JP2000212153A - 新規なアミド系化合物、結晶性熱可塑性樹脂用結晶核剤および結晶性熱可塑性樹脂樹脂組成物 - Google Patents

新規なアミド系化合物、結晶性熱可塑性樹脂用結晶核剤および結晶性熱可塑性樹脂樹脂組成物

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JP2000212153A
JP2000212153A JP1516899A JP1516899A JP2000212153A JP 2000212153 A JP2000212153 A JP 2000212153A JP 1516899 A JP1516899 A JP 1516899A JP 1516899 A JP1516899 A JP 1516899A JP 2000212153 A JP2000212153 A JP 2000212153A
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Japan
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thermoplastic resin
crystalline thermoplastic
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JP1516899A
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Youichirou Ezaki
陽一郎 恵崎
Eisuke Natsuhara
英介 夏原
Hiroshi Koba
寛 木場
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性熱可塑性樹脂の結晶化速度を早め、し
かも機械的性質、特に衝撃強度に優れた成形体(結晶性
熱可塑性樹脂組成物)を製造しうる結晶性熱可塑性樹脂
用組成物を提供すること。 【解決手段】 一般式(1):X−Y−Z−Y−X (式中、Xはロジン酸残基、Yは−CONH−または−
NHCO−、Zは一般式(2):−(CH−Φ−
(A−Φ)−(CH−(但し、Φは同一または
異なるアリーレン基またはその置換誘導体基を、Aは単
結合、メチレン基、エチレン基、−O−、−SO−ま
たは−CONH−を示し、mは0、1または2、nは0
または1である)で表される芳香族基含有有機基を示
す)で表される新規なアミド系化合物を結晶核剤として
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアミド系化
合物、当該アミド系化合物を含有する結晶性熱可塑性樹
脂用結晶核剤および結晶性熱可塑性樹脂樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリアセタールなどの結晶性熱可塑性樹脂は、優
れた加工性、耐薬品性、電気的性質、機械的性質などを
有しているため、射出成形品、中空成形品、フィルム、
シート、繊維などに加工され各種用途に用いられてい
る。しかしながら、これらの結晶性熱可塑性樹脂は用途
によっては、剛性、耐熱剛性、透明性などが充分とはい
えない場合がある。
【0003】結晶性熱可塑性樹脂からなる成形体の剛
性、耐熱剛性、透明性を向上させるには、成形加工時に
微細な結晶を急速に生成させればよいことが知られてい
る。そのため従来から結晶性熱可塑性樹脂の結晶化速度
を速める手段として、たとえばタルクなどの結晶核剤が
用いられている。しかし、このような従来の結晶核剤
は、結晶化速度の向上効果が必ずしも充分ではなく、得
られる成形体の衝撃強度などの機械的性質や光沢などの
光学的性質が必ずしも満足するものではなかった。
【0004】上記問題点を解決するため、本願出願人ら
は特定のロジン酸金属塩からなる結晶性熱可塑性樹脂用
結晶核剤を特願平6−127478号として提案した。
この結晶核剤を配合した結晶性熱可塑性樹脂組成物は、
機械的性質や光学的性質に優れているものの、結晶性熱
可塑性樹脂組成物には、さらなる機械的性質、特に衝撃
強度の向上が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な状況のもとになされたものであって、結晶性熱可塑性
樹脂の結晶化速度を早め、しかも機械的性質、特に衝撃
強度に優れた成形体(結晶性熱可塑性樹脂組成物)を製
造しうる結晶性熱可塑性樹脂用組成物を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、下記一般式
(1)で表される新規なアミド系化合物等を、結晶性熱
可塑性樹脂の結晶核剤として使用することにより前記課
題を解決できることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、一般式(1):X−
Y−Z−Y−X (式中、Xはロジン酸残基、Yは−CONH−または−
NHCO−、Zは一般式(2):−(CH−Φ−
