JP2001328161A - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの製造方法

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JP2001328161A
JP2001328161A JP2000151131A JP2000151131A JP2001328161A JP 2001328161 A JP2001328161 A JP 2001328161A JP 2000151131 A JP2000151131 A JP 2000151131A JP 2000151131 A JP2000151131 A JP 2000151131A JP 2001328161 A JP2001328161 A JP 2001328161A
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Japan
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film
thickness
width direction
thermoplastic resin
clip
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JP2000151131A
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English (en)
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Yasushi Haruta
寧 春田
Ikuo Hagiwara
郁夫 萩原
Masabumi Sakubayashi
正文 作林
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】逐次二軸型熱可塑性樹脂フィルム製造工程にお
いてテンターでのフィルム破れの少ない製造方法を提供
する。 【解決手段】逐次二軸延伸法により熱可塑性樹脂フィル
ムを製造するに際して、幅方向のクリップ把持巾をw
(mm)、幅方向延伸後の中央部厚みをt(μm)、長
手方向および幅方向の延伸倍率の積をs、幅方向延伸前
のクリップ把持部のフィルム厚みをT1(μm)、幅方
向延伸前のクリップ把持部から中央に向かって2w入っ
た位置の厚みをT2(μm)とするとき、 5st≦T1≦ 10st 1.5st≦T2≦4.5st となるようT1およびT2を調整することを特徴とする熱
可塑性樹脂フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は逐次二軸延伸法によ
る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に関するものであ
り、詳しくは延伸時のフィルム破れの少ない製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】逐次二軸延伸法による熱可塑性樹脂フィ
ルムの製造にあたり、幅方向延伸時のテンターでのフィ
ルム破れは最大のロス発生源であり、フィルム破れが発
生すると原料ロスのみならず復旧までの時間ロスも大き
く、また復旧に多大な労力を必要とする。
【0003】熱可塑性樹脂延伸時のフィルム破れに対し
ては、クリップ把持部と延伸されたフィルムとの境界部
分の厚みが非常に重要であり、この部分の厚みをいかに
調整するかが安定製膜の重要なポイントとなる。
【0004】また近年、地球環境保護、産業廃棄物減少
という観点から、熱可塑性樹脂フィルムは薄膜化が進
み、5μm以下の極薄フィルムも一般的であるが、極薄
フィルムは製膜時外乱の影響を受けやすく、安定な製膜
条件範囲は当然ながら厚みの薄さに応じて狭くなる。
【0005】熱可塑性樹脂極薄フィルム製膜時のフィル
ム破れを防止し、安定した製膜状態を得るためのクリッ
プ把持部と延伸されたフィルムとの境界部分の厚みと、
製膜する延伸フィルム厚みに関する定量的な対応関係は
明確でなかったので条件を最適化するものは見あたらな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のごとき
製膜時外乱の影響を受けやすい熱可塑性樹脂極薄フィル
ム製膜において、テンターでのフィルム破れの少ない方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、逐次二軸延伸
法により熱可塑性樹脂フィルムを製造するに際して、幅
方向のクリップ把持巾をw(mm)、幅方向延伸後の中
央部厚みをt(μm)、長手方向および幅方向の延伸倍
率の積をs、幅方向延伸前のクリップ把持部のフィルム
厚みをT1(μm)、幅方向延伸前のクリップ把持部か
