させてアミド化する方法により得られる。
【0014】前記ロジン酸、前記芳香族系ジカルボン酸
の誘導体としては、各種カルボン酸エステル、カルボン
酸クロライド等があげられる。反応性がよいことからカ
ルボン酸クロライドとして反応させるのが好ましい。な
お、カルボン酸よりカルボン酸クロライドを合成する方
法としてホスゲン法と塩化チオニル法がある。例えば、
塩化チオニル法では、無水ベンゼン等の溶媒中で、カル
ボン酸と等量の塩化チオニルを添加して還流下で反応さ
せ、冷却後、水層を分離し、洗浄することで酸クロライ
ドを得る。
【0015】アミド化反応の条件は一般的なアミド化反
応の条件を採用できる。触媒としては、トリエチルアミ
ン等のアミン系触媒を使用するのが好ましい。なお、前
記ロジン酸、芳香族系ジカルボン酸を酸クロライドにし
て反応させる場合には、テトラヒドロフラン、トルエン
等の溶媒を用いて室温で反応を行う。反応後、反応液を
濃縮、洗浄して、本発明のアミド系化合物が得られる。
【0016】かくして得られたアミド系化合物は、たと
えば、結晶性熱可塑性樹脂(A)に配合される結晶核剤
(B)として使用される。
【0017】結晶性熱可塑性樹脂(A)としては、たと
えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルまたは
ポリアセタールが挙げられる。
【0018】ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリメチルペンテ
ン、ポリメチルブテンなどのオレフィン単独重合体、プ
ロピレン・エチレンランダム共重合体などのオレフィン
共重合体などを挙げることができ、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ−1−ブテンが特に好ましい。このよ
うなポリオレフィンは、単独で用いてもよく、2種以上
組み合わせて用いてもよい。
【0019】ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイ
ロン−66、ナイロン−10、ナイロン−12、ナイロ
ン−46等の脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸と
脂肪族ジアミンより製造される芳香族ポリアミドなどを
挙げることができ、ナイロン−6が特に好ましい。この
ようなポリアミドは、単独で用いてもよく、2種以上組
み合わせて用いてもよい。
【0020】ポリエステルとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレン
テレフタレートなどの芳香族系ポリエステル、ポリカプ
ロラクトン、ポリヒドロキシブチレートなどを挙げるこ
とができ、ポリエチレンテレフタレートが特に好まし
い。このようなポリエステルは、単独で用いてもよく、
2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0021】ポリアセタールとしては、ポリホルムアル
デヒド(ポリオキシメチレン)、ポリアセトアルデヒ
ド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド
などを挙げることができ、ポリホルムアルデヒドが特に
好ましい。このようなポリアセタールは、単独で用いて
もよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0022】これら結晶性熱可塑性樹脂(A)のうちで
は、ポリオレフィン、特にポリプロピレンが機械的性質
および/または光学的性質の改善効果が大きいため好ま
しい。
【0023】前記結晶性熱可塑性樹脂(A)と結晶核剤
(B)からなる結晶性熱可塑性樹脂組成物は、両者を、
押出機、ニーダーなどを用いて、結晶性熱可塑性樹脂
(A)の融点以上の温度で溶融混練することにより製造
される。
【0024】結晶核剤(B)の使用量は、通常、結晶性
熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、0.001
〜30重量部である。結晶化速度の向上が大きく、かつ
樹脂組成物(成形体)の物性に影響を与えることが少な
いことから結晶核剤(B)の使用量は、好ましくは0.
