JP2001328885A - 焼却炉用耐火物及びその作製方法 - Google Patents

焼却炉用耐火物及びその作製方法

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JP2001328885A JP2000146798A JP2000146798A JP2001328885A JP 2001328885 A JP2001328885 A JP 2001328885A JP 2000146798 A JP2000146798 A JP 2000146798A JP 2000146798 A JP2000146798 A JP 2000146798A JP 2001328885 A JP2001328885 A JP 2001328885A
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thermal oxide
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incinerator
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Tomohiko Hara
智彦 原
Toru Yamagishi
徹 山岸
Yasuo Ito
泰男 伊藤
Junichi Irimura
純一 入村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低コストであり、高い耐食性を有する焼却炉用
耐火物とその作製方法にある。 【解決手段】焼却用耐火物10は、非酸化セラミックス
材料またはそれを主成分とするセラミックス材料からな
る成形体20の表面に、熱酸化膜30を形成する。ま
た、珪素質原料を含む耐火物10bを作製する工程と、
この耐火物10bの表面に熱酸化膜30bを形成する工
程とを有する耐火物10bの作製方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腐食性の高温ガス
や溶融スラグ、飛散物、浮遊物などが発生する焼却炉の
内壁に用いられるセラミックス材料からなる耐火物及び
その作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミを焼却する焼却炉の内壁には、
セラミックス材料からなる耐火物による耐火構造が施さ
れている。セラミックス材料としては、窒化珪素、炭化
珪素、アルミナなどを主な成分とし、これらを混合した
り、さらに他の添加物を加えたものが用いられている。
【0003】このようなセラミックス材料でなる耐火構
造は、主に2つの形態に大別することができる。その1
つは、予めブロック形状に成形された耐火物を炉の内壁
に組み付けるものである。また、他の1つは、不定型耐
火物と称されるもので現場において流し込みによって直
接炉の内壁を成形させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】都市ゴミを焼却する焼
却炉においては、焼却物中に塩化物が多量に含まれてい
るので、焼却過程において塩基性の溶融スラグやガスが
生成され、この生成物によって耐火物が腐食されるとい
う問題がある。
【0005】耐火物が腐食されると、その表面が徐々に
削り取られ、さらに加えてセラミック材料の基材の表面
付近が粗になっていく。即ち、基材の表面付近が低密度
化していく。その結果、ある段階でセラミックス材料が
割れたり、破損したりするという問題が発生する。この
ために、ある程度の時間が経過した段階で、耐火物を取
り替える必要が生じる。
【0006】一方、セラミックス材料として、耐食性の
高いものが、近時各種開発されているが、配合が微妙で
あったり、他の物性に不備があったり、高コストであっ
たりし、適当なものがないのが現状である。
【0007】本発明は、このような要求を満たすため、
低コストであり、高い耐食性を有する耐火物を得る焼却
炉用耐火物及びその作製方法を提供することを課題とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
非酸化物セラミックス材料またはそれを主成分とするセ
ラミックス材料からなる成形体の表面に、厚さ10μm
〜300μmの熱酸化膜を形成されていることを要旨と
する。
【0009】非酸化物セラミックス材料としては、珪化
物材料が用いられる。例えば、窒化珪素、炭化珪素、そ
れらの混合物が挙げられる。また、熱酸化膜は、空気中
