JP2001327962A - 浴槽水浄化システム - Google Patents

浴槽水浄化システム

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JP2001327962A
JP2001327962A JP2001070599A JP2001070599A JP2001327962A JP 2001327962 A JP2001327962 A JP 2001327962A JP 2001070599 A JP2001070599 A JP 2001070599A JP 2001070599 A JP2001070599 A JP 2001070599A JP 2001327962 A JP2001327962 A JP 2001327962A
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bathtub
bathtub water
silver
water
purification system
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JP2001070599A
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Shigeru Ando
茂 安藤
Masahiro Tokida
昌広 常田
Koji Oshima
功治 大島
Kenji Sakamoto
健二 坂元
Chikayoshi Endo
慎良 遠藤
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】銀イオンのみによる浴槽水の浄化の場合、銀イ
オン濃度が100ppb以上に達すると浴槽表面の黒ずみ
の原因となり、また上記濃度以下だと効率よく滅菌する
ことができなかった。一方、超音波殺菌装置を浴槽水循
環流路中に設置した場合、浴槽表面や配管にまで超音波
が到達しないため、ぬめりが発生していた。 【解決手段】浴槽水浄化システムにおいて浴槽水の循環
流路中に超音波発信装置と銀イオン生成装置を備えると
ともに、添加銀イオン濃度を5ppb以上100ppb未満に
制御する制御手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は浴槽水の浄化で、浴
槽水循環流路に設ける殺菌装置における殺菌性供給手段
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から特公昭59-30977号に見られるよ
うな銀電極から銀イオンを溶出させ浴槽の水を殺菌し、
清浄に保つ装置は知られている。同公報における浴用装
置では、浴槽の水を循環ポンプにより強制循環させる循
環流路中に銀イオン供給装置を備えており、浴槽水に銀
イオンを供給することで浴槽水を衛生的に保つことが可
能である。また、銀イオンには浴槽表面や配管に汚れを
付きにくくする作用もある。また、超音波についても銀
イオンの場合と同様、浴用装置では、浴槽の水を循環ポ
ンプにより強制循環させる循環流路中に超音波照射装置
を組み込み、浴槽水に超音波を照射することで殺菌効果
が得られることが従来技術として知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、浴槽水の浄化
を殺菌性金属イオンである銀イオンにのみ依存した場
合、その濃度が100ppb以上に達すると浴槽表面に銀が析
出し、黒ずみの原因となる。また、その濃度以下では浴
槽水中に存在する菌を一定時間内に効率よく滅菌するこ
とはできない。また、超音波殺菌装置を浴槽水循環流路
中に設置した場合、浴槽水中の菌を殺菌することはでき
るが、浴槽表面や配管にまで超音波が到達しないため、
それらのぬめり成分を分解することは出来ない。浴槽表
面については、浴槽下部に超音波照射装置を設置し、ぬ
めり成分に対し直接作用させることもできるが、非循環
式となり殺菌効率が低下することや、人体への影響を考
慮すると現実的な構成ではない。更に、浴槽水における
殺菌効果について、銀イオンと超音波をそれぞれ単独で
使用した場合には、効率が不十分、又はエネルギー消費
量が大きくなるなどの問題がある。
【0004】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、本発明の目的は、浴槽水の浄化はもとより、
浴槽表面や配管に汚れが付きにくく、更に銀イオンと超
音波の相乗効果で、殺菌効率の非常に高い浴槽水浄化シ
ステムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前記目
