JP2005003811A - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド現像方式において、回収ロールを使用した構成で、画像むらや画像かぶりのない現像特性の安定した現像装置を実現する。また、小型の画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1に対向し表面にトナーを担持するトナー担持体2と、このトナー担持体2に所定の間隔をおいて対向する位置に配設され、トナー担持体2へトナーを供給する供給用現像剤担持体3及びトナー担持体2からトナーを回収する回収用現像剤担持体4と、この二つの現像剤担持体3,4とトナー担持体2とに対向して配設され、二つの現像剤担持体3,4との間で二成分現像剤を受け渡す搬送部材5を備え、制御部材9と供給用現像剤担持体3との対向する部位の現像剤量よりトナー担持体2と回収用現像剤担持体4との対向する部位の現像剤量を多くする。また、これを用いた画像形成装置をも対象とする。
【選択図】 図1
【解決手段】像担持体1に対向し表面にトナーを担持するトナー担持体2と、このトナー担持体2に所定の間隔をおいて対向する位置に配設され、トナー担持体2へトナーを供給する供給用現像剤担持体3及びトナー担持体2からトナーを回収する回収用現像剤担持体4と、この二つの現像剤担持体3,4とトナー担持体2とに対向して配設され、二つの現像剤担持体3,4との間で二成分現像剤を受け渡す搬送部材5を備え、制御部材9と供給用現像剤担持体3との対向する部位の現像剤量よりトナー担持体2と回収用現像剤担持体4との対向する部位の現像剤量を多くする。また、これを用いた画像形成装置をも対象とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置で用いられる現像装置に係り、特に、トナーと磁性キャリアとを具備した二成分現像剤を用い、像担持体上の静電潜像をトナー現像するように構成した現像装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置で使用される現像装置としては、所謂ハイブリッド現像方式を採用したものが知られている。
これは、感光体等の像担持体に対向し且つトナーを担持するドナーロールと、このドナーロールに対向し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を担持するトナー搬送ロールとを備え、磁気ブラシによりトナー搬送ロールから大量の現像剤を供給し、ドナーロール上にトナー層を形成するようにしたものである(例えば、特許文献1参照)。
このハイブリッド現像方式では、通常、二成分現像剤の撹拌によってトナーの帯電が行われるため十分な帯電量を確保しやすく、また、トナー搬送ロールからドナーロールへのトナーの供給が静電気力によって行われるため、ドナーロールに逆極性に帯電したトナーが供給されることもない。従って、像担持体の非画像領域へのトナー付着がなく、かぶりの発生が防止される。更に、ドナーロールにはトナーのみしか供給されないため、磁性キャリアの像担持体への付着も防止される等の利点がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−211970号公報(発明の実施の形態の欄、図1)
【特許文献2】
特開平9−251237号公報(発明の実施の形態の欄、図1)
【特許文献3】
特開平10−319708号公報(発明の実施の形態の欄、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のハイブリッド現像方式では、ドナーロール上でトナーが消費された部分に対してトナー供給領域でトナーを補充する方式が採られているが、トナーが消費された部分だけでなく、トナーが残存する非消費部分にもトナーが供給され、そのため前回のトナー消費パターンが現像された画像上に現れるという現像履歴の問題がある。
【0005】
また、ドナーロール上にてトナーの供給、掻き取りを繰り返すと、大きい粒径のトナーと小さい粒径のトナーとの物理的付着力の差(大きい粒径のトナーはドナーロールへの物理的付着力が小さいため、ニップ領域で受ける掻き取り力に対し容易に掻き取られるが、小さい粒径のトナーは逆に掻き取られにくい)により、ドナーロール上のトナーの粒径が徐々に小粒径化してくる。
このドナーロール上での粒径の変化は、現像特性や転写特性に変化をもたらし、現像されないでドナーロール上にトナーが残留した上に新しいトナーが供給された領域と、現像されて新しいトナーが供給された領域との間で、トナーの濃度差が生じ、これが画像欠陥(現像履歴)をもたらす可能性がある。
【0006】
そのため、現像領域を通過したドナーロールから一旦全てのトナーを除去し、その後ドナーロールとトナー供給用ロールとの対向部(トナー供給領域)でドナーロールにトナーを再び担持させる方式が知られている。
例えば、トナー除去手段としてスクレーパを使用する方式があるが、この場合、スクレーパとドナーロールとの接触部でトナーが互いに融着するという問題がある。
そこで、トナー供給用ロールとは別に、新たにトナー回収用ロールを加え、ドナーロール上のトナーをトナー回収用ロールで掻き取る方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかし、この新たにトナー回収用ロールを追加する方式にあっては、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールへの現像剤供給量が不安定であると、ドナーロール上のトナー量が不安定となり、画像への濃度むらが発生する。
特に、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールとの間で、現像剤がストレスを受け易く、現像剤の流動性が低下してくると、いっそう顕著となる。
【0008】
そのため、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールを同一方向に回転させ、更に、互いに近接させることで、現像剤搬送量を安定させる方式の提案がなされている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、この場合、二本のロール間のバイアスリークの問題が発生しやすく、特にトナー濃度が低下し且つ動作環境が高湿状況にあるときに顕著となる。
更に、二本のロール間に入り込んだ現像剤がストレスを受け、現像剤の劣化が生じ易く、画像かぶりが発生する問題もあり、長期間に亘って安定した現像特性が得られない課題がある。
【0009】
そこで、本件発明者らは、先に、現像剤の搬送安定性を確保するために、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールとの間に、別途両者間に現像剤を受け渡す搬送部材を追加して現像剤搬送量を安定化させるように構成した現像装置を提案した(特願2003−157592号参照)。
しかしながら、このようなタイプにあっては、搬送部材での現像剤搬送性が不十分な場合、トナー回収性に不均一が生じ、濃度むらの発生に繋がる懸念が考えられる。
更に、回収ニップ領域での現像剤量が少ない場合は、回収ニップ幅が狭いこととなり、トナー回収能力が低く、トナー回収性に不均一が生じ、濃度むらの原因となることも予想される。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、現像剤の供給量が安定し、濃度むらを長期に亘って抑止できると共に、長期に亘る現像特性の安定した現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1に示すように、静電潜像を担持する像担持体1に対向し表面にトナーを担持するトナー担持体2と、このトナー担持体2に所定の間隔をおいて対向する位置に配設され、トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を担持搬送し、トナー担持体2へトナーを供給する供給用現像剤担持体3と、トナー担持体2に所定の間隔をおいて対向する位置に配設され、二成分現像剤を担持搬送し、トナー担持体2からトナーを回収する回収用現像剤担持体4と、この二つの現像剤担持体3,4とトナー担持体2とに対向して配設され、二つの現像剤担持体3,4との間で二成分現像剤を受け渡す搬送部材5と、供給用現像剤担持体3と対向する位置に設けられ、この供給用現像剤担持体3の外周上の現像剤層厚を規制する制御部材9とを備え、この制御部材9と供給用現像剤担持体3とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量より、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量が多くなるように設定されていることを特徴とするものである。
【0011】
このような技術的手段において、本願に係る現像装置は、二成分現像剤を用いるタイプのものであるため、トナーとしては種々の色成分を有するものが使用可能であり、単色の現像装置を備えた画像形成装置に適用可能であることは勿論のこと、複数の現像装置を備えた例えばフルカラーの画像形成装置に対しても適用可能である。