などの酸化性雰囲気中に被酸化物を配置し、雰囲気を高
温に加熱することで被酸化物の表面に形成される。ま
た、耐火物の形態としては、ブロック形状のもの、ある
いは、不定型耐火物と称されるもののいずれであっても
よい。
【0010】上記被酸化物中には、酸化物が含まれてい
ても良いが、その割合は50重量%以下、好ましくは2
0重量%以下であることが好ましい。これは、酸化物の
含有量が高いと、緻密で良質な酸化膜の形成に障害とな
るからである。
【0011】熱酸化膜は、その厚さが30μm以上、好
ましくは50μm以上であることが好ましい。これは、
熱酸化膜の厚さが薄いと、耐食性の向上が十分に得られ
ないことに起因する。また、熱酸化膜の上限は、300
μm程度が適当である。熱酸化膜の厚さを、これより厚
くしてもそれほど耐食性の向上には寄与せず、他方で熱
酸化膜の形成に必要な時間が長くなるのでコスト的に不
利となる。
【0012】そして、熱酸化を形成する温度は、100
0℃以上、好ましくは1200℃以上であることが好ま
しい。勿論、この熱酸化膜の形成に必要な温度は、基材
となるセラミックス材料の耐熱温度以下である必要があ
る。通常は、基材の焼成温度である1450℃〜150
0℃が上限温度となる。
【0013】上述したような高温度で熱酸化処理を行う
のは、基材の表面のみに緻密で良質な熱酸化膜を形成す
るためである。ここでいう良質な熱酸化膜というのは、
理論上の理想構造・組成をもつ酸化珪素膜に極力近いも
のであることをいう。また、熱酸化膜と基材との界面状
態がきれいであり、両者がきれいに分離しているものが
好ましい。
【0014】熱酸化膜を形成するための温度が1200
℃未満であると、得られる酸化膜の膜質が良くなく、必
要とする耐食性が得られない。また、成膜速度が遅くな
るので、必要な膜厚を得るのに時間がかかり不経済であ
る。さらに、膜厚を稼ごうとして長時間の熱酸化を行う
と、表面層に熱酸化膜が形成されるのと同時に基材内部
に酸化が進行し、基材自体の材質が変化してしまうので
好ましくない。この場合、基材と熱酸化膜の界面が明確
でなくなる。
【0015】なお、熱酸化膜を特定するには、熱酸化膜
が形成された部分の拡大断面を観察し、基準とする熱酸
化膜と比較すれば分かる。特に、熱酸化膜と基材との界
面及びその近傍の状態を観察することで判別できる。こ
の方法によれば、熱酸化を行った温度もある程度特定す
ることができる。
【0016】また、本発明の焼却炉用耐火物は、実質的
に内部が非酸化の珪化物であり、表面に熱酸化膜が形成
されているものであることがより好ましい。ここで、非
酸化の珪化物としては、炭化珪素、窒化珪素、これらの
混合物などを挙げることができる。実質的に成形体の内
部が非酸化の珪化物を得るには、原料として非酸化物を
用い、さらにその作製工程において酸化工程を行わない
方法を採用すれば良い。
【0017】本発明の第2の発明は、焼却炉用耐火物と
して、酸化膜の前駆体溶液が非酸化物セラミックス材料
またはそれを主成分とするセラミック材料からなる成形
体の表面に塗布したものを用いることを要旨とする。第
2の発明は、第1の発明に比較して効果は小さいが、低
コストで実施できるという利点がある。
【0018】前駆体溶液としてコロイダルシリカを用い
ることが最も好ましく、次に珪酸ソーダを用いることが
好ましい。通常、基材に前駆体溶液を塗布したのみで
は、直ちに酸化膜は形成されないが、焼却炉用耐火物と
して使用した状態で焼却を行うか或いは炉内で燃焼を行
わせることで、前駆体溶液中の酸化物によって酸化膜が
形成され、この酸化膜が保護膜となり耐食性が付与され
る。
【0019】前駆体溶液は、単に塗布するだけでもよい
が、塗布後にさらに加熱処理を加えることで予め酸化膜
を形成させておいても良い。この加熱処理は、上記する
ブロック形状の耐火物を炉内に組み付けるものであれ
ば、炉に組み付ける前にそのブロック形状の耐火物に予
め行っても良いし、炉に組み付けた後に行っても良い。
また、不定型耐火物として、この耐火物を直接流し込ん
で炉の内壁を成形するような場合は、焼却炉として稼働
させる前に予め空焚きを行うことで加熱処理を施しても
良い。
【0020】この前駆体溶液を塗布する場合は、被塗布
面が酸化物であっても構わない。即ち、基材が、酸化珪
素質のセラミックス材料やアルミナ質のセラミックス材
料でもあってもよい。ただし、基材が非酸化物である場
合の方が耐食性の向上効果はより顕著に得ることができ
る。
【0021】なお、第1の発明と第2の発明とは、個別