(A−Φ)−(CH−(但し、Φは同一または
異なるアリーレン基またはその置換誘導体基を、Aは単
結合、メチレン基、エチレン基、−O−、−SO−ま
たは−CONH−を示し、mは0、1または2、nは0
または1である)で表される芳香族基含有有機基を示
す)で表される新規なアミド系化合物;前記アミド系化
合物を含有してなる結晶性熱可塑性樹脂用結晶核剤;結
晶性熱可塑性樹脂(A)100重量部に、前記結晶核剤
(B)0.001〜30重量部を含有させてなる結晶性
熱可塑性樹脂樹脂組成物、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のアミド系化合物は一般式
(1):X−Y−Z−Y−X (式中、Xはロジン酸残基、Yは−CONH−または−
NHCO−、Zは一般式(2):−(CH−Φ−
(A−Φ)−(CH−(但し、Φは同一または
異なるアリーレン基またはその置換誘導体基を、Aは単
結合、メチレン基、エチレン基、−O−、−SO−ま
たは−CONH−を示し、mは0、1または2、nは0
または1である)で表される芳香族基含有有機基を示
す)で表される化合物である。
【0009】かかる一般式(1)で表されアミド系化合
物中のXであるロジン酸残基は、一般式(4):X−C
OOH(Xはロジン酸残基を示す)で表されるロジン酸
または一般式(6):X−NH(Xはロジン酸残基を
示す)で表されるロジンアミンに由来するものである。
なお、一般式(6)で表されるロジンアミンは、前記一
般式(3)で表されるロジン酸のカルボキシル基をアミ
ンに変換したものである。
【0010】一般式(4)で表されるロジン酸の具体例
としては、たとえば、ピマル酸、サンダラコピマル酸、
パラストリン酸、イソピマル酸、アビエチン酸、デヒド
ロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ジヒドロピマル
酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸
などを例示できる。これらロジン酸のなかでも、デヒド
ロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸またはジヒドロ
ピマル酸から選ばれる少なくとも1種のロジン酸が、色
調の安定性や結晶性に優れており好ましい。特にデヒド
ロアビエチン酸が好ましい。
【0011】なお、前記ロジン酸は、通常、ガムロジ
ン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン中
に混合物として存在する。したがって、ロジン酸として
天然ロジン等の複数種のロジン酸からなるものを用いた
場合には、一般式(1)で表されるアミド系化合物は、
ロジン酸残基の異なる複数のアミド系化合物の混合物と
して得られる。また、ロジン酸としては、不均化ロジ
ン、水素化ロジン、脱水素化ロジンなどの各種変性ロジ
ン;前記天然ロジンの精製物、変性ロジンの精製物など
を使用することもできる。また、デヒドロアビエチン酸
は、天然ロジンを不均化または脱水素化し、次いで精製
することにより得られる。
【0012】また、一般式(1)で表されアミド系化合
物中のZは、一般式(2):−(CH−Φ−(A
−Φ)−(CH−(但し、Φは同一または異な
るアリーレン基またはその置換誘導体基を、Aは単結
合、メチレン基、エチレン基、−O−、−SO−また
は−CONH−を示し、mは0、1または2、nは0ま
たは1である)で表される芳香族基含有有機基である。
前記Φで表されるアリーレン基としては、フェニレン
基、ナフチレン基等があげられ、その置換誘導体基とし
てはアリーレン基にメチル基等のアルキル基、メトキシ
基、エトキシ基等のアルコキシ基、スルホン酸基等が置
換しているものがあげられる。なお、アリーレン基の結
合位置、アリーレン基に結合する置換基の位置は特に制
限されない。
【0013】かかる一般式(2)で表される芳香族基含
有有機基は、一般式(3):HN−Z−NH(式
中、Zは前記と同じ)で表される芳香族系ジアミンまた
は一般式(5):HOOC−Z−COOH(式中、Zは
前記と同じ)で表される芳香族系ジカルボン酸に由来す
るものである。
【0014】一般式(3)で表される芳香族系ジアミン
としては、たとえば、o−フェニレンジアミン、m−フ
ェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−トル
イレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,5−ジ
アミノナフタレン、4,4’-ジアミノジフェニルエー
テル、o−トリジン、ジアニシジン、4,4’-ジアミ
ノスチルベン-2,2’-ジスルホン酸、4,4’-ジア
ミノジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノベンズ
アニリド、ジアミノジメチルジフェニルメタン、ジアミ
ノジエチルジフェニルメタン、1,5-ジアミノナフタ
レン、などが挙げられる。