【0012】
本発明における供給用現像剤担持体3と回収用現像剤担持体4及び搬送部材5は、二成分現像剤を担持搬送するものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば、回転可能な非磁性スリーブと、この非磁性スリーブ内に固定的に配設され且つ磁界発生手段が設けられた磁石部材とを具備した態様がある。
また、磁界発生手段は、複数の磁極を有しているものであればよく、例えば、磁極の構成例としては、現像に寄与するためのトナー供給磁極や、現像剤を捕獲できる機能を備えたピックアップ磁極や、現像剤を搬送する搬送磁極等を備えたものが挙げられるが、これに限られるものではなく、適宜選定してよい。
【0013】
また、供給用現像剤担持体3及び回収用現像剤担持体4には、トナー担持体2との間に、トナー担持体2に対しトナーを供給又は回収するための所定の電界が形成されていることが望ましい。そこで、トナー担持体2には像担持体1上の静電潜像を現像するための現像バイアス(VB)6が、供給用現像剤担持体3にはトナー担持体2へトナーを供給する供給バイアス(VS)7が、また、回収用現像剤担持体4にはトナー担持体2からトナーを回収する回収バイアス(VR)8が印加されるようになっている。尚、供給バイアス(VS)7及び回収バイアス(VR)8は、通常、直流電圧が使用されるが、交流重畳直流電圧であっても差し支えない。
【0014】
本発明では、搬送部材5の回転方向は、供給用現像剤担持体3及び回収用現像剤担持体4との対向部位において、現像剤のストレスを軽減する観点から同方向にすることが好ましいが、異なる方向であっても現像剤ストレスを軽減する態様であれば差し支えない。
本発明での現像剤の流れは、供給用現像剤担持体3から搬送部材5を経て回収用現像剤担持体4に流れる方向となる。
そして、搬送部材5が、二つの現像剤担持体3,4との間で、二成分現像剤を受け渡すとは、現像剤を二つの現像剤担持体3,4間で供給用現像剤担持体3から回収用現像剤担持体4へ直接渡す態様ではなく、搬送部材5を介して渡す態様を示す。
【0015】
また、搬送部材5の位置は、供給用現像剤担持体3及び回収用現像剤担持体4から所定の間隔をおいて離れている態様であれば、トナー担持体2と接触した態様も可能である(この場合、搬送部材5はトナー担持体2の回転を妨げないように回転する態様となる)。
【0016】
更に、制御部材9と供給用現像剤担持体3とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量より、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量が多くなるように設定されていることは、回収用現像剤担持体4上に現像剤を多く保持させ、回収ニップを広げることが可能となり、トナー回収に不均一を起こさず、濃度むらを抑制することが可能となる。
また、このことを現像剤の流れから見れば、トナー担持体2と供給用現像剤担持体3とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量より、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量が多くなるように設定されていることが好ましい。
【0017】
本発明では、上述のような現像剤量分布を行うために、回収用現像剤担持体4の周速を供給用現像剤担持体3の周速で除した値kと、供給用現像剤担持体3と制御部材9との間隙αと、回収用現像剤担持体4とトナー担持体2との間隙βについては、kα≦β≦3kαの関係を満たすように設定することが好ましい。
すなわち、供給用現像剤担持体3と制御部材9の部位での現像剤供給量は、その間隙α及び供給用現像剤担持体4の周速で決定する。一方、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4との対向部位では、その間隙β及び回収用現像剤担持体4の周速で回収用現像剤量が決定することから、上述のような関係が決まることとなる。
更に、単位面積当たりの現像剤量を回収側に多くするためには、回収用現像剤担持体4を供給用現像剤担持体3より遅くする方がより具体的であり、好ましい態様である。
【0018】
更に、現像剤の流れを安定させ、搬送部材5での搬送性を確実にする観点から、制御部材9と対向する現像剤担持体とのギャップに比べ二つの現像剤担持体3,4と搬送部材5とのギャップを広くすることが好ましく、それにより、二つの現像剤担持体3,4と搬送部材5とが対向する部位では、現像剤を圧縮することがなくなり、搬送される現像剤に対するストレスを抑制できる。また、この部位では、磁極の影響により穂立ち方向は現像剤担持体と搬送部材5との中心軸方向から傾いているため、ギャップが多少小さく設定(例えば、制御部材9と現像剤担持体とのギャップと同等程度)されていたとしてもストレスの低減が図られ、少なくとも一箇所でも広く設定されていればストレス低減に寄与するため好ましく、二箇所が共に広く設定されていればいっそう好ましい。
また、二つの現像剤担持体3,4と搬送部材5との間隙は、制御部材9とこの制御部材9に対向する現像剤担持体との間隙より、共に1乃至5mm広くすることが、現像剤に与えるストレスを抑止する観点から好ましい。
【0019】
本発明でのトナー担持体2は、像担持体1でのトナー現像を精細に行う観点から、少なくとも表面が弾性状部材であることが好ましいが、金属であっても差し支えない。尚、弾性状部材の場合、像担持体1とは接触して配置することが好ましい。
更に、本発明におけるトナーは、磁性キャリアに付着するものであれば、磁性でも非磁性でもよく、特に、高画質画像を得る観点からは、現像性及び転写性に優れる所謂球形トナー(トナー形状係数が125以下の球形度の高いトナー)を用いることがよい。
尚、本件は、上述した現像装置に限られるものではなく、これらの現像装置を使用した画像形成装置をも対象とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像を担持する感光体であり、この感光体21はスコロトロン等の帯電装置22によって帯電され、レーザ書き込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この静電潜像は、光の当たった部分の感光体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。
【0021】
また、現像装置30は、現像ハウジング31内にトナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を収容し、トナーを担持するドナーロール32と、トナー供給用のトナー供給ロール33と、トナー回収用のトナー回収ロール34と、現像剤を搬送する搬送ロール35とを備えている。
本実施の形態では、感光体21上のトナー画像は、現像装置30によって可視像化された後、転写ロール26によって、記録材28上に転写され、この転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50により記録材28上のトナー画像が定着されるように構成されている。尚、定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることで、トナー画像を記録材28に定着するように構成されている。
また、感光体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
【0022】
ここで、本件発明の特徴点である現像装置30について、図3に基づいて詳細に説明する。
同図において、現像装置30は、感光体21に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面し且つ感光体21と対向して接触する位置に、ドナーロール32をA方向に回動自在に収容している。このドナーロール32にはバイアス電源37が接続され、所定の現像バイアスVBが印加されるようになっている。
本実施の形態では、このドナーロール32の外周部は弾性部材で被覆した構成を採っているが、例えばアルミニウムやステンレス等からなる金属ロールであっても差し支えない。
また、ドナーロール32と感光体21とは接触した構成を採っているが、非接触であっても差し支えない。
【0023】
ドナーロール32の後部(感光体21と反対側)には、トナー供給ロール33とトナー回収ロール34とがドナーロール32と所定の間隔を置いて配設されている。
また、これらのトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34には、夫々バイアス電源38,39が接続され、供給バイアスVS、回収バイアスVRが印加されるようになっている。
更に、これらトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34の後部には、トナー供給ロール33の外周部の現像剤Gをトナー回収ロール34へ受け渡すように現像剤Gを担持搬送する搬送ロール35が配設されている。
