JP2001324862A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2001324862A
JP2001324862A JP2000142144A JP2000142144A JP2001324862A JP 2001324862 A JP2001324862 A JP 2001324862A JP 2000142144 A JP2000142144 A JP 2000142144A JP 2000142144 A JP2000142144 A JP 2000142144A JP 2001324862 A JP2001324862 A JP 2001324862A
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carrier
image
developer
image forming
forming apparatus
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JP2000142144A
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English (en)
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Yasunori Unagida
恭典 鰻田
Migaku Aoshima
琢 青島
Yoshimi Tokita
好美 鴇田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 像担持体の摩耗低減を図りながら、粒状性や
細線再現性に優れ、かつ、ハーフトーン画像の後端濃度
低下や文字周辺抜けなどの画質欠陥のない高画質画像を
得る。 【解決手段】 表面に静電潜像Zが形成される像担持体
1と、この像担持体1に対向し且つ周面が周回可能に支
持された現像剤担持体3を有し、この現像剤担持体3上
にトナーT及びキャリアCからなる二成分現像剤Gを担
持させ、像担持体1及び現像剤担持体3間に現像電界を
作用させることで像担持体1上の静電潜像ZをトナーT
にて可視像化する現像装置2とを備えた画像形成装置に
おいて、像担持体1の表面に非絶縁性オーバーコート層
4及びその下層部に膜厚20μm以下の電荷輸送層5を
具備させる一方、像担持体1及び現像剤担持体3間に作
用させる現像電界を直流バイアスVDCのみを印加するこ
とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機や
レーザープリンタ等の画像形成装置に係り、特に、トナ
ー及びキャリアからなる二成分現像剤を用いて像担持体
上の静電潜像を形成するようにした画像形成装置の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば電子写真技術を用いた複
写機やプリンタ等の画像形成装置は、大規模なオフィス
ユースだけでなく、SOHO環境と呼ばれる比較的小規
模なオフィス、さらに個人環境でも使用されるようにな
ってきており、マシンコスト、ランニングコスト、メン
テナビティといった経済性が重要視されるようになっ
た。当然、トナーを含む現像剤や静電潜像を形成する感
光体の交換周期が長ければ長いほど、ユーザーにとって
コストメリットが大きいわけである。
【0003】従来この種の画像形成装置は、表面に静電
潜像(静電電位の差による潜像)が形成されるドラム状
やベルト状の像担持体と、この像担持体上の静電潜像を
トナー現像して可視像化する現像装置とを備えている。
一般に、像担持体としては、例えば電子写真技術では主
に有機感光体が使用されており、この有機感光体は電荷
発生層や電荷輸送層と呼ばれる感光体層を有している。
ここで、像担持体(有機感光体)周辺には、帯電装置や
クリーニング装置等が近接して配置されており、これら
の装置が像担持体に接触しているため、常に感光体層は
摩耗していることになる。このとき、感光体層の摩耗が
進むことにより、階調再現特性低下をはじめとする画質
低下や画像欠陥が顕著になり、やむを得ず像担持体の交
換が必要となる。つまり、この感光体層の摩耗の進み具
合で有機感光体の維持性が決定されると言え、摩耗が少
なければ有機感光体の維持性が向上し、像担持体(有機
感光体)の交換周期を長くすることが可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した感
光体層の摩耗を低減させるには、感光体層表面に耐摩耗
性のオーバーコート層を被覆し、感光体層と周辺部材と
の直接接触を極力回避するということが考えられる。ま
た、従来の現像装置としては、使用する現像剤の種類、
現像電界の種類などに応じて各種のものが知られている
が、優れた細線再現性と充分な画像濃度を確保して画像
の高画質化を達成するという観点からすれば、交番電界
下で二成分現像方式を採用することが好適であることも
既に知られている。よって、上述したオーバーコート層
付きの像担持体に対しても、現像装置の現像ロール上に
二成分現像剤を担持させ、交番電界を作用させつつ現像
を行う方式を採用する先行技術が既に提供されている。
【0005】しかしながら、オーバーコート層付きの像
担持体に対し、交番電界からなる現像電界を作用させた
場合には、様々な画質上の技術的課題が見出された。こ
のような技術的課題を解決する先行技術としては、例え
ば交番電界を形成する交流バイアスの条件の最適化を図
り、交番電界下で現像を行った際にもかぶりや画像濃度
の低下を回避するようにした技術(例えば特開平10−
186841号公報参照)や、キャリアの粒径や比抵抗
を最適化することで、キャリア付着の発生がなく、細線
再現性に優れた高画質トナー画像を得るようにした技術
(例えば特開平9−281807号参照)などが既に提