【0015】一般式(5)で表される芳香族系ジカルボ
ン酸として、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げら
れる。
【0016】本発明の前記一般式(1)で表されるアミ
ド系化合物は、前記一般式(3)で表される芳香族系ジ
アミンと、一般式(4)で表されるロジン酸またはその
誘導体を反応させてアミド化する方法、あるいは一般式
(5)で表される芳香族系ジカルボン酸またはその誘導
体と、一般式(6)で表されるロジンアミンを反応させ
てアミド化する方法により得られる。
【0017】一般式(4)で表されるロジン酸、一般式
(5)で表される芳香族系ジカルボン酸の誘導体として
は、各種カルボン酸エステル、カルボン酸クロライド等
があげられる。反応性がよいことから一般式(4)で表
されるロジン酸、一般式(5)で表される芳香族系ジカ
ルボン酸はカルボン酸クロライドとして反応させるのが
好ましい。なお、カルボン酸よりカルボン酸クロライド
を合成する方法としてホスゲン法と塩化チオニル法があ
る。例えば、塩化チオニル法では、無水ベンゼン等の溶
媒中で、カルボン酸と等量の塩化チオニルを添加して還
流下で反応させ、冷却後、水層を分離し、洗浄すること
で酸クロライドを得る。
【0018】アミド化反応の条件は一般的なアミド化反
応の条件を採用できる。触媒としては、トリエチルアミ
ン等のアミン系触媒を使用するのが好ましい。なお、一
般式(4)で表されるロジン酸、一般式(5)で表され
る芳香族系ジカルボン酸を酸クロライドにして反応させ
る場合には、テトラヒドロフラン、トルエン等の溶媒を
用いて室温で反応を行う。反応後、反応液を濃縮、洗浄
して、本発明のアミド系化合物が得られる。
【0019】かくして得られたアミド系化合物は、たと
えば、結晶性熱可塑性樹脂(A)に配合される結晶核剤
(B)として使用される。
【0020】結晶性熱可塑性樹脂(A)としては、たと
えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルまたは
ポリアセタールが挙げられる。
【0021】ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリメチルペンテ
ン、ポリメチルブテンなどのオレフィン単独重合体、プ
ロピレン・エチレンランダム共重合体などのオレフィン
共重合体などを挙げることができ、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ-1-ブテンが特に好ましい。このよう
なポリオレフィンは、単独で用いてもよく、2種以上組
み合わせて用いてもよい。
【0022】ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイ
ロン−66、ナイロン−10、ナイロン−12、ナイロ
ン−46等の脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸と
脂肪族ジアミンより製造される芳香族ポリアミドなどを
挙げることができ、ナイロン−6が特に好ましい。この
ようなポリアミドは、単独で用いてもよく、2種以上組
み合わせて用いてもよい。
【0023】ポリエステルとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレン
テレフタレートなどの芳香族系ポリエステル、ポリカプ
ロラクトン、ポリヒドロキシブチレートなどを挙げるこ
とができ、ポリエチレンテレフタレートが特に好まし
い。このようなポリエステルは、単独で用いてもよく、
2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0024】ポリアセタールとしては、ポリホルムアル
デヒド(ポリオキシメチレン)、ポリアセトアルデヒ
ド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド
などを挙げることができ、ポリホルムアルデヒドが特に
好ましい。このようなポリアセタールは、単独で用いて
もよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0025】これら結晶性熱可塑性樹脂(A)のうちで
は、ポリオレフィン、特にポリプロピレンが機械的性質
および/または光学的性質の改善効果が大きいため好ま
しい。
【0026】前記結晶性熱可塑性樹脂(A)と結晶核剤
(B)からなる結晶性熱可塑性樹脂組成物は、両者を、
押出機、ニーダーなどを用いて、結晶性熱可塑性樹脂
(A)の融点以上の温度で溶融混練することにより製造
される。
【0027】結晶核剤(B)の使用量は、通常、結晶性
熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、0.001
〜30重量部である。結晶化速度の向上が大きく、かつ
樹脂組成物(成形体)の物性に影響を与えることが少な
いことから結晶核剤(B)の使用量は、好ましくは0.
