JP2001328073A - ワイヤ工具およびその製造方法 - Google Patents

ワイヤ工具およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001328073A
JP2001328073A JP2000149895A JP2000149895A JP2001328073A JP 2001328073 A JP2001328073 A JP 2001328073A JP 2000149895 A JP2000149895 A JP 2000149895A JP 2000149895 A JP2000149895 A JP 2000149895A JP 2001328073 A JP2001328073 A JP 2001328073A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
electron beam
manufacturing
wire tool
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000149895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4255600B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Enomoto
俊之 榎本
Yasuhiro Tani
泰弘 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000149895A priority Critical patent/JP4255600B2/ja
Publication of JP2001328073A publication Critical patent/JP2001328073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4255600B2 publication Critical patent/JP4255600B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高寿命で切断加工の高精度化・高能率化が可
能であり、かつ長尺で安価なワイヤ工具およびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 ワイヤ11上に電子線硬化性接着剤22
aを主成分とする結合材で砥粒22cを固定したワイヤ
工具を製造する場合、結合材を電子線硬化性接着剤層
(単層)のみ、あるいはプライマ処理後に形成された電
子線硬化性接着剤層のみ、で構成する。また、柔軟性に
優れ、電子線硬化性接着剤22aとの付着性が良好な有
機樹脂粉末や有機樹脂ファイバを添加物22bとして用
いる。さらに、添加物22bとして、金属粒子などの硬
質粒子を適量配合し、電子線硬化性接着剤に混入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシリコンイ
ンゴット、水晶、石英、などの硬脆材料や金属材料を切
断加工するための、樹脂を主な材料としたワイヤ工具に
関し、特に切断加工の高精度化・高効率化を行うことが
できるワイヤ工具およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンインゴット、水晶、石
英、などの硬脆材料や金属材料の切断工具としてワイヤ
工具が用いられているが、特に近年のシリコンウェーハ
の大口径化にともない、シリコンウェーハのインゴット
からの切断手段として注目されている。
【0003】シリコンインゴットの切断加工には、従来
は内周刃による切断方式が適用されてきた。そして近
年、半導体デバイスの生産コストの低減、適正化を図る
ために、シリコンウェーハは大口径化の一途をたどって
いるが、そうしたウェーハの大口径化に対しては、内周
刃の大径化で対応してきた。しかしながら、特に8イン
チ以上のシリコンインゴットに対しては、スループット
の向上に限界がある、切断ロス(Kerf-loss)が大き
い、切断ジグへの内周刃のセッティングが困難である、
などの理由により、切断方法は内周刃切断方式からマル
チワイヤ切断方式(「電子材料」Vol.35、No.7、1
996年7月号、第29頁に記載)に置き換わりつつあ
る。
【0004】ところで、従来行われてきたワイヤによる
シリコンインゴットの切断加工は、図5に示すように、
ピアノ線などのワイヤ1の新線リール2から巻き取りロ
ーラ5までの所定経路中に、ダンサローラ3および複数
のメインローラ4などを設けて、インゴット6に近接す
る所定のピッチのワイヤ列を形成するもので、スラリー
ノズル7から高粘度の研磨剤スラリーを供給するととも
に、インゴット6をそのワイヤ列に押し付けることによ
り、インゴット6の切断を行う、という遊離砥粒加工で
あった。しかしながら、遊離砥粒加工法ゆえに、多量の
産業廃棄物(廃液)を生じる、ランニングコストが高
い、切断後のウェーハ洗浄が難しい、加工能率の向上が
望めない、さらには切断精度が悪い、などの欠点があっ
た。
【0005】これらの問題を解決するものとして、ワイ
ヤに砥粒を固着させたワイヤ工具、すなわち固定砥粒ワ
