JP2751364B2 - 耐食性セラミックス材料及びその製造方法 - Google Patents
耐食性セラミックス材料及びその製造方法Info
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- C04B41/45—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
- C04B41/50—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐食性セラミックス材料及びその製造方法に
係り、特に高塩基性酸化物であるNa2Oに対して、著しく
優れた耐食性を備える耐食性セラミックス材料及びその
製造方法に関する。
係り、特に高塩基性酸化物であるNa2Oに対して、著しく
優れた耐食性を備える耐食性セラミックス材料及びその
製造方法に関する。
[従来の技術] 高温腐食雰囲気で使用される構造部材の母材として
は、近年、窒化珪素やサイアロン系セラミックスが採用
されている。
は、近年、窒化珪素やサイアロン系セラミックスが採用
されている。
即ち、例えば、ヒーターチューブ(ヒーター保護
管)、ストークス等のアルミニウム溶湯用部材について
は、従来、鋳鉄等の金属が用いられ、その後、反応焼結
窒化珪素等の比較的安価なセラミックスが用いられてい
た。しかし、反応焼結窒化珪素では、特にNaを含有して
いるアルミニウム溶湯に対して侵食が激しく、寿命が短
いことから、近年、常圧焼結窒化珪素やサイアロンが採
用されるようになった。
管)、ストークス等のアルミニウム溶湯用部材について
は、従来、鋳鉄等の金属が用いられ、その後、反応焼結
窒化珪素等の比較的安価なセラミックスが用いられてい
た。しかし、反応焼結窒化珪素では、特にNaを含有して
いるアルミニウム溶湯に対して侵食が激しく、寿命が短
いことから、近年、常圧焼結窒化珪素やサイアロンが採
用されるようになった。
一方、高温雰囲気炉用炉芯管としては、従来、SUS 31
6等の耐食性金属が用いられていたが、1000℃以上の高
温腐食環境下では、腐食が激しく、寿命が著しく短いこ
とから、近年、やはり常圧焼結窒化珪素又はサイアロン
が採用されるようになった。
6等の耐食性金属が用いられていたが、1000℃以上の高
温腐食環境下では、腐食が激しく、寿命が著しく短いこ
とから、近年、やはり常圧焼結窒化珪素又はサイアロン
が採用されるようになった。
また、このような窒化珪素等の耐食性を改善するもの
として、従来、珪素含有非酸化物系セラミックス焼結体
の表面にマグネシアを主成分とする表面層を形成して耐
食性を付与する方法(特開昭63−288983号)及び珪素含
有非酸化物系セラミックスの表面にアルミノシリケート
又はジルコンを主成分とする酸化物膜を形成して高耐食
性を付与する方法(特開昭62−52192号)が提案されて
いる。
として、従来、珪素含有非酸化物系セラミックス焼結体
の表面にマグネシアを主成分とする表面層を形成して耐
食性を付与する方法(特開昭63−288983号)及び珪素含
有非酸化物系セラミックスの表面にアルミノシリケート
又はジルコンを主成分とする酸化物膜を形成して高耐食
性を付与する方法(特開昭62−52192号)が提案されて
いる。
[発明が解決しようとする課題] 常圧焼結窒化珪素やサイアロンの適用により、その耐
食性は大幅に改善されたが、雰囲気中のNa、例えばアル
ミニウム溶湯中のNaが母材内に徐々に侵入し、即ち、Na
と母材とが反応し、長期間、例えば1年以上といった期
間にわたって使用すると母材の強度が劣化し、著しい場
合には当該部材が破損するという問題があった。
食性は大幅に改善されたが、雰囲気中のNa、例えばアル
ミニウム溶湯中のNaが母材内に徐々に侵入し、即ち、Na
と母材とが反応し、長期間、例えば1年以上といった期
間にわたって使用すると母材の強度が劣化し、著しい場
合には当該部材が破損するという問題があった。
このような雰囲気中のNaによる劣化の問題は、前記特
開昭63−288983号及び特開昭62−52192号の方法でも、
十分に解決することはできなかった。
開昭63−288983号及び特開昭62−52192号の方法でも、
十分に解決することはできなかった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、著しく耐食性に
優れた耐食性セラミックス材料及びその製造方法を提供
することを目的とする。
優れた耐食性セラミックス材料及びその製造方法を提供
することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 請求項(1)の耐食性セラミックス材料は、窒化珪素
又はサイアロン系セラミックス焼結体の表面に、Na2O−
SiO2を主成分とするガラス層が形成されていることを特
徴とする。
又はサイアロン系セラミックス焼結体の表面に、Na2O−
SiO2を主成分とするガラス層が形成されていることを特
徴とする。