005重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上
である。同様の理由から結晶核剤(B)の使用量は、好
ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下で
ある。
【0028】その他、本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成
物は、架橋剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、離型
剤、無機充填剤、顔料分散剤、顔料あるいは染料などの
各種配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で含有し
ていてもよい。
【0029】なお、結晶性熱可塑性樹脂の製造条件は、
結晶性熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィンである場合
には、溶融混練時の温度は通常170〜300℃、好ま
しくは180〜250℃の範囲であり、溶融混練時間は
通常0.2〜20分、好ましくは0.5〜10分であ
る。
【0030】ポリエステルである場合には、溶融混練時
の温度は通常260〜330℃、好ましくは270〜3
00℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜20
分、好ましくは0.5〜10分である。
【0031】ポリアミドである場合には、溶融混練時の
温度は通常220〜330℃、好ましくは260〜33
0℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜20
分、好ましくは0.5〜10分である。
【0032】ポリアセタールである場合には、溶融混練
時の温度は通常180〜300℃、好ましくは180〜
250℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜2
0分、好ましくは0.5〜10分である。
【0033】こうして得られた本発明の結晶性熱可塑性
樹脂組成物は、家庭用品から工業用品に至る広い用途、
たとえば、食品容器、電気部品、電子部品、自動車部
品、機械機構部品、フィルム、シート、繊維などの素材
として好適に使用される。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、新規なアミド系化合物
が提供される。かかるアミド系化合物は、結晶性熱可塑
性樹脂の結晶核剤として有用である。当該アミド系化合
物を配合した結晶性熱可塑性樹脂組成物は、成形時の結
晶化速度が速い。しかも、結晶性熱可塑性樹脂は機械的
特性、特に衝撃強度に優れている。
【0035】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお、得られたアミド系化合物の融点は示
差走査熱量測定(DSC)により、昇温速度10℃/m
inで測定した。IRはバイオラッド社製/FTS−
7、NMRはブルッカー社製/ARX−300、により
測定した。
【0036】実施例1 冷却管および攪拌装置をつけた反応容器にデヒドロアビ
エチン酸クロライド31.7g(0.1モル)およびテ
トラヒドロフラン150gを加え溶解し、これに1,4
−ジアミノベンゼン5.4g(0.05モル)およびト
リエチルアミン10.1g(0.1モル)を含有するテ
トラヒドロフラン溶液150gを攪拌しながら20℃で
1時間かけて滴下した。滴下終了後1時間攪拌した後、
反応液を濃縮した。濃縮した反応液にメタノール200
gを加え、1時間還流し室温まで冷却した。結晶をろ過
し、さらに結晶をメタノールで2回洗浄し25.3gの
白色結晶のアミド系化合物Aを得た。アミド系化合物A
の融点、IR、NMRの測定結果を以下に示す。
【0037】融点:304−314℃ IR(KBr、cm−1):3432cm−1、165
6cm−1、1544cm−1 H−NMR(δ:CDCl):1.21(12H,
d)、1.26(6H,s)、1.40(6H,s)、
2.27(2H,d)、2.33(2H,d)、2.8
6(4H,m)、6.87(2H,s)、7.03(2
H,d)、7.22(2H,d)、7.42(2H,
s)、7.48(4H,s)
【0038】実施例2 実施例2において1,4−ジアミノベンゼンに代えて、
2,4-ジアミノトルエン6.1g(0.05モル)を
用いた以外は同様な操作方法で26.3gの白色結晶の
アミド系化合物Bを得た。アミド系化合物Bの融点、I
R、NMRの測定結果を以下に示す。
【0039】融点:259−267℃ IR(KBr、cm−1):3320cm−1、164
7cm−1、1493cm−1 H−NMR(δ:CDCl):1.21(12H,
d)、1.25(3H,s)、1.27(3H,s)、
1.38(3H,s)、1.43(6H,s)、2.2
0(2H,d)、2.22(3H,S)、2.33(2
H,d)、2.84(4H,m)、6.87(2H,
s)、7.01(2H,d)、7.22(2H,d)、
7.22(1H,d)、7.43(2H,d)、7.6
1(1H,d)、7.85(1H,s)
【0040】実施例3 実施例1において1,4−ジアミノベンゼンに代えて、
p−キシレンジアミン6.8g(0.05モル)を用い
た以外は同様な操作方法で25.2gの白色結晶のアミ
ド系化合物Cを得た。アミド系化合物Cの融点、IR、
NMRの測定結果を以下に示す。
【0041】融点:218−232℃ IR(KBr、cm−1):3329cm−1、162
7cm−1、1530cm−1 H−NMR(δ:CDCl):1.21(12H,
d)、1.24(6H,s)、1.28(6H,s)、
2.20(2H,d)、2.33(2H,d)、2.8
4(4H,m)、4.42(4H,m)、6.05(2
H,t)、6.87(2H,s)、7.01(2H,
d)、7.15(2H,d)、7.23(4H,t)
【0042】実施例4 実施例1において1,4−ジアミノベンゼンに代えて、
4,4−ジアミノジフェニルエーテル10.0g(0.