イヤ工具があり、すでに電着ワイヤ工具(特開昭63−
22275号公報、特公平4−4105号公報、特開平
7−227767号公報、特開平9−150314号公
報などに記載)やピアノ線自体に砥粒を機械的に埋め込
む製造法によるもの(商品名:ワイヤモンド、住友電気
報昭和63年3月第132号、p.118−122に記
載)が開発されている。これらの工具においては、砥粒
を固着する結合材として金属が用いられている。
【0006】ところが、金属を結合材として用いたワイ
ヤ工具では、結合剤層が硬いため、ワイヤ工具の破断ね
じり強度や曲げ強度が低く、加工時に断線しやすい、ま
た電着ワイヤ工具においては、電着に長時間要するため
に製造コストが高い、さらにマルチワイヤ切断方式に必
要なワイヤ工具自体の長尺化が困難である、などの品質
上かつ経済上の問題があった。また、ワイヤの製造コス
トが高く、長尺化が困難であるという問題を回避するた
めに、短尺ワイヤ工具の両端を接合したエンドレスタイ
プのワイヤ工具も試作されているが、接合部の破断ねじ
り強度や曲げ強度が極めて低いという問題がある。
【0007】そこで、これらの問題を解決するために、
最近、樹脂を結合材に用いたワイヤ工具が開発されるに
至っている。こうしたワイヤに砥粒を固着する結合材に
樹脂を用いたワイヤ工具およびその製造方法としては、
大阪ダイヤモンド工業が開発した固定砥粒ダイヤモンド
ワイヤソー(1997年度砥粒加工学会学術講演会講演
論文集、p.369−370)、特開平8−12695
3号公報、特開平9−155631号公報、特開平10
−138114号公報、特開平10−151560号公
報、特開平10−315049号公報、特開平10−3
28932号公報、特開平10−337612号公報に
記載のものが知られている。これらのワイヤ工具では、
樹脂の種類については特に限定していないが、発表内
容、実施例、などからわかるように、実際には研削砥石
において従来使用されてきたフェノール樹脂などの熱硬
化性樹脂が用いられている。また、砥粒保持強度を高め
るために、セラミックを結合材に用いたワイヤ工具が、
特開平11−48035号公報に記載されている。
【0008】しかしながら、このように改善されたワイ
ヤ工具においても、熱硬化性樹脂を結合材に用いること
から、溶媒を除去するための乾燥工程と硬化させるため
の焼成工程を必要とし、また焼成に要する時間も全ての
ワイヤ工具箇所において数分ずつ要してしまう。また、
セラミックを結合材に用いると、焼成温度がさらに高く
なるのみならず、焼成に要する時間も数十分以上も要し
てしまう。したがって、ワイヤ工具の高速な製造、例え
ば毎分数百メートル〜数キロメートルの速度での製造は
難しく、マルチ切断方式に必要な10キロメートル以上
の長尺なワイヤ工具を安価に製造することは極めて困難
である。さらに、熱硬化性樹脂を結合材としたワイヤ工
具は、金属を結合材として用いたワイヤ工具に比較し
て、結合材の耐摩耗性、機械的強度、耐熱性が低く、切
断能率が劣るという問題がある。
【0009】そこで、製造スピード向上という観点か
ら、銅線の被覆などに用いられる電子線硬化性樹脂を熱
硬化性樹脂に替えて結合材とし、さらに結合材の耐摩耗
性、機械的強度、耐熱性を向上させるために電子線硬化
性樹脂に金属粒子や金属ファイバなどを添加する技術が
提案されている(特願平11−202224号)。さら
に、ワイヤと結合材との密着強度を上げて工具の耐摩耗
性を向上させるために、結合材を多層化する技術が提案
されている(特願平11−203222号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、結合材
中に金属粒子などの硬質粒子や、金属ファイバあるいは
無機ファイバなどの硬質ファイバを添加した場合、結合
材の硬度が高まって工具の耐摩耗性は向上するものの、
可撓性や柔軟性に欠け、また、結合材樹脂との付着性が
悪いため、添加物そのものが結合材から脱落する現象が
生じる。その結果、砥粒を保持するための保持強度が低
下し、工具の耐摩耗性が低下してしまう。また、結合材
を多層化すると、ワイヤと結合材の密着強度は改善され
るものの、工具の製造時間が延びてコスト高になるとい
う問題がある。
【0011】本発明は、このような問題に着目してなさ
れたもので、高寿命で切断加工の高精度化・高能率化が
可能であり、かつ長尺で安価なワイヤ工具およびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ワイヤ工具の半径方向に形成された単層からなる結
合材で砥粒を固定したワイヤ工具であって、前記結合材
は、ワイヤ表面に電子線硬化性接着剤を主成分として形
成された電子線硬化性接着剤層からなることを特徴とす
る。
【0013】請求項2に記載の発明は、ワイヤ工具の半
径方向に形成された単層からなる結合材で砥粒を固定し
たワイヤ工具であって、前記結合材は、ワイヤ表面に電
子線硬化性接着剤を主成分とし、砥粒および/または添
加物を含む混合接着剤液を塗布することによって形成さ
れた電子線硬化性接着剤層からなることを特徴とする。
【0014】電子線硬化性接着剤は、電子線が照射され
ると、1秒以下という短時間で重合硬化する。結合材と
して電子線硬化性接着剤を用いた場合は、光硬化性接着