請求項(2)の耐食性セラミックス材料の製造方法
は、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体にNa
を含有する溶液を塗布した後加熱することにより、表面
にNa2O−SiO2を主成分とするガラス層を形成することを
特徴とする。
は、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体にNa
を含有する溶液を塗布した後加熱することにより、表面
にNa2O−SiO2を主成分とするガラス層を形成することを
特徴とする。
請求項(3)の耐食性セラミックス材料の製造方法
は、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体に、
Na2Oを含有するスラリーを塗布した後加熱することによ
り、表面にNa2O−SiO2を主成分とするガラス層を形成す
ることを特徴とする。
は、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体に、
Na2Oを含有するスラリーを塗布した後加熱することによ
り、表面にNa2O−SiO2を主成分とするガラス層を形成す
ることを特徴とする。
請求項(4)の耐食性セラミックス材料の製造方法
は、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体に化
学的蒸着法又は物理的蒸着法によりNa2O含有膜を形成し
た後加熱することにより、表面にNa2O−SiO2を主成分と
するガラス層を形成することを特徴とする。
は、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体に化
学的蒸着法又は物理的蒸着法によりNa2O含有膜を形成し
た後加熱することにより、表面にNa2O−SiO2を主成分と
するガラス層を形成することを特徴とする。
請求項(5)の耐食性セラミックス材料の製造方法
は、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体を製
造するにあたり、表層部の成形材料にNa2O粉末を混合し
て成形、焼成することにより、表面にNa2O−SiO2を主成
分とするガラス層を形成することを特徴とする。
は、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体を製
造するにあたり、表層部の成形材料にNa2O粉末を混合し
て成形、焼成することにより、表面にNa2O−SiO2を主成
分とするガラス層を形成することを特徴とする。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の耐食性セラミックス材料は、窒化珪素又はサ
イアロン系セラミックス焼結体を基体とし、この基体表
面にNa2O−SiO2を主成分とするガラス層が形成されてい
るものである。
イアロン系セラミックス焼結体を基体とし、この基体表
面にNa2O−SiO2を主成分とするガラス層が形成されてい
るものである。
本発明において、基体表面に形成されたガラス層の厚
さは、薄過ぎると本発明による耐食性の改善効果が十分
に得られず、また厚過ぎても相対的に基体の厚さが減る
ことになり、強度等の特性が低下する場合がある上に、
ガラス層と基体との熱膨張率の差により表面層に亀裂や
剥離が生ずるおそれがある。このため、ガラス層の厚さ
は10〜100μm、特に20〜50μm程度とするのが好まし
い。
さは、薄過ぎると本発明による耐食性の改善効果が十分
に得られず、また厚過ぎても相対的に基体の厚さが減る
ことになり、強度等の特性が低下する場合がある上に、
ガラス層と基体との熱膨張率の差により表面層に亀裂や
剥離が生ずるおそれがある。このため、ガラス層の厚さ
は10〜100μm、特に20〜50μm程度とするのが好まし
い。
このようなガラス層は、少なくとも基体の腐食環境に
さらされる面に形成される。
さらされる面に形成される。
なお、本発明に係るガラス層はNa2O−SiO2を主成分と
するものであるが、好ましくは、ガラス層組成としてNa
2Oを5〜50重量%、SiO2を50〜95重量%含むことが望ま
しい。ガラス層中のNa2Oが5重量%未満ではガラス層の
均質な形成が不十分であり、50重量%を超えるとガラス
層が不安定となり被覆効果が低下する。また、SiO2が50
重量%未満ではガラス層が不安定であり、95重量%を超
えるとガラス層の均質な形成が阻害される。
するものであるが、好ましくは、ガラス層組成としてNa
2Oを5〜50重量%、SiO2を50〜95重量%含むことが望ま
しい。ガラス層中のNa2Oが5重量%未満ではガラス層の
均質な形成が不十分であり、50重量%を超えるとガラス
層が不安定となり被覆効果が低下する。また、SiO2が50
重量%未満ではガラス層が不安定であり、95重量%を超
えるとガラス層の均質な形成が阻害される。
このような本発明の耐食性セラミックス材料を製造す