05モル)を用いた以外は同様な操作方法で24.5g
の白色結晶のアミド系化合物Dを得た。アミド系化合物
Dの融点、IR、NMRの測定結果を以下に示す。
【0043】融点:160−169℃ IR(KBr、cm−1):3326cm−1、164
5cm−1、1501cm−1 H−NMR(δ:CDCl):1.22(12H,
d)、1.31(6H,s)、1.40(6H,s)、
2.20(2H,d)、2.33(2H,d)、2.8
5(4H,m)、6.87(2H,s)、6.95(4
H,d)、7.01(2H,d)、7.15(2H,
d)、7.45(2H,s)、7.45(4H,d)
【0044】実施例5 冷却管および攪拌装置をつけた反応容器に2塩化テレフ
タロイル10.1g(0.05モル)およびトルエン1
50gを加え溶解し、これにロジンアミンD(商品名:
ハーキュレス社、0.1モル)35.6gおよびトリエ
チルアミン10.1g(0.1モル)のトルエン150
g溶液を攪拌しながら20℃で1時間かけて滴下した。
滴下終了後1時間攪拌した後、水100gで有機層を3
回水洗した。有機層のトルエンを留去したの後、メタノ
ール200gを加え、1時間還流し室温まで冷却した。
結晶をろ過、洗浄し22.0gの白色結晶のアミド系化
合物Eを得た。アミド系化合物Eの融点、IR、NMR
の測定結果を以下に示す。
【0045】融点:225−234℃ IR(KBr、cm−1):3604cm−1、333
6cm−1、1638cm−1、1551cm−1 H−NMR(δ:CDCl):3.40(4H,
m)、6.13(2H,t)、7.77(4H,d)
【0046】評価例1 プロピレンブロックコポリマー(温度230℃、荷重
2.16kgで測定したメルトフローレート:23g/
10分)100重量部に、イルガノックス1010TM
(チバガイギー社製)0.1重量部、結晶核剤(アミド
系化合物A)0.4重量部を添加し、20mm一軸押出
機により樹脂温度220℃で溶融混練しペレットを製造
した。
【0047】得られたプロピレンホモポリマーペレット
を用いシリンダ温度200℃、金型温度40℃で射出成
形、および溶融温度200℃、冷却温度20℃で圧縮成
形し各種の試験片を作成した。この試験片を用いて以下
の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表1
に示す。
【0048】評価例2〜5 評価例1において、結晶核剤としてアミド系化合物Aの
代わりに、表1に示すようにアミド系化合物の種類を換
えた以外は評価例1と同様にしてペレットを製造した。
得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の
試験片を作成した。この試験片を用いて前記の試験方法
により各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0049】比較評価例 実施例1において、結晶核剤(アミド系化合物A)を用
いなかった以外は実施例1と同様にしてペレットを製造
した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして
各種の試験片を作成した。この試験片を用いて前記の試
験方法により各種物性の測定を行った。結果を表1に示
す。
【0050】結晶性熱可塑性樹脂組成物の性能評価は次
の方法によった。
【0051】結晶化温度(Tc):得られたペレット
を、示差走査熱量計(DSC)により溶融状態から一定
速度(10℃/分)で冷却し、結晶化発熱ピーク温度
〔結晶化温度(Tc)〕を測定することにより結晶化速
度を評価した。結晶化温度(Tc)の上昇効果の高いも
のほど結晶化速度が速い。
【0052】曲げ弾性率(FM):長さ5インチ、巾1
/2インチ、厚み1/8インチの射出成形試験片を用
い、ASTM D638に準拠して曲げ弾性率を測定し
た。
【0053】熱変形温度(HDT):長さ5インチ、巾
1/4インチ、厚み1/2インチの射出成形試験片を用
い、ASTM D648に準拠して熱変形温度を測定し
た。熱変形温度が高い物ほど耐熱性が大きい。
【0054】衝撃強度(IZ):長さ2.5インチ、巾
1/4インチ、厚み1/2インチの射出成形試験片を用
い、ノッチを付けてASTM D256に準拠して衝撃
強度を測定した。衝撃強度が高い物ほど耐衝撃性が良
い。