的を達成するために、請求項1に係る浴槽水浄化システ
ムは、浴槽水を循環させるために起点及び終点を浴槽に
接続した浴槽水循環流路を備え、超音波を照射する超音
波発振装置と、殺菌性金属イオンである銀イオンを添加
する銀イオン生成装置とを前記循環流路に有することを
特徴とする。浴槽水の浄化において、浴槽水中の細菌に
対して銀イオンと超音波の殺菌能力が相互に作用するこ
とで、非常に効率の良い殺菌効果が観測される事が分か
った。また、浴槽表面や配管内のぬめりに対しても銀イ
オンを浴槽水に添加することで細菌が浴槽表面、並びに
配管に付着しにくくなり、結果としてぬめりの発生を抑
制し、浴槽表面や配管も清潔に保つことができることが
分かった。ここで‘ぬめり’とは、浴槽水中の有機物に
細菌が付着し、それらが増殖する過程で発生するもの
で、有機物と細菌の接触を銀イオンの働きで妨げれば、
この‘ぬめり’の発生を抑制することができる。
【0006】本発明の請求項2に係る浴槽水浄化システ
ムは、銀イオンの添加濃度を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、浴槽水中の銀イオン濃度を5ppb以上10
0ppb未満に制御することを特徴とする。これまで水の浄
化を銀イオンで実施する場合、添加する銀イオン濃度は
200ppb前後必要であると考えられていた。しかし、浴槽
水を対象に銀イオンを100ppb以上の濃度で供給すると、
浴槽表面に黒ずみが発生し、浴槽自体の美観を損なうこ
とになる。また、殺菌効率を検討した場合、浴槽水に添
加する銀イオン濃度が5ppbを下回ればその殺菌効果はほ
とんど観測されない。超音波と銀イオンの組み合わせに
よる殺菌効率についても、銀イオン濃度が5ppbを下回れ
ば相乗効果は全く観測されない。しかし、5ppb以上の銀
イオンを添加した浴槽水に超音波を照射した場合、その
殺菌効率は格段に上昇した。このような相乗効果は、銀
イオンが細菌の細胞膜にダメージを与えるため、超音波
の音圧変動による衝撃が細菌の細胞膜内に効果的に伝搬
できるためと考えられる。以上のことから、浴槽の外観
に影響せず、しかも超音波との効率的な殺菌相乗効果が
得られる銀イオン濃度として5ppb以上100ppb未満を設定
した。
【0007】本発明の請求項3に係る浴槽水浄化システ
ムは、銀イオン生成装置への供給電力の通電時間を制御
するタイマーと、浴槽水の水量検知機を設け、前記制御
手段は、前記水量検知機に基づく浴槽水の水量に応じて
銀イオン生成装置への供給電力を時間制御する制御手段
であることを特徴とする。銀イオン生成装置における銀
イオン供給手段が銀極板を用いた電気分解の場合、浴槽
水中の銀イオン濃度を5ppb以上100ppb未満に保つために
は、前記電気分解への供給電力を制御する必要がある。
すなわち、電気分解回路に供給される電流をタイマーに
より制限することで、電気分解により溶出する銀イオン
の総量を調整することができる。更に、この電流供給時
間を浴槽の総水量に応じて調整することで、浴槽水中の
銀イオン濃度を正確に5ppb以上100ppb未満に保つことが
可能となる。そのため浴槽に供給される水量を正確に把
握する浴槽水量検知機を設置する必要がある。
【0008】本発明の請求項4に係る浴槽水浄化システ
ムにおける制御手段は、湯はり後に前記水量検知機に基
づく水量が所定幅変動した場合、前記タイマーが作動し
銀イオンを添加する制御手段であることを特徴とする。
浴槽に供給される水量が、ある一定値に達すると前記水
量検知機が作動する。その後、浴槽水の水位が所定幅以
上に変異したことを制御コントローラーが、湯はり後、
最初の入浴者と認識し、前記タイマーが作動し銀イオン
を添加するシステムである。また、本システムは給湯機
と一体化することも可能であり、その場合、制御手段を
給湯機のものと共用することができる。また、本システ
ムを給湯機と別体で浴室に設けることも可能である。湯
はり後、最初の入浴者による浴槽水中の総菌数は、入浴
直後は20〜30cfu/ccであるが、この菌数は時間経過とと
もに指数関数的増加することが知られている。そこで本
発明の浴槽水浄化システムは入浴直後の菌数が増加する
前に殺菌手段を供給することで菌の成長、或いは菌数の
増加を抑制する。
【0009】本発明の請求項5に係る浴槽水浄化システ
ムは、浴槽水の濁度センサーを備え、前記制御手段は、
前記濁度センサーに基づく濁度が所定値を超えた場合、
前記タイマーが作動し銀イオンを添加する制御手段であ
ることを特徴とする。浴槽水の濁度は、浴槽水中に存在
する菌数や、浴槽水の臭いの相対的な尺度に成り得るこ