るには、まず、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス
焼結体よりなる基体を製造する。窒化珪素の焼結は常圧
焼結法、加圧焼結法、ガス圧焼結法等により行なうこと
ができ、焼結温度は1650〜1800℃程度である。この場
合、Al2O3、Y2O3、MgO等の焼結助財を全体で8〜20重量
%程度添加することができる。また、サイアロンはSi3N
4のSiの一部をAlで、Nの一部をOで置換したもので、S
i3N4にAlN、Al2O3、Y2O3等を合計10〜20重量%添加して
1650〜1800℃で焼結したものである。
るには、まず、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス
焼結体よりなる基体を製造する。窒化珪素の焼結は常圧
焼結法、加圧焼結法、ガス圧焼結法等により行なうこと
ができ、焼結温度は1650〜1800℃程度である。この場
合、Al2O3、Y2O3、MgO等の焼結助財を全体で8〜20重量
%程度添加することができる。また、サイアロンはSi3N
4のSiの一部をAlで、Nの一部をOで置換したもので、S
i3N4にAlN、Al2O3、Y2O3等を合計10〜20重量%添加して
1650〜1800℃で焼結したものである。
これらの珪素含有非酸化物系セラミックスは、鉄や銅
の溶湯温度である1200〜1500℃程度において酸化され、
表面にSiO2層が形成される。従って、本発明において
は、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体の表
面に、少なくともNa2Oを付与することにより、容易にNa
2O−SiO2を主成分とするガラス層を形成することができ
る。
の溶湯温度である1200〜1500℃程度において酸化され、
表面にSiO2層が形成される。従って、本発明において
は、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体の表
面に、少なくともNa2Oを付与することにより、容易にNa
2O−SiO2を主成分とするガラス層を形成することができ
る。
本発明において、ガラス層の形成方法としては、次の
〜の方法が挙げられる。
〜の方法が挙げられる。
窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体にNaを
含有する溶液を塗布した後加熱する。
含有する溶液を塗布した後加熱する。
この場合、用いるNa含有溶液としては、3〜30重量%
のNa化合物溶液、具体的にはNa2CO3、NaCl、Na酸窒化物
等のNa化合物の水溶液等が挙げられる。なお、このNa含
有溶液は、Na2O・SiO2等のSi化合物を10重量%以下含む
ものであっても良い。
のNa化合物溶液、具体的にはNa2CO3、NaCl、Na酸窒化物
等のNa化合物の水溶液等が挙げられる。なお、このNa含
有溶液は、Na2O・SiO2等のSi化合物を10重量%以下含む
ものであっても良い。
塗布方法としては特に制限はなく、刷毛塗り等の一般
的な方法を採用することができる。
的な方法を採用することができる。
窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体にNa含
有溶液を塗布した後は、乾燥後大気中で加熱処理する。
加熱処理は、通常の場合1000〜1300℃で0.5〜5時間行
なう。
有溶液を塗布した後は、乾燥後大気中で加熱処理する。
加熱処理は、通常の場合1000〜1300℃で0.5〜5時間行
なう。
この加熱処理により、Na含有溶液中のNa化合物はNa2O
に酸化され、焼結体表面に固着するが、この際焼結体表
面層に生成するSiO2や焼結体の粒界層に存在するSiO2と
共に、焼結体表面にはNa2O−SiO2を主成分とするガラス
層が形成される。
に酸化され、焼結体表面に固着するが、この際焼結体表
面層に生成するSiO2や焼結体の粒界層に存在するSiO2と
共に、焼結体表面にはNa2O−SiO2を主成分とするガラス
層が形成される。
形成されるガラス層の厚さは、Na含有溶液の塗布量、
加熱温度、加熱時間等を調整することにより容易に調節
することができる。
加熱温度、加熱時間等を調整することにより容易に調節
することができる。
なお、上記Na含有溶液の塗布及び熱処理は2回以上繰
り返して行なっても良く、この場合には、Na2O−SiO2を
主成分とするガラス層の表面に、更にNa2O含有量の高い
表面層を形成することもできる。
り返して行なっても良く、この場合には、Na2O−SiO2を
主成分とするガラス層の表面に、更にNa2O含有量の高い
表面層を形成することもできる。
窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体にNa2O
を含有するスラリーを塗布した後加熱する。
を含有するスラリーを塗布した後加熱する。
この場合、用いるNa2O含有スラリーとしては、5〜50