供されている。ところが、前者の先行技術にあっては、
交番電界によって静電潜像に乱れが生ずるため、ハーフ
トーンなどの粒状性や細線再現性が改善されないという
技術的課題が残存してしまう。また、後者の先行技術に
あっては、キャリアの比抵抗を高く設定するようにして
いるため、それに伴う画質欠陥、例えばハーフトーン画
像の後端濃度の低下や文字周辺抜けという技術的課題が
残存してしまう。
【0006】本発明は、以上の技術的課題を解決するた
めになされたものであって、像担持体の摩耗低減を図り
ながら、粒状性や細線再現性に優れ、かつ、ハーフトー
ン画像の後端濃度低下や文字周辺抜けなどの画質欠陥の
ない高画質画像を得ることができる画像形成装置を提供
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】そして、本発明者らは、
上述した技術的課題の要因として、現像電界に交番電界
を用いることが大きく起因していると推測し、現像電界
に交番電界を用いないシステムに変更することで本発明
を案出するに至ったのである。すなわち、本発明の基本
的態様は、図1に示すように、表面に静電潜像Zが形成
される像担持体1と、この像担持体1に対向し且つ周面
が周回可能に支持された現像剤担持体3を有し、この現
像剤担持体3上にトナーT及びキャリアCからなる二成
分現像剤Gを担持させ、像担持体1及び現像剤担持体3
間に現像電界を作用させることで像担持体1上の静電潜
像ZをトナーTにて可視像化する現像装置2とを備えた
画像形成装置において、像担持体1の表面に非絶縁性オ
ーバーコート層4を具備させる一方、像担持体1及び現
像剤担持体3間に作用させる現像電界を直流バイアスV
DCのみを印加することで構成することを特徴とする。
【0008】このような技術的手段において、像担持体
1は静電潜像Zを担持するものであれば感光体層、誘電
体層のいずれを具備したものでも問わないが、本件発明
は摩耗し易い感光体層を具備した態様に対して特に有効
である。ここで、像担持体1は表面にオーバーコート層
4を具備するが、このオーバーコート層4は感光体層や
誘電体層を被覆するものの、感光体層や誘電体層上に静
電電位による潜像(静電潜像)Zを担持できるようにし
なければならないため、少なくとも非絶縁性であること
を要する。なぜならば、仮に、オーバーコート層4が絶
縁性であると、電荷が蓄積し、像担持体1として本来的
に機能しないことによる。但し、オーバーコート層4が
導電性過ぎると、オーバーコート層4にて電荷注入によ
る像流れが生ずるため、半導電性程度(109〜1013
Ω・cm)が好ましい 。
【0009】また、オーバーコート層4は、電荷発生層
や電荷輸送層5と呼ばれる感光体層や誘電体層を被覆す
るため、電荷輸送層5の直接的な摩耗が少なく抑えられ
る。このため、電荷輸送層5が摩耗することを考慮しな
くても済み、電荷輸送層5の厚みを比較的自由に設定す
る、具体的には電荷輸送層5の厚みを薄く設定すること
が可能になる。ここで、電荷輸送層5と現像性との関係
について検討すると、電荷輸送層5はコンデンサと同じ
働きをすることから、その表面電位が同じであっても、
厚みが異なる場合、表面上に発生する電荷量が異なる。
つまり、同じ現像電界であっても、電荷輸送層5の厚み
が違うと現像量が異なるのであり、後述する発明の実施
の形態の欄で述べた実験からも明らかなように、電荷輸
送層5を薄くする程現像性が向上することが理解され
る。特に、本件発明では、充分な現像性を確保するとい
う観点から、電荷輸送層5の厚みが20μm以下である
ことが好ましく、特に、15μm以下であることがより
好ましい。
【0010】更に、充分な現像性を確保するための要件
としては、二成分現像剤Gのトナーとして、平均粒径が
6μm以下で形状係数が130以下のトナーを用いるこ
とが好ましい。ここで、「平均粒径が6μm以下のトナ
ー」であれば小粒径トナーであるため、粒状性や細線再
現性、更には階調再現性にも優れた画像を得ることがで
きる点で好ましい。また、「形状係数が130以下のト
ナー」とは球形に近いトナーを意味し、このように球形
に近いトナーであれば、キャリアとの付着力が弱くな
り、その分、現像性が向上する点で好ましい。尚、ここ
でいう形状係数は以下のように定義される。すなわち、
形状係数(ML2/A)={(トナー径の絶対最大長)2
(トナーの投影面積)}×(π/4)×100である。この
形状係数(ML2/A)は、トナーの投影面積と、それ
に外接する円の面積の比で表しており、真球の場合10
0となり、形状が崩れるにつれ増加する。
【0011】更に、上述したように、小粒径で且つ球形
に近いトナーの製造方法については適宜選定して差し支
えないが、小粒径で且つ球形に近いトナーを容易に製造
できるという点から乳化重合法を用いることが好まし
い。
【0012】また、本発明にあっては、直流バイアスV
DCのみを印加することで現像電界を構成するようにして
いるため、現像中にキャリアやトナーを通じての電荷注
入が少なくなり、その分、像担持体1へのキャリア付着
が発生し難くなる。このため、キャリア抵抗値の自由度
が広がり、画像欠陥の発生しないような抵抗値に制御す
ることが可能になる。例えば、従来の二成分現像方式で
は、像担持体1へのキャリア付着を回避するため、キャ
リアを高抵抗化する必要があり、そのためにハーフトー
ン画像の後端濃度低下や文字周り抜けが発生していた。
しかし、直流バイアスVDCのみを印加することにより、
キャリアの低抵抗化が可能になるため、上記のような画
像欠陥を発生することがなくなる。ここで、像担持体1
へのキャリア付着を有効に回避するには、キャリアの体
積抵抗率を1013Ω・cm以下に設定することが好まし
い。
【0013】更に、現像電界として交番電界(交流成
分)を用いずに直流成分のみを用いた場合には、交番電
界及び直流成分を同時に用いた場合に比べて、その他の