そして、ドナーロール32とトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34は、ドナーロール32の中心とトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34の中心とを結ぶ直線のなす角度が、90度以下になるように配置されており、また、トナー回収ロール34の中心が、トナー供給ロール33、トナー回収ロール34、搬送ロール35の中で鉛直方向最下方になるように配置されている。
【0024】
本実施の形態において、トナー供給ロール33、トナー回収ロール34及び搬送ロール35は、回転可能な回転スリーブ33a〜35aと、この回転スリーブ33a〜35aの内部に固定的に配設され、複数の磁極を有する磁石体33b〜35bとを備えている。
トナー供給ロール33の磁石体33bは、その外周部に複数の磁極(S2,N1,S1,N2,N3)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S1を設け、磁極N2と磁極N3のほぼ中間が搬送ロール35と対向する位置になるように配置され、同極の磁極N2,N3が反発磁極として作用するようになっている。
更に、トナー回収ロール34の磁石体34bは、その外周部に複数の磁極(S4,N4,S3,N5,N6)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S3を設け、磁極S4を搬送ロール35と対向する位置になるように配置され、同極のS5,S6が反発磁極として作用するようになっている。
更に、搬送ロール35の磁石体35bは、複数の磁極(S5,N7,S6)の内、磁極S5がトナー供給ロール33と対向する位置になるように配置されている。
尚、本実施の形態において、夫々の磁極の配置や数は本形態に限定されるものではなく、適宜選定して差し支えない。
また、本実施の形態では、トナー供給ロール33及びトナー回収ロール34の回転方向は、ドナーロール32と同様(図3矢印A方向)であり、搬送ロール35の回転方向はこれらと逆方向になっている。
【0025】
また、搬送ロール35の後部には、仕切板40を介して、撹拌部材41が配設されている。この撹拌部材41は、例えばスパイラル状のオーガから構成され、二成分現像剤(現像剤)Gを撹拌帯電した後、トナー供給ロール33に現像剤Gを供給するように構成されている。
尚、本実施の形態では、撹拌部材41を二個備えた態様としているが、二個に限定されるものではなく、一個でもよいし、三個以上あってもよい。また、オーガ以外に磁性あるいは非磁性のロール状でも差し支えない。
【0026】
更にまた、搬送ロール35の後部には、搬送ロール35と略同心円状の半円形状で、現像剤搬送のガイドを行う第一のガイド片43を前記仕切板40より前方に設け、現像剤Gが搬送ロール35の外周上を効率よく搬送されるようにしている。そして、トナー回収ロール34と対向する位置には、現像剤Gの流れを抑止するための第二のガイド片44が設けられ、また、トナー供給ロール33と所定の間隔をもって対向する位置には、トナー供給ロール33上の現像剤の層厚を制御するためのトリマ42が設けられている。
本実施の形態においては、このトリマ42とトナー供給ロール33とのギャップが0.7〜1mm、ドナーロール32とトナー供給ロール33とのギャップが0.5〜0.8mm(TG−0.2mm)、ドナーロール32とトナー回収ロール34とのギャップが0.5〜1.4mmになるように設定されている。また、トナー供給ロール33及びトナー回収ロール34と搬送ロール35とのギャップは、2mmになるように設定されている。
更に、トナー供給ロール33の周速が450mm/s、トナー回収ロール34の周速が225mm/sになるように設定されている。
【0027】
ここで、上記現像バイアスVB、供給バイアスVS及び回収バイアスVRについて説明する。
本実施の形態では、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を使用しており、これらは互いに摩擦接触することにより、トナーはマイナス極性に、磁性キャリアはプラス極性に夫々帯電するものとする。
また、感光体21の外周面は、マイナスに帯電(例えば−600V)され、露光により電位の減衰した部位(例えば−100V)にトナーが付着されて現像が行われる。この場合、現像バイアスVBは−400V、供給バイアスVSは−420〜−750V、回収バイアスVRは−350〜0Vに設定される。
尚、現像バイアスVB、供給バイアスVS及び回収バイアスVRを供給するバイアス電源37〜39には、直流電圧が用いられるが、例えば交流重畳直流電圧を電源とするようにしてもよい。
【0028】
そして、本実施の形態で用いる二成分現像剤Gは、トナーと磁性キャリアからなる現像剤であり、トナーは、例えば非磁性トナーを用いるが、磁性キャリアと磁気特性が異なるものであれば、磁性トナーを用いても差し支えない。
また更に、トナーは、スチレンアクリル系樹脂の重合トナーで、形状係数が125以下の所謂球形トナーであり、磁性キャリアは平均粒径50μmのフェライト系キャリアを使用している。
ここで、トナーの形状係数(SF:Shape Factor)は、主に顕微鏡画像あるいは電子顕微鏡画像を基に画像解析を行うことで数値化されるもので、次の式で定義される。
SF=(ML2/A)×(π/4)×100
尚、上式で、MLはトナー粒子の絶対最大長を示し、Aはトナー粒子の投影面積を示している。
【0029】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について、現像装置30を中心に説明する。
図3において、二成分現像剤(現像剤)Gは、撹拌部材41により撹拌されて、トナーがマイナス極性に、磁性キャリアがプラス極性に帯電された後、トナー供給ロール33の磁石体33bの磁極S2の現像剤流れ上流側の現像剤供給領域で、トナー供給ロール33に供給される。
そして、現像剤Gは、トリマ42の近傍に達すると、磁極S2により穂立ちを形成する。更に、この現像剤Gの穂立ちは、トリマ42で制御されることにより、現像剤層としてトナー供給ロール33の外周上に保持され、回転スリーブ33aの回転と共にA方向に搬送される。このとき、現像剤Gは磁石体33bにより形成されている磁力線に沿って磁気ブラシを構成している。
【0030】
次に、現像剤Gは、トナー供給ロール33とドナーロール32との対向する領域(トナー供給領域)に進入すると、磁極S1の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを形成した現像剤Gにおけるトナーのみが、トナー供給ロール33とドナーロール32との間に形成された電界の影響で、トナー供給ロール33からドナーロール32に静電吸引され、ドナーロール32に付着する。
このとき、本態様では、トナーとして球形トナーを使用していることから、ドナーロール32側に確実に静電吸引されやすい。
一方、トナーを失った磁性キャリア及びトナー供給領域を通過した現像剤Gは、トナー供給ロール33の磁石体33bと搬送ロール35の磁石体35bとの吸引磁界によって、トナー供給ロール33と搬送ロール35とが対向する領域で、搬送ロール35に受け渡される。
【0031】
搬送ロール35に受け渡された現像剤Gは、磁石体35bの吸引磁界により搬送ロール35に保持され、その外周上を搬送された後、搬送ロール35の磁石体35bとトナー回収ロール34の磁石体34bとの吸引磁界によって、搬送ロール35とトナー回収ロール34とが対向する領域で、トナー回収ロール34に受け渡される。
そして、トナー回収ロール34の外周上を搬送された現像剤Gは、磁極S3近傍のトナー回収領域でドナーロール32上のトナーを回収した後、トナー回収ロール34の外周を搬送され、磁極N5と磁極N6との反発磁界により、トナー回収ロール34から離れ、第二のガイド片44に沿って、撹拌部材41に供給される。
【0032】
一方、ドナーロール32に供給されたトナーは、ドナーロール32の回転に従ってA方向に搬送され、現像領域で感光体21上に形成されている静電潜像の現像に利用される。また、現像に利用されることなく、現像領域を通過したトナーは、トナー回収領域に送られる。
トナー回収領域に搬送されたトナーは、ドナーロール32とトナー回収ロール34との間に形成されている電界の影響を受け、トナー回収領域では、マイナス極性に帯電しているトナーがドナーロール32より高電位のトナー回収ロール34に吸引されると共に、トナー回収ロール34に形成されている磁気ブラシに掻き取られて、トナー回収ロール34側へ回収される。尚、このとき、球形トナーを使用したことで、トナーのドナーロール32への物理的吸着力が小さくなり、現像剤Gの掻き取り効果も大きくなることから、トナーの回収が確実に行われるようになる。
【0033】
このように構成された現像装置30では、現像領域で現像に利用されなかったトナーは、トナー回収領域でトナー回収ロール34に回収される。また、トナーが回収されたドナーロール32にはトナー供給ロール33から新たにトナーが均一に供給される。
従って、トナー回収領域を通過したドナーロール32にはトナー消費パターンがなく、このトナー消費パターンがその後に現像されたトナー画像に現れることもない。