005重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上
である。同様の理由から結晶核剤(B)の使用量は、好
ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下で
ある。
【0025】その他、本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成
物は、架橋剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、離型
剤、無機充填剤、顔料分散剤、顔料あるいは染料などの
各種配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で含有し
ていてもよい。
【0026】なお、結晶性熱可塑性樹脂の製造条件は、
結晶性熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィンである場合
には、溶融混練時の温度は通常170〜300℃、好ま
しくは180〜250℃の範囲であり、溶融混練時間は
通常0.2〜20分、好ましくは0.5〜10分であ
る。
【0027】ポリエステルである場合には、溶融混練時
の温度は通常260〜330℃、好ましくは270〜3
00℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜20
分、好ましくは0.5〜10分である。
【0028】ポリアミドである場合には、溶融混練時の
温度は通常220〜330℃、好ましくは260〜33
0℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜20
分、好ましくは0.5〜10分である。
【0029】ポリアセタールである場合には、溶融混練
時の温度は通常180〜300℃、好ましくは180〜
250℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜2
0分、好ましくは0.5〜10分である。
【0030】こうして得られた本発明の結晶性熱可塑性
樹脂組成物は、家庭用品から工業用品に至る広い用途、
たとえば、食品容器、電気部品、電子部品、自動車部
品、機械機構部品、フィルム、シート、繊維などの素材
として好適に使用される。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、新規なアミド系化合物
が提供される。かかるアミド系化合物は、結晶性熱可塑
性樹脂の結晶核剤として有用である。当該アミド系化合
物を配合した結晶性熱可塑性樹脂組成物は、成形時の結
晶化速度が速い。しかも、結晶性熱可塑性樹脂は機械的
特性に優れている。
【0032】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお、得られたアミド系化合物の融点は示
差走査熱量測定(DSC)により、昇温速度10℃/m
inで測定した。IRはバイオラッド社製/FTS−
7、NMRはブルッカー社製/ARX−300、により
測定した。
【0033】実施例1 セパラブルフラスコに、1,5−ジアミノナフタレン
9.18g(0.058モル)を含有するテトラヒドロ
フラン溶液189.19gとトリエチルアミン12.9
1g(0.128モル)を仕込み、室温で攪拌しなが
ら、デヒドロアビエチン酸クロライド37.86g
(0.116モル)を含有するテトラヒドロフラン溶液
150gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、攪拌し
ながら1晩放置した後、トリエチルアミン塩酸塩を濾別
除去した。反応液を濃縮して、粗結晶42gを得た後、
これにメチルエチルケトン1138.8gを加えて溶解
し、次いで全量が390gになるまで該溶液を濃縮して
再結晶させた。得られた粗結晶23.5gをさらにメチ
ルエチルケトン895.6gに溶解し、全量が334.
3gになるまで該溶液を濃縮して再結晶させた。減圧下
120℃にて乾燥し、アミド系化合物結晶A13.2g
を得た。融点、IR、NMRの測定結果を以下に示す。
【0034】融点:281−287℃ IR(KBr、cm−1):3295cm−1、292
7cm−1、1646cm−1、1493cm−1 H−NMR(δ:CDCl):0.59−1.06
(5H,m)、1.22(7H,d)、1.30(4
H,s)、1.44−2.06(15H,m)、2.3
5−2.41(2H,m)、2.71−2.94(3
H,m)、6.88(1H,d)、7.03(1H,
d)、7.19(1H,d)、7.35−7.47(1
H,m)、7.53−7.59(1H,m)、7.86
−7.95(1H,m)
【0035】実施例2 セパラブルフラスコに、4,4’−ジアミノジフェニル
スルフォン12.42g(0.05モル)を含有するピ
リジン溶液253.37gを仕込み、室温で攪拌しなが
ら、デヒドロアビエチン酸クロライド32.64g
(0.1モル)を含有するピリジン溶液130.54g
を50分かけて滴下した。滴下終了後、攪拌しながら一
晩放置した後、反応溶媒であるピリジンを留去し、粗結
晶55.2gを得た。得られた粗結晶をメチルイソブチ
ルケトン600gに溶解させ、10%塩酸210gを用
いて3回洗浄し、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
210gを用いて洗浄した後、イオン交換水210gを
用いて3回水洗した。この後、メチルイソブチルケトン
層を258gまで該溶液を濃縮して再結晶させた。得ら
れた粗結晶27.9gをさらにメチルイソブチルケトン
449.8gに溶解し、全量177gまで該溶液を濃縮
して再結晶させた。減圧下120℃にて乾燥し、白色結
晶のアミド系化合物B15.0gを得た。アミド系化合
物Bの融点、IR、NMRの測定結果を以下に示す。
【0036】融点:317−322℃ IR(KBr、cm−1):3433cm−1、295
1cm−1、1679cm−1、1580cm−1、1
515cm−1、1155cm−1、566cm−1 H−NMR(δ:DMSO−d):0.60−1.
06(3H,m)、1.15(10H,m)、1.24
(3H,s)、1.29−1.82(9H,m)、2.
18−2.35(2H,m)、2.80−2.86(3
H,m)、6.82(1H,d)、6.99(1H,
d)、7.19(1H,d)、7.81−7.90(4
H,m)、9.66(1H,s)
【0037】実施例3 セパラブルフラスコに、4,4’−ジアミノベンズアニ
リド11.36g(0.05モル)を含有するテトラヒ
ドロフラン溶液237.98gとトリエチルアミン8.
90g(0.088モル)を仕込み、室温で攪拌しなが
ら、デヒドロアビエチン酸クロライド32.64g
(0.10モル)を含有するテトラヒドロフラン溶液1
34.09gを50分かけて滴下した。滴下終了後、攪
拌しながら一晩放置した後、反応混合液をイオン交換水
2000g中に投入し攪拌した後、ろ過して粗結晶を得
た。得られた粗結晶31.0gをテトラヒドロフラン1
800gに溶解し、全量280.6gになるまで該溶液
を濃縮して再結晶させた。得られた粗結晶21.3gを
さらにテトラヒドロフラン1200gに溶解し、全量が
300gになるまで該溶液を濃縮して再結晶させた。減
圧下80℃にて乾燥し、白色結晶のアミド系化合物C1
6.6gを得た。アミド系化合物Cの融点、IR、NM
Rの測定結果を以下に示す。
【0038】融点:354−360℃ IR(KBr、cm−1):3399cm−1、293
1cm−1、1656cm−1、1540cm−1、1
401cm−1、1310cm−1、823cm−1
593cm−1 H−NMR(δ:DMSO−d):0.80−1.