剤を用いた場合に比べ、10倍以上の速度(毎分1キロ
メートル以上の速度)でワイヤ工具を製造することが可
能であり、安価で長尺なワイヤ工具を製造できる。ま
た、電子線はエネルギーが高いので、硬化特性が結合材
中への粉末添加の影響を受け難い。さらに、結合材に用
いる樹脂コストについても、電子線は光に比べてエネル
ギーが高いので、硬化反応を生じさせるための重合開始
剤や増感剤は不要であり、電子線照射装置の設備コスト
は高くなるものの、ワイヤ工具製造コストは大幅に低減
できる。そして、硬化に必要なエネルギーも紫外線硬化
性接着剤を用いる場合の1/3乃至1/4に抑制でき
る。また、電子線照射装置は紫外線照射装置に比べ、一
般的に設備床面積が狭くて済むという長所がある。
【0015】ここで、電子線硬化性接着剤(カルボキシ
ル基など、金属との密着性を高める官能基を導入した電
子線硬化性樹脂)は、他の電子線硬化性樹脂に比べ、ワ
イヤの素材である金属などとの密着性に優れ、工具の耐
摩耗性を向上させることができる。一方、電子線硬化性
接着剤は、通常、他の電子線硬化性樹脂に比べて柔軟で
あり、場合によっては粘着性を有するため、そのままで
は十分な砥粒層硬度を得ることができない。
【0016】しかしながら、発明者らが鋭意研究を重ね
た結果、電子線硬化性接着剤への添加物の種類や量を適
正化すること、あるいは、電子線硬化時の雰囲気を適正
化することにより、電子線硬化性接着剤の粘着性を低下
させることができ、電子線硬化性接着剤層(単層)から
なる結合材で砥粒を固定しても、十分な砥粒層硬度を得
られることが判明した。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2において、前記結合材は、電子線硬化性接着剤中に、
平均粒径が0.1〜15μmの金属粒子および/または
平均粒径が0.1〜15μmの無機粉末および/または
平均粒径が0.1〜15μmの有機樹脂粉末を5〜90
wt%添加して形成された層からなることを特徴とす
る。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2において、前記結合材は、電子線硬化性接着剤中に、
短径が0.1〜15μm、長径が1〜200μmの金属
ファイバおよび/または無機ファイバおよび/または有
機樹脂ファイバを5〜90wt%添加して形成された層
からなることを特徴とする。
【0019】ワイヤ工具において、電子線硬化性接着剤
単体で結合材を構成した場合、十分な砥粒層硬度などを
得ることができず、切断加工時に砥粒が脱落したり、砥
粒層の摩耗が激しくなることが考えられるが、金属粒子
などの添加物を結合材中に添加することにより、工具の
機械的強度や耐熱性を高め、結果として工具の耐摩耗性
を向上させることができる。
【0020】ここで、金属粒子などの硬質粒子や硬質フ
ァイバといった添加物は、硬質であるが故に、結合材層
の硬度は高くなり、工具の耐摩耗性は向上するものの、
可撓性や柔軟性がなく、また、結合材樹脂との付着性が
悪いため、添加物そのものが結合材より脱落する現象が
生じる。その結果、砥粒を保持するための保持強度が低
下し、工具の耐摩耗性が低下してしまう。
【0021】そこで、柔軟性があり、また結合材樹脂と
の付着性に優れる、有機樹脂粉末や有機樹脂ファイバ
(樹脂繊維)を適量添加することにより、砥粒保持強度
を高められることが判明した。なお、添加物として有機
樹脂粉末(および/または有機樹脂ファイバ)のみを用
いてもよいが、金属粒子などの硬質粒子と有機樹脂粉末
などとを適宜配合し、電子線硬化性接着剤液に混入させ
ることにより、切断工具として十分な工具硬度や可撓性
などを得ることができる。
【0022】請求項5に記載の発明は、ワイヤ上に電子
線硬化性樹脂を主成分とし、単層からなる結合材で砥粒
を固定したワイヤ工具の製造方法であって、ワイヤをそ
の軸線方向に走行させながら、ワイヤ上に電子線硬化性
樹脂を主成分とし、砥粒および/または添加物を含む混
合接着剤液を塗布する接着剤塗布工程と、ワイヤ上に塗
布された前記混合接着剤液を電子線硬化する電子線硬化
工程と、を有することを特徴とする。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項5におい
て、前記接着剤塗布工程では、ワイヤ上に、平均粒径が
0.1〜15μmの金属粒子および/または平均粒径が
0.1〜15μmの無機粉末および/または平均粒径が
0.1〜15μmの有機樹脂粉末を5〜90wt%含有
する電子線硬化性接着剤と砥粒との混合接着剤液を塗布
することを特徴とする。
【0024】請求項7に記載の発明は、請求項5におい
て、前記接着剤塗布工程では、ワイヤ上に、短径が0.
1〜15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバお
よび/または無機ファイバおよび/または有機樹脂ファ
イバを5〜90wt%含有する電子線硬化性接着剤と砥
粒との混合接着剤液を塗布することを特徴とする。
【0025】請求項8に記載の発明は、請求項5〜7の
いずれかにおいて、前記混合接着剤液の塗布前に、ワイ
ヤに電子線を照射して洗浄するワイヤ洗浄処理を施すこ
とを特徴とする。