また、現像剤Gを、トナー供給ロール33から搬送ロール35へ、また、搬送ロール35からトナー回収ロール34へ受け渡す際の、対向するロール表面の移動方向が同じ(具体的には、トナー供給ロール33と搬送ロール35とが対向する部位と、搬送ロール35とトナー回収ロール34とが対向する部位で、互いのロールの表面の移動方向が同じ)であるため、現像剤Gの移動量が夫々のロール軸方向で安定し、トナー回収領域でのトナー回収性能が安定化し、現像剤供給量も安定することから、現像履歴や濃度むら等の発生を抑制することが可能となる。
【0034】
このとき、トナー供給ロール33の周速よりトナー回収ロール34の周速を遅くし、また、トリマ42とトナー供給ロール33とのギャップやドナーロール32とトナー供給ロール33とのギャップより、ドナーロール32とトナー回収ロール34とのギャップを狭くしていることから、トナー回収領域での現像剤量を多くでき、回収ニップを十分広くすることが可能のため、トナー回収不良を防ぎ、濃度むらの発生を抑止することができる。
【0035】
そして、トナー供給ロール33とトナー回収ロール34の間に、搬送ロール35を配置したことにより、バイアス差の生じるトナー供給ロール33とトナー回収ロール34との間の距離を等価的に広くすることができ、現像剤Gの搬送の安定性が確保されると共に、ロール間にある現像剤Gの流れる方向を一方向にできるため、現像剤Gの受けるストレスもいっそう低減することが可能となり、現像剤Gの劣化に起因する画像かぶりやクラウド等の発生が抑えられ、更にバイアスリークの抑制を同時に満足させることが可能となる。
【0036】
◎実施の形態2
図4は、本発明が適用された画像形成装置に使用される現像装置の実施の形態2を示す。
同図において、本実施の形態は実施の形態1における現像装置30と略同様に構成されるが、トリマ42とトナー供給ロール33とのギャップTGとトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34と搬送ロール35とのギャップD1,D2との関係が実施の形態1と異なる。
尚、本実施の形態での詳細な構成は、実施の形態1と同様の構成のため省略している。
【0037】
本実施の形態では、実施の形態1と異なり、トリマ42とトナー供給ロール33とのギャップTGが0.7〜1mm、トナー供給ロール33及びトナー回収ロール34と、搬送ロール35とのギャップD1,D2がTGより2〜5mm広くなるように設定されている。
従って、本実施の形態では、トリマ42とトナー供給ロール33とのギャップTGより、トナー供給ロール33及びトナー回収ロール34と搬送ロール35とのギャップD1,D2を広くしていることから、トナー供給ロール33で供給される現像剤Gが、搬送ロール35、トナー回収ロール34へと円滑に流れるようになっている。また、このギャップD1,D2領域での現像剤Gの流れがストレスを受けることもなく、現像剤Gの劣化を抑止するようにもなっている。従って、現像剤搬送時の軸方向の安定性もいっそう確保され、濃度むらや画像かぶりの発生を抑止できるようになっている。
尚、本実施の形態では、ギャップD1及びギャップD2をいずれもギャップTGより大きい態様としたが、例えば、ギャップD1及びギャップD2のいずれか一方がギャップTGと同程度のギャップサイズであっても、現像剤Gのストレス低減に寄与することが可能となることから、現像剤Gの劣化を抑止することが可能である。
【0038】
【実施例】
◎実施例1
本実施例では、トナー供給ロールとトナー回収ロールとの周速比、トリマとトナー供給ロールとのギャップ(トリマギャップ:TG)及びドナーロールとトナー回収ロールとのギャップ(ロール間ギャップ)との相関を評価確認したものである。
本実施例では、キャリアは、平均粒径35μmと50μmの既知のフェライト系を使用し、形状係数125ので、既知の乳化重合方式により作成したスチレンアクリル系樹脂のトナーを使用した。
【0039】
評価方法は、富士ゼロックス(株)製DocuColor1250の改造機にて、次の条件で行った。
感光体の表面電位:−650V
ドナーロールへ印加する現像バイアス:−450V
トナー供給ロールへ印加する供給バイアス:−575V
トナー回収ロールへ印加する回収バイアス:−250V
感光体周速:220mm/s
ドナーロール周速:280mm/s
トナー供給ロール周速:450mm/s
トナー回収ロール周速:225mm/s
搬送ロール周速:450mm/s
ドナーロールとトナー供給ロールの間隔:TG−0.2mm
尚、供給バイアスには9kHz、最大振幅500Vの矩形波の交流電界を重畳させた。
【0040】
評価は、用紙全面に画像密度30%の中間調画像を出力し、その濃度むらを
目視判定することで行った。
評価結果は、図5に示すように、トナー供給ロールとトナー回収ロールの周速比(トナー供給ロールの周速/トナー回収ロールの周速)をk、トリマギャップTGをα、ロール間ギャップをβとすると、kα≦β≦3kαの関係を満足する範囲で、濃度むら、かぶりの発生がないことを確認した。
また、図6は、本実施例でのかぶり評価に用いた基準を示しており、基準面積当たりのトナー個数により、判断基準としている。そして、G1及びG2が合格レベルと判断した。
また、トナー供給ロールとトナー回収ロールとの周速比kやトリマギャップTGを更に変更して、ドナーロールとトナー回収ロールとのギャップに対する相関を、同様のテストで確認したところ、上述の関係式を満足するように設定すれば、濃度むらや画像かぶりの発生しないことを確認した。
【0041】
◎実施例2
本実施例では、実施例1の条件で、更にトナー供給ロール及びトナー回収ロールと搬送ロールとのギャップを広げた条件で評価確認したものである。
本実施例においても、磁性キャリアは、平均粒径35μmと50μmの既知のフェライト系を使用し、形状係数125で、既知の乳化重合方式により作成したスチレンアクリル系樹脂のトナーを使用した。
【0042】
評価方法は、富士ゼロックス(株)製DocuColor1250の改造機にて、次の条件で行った。
感光体の表面電位:−650V
ドナーロールへ印加する現像バイアス:−450V
トナー供給ロールへ印加する供給バイアス:−575V
トナー回収ロールへ印加する回収バイアス:−250V
感光体周速:220mm/s
ドナーロール周速:280mm/s
トナー供給ロール周速:450mm/s
トナー回収ロール周速:315mm/s
搬送ロール周速:450mm/s
ドナーロールとトナー供給ロールの間隔:TG−0.2mm
尚、供給バイアスには9kHz、最大振幅500Vの矩形波の交流電界を重畳させた。
【0043】
評価は、用紙全面の30%をカバーする中間調画像を出力し、その濃度むらを目視判定することで行った。
評価結果は、図7に示すように、実施例1の記載に対し、確実にかぶりが減少し、トナー供給ロール及びトナー回収ロールと搬送ロールとのギャップ領域での現像剤のストレスが低減していることが確認された。
【0044】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、トナー担持体と、このトナー担持体にトナーを供給及び回収する二つの現像剤担持体とを備え、更に、これらと対向する位置に二つの現像剤担持体との間で現像剤を受け渡す搬送部材を配設し、制御部材と対向する供給用現像剤担持体との対向する部位の単位面積当たりの現像剤量より、トナー担持体と回収用現像剤担持体との対向する部位の単位面積当たりの現像剤量を多くしたので、現像剤の搬送性がいっそう安定し、更に、現像剤相互のぶつかりあいによるストレスも低減されると共に、回収ニップ域を広くできるため、現像履歴、濃度むらや画像かぶりのない現像装置が提供できる。
また、この現像装置を使用することで、長期に亘って現像特性が安定した小型の画像形成装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の現像装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図3】実施の形態1に係る現像装置の詳細を示す説明図である。
【図4】本発明が適用された現像装置の実施の形態2を示す説明図である。
【図5】実施例1の結果を示す説明図である。
【図6】実施例1で用いたかぶり評価基準を示す説明図である。
【図7】実施例2の結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1…像担持体,2…トナー担持体,3…供給用現像剤担持体,4…回収用現像剤担持体,5…搬送部材,6…現像バイアス(VB),7…供給バイアス(VS),8…回収バイアス(VR),9…制御部材,α…制御部材と供給用現像剤担持体との間隙,β…トナー担持体と回収用現像剤担持体との間隙
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置で用いられる現像装置に係り、特に、トナーと磁性キャリアとを具備した二成分現像剤を用い、像担持体上の静電潜像をトナー現像するように構成した現像装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置で使用される現像装置としては、所謂ハイブリッド現像方式を採用したものが知られている。