ら中央に向かって2w入った位置の厚みをT2(μm)
とするとき、 5st≦T1≦ 10st 1.5st≦T2≦4.5st となるようT1およびT2を調整することを特徴とする熱
可塑性樹脂フィルムの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明でいう熱可塑性樹脂とはポ
リオレフィン、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィ
ド等であるが、本発明方法はポリフェニレンスルフィド
の場合最も効果的である。
【0009】ここでいうクリップ把持部とは、おのおの
のクリップが上下から延伸前フィルムを挟み把持する面
積部分の横方向の巾であり、クリップ把持部の機械的な
巾、あるいは延伸後のフィルムに残った把持跡から通常
のメジャー、ノギスにて測定した値である。
【0010】フィルム各部の厚みは、それぞれの位置の
厚みをβ線、赤外線などの非接触厚さ計、もしくはマイ
クロメーターなどの接触式厚さ計にて測定した値であ
る。
【0011】ここでいう長手方向の延伸倍率とは逐次二
軸延伸時の長手方向延伸ロール間の周速比であり、幅方
向延伸倍率とは上述のクリップ把持巾をw(mm)、幅方向
の延伸前フィルム幅をB(mm)、幅巾方向の延伸最大幅を
L(mm)としたとき、次式によって計算される値である。
【0012】
【数1】 長手方向、幅方向の延伸倍率の積とは上記二つの延伸倍
率の積である。
【0013】本発明においてT1は下記の式 5st≦T1≦10st を満たすものとすることが必要である。T1が5st未
満であると、溶融押し出しの圧力変動などの外乱の影響
を受けやすく、テンターでのフィルム破れが発生する。
また10stを越えると厚くなりすぎ溶融押し出し後
の冷却成型の際の冷却が不充分となり、成形性に劣る。
T1の好ましい範囲は、 6st≦T1≦9st である。
【0014】またT2は下記の式 1.5st≦T2≦4.5st を満たすことが必要である。T2が1.5st未満であ
ると、T1と同様に溶融押し出しの圧力変動などの外乱
の影響を受けやすく、テンターでのフィルム破れが発生
する。 また4.5stを越えるとT1とT2の間でのな
だらかな厚みプロファイルの変化が損なわれテンター破
れが発生し、本発明の目的を達成できない。
【0015】T2の好ましい範囲は、 1.8st≦T2≦4.3st である。
【0016】本発明におけるポリフェニレンスルフィド
(以下PPSという)とは、繰り返し単位の70モル%
以上(好ましくは85モル%以上)が下記の構造式で表
されるp−フェニレンスルフィドユニットからなるもの
である。
【0017】
【化1】 上記成分が70モル%未満では、ポリマーの結晶性、熱
転移温度が低くなり、二軸配向PPSフィルムの特徴で
ある耐熱性、寸法安定性、機械特性を損なうため好まし
くない。
【0018】繰り返し単位の30モル%未満(好ましく
は15モル%未満)であれば、p−フェニレンスルフィ
ドユニットと共重合可能な繰り返し単位、例えば、下記
【0019】
【化2】 で表される構造式の繰り返し単位などから構成すること
ができる。
【0020】PPSを用いる場合、PPS組成物の溶融
粘度は、300℃、剪断速度200sec-1のもとで10
0〜50000ポイズの範囲であり、500〜1200
0ポイズの範囲のものが生産性、フィルム特性から好ま
しい。
【0021】本発明のフィルムには不活性粒子を添加し
ても良く、不活性粒子としては、シリカ、アルミナ、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化
亜鉛、酸化チタン、等の無機フィラーおよび有機高分子
粒子(例えば架橋ポリスチレン粒子、アクリル粒子)等
が挙げられる。また不活性粒子以外にもワックス系の滑
剤、およびこれらの混合物などを添加しても良い。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0023】実施例1 300℃剪断速度200sec-1下の溶融粘度が4000
ポイズのPPSを押し出し機に供給し、300℃で溶融
させた後Tダイよりシートを吐出させ、冷却ドラムにて
成型した。
【0024】このフィルムを90度に加熱した後、長手
方向に3.5倍延伸し、テンターを用い100℃にて
3.1倍に延伸し、引き続き260度で10秒間熱処理
し、厚み1.2μmの延伸フィルムを得た。 テンター
での幅方向延伸前、クリップ把持部の厚みT1を105
μm、クリップ把持部からクリップ把持巾w=10mmの
2倍である20mm中央に向かって入った位置の厚みT2
を55μmに調整した。この調整後3日間連続運転し、
この間のテンターでのフィルム破れの回数を記録した。
以上の結果を表1に示した。