重量%のNa2Oを含有する水、有機溶媒等のスラリーが挙
げられる。なお、このNa2O含有スラリーには、20重量%
以下のSiO2が含有されていても良い。
重量%のNa2Oを含有する水、有機溶媒等のスラリーが挙
げられる。なお、このNa2O含有スラリーには、20重量%
以下のSiO2が含有されていても良い。
Na2O含有スラリーの塗布方法や塗布後の加熱処理は上
記の方法と同様で良く、加熱により焼結体表面層に生
成するSiO2及び焼結体の粒界層に存在するSiO2と共に、
焼結体表面にはNa2O−SiO2を主成分とするガラス層が形
成される。
記の方法と同様で良く、加熱により焼結体表面層に生
成するSiO2及び焼結体の粒界層に存在するSiO2と共に、
焼結体表面にはNa2O−SiO2を主成分とするガラス層が形
成される。
形成されるガラス層の厚さは、Na2O含有スラリーの塗
布量、加熱温度、加熱時間等を調整することにより容易
に調節することができる。
布量、加熱温度、加熱時間等を調整することにより容易
に調節することができる。
なお、この方法においてもNa2O含有スラリーの塗布及
び熱処理は2回以上繰り返して行なっても良く、この場
合には、Na2O−SiO2を主成分とするガラス層の表面に、
更にNa2O含有量の高い表面層を形成することもできる。
び熱処理は2回以上繰り返して行なっても良く、この場
合には、Na2O−SiO2を主成分とするガラス層の表面に、
更にNa2O含有量の高い表面層を形成することもできる。
窒化珪素又はサイアロン系セラミックスの焼結体に化
学的蒸着法又は物理的蒸着法により、Na2O含有膜を形成
した後加熱する。
学的蒸着法又は物理的蒸着法により、Na2O含有膜を形成
した後加熱する。
この場合、蒸着法としては、CVD法等の化学的蒸着
法、スパッタリング等の物理的蒸着法を用いることがで
きる。また、蒸着後の加熱条件は、上記、と同様で
ある。
法、スパッタリング等の物理的蒸着法を用いることがで
きる。また、蒸着後の加熱条件は、上記、と同様で
ある。
この方法においても、加熱処理により、焼結体の表面
に生成するSiO2及び焼結体の粒界層に存在するSiO2と共
に、Na2O−SiO2を主成分とするガラス層が焼結体表面に
形成される。
に生成するSiO2及び焼結体の粒界層に存在するSiO2と共
に、Na2O−SiO2を主成分とするガラス層が焼結体表面に
形成される。
形成するガラス層の厚さは、Na2O含有膜の厚さ、即ち
蒸着処理条件、加熱温度、加熱時間等を調整することに
より容易に調節することができる。
蒸着処理条件、加熱温度、加熱時間等を調整することに
より容易に調節することができる。
なお、この方法において、Na2O含有膜として、Na2Oと
共にSiO2を含有する膜を形成することもできる。
共にSiO2を含有する膜を形成することもできる。
窒化珪素又はサイアロン系セラミックスの焼結体を製
造するにあたり、表層部の成形材料にNa2O粉末を混合し
て成形、焼成する。
造するにあたり、表層部の成形材料にNa2O粉末を混合し
て成形、焼成する。
この方法においては、表層部にNa2O粉末又はNa2O−Si
O2粉末を主成分とする成形材料を用いること以外は、常
法に従って、成形、焼成を行なうことができ、表面層に
Na2O−SiO2を主成分とするガラス層を容易に形成するこ
とができる。
O2粉末を主成分とする成形材料を用いること以外は、常
法に従って、成形、焼成を行なうことができ、表面層に
Na2O−SiO2を主成分とするガラス層を容易に形成するこ
とができる。
なお、本発明の方法においては、上記〜の方法に
より、Na2O−SiO2を主成分とするガラス層を形成するに
あたり、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体
の表面を研磨しても良い。焼結体の表面を予め研磨処理
することによりガラス層の形成が均質化するという効果
が奏される。
より、Na2O−SiO2を主成分とするガラス層を形成するに
あたり、窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼結体
の表面を研磨しても良い。焼結体の表面を予め研磨処理
することによりガラス層の形成が均質化するという効果
が奏される。
[作用] Naを含む高温腐食環境下においては、窒化珪素又はサ
イアロン系セラミックス焼結体は、焼結体の粒界層に激
しく存在するSiO2と焼結体表面にガス化して付着したNa
2Oとが激しく反応する。即ち、主な酸化物の塩基度直線
は下記の通りであり、塩基度の差が大きい程、激しい反
応が起こることから、SiO2とNa2Oとは激しく反応する。
イアロン系セラミックス焼結体は、焼結体の粒界層に激
しく存在するSiO2と焼結体表面にガス化して付着したNa
2Oとが激しく反応する。即ち、主な酸化物の塩基度直線
は下記の通りであり、塩基度の差が大きい程、激しい反
応が起こることから、SiO2とNa2Oとは激しく反応する。
このSiO2とNa2Oとの反応により、焼結体表面には凹凸