これは、感光体等の像担持体に対向し且つトナーを担持するドナーロールと、このドナーロールに対向し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を担持するトナー搬送ロールとを備え、磁気ブラシによりトナー搬送ロールから大量の現像剤を供給し、ドナーロール上にトナー層を形成するようにしたものである(例えば、特許文献1参照)。
このハイブリッド現像方式では、通常、二成分現像剤の撹拌によってトナーの帯電が行われるため十分な帯電量を確保しやすく、また、トナー搬送ロールからドナーロールへのトナーの供給が静電気力によって行われるため、ドナーロールに逆極性に帯電したトナーが供給されることもない。従って、像担持体の非画像領域へのトナー付着がなく、かぶりの発生が防止される。更に、ドナーロールにはトナーのみしか供給されないため、磁性キャリアの像担持体への付着も防止される等の利点がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−211970号公報(発明の実施の形態の欄、図1)
【特許文献2】
特開平9−251237号公報(発明の実施の形態の欄、図1)
【特許文献3】
特開平10−319708号公報(発明の実施の形態の欄、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のハイブリッド現像方式では、ドナーロール上でトナーが消費された部分に対してトナー供給領域でトナーを補充する方式が採られているが、トナーが消費された部分だけでなく、トナーが残存する非消費部分にもトナーが供給され、そのため前回のトナー消費パターンが現像された画像上に現れるという現像履歴の問題がある。
【0005】
また、ドナーロール上にてトナーの供給、掻き取りを繰り返すと、大きい粒径のトナーと小さい粒径のトナーとの物理的付着力の差(大きい粒径のトナーはドナーロールへの物理的付着力が小さいため、ニップ領域で受ける掻き取り力に対し容易に掻き取られるが、小さい粒径のトナーは逆に掻き取られにくい)により、ドナーロール上のトナーの粒径が徐々に小粒径化してくる。
このドナーロール上での粒径の変化は、現像特性や転写特性に変化をもたらし、現像されないでドナーロール上にトナーが残留した上に新しいトナーが供給された領域と、現像されて新しいトナーが供給された領域との間で、トナーの濃度差が生じ、これが画像欠陥(現像履歴)をもたらす可能性がある。
【0006】
そのため、現像領域を通過したドナーロールから一旦全てのトナーを除去し、その後ドナーロールとトナー供給用ロールとの対向部(トナー供給領域)でドナーロールにトナーを再び担持させる方式が知られている。
例えば、トナー除去手段としてスクレーパを使用する方式があるが、この場合、スクレーパとドナーロールとの接触部でトナーが互いに融着するという問題がある。
そこで、トナー供給用ロールとは別に、新たにトナー回収用ロールを加え、ドナーロール上のトナーをトナー回収用ロールで掻き取る方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかし、この新たにトナー回収用ロールを追加する方式にあっては、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールへの現像剤供給量が不安定であると、ドナーロール上のトナー量が不安定となり、画像への濃度むらが発生する。
特に、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールとの間で、現像剤がストレスを受け易く、現像剤の流動性が低下してくると、いっそう顕著となる。
【0008】
そのため、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールを同一方向に回転させ、更に、互いに近接させることで、現像剤搬送量を安定させる方式の提案がなされている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、この場合、二本のロール間のバイアスリークの問題が発生しやすく、特にトナー濃度が低下し且つ動作環境が高湿状況にあるときに顕著となる。
更に、二本のロール間に入り込んだ現像剤がストレスを受け、現像剤の劣化が生じ易く、画像かぶりが発生する問題もあり、長期間に亘って安定した現像特性が得られない課題がある。
【0009】
そこで、本件発明者らは、先に、現像剤の搬送安定性を確保するために、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールとの間に、別途両者間に現像剤を受け渡す搬送部材を追加して現像剤搬送量を安定化させるように構成した現像装置を提案した(特願2003−157592号参照)。
しかしながら、このようなタイプにあっては、搬送部材での現像剤搬送性が不十分な場合、トナー回収性に不均一が生じ、濃度むらの発生に繋がる懸念が考えられる。
更に、回収ニップ領域での現像剤量が少ない場合は、回収ニップ幅が狭いこととなり、トナー回収能力が低く、トナー回収性に不均一が生じ、濃度むらの原因となることも予想される。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、現像剤の供給量が安定し、濃度むらを長期に亘って抑止できると共に、長期に亘る現像特性の安定した現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1に示すように、静電潜像を担持する像担持体1に対向し表面にトナーを担持するトナー担持体2と、このトナー担持体2に所定の間隔をおいて対向する位置に配設され、トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を担持搬送し、トナー担持体2へトナーを供給する供給用現像剤担持体3と、トナー担持体2に所定の間隔をおいて対向する位置に配設され、二成分現像剤を担持搬送し、トナー担持体2からトナーを回収する回収用現像剤担持体4と、この二つの現像剤担持体3,4とトナー担持体2とに対向して配設され、二つの現像剤担持体3,4との間で二成分現像剤を受け渡す搬送部材5と、供給用現像剤担持体3と対向する位置に設けられ、この供給用現像剤担持体3の外周上の現像剤層厚を規制する制御部材9とを備え、この制御部材9と供給用現像剤担持体3とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量より、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量が多くなるように設定されていることを特徴とするものである。
【0011】
このような技術的手段において、本願に係る現像装置は、二成分現像剤を用いるタイプのものであるため、トナーとしては種々の色成分を有するものが使用可能であり、単色の現像装置を備えた画像形成装置に適用可能であることは勿論のこと、複数の現像装置を備えた例えばフルカラーの画像形成装置に対しても適用可能である。
【0012】
本発明における供給用現像剤担持体3と回収用現像剤担持体4及び搬送部材5は、二成分現像剤を担持搬送するものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば、回転可能な非磁性スリーブと、この非磁性スリーブ内に固定的に配設され且つ磁界発生手段が設けられた磁石部材とを具備した態様がある。
また、磁界発生手段は、複数の磁極を有しているものであればよく、例えば、磁極の構成例としては、現像に寄与するためのトナー供給磁極や、現像剤を捕獲できる機能を備えたピックアップ磁極や、現像剤を搬送する搬送磁極等を備えたものが挙げられるが、これに限られるものではなく、適宜選定してよい。
【0013】
また、供給用現像剤担持体3及び回収用現像剤担持体4には、トナー担持体2との間に、トナー担持体2に対しトナーを供給又は回収するための所定の電界が形成されていることが望ましい。そこで、トナー担持体2には像担持体1上の静電潜像を現像するための現像バイアス(VB)6が、供給用現像剤担持体3にはトナー担持体2へトナーを供給する供給バイアス(VS)7が、また、回収用現像剤担持体4にはトナー担持体2からトナーを回収する回収バイアス(VR)8が印加されるようになっている。尚、供給バイアス(VS)7及び回収バイアス(VR)8は、通常、直流電圧が使用されるが、交流重畳直流電圧であっても差し支えない。
【0014】
本発明では、搬送部材5の回転方向は、供給用現像剤担持体3及び回収用現像剤担持体4との対向部位において、現像剤のストレスを軽減する観点から同方向にすることが好ましいが、異なる方向であっても現像剤ストレスを軽減する態様であれば差し支えない。
本発明での現像剤の流れは、供給用現像剤担持体3から搬送部材5を経て回収用現像剤担持体4に流れる方向となる。
そして、搬送部材5が、二つの現像剤担持体3,4との間で、二成分現像剤を受け渡すとは、現像剤を二つの現像剤担持体3,4間で供給用現像剤担持体3から回収用現像剤担持体4へ直接渡す態様ではなく、搬送部材5を介して渡す態様を示す。
【0015】
また、搬送部材5の位置は、供給用現像剤担持体3及び回収用現像剤担持体4から所定の間隔をおいて離れている態様であれば、トナー担持体2と接触した態様も可能である(この場合、搬送部材5はトナー担持体2の回転を妨げないように回転する態様となる)。