に実施してもよいが、組み合わせて実施してもよい。こ
の場合、少なくとも一方の工程を複数繰り返してもよ
い、また、この2つの発明の実施を交互に行っても良
い。特に第1の発明に加えて、コロイダルシリカの塗布
を行うと、より高い耐食性を低コストで得ることができ
る。
【0022】本発明の第3の発明は、珪素質原料を含む
非酸化物成形体を窒化雰囲気中で焼成し、窒化珪素質を
含む耐火物を作製する工程と、前記耐火物を酸化性雰囲
気中で加熱処理し、その表面に熱酸化膜を形成する工程
とを有していることを特徴とする焼却炉用耐火物の作製
方法を要旨とする。
【0023】この第3の発明では、窒化雰囲気中での焼
成による窒化の後に、酸化性雰囲気中での加熱による熱
酸化膜の形成を行うもので、より耐食性に優れた熱酸化
膜を得るものである。この発明では、原料として非酸化
物を用い、さらに最初の焼成段階では基本的、少なくと
もより積極的に酸化が行われず、その後に熱酸化膜形成
のための酸化が行われるので、酸化が効果的に行われ、
表面のみに耐食性に優れた熱酸化膜が形成される。
【0024】熱酸化膜を形成する効果を最大限得るに
は、珪化物基材の表面のみになるべく理想的な組成と物
性を有する酸化珪素膜を形成することが望まれ、そのた
めには、基材に極力酸化物が含まれておらず、また、酸
化されていないことが理想である。この第3の発明を採
用することで、この理想に近い条件を実現することがで
きる。
【0025】即ち、焼成工程が酸化性雰囲気中で行われ
る場合、その段階で基材の酸化が進むので、その後にさ
らに熱酸化膜を形成しようとしてもその際に行われる熱
酸化は、上記第3の発明における熱酸化より酸化効率が
劣り、また、表面のみに集中的に緻密な熱酸化膜を得る
点でも劣ったものとなる。
【0026】この第3の発明を利用し、基材の原料とし
て非酸化物を選択した場合、実質的に耐火物の内部が非
酸化物で表面に熱酸化膜が形成された耐火物が得られ
る。このような耐火物は、熱酸化膜の形成により本来基
材が有している特質が損なわれず、かつ耐食性を高めた
ものにできる。
【0027】
【作用】本発明の第1の発明によれば、非酸化物セラミ
ックス材料からなる基材の表面に熱酸化膜を形成するこ
とで、高い耐食性を付与することができる。第2の発明
によれば、より低コストで高耐食性を付与することがで
きる。
【0028】また、第3の発明のよれば、この耐火物
は、原料として非酸化物を用い、さらに窒素雰囲気中で
の焼成による窒化の後に、酸化性雰囲気中での加熱によ
る熱酸化膜の形成を行うので、より効果的に酸化が進行
し、耐久性に優れた熱酸化膜が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を参照し
て説明する。図1は、セラミックス材料からなる成形体
の斜視図、図2は、本発明の耐火物の斜視図である。こ
の耐火物10は、基材として窒化珪素と炭化珪素でなる
セラミックス材料を用いて成形体20を形成し、その表
面に熱酸化膜30を形成する例を示し、ここでは、焼却
炉の内壁に配置される耐火物10を適用する場合の例を
示す。なお、特に断らない限り、他のセラミックス材料
の基材を用いる場合でも同様な構成が採用できることは
いうまでもない。
【0030】まず、窒化珪素と炭化珪素でなるセラミッ
クス材料の成形体20を用意し、それを空気雰囲気中に
おいて加熱処理し、表面に熱酸化膜30を形成する。熱
酸化の条件は、代表的には1000℃〜1400℃、好
ましくは1200℃〜1400℃で2〜15時間程度が
適当である。雰囲気としては、空気雰囲気が適当であ
り、それ以外に酸素を含んでいる雰囲気であれば空気以
外でもよい。雰囲気中の酸素濃度は、より高い方が良質
な酸化膜の形成にはより好ましく、究極的には純酸素雰
囲気が良い。また、水蒸気を含む雰囲気において熱酸化
を行ってもよい。
【0031】窒化珪素と炭化珪素でなるセラミックス材
料を得る方法としては、炭化珪素粉と金属シリコン粉を
混合したものをプレスし、成形体20としたものを窒素
雰囲気中で焼成して窒化珪素成分を生成させる方法を挙
げることができる。この方法を採用した場合、得られる
セラミックス材料中に実質的に酸化成分が含まれないの
で、少なくとも積極的な酸化は行われなく、後の熱酸化
をより効果的に行うことがでる。
【0032】熱酸化膜30を形成した耐火物10は、通
常の耐火タイルと同様な取り扱いにより炉内への取り付
けを行えばよい。例えば、この耐火物10を複数個用い
て内壁を形成して焼却炉を構成すると良い。なお、この