【0026】結合材硬化のエネルギー源に用いている電
子線は、金属などの表面の洗浄作用を有するので、結合
材として用いる混合接着剤液をワイヤ上に塗布する前
に、ワイヤに電子線などを照射して洗浄処理する。この
電子線照射により、ワイヤ表面が脱脂され、ワイヤと結
合材層との十分に高い密着強度が得られる。また、電子
線照射によって毎分1000m以上の洗浄処理速度を実
現でき、ワイヤ工具の製造速度が大幅に向上する。さら
に、従来の洗浄方法よりも低い製造コストを実現でき
る。
【0027】請求項9に記載の発明は、請求項8におい
て、前記ワイヤ洗浄処理を施した後、接着剤塗布工程に
先立ち、ワイヤ上に化学的プライマ処理を施すことを特
徴とする。
【0028】請求項10に記載の発明は、請求項5〜7
のいずれかにおいて、前記混合接着剤液の塗布前に、ワ
イヤ上に化学的プライマ処理を施すことを特徴とする。
【0029】ワイヤ表面に化学的プライマ処理を施すこ
とで、結合材被膜(電子線硬化性接着剤層)とワイヤ面
との密着力を高めることができ、結合材被膜の剥離によ
る工具寿命の低下を抑えることができる。
【0030】請求項11に記載の発明は、請求項5〜7
のいずれかにおいて、前記接着剤塗布工程で、塗布後の
ワイヤを所定の径にするか、あるいはワイヤ上の膜厚を
所定の値にした後、電子線を照射して硬化する電子線硬
化工程を有することを特徴とする。
【0031】請求項12に記載の発明は、請求項5〜7
のいずれかにおいて、前記電子線硬化工程を大気中より
も酸素濃度を減少させた雰囲気中で行うことを特徴とす
る。
【0032】前記電子線硬化工程における酸素濃度を通
常の大気中よりも減少させることで、樹脂の重合硬化反
応を十分に安定かつ確実に実現できる。例えば、電子線
硬化工程における酸素濃度を通常の大気中より10%減
少させた場合においても、切断加工に適した結合材層が
得られる。
【0033】請求項13に記載の発明は、請求項12に
おいて、前記電子線硬化工程を窒素雰囲気中で行うこと
を特徴とする。
【0034】前記電子線硬化工程を酸素の全くない窒素
雰囲気中において行うと、結合材層が完全硬化し、切断
加工に供するに十分適した切断特性や耐摩耗性を有する
ワイヤ工具が得られる。
【0035】請求項14に記載の発明は、請求項5〜7
のいずれかにおいて、前記電子線硬化後の結合材を加熱
して熟成する加熱熟成工程を有することを特徴とする。
【0036】ワイヤ工具の耐摩耗性、耐熱性の向上に有
効な金属粉末を添加した場合、電子線照射のみでは、添
加した粒子部、ファイバ部での電子線の吸収、反射など
や添加物の金属イオンの作用により、金属添加物周囲に
おいて硬化不良が生じやすい。また、電子線照射時間の
短縮によっても、未硬化部が残存し易い。そこで、前記
加熱熟成工程を設けることにより、金属添加物周囲で生
じた硬化不良による結合材硬度の低下を改善し、さらに
電子線照射時間を短縮させることが可能である。こうし
て、結合材層を完全に硬化し、工具コストを低減しなが
ら、切断特性や耐摩耗性に優れたワイヤ工具を得ること
ができる。
【0037】請求項15に記載の発明は、請求項14に
おいて、前記加熱熟成工程では、結合材の電子線硬化後
に巻き取られたワイヤ工具をバッチ処理することを特徴
とする。
【0038】前記加熱熟成工程は、ほぼ硬化したワイヤ
工具に対して行うため、リールに巻き取った工具を加熱
炉などでバッチ処理することができる。バッチ処理によ
れば、工具1個あたりの製造時間は殆ど変化しないの
で、工具製造速度を低減することなく、切断加工を行う
に十分な結合材硬度を有するワイヤ工具を、確実かつ安
定に製造することができる。
【0039】請求項16に記載の発明は、請求項5〜1
5のいずれかにおいて、接着剤塗布および電子線硬化後
のワイヤの外径寸法を計測する計測工程と、計測された
外径寸法を基にして、前記ワイヤの外径寸法が所定の値
になるように前記接着剤塗布工程および/または電子線
硬化工程を調節する調節工程と、を有することを特徴と
する。
【0040】前記計測工程および調節工程を設けること
で、線径のばらつきを最小限に抑えることが可能とな
り、切断ロスや切断品の反りが小さく、安定した切断面
品位を有するシリコンウェーハの高精度切断が可能なワ
イヤ工具を製造することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を用い、本発明の一実
施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、電子線硬化性樹脂に種々の金属粒子や無機粉
末、有機樹脂粉末、金属ファイバ、無機ファイバ、ある
いは有機樹脂ファイバ(樹脂繊維)を含む結合材を用い
て砥粒をワイヤに固着するワイヤ工具とその製造方法の
広範囲な応用をも含むものである。
【0042】[第1の実施形態]図1に、本発明の第1
の実施形態に係るワイヤ工具の製造装置の概略構成を示
し、図2には製造されたワイヤ工具の横断面を示す。
【0043】図1において、送り出しロール10に巻か
れたワイヤ11は、複数の送りローラ12、13、14
およびダンサローラ15により搬送され、巻き取りロー
ル20に引張られて巻き取られる構成になっている。ワ
イヤ11の素材は特に限定されるものではなく、ピアノ