【0016】
更に、制御部材9と供給用現像剤担持体3とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量より、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量が多くなるように設定されていることは、回収用現像剤担持体4上に現像剤を多く保持させ、回収ニップを広げることが可能となり、トナー回収に不均一を起こさず、濃度むらを抑制することが可能となる。
また、このことを現像剤の流れから見れば、トナー担持体2と供給用現像剤担持体3とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量より、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量が多くなるように設定されていることが好ましい。
【0017】
本発明では、上述のような現像剤量分布を行うために、回収用現像剤担持体4の周速を供給用現像剤担持体3の周速で除した値kと、供給用現像剤担持体3と制御部材9との間隙αと、回収用現像剤担持体4とトナー担持体2との間隙βについては、kα≦β≦3kαの関係を満たすように設定することが好ましい。
すなわち、供給用現像剤担持体3と制御部材9の部位での現像剤供給量は、その間隙α及び供給用現像剤担持体4の周速で決定する。一方、トナー担持体2と回収用現像剤担持体4との対向部位では、その間隙β及び回収用現像剤担持体4の周速で回収用現像剤量が決定することから、上述のような関係が決まることとなる。
更に、単位面積当たりの現像剤量を回収側に多くするためには、回収用現像剤担持体4を供給用現像剤担持体3より遅くする方がより具体的であり、好ましい態様である。
【0018】
更に、現像剤の流れを安定させ、搬送部材5での搬送性を確実にする観点から、制御部材9と対向する現像剤担持体とのギャップに比べ二つの現像剤担持体3,4と搬送部材5とのギャップを広くすることが好ましく、それにより、二つの現像剤担持体3,4と搬送部材5とが対向する部位では、現像剤を圧縮することがなくなり、搬送される現像剤に対するストレスを抑制できる。また、この部位では、磁極の影響により穂立ち方向は現像剤担持体と搬送部材5との中心軸方向から傾いているため、ギャップが多少小さく設定(例えば、制御部材9と現像剤担持体とのギャップと同等程度)されていたとしてもストレスの低減が図られ、少なくとも一箇所でも広く設定されていればストレス低減に寄与するため好ましく、二箇所が共に広く設定されていればいっそう好ましい。
また、二つの現像剤担持体3,4と搬送部材5との間隙は、制御部材9とこの制御部材9に対向する現像剤担持体との間隙より、共に1乃至5mm広くすることが、現像剤に与えるストレスを抑止する観点から好ましい。
【0019】
本発明でのトナー担持体2は、像担持体1でのトナー現像を精細に行う観点から、少なくとも表面が弾性状部材であることが好ましいが、金属であっても差し支えない。尚、弾性状部材の場合、像担持体1とは接触して配置することが好ましい。
更に、本発明におけるトナーは、磁性キャリアに付着するものであれば、磁性でも非磁性でもよく、特に、高画質画像を得る観点からは、現像性及び転写性に優れる所謂球形トナー(トナー形状係数が125以下の球形度の高いトナー)を用いることがよい。
尚、本件は、上述した現像装置に限られるものではなく、これらの現像装置を使用した画像形成装置をも対象とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像を担持する感光体であり、この感光体21はスコロトロン等の帯電装置22によって帯電され、レーザ書き込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この静電潜像は、光の当たった部分の感光体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。
【0021】
また、現像装置30は、現像ハウジング31内にトナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を収容し、トナーを担持するドナーロール32と、トナー供給用のトナー供給ロール33と、トナー回収用のトナー回収ロール34と、現像剤を搬送する搬送ロール35とを備えている。
本実施の形態では、感光体21上のトナー画像は、現像装置30によって可視像化された後、転写ロール26によって、記録材28上に転写され、この転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50により記録材28上のトナー画像が定着されるように構成されている。尚、定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることで、トナー画像を記録材28に定着するように構成されている。
また、感光体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
【0022】
ここで、本件発明の特徴点である現像装置30について、図3に基づいて詳細に説明する。
同図において、現像装置30は、感光体21に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面し且つ感光体21と対向して接触する位置に、ドナーロール32をA方向に回動自在に収容している。このドナーロール32にはバイアス電源37が接続され、所定の現像バイアスVBが印加されるようになっている。
本実施の形態では、このドナーロール32の外周部は弾性部材で被覆した構成を採っているが、例えばアルミニウムやステンレス等からなる金属ロールであっても差し支えない。
また、ドナーロール32と感光体21とは接触した構成を採っているが、非接触であっても差し支えない。
【0023】
ドナーロール32の後部(感光体21と反対側)には、トナー供給ロール33とトナー回収ロール34とがドナーロール32と所定の間隔を置いて配設されている。
また、これらのトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34には、夫々バイアス電源38,39が接続され、供給バイアスVS、回収バイアスVRが印加されるようになっている。
更に、これらトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34の後部には、トナー供給ロール33の外周部の現像剤Gをトナー回収ロール34へ受け渡すように現像剤Gを担持搬送する搬送ロール35が配設されている。
そして、ドナーロール32とトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34は、ドナーロール32の中心とトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34の中心とを結ぶ直線のなす角度が、90度以下になるように配置されており、また、トナー回収ロール34の中心が、トナー供給ロール33、トナー回収ロール34、搬送ロール35の中で鉛直方向最下方になるように配置されている。
【0024】
本実施の形態において、トナー供給ロール33、トナー回収ロール34及び搬送ロール35は、回転可能な回転スリーブ33a〜35aと、この回転スリーブ33a〜35aの内部に固定的に配設され、複数の磁極を有する磁石体33b〜35bとを備えている。
トナー供給ロール33の磁石体33bは、その外周部に複数の磁極(S2,N1,S1,N2,N3)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S1を設け、磁極N2と磁極N3のほぼ中間が搬送ロール35と対向する位置になるように配置され、同極の磁極N2,N3が反発磁極として作用するようになっている。
更に、トナー回収ロール34の磁石体34bは、その外周部に複数の磁極(S4,N4,S3,N5,N6)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S3を設け、磁極S4を搬送ロール35と対向する位置になるように配置され、同極のS5,S6が反発磁極として作用するようになっている。
更に、搬送ロール35の磁石体35bは、複数の磁極(S5,N7,S6)の内、磁極S5がトナー供給ロール33と対向する位置になるように配置されている。
尚、本実施の形態において、夫々の磁極の配置や数は本形態に限定されるものではなく、適宜選定して差し支えない。
また、本実施の形態では、トナー供給ロール33及びトナー回収ロール34の回転方向は、ドナーロール32と同様(図3矢印A方向)であり、搬送ロール35の回転方向はこれらと逆方向になっている。
【0025】
また、搬送ロール35の後部には、仕切板40を介して、撹拌部材41が配設されている。この撹拌部材41は、例えばスパイラル状のオーガから構成され、二成分現像剤(現像剤)Gを撹拌帯電した後、トナー供給ロール33に現像剤Gを供給するように構成されている。
尚、本実施の形態では、撹拌部材41を二個備えた態様としているが、二個に限定されるものではなく、一個でもよいし、三個以上あってもよい。また、オーガ以外に磁性あるいは非磁性のロール状でも差し支えない。
【0026】
更にまた、搬送ロール35の後部には、搬送ロール35と略同心円状の半円形状で、現像剤搬送のガイドを行う第一のガイド片43を前記仕切板40より前方に設け、現像剤Gが搬送ロール35の外周上を効率よく搬送されるようにしている。そして、トナー回収ロール34と対向する位置には、現像剤Gの流れを抑止するための第二のガイド片44が設けられ、また、トナー供給ロール33と所定の間隔をもって対向する位置には、トナー供給ロール33上の現像剤の層厚を制御するためのトリマ42が設けられている。
本実施の形態においては、このトリマ42とトナー供給ロール33とのギャップが0.7〜1mm、ドナーロール32とトナー供給ロール33とのギャップが0.5〜0.8mm(TG−0.2mm)、ドナーロール32とトナー回収ロール34とのギャップが0.5〜1.4mmになるように設定されている。また、トナー供給ロール33及びトナー回収ロール34と搬送ロール35とのギャップは、2mmになるように設定されている。
更に、トナー供給ロール33の周速が450mm/s、トナー回収ロール34の周速が225mm/sになるように設定されている。
【0027】
ここで、上記現像バイアスVB、供給バイアスVS及び回収バイアスVRについて説明する。
本実施の形態では、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を使用しており、これらは互いに摩擦接触することにより、トナーはマイナス極性に、磁性キャリアはプラス極性に夫々帯電するものとする。
また、感光体21の外周面は、マイナスに帯電(例えば−600V)され、露光により電位の減衰した部位(例えば−100V)にトナーが付着されて現像が行われる。この場合、現像バイアスVBは−400V、供給バイアスVSは−420〜−750V、回収バイアスVRは−350〜0Vに設定される。
尚、現像バイアスVB、供給バイアスVS及び回収バイアスVRを供給するバイアス電源37〜39には、直流電圧が用いられるが、例えば交流重畳直流電圧を電源とするようにしてもよい。
【0028】
そして、本実施の形態で用いる二成分現像剤Gは、トナーと磁性キャリアからなる現像剤であり、トナーは、例えば非磁性トナーを用いるが、磁性キャリアと磁気特性が異なるものであれば、磁性トナーを用いても差し支えない。
また更に、トナーは、スチレンアクリル系樹脂の重合トナーで、形状係数が125以下の所謂球形トナーであり、磁性キャリアは平均粒径50μmのフェライト系キャリアを使用している。
ここで、トナーの形状係数(SF:Shape Factor)は、主に顕微鏡画像あるいは電子顕微鏡画像を基に画像解析を行うことで数値化されるもので、次の式で定義される。
SF=(ML2/A)×(π/4)×100
尚、上式で、MLはトナー粒子の絶対最大長を示し、Aはトナー粒子の投影面積を示している。
【0029】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について、現像装置30を中心に説明する。
図3において、二成分現像剤(現像剤)Gは、撹拌部材41により撹拌されて、トナーがマイナス極性に、磁性キャリアがプラス極性に帯電された後、トナー供給ロール33の磁石体33bの磁極S2の現像剤流れ上流側の現像剤供給領域で、トナー供給ロール33に供給される。
そして、現像剤Gは、トリマ42の近傍に達すると、磁極S2により穂立ちを形成する。更に、この現像剤Gの穂立ちは、トリマ42で制御されることにより、現像剤層としてトナー供給ロール33の外周上に保持され、回転スリーブ33aの回転と共にA方向に搬送される。このとき、現像剤Gは磁石体33bにより形成されている磁力線に沿って磁気ブラシを構成している。
【0030】
次に、現像剤Gは、トナー供給ロール33とドナーロール32との対向する領域(トナー供給領域)に進入すると、磁極S1の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを形成した現像剤Gにおけるトナーのみが、トナー供給ロール33とドナーロール32との間に形成された電界の影響で、トナー供給ロール33からドナーロール32に静電吸引され、ドナーロール32に付着する。
このとき、本態様では、トナーとして球形トナーを使用していることから、ドナーロール32側に確実に静電吸引されやすい。
一方、トナーを失った磁性キャリア及びトナー供給領域を通過した現像剤Gは、トナー供給ロール33の磁石体33bと搬送ロール35の磁石体35bとの吸引磁界によって、トナー供給ロール33と搬送ロール35とが対向する領域で、搬送ロール35に受け渡される。
【0031】
搬送ロール35に受け渡された現像剤Gは、磁石体35bの吸引磁界により搬送ロール35に保持され、その外周上を搬送された後、搬送ロール35の磁石体35bとトナー回収ロール34の磁石体34bとの吸引磁界によって、搬送ロール35とトナー回収ロール34とが対向する領域で、トナー回収ロール34に受け渡される。
そして、トナー回収ロール34の外周上を搬送された現像剤Gは、磁極S3近傍のトナー回収領域でドナーロール32上のトナーを回収した後、トナー回収ロール34の外周を搬送され、磁極N5と磁極N6との反発磁界により、トナー回収ロール34から離れ、第二のガイド片44に沿って、撹拌部材41に供給される。
【0032】
一方、ドナーロール32に供給されたトナーは、ドナーロール32の回転に従ってA方向に搬送され、現像領域で感光体21上に形成されている静電潜像の現像に利用される。また、現像に利用されることなく、現像領域を通過したトナーは、トナー回収領域に送られる。
トナー回収領域に搬送されたトナーは、ドナーロール32とトナー回収ロール34との間に形成されている電界の影響を受け、トナー回収領域では、マイナス極性に帯電しているトナーがドナーロール32より高電位のトナー回収ロール34に吸引されると共に、トナー回収ロール34に形成されている磁気ブラシに掻き取られて、トナー回収ロール34側へ回収される。尚、このとき、球形トナーを使用したことで、トナーのドナーロール32への物理的吸着力が小さくなり、現像剤Gの掻き取り効果も大きくなることから、トナーの回収が確実に行われるようになる。
【0033】
このように構成された現像装置30では、現像領域で現像に利用されなかったトナーは、トナー回収領域でトナー回収ロール34に回収される。また、トナーが回収されたドナーロール32にはトナー供給ロール33から新たにトナーが均一に供給される。
従って、トナー回収領域を通過したドナーロール32にはトナー消費パターンがなく、このトナー消費パターンがその後に現像されたトナー画像に現れることもない。
また、現像剤Gを、トナー供給ロール33から搬送ロール35へ、また、搬送ロール35からトナー回収ロール34へ受け渡す際の、対向するロール表面の移動方向が同じ(具体的には、トナー供給ロール33と搬送ロール35とが対向する部位と、搬送ロール35とトナー回収ロール34とが対向する部位で、互いのロールの表面の移動方向が同じ)であるため、現像剤Gの移動量が夫々のロール軸方向で安定し、トナー回収領域でのトナー回収性能が安定化し、現像剤供給量も安定することから、現像履歴や濃度むら等の発生を抑制することが可能となる。
【0034】
このとき、トナー供給ロール33の周速よりトナー回収ロール34の周速を遅くし、また、トリマ42とトナー供給ロール33とのギャップやドナーロール32とトナー供給ロール33とのギャップより、ドナーロール32とトナー回収ロール34とのギャップを狭くしていることから、トナー回収領域での現像剤量を多くでき、回収ニップを十分広くすることが可能のため、トナー回収不良を防ぎ、濃度むらの発生を抑止することができる。
【0035】
そして、トナー供給ロール33とトナー回収ロール34の間に、搬送ロール35を配置したことにより、バイアス差の生じるトナー供給ロール33とトナー回収ロール34との間の距離を等価的に広くすることができ、現像剤Gの搬送の安定性が確保されると共に、ロール間にある現像剤Gの流れる方向を一方向にできるため、現像剤Gの受けるストレスもいっそう低減することが可能となり、現像剤Gの劣化に起因する画像かぶりやクラウド等の発生が抑えられ、更にバイアスリークの抑制を同時に満足させることが可能となる。
【0036】
◎実施の形態2
図4は、本発明が適用された画像形成装置に使用される現像装置の実施の形態2を示す。
同図において、本実施の形態は実施の形態1における現像装置30と略同様に構成されるが、トリマ42とトナー供給ロール33とのギャップTGとトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34と搬送ロール35とのギャップD1,D2との関係が実施の形態1と異なる。
尚、本実施の形態での詳細な構成は、実施の形態1と同様の構成のため省略している。
【0037】
本実施の形態では、実施の形態1と異なり、トリマ42とトナー供給ロール33とのギャップTGが0.7〜1mm、トナー供給ロール33及びトナー回収ロール34と、搬送ロール35とのギャップD1,D2がTGより2〜5mm広くなるように設定されている。
従って、本実施の形態では、トリマ42とトナー供給ロール33とのギャップTGより、トナー供給ロール33及びトナー回収ロール34と搬送ロール35とのギャップD1,D2を広くしていることから、トナー供給ロール33で供給される現像剤Gが、搬送ロール35、トナー回収ロール34へと円滑に流れるようになっている。また、このギャップD1,D2領域での現像剤Gの流れがストレスを受けることもなく、現像剤Gの劣化を抑止するようにもなっている。従って、現像剤搬送時の軸方向の安定性もいっそう確保され、濃度むらや画像かぶりの発生を抑止できるようになっている。
尚、本実施の形態では、ギャップD1及びギャップD2をいずれもギャップTGより大きい態様としたが、例えば、ギャップD1及びギャップD2のいずれか一方がギャップTGと同程度のギャップサイズであっても、現像剤Gのストレス低減に寄与することが可能となることから、現像剤Gの劣化を抑止することが可能である。
【0038】
【実施例】
◎実施例1
本実施例では、トナー供給ロールとトナー回収ロールとの周速比、トリマとトナー供給ロールとのギャップ(トリマギャップ:TG)及びドナーロールとトナー回収ロールとのギャップ(ロール間ギャップ)との相関を評価確認したものである。
本実施例では、キャリアは、平均粒径35μmと50μmの既知のフェライト系を使用し、形状係数125ので、既知の乳化重合方式により作成したスチレンアクリル系樹脂のトナーを使用した。
【0039】
評価方法は、富士ゼロックス(株)製DocuColor1250の改造機にて、次の条件で行った。
感光体の表面電位:−650V
ドナーロールへ印加する現像バイアス:−450V
トナー供給ロールへ印加する供給バイアス:−575V
トナー回収ロールへ印加する回収バイアス:−250V
感光体周速:220mm/s
ドナーロール周速:280mm/s
トナー供給ロール周速:450mm/s
トナー回収ロール周速:225mm/s
搬送ロール周速:450mm/s
ドナーロールとトナー供給ロールの間隔:TG−0.2mm
尚、供給バイアスには9kHz、最大振幅500Vの矩形波の交流電界を重畳させた。
【0040】
評価は、用紙全面に画像密度30%の中間調画像を出力し、その濃度むらを
目視判定することで行った。
評価結果は、図5に示すように、トナー供給ロールとトナー回収ロールの周速比(トナー供給ロールの周速/トナー回収ロールの周速)をk、トリマギャップTGをα、ロール間ギャップをβとすると、kα≦β≦3kαの関係を満足する範囲で、濃度むら、かぶりの発生がないことを確認した。
また、図6は、本実施例でのかぶり評価に用いた基準を示しており、基準面積当たりのトナー個数により、判断基準としている。そして、G1及びG2が合格レベルと判断した。
また、トナー供給ロールとトナー回収ロールとの周速比kやトリマギャップTGを更に変更して、ドナーロールとトナー回収ロールとのギャップに対する相関を、同様のテストで確認したところ、上述の関係式を満足するように設定すれば、濃度むらや画像かぶりの発生しないことを確認した。
【0041】
◎実施例2
本実施例では、実施例1の条件で、更にトナー供給ロール及びトナー回収ロールと搬送ロールとのギャップを広げた条件で評価確認したものである。
本実施例においても、磁性キャリアは、平均粒径35μmと50μmの既知のフェライト系を使用し、形状係数125で、既知の乳化重合方式により作成したスチレンアクリル系樹脂のトナーを使用した。
【0042】
評価方法は、富士ゼロックス(株)製DocuColor1250の改造機にて、次の条件で行った。
感光体の表面電位:−650V
ドナーロールへ印加する現像バイアス:−450V
トナー供給ロールへ印加する供給バイアス:−575V
トナー回収ロールへ印加する回収バイアス:−250V
感光体周速:220mm/s
ドナーロール周速:280mm/s
トナー供給ロール周速:450mm/s
トナー回収ロール周速:315mm/s
搬送ロール周速:450mm/s
ドナーロールとトナー供給ロールの間隔:TG−0.2mm
尚、供給バイアスには9kHz、最大振幅500Vの矩形波の交流電界を重畳させた。
【0043】
評価は、用紙全面の30%をカバーする中間調画像を出力し、その濃度むらを目視判定することで行った。
評価結果は、図7に示すように、実施例1の記載に対し、確実にかぶりが減少し、トナー供給ロール及びトナー回収ロールと搬送ロールとのギャップ領域での現像剤のストレスが低減していることが確認された。
【0044】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、トナー担持体と、このトナー担持体にトナーを供給及び回収する二つの現像剤担持体とを備え、更に、これらと対向する位置に二つの現像剤担持体との間で現像剤を受け渡す搬送部材を配設し、制御部材と対向する供給用現像剤担持体との対向する部位の単位面積当たりの現像剤量より、トナー担持体と回収用現像剤担持体との対向する部位の単位面積当たりの現像剤量を多くしたので、現像剤の搬送性がいっそう安定し、更に、現像剤相互のぶつかりあいによるストレスも低減されると共に、回収ニップ域を広くできるため、現像履歴、濃度むらや画像かぶりのない現像装置が提供できる。
また、この現像装置を使用することで、長期に亘って現像特性が安定した小型の画像形成装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の現像装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図3】実施の形態1に係る現像装置の詳細を示す説明図である。
【図4】本発明が適用された現像装置の実施の形態2を示す説明図である。
【図5】実施例1の結果を示す説明図である。
【図6】実施例1で用いたかぶり評価基準を示す説明図である。
【図7】実施例2の結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1…像担持体,2…トナー担持体,3…供給用現像剤担持体,4…回収用現像剤担持体,5…搬送部材,6…現像バイアス(VB),7…供給バイアス(VS),8…回収バイアス(VR),9…制御部材,α…制御部材と供給用現像剤担持体との間隙,β…トナー担持体と回収用現像剤担持体との間隙
Claims (8)
- 静電潜像を担持する像担持体に対向し表面にトナーを担持するトナー担持体と、
このトナー担持体に所定の間隔をおいて対向する位置に配設され、トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を担持搬送し、トナー担持体へトナーを供給する供給用現像剤担持体と、
トナー担持体に所定の間隔をおいて対向する位置に配設され、二成分現像剤を担持搬送し、トナー担持体からトナーを回収する回収用現像剤担持体と、
この二つの現像剤担持体とトナー担持体とに対向して配設され、二つの現像剤担持体との間で二成分現像剤を受け渡す搬送部材と、
供給用現像剤担持体と対向する位置に設けられ、この供給用現像剤担持体の外周上の現像剤層厚を規制する制御部材とを備え、
この制御部材と供給用現像剤担持体とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量より、トナー担持体と回収用現像剤担持体とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量が多くなるように設定されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
供給用現像剤担持体とトナー担持体との間、及び、回収用現像剤担持体とトナー担持体との間には、トナー担持体に対しトナーを供給若しくは回収するための所定の電界が形成されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
搬送部材は、二つの現像剤担持体との対向部位において、同一方向に回転することを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
回収用現像剤担持体の周速を供給用現像剤担持体の周速で除した値kと、供給用現像剤担持体と制御部材との間隙αと、回収用現像剤担持体とトナー担持体との間隙βについて、次式の関係を満たすようにしたことを特徴とする現像装置。
kα≦β≦3kα - 請求項1記載の現像装置において、
トナー担持体と供給用現像剤担持体とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量より、トナー担持体と回収用現像剤担持体とが対向する部位の単位面積当たりの現像剤量が多くなるように設定されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
回収用現像剤担持体の周速を供給用現像剤担持体の周速より遅くしたことを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
形状係数125以下のトナーが使用されることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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