耐火物10には、水管を並列状に被覆する断面半円弧状
の被覆部40,40が設けてあるが、この例に限らず、
従来公知・公用の各種形状のブロック形状の耐火タイル
を構成できる。
【0033】なお、この耐火物10に限らず、成形体2
0を炉内に組み付けた後に炉内を加熱し、この成形体2
0の表面への熱酸化膜30の形成を行っても良い。
【0034】次に、酸化膜30aの前駆体溶液を塗布し
て本発明の焼却炉用耐火物10aを得る場合の例を説明
する。
【0035】まず、窒化珪素セラミックス材料からなる
成形体20aを用意し、その表面にコロイダルシリカ溶
液を塗布する。塗布量は、0.2g/cm2〜1.5g/cm2程度の範
囲から選択される。他の前駆体溶液を用いる場合でも、
塗布量は前記範囲から選択すればよい。また、塗布を複
数回に分け、重ね塗りを行っても良い。
【0036】次に、上記成形体20aを乾燥させる。乾
燥条件は、自然乾燥あるいは100℃、2時間程度の条
件で行う。この成形体20aを炉内において耐火タイル
として利用する。上記の乾燥後の状態では、コロイダル
シリカ溶液中の水分が蒸発しただけであり、耐食保護膜
として機能する酸化膜として成就していないが、炉を使
用する段階でその表面が高温に加熱されコロイダルシリ
カから酸化膜(シリカ質を主とするガラス質膜)30a
が形成される。そして、この酸化膜30aが耐食保護膜
として機能する。
【0037】なお、耐火物10aとして焼却炉の内壁に
組み付ける前に1000℃以上での加熱処理を行い、予
め酸化膜30aを形成してもよい。
【0038】次に、酸化膜30aの前駆体溶液を塗布す
ることで耐食性を向上させる別の例を示す。ここでは、
焼却炉の炉内に予めセラミックス材料でなる耐火構造が
構築されている場合に本発明を利用する場合の例を示
す。
【0039】対象となる炉内の耐火構造としては、耐火
タイルや耐火物を組み付けたもの、或いは不定型耐火物
として、耐火物を流し込んで形成したもの、或いはそれ
らの組み合わせなど、任意のものを採用できる。
【0040】この例では、炉内の耐火構造として構築さ
れたセラミックス材料の表面に、本発明の前駆体溶液を
塗布する。塗布量は、0.2g/cm2〜1.5g/cm2程度から選択
される。
【0041】前駆体溶液を塗布したら、自然乾燥、或い
は予備加熱による乾燥を行う。この例の場合も焼却炉と
して使用する段階で前駆体溶液中の前駆体成分(熱酸化
膜30aの前駆体となるシリカ成分など)が酸化膜へと
変性し、熱酸化膜30aが形成される。なお、焼却炉と
して使用する前の段階で炉の空焼きを行い、熱酸化膜3
0aの形成を行っても良い。
【0042】
【実施例】ここで図2を参照して本発明の実施例とし
て、耐火物の作業方法を説明する。まず、耐火物10の
原料として、炭化珪素粉末と金属シリコン粉末を混合し
たものを用意する。両者の混合比は、最終的に窒化珪素
成分が30重量%、炭化珪素成分が70重量%となるよ
うに設定する。そして、上記炭化珪素粉末と金属シリコ
ン粉末の混合物を型に充填し、プレスすることで所望の
形状の成形体20bを得る。
【0043】この成形体20bを窒素雰囲気中において
1430℃、8時間の条件で焼成し、焼成と同時に窒化
を行う。この段階で、金属シリコン成分が窒化され、窒
化珪素成分が30重量%、炭化珪素成分が70重量%の
セラミックス材料からなる耐火物10bが得られる。こ
のセラミックス材料が基材となる。この段階でこのセラ
ミックス材料は、特に故意に酸化物を含有させるような
処理や添加物の添加は行っていない。
【0044】次に、上記耐火物10bに対して空気中に
おいて1320℃、2時間の加熱処理を行い厚さ100
μmの熱酸化膜30bを形成する。
【0045】さらに、これとは別に同じ基材でアルミナ
ゾルを1g/cm2の塗布量で塗布し、100℃、1時間の
条件で乾燥させたものを用意する。
【0046】また、コロイダルシリカを1g/cm2の塗布
量で塗布し、100℃、1時間の条件で乾燥させたもの
を用意する。さらに、珪酸ソーダを1g/cm2の塗布量で
塗布し、100℃、1時間の条件で乾燥させたものを用
意する。
【0047】このセラミックス材料の耐食性を一般ゴミ
の焼却条件を想定した焼却雰囲気下に600時間さら
し、その際における寸法変化率と重量変化率を測定し
た。
【0048】図3に各試料の寸法変化率を、図4に重量
変化率を示す。ここで寸法変化率は、(変化した寸法/
元の寸法)×100(%)で与えられ、重量変化率は
(減少した重量/元の重量)×100(%)で与えられ
