JP2001328055A - ワイヤ工具およびその製造方法 - Google Patents

ワイヤ工具およびその製造方法

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JP2001328055A JP2000149896A JP2000149896A JP2001328055A JP 2001328055 A JP2001328055 A JP 2001328055A JP 2000149896 A JP2000149896 A JP 2000149896A JP 2000149896 A JP2000149896 A JP 2000149896A JP 2001328055 A JP2001328055 A JP 2001328055A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高寿命で切断加工の高精度化・高能率化が可
能であり、かつ長尺で安価なワイヤ工具およびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 ワイヤ11上に光硬化性接着剤22aを
主成分とする結合材で砥粒22cを固定したワイヤ工具
を製造する場合、結合材を光硬化性接着剤層(単層)の
み、あるいはプライマ処理後に形成された光硬化性接着
剤層のみ、で構成する。また、柔軟性に優れ、光硬化性
接着剤22aとの付着性が良好な有機樹脂粉末や有機樹
脂ファイバを添加物22bとして用いる。さらに、添加
物22bとして、金属粒子などの硬質粒子を適量配合
し、光硬化性接着剤に混入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシリコンイ
ンゴット、水晶、石英などの硬脆材料や金属材料を切断
加工するための、樹脂を主な材料としたワイヤ工具に関
し、特に切断加工の高精度化・高効率化を行うことがで
きるワイヤ工具およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンインゴット、水晶、石英
などの硬脆材料や金属材料の切断工具としてワイヤ工具
が用いられているが、特に近年のシリコンウェーハの大
口径化にともない、シリコンウェーハのインゴットから
の切断手段として注目されている。
【0003】シリコンインゴットの切断加工には、従来
は内周刃による切断方式が適用されてきた。そして近
年、半導体デバイスの生産コストの低減、適正化を図る
ために、シリコンウェーハは大口径化の一途をたどって
いるが、そうしたウェーハの大口径化に対しては、内周
刃の大径化で対応してきた。しかし、特に8インチ以上
のシリコンインゴットに対しては、スループットの向上
に限界がある、切断ロス(Kerf-loss)が大きい、切断
ジグへの内周刃のセッティングが困難である、などの理
由により、切断方法は内周刃切断方式からマルチワイヤ
切断方式(「電子材料」Vol.35、No.7、1996年
7月号、第29頁に記載)に置き換わりつつある。
【0004】ところで、従来行われてきたワイヤによる
シリコンインゴットの切断加工は、図5に示すように、
ピアノ線などのワイヤ1の新線リール2から巻き取りロ
ーラ5までの所定経路中に、ダンサローラ3および複数
のメインローラ4などを設けて、インゴット6に近接す
る所定のピッチのワイヤ列を形成するもので、スラリー
ノズル7から高粘度の研磨剤スラリーを供給するととも
に、インゴット6をそのワイヤ列に押し付けることによ
り、インゴット6の切断を行う、という遊離砥粒加工で
あった。しかしながら、遊離砥粒加工法ゆえに、多量の
産業廃棄物(廃液)を生じる、ランニングコストが高
い、切断後のウェーハ洗浄が難しい、加工能率の向上が
望めない、さらには切断精度が悪い、などの欠点があっ
た。
【0005】これらの問題を解決するものとして、ワイ
ヤに砥粒を固着させたワイヤ工具、すなわち固定砥粒ワ
イヤ工具があり、すでに電着ワイヤ工具(特開昭63−
22275号公報、特公平4−4105号公報、特開平
7−227767号公報、特開平9−150314号公
報などに記載)やピアノ線自体に砥粒を機械的に埋め込
む製造法によるもの(商品名:ワイヤモンド、住友電気
報昭和63年3月第132号、p.118−122に記
載)が開発されている。これらの工具においては、砥粒
を固着する結合材として金属が用いられている。
【0006】ところが、金属を結合材として用いたワイ
ヤ工具では、結合剤層が硬いため、ワイヤ工具の破断ね
じり強度や曲げ強度が低く、加工時に断線しやすい、ま
た電着ワイヤ工具においては、電着に長時間要するため
に製造コストが高い、さらにマルチワイヤ切断方式に必
要なワイヤ工具自体の長尺化が困難である、などの品質
上かつ経済上の問題があった。また、ワイヤの製造コス
トが高く、長尺化が困難であるという問題を回避するた
めに、短尺ワイヤ工具の両端を接合したエンドレスタイ
プのワイヤ工具も試作されているが、接合部の破断ねじ
り強度や曲げ強度が極めて低いという問題がある。
【0007】そこで、これらの問題を解決するために、
最近、樹脂を結合材に用いたワイヤ工具が開発されるに
至っている。こうしたワイヤに砥粒を固着する結合材に
樹脂を用いたワイヤ工具およびその製造方法としては、
大阪ダイヤモンド工業が開発した固定砥粒ダイヤモンド
ワイヤソー(1997年度砥粒加工学会学術講演会講演
論文集、p.369−370)、特開平8−12695
3号公報、特開平9−155631号公報、特開平10
−138114号公報、特開平10−151560号公
報、特開平10−315049号公報、特開平10−3
28932号公報、特開平10−337612号公報に
記載のものが知られている。これらのワイヤ工具では、
樹脂の種類については特に限定していないが、発表内
容、実施例、などからわかるように、実際には研削砥石
において従来使用されてきたフェノール樹脂などの熱硬
化性樹脂が用いられている。また、砥粒保持強度を高め
るために、セラミックを結合材に用いたワイヤ工具が、
特開平11−48035号公報に記載されている。
【0008】しかしながら、このように改善されたワイ
ヤ工具においても、熱硬化性樹脂を結合材に用いること
から、溶媒を除去するための乾燥工程と硬化させるため
の焼成工程を必要とし、また焼成に要する時間も全ての
ワイヤ工具箇所において数分ずつ要してしまう。また、
セラミックを結合材に用いると、焼成温度がさらに高く
なるのみならず、焼成に要する時間も数十分以上も要し
てしまう。したがって、ワイヤ工具の高速な製造、例え
ば毎分数百メートル〜数キロメートルの速度での製造は
難しく、マルチ切断方式に必要な10キロメートル以上
の長尺なワイヤ工具を安価に製造することは極めて困難
である。さらに、熱硬化性樹脂を結合材としたワイヤ工
具は、金属を結合材として用いたワイヤ工具に比較し
て、結合材の耐摩耗性、機械的強度、耐熱性が低く、切
断能率が劣るという問題がある。
【0009】そこで、製造スピード向上という観点か
ら、光ファイバの被覆などに用いられる光硬化性樹脂を
熱硬化性樹脂に替えて結合材とし、さらに結合材の耐摩
耗性、機械的強度、耐熱性を向上させるために光硬化性
樹脂に金属粒子や金属ファイバなどを添加する技術が提
案されている(特願平11−027857号)。さら
に、ワイヤと結合材との密着強度を上げて工具の耐摩耗
性を向上させるために、結合材を多層化する技術が提案
されている(特願平11−202225号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、結合材
中に金属粒子などの硬質粒子や、金属ファイバあるいは
無機ファイバなどの硬質ファイバを添加した場合、結合
材の硬度が高まって工具の耐摩耗性は向上するものの、
可撓性や柔軟性に欠け、また結合材樹脂との付着性が悪
いため、添加物そのものが結合材から脱落する現象が生
じる。その結果、砥粒を保持するための保持強度が低下
し、工具の耐摩耗性が低下してしまう。また、結合材を
多層化すると、ワイヤと結合材の密着強度は改善される
ものの、工具の製造時間が延びてコスト高になるという
問題がある。
【0011】本発明は、このような問題に着目してなさ
れたもので、高寿命で切断加工の高精度化・高能率化が
可能であり、かつ長尺で安価なワイヤ工具およびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【問題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ワイヤ工具の半径方向に形成された単層からなる結
合材で砥粒を固定したワイヤ工具であって、前記結合材
は、ワイヤ表面に光硬化性接着剤を主成分として形成さ
れた光硬化性接着剤層からなることを特徴とする。
【0013】光硬化性接着剤は、紫外線や可視光線など
の光が照射されると光化学反応を起こし、数秒あるいは
それ以下で重合効果するので、これを結合材として用い
ることにより、製造スピードが向上し、安価で長尺なワ
イヤ工具を提供できる。ここで、光硬化性接着剤(カル
ボシキル基など、金属との密着性を高める官能基を導入
した光硬化性樹脂)は、他の光硬化性樹脂に比べ、ワイ
ヤの素材である金属などとの密着性に優れ、工具の耐摩
耗性を向上させることができる。しかしながら、光硬化
性接着剤は、通常、他の光硬化性樹脂に比べて柔軟であ
り、場合によっては粘着性を有するため、そのままでは
十分な砥粒層硬度を得ることができない。発明者らが鋭
意研究を重ねた結果、光硬化性接着剤への添加物の種類
や量を適正化すること、あるいは、光硬化時の雰囲気を
適正化することにより、光硬化性接着剤の粘着性を低下
させることができ、光硬化性接着剤層(単層)からなる
結合材で砥粒を固定しても、十分な砥粒層硬度を得られ
ることが判明した。
【0014】請求項2に記載の発明は、ワイヤ工具の半
径方向に形成された単層からなる結合材で砥粒を固定し
たワイヤ工具であって、前記結合材は、ワイヤ表面に光
硬化性接着剤を主成分とし、砥粒および/または添加物
を含む混合接着剤液を塗布することによって形成された
光硬化性接着剤層からなることを特徴とする。
【0015】ワイヤ工具において、光硬化性接着剤単体
で結合材を構成した場合、十分な砥粒層硬度が得られ
ず、切断加工時に砥粒が脱落したり、砥粒層の摩耗が激
しくなることが考えられるが、金属粒子などの添加物を
結合材中に添加することにより、工具の機械的強度や耐
摩耗性を向上させることができる。ここで、金属粒子な
どの硬質粒子や硬質ファイバといった添加物は、硬質で
あるが故に、結合材硬度は高く、工具の耐摩耗性は向上
するものの、可撓性や柔軟性に劣り、また結合材樹脂と
の付着性が悪いため、添加物自体が結合材より脱落する
現象が生じ、その結果、砥粒保持強度が低下し、工具の
耐摩耗性が低下してしまう。そこで、柔軟性に優れ、ま
た結合材樹脂との付着性が良好な有機樹脂粉末や有機樹
脂ファイバ(樹脂繊維)を適量添加することにより、砥
粒保持強度を高められることが判明した。なお、添加物
として有機樹脂粉末のみを用いてもよいが、さらに、有
機樹脂粉末などと金属粒子などの硬質粒子とを適量配合
し、光硬化性接着剤液に混入することにより、切断工具
として十分な工具硬度、可撓性などを得ることができ
る。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2において、前記結合材は、光硬化性接着剤中に、平均
粒径が0.1〜15μmの金属粒子および/または平均
粒径が0.1〜15μmの無機粉末および/または平均
粒径が0.1〜15μmの有機樹脂粉末を5〜90wt
%添加して形成された層からなることを特徴とする。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2において、前記結合材は、光硬化性接着剤中に、短径
が0.1〜15μm、長径が1〜200μmの金属ファ
イバおよび/または無機ファイバおよび/または有機樹
脂ファイバを5〜90wt%添加して形成された層から
なることを特徴とするワイヤ工具。
【0018】請求項5に記載の発明は、ワイヤ上に光硬
化性樹脂を主成分とし、単層からなる結合材で砥粒を固
定したワイヤ工具の製造方法であって、ワイヤをその軸
線方向に走行させながら、ワイヤ上に光硬化性樹脂を主
成分とし、砥粒および/または添加物を含む混合接着剤
液を塗布する接着剤塗布工程と、ワイヤ上に塗布された
前記混合接着剤液を光硬化する光硬化工程と、を有する
ことを特徴とする。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項5におい
て、前記接着剤塗布工程では、ワイヤ上に、平均粒径が
0.1〜15μmの金属粒子および/または平均粒径が
0.1〜15μmの無機粉末および/または平均粒径が
0.1〜15μmの有機樹脂粉末を5〜90wt%含有
する光硬化性接着剤と砥粒との混合接着剤液を塗布する
ことを特徴とする。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項5におい
て、前記接着剤塗布工程では、ワイヤ上に、短径が0.
1〜15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバお
よび/または無機ファイバおよび/または有機樹脂ファ
イバを5〜90wt%含有する光硬化性接着剤と砥粒と
の混合接着剤液を塗布することを特徴とする。
【0021】請求項8に記載の発明は、請求項5〜7の
いずれかにおいて、前記混合接着剤液の塗布前に、ワイ
ヤに光を照射して洗浄するワイヤ洗浄処理を施すことを
特徴とする。
【0022】結合材硬化のエネルギー源に用いている、
紫外線や電子線は、金属などの表面の洗浄作用を有する
ので、結合材として用いる混合接着剤液をワイヤ上に塗
布する前に、ワイヤに紫外線などを照射する。この光照
射により、ワイヤ表面が脱脂され、ワイヤと結合材層と
の十分に高い密着強度が得られる。また、光照射によっ
て毎分数百m以上の洗浄処理速度を実現でき、ワイヤ工
具の製造速度が大幅に向上する。さらに、従来の洗浄方
法よりも低い製造コストを実現できる。
【0023】請求項9に記載の発明は、請求項8におい
て、前記ワイヤ洗浄処理を施した後、接着剤塗布工程に
先立ち、ワイヤ上に化学的プライマ処理を施すことを特
徴とする。
【0024】ワイヤ表面に化学的プライマ処理を施すこ
とで、結合材被膜(光硬化性接着剤層)とワイヤ面との
密着力を高めることができ、結合材被膜の剥離による工
具寿命の低下を抑えることができる。
【0025】請求項10に記載の発明は、請求項5〜7
のいずれかにおいて、前記混合接着剤液の塗布前に、ワ
イヤ上に化学的プライマ処理を施すことを特徴とする。
【0026】請求項11に記載の発明は、請求項5〜7
のいずれかにおいて、前記接着剤塗布工程で、塗布後の
ワイヤを所定の径にするか、あるいはワイヤ上の膜厚を
所定の値にした後、光を照射して硬化する光硬化工程を
有することを特徴とする。
【0027】請求項12に記載の発明は、請求項5〜7
のいずれかにおいて、前記光硬化工程を大気中よりも酸
素濃度を減少させた雰囲気中で行うことを特徴とする。
【0028】前記光硬化工程における酸素濃度を通常の
大気中よりも減少させることで、樹脂の重合硬化反応を
十分に安定かつ確実に実現できる。例えば、光硬化工程
における酸素濃度を通常の大気中より10%減少させた
場合においても、切断加工に適した結合材層が得られ
る。
【0029】請求項13に記載の発明は、請求項12に
おいて、前記光硬化工程を窒素雰囲気中で行うことを特
徴とする。
【0030】前記光硬化工程を酸素の全くない窒素雰囲
気中において行うと、結合材層が完全硬化し、切断加工
に供するに十分適したものが得られる。
【0031】請求項14に記載の発明は、請求項5〜7
のいずれかにおいて、前記光硬化後の結合材を加熱して
熟成する加熱熟成工程を有することを特徴とする。
【0032】ワイヤ工具の耐摩耗性、耐熱性の向上に有
効な金属粉末を添加した場合、光照射のみでは、添加し
た粒子部、ファイバ部での光の吸収、反射などや添加物
の金属イオンの作用により、金属フィラ周囲において硬
化不良が生じやすい。また、光照射時間を短縮させる
と、工具製造速度は向上するが未硬化部が残存しやす
い。そこで、前記加熱熟成工程を設けることにより、金
属添加物周囲で生じた硬化不良による結合材硬度の低下
を改善し、さらに光照射時間を短縮させることが可能で
ある。こうして、結合材層を完全に硬化し、工具コスト
を低減しながら、切断特性や耐摩耗性に優れたワイヤ工
具を得ることができる。
【0033】請求項15に記載の発明は、請求項14に
おいて、前記加熱熟成工程では、結合材の光硬化後に巻
き取られたワイヤ工具をバッチ処理することを特徴とす
る。
【0034】前記加熱熟成工程は、ほぼ硬化したワイヤ
工具に対して行うため、リールに巻き取った工具を加熱
炉などでバッチ処理することができる。バッチ処理によ
れば、工具1個あたりの製造時間は殆ど変化しないの
で、工具製造速度を低減することなく、切断加工を行う
に十分な結合材硬度を有するワイヤ工具を、確実かつ安
定に製造することができる。
【0035】請求項16に記載の発明は、請求項5〜1
5のいずれかにおいて、接着剤塗布および光硬化後のワ
イヤの外径寸法を計測する計測工程と、計測された外径
寸法を基にして、前記ワイヤの外径寸法が所定の値にな
るように前記接着剤塗布工程および/または光硬化工程
を調節する調節工程と、を有することを特徴とする。
【0036】前記計測工程および調節工程を設けること
で、線径のばらつきを最小限に抑えることが可能とな
り、切断ロスや切断品の反りが小さく、安定した切断面
品位を有するシリコンウェーハの高精度切断が可能なワ
イヤ工具を製造することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面を用い、本発明の一実
施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、光硬化性樹脂に種々の金属粒子や無機粉末、有
機樹脂粉末、金属ファイバ、無機ファイバ、あるいは有
機樹脂ファイバ(樹脂繊維)を含む結合材を用いて砥粒
をワイヤに固着するワイヤ工具とその製造方法の広範囲
な応用をも含むものである。
【0038】[第1の実施形態]図1に、本発明の第1
の実施の形態に係るワイヤ工具の製造装置の概略構成を
示し、図2には製造されたワイヤ工具の横断面を示す。
【0039】図1において、送り出しロール10に巻か
れたワイヤ11は、複数の送りローラ12、13、14
およびダンサローラ15により搬送され、巻き取りロー
ル20に引張られて巻き取られる構成になっている。ワ
イヤ11の素材は特に限定されるものではなく、ピアノ
線、黄銅被覆ピアノ線、ステンレス鋼線といった金属線
やガラス繊維といった無機化合物による線、ナイロンと
いった有機化合物による線、またはそれらの撚線などが
あげられる。
【0040】このワイヤ11を巻き取る際、張力変動に
よる断線などを防止するために、張力制御機構としてダ
ンサローラ15を設けているが、他にはシーソー方式や
キャプスタン方式による張力制御法が挙げられる。図1
に示す構成においては、制御系16によって送り出しロ
ール10の送り出しの速度と巻き取りロール20の巻き
取り速度が制御されるとともに、ダンサローラ15の位
置が制御され、ワイヤ11の張力が所定値に制御され
る。
【0041】また、送り出しロール10から引き出さ
れ、ローラ12を通過したワイヤ11は、図示しない溶
剤蒸気脱脂槽で脱脂処理された後、金属との密着性に優
れる光硬化性樹脂(接着剤)などからなる、混合接着剤
液22を収容したロート状の接着剤塗布槽21に導か
れ、接着剤塗布槽21を通過することによって塗布処理
が施される。このとき、ワイヤ11上に混合接着剤液2
2が層状に付着して未硬化の混合被膜が形成される。
【0042】ここで、接着剤塗布槽21に収容された混
合接着剤液22は、カルボキシル基などの金属との密着
性を高める官能基を導入した光硬化性接着剤22aに、
所定の添加物22bを添加、混合し、さらに所定の砥粒
22cを混合した流動性混合物である。具体的には、混
合接着剤液22は、液状樹脂すなわち光硬化性接着剤2
2aに、必要に応じて、平均粒径が0.1〜15μmの
金属粒子および/または平均粒径が0.1〜15μmの
無機粉末および/または平均粒径が0.1〜15μmの
有機樹脂粉末を5〜90wt%、あるいは短径が0.1
〜15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバおよ
び/または無機ファイバおよび/または有機樹脂ファイ
バを5〜90wt%、添加物22bとして添加、混合し
た添加物混合液状樹脂を作製し、その添加物混合液状樹
脂と所定粒径の砥粒22cとを均一に混和した混合溶液
となっている。砥粒22cは、特に限定されるものでは
なく、ダイヤモンド、CBN(立方晶窒化ホウ素)、ア
ルミナ、炭化珪素、などの硬質砥粒などでもよい。但
し、その中でも加工能力に優れるダイヤモンド砥粒が通
常望ましい。
【0043】一方、接着剤塗布槽21の出口には、線径
ジグ23が移動可能に設けられており、ワイヤ11に付
着している余分な混合接着剤液22をこの線径ジグ23
により掻き落として、未硬化の混合被膜を所定の厚みに
整え、あるいは、その未硬化の混合被膜が形成されたワ
イヤ外径を所定の直径に整えるように構成されている。
【0044】線径ジグ23を通過したワイヤ11は、次
いで、光照射装置24によって所定の光(例えば、紫外
線)を照射される。なお、光照射部32cには、紫外線
光源(例えば、波長が354nm付近に出力ピークを有
する高圧水銀ランプ)を備える。ここで、光照射装置2
4のガス噴射機構32aから光照射部32cに対し、ガ
スを噴射・供給する。この際、ガス流により、ワイヤ1
1がその半径方向に振動しないように、ワイヤ走行方向
に沿って(図中、上方から下方へ)、噴射・供給する。
ガスの供給量(流量)は、光照射部32c近傍における
酸素濃度が大気中の酸素濃度よりも少なくとも10%程
度減少させる程度であることが望ましい。また、噴射ガ
スは、大気環境中に放出可能な窒素ガス、アルゴンガス
であることが望ましい。なお、噴射されたガスは光照射
装置24の排気機構32bによって大部分が回収され、
循環利用される。なお、光照射装置24に限らず、製造
装置内の全体に窒素ガスなどを供給するように構成して
もよい。この光硬化工程により、光硬化性接着剤を主成
分とする樹脂系結合材層、すなわち前記未硬化の混合被
膜が切断加工に十分な硬度に硬化した光硬化性接着剤層
(単層)が形成される。
【0045】線径測定器17は、光照射装置24より下
流側でワイヤ工具11Tの外径寸法を測定するもので、
その測定情報を制御系16にフィードバックすることが
できる。この線径測定器17は、例えばワイヤ搬送方向
の所定位置で、ワイヤ工具11Tを取り囲んで等角度間
隔に離間する3個の非接触の変位センサを有しており、
ワイヤ11の線径測定のみならず、ワイヤ本体に対する
混合被膜の芯ずれ(周方向三位置での混合被膜の膜厚の
ばらつき)をも検出可能に構成されている。制御系16
は、その測定情報を基にワイヤ11と線径ジグ23との
芯ずれを検出し、常にワイヤ11が線径ジグ23の中心
を走行し、混合被膜がワイヤ11の長さ方向においても
周方向においても一定の厚さとなるように、ワイヤ11
と線径ジグ23の相対位置の制御を行う。その位置制御
は、線径ジグ23を変位させることにより、あるいは、
図示しないワイヤ位置調整用のローラを変位させること
により、可能である。
【0046】こうして、単層からなる結合材で砥粒を固
定したワイヤ工具が順次できあがる。
【0047】ワイヤ11Tは、ローラ14、15を通過
して巻き取りロール20に巻き取られた後、さらに図3
に示す加熱炉40に複数個まとめて搬入・載置され、所
定温度で所定時間、加熱処理される。
【0048】この加熱炉40は、前述の製造・巻取り後
のワイヤ工具11Tを、図示しない入口から複数個搬入
・収容し、所定温度で所定時間、加熱処理するバッチ式
の炉であって、炉体41の上部面に設けられた1対(あ
るいは複数対)のバーナ42a、42bと、加熱炉40
の下部面に設けられた排気口43a、43bと、炉体4
1の下部に設けられ、被加熱物(ワイヤ工具11T)を
複数載置するための載置台44と、を備え、バーナ42
a、42bに供給された燃料と燃焼用空気とを混合し
て、炉内に噴射し燃焼させるように構成されている。な
お、本実施形態に限らず、ワイヤ工具11の構成や個数
に応じ、重油炉、ガス炉、電気炉などを適宜選択して使
用することができる。
【0049】前述の加熱炉40を用いた加熱熟成工程に
おいて、製造後のワイヤ工具を所定温度で所定時間、加
熱熟成することにより、金属粉末などの添加に起因する
未硬化部が完全に硬化され、切断加工に適した硬度を有
する結合材層を形成することができる。なお、本実施形
態に限らず、複数個のワイヤ工具を保管可能な保管庫を
設け、工具結合材の光硬化後の自然硬化熟成処理を行な
うようにしてもよい。
【0050】また、本実施形態に限らず、前述の脱脂処
理後のワイヤ表面を、光硬化性接着剤液の塗布処理前に
化学的プライマ処理しておいてもよい。あるいは、前述
の脱脂処理を行わず、光硬化性接着剤液の塗布処理前に
ワイヤ表面を化学的プライマ処理してもよい。化学的プ
ライマ処理を施すことによって、ワイヤ表面での混合被
膜の硬化を促進し、ワイヤ11と混合被膜との密着性を
高めることができる。化学的プライマ処理としては、光
重合促進剤やカップリング剤(例えば、シランカップリ
ング剤)の表面塗布があげられる。
【0051】さらに、本実施形態に限らず、ワイヤ上に
光硬化性接着剤および砥粒の混合接着剤液を塗布し、そ
の混合接着剤液を光硬化することによって、単層からな
る光硬化性結合材を形成してもよい。
【0052】[第2の実施形態]図4に、本発明の第2
の実施形態に係るワイヤ工具の製造装置の構成を示す。
なお、第1の実施形態と同様の構成には同一符号を付与
して説明を省略する。
【0053】本実施形態では、前述の光硬化性接着剤液
の塗布処理に先立ち、ワイヤ11とその上に形成される
混合被膜(光硬化性接着剤)との密着性を向上させるた
めに、前述の脱脂処理に替えて、所定の速度で光照射処
理(ワイヤ洗浄処理)が施される。ワイヤ洗浄工程にお
いては、オゾン発生装置27からオゾン供給部25によ
ってオゾン含有ガスを供給しながら、このオゾン供給部
25内で光照射部26より所定の光(例えば、紫外線)
をワイヤ11の表面に所定時間、照射する。なお、光照
射部26には、紫外線光源(例えば、波長が150nm
から300nmの間に出力ピークを有する低圧水銀ラン
プ)を備える。
【0054】ここで、オゾン発生装置27は、交流高電
圧を供給するための電源27c、硬質ガラス管などから
なる誘電体の内外表面に電極を密着させたオゾン発生部
27a、このオゾン発生部27aに供給される交流高電
圧をスイッチングするためのスイッチング回路27b、
などで構成されており、前記誘電体を挟んで対向する電
極間に酸素を含む原料ガスを通過させながら、前記電極
に交流高電圧を断続的に印加し、無声放電によって酸素
を解離させて高濃度オゾン(紫外線のみで発生するオゾ
ンの10〜200倍程度)を生成する。なお、原料ガス
としては、脱湿空気または高濃度酸素(酸素濃度95%
以上)を用い、前述のオゾン濃度を達成するために、ス
イッチング回数は制御系16によって予め設定され、所
定の負荷率の交流電圧を印加する。なお、原料ガスは、
図示しないコンプレッサにより所定の圧力で供給され
る。また、オゾン発生装置27の構成およびオゾン発生
方法は本実施形態に限らず、所定濃度のオゾンを安定し
て発生可能であればよい。
【0055】このようなワイヤ洗浄処理の後、ワイヤ1
1は、金属との密着性に優れる光硬化性接着剤液22を
収容した接着剤塗布槽21に導かれ、前述のように塗布
処理が施され、さらに光硬化処理、加熱処理が施され
て、単層からなる結合材で砥粒22cを固定したワイヤ
工具が得られる。
【0056】本実施形態では、結合材を光硬化性接着剤
層(有機樹脂粉末や有機樹脂ファイバが添加された単
層)で構成し、また、光硬化性接着剤液の塗布前にワイ
ヤ11の表面を紫外線照射することにより、結合材を多
層化して工具の耐摩耗性を向上させる方法に比べ、製造
時間を短縮すると共に製造コストを低減しながら、所望
の砥粒保持強度や耐摩耗性を実現することができる。
【0057】なお、本実施形態に限らず、光照射による
ワイヤ洗浄処理と、他の溶剤による洗浄処理(例えば、
溶剤蒸気処理など)とを組み合わせて行ってもよい。
【0058】
【実施例】本実施例では、ワイヤ11として直径0.2
mmのピアノ線を用い、結合材層は光硬化性接着剤を主
成分する。
【0059】アクリレート系光硬化性接着剤中に、短径
2μm、長径5μmのポリアミドファイバを30wt%
添加し、ホモジナイザにて約10分間混和する。次に、
集中度20(5vol%)に該当する30/40μmの
ダイヤモンド砥粒を微量のエチルアルコールで湿潤し、
その液状樹脂に入れ、ホモジナイザにて約10分間混ぜ
合わせる。続いて、接着剤塗布槽21にポリアミドファ
イバを添加した液状樹脂とダイヤモンド砥粒との混合溶
液を入れる。そして、ワイヤ11を接着剤塗布槽21内
に導き、さらに、整形する開口直径が約0.27mmの
線径ジグを通過させ、波長354mm付近に大きなピー
クを有する高圧水銀ランプを用いて紫外線硬化させ、結
合材層を形成する。これにより、光硬化性接着剤を主成
分とする結合材で砥粒を固定した、直径0.25〜0.
26mmのワイヤ工具を得た。
【0060】このワイヤ工具を用いて、3インチのシリ
コンインゴットの切断加工(ワイヤ線速度は300m/
min)を行った。その結果、結合材層の摩耗は殆ど観
察されず、また平均切断能率も45mm2/min程度
以上と良好であり、局所的な結合材層の剥離も認められ
なかった。また、結合材樹脂塗布工程は1回のみである
ため、従来のように結合材樹脂塗布工程を複数回繰り返
す製造方法に比べて、工具製造コストが3/4程度に低
減された。
【0061】なお、本実施形態では、紫外線硬化処理を
大気中で行っているが、前述のように紫外線照射部の酸
素濃度を大気中よりも低減することで、より確実に結合
材層を硬化することが期待される。
【0062】また、本実施例に限らず、ワイヤ11を接
着剤塗布槽21内に導入する前に、前述の化学的プライ
マ処理を施してもよい。
【0063】また、前記光硬化性接着剤の成分、および
光硬化性接着剤への添加物は、本実施例に限らず、他の
ものを用いてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワイヤ上に光硬化性接着剤を主成分とする結合材で砥粒
を固定したワイヤ工具を製造する場合、結合材を光硬化
性接着剤層(単層)のみ、あるいはプライマ処理後に形
成された光硬化性接着剤層のみ、で構成し、また、柔軟
性に優れ、光硬化性接着剤との付着性が良好な有機樹脂
粉末や有機樹脂ファイバを添加物として用いることによ
って、結合材の多層化による製造時間の延長やコスト高
を招くことなく、高寿命で切断加工の高精度化・高能率
化が可能であり、かつ長尺で安価なワイヤ工具を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るワイヤ工具の製
造装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るワイヤ工具の横
断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るバッチ式加熱炉
の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るワイヤ工具の製
造装置の概略構成を示す図である。
【図5】従来のシリコンインゴットの切断加工に用いら
れる遊離砥粒を用いたマルチワイヤ切断加工装置の概略
構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 送り出しローラ 11 ワイヤ 11T ワイヤ工具 12〜14 送りローラ 15 ダンサローラ 16 制御系 17 線径測定器 20 巻き取りロール 21 接着剤塗布槽 22 混合接着剤液(混合溶液) 22a 光硬化性樹脂(接着剤) 22b 添加物 22c 砥粒 23 線径ジグ 24 光照射装置 25 オゾン供給部 26、32c 光照射部 27 オゾン発生装置 32a ガス噴射機構 40 加熱炉 44 載置台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 11/00 B24D 11/00 C Fターム(参考) 3C058 AA05 AA09 CA05 CB01 CB03 DA03 3C063 AA08 AB09 BA16 BB02 BC03 BD04 BD09 BG01 CC23 CC30 EE10 EE31 FF23

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤ工具の半径方向に形成された単層か
    らなる結合材で砥粒を固定したワイヤ工具であって、 前記結合材は、ワイヤ表面に光硬化性接着剤を主成分と
    して形成された光硬化性接着剤層からなることを特徴と
    するワイヤ工具。
  2. 【請求項2】ワイヤ工具の半径方向に形成された単層か
    らなる結合材で砥粒を固定したワイヤ工具であって、 前記結合材は、ワイヤ表面に光硬化性接着剤を主成分と
    し、砥粒および/または添加物を含む混合接着剤液を塗
    布することによって形成された光硬化性接着剤層からな
    ることを特徴とするワイヤ工具。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のワイヤ工具にお
    いて、 前記結合材は、光硬化性接着剤中に、平均粒径が0.1
    〜15μmの金属粒子および/または平均粒径が0.1
    〜15μmの無機粉末および/または平均粒径が0.1
    〜15μmの有機樹脂粉末を5〜90wt%添加して形
    成された層からなることを特徴とするワイヤ工具。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載のワイヤ工具にお
    いて、 前記結合材は、光硬化性接着剤中に、短径が0.1〜1
    5μm、長径が1〜200μmの金属ファイバおよび/
    または無機ファイバおよび/または有機樹脂ファイバを
    5〜90wt%添加して形成された層からなることを特
    徴とするワイヤ工具。
  5. 【請求項5】ワイヤ上に光硬化性樹脂を主成分とし、単
    層からなる結合材で砥粒を固定したワイヤ工具の製造方
    法であって、 ワイヤをその軸線方向に走行させながら、ワイヤ上に光
    硬化性樹脂を主成分とし、砥粒および/または添加物を
    含む混合接着剤液を塗布する接着剤塗布工程と、 ワイヤ上に塗布された前記混合接着剤液を光硬化する光
    硬化工程と、 を有することを特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のワイヤ工具の製造方法に
    おいて、 前記接着剤塗布工程では、ワイヤ上に、平均粒径が0.
    1〜15μmの金属粒子および/または平均粒径が0.
    1〜15μmの無機粉末および/または平均粒径が0.
    1〜15μmの有機樹脂粉末を5〜90wt%含有する
    光硬化性接着剤と砥粒との混合接着剤液を塗布すること
    を特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項5に記載のワイヤ工具の製造方法に
    おいて、 前記接着剤塗布工程では、ワイヤ上に、短径が0.1〜
    15μm、長径が1〜200μmの金属ファイバおよび
    /または無機ファイバおよび/または有機樹脂ファイバ
    を5〜90wt%含有する光硬化性接着剤と砥粒との混
    合接着剤液を塗布することを特徴とするワイヤ工具の製
    造方法。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれかに記載のワイヤ工
    具の製造方法において、 前記混合接着剤液の塗布前に、ワイヤに光を照射して洗
    浄するワイヤ洗浄処理を施すことを特徴とするワイヤ工
    具の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のワイヤ工具の製造方法に
    おいて、 前記ワイヤ洗浄処理を施した後、接着剤塗布工程に先立
    ち、ワイヤ上に化学的プライマ処理を施すことを特徴と
    するワイヤ工具の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項5〜7のいずれかに記載のワイヤ
    工具の製造方法おいて、 前記混合接着剤液の塗布前に、ワイヤ上に化学的プライ
    マ処理を施すことを特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項5〜7のいずれかに記載のワイヤ
    工具の製造方法において、 前記接着剤塗布工程で、塗布後のワイヤを所定の径にす
    るか、あるいはワイヤ上の膜厚を所定の値にした後、光
    を照射して硬化する光硬化工程を有することを特徴とす
    るワイヤ工具の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項5〜7のいずれかに記載のワイヤ
    工具の製造方法において、 前記光硬化工程を大気中よりも酸素濃度を減少させた雰
    囲気中で行うことを特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項12に記載のワイヤ工具の製造方
    法において、 前記光硬化工程を窒素雰囲気中で行うことを特徴とする
    ワイヤ工具の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項5〜7のいずれかに記載のワイヤ
    工具の製造方法において、 前記光硬化後の結合材を加熱して熟成する加熱熟成工程
    を有することを特徴とするワイヤ工具の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項14に記載のワイヤ工具の製造方
    法において、 前記加熱熟成工程では、結合材の光硬化後に巻き取られ
    たワイヤ工具をバッチ処理することを特徴とするワイヤ
    工具の製造方法。
  16. 【請求項16】請求項5〜15のいずれかに記載のワイ
    ヤ工具の製造方法において、 接着剤塗布および光硬化後のワイヤの外径寸法を計測す
    る計測工程と、 計測された外径寸法を基にして、前記ワイヤの外径寸法
    が所定の値になるように前記接着剤塗布工程および/ま
    たは光硬化工程を調節する調節工程と、 を有することを特徴とするワイヤ工具の製造方法。
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