線、黄銅被覆ピアノ線、ステンレス鋼線といった金属線
やガラス繊維といった無機化合物による線、ナイロンと
いった有機化合物による線、またはそれらの撚線などが
あげられる。
【0044】このワイヤ11を巻き取る際、張力変動に
よる断線などを防止するために、張力制御機構としてダ
ンサローラ15を設けているが、他にはシーソー方式や
キャプスタン方式による張力制御法が挙げられる。図1
に示す構成においては、制御系16によって送り出しロ
ール10の送り出しの速度と巻き取りロール20の巻き
取り速度が制御されるとともに、ダンサローラ15の位
置が制御され、ワイヤ11の張力が所定値に制御され
る。
【0045】また、送り出しロール10から引き出さ
れ、ローラ12を通過したワイヤ11は、図示しない溶
剤蒸気脱脂槽で脱脂処理された後、金属との密着性に優
れる電子線硬化性樹脂(接着剤)22aなどからなる、
混合接着剤液22を収容したロート状の接着剤塗布槽2
1に導かれ、接着剤塗布槽21を通過することによって
塗布処理が施される。このとき、ワイヤ11上に混合接
着剤液22が層状に付着して未硬化の混合被膜が形成さ
れる。
【0046】ここで、接着剤塗布槽21に収容された混
合接着剤液22は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、
アミノ基などの金属との密着性を高める官能基を導入し
た電子線硬化性接着剤22aに、所定の添加物22bを
添加、混合し、さらに所定の砥粒22cを混合した流動
性混合物である。具体的には、混合接着剤液22は、液
状樹脂すなわち電子線硬化性接着剤22aに、必要に応
じて、平均粒径が0.1〜15μmの金属粒子および/
または平均粒径が0.1〜15μmの無機粉末および/
または平均粒径が0.1〜15μmの有機樹脂粉末を5
〜90wt%、あるいは短径が0.1〜15μm、長径
が1〜200μmの金属ファイバおよび/または無機フ
ァイバおよび/または有機樹脂ファイバを5〜90wt
%、添加物22bとして添加、混合した添加物混合液状
樹脂を作製し、その添加物混合液状樹脂と所定粒径の砥
粒22cとを均一に混和した混合溶液となっている。砥
粒22cは、特に限定されるものではなく、ダイヤモン
ド、CBN(立方晶窒化ホウ素)、アルミナ、炭化珪
素、などの硬質砥粒などでもよい。但し、その中でも加
工能力に優れるダイヤモンド砥粒が通常望ましい。
【0047】一方、接着剤塗布槽21の出口には、線径
ジグ23が移動可能に設けられており、ワイヤ11に付
着している余分な混合接着剤液22をこの線径ジグ23
により掻き落として、未硬化の混合被膜を所定の厚みに
整え、あるいは、その混合被膜が形成されたワイヤ外径
を所定の直径に整えるように構成されている。
【0048】線径ジグ23を通過したワイヤ11は、次
いで、電子線照射装置24によって電子線を照射され
る。なお、電子線照射部32cは、例えば容量300k
eVで電子線を加速照射する。ここで、電子線照射装置
24のガス噴射機構32aから電子線照射部32cに対
し、ガスを噴射・供給する。この際、ガス流により、ワ
イヤ11がその半径方向に振動しないように、ワイヤ走
行方向に沿って(図中、上方から下方へ)、噴射・供給
する。ガスの供給量(流量)は、電子線照射部32c近
傍における酸素濃度が大気中の酸素濃度よりも少なくと
も10%程度減少させる程度であることが望ましい。ま
た、噴射ガスは、大気環境中に放出可能な窒素ガス、ア
ルゴンガスであることが望ましい。なお、噴射されたガ
スは電子線照射装置24の排気機構32bによって大部
分が回収され、循環利用される。なお、電子線照射装置
24に限らず、製造装置内の全体に窒素ガスなどを供給
するように構成してもよい。この電子線硬化工程によ
り、電子線硬化性接着剤を主成分とする樹脂系結合材
層、すなわち前記未硬化の混合被膜が切断加工に十分な
硬度に硬化した電子線硬化性接着剤層(単層)が形成さ
れる。
【0049】線径測定器17は、電子線照射装置24よ
り下流側でワイヤ工具11Tの外径寸法を測定するもの
で、その測定情報を制御系16にフィードバックするこ
とができる。この線径測定器17は、例えばワイヤ搬送
方向の所定位置で、ワイヤ工具11Tを取り囲んで等角
度間隔に離間する3個の非接触の変位センサを有してお
り、ワイヤ11の線径測定のみならず、ワイヤ本体に対
する混合被膜の芯ずれ(周方向三位置での混合被膜の膜
厚のばらつき)をも検出可能に構成されている。制御系
16は、その測定情報を基にワイヤ11と線径ジグ23
との芯ずれを検出し、常にワイヤ11が線径ジグ23の
中心を走行し、混合被膜がワイヤ11の長さ方向におい
ても周方向においても一定の厚さとなるように、ワイヤ
11と線径ジグ23の相対位置の制御を行う。その位置
制御は、線径ジグ23を変位させることにより、あるい
は、図示しないワイヤ位置調整用のローラを変位させる
ことにより、可能である。
【0050】こうして、単層からなる結合材で砥粒を固
定したワイヤ工具が順次できあがる。
【0051】ワイヤ11Tは、ローラ14、15を通過
して巻き取りロール20に巻き取られた後、さらに図3
に示す加熱炉40に複数個まとめて搬入・載置され、所
定温度で所定時間、加熱処理される。
【0052】この加熱炉40は、前述の製造・巻取り後