条件を同一にすると、現像性が低下してしまう。この不
利な点を磁極パターンで克服する場合には、例えば現像
装置2の現像剤担持体3は、像担持体1と対向する現像
領域にて径方向磁束密度パターンが同極性の二山分布か
らなる現像磁極を具備することが好ましい。このように
すれば、現像剤担持体3上の二成分現像剤Gの像担持体
1への接触量(現像領域)が増加するため、現像性が向
上する。
【0014】また、上記で説明してきたような現像性向
上手段(電荷輸送層5を薄く設定、小粒径で且つ球形に
近いトナー、現像磁極構成など)を用いると、現像電界
を大きくすることなく、所望の現像量を得ることが可能
になり、像担持体1を初期帯電する作像プロセスにあっ
ては、帯電手段による像担持体1への初期帯電電位レベ
ルを低く設定する、例えば絶対値で650V以下(像担
持体1が負極性であれば0〜−650V)に設定するこ
とが可能である。ここで、像担持体1への初期帯電電位
レベルを大きくすると、像担持体1の例えば感光体層へ
の機械的及び物理的なダメージが大きくなることが知ら
れており、当該像担持体1の寿命が短くなる。これに対
し、像担持体1への初期帯電電位レベルを低く設定する
ことにより、像担持体1の寿命を延ばすことが可能にな
るほか、帯電手段の省電力化をも図ることができる。そ
して、像担持体1の初期帯電電位レベルを絶対値で65
0V以下に設定した場合において、直流バイアスVDCの
みによる現像電界にて良好な現像を行うには、現像装置
2は、初期帯電電位よりも絶対値で50V乃至150V
低い直流バイアスVDCを使用するものであることが好ま
しい。
【0015】また、現像剤担持体3によって搬送される
現像剤量については、充分な現像性を確保できるもので
あれば適宜選定して差し支えないが、画像濃度を満足し
且つジャミングと呼ばれる像担持体1や現像剤担持体3
への現像剤固着現象を回避して良好な画像を得るという
観点からすれば、1cm2当たり35mgから55mg
に設定することが好ましい。このような現像剤量を設定
するための具体的な態様としては、現像剤担持体3表面
の粗さを10点平均粗さRz20μmから30μmの範
囲内に設定するようにすればよい。ここで、像担持体1
の長期の使用に対して、上記表面粗さを維持するには、
サンドブラスト等で所望の表面粗さに仕上げた後、エッ
チング処理をするようにすればよい。
【0016】また、上述した現像剤量を確保し、画像濃
度を満足し且つジャミングを回避した良好な画像を得る
には、像担持体1と現像剤担持体3との設置間隔を最近
接位置で200μmから400μmの範囲内に設定する
ことが好ましい。ここで、像担持体1と現像剤担持体3
との設置間隔(ギャップ)を調整するギャップ調整手段
については、現像剤担持体3の両端に現像剤担持体3と
同軸に円形部材を配し、現像剤担持体3と像担持体1と
の間隔を規制したり、現像剤担持体3と像担持体1との
間にスペーサを介在させるなど公知の手法を適宜選定す
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいて本発明を詳細に説明する。図2は本発明が適
用されたカラー画像形成装置の実施の一形態であり、図
3は各色成分画像を形成するための作像ユニットの周辺
構成を示す説明図である。図2において、本実施の形態
に係るカラー画像形成装置は、各色成分(本例ではイエ
ロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック
(K))毎に対応する色成分トナー像を作成する作像ユ
ニット10(具体的には10Y,10M,10C,10
K)と、各作像ユニット10と平行に配置されて循環移
動し、各作像ユニット10にて作成された色成分トナー
像を多重転写して一時的に保持する中間転写ベルト20
と、この中間転写ベルト20上の多重転写像を転写材P
に二次転写する二次転写装置30とを備えている。
【0018】本実施の形態では、各作像ユニット10
は、特に図2に示すように、中間転写ベルト20の下方
位置にて水平方向に配設されており、作像ユニット10
の配列順は二次転写部位から離れた側からイエロ、マゼ
ンタ、シアン、ブラックの順になっている。ここで、作
像ユニット10は電子写真方式を採用しており、所定方
向に回動する感光体ドラム11(11Y〜11K)を有
し、感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を
帯電するスコロトロンなどの帯電器12(12Y〜12
K)と、帯電された感光体ドラム11表面に静電潜像を
書き込むレーザ走査装置などの図示外の露光装置(本例
ではビームに符号13(13Y〜13K)を示す)と、
感光体ドラム11上に形成された静電潜像を対応する色
成分トナーにて可視像化する現像装置14(14Y〜1
4K)と、感光体ドラム11上に形成された各色成分ト
ナー像の帯電極性を揃えるコロトロン等の転写前処理器
15(15Y〜15K)と、感光体ドラム11上の各色
成分トナー像を中間転写ベルト20側に一次転写するコ
ロトロン等の一次転写器16(16Y〜16K)と、感
光体ドラム11上の残留トナーを清掃するドラムクリー
ナ17(17Y〜17K)と、感光体ドラム11上の残
留電荷を除去する除電ランプなどの除電器18(18Y
〜18K)を順に配設したものである。
【0019】また、中間転写ベルト20は少なくとも駆
動ロール21と従動ロール22とに掛け渡されて循環移
動するようになっており、例えば駆動ロール21に対向
する部位にコロトロン等の二次転写装置30が配設され
ている。一方、例えば従動ロール22に対向する部位に
はベルトクリーナ23が配設されており、中間転写ベル
ト20上の残留トナーが清掃されるようになっている。
尚、転写材Pの二次転写部位の下流側にはディタックコ
ロトロン等のシート剥離器31が配設されており、転写
材Pの中間転写ベルト20への巻き付きを防止するよう