る。また、何ら表面への処理を行っていない試料に対し
ても同様な試験を行い、比較例とした。
【0049】図3において、寸法変化率が大きいもの
程、燃焼ガス中の腐食物によって基材が削り取られる割
合が大きいことを示している。従って、寸法変化率が大
きい程、耐食性が低いことを示す。
【0050】また、図4において、重量変化率が大きい
もの程、燃焼ガス中の腐食物によって基材が削り取られ
る割合が大きいことを示している。従って、重量変化率
が大きい程、耐食性が低いことを示す。
【0051】図3により、寸法変化率に関して熱酸化膜
を形成した試料とコロイダルシリカを塗布した試料が、
耐食性に優れていることが分かる。また、重量変化率に
関して熱酸化膜を形成した試料と珪酸ソーダを塗布した
試料が、耐食性に優れていることが分かる。
【0052】これらを総合的に勘案すると、熱酸化膜を
形成した試料が、最も耐食性に優れていることが分か
る。次に優れているのが、コロイダルシリカを塗布した
試料であり、その次に優れているのが、珪酸ソーダを塗
布した試料である。なお、アルミナゾルを塗布したもの
は、何も処理をしていない比較例より悪い位であるの
で、耐食性の向上効果に関しては、特にメリットはな
い。
【0053】なお、コロイダルシリカを塗布した試料に
おいて、寸法変化率は小さいのに重量変化率が比較的大
きいのは、コロイダルシリカ塗布により形成された保護
層において、腐食により削り取られる前の段階で基材と
同時に腐食が進み、材質が疎になって基材表面層付近の
密度が低下していっているためと考えられる。この点
で、寸法変化率と同様に重量変化率も小さい、熱酸化膜
を形成した場合の方が耐食性皮膜としては優れていると
いえる。また、図3及び図4より、熱酸化膜の形成とコ
ロイダルシリカの塗布を組み合わせることで、より高い
耐食性を低コストで得られることが示唆される。
【0054】
【発明の効果】本発明を採用することで、低コストで高
耐食性を有する焼却炉用耐火物を得ることができる。ま
た、その表面に、より耐火性に優れた熱酸化膜が得られ
る耐火物の作製方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 セラミックス材料の成形体を示す斜視図。
【図2】 本発明の耐火物を示す斜視図。
【図3】 耐食試験を行った際の試料の寸法変化率を示
すグラフ。
【図4】 耐食試験を行った際の試料の重量変化率を示
すグラフ。
【符号の説明】
10,10b 耐火物 20 成形体 30,30b 熱酸化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 泰男 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内 (72)発明者 入村 純一 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非酸化物セラミックス材料またはそれを主
    成分とするセラミックス材料からなる成形体の表面に、 厚さ10μm〜300μmの熱酸化膜が形成されている
    ことを特徴とする焼却炉用耐火物。
  2. 【請求項2】熱酸化膜が1200℃以上の高温酸化性雰
    囲気中で形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の焼却炉用耐火物。
  3. 【請求項3】熱酸化膜の表面にさらにコロイダルシリカ
    が塗布されていることを特徴とする請求項1又は2記載
    の焼却炉用耐火物。
  4. 【請求項4】非酸化物セラミックス材料またはそれを主
    成分とするセラミックス材料からなる成形体の表面に、 酸化膜の前駆体溶液が塗布されていることを特徴とする
    焼却炉用耐火物。
  5. 【請求項5】前駆体溶液としてコロイダルシリカまたは
    珪酸ソーダが用いられていることを特徴とする請求項4
    記載の焼却炉用耐火物。
  6. 【請求項6】珪素質原料を含む非酸化物成形体を窒化雰
    囲気中で焼成し、窒化珪素質を含む耐火物を作製する工
    程と、 前記耐火物を酸化性雰囲気中で加熱処理し、その表面に
    熱酸化膜を形成する工程と、 を有していることを特徴とする焼却炉用耐火物の作製方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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