【0025】実施例2 実施例1と全く同様の方法でT1,T2をそれぞれ14
5,78μmに調整し、長手方向に3.5倍、幅方向に
3.3倍延伸し、2.0μmの延伸フィルムを得た。こ
の時のテンターでのフィルム破れの回数も表1に示し
た。
【0026】実施例3 実施例1と全く同様の方法でT1,T2をそれぞれ20
0,120μmに調整し、長手方向に3.5倍、幅巾方
向に3.1倍延伸し、3.5μmの延伸フィルムを得
た。この時のテンターでのフィルム破れの回数も表1に
示した。
【0027】実施例4 実施例1と全く同様の方法でT1,T2をそれぞれ41
5,100μmに調整し、長手方向に3.7倍、幅巾方
向に3.3倍延伸し、4.0μmの延伸フィルムを得
た。この時のテンターでのフィルム破れの回数も表1に
示した。
【0028】比較例1 T1,T2をそれぞれ62,55μmに調整した以外は実
施例1と全く同様の方法で製膜し3日間連続運転時のフ
ィルム破れ回数を記録した。この結果も表1に示した。
【0029】比較例2 T1,T2をそれぞれ586,100μmに調整した以外
は実施例4と全く同様の方法で製膜し4.0μmの延伸
フィルムを得た。この時の3日間連続運転時のフィルム
破れ回数を記録した。この結果も表1に示した。
【0030】比較例3 T1,T2をそれぞれ105,48μmに調整した以外は
実施例1と全く同様の方法で製膜し1.2μmの延伸フ
ィルムを得た。この時の3日間連続運転時のフィルム破
れ回数を記録した。この結果も表1に示した。
【0031】比較例4 T1,T2をそれぞれ200,175μmに調整した以外
は実施例3と全く同様の方法で製膜し3.5μmの延伸
フィルムを得た。この時の3日間連続運転時のフィルム
破れ回数を記録した。この結果も表1に示した。
【0032】表−1から明らかなようにクリップ把持部
巾w(mm)、クリップ把持部の厚みT1(μm)、クリッ
プ把持部からフィルム中央に2w入った位置のフィルム
厚みT2(μm)、長手方向、延伸倍率の積s、フィル
ム中央部の厚みt(μm)に対し、T1を5st以上1
0st以下、T2を1.5st以上4.5st以下とな
るように調整することによりテンターでのフィルム破れ
を少なく、安定に製造することができる。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の方法を採用することにより、製
造時のフィルム破れを減少させることができ、生産性を
大幅に向上することを可能にするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 81:02 C08L 81:02 Fターム(参考) 4F071 AA62 BB08 BC01 BC12 4F210 AA34 AG01 QA02 QA03 QC06 QG01 QG18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 逐次二軸延伸法により熱可塑性樹脂フィ
    ルムを製造するに際して、幅方向のクリップ把持巾をw
    (mm)、幅方向延伸後の中央部厚みをt(μm)、長
    手方向および幅方向の延伸倍率の積をs、幅方向延伸前
    のクリップ把持部のフィルム厚みをT1(μm)、幅方
    向延伸前のクリップ把持部から中央に向かって2w入っ
    た位置の厚みをT2(μm)とするとき、 5st≦T1≦ 10st 1.5st≦T2≦4.5st となるようT1およびT2を調整することを特徴とする熱
    可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂がポリフェニレンスルフィ
    ドである請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 中央部厚みtが5μm以下である請求項
    2に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007049571A1 (ja) * 2005-10-27 2007-05-03 Toray Industries, Inc. ポリアリーレンスルフィドフィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007049571A1 (ja) * 2005-10-27 2007-05-03 Toray Industries, Inc. ポリアリーレンスルフィドフィルム
US8742061B2 (en) 2005-10-27 2014-06-03 Toray Industries, Inc. Polyarylene sulfide film

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