【0055】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 271/20 C07C 271/20 271/22 271/22 317/32 317/32 317/44 317/44 C08K 5/16 C08K 5/16 C08L 23/02 C08L 23/02 59/00 59/00 67/00 67/00 77/00 77/00 101/16 101/00 Fターム(参考) 4H006 AA01 AB46 AB48 BJ30 BJ50 BP60 BV64 BV70 4J002 AF022 BB031 BB051 BB121 BB151 BB171 BB181 BE061 CF061 CF071 CF081 CL011 CL031 CL042

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1):X−Y−Z−Y−X (式中、Xはロジン酸残基、Yは−CONH−または−
    NHCO−、Zは一般式(2):−(CH−Φ−
    (A−Φ)−(CH−(但し、Φは同一または
    異なるアリーレン基またはその置換誘導体基を、Aは単
    結合、メチレン基、エチレン基、−O−、−SO−ま
    たは−CONH−を示し、mは0、1または2、nは0
    または1である)で表される芳香族基含有有機基を示
    す)で表される新規なアミド系化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(3):HN−Z−NH (式中、Zは一般式(2):−(CH−Φ−(A
    −Φ)−(CH−(但し、Φは同一または異な
    るアリーレン基またはその置換誘導体基を、Aは単結
    合、メチレン基、エチレン基、−O−、−SO−また
    は−CONH−を示し、mは0、1または2、nは0ま
    たは1である)で表される芳香族基含有有機基を示す)
    で表される芳香族系ジアミンと、一般式(4):X−C
    OOH(Xはロジン酸残基を示す)で表されるロジン酸
    またはその誘導体を反応させて得られるアミド系化合
    物。
  3. 【請求項3】 一般式(5):HOOC−Z−COOH (式中、Zは一般式(2):−(CH−Φ−(A
    −Φ)−(CH−(但し、Φは同一または異な
    るアリーレン基またはその置換誘導体基を、Aは単結
    合、メチレン基、エチレン基、−O−、−SO−また
    は−CONH−を示し、mは0、1または2、nは0ま
    たは1である)で表される芳香族基含有有機基を示す)
    で表される芳香族系ジカルボン酸またはその誘導体と、
    一般式(6):X−NH(Xはロジン酸残基を示す)
    で表されるロジンアミンを反応させて得られるアミド系
    化合物。
  4. 【請求項4】 前記ロジン酸残基(X)がデヒドロアビ
    エチン酸、ジヒドロアビエチン酸またはジヒドロピマル
    酸の残基である請求項1〜3のいずれかに記載のアミド
    系化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のアミド
    系化合物を含有してなる結晶性熱可塑性樹脂用結晶核
    剤。
  6. 【請求項6】 結晶性熱可塑性樹脂(A)100重量部
    に、請求項5に記載の結晶核剤(B)0.001〜30
    重量部を含有させてなる結晶性熱可塑性樹脂樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 結晶性熱可塑性樹脂(A)が、ポリオレ
    フィン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリアセター
    ルから選ばれるいずれか少なくとも1種である請求項6
    記載の結晶性熱可塑性樹脂樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103270086A (zh) * 2010-12-24 2013-08-28 富士胶片株式会社 聚酰胺聚合物及其制备方法、树脂组合物、成型体、纤维、膜及多孔膜

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