00(2H,m)、1.17−1.23(19H,
m)、1.31(6H,d)、1.41−1.94(1
6H,m)、2.30−2.35(4H,m)、2.8
0−2.86(6H,m)、6.84(2H,s)、
6.98(2H,d)、7.17(2H,d)、7.5
5(2H,d)、7.67(2H,d)、7.77(2
H,d)、7.92(2H,d)、9.14(1H,
s)、9.41(1H,s)、9.90(1H,s)
【0039】評価例1 プロピレンブロックコポリマー(温度230℃、荷重
2.16kgで測定したメルトフローレート:23g/
10分)100重量部に、イルガノックス1010TM
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)0.1重
量部、結晶核剤(アミド系化合物A)0.4重量部を添
加し、20mm一軸押出機により樹脂温度220℃で溶
融混練しペレットを製造した。
【0040】得られたプロピレンホモポリマーペレット
を用いシリンダ温度200℃、金型温度40℃で射出成
形、および溶融温度200℃、冷却温度20℃で圧縮成
形し各種の試験片を作成した。この試験片を用いて以下
の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表1
に示す。
【0041】評価例2〜3 評価例1において、結晶核剤としてアミド系化合物Aの
代わりに、表1に示すようにアミド系化合物の種類を換
えた以外は評価例1と同様にしてペレットを製造した。
得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の
試験片を作成した。この試験片を用いて前記の試験方法
により各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0042】比較評価例 実施例1において、結晶核剤(アミド系化合物A)を用
いなかった以外は実施例1と同様にしてペレットを製造
した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして
各種の試験片を作成した。この試験片を用いて前記の試
験方法により各種物性の測定を行った。結果を表1に示
す。
【0043】結晶性熱可塑性樹脂組成物の性能評価は次
の方法によった。
【0044】結晶化温度(Tc):得られたペレット
を、示差走査熱量計(DSC)により溶融状態から一定
速度(10℃/分)で冷却し、結晶化発熱ピーク温度
〔結晶化温度(Tc)〕を測定することにより結晶化速
度を評価した。結晶化温度(Tc)の上昇効果の高いも
のほど結晶化速度が速い。
【0045】曲げ弾性率(FM):長さ5インチ、巾1
/2インチ、厚み1/8インチの射出成形試験片を用
い、ASTM D638に準拠して曲げ弾性率を測定し
た。
【0046】熱変形温度(HDT):長さ5インチ、巾
1/8インチ、厚み1/2インチの射出成形試験片を用
い、ASTM D648に準拠して熱変形温度を測定し
た。熱変形温度が高い物ほど耐熱性が大きい。
【0047】衝撃強度(IZ):長さ2.5インチ、巾
1/4インチ、厚み1/2インチの射出成形試験片を用
い、ノッチを付けてASTM D256に準拠して衝撃
強度を測定した。衝撃強度が高い物ほど耐衝撃性が良
い。
【0048】
【表1】
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AB48 BJ10 BJ50 BV64 4J002 BB031 BB121 BB151 BB171 CB001 CF061 CF071 CF081 CF191 CL011 CL031 EP026 EV226

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1):X−Y−Z−Y−X (式中、Xはロジン酸残基、Yは−CONH−または−
    NHCO−、Zはナフタレン、ベンズアニリドまたはジ
    フェニルスルフォンのいずれかに由来する2価の官能基
    を示す)で表されるアミド系化合物。
  2. 【請求項2】 前記ロジン酸残基(X)がデヒドロアビ
    エチン酸、ジヒドロアビエチン酸またはジヒドロピマル
    酸の残基である請求項1に記載のアミド系化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2のいずれかに記載のアミド
    系化合物を含有してなる結晶性熱可塑性樹脂用結晶核
    剤。
  4. 【請求項4】 結晶性熱可塑性樹脂(A)100重量部
    に、請求項3に記載の結晶核剤(B)0.001〜30
    重量部を含有させてなる結晶性熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 結晶性熱可塑性樹脂(A)が、ポリオレ
    フィン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリアセター
    ルから選ばれるいずれか少なくとも1種である請求項4
    記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012177837A (ja) * 2011-02-28 2012-09-13 Sanyo Chem Ind Ltd トナーバインダー組成物およびトナー組成物
CN111111549A (zh) * 2019-12-17 2020-05-08 广东省石油与精细化工研究院 一种脱氢松香基糖类表面活性剂及其制备方法和应用

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