とが知られている。そこで入浴者が不快を感じることの
ない濁度、或いは菌数1000cfu/ccに対応する濁度レベル
を設定し、その設定値を超えた場合にのみ水の浄化手段
である銀イオン生成装置が作動する構成を提案する。こ
のような条件を設定することで浴槽水浄化に必要なエネ
ルギーを最小限に抑える事が出来る。
【0010】本発明の請求項6に係る浴槽水浄化システ
ムにおける銀イオン生成装置は、少なくとも陰極側に銀
極板を用いて電気分解することにより銀イオンを生成す
ることを特徴とする。金属イオンの生成手段として、添
加電力に対して最も効率がいいと考えられる電気分解を
用いて銀イオンを生成し、浴槽水に添加する。電気分解
に用いる電極としては少なくとも一方を銀極板とするこ
とから電流供給時間に対応した正確な銀イオン濃度を浴
槽水に供給することができる。また、銀イオン生成装置
が前記仕様であることから、水量検知機や濁度センサー
の情報に応じて即座に銀イオンの供給を開始することが
可能である。
【0011】本発明の請求項7に係る浴槽水浄化システ
ムは、銀イオン生成装置は、銀板に超音波を照射するこ
とにより銀イオンを生成することを特徴とする。銀板に
超音波を直接照射しても銀イオンを発生させることがで
きるため、超音波を水の浄化手段であると同時に、銀イ
オンの発生手段とも位置づけることができる。そのた
め、銀イオン添加装置と超音波照射装置を個別に設置す
るのではなく、超音波照射装置内に銀板を設置すること
で、装置設置スペースをよりコンパクトにすることがで
きる。また、浄化装置を1つにまとめることによる省エ
ネ効果も得られる。以上、超音波を直接銀板に照射する
ことで、コンパクト化と省エネ効果が達成されるため、
上記装置の一般家庭への導入が比較的容易になるものと
期待できる。
【0012】本発明の請求項8に係る浴槽水浄化システ
ムは、浴槽水中の可視レベルの固形物を除去するろ過装
置を超音波照射装置と銀イオン添加装置よりも上流に設
けることを特徴とする。浴槽水中に存在する可視レベル
の固形物をフィルターにより除去することで、浴槽水中
の細菌に対して、銀イオンや超音波が直接作用すること
ができる。特に超音波の場合、水中に固形物が存在する
と超音波が遮断されたり分散したりするために殺菌効率
が低下することが考えられる。このような殺菌効率低下
を防ぎ、より効果的な殺菌を実現するため、事前にある
程度の大きさを有する固形物を除去することが望まし
い。尚、可視レベルの固形物を除去するフィルターのサ
イズについては、1インチあたり30〜100セルを有し、厚
み5〜50ミリのスポンジ、あるいは1インチあたり30〜10
0メッシュの開口部を有するメッシュフィルターを用い
た場合で、ターン数(フィルター120を通水させた水量
を浴槽100の水量で除した値)で1以上20以下に設定す
ることが望ましい。前記設定により標準的な浴槽水(浴
槽の水200Lあたり4〜6人が入浴した後の、濁度1〜2度の
水)を清澄な水(濁度0.5度以下)にすることができ
る。
【0013】本発明の請求項9に係る浴槽水浄化システ
ムは、銀イオン生成装置と前記超音波発振装置が同時作
動しないことを特徴とする。前記銀イオン生成装置と前
記超音波発振装置が異なる時間帯に作動することで電源
容量を小さくすることができるため、浴槽水浄化システ
ムのランニングコストに加え、装置自体のコストや電源
回りの占有面積を抑えることが可能となる。更に前記2
種類の装置の作動時間が異なっても、浴槽水中に銀イオ
ンが存在する状態で超音波を照射することが可能である
から、浴槽水の浄化効率は高い水準を保つことができ
る。
【0014】本発明の請求項10に係る浴槽水浄化シス
テムは、超音波発振器における超音波照射方式として超
音波を局所的に集中させることが可能な集中型振動子を
用いることを特徴とする。超音波発振器としては主に平
面型の振動子が用いられている。しかしながら、振動子
自体を半球状にし、そこから発振される超音波の焦点を
ある狭い空間に絞ることが可能な集中振動子を用いた場
合、局所的に最高音圧が平面型振動子の数10倍程度まで
増幅される。その結果、このような集中型振動子を用い
た場合にはその殺菌効率が、同じ出力の平面型振動子と
比較した場合の数10倍以上にもなることが実験により判
明した。また、銀板に集中型振動子を用いて超音波を照
射した場合の銀イオン析出量についても、大幅にその効
率が上昇するものと期待できる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第一の実施形態を
示す図である。図1に示すように、浴槽100は浴槽水ポ