のワイヤ工具11Tを、図示しない入口から複数個搬入
・収容し、所定温度で所定時間、加熱処理するバッチ式
の炉であって、炉体41の上部面に設けられた1対(あ
るいは複数対)のバーナ42a、42bと、加熱炉40
の下部面に設けられた排気口43a、43bと、炉体4
1の下部に設けられ、被加熱物(ワイヤ工具11T)を
複数載置するための載置台44と、を備え、バーナ42
a、42bに供給された燃料と燃焼用空気とを混合し
て、炉内に噴射し燃焼させるように構成されている。な
お、本実施形態に限らず、ワイヤ工具11の構成や個数
に応じ、重油炉、ガス炉、電気炉などを適宜選択して使
用することができる。
【0053】前述の加熱炉40を用いた加熱熟成工程に
おいて、製造後のワイヤ工具を所定温度で所定時間、加
熱熟成することにより、金属粉末などの添加に起因する
未硬化部が完全に硬化され、切断加工に適した硬度を有
する結合材層を形成することができる。なお、本実施形
態に限らず、複数個のワイヤ工具を保管可能な保管庫を
設け、工具結合材の電子線硬化後の自然硬化熟成処理を
行なうようにしてもよい。
【0054】また、本実施形態に限らず、前述の脱脂処
理後のワイヤ表面を、電子線硬化性接着剤液の塗布処理
前に化学的プライマ処理しておいてもよい。あるいは、
前述の脱脂処理を行わず、電子線硬化性接着剤液の塗布
処理前にワイヤ表面を化学的プライマ処理してもよい。
化学的プライマ処理を施すことによって、ワイヤ表面で
の混合被膜の硬化を促進し、ワイヤ11と混合被膜との
密着性を高めることができる。化学的プライマ処理とし
ては、カップリング剤(例えば、シランカップリング
剤)の表面塗布があげられる。
【0055】さらに、本実施形態に限らず、ワイヤ上に
電子線硬化性接着剤および砥粒の混合接着剤液を塗布
し、その混合接着剤液を電子線硬化することによって、
単層からなる電子線硬化性結合材を形成してもよい。
【0056】[第2の実施形態]図4に、本発明の第2
の実施形態に係るワイヤ工具の製造装置の構成を示す。
なお、第1の実施形態と同様の構成には同一符号を付与
して説明を省略する。
【0057】本実施形態では、前述の電子線硬化性接着
剤液の塗布処理に先立ち、ワイヤ11とその上に形成さ
れる混合被膜(電子線硬化性接着剤)との密着性を向上
させるために、前述の脱脂処理に替えて電子線照射処理
(ワイヤ洗浄処理)が施される。ワイヤ洗浄工程におい
ては、例えば容量300keVの電子線照射部26で電
子線をワイヤ11の表面に所定時間、照射する。
【0058】このようなワイヤ洗浄処理の後、ワイヤ1
1は、金属との密着性に優れる電子線硬化性接着剤液2
2を収容した接着剤塗布槽21に導かれ、前述のように
塗布処理が施され、さらに電子線硬化処理、加熱処理が
施され、単層からなる結合材で砥粒22cを固定したワ
イヤ工具が得られる。
【0059】本実施形態では、結合材を電子線硬化性接
着剤層(有機樹脂粉末や有機樹脂ファイバを含む添加物
が添加された単層)で構成し、また、電子線硬化性接着
剤液の塗布前にワイヤ11の表面を電子線照射すること
によって、結合材を多層化して工具の耐摩耗性を向上さ
せる方法に比べ、製造時間を短縮すると共に製造コスト
を低減しながら、所望の砥粒保持強度や耐摩耗性を実現
することができる。
【0060】なお、本実施形態に限らず、電子線照射に
よるワイヤ洗浄処理と、他の溶剤による洗浄処理(例え
ば、溶剤蒸気処理など)とを組み合わせて行ってもよ
い。
【0061】
【実施例】本実施例では、ワイヤ11として直径0.2
mmのピアノ線を用い、結合材層は電子線硬化性接着剤
を主成分する。
【0062】アクリレート系電子線硬化性接着剤中に、
短径2μm、長径5μmのポリアミドファイバを30w
t%添加し、ホモジナイザにて約10分間混和する。次
に、集中度20(5vol%)に該当する30/40μ
mのダイヤモンド砥粒を微量のエチルアルコールで湿潤
し、その液状樹脂に入れ、ホモジナイザにて約10分間
混ぜ合わせる。続いて、接着剤塗布槽21にポリアミド
ファイバを添加した液状樹脂とダイヤモンド砥粒との混
合溶液を入れる。そして、ワイヤ11を接着剤塗布槽2
1内に導き、さらに、整形する開口直径が約0.27m
mの線径ジグを通過させ、容量300keVの電子線照
射装置(電子線照射部32c)により、電子線を照射し
て電子線硬化させ、結合材層を形成する。これにより、
電子線硬化性接着剤を主成分とする結合材で砥粒を固定
した、直径0.25〜0.26mmのワイヤ工具を得
た。
【0063】このワイヤ工具を用いて、3インチのシリ
コンインゴットの切断加工(ワイヤ線速度は300m/
min)を行った。その結果、結合材層の摩耗は殆ど観
察されず、また平均切断能率も45mm2/min程度
以上と良好であり、局所的な結合材層の剥離も認められ
なかった。また、結合材樹脂塗布工程は1回のみである
ため、従来のように結合材樹脂塗布工程を複数回繰り返
す製造方法に比べて、工具製造コストが3/4程度に低
減された。
【0064】なお、本実施例では、電子線硬化処理を大
気中で行っているが、前述のように電子線照射部の酸素
濃度を大気中よりも低減することで、より確実に結合材
層を硬化することが期待される。
【0065】また、本実施例に限らず、ワイヤ11を接