のある腐食層が形成され、焼結体の強度等の特性は大幅
に低下する。
のある腐食層が形成され、焼結体の強度等の特性は大幅
に低下する。
これに対して、本発明に従って、窒化珪素又はサイア
ロン系セラミックス焼結体の表面に予めNa2O−SiO2を主
成分とする均一なガラス層を形成しておくことにより、
Naを含む高温腐食環境下においても、このNa2O−SiO2を
主成分とするガラス層が良好な保護層として作用し、内
部の焼結体の腐食を防止する。即ち、Naを含む高温腐食
環境下にさらされることにより、表面にNa2Oが接触して
も、Na2O−SiO2を主成分とする安定かつ均一なガラス層
中のNa2Oは、外部のNa2Oと反応することはない。また、
ガラス層中のSiO2も既にNa2Oと反応した状態となってい
るため、SiO2も外部のNa2Oと反応することもない。
ロン系セラミックス焼結体の表面に予めNa2O−SiO2を主
成分とする均一なガラス層を形成しておくことにより、
Naを含む高温腐食環境下においても、このNa2O−SiO2を
主成分とするガラス層が良好な保護層として作用し、内
部の焼結体の腐食を防止する。即ち、Naを含む高温腐食
環境下にさらされることにより、表面にNa2Oが接触して
も、Na2O−SiO2を主成分とする安定かつ均一なガラス層
中のNa2Oは、外部のNa2Oと反応することはない。また、
ガラス層中のSiO2も既にNa2Oと反応した状態となってい
るため、SiO2も外部のNa2Oと反応することもない。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明す
る。
る。
実施例1 Si3N487重量%、Al2O33重量%、AlN3重量%、Y2O37
重量%からなる組成のサイアロン常圧焼結体(密度3.24
g/cm3)の表面に、約10重量%のNa酸窒化物を含む水溶
液を塗布し、十分に乾燥後、大気中にて1200℃で2時間
加熱することにより、本発明の耐食性セラミックス材料
よりなるアルミニウム溶湯用ヒーターチューブを作製し
た。なお、形成されたガラス層は13重量%のNa2O、85重
量%のSiO2、少量のAl2O3、Y2O3等を含む厚さ約20μm
のものであった。
重量%からなる組成のサイアロン常圧焼結体(密度3.24
g/cm3)の表面に、約10重量%のNa酸窒化物を含む水溶
液を塗布し、十分に乾燥後、大気中にて1200℃で2時間
加熱することにより、本発明の耐食性セラミックス材料
よりなるアルミニウム溶湯用ヒーターチューブを作製し
た。なお、形成されたガラス層は13重量%のNa2O、85重
量%のSiO2、少量のAl2O3、Y2O3等を含む厚さ約20μm
のものであった。
このヒーターチューブを使用したところ、Na含有溶液
のコーティングを行なっていない従来のものは約1ヶ月
の使用で表面にNaによる腐食反応層が400μm程度の厚
さに形成され、著しく特性が低下したのに対し、Na含有
溶液のコーティングを行なったものでは、殆ど変化はな
かった。
のコーティングを行なっていない従来のものは約1ヶ月
の使用で表面にNaによる腐食反応層が400μm程度の厚
さに形成され、著しく特性が低下したのに対し、Na含有
溶液のコーティングを行なったものでは、殆ど変化はな
かった。
実施例2 下記Si3N490重量%、Al2O35重量%、Y2O35重量%か
らなる組成の窒化珪素常圧焼結体(密度3.16g/cm3)の
表面を研磨し、その研磨面にNa2O粉末:SiO2粉末=50:5
0(重量比)の混合粉末を20重量%含有するエチルアル
コールのスラリーを塗布した。その後、大気中にて1150
℃で3時間加熱して、水素雰囲気用炉芯管を作製した。
なお、形成されたガラス層は、35重量%のNa2O、60重量
%のSiO2、5重量%のAl2O3を含む厚さ30μmのもので
あった。
らなる組成の窒化珪素常圧焼結体(密度3.16g/cm3)の
表面を研磨し、その研磨面にNa2O粉末:SiO2粉末=50:5
0(重量比)の混合粉末を20重量%含有するエチルアル
コールのスラリーを塗布した。その後、大気中にて1150
℃で3時間加熱して、水素雰囲気用炉芯管を作製した。
なお、形成されたガラス層は、35重量%のNa2O、60重量
%のSiO2、5重量%のAl2O3を含む厚さ30μmのもので
あった。
この炉芯管を使用したところ、Na2O含有スラリーのコ
ーティングを行なっていない従来のものでは、3週間の
使用で、炉芯管内壁にNa2O−SiO2ガラスの腐食層が凹凸
状に析出し、著しく劣化したのに対し、Na2O含有スラリ
ーのコーティングを行なったものでは、4ヶ月以上使用
後も凹凸状の析出物は観察されなかった。
ーティングを行なっていない従来のものでは、3週間の
使用で、炉芯管内壁にNa2O−SiO2ガラスの腐食層が凹凸
状に析出し、著しく劣化したのに対し、Na2O含有スラリ
ーのコーティングを行なったものでは、4ヶ月以上使用