ンプ110、フィルター120、並びに熱交換器150を介して
濁度センサー160に接続されている。また、上水道の水
栓130はリリーフ弁140を介して、熱交換器150に接続さ
れ、熱交換器150から延びる管路は熱交換器150と濁度セ
ンサー160を結ぶ管路に接続されている。濁度センサー1
60から延びる管路が銀イオン生成装置170と超音波発振
装置180に接続され、循環系として再び浴槽100に接続さ
れる。また、浴槽100から延びる管路は浴槽水量検知機2
00に接続され、濁度センサー160、浴槽水量検知機200が
それぞれ制御コントローラー190に接続され、制御コン
トローラー190が銀イオン生成装置170と超音波発振装置
180に接続される。
【0016】次に上記の構成における本実施例の動作に
ついて説明する。風呂給湯時には風呂給湯弁140を開く
ことにより水が熱交換器150に導かれ、加熱された温水
が濁度センサー160、銀イオン生成装置170、超音波発振
装置180、を経て浴槽100に導入される。
【0017】しかし、風呂給湯時には熱交換器150を出
た湯水が直接、図示されていない管路を経由し、浴槽10
0に導入する形態であってもよい。
【0018】また、浄化時には循環ポンプ110を駆動さ
せつつ浴槽水をフィルター120を通して熱交換器150に導
き、加熱された温水が濁度センサー160を経て銀イオン
生成装置170と超音波発振装置180に導入される。その
際、濁度センサー160と浴槽水量検知機200から得られた
情報が制御コントローラー190に集約され、その情報が
制御コントローラー190から銀イオン生成装置170と超音
波発振装置180に伝達され、銀イオンが供給された浴槽
水に対して超音波が照射される。銀イオン添加、並びに
超音波処理を経た浴槽水は再び浴槽100に導入される。
【0019】上記構成は浴槽水を熱交換器150に導くた
め、風呂水の保温効果も同時に得られるが、水の浄化の
みを目的とする場合にはフィルター120を通過した浴槽
水は熱交換器150を介さず、図示されない管路を経由し
直接濁度センサー160を経て銀イオン生成装置170、並び
に超音波発振装置180に導入される構成とすることもで
きる。
【0020】図1に本発明の第一の実施形態を示した
が、銀イオンの供給手段は電気分解ではなく超音波照射
によるものであってもよい。図2は図1に示した第一の
実施形態の銀イオン生成装置170と超音波発振装置180を
結ぶ管路を省き、銀イオン生成機能を超音波発振装置18
0に組み込んだ形式である。実際には超音波発振装置180
内に銀板を設置し、この銀板に超音波を照射することで
銀イオンを生成する。この場合、超音波の役割は浴槽水
中の細菌に対する殺菌効果と銀イオンの生成効果という
ことになる。そうすることで制御系をより簡単なものに
することができ、装置自体を1つにまとめることができ
る。
【0021】図2の構成で、銀板に直接超音波を照射し
銀イオンを生成する場合、前記銀板と超音波照射振動子
間の距離、または位置を殺菌に必要な銀イオン濃度によ
り調整することにより銀板の寿命を延ばし、長期使用を
可能とする。また、全浴槽水に対して銀イオン濃度が一
定値に達した際には銀板を超音波照射範囲外に移動する
ことによって更に前記効果を推進することができる。
【0022】また、浴槽水に対して一定時間集中的に超
音波を照射することを目的として図1、図2に記載の超音
波発振装置180と浴槽水循環系を結ぶ管路との間に開閉
可能な弁を導入する構成とすることもできる。その際、
弁の開閉のタイミングは超音波発振装置180の容量に応
じて予め設定しておき、その設定は濁度センサー160の
情報に基づいて始動される。そうすることで、超音波発
振装置180の容量が大きくなった場合でも、全浴槽水に
対して万遍なく、且つ効率的に超音波を照射することが
できる。
【0023】図3は銀イオン添加操作をフロー図で示し
たものである。Step-1は浴槽に一定の温水が供給された
時点で、循環ポンプ110、濁度センサー160、並びに水量
検知機200が作動する。その時点で水量変動回数=0と制
御コントローラー190に記録される(Step-2)。Step-3
は、循環ポンプ110を流れる浴槽水が濁度センサー160を
通過し、その浴槽水の濁度値に関する情報が制御コント
ローラー190に伝達される。Step-7は、前記濁度値があ
る一定値を超えた場合、銀イオン供給手段である銀極板
を用いた電気分解のタイマーが作動する。Step-8は、St
ep-7のタイマーに基づき、一定時間、前記電気分解が実
施され、浴槽水に銀イオンが添加される。また、Step-4
では浴槽水の水量検知機200により、浴槽内の水位が一
定時間内にある所定幅変動したことを確認する。Step-5
は、前記浴槽水位が変動したことが制御コントローラー
190に伝達され、水量変動回数が1回増える。Step-6は、
制御コントローラー190において、前記浴槽水変動が湯
はり後、最初の変動であるかどうかを確認する。前記変
動が湯はり後、最初の入浴者であれば、Step-7、Step-8
が前記と全く同様に作動し、浴槽に銀イオンが添加され
ることになる。Step-4において浴槽内の水量変動が所定
量に満たない時、または前記水量変動があったとして
も、制御コントローラー190において、変動回数が1回目
ではない時、つまり湯はり後、最初の入浴者ではないと
判断された時は、再びStep-3に戻り、前記同様のプロセ
スを経る。
【0024】図4には集中型振動子の概略を平面型振動
子と比較して記載した。このように振動子の形状を半円
状とすることで、被照射物に対して超音波を局所的に集
中することが可能となる。このような超音波照射方式
は、特に水中の細菌に対して効果的な殺菌効果を有する
ことが実験により明らかとなった。
【0025】上記集中型振動子の殺菌効果について、集
中型振動子と平面型振動子を用いた殺菌効率の比較実験
を実施した。ここでは試験菌株として、グラム陰性細菌
である大腸菌(Escherichia coli IFO 3301)、グラム
陽性細菌である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureu
s ATCC 6538P)を選定した。生菌数測定用培地として大
腸菌についてはデゾキシコレート培地(日水製薬)、黄
色ブドウ球菌についてはマンニット食塩培地(日水製
薬)を使用した。これらの選択培地に超音波照射前後の
試料を塗布し、36℃で24時間培養した後、培地表面に観
測されるコロニーの数を比較した。
【0026】試験1:別途培養した大腸菌を室温下、滅
菌水溶液(500ml)に添加し、濃度106cfu/ml程度の大腸
菌添加水溶液を調製する。この溶液に400KHzの出力を有
す平面型振動子を着水させ、一定時間、超音波を照射
し、経時的に溶液中の細菌数を追跡する。 試験2:試験1と同条件の大腸菌添加水溶液を調製し、
この溶液に400KHzの出力を有す集中型振動子を着水さ
せ、一定時間、超音波を照射し、経時的に溶液中の細菌
数を追跡する。 試験3:別途培養した黄色ブドウ球菌を室温下、滅菌水
溶液(500ml)に添加し、濃度106cfu/ml程度の黄色ブド
ウ球菌添加水溶液を調製する。この溶液に400KHzの出力
を有す平面型振動子を着水させ、一定時間、超音波を照
射し、経時的に溶液中の細菌数を追跡する。 試験4:試験3と同条件の黄色ブドウ球菌添加水溶液を
調製し、この溶液に400KHzの出力を有す集中型振動子を
着水させ、一定時間、超音波を照射し、経時的に溶液中
の細菌数を追跡する。
【0027】上記試験1、3の結果を図5に、上記試験
2、4の結果を図6に示す。これらのグラフから集中型
振動子の殺菌効率が平面型振動子と比較して、大腸菌、
黄色ブドウ球菌それぞれに対して、20倍前後まで上昇す
るという結果が得られた。このように上記集中型振動子
が平面型振動子と比べ高い殺菌効果を有する理由として
は、集中型振動子から放射される超音波が平面型と比
べ、非常に高い音圧を局所的に有するためと考えられ
る。その結果、超音波により発生するキャビテーション
により細菌の細胞膜が物理的に破壊され、試験結果のよ
うな高い殺菌効果が確認されたものと考える。
【0028】
【発明の効果】以上説明したごとく、浴槽水浄化システ
ムに銀イオン生成装置と超音波発振装置を導入すること
により、殺菌性金属イオンである銀イオンと超音波の相
乗効果により効率よく浴槽水中の細菌を殺菌できる。ま
た、浴槽表面や配管のぬめりに対しては、銀イオンが浴
槽水中に存在するため、細菌が浴槽表面や配管に付着し
た有機物に接触できないため清潔に保つことができる。
更に、前記相乗効果によって、より低い銀イオン濃度に
限定することから浴槽外観の黒ずみ問題が発生すること
もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例に係る浴槽水浄化システ
ムの構成図。
【図2】本発明の第一の実施例に係る浴槽水浄化システ
ムの構成図であって管路を省いた図。
【図3】本発明の銀イオン生成装置の制御に関するフロ
ー図。
【図4】本発明の集中型振動子の概略図
【図5】平面型振動子を用いた殺菌試験結果
【図6】集中型振動子を用いた殺菌試験結果
【符号の説明】
100 浴槽 110 浴槽水ポンプ 120 フィルター 130 上水道の水栓 140 リリーフ弁 150 熱交換器 160 濁度センサー 170 銀イオン生成装置 180 超音波発振装置 190 制御コントローラー 200 浴槽水量検知機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 510 C02F 1/50 520L 520 531T 531 550D 550 550H 550L 560C 560 560F 560Z 9/00 502D 9/00 502 502M 502Q 503F 503 504B 504 B01D 35/02 J (72)発明者 坂元 健二 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 遠藤 慎良 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浴槽水を循環させるために起点及び終点
    を浴槽に接続した浴槽水循環流路を備え、超音波を照射
    する超音波発振装置と、殺菌性金属イオンである銀イオ
    ンを添加する銀イオン生成装置とを前記循環流路に有す
    ることを特徴とする浴槽水浄化システム。
  2. 【請求項2】 前記浴槽水浄化システムは銀イオンの添
    加濃度を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、浴
    槽水中の銀イオン濃度を5ppb以上100ppb未満に制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の浴槽水浄化システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記銀イオン生成装置への供給電力の通
    電時間を制御するタイマーと、浴槽水の水量検知機を設
    け、前記制御手段は、前記水量検知機に基づく浴槽水の
    水量に応じて銀イオン生成装置への供給電力を時間制御
    する制御手段であることを特徴とする請求項2記載の浴
    槽水浄化システム。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、湯はり後に前記水量検
    知機に基づく水量が所定幅変動した場合、前記タイマー
    が作動し銀イオンを添加する制御手段であることを特徴
    とする請求項3に記載の浴槽水浄化システム。
  5. 【請求項5】 浴槽水の濁度センサーを備え、前記制御
    手段は、前記濁度センサーに基づく濁度が所定値を超え
    た場合、前記タイマーが作動し銀イオンを添加する制御
    手段であることを特徴とする請求項3または4に記載の
    浴槽水浄化システム。
  6. 【請求項6】 前記銀イオン生成装置は、少なくとも陰
    極側に銀極板を用いて電気分解することにより銀イオン
    を生成することを特徴とする請求項1乃至5に記載の浴
    槽水浄化システム。
  7. 【請求項7】 前記銀イオン生成装置は、銀板に超音波
    を照射することにより銀イオンを生成することを特徴と
    する請求項1乃至5に記載の浴槽水浄化システム。
  8. 【請求項8】 浴槽水中の可視レベルの固形物を除去す
    るろ過装置を超音波照射装置と銀イオン添加装置よりも
    上流に設けることを特徴とする請求項1乃至7に記載の
    浴槽水浄化システム。
  9. 【請求項9】 前記銀イオン生成装置と前記超音波発振
    装置が同時作動しないことを特徴とする請求項1乃至
    6、または請求項8に記載の浴槽水浄化システム。
  10. 【請求項10】 前記超音波発振器における超音波照射
    方式として超音波を局所的に集中させることが可能な集
    中型振動子を用いることを特徴とする請求項1乃至9に
    記載の浴槽水浄化システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011089769A (ja) * 2011-02-10 2011-05-06 Mitsubishi Electric Corp 水除菌装置および加湿機
RU2445272C1 (ru) * 2010-10-07 2012-03-20 Андрей Николаевич Беляев Способ обеззараживания воды синергетическим воздействием

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