着剤塗布槽21内に導入する前に、前述の化学的プライ
マ処理を施してもよい。
【0066】また、前記電子線硬化性接着剤の成分、お
よび電子線硬化性接着剤への添加物は、本実施例に限ら
ず、他のものを用いてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワイヤ上に電子線硬化性接着剤を主成分とする結合材で
砥粒を固定したワイヤ工具を製造する場合、結合材を電
子線硬化性接着剤層(単層)のみ、あるいはプライマ処
理後に形成された電子線硬化性接着剤層のみ、で構成
し、また、柔軟性に優れ、電子線硬化性接着剤との付着
性が良好な有機樹脂粉末や有機樹脂ファイバを添加物と
して用いることによって、結合材の多層化による製造時
間の延長やコスト高を招くことなく、高寿命で切断加工
の高精度化・高能率化が可能であり、かつ長尺で安価な
ワイヤ工具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るワイヤ工具の製
造装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るワイヤ工具の横
断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るバッチ式加熱炉
の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るワイヤ工具の製
造装置の概略構成を示す図である。
【図5】従来のシリコンインゴットの切断加工に用いら
れる遊離砥粒を用いたマルチワイヤ切断加工装置の概略
構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 送り出しローラ 11 ワイヤ 11T ワイヤ工具 12〜14 送りローラ 15 ダンサローラ 16 制御系 17 線径測定器 20 巻き取りロール 21 接着剤塗布槽 22 混合接着剤液(混合溶液) 22a 電子線硬化性樹脂(接着剤) 22b 添加物 22c 砥粒 23 線径ジグ 24 電子線照射装置 25 オゾン供給部 26、32c 電子線照射部 32a ガス噴射機構 40 加熱炉 44 載置台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 3/02 310 B24D 3/02 310E Fターム(参考) 3C058 AA05 AA09 CA05 CB01 CB03 DA03 3C063 AA08 AB09 BA16 BB02 BC03 BD04 BD09 BG01 CC23 CC30 EE10 EE31 FF23

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤ工具の半径方向に形成された単層か
    らなる結合材で砥粒を固定したワイヤ工具であって、 前記結合材は、ワイヤ表面に電子線硬化性接着剤を主成
    分として形成された電子線硬化性接着剤層からなること
    を特徴とするワイヤ工具。
  2. 【請求項2】ワイヤ工具の半径方向に形成された単層か
    らなる結合材で砥粒を固定したワイヤ工具であって、 前記結合材は、ワイヤ表面に電子線硬化性接着剤を主成
    分とし、砥粒および/または添加物を含む混合接着剤液
    を塗布することによって形成された電子線硬化性接着剤
    層からなることを特徴とするワイヤ工具。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のワイヤ工具にお
    いて、 前記結合材は、電子線硬化性接着剤中に、平均粒径が
    0.1〜15μmの金属粒子および/または平均粒径が
    0.1〜15μmの無機粉末および/または平均粒径が
    0.1〜15μmの有機樹脂粉末を5〜90wt%添加
    して形成された層からなることを特徴とするワイヤ工
    具。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載のワイヤ工具にお
    いて、 前記結合材は、電子線硬化性接着剤中に、短径が0.1
    〜15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバおよ
    び/または無機ファイバおよび/または有機樹脂ファイ
    バを5〜90wt%添加して形成された層からなること
    を特徴とするワイヤ工具。
  5. 【請求項5】ワイヤ上に電子線硬化性樹脂を主成分と
    し、単層からなる結合材で砥粒を固定したワイヤ工具の
    製造方法であって、 ワイヤをその軸線方向に走行させながら、ワイヤ上に電
    子線硬化性樹脂を主成分とし、砥粒および/または添加
    物を含む混合接着剤液を塗布する接着剤塗布工程と、 ワイヤ上に塗布された前記混合接着剤液を電子線硬化す
    る電子線硬化工程と、 を有することを特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のワイヤ工具の製造方法に
    おいて、 前記接着剤塗布工程では、ワイヤ上に、平均粒径が0.
    1〜15μmの金属粒子および/または平均粒径が0.
    1〜15μmの無機粉末および/または平均粒径が0.