後も凹凸状の析出物は観察されなかった。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の耐食性セラミックス材料
は、高温腐食雰囲気、特にNaを含むアルカリ性の腐食雰
囲気に対して、著しく高い耐腐食性を有し、長期使用に
よる劣化を引き起こすことなく、高温強度、耐熱衝撃性
等の高温特性が損なわれることがない。
は、高温腐食雰囲気、特にNaを含むアルカリ性の腐食雰
囲気に対して、著しく高い耐腐食性を有し、長期使用に
よる劣化を引き起こすことなく、高温強度、耐熱衝撃性
等の高温特性が損なわれることがない。
本発明の耐食性セラミックス材料は、特に、Naを含有
するアルミニウム溶湯用部材、具体的にはストークス、
ヒーターチューブ(ヒーター保護管)、熱電対保護管等
の構造材料として、また、Na2Oガス雰囲気にさらされる
炉芯管等の構造材料等として極めて有用である。
するアルミニウム溶湯用部材、具体的にはストークス、
ヒーターチューブ(ヒーター保護管)、熱電対保護管等
の構造材料として、また、Na2Oガス雰囲気にさらされる
炉芯管等の構造材料等として極めて有用である。
しかして、このような本発明の耐食性セラミックス材
料は、請求項(2)〜(5)の方法により容易に製造さ
れる。
料は、請求項(2)〜(5)の方法により容易に製造さ
れる。
Claims (5)
- 【請求項1】窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼
結体の表面に、Na2O−SiO2を主成分とするガラス層が形
成されていることを特徴とする耐食性セラミックス材
料。 - 【請求項2】窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼
結体にNaを含有する溶液を塗布した後加熱することによ
り、表面にNa2O−SiO2を主成分とするガラス層を形成す
ることを特徴とする耐食性セラミックス材料の製造方
法。 - 【請求項3】窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼
結体にNa2Oを含有するスラリーを塗布した後加熱するこ
とにより、表面にNa2O−SiO2を主成分とするガラス層を
形成することを特徴とする耐食性セラミックス材料の製
造方法。 - 【請求項4】窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼
結体に化学的蒸着法又は物理的蒸着法によりNa2O含有膜
を形成した後加熱することにより、表面にNa2O−SiO2を
主成分とするガラス層を形成することを特徴とする耐食
性セラミックス材料の製造方法。 - 【請求項5】窒化珪素又はサイアロン系セラミックス焼
結体を製造するにあたり、表層部の成形材料にNa2O粉末
を混合して成形、焼成することにより、表面にNa2O−Si
O2を主成分とするガラス層を形成することを特徴とする
耐食性セラミックス材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1093950A JP2751364B2 (ja) | 1989-04-13 | 1989-04-13 | 耐食性セラミックス材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1093950A JP2751364B2 (ja) | 1989-04-13 | 1989-04-13 | 耐食性セラミックス材料及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02271982A JPH02271982A (ja) | 1990-11-06 |
JP2751364B2 true JP2751364B2 (ja) | 1998-05-18 |
Family
ID=14096715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1093950A Expired - Lifetime JP2751364B2 (ja) | 1989-04-13 | 1989-04-13 | 耐食性セラミックス材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2751364B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014025062A1 (ja) * | 2012-08-10 | 2014-02-13 | 京セラ株式会社 | 窒化珪素質焼結体および熱伝導部材 |
-
1989
- 1989-04-13 JP JP1093950A patent/JP2751364B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02271982A (ja) | 1990-11-06 |
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