になっている。
【0020】特に、本実施の形態では、感光体ドラム1
1及び現像装置14に構成上の特徴点を有している。先
ず、感光体ドラム11は、図4(a)に示すように、基
材111と4層のレイヤー112〜115からなってい
る。基材111は円筒部材であり、導電性のものが好ま
しく、Al、Fe、Tiなどの金属および合金が一般的
である。そして、4層のレイヤーの最下層はアンダーコ
ート層112と呼ばれる導電処理をした樹脂層である。
アンダーコート層112は露光時のモアレの発生を防ぐ
ためのものであり、場合によっては設けないこともあ
る。アンダーコート層112の上には、電荷発生層11
3と電荷輸送層114と呼ばれる感光体層がある。電荷
発生層113で露光によって正負の電荷を発注し、電荷
輸送層114は発生した電荷を移動させる半導体層であ
る。最上層がオーバーコート層115と呼ばれる被覆層
であり、本実施の形態では、少なくとも感光体層(11
3,114)に静電潜像を担持し得るように非絶縁層で
あることが必要である。但し、導電性過ぎると、オーバ
ーコート層115で電荷注入による像流れが生ずる懸念
があるため、本実施の形態では、体積抵抗率は半導電性
程度(109〜1013Ω・cm)に設定されている。
【0021】また、本実施の形態において、現像装置1
4は、図5に示すように、トナー及びキャリアからなる
二成分現像剤が収容され且つ感光体ドラム11に対向し
て開口する現像ハウジング40を有し、この現像ハウジ
ング40の開口部40aには現像剤が担持せしめられる
現像ロール41を配設したものである。ここで、現像ロ
ール41は内部に固定された磁極ロール412とこの磁
極ロール412の周囲に回転自在に配設される非磁性の
現像スリーブ411とを備えている。この場合におい
て、磁極ロール412の磁束密度パターンについては適
宜選定して差し支えないが、特に、本実施の形態では、
磁極ロール412は、例えば図6に示すような磁束密度
パターン(本例では磁極ロール412の周囲に着磁した
磁極による磁束密度半径方向成分をプロットしたパター
ンを指す)を有し、感光体ドラム11に対向する現像位
置において、同極性の二山分布からなる現像磁極413
を着磁することで反発磁界を有する磁束密度パターンを
与え、現像量(現像領域)を多く確保する構成になって
いる。
【0022】更に、本実施の形態では、感光体ドラム1
1と現像スリーブ411との間には現像電界を作用させ
るバイアス電源44が設けられている。このバイアス電
源44は、直流バイアスVDCのみからなる現像バイアス
VBを印加することで現像電界を作用させるようになっ
ている。特に、本実施の形態では、図7に示すように、
帯電器12による初期帯電電位VHが絶対値で650V
以下(本例では、感光体ドラム11が負極性のため、0
〜−650V)に設定されており、この条件下では、前
記現像バイアスVBは初期帯電電位VHから絶対値で所定
レベルΔV(本例では50V乃至150V低いレベル)
だけ低い値に設定される。
【0023】また、現像ハウジング40内の現像ロール
41の背面側には現像ロール41に近接して現像剤供給
部材42が配設されている。この現像剤供給部材42は
例えば現像剤供給ロールにて構成されるが、本実施の形
態に示すように、現像ロール41と非接触配置されても
よいし、接触配置されても差し支えない。更に、現像ハ
ウジング40内の奥側には現像剤攪拌搬送部材43が配
設されている。この現像剤攪拌搬送部材43は現像ハウ
ジング40内に1本若しくは複数本配設されるものであ
り、例えば現像ロール41の軸方向に沿って回転するオ
ーガーにて構成される。このオーガーは回転軸方向に現
像剤を搬送するとともに、供給されたトナーや現像に使
用された現像剤、現像剤層形成に使用されなかった現像
剤との攪拌を行う。ここではオーガーを攪拌・搬送に使
用しているが、トナー補給時に現像装置14内のトナー
濃度が均一にでき、安定して現像剤供給部材42へ現像
剤を供給できればよく、アジテーターなどでもよい。ま
た、同様の理由からオーガーの個数も限定されない。
【0024】更にまた、本実施の形態では、現像剤供給
領域51にて現像剤供給部材42から現像ロール41上
に供給された現像剤は、フィルム状の弾性体よりなる現
像剤均し部材46によって厚みが均一化され、現像領域
52に搬送される。ここで、現像剤均し部材46は現像
剤供給部材42により供給された現像剤のうちの過剰な
部分を掻き落とす現像剤層厚規制効果を併せ持つ部材で
あり、現像ロール41に圧接され同速で回転する弾性ロ
ールなどでもよいし、金属などの剛性体からなるブレー
ド状の部材であってもよい。そして、現像領域52を通
過した現像剤は現像剤剥離領域53において磁極ロール
412の磁束密度パターンによって現像ロール41から
磁気的に剥離され、剥離現像剤回収板48に沿って現像
剤攪拌搬送部材43付近に回収される。尚、図5中、点
線で示す矢印は現像剤の流れを示す。
【0025】また、本実施の形態では、二成分現像剤の
トナー及びキャリアは適宜選定して差し支えないが、ハ
ーフトーン画像の粒状性、細線再現性を良好に保つため
に、トナーとしては、乳化重合法にて製造された6μm
以下の小粒径で形状係数が130以下の球形に近いトナ
ーが用いられる。一方、キャリアとしては、高抵抗であ
ると、感光体ドラム11上にキャリアが転移する懸念が
あるため、体積抵抗率が1013Ω・cm以下の低抵抗キ
ャリアが用いられる。更に、本実施の形態では、現像領
域に充分な現像剤がジャミングすることなくスムーズに
供給されるように、1cm2当たり35mgから55m
gの現像剤量を確保するように調整されている。これを
実現するための一例としては、現像ロール41の表面粗
さを10点平均粗さRz20μmから30μmに設定し
た。本例で用いた現像ロール41の粗さ設定方法として
は、サンドブラスト等で所望の表面粗さに仕上げた後、
耐久性を与える意味でエッチング処理を施すようにし
た。更に加えて、本実施の形態では、現像ロール41と
感光体ドラム11との設置間隔は、最近接位置で200
μmから400μmの範囲内に設定されている。
【0026】次に、本実施の形態に係る画像形成装置の
作動について説明する。先ず、各作像ユニット10毎に
各色成分の作像プロセスが行われる。具体的には、感光
体ドラム11は、帯電器12によってその表面を例えば
感光体の極性(負極性)に併せて初期帯電電位(本例で
は−650V)に一様帯電にされる。次に、感光体ドラ
ム11の画像に対する部分が露光装置(図示せず)から
のビーム13によって露光される。この後、各色成分画
像形成時には、各現像装置14は、現像バイアスとして
所定の直流バイアスVDCが印加された現像ロール41の
表面にトナー及びキャリアからなる二成分現像剤を担持
しており、上記のように形成された静電潜像を摺擦して
感光体ドラム11上に各色成分トナー像を形成する。こ
のトナー像は転写前処理器15によって処理された後転
写部位に搬送され、中間転写ベルト20に一次転写器1
6によって転写される。転写後の感光体ドラム11は除
電器18によって除電され、転写されなかった残留トナ
ーがドラムクリーナ17によって清掃される。
【0027】各作像ユニット10において上記の工程が
繰り返されると、YMCKの各色に対応したトナー像が
感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上に形成
され、中間転写ベルト20上に重ね転写されることにな
る。そして、中間転写ベルト20上の重ね合わされたフ
ルカラートナー像は所定のタイミングで第2転写部位に
搬送される用紙あるいは透明シートなどの転写材Pに二
次転写装置30によって転写される。転写材P上に転写
されたフルカラーのトナー像は、この後定着器(図示せ
ず)を通過し、定着器によって転写材P上のトナー像が
定着され、一連の作像プロセスが終了する。
【0028】このような作像プロセスにおいて、感光体
ドラム11の電荷輸送層114の厚みを変化させ、現像
性を調べる実験を行ったところ、図8に示す結果が得ら
れた。図8は、例えば電荷輸送層114が13μm、2
0μm及び24μmの3種類の感光体ドラム11を用
い、露光装置にて画像密度100%の静電潜像を描か
せ、トナー濃度を変化させたときに現像するトナー量を
プロットしたものである。尚、図8中、太実線が13μ
m、細実線が20μm、点線が24μmの電荷輸送層に
おける近似直線を示す。同図によれば、電荷輸送層11
4を薄くするほど現像性が向上することが把握される。
特に、電荷輸送層114が20μm以下になると、現像
性が急激に向上しており、必要充分な現像剤量を確保し
易くするには、電荷輸送層114が20μm以下であれ
ばよく、15μm以下であることがより好ましいことが
確認された。
【0029】また、本実施の形態では、現像電界が直流
バイアスVDCのみにより構成されているため、感光体ド
ラム11上の静電潜像に交番電界が作用することはな
く、交番電界によって感光体ドラム11上の静電潜像が
破壊される現象は見られなかった。更に、本実施の形態
では、二成分現像剤としては、小粒径で且つ球形に近い
トナーを使用し、しかも、低抵抗キャリアを使用してい
るため、ハーフトーン画像の粒状性や細線再現性、更に
は、各階調再現性がより良好に保たれるほか、高抵抗キ
ャリアを用いた際に生じていたハーフトーン画像の後端
濃度低下や文字周り抜けも見られなかった。更にまた、
現像電界として交番電界を用いないことにより本実施の
形態に係る画像形成装置の現像性が現像電界として交番
電界を用いた比較の態様に比べて低下する懸念がある
が、本実施の形態では、現像領域へ供給される現像剤量
を充分に確保し、かつ、現像領域でのジャミングを有効
に防止する構造を採用しているため、現像不足による画
質欠陥も全く見られなかった。
【0030】また、作像プロセス条件として、現像電界
を大きく設定しなくても充分な現像剤量を確保できるた
め、初期帯電電位を絶対値で650V以下(本例では、
感光体ドラム11が負極性であるため、0〜−650
V)に設定し、現像バイアスとしての直流バイアスVDC
を初期帯電電位(0〜−650V)に対し絶対値で50
Vから150V低く設定することにより、高画質のトナ
ー像を作成することが可能である。尚、本実施の形態に
係る画像形成装置の性能評価については後述する実施例
で裏付けられている。
【0031】
【実施例】上述した実施の形態に係る画像形成装置から
以下のような実施例モデル(実施例1〜実施例7)を作
成し、比較の形態から作成した比較例モデル(比較例
1,2)と対比し、本実施の形態に係る画像形成装置の
性能を評価する。ここで、比較の形態としては、実施の
形態と略同様な構成要素を具備するが、実施の形態と異
なり、感光体ドラム11の構成として図4(b)に示す
ように、基材111上に3つのレイヤー112〜114
(アンダーコート層112,電荷発生層113,電荷輸
送層114)を積層したもので、オーバーコート層11
5を設けていない態様で、しかも、現像電界として交番
電界を用いるようにしたものが用いられる。 ◎実施例1 本実施例に係る画像形成装置の構成及び作像条件は以下
の通りである。 ★感光体ドラム構成 ・アルミニウム製のシームレスパイプを使用 ・電荷輸送層の厚み:13μm ・オーバーコート層の厚み:4μm,体積抵抗率:10
11Ω・cm ★作像条件(現像条件を含む) ・感光体ドラムと現像ロールとの最近接位置での距離:
350μm ・感光体ドラム回転速度:200mm/sec ・トナー像形成部電位:−300V〜−500V ・背景部電位:−600V ・現像バイアス(直流バイアス):−500V ★現像ロール構成 ・外径寸法:18mm ・現像スリーブ回転速度:380mm/sec ・現像スリーブ表面処理: 10点平均粗さRz20μmサンドブラスト+エッチン
グ処理 ・現像領域における磁束密度のピーク:85mT ・現像領域における磁束密度のピーク間角度:27de
g. ・現像領域における磁束密度の落ち込み:−15mT ★現像剤: ・平均粒径35μmフェライトキャリア:キャリアは体
積抵抗率108〜109Ω・cmのフェライト粒子をコア
材とし、その表面に導電性微粒子を添加した樹脂をコー
ティング処理したものである。 ・平均粒径5.5μmトナー:からなる二成分現像剤を
使用した。 ・現像ロール上で磁気ブラシ状になった二成分現像剤の
体積抵抗率を測定すると、1010〜1011Ω・cmであ
る。 ・現像装置内の現像剤総量は280gであった。 ★現像領域における現像剤搬送量:45mg/cm2
【0032】◎実施例2 本実施例に係る画像形成装置の構成及び作像条件は以下
の通りである。 ★感光体ドラム構成 ・実施例1と同様 ★作像条件(現像条件を含む) ・感光体ドラムと現像ロールとの最近接位置での距離:
350μm ・感光体ドラム回転速度:200mm/sec ・トナー像形成部電位:−360V〜−500V ・背景部電位:−570V ・現像バイアス(直流バイアス):−500V ★現像ロール構成 ・実施例1と同様 ★現像剤: ・実施例1と同様 ★現像領域における現像剤搬送量:実施例1と同様
【0033】◎実施例3 本実施例に係る画像形成装置の構成及び作像条件は以下
の通りである。 ★感光体ドラム構成 ・実施例1と同様 ★作像条件(現像条件を含む) ・感光体ドラムと現像ロールとの最近接位置での距離:
350μm ・感光体ドラム回転速度:200mm/sec ・トナー像形成部電位:−240V〜−500V ・背景部電位:−630V ・現像バイアス(直流バイアス):−500V ★現像ロール構成 ・実施例1と同様 ★現像剤: ・実施例1と同様 ★現像領域における現像剤搬送量:実施例1と同様
【0034】◎実施例4 本実施例に係る画像形成装置の構成及び作像条件は以下
の通りである。 ★感光体ドラム構成 ・実施例1と同様 ★作像条件(現像条件を含む) ・実施例1と同様 ★現像ロール構成 外径寸法:18mm 現像スリーブ回転速度:380mm/sec 現像スリーブ表面処理:10点平均粗さRz20μmサ
ンドブラスト+エッチング処理 現像領域における磁束密度のピーク:85mT 現像領域における磁束密度のピーク間角度:25de
g. 現像領域における磁束密度の落ち込み:−15mT ★現像剤: ・平均粒径35μmフェライトキャリア:キャリアは体
積抵抗率1010〜1011Ω・cmのフェライト粒子をコ
ア材とし、その表面に導電性微粒子を添加した樹脂をコ
ーティング処理したものである。 ・平均粒径5.5μmトナー:からなる二成分現像剤を
使用した。 ・現像ロール上で磁気ブラシ状になった二成分現像剤の
体積抵抗率を測定すると、1012〜1013Ω・cmであ
る。 ・現像装置内の現像剤総量は280gであった。 ★現像領域における現像剤搬送量:実施例1と同様
【0035】◎実施例5 本実施例に係る画像形成装置の構成及び作像条件は以下
の通りである。 ★感光体ドラム構成 ・実施例1と同様 ★作像条件(現像条件を含む) ・実施例1と同様 ★現像ロール構成 外径寸法:18mm 現像スリーブ回転速度:380mm/sec 現像スリーブ表面処理: 10点平均粗さRz20μmサンドブラスト+エッチン
グ処理 現像領域における磁束密度のピーク:75mT 現像領域における磁束密度のピーク間角度:23de
g. 現像領域における磁束密度の落ち込み:−10mT ★現像剤:実施例1と同様 ★現像領域における現像剤搬送量:実施例1と同様
【0036】◎実施例6 本実施例に係る画像形成装置の構成及び作像条件は以下
の通りである。 ★感光体ドラム構成 ・実施例1と同様 ★作像条件(現像条件を含む) ・実施例1と同様 ★現像ロール構成 外径寸法:18mm 現像スリーブ回転速度:380mm/sec 現像スリーブ表面処理: 10点平均粗さRz30μmサンドブラスト+エッチン
グ処理 現像領域における磁束密度のピーク:85mT 現像領域における磁束密度のピーク間角度:27de
g. 現像領域における磁束密度の落ち込み:−15mT ★現像剤:実施例1と同様 ★現像領域における現像剤搬送量:53mg/cm2
【0037】◎実施例7 本実施例に係る画像形成装置の構成及び作像条件は以下
の通りである。 ★感光体ドラム構成 ・アルミニウム製のシームレスパイプを使用 ・電荷輸送層の厚み:19μm ・オーバーコート層の厚み:4μm,体積抵抗率:10
11Ω・cm ★作像条件(現像条件を含む) ・実施例1と同様 ★現像ロール構成 ・実施例1と同様 ★現像剤:実施例1と同様 ★現像領域における現像剤搬送量:実施例1と同様
【0038】◎比較例1 本比較例に係る画像形成装置の構成及び作像条件は以下
の通りである。 ★感光体ドラム構成 ・アルミニウム製のシームレスパイプを使用 ・電荷輸送層の厚み:25μm ・オーバーコート層なし ★作像条件(現像条件を含む) ・感光体ドラムと現像ロールとの最近接位置での距離:350μm ・感光体ドラム回転速度:200mm/sec ・トナー像形成部電位:−300V〜−500V ・背景部電位:−700V ・現像バイアス 直流成分:−560V 交流成分:デューティー比0.65矩形波 Vp-p1.0kV 周波数9.0kHz ★現像ロール構成 外径寸法:18mm 現像スリーブ回転速度:380mm/sec 現像スリーブ表面処理: 10点平均粗さRz12μmサンドブラスト 現像領域における磁束密度のピーク:120mT ★現像剤: ・平均粒径35μmフェライトキャリア:キャリアは体
積抵抗率108〜109Ω・cmのフェライト粒子をコア
材とし、その表面に導電性微粒子を添加した樹脂をコー
ティング処理したものである。 ・平均粒径7.5μmトナー:からなる二成分現像剤を
使用した。 ・現像ロール上で磁気ブラシ状になった二成分現像剤の
体積抵抗率を測定すると、1010〜1011Ω・cmであ
る。 ・現像装置内の現像剤総量は280gであった。 ★現像領域における現像剤搬送量:35mg/cm2
【0039】◎比較例2 本比較例に係る画像形成装置の構成及び作像条件は以下
の通りである。 ★感光体ドラム構成 ・比較例1と同様 ★作像条件(現像条件を含む) ・比較例1と同様 ★現像ロール構成 ・比較例1と同様 ★現像剤: ・平均粒径35μmフェライトキャリア:キャリアは体
積抵抗率1011〜1012Ω・cmのフェライト粒子をコ
ア材とし、その表面に導電性微粒子を添加した樹脂をコ
ーティング処理したものである。 ・平均粒径7.5μmトナー:からなる二成分現像剤を
使用した。 ・現像ロール上で磁気ブラシ状になった二成分現像剤の
体積抵抗率を測定すると、1014〜1015Ω・cmであ
る。 ・現像装置内の現像剤総量は280gであった。 ★現像領域における現像剤搬送量:比較例1と同様
【0040】以上の実施例1〜7及び比較例1,2に係
る画像形成装置を用いて、画像サンプルを採取し、像密
度100%画像濃度、細線再現性、粒状性、階調再現
性、ハーフトーン後端濃度低下、文字周り抜け、感光体
ドラムへのキャリア付着、バックグランドかぶりを調査
したところ、図9に示すような画像サンプル評価結果を
得た。尚、同図において、◎は非常に良い、○は良い、
△は悪い、×は非常に悪いという評価を示す。また、実
施例1,3,7及び比較例1について、プリント枚数
(作像サイクル数)と感光体の膜厚変化の推移を同時に
調査したところ、図10に示す感光体膜厚変化(摩耗量
推移)が得られた。
【0041】図9及び図10によれば、実施例1〜7の
実施例モデルは、比較例1,2の比較例モデルに比べ
て、画像濃度、細線再現性、粒状性、階調再現性、ハー
フトーン後端濃度低下、文字周り抜け、感光体ドラムへ
のキャリア付着、バックグランドかぶりの全ての点で優
れていることが理解される。また、感光体の摩耗量推移
についても、実施例モデルが比較例に比べて優れている
ことが理解される。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、像担持体の表面に非絶縁性オーバーコート層を具備
させ、かつ、現像装置の現像電界を直流バイアスのみを
印加することで構成するようにしたので、像担持体の感
光体層などをオーバーコート層で被覆保護できる一方、
現像電界として交番電界を使用しない分、静電潜像の破
壊を少なく抑えることができ、しかも、キャリアの低抵
抗化を実現することができる。このため、像担持体の摩
耗低減を図りながら、粒状性や細線再現性に優れ、か
つ、ハーフトーン画像の後端濃度低下や文字周辺抜けな
どの画質欠陥のない高画質画像を得ることができる。特
に、本発明においては、交番電界を用いずに直流バイア
スのみで現像電界を構成するにしても、電荷輸送層の厚
みを薄く設定したり、トナー特性を工夫する等して現像
性を容易に向上させることができるため、現像不足によ
る弊害を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明
図である。
【図2】 実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を
示す説明図である。
【図3】 各色成分作像ユニットの具体例を示す説明図
である。
【図4】 (a)は実施の形態で用いられる感光体ドラ
ム構成を示す説明図、(b)は比較の形態で用いられる
感光体ドラム構成を示す説明図である。
【図5】 実施の形態で用いられる現像装置の具体例を
示す説明図である。
【図6】 実施の形態で用いられる現像装置の磁極パタ
ーン構成例を示す説明図である。
【図7】 実施の形態で用いられる作像プロセス例を示
す説明図である。
【図8】 実施の形態に係る画像形成装置において、電
荷輸送層の厚みと現像量との関係を調べたグラフ図であ
る。
【図9】 実施例1〜7及び比較例1,2の画像サンプ
ル評価結果を示す説明図である。
【図10】 実施例1,3,7及び比較例1の感光体摩
耗量の推移を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1…像担持体,2…現像装置,3…現像剤担持体,4…
オーバーコート層,5…電荷輸送層,VDC…直流バイア
ス,G…二成分現像剤,C…キャリア,T…トナー,Z
…静電潜像
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 501 G03G 15/09 A 15/09 9/08 384 (72)発明者 鴇田 好美 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA15 AB06 BA06 BA07 EA05 EA10 FA02 2H031 AC10 AC19 AC20 AD03 BA08 BA09 CA07 CA13 FA01 2H068 AA08 2H073 AA01 BA02 BA13 BA41 CA03 CA22 2H077 AD06 AD35 BA07 EA01 FA02 GA12

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に静電潜像が形成される像担持体
    と、この像担持体に対向し且つ周面が周回可能に支持さ
    れた現像剤担持体を有し、この現像剤担持体上にトナー
    及びキャリアからなる二成分現像剤を担持させ、像担持
    体及び現像剤担持体間に現像電界を作用させることで像
    担持体上の静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置
    とを備えた画像形成装置において、 像担持体の表面に非絶縁性オーバーコート層及びその下
    層部に膜厚20μm以下の電荷輸送層を具備させる一
    方、 像担持体及び現像剤担持体間に作用させる現像電界を直
    流バイアスのみを印加することで構成することを特徴と
    する画像形成装置。
  2. 【請求項2】 表面に静電潜像が形成される像担持体
    と、この像担持体に対向し且つ周面が周回可能に支持さ
    れた現像剤担持体を有し、この現像剤担持体上にトナー
    及びキャリアからなる二成分現像剤を担持させ、像担持
    体及び現像剤担持体間に現像電界を作用させることで像
    担持体上の静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置
    とを備えた画像形成装置において、 像担持体の表面に非絶縁性オーバーコート層を具備させ
    る一方、 像担持体及び現像剤担持体間に作用させる現像電界を直
    流バイアスのみを印加することで構成し、かつ、二成分
    現像剤のトナーとして、平均粒径が6μm以下で形状係
    数が130以下のトナーを用いたことを特徴とする画像
    形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の画像形成装置において、 二成分現像剤のトナーは乳化重合法により製造されたも
    のであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 表面に静電潜像が形成される像担持体
    と、この像担持体に対向し且つ周面が周回可能に支持さ
    れた現像剤担持体を有し、この現像剤担持体上にトナー
    及びキャリアからなる二成分現像剤を担持させ、像担持
    体及び現像剤担持体間に現像電界を作用させることで像
    担持体上の静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置
    とを備えた画像形成装置において、 像担持体の表面に非絶縁性オーバーコート層を具備させ
    る一方、 像担持体及び現像剤担持体間に作用させる現像電界を直
    流バイアスのみを印加することで構成し、かつ、二成分
    現像剤のキャリアとして、体積抵抗率が1013Ω・cm
    以下のものを使用したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は4記載の画像形成装置
    において、 像担持体は、体積抵抗率109〜1013Ω・cmである
    オーバーコート層を備えていることを特徴とする画像形
    成装置。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は4記載の画像形成装置
    において、 現像装置の現像剤担持体は、像担持体と対向する現像領
    域にて径方向磁束密度パターンが同極性の二山分布から
    なる現像磁極を具備することを特徴とする画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1、2又は4記載の画像形成装置
    において、 像担持体は、静電潜像を形成するために初期帯電電位を
    絶対値で650V以下で使用するものであることを特徴
    とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の画像形成装置において、 現像装置は、初期帯電電位よりも絶対値で50V乃至1
    50V低い直流バイアスを使用するものであることを特
    徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項1、2又は4記載の画像形成装置
    において、 現像装置は、現像剤担持体によって搬送される初期状態
    での現像剤量が、現像位置において1cm2当たり35
    mgから55mgに設定されていることを特徴とする画
    像形成装置。
  10. 【請求項10】 請求項1、2又は4記載の画像形成装
    置において、 現像装置は、初期状態での表面粗さが10点平均粗さR
    z20μmから30μmの範囲内である現像剤担持体を
    具備することを特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の画像形成装置におい
    て、 現像装置は、現像剤担持体の表面にエッチング処理を施
    したものであることを特徴とした画像形成装置。
  12. 【請求項12】 請求項9記載の画像形成装置におい
    て、 現像剤担持体と像担持体との間隔が最近接位置で200
    μmから400μmの範囲内に設定されていることを特
    徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】 表面に静電潜像が形成される像担持体
    と、この像担持体に対向し且つ周面が周回可能に支持さ
    れた現像剤担持体を有し、この現像剤担持体上にトナー
    及びキャリアからなる二成分現像剤を担持させ、像担持
    体及び現像剤担持体間に現像電界を作用させることで像
    担持体上の静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置
    とを備えた画像形成装置において、 像担持体の表面に非絶縁性オーバーコート層を具備させ
    る一方、 像担持体及び現像剤担持体間に作用させる現像電界を直
    流バイアスのみを印加することで構成することを特徴と
    する画像形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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