    1〜15μmの有機樹脂粉末を5〜90wt%含有する
    電子線硬化性接着剤と砥粒との混合接着剤液を塗布する
    ことを特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項5に記載のワイヤ工具の製造方法に
    おいて、 前記接着剤塗布工程では、ワイヤ上に、短径が0.1〜
    15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバおよび
    /または無機ファイバおよび/または有機樹脂ファイバ
    を5〜90wt%含有する電子線硬化性接着剤と砥粒と
    の混合接着剤液を塗布することを特徴とするワイヤ工具
    の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれかに記載のワイヤ工
    具の製造方法において、 前記混合接着剤液の塗布前に、ワイヤに電子線を照射し
    て洗浄するワイヤ洗浄処理を施すことを特徴とするワイ
    ヤ工具の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のワイヤ工具の製造方法に
    おいて、 前記ワイヤ洗浄処理を施した後、接着剤塗布工程に先立
    ち、ワイヤ上に化学的プライマ処理を施すことを特徴と
    するワイヤ工具の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項5〜7のいずれかに記載のワイヤ
    工具の製造方法において、 前記混合接着剤液の塗布前に、ワイヤ上に化学的プライ
    マ処理を施すことを特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項5〜7のいずれかに記載のワイヤ
    工具の製造方法において、 前記接着剤塗布工程で、塗布後のワイヤを所定の径にす
    るか、あるいはワイヤ上の膜厚を所定の値にした後、電
    子線を照射して硬化する電子線硬化工程を有することを
    特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項5〜7のいずれかに記載のワイヤ
    工具の製造方法において、 前記電子線硬化工程を大気中よりも酸素濃度を減少させ
    た雰囲気中で行うことを特徴とするワイヤ工具の製造方
    法。
  13. 【請求項13】請求項12に記載のワイヤ工具の製造方
    法において、 前記電子線硬化工程を窒素雰囲気中で行うことを特徴と
    するワイヤ工具の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項5〜7のいずれかに記載のワイヤ
    工具の製造方法において、 前記電子線硬化後の結合材を加熱して熟成する加熱熟成
    工程を有することを特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項14に記載のワイヤ工具の製造方
    法において、 前記加熱熟成工程では、結合材の電子線硬化後に巻き取
    られたワイヤ工具をバッチ処理することを特徴とするワ
    イヤ工具の製造方法。
  16. 【請求項16】請求項5〜15のいずれかに記載のワイ
    ヤ工具の製造方法において、 接着剤塗布および電子線硬化後のワイヤの外径寸法を計
    測する計測工程と、 計測された外径寸法を基にして、前記ワイヤの外径寸法
    が所定の値になるように前記接着剤塗布工程および/ま
    たは電子線硬化工程を調節する調節工程と、 を有することを特徴とするワイヤ工具の製造方法。
JP2000149895A 2000-05-22 2000-05-22 ワイヤ工具の製造方法 Expired - Fee Related JP4255600B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000149895A JP4255600B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 ワイヤ工具の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000149895A JP4255600B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 ワイヤ工具の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001328073A true JP2001328073A (ja) 2001-11-27
JP4255600B2 JP4255600B2 (ja) 2009-04-15

Family

ID=18655682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000149895A Expired - Fee Related JP4255600B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 ワイヤ工具の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4255600B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010105114A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Kyocera Corp ワイヤーソー装置
JP2012240150A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Noritake Co Ltd ワイヤ工具及びワイヤ工具製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010105114A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Kyocera Corp ワイヤーソー装置
JP2012240150A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Noritake Co Ltd ワイヤ工具及びワイヤ工具製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4255600B2 (ja) 2009-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6463921B2 (en) Abrasive wire for a wire saw and a method of manufacturing the abrasive wire
CN1051038C (zh) 涂磨料制品的制法
US6568384B1 (en) Semiconductor material cutting and processing method
JP4266969B2 (ja) レジンボンドワイヤソーおよびレジンボンドワイヤソーの製造方法
JP2005186202A (ja) 超砥粒ワイヤソー巻き付け構造、超砥粒ワイヤソー切断装置および超砥粒ワイヤソーの巻き付け方法
JP2006123055A (ja) 超砥粒ワイヤソーによる加工材の切断方法および超砥粒ワイヤソーにより切断加工された加工材
JP2004174680A (ja) 固定砥粒式ソーワイヤ及び砥粒固着方法
JP2007237627A (ja) 単結晶サファイヤ基板の切断方法および切断装置
JP2002036091A (ja) 超砥粒ワイヤソーとその製造方法
JP2006007387A (ja) 超砥粒ワイヤソー
JP3604319B2 (ja) レジンボンドワイヤソー
JPH11216658A (ja) ワイヤーソーの製造方法並びにワイヤーソー
EP2815876A2 (en) Adhesion of a reinforcing cord or filament to a rubber matrix and pneumatic tire comprising a belt reinforing structure
JP2003291057A (ja) レジンボンドダイヤモンドワイヤソーおよびその製造方法
JP2004216553A (ja) 超砥粒ワイヤソーの製造方法
JP4176287B2 (ja) ワイヤ工具およびその製造方法
JP2001328073A (ja) ワイヤ工具およびその製造方法
CN2583688Y (zh) 涂覆光纤及其制造装置
JP2001025975A (ja) ワイヤ工具およびその製造方法
JP4252190B2 (ja) ワイヤ工具の製造方法
JP4080141B2 (ja) ワイヤ工具の製造方法
JP5778864B2 (ja) レジンボンドワイヤーソー用の接着剤組成物及びレジンボンドワイヤーソーの製造方法
JP3362015B2 (ja) ワイヤ工具およびその製造方法
JP2001293649A (ja) ワイヤ工具の製造方法
JP3390686B2 (ja) ワイヤ工具およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070612

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080603

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090127

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090128

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140206

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees