JP2006208807A - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の現像方式における背反する技術課題(非磁性接触現像におけるカブリとゴーストの課題、磁性非接触現像におけるカブリと磁気穂の影響の課題)を解決する。さらに、磁性搬送し、接触現像方式で、ベタ黒濃度差を生じる課題を解決する。
【解決手段】平均円形度0.965以上の一成分磁性トナーを用いた磁性接触現像方式であり、ブレードバイアスを印加し、規制ブレードの条件を特定化した現像装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、被現像体を現像する現像装置に関する。より詳しくは、被現像体に接触して現像する、一成分現像方式の接触現像装置に関する。
また該現像装置を電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体の現像処理手段として使用したプロセスカートリッジ、および該現像装置を像担持体の現像処理手段として使用した複写機やプリンタ等の画像記録装置(画像形成装置)に関する。
例えば電子写真画像形成装置において被現像体(像担持体)としての電子写真感光体に形成した静電潜像を一成分現像剤で現像する、従来の一成分現像方式としては、(1)非磁性接触現像方式と、(2)磁性非接触現像方式が広く用いられている。
(1)非磁性接触現像方式
誘電体層をもつ現像ローラ(現像剤担持体)上に、非磁性現像剤を担持し感光体の表面に接触させて現像を行う方式が提案されている(特許文献1)。
現像装置(以下、現像器と記す)内の現像剤は、機械的攪拌機構や重力により現像ローラに供給する。現像ローラに接触する弾性ローラを設け現像剤の搬送供給を行う。この弾性ローラは、現像ローラ上の現像剤を均一にする目的から、感光体に移行せずに現像ローラに残った現像剤を一旦除去する機能も担っている。感光体の基材と現像ローラの間にはDCバイアスが印加される。
(2)磁性非接触現像方式
この方式は、磁性一成分現像剤を用い、マグネット(磁場発生手段)を内包した現像スリーブ(現像剤担持体)に現像剤を担持し、現像スリーブの表面から所定の微小間隙をおいて感光体に対向させ、この間隙を飛翔する現像剤により現像する(特許文献2、3)。
現像器内の現像剤は、機械的攪拌機構や重力により現像スリーブに搬送されるとともに、現像剤はマグネットによる一定の磁力を受けて現像スリーブに供給される。そして、規制手段により現像スリーブ上に一定の現像剤層を形成し、現像に用いられる。マグネットにより現像剤に働く力は現像剤の搬送のみでなく、現像部においても積極的に使用される。現像部においては現像剤が非画像部に移行しカブリなどの画像不良が発生するのを防止する。つまり、現像時に現像剤は現像スリーブに内包したマグネットに向かい磁力を受けているからである。現像剤の飛翔にはDCバイアスにACバイアスを重畳したバイアスが使用される。DCバイアス電圧は、感光体の画像部電位と非画像部電位の間の値に調整される。更に、AC電圧を重畳し、画像部及び非画像部に対し現像剤が往復運動することにより現像剤で画像部を現像する。
(3)クリーナレス(トナーリサイクル)システム
装置構成の簡略化や廃棄物を無くすという観点から、転写方式の画像形成装置において感光体の転写工程後の表面清掃手段である専用のドラムクリーナを廃し、現像剤を装置内でリサイクルする電子写真プロセスの提案がされている。例えば、前述の非磁性接触現像方式を用いて、現像時に同時に転写残となった現像剤を回収する画像形成装置が提案されている(特許文献4)。
また、前述の磁性非接触現像方式を用いて、現像時に同時に転写残となった現像剤を回収する画像形成装置も提案されている(特許文献5)。
特開2001−92201号公報 特開昭54−43027号公報 特開昭55−18656号公報 特許第2598131号公報 特開平10−307455号公報
前記(1)の従来の非磁性接触現像方式においては、カブリ性能の低下が問題であった。弾性ローラによる機械的剥ぎ取りを繰り返すうちに現像剤(以下、トナーと記す)の特性が低下し、トナーの摩擦帯電特性などの低下により、カブリを悪化させることがある。カブリとは、本来印字しない白部(未露光部)においてトナーがわずか現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。トナー特性低下防止のために弾性ローラの摺擦力を弱めることも可能であるが、ゴースト画像不良との両立が困難である。ここでゴースト画像は、現像ローラの前周回に現像したトナー量の履歴が次周回以降に均一な中間調画像中に現像ローラ外周の位相差をもって濃度ムラが現れる現象である。また、ゴーストがあるということは、剥ぎ取られずに現像ローラ上に留まるトナーがあるということを意味する。
つまり、弾性ローラによる摺擦を連続的に受けることからトナーの特性低下の観点からも好ましくない。摺擦力の調整は、カブリとゴーストの観点から背反するだけでなく、カブリ単独の問題においても背反する問題を持っている。
また、トナー特性が低下してくると、現像器内の循環の影響を受けやすいという問題も生じた。具体的には、機械的あるいは重力を使用した循環において、特に現像ローラ周辺でほとんどトナーが入れ替わらず循環しない領域ができる。一方循環しているトナーは一定の特性低下が生じている。このように二種類のトナーが、容器内のトナーが減少したときに、混ざると凝集などを生じカブリなどの問題を生じた。更に、弾性ローラそのものに起因する画像不良がある。弾性ローラはトナーの剥ぎ取り供給性能の観点から、スポンジ形態のものが使用されるが、このスポンジのセルに現像剤が圧縮され凝集塊を作り、これらがスポンジから外れ表面に出てくると、特に中間調に画像欠陥を生じる。また、クリーナレスとの組合せにおいては、弾性ローラに紙粉が入り込み、弾性ローラ周期の画像不良を生じる。
一方、前記(2)の磁性非接触現像方式においては、磁気穂による画像不良がある。細線の均一性が、縦横で異なるという問題がある。磁気穂が感光体(感光ドラム)進行方向と並行に移動しながら現像するときは、細線の均一性が良く、それと直行する方向は途切れがちになる。また、画像エッジ不良を生じる。高濃度部のエッジ、特にプロセス下流側が濃く現像され、また、高濃度部に隣接する中間調部分のエッジが薄く現像される。要因は、非接触でAC電界により現像剤を往復させながら現像することにあると予想する。現像部においてトナーが面方向に移動し、特にエッジ部下流にトナーが滞留し、逆にエッジの外部からトナーを引き寄せ上記のような画像不良を生じる。更に、クリーナレスシステムの画像形成装置においては、非接触であるため、感光ドラム上のトナーを回収する能力が低く、転写残がゴーストとなってベタ白や中間調に表れるという問題がある。また、ベタ黒中に白点を生じる。この白点は、高温高湿下で、現像ローラと感光ドラムの間に紙粉が混入したときに生じやすい。現像ローラと感光ドラム間にバイアスリークが生じその結果、感光ドラム上の潜像電位が上昇(負に)したためと予想される。
本発明は以上のような課題を解決し、新たに優れた現像装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る現像装置の代表的な構成は、
現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤を規制する現像剤量規制手段と、前記現像剤担持体が被現像体を押圧しながら前記被現像体を現像剤で現像する現像装置において、
前記現像剤担持体表面が弾性体であり、
前記現像剤が平均円形度0.965以上の一成分磁性トナーであり、
前記現像剤は前記現像剤担持体の内部に設けられた固定の磁場発生手段によって、前記現像剤担持体に引き寄せられ、現像に臨み前記現像剤量規制手段によって量規制され、
前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体間に前記現像剤を介して電圧が印加され、
前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置において、前記磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が下記の(1)式を満たし、前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置における当接幅Nsbが、Brについて最近接磁極の半値幅Bs[rad]の関係が下記の(2)式を満たすことを特徴とする。

|Br|/|B|≧0.5 ・・・(1)式
Nsb/(Bs×R)≦0.5・・・(2)式
ここで、|B|は、磁束密度Bの大きさ(|B|=|Br+Bθ1/2)であり、Brは、前記現像剤担持体表面に形成される磁束密度Bのうち、前記現像剤担持体表面に対して垂直成分、Bθは前記現像剤担持体表面に対して水平成分である。Rは、前記現像剤担持体の半径である。
また、上記目的を達成するための本発明に係るプロセスカートリッジおよび画像形成装置は、上記の現像装置を含むことを特徴とする。
上記本発明の現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置によれば、カブリ量の抑制、現像剤切れ時のカブリ量の抑制、ゴーストの抑制、画像エッジ不良の抑制、中間調画像欠陥1の抑制、さざ波状画像不良の抑制をバランスよく行うことができる。さらに、以下の点において、特に優れた効果を有する。
被現像体(像担持体)と現像剤担持体を押圧し、現像剤として球形トナー、すなわち平均円形度0.965以上の一成分磁性トナーを用い、現像剤量規制手段に電圧(ブレードバイアス)を印加することで、生じる現像剤担持体2周分以降のベタ黒濃度ダウンを著しく抑制する。
また、高温高湿時の印字枚数増加時にトナーの磁気凝集量を抑制する。さらに、磁気凝集が生成されても適性に電荷付与されたトナーのみ、規制部を通過しやすくする。
それにより、磁気凝集が発生しても、穂立ちを抑制することで、ヘアライン均一性を維持することができる。
さらに、磁気凝集トナー増加時に接触現像方式であるために生じるカブリ量の増加を著しく増加することを抑制する。
加えて、磁気凝集トナーの増加に伴う画像不良(高温高湿環境下・印字枚数増加時のカブリ)と現像剤担持体2周分以降のベタ黒濃度ダウンの抑制を両立することができる。
《実施形態1》
図1は本発明に従う現像装置を用いた、第一の実施形態の画像記録装置(画像形成装置)を示す概略構成図である。この画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザプリンタである。
(1)画像記録装置の全体的な概略構成
1は被現像体としての像担持体である。本例ではφ24mmの回転ドラム型の負極性OPC感光体(ネガ感光体、以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム1は矢印の時計方向に周速度85mm/sec(=プロセススピードPS、印字速度)の一定速度をもって回転駆動される。
2は感光ドラム1の帯電手段としての帯電ローラである。この帯電ローラ2は導電性の弾性ローラであり、2aは芯金、2bは導電性弾性層である。この帯電ローラ2を感光ドラム1に所定の押圧力で圧接させて感光ドラム1との間に帯電部nを形成させてある。本例ではこの帯電ローラ2は感光ドラム1の回転に従動して回転する。
S1は帯電ローラ2に帯電バイアスを印加する帯電電源である。本例ではこの帯電電源S1から帯電ローラ2との間の接触部に放電開始電圧以上の直流電圧を印加する。具体的には帯電バイアスとして−1300Vの直流電圧を印加して、感光ドラム1面を帯電電位(暗部電位)−700Vに一様に接触帯電させている。
4はレーザダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザビームスキャナ(露光装置)である。このレーザビームスキャナ4は目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ光を出力し、該レーザ光で上記回転感光ドラム1の一様帯電面を走査露光Lする。感光ドラム1の一様帯電処理面をレーザ光で全面露光した場合、感光ドラム面の電位が−150Vになるようにレーザーパワーは調整されている。この走査露光Lにより回転感光ドラム1の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
60Aは後述する実施例1の現像装置(現像器)である。現像剤としてのトナーtは一定の摩擦帯電を帯び、現像バイアス印加電源S2により現像剤担持体(トナー担持体)としての現像スリーブ60bと感光ドラム1との間に印加された現像バイアスにより現像領域aにおいて感光ドラム1上の静電潜像を顕像化する。現像装置については、後述する各実施例及び比較例にて詳述する。
6は接触転写手段としての中抵抗の転写ローラであり、感光ドラム1に所定に圧接させて転写ニップ部bを形成させてある。この転写ニップ部bに不図示の給紙部から所定のタイミングで被記録体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ6に転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光ドラム1側のトナー像が転写ニップ部bに給紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
本例で使用の転写ローラ6は、芯金6aに中抵抗発泡層6bを形成した、ローラ抵抗値5×10Ωのものであり、+2.0kVの電圧を芯金6aに印加して転写を行なった。転写ニップ部bに導入された転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、その表面側に回転感光ドラム1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
7は熱定着方式等の定着装置である。転写ニップ部bに給紙されて感光ドラム1側のトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1の面から分離されてこの定着装置7に導入され、トナー画像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
8はドラムクリーナ(感光ドラムクリーニング装置)であり、感光ドラム1上に残留した転写残トナーをクリーニングブレード8aで掻き落として廃トナー容器8bに回収する。
そして、感光ドラム1は再度帯電ローラ2により帯電され、繰り返して画像形成に用いられる。
9Aは感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置60A、ドラムクリーナ8を一体で形成したプロセスカートリッジであり、画像形成装置から着脱可能な構成とした。
ここで、電子写真画像形成装置において、プロセスカートリッジとは、帯電手段,現像手段またはクリーニング手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。及び帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。更に、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に対して着脱可能とするものをいう。
《実施形態2》
図2は本発明の現像装置を用いた第二の実施形態の画像記録装置を示す概略構成図である。本実施形態の画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用、トナーリサイクルプロセス(クリーナレスシステム)のレーザプリンタである。前述の実施形態1の画像記録装置と同様の点については再度の説明を省略し、異なる点について述べる。
本形態において最も異なる点は、ドラムクリーナ8を廃し、転写残トナーをリサイクルするところにある。転写残トナーが、帯電などのほかのプロセスに悪影響を及ぼさないように循環させトナーを、現像装置60Aに回収する。具体的には、実施形態1に対し以下の構成を変更した。
帯電について、帯電ローラ2は実施形態1と同様のものを用いているが、本形態では帯電ローラ2の駆動を行っている。帯電ローラ2の表面の速度と感光ドラム1の表面速度(プロセススピード)が同じになるように帯電ローラ2の回転数を調整する。帯電ローラ2を駆動することにより、帯電ローラ2は感光ドラム1及び当接部材10と確実に接触し、トナーをマイナスに(正規の極性)に帯電する。また、帯電ローラ2には、帯電ローラ2のトナー汚れを防止する目的から帯電ローラ当接部材10を備える。帯電ローラ2がその帯電極性と逆極性(プラス極性)のトナーで汚れた場合であっても、トナーの電荷をプラスからマイナスへと帯電し、帯電ローラ2から速やかに吐き出し現像装置60Aにて現像同時クリーニングにより回収することが可能となる。当接部材10は、100μmのポリイミドのフィルムを使用し、線圧10(N/m)以下で帯電ローラ2に当接した。ポリイミドはトナーに対し負電荷を与える摩擦帯電特性を有していることから使用した。
9Bは感光ドラム1、帯電ローラ2、帯電ローラ当接部材10、現像装置60A、を一体で形成したプロセスカートリッジであり、画像形成装置から着脱可能な構成とした。
《実施例及び比較例》
[実施例1]
<接触現像 弾性スリーブ 極位置規制 円形度0.976 ブレードバイアス入り>
本実施例の現像装置60A(図1,図2)について説明する。60bは、固定の磁界発生手段としてのマグネットロール60aを内包させた、現像剤担持体(現像剤担持搬送部材)としての現像スリーブである。現像スリーブ60bはアルミシリンダー60b1上に非磁性の導電弾性層60b2を形成して構成され、感光ドラム1に対し一定の加圧力をもって当接されている。感光ドラム1と現像スリーブ60b間の圧力は、引抜き圧で200N/mになるよう調整した。引抜き圧とは、当接させる2つの部材の間に、厚さ30μmの2枚のSUS板で挟んだ同じく30μmのSUS板を引抜くときの力をSUS板の長さ1mあたりに換算した線圧相当値である。
現像スリーブ60bの製造方法は、非磁性の導電性弾性層60b2となる材料を混練し、これを押出し成形して、アルミスリーブ60b1上に層60b2として接着し、接着後該層60b2を厚さ500μmに研摩して作製した。現像スリーブ60bのマイクロ硬度は72度であり、表面粗さはRzで3.8μm、Raで0.6μmであった。
本発明において、マイクロ硬度計によって測定される表面硬度の測定は、マイクロ硬度計(アスカーMD−1F360A:高分子株式会社製)を用いて行った。表面粗さの測定器には小坂研究所(株)製、サーフコーダSE3400に接触検出ユニットPU−DJ2Sを用い、測定条件は測定長2.5mm、垂直方向倍率2000倍、水平方向倍率100倍、カットオフ0.8mm、フィルタ設定2CR、レベリング設定をフロントデータで行った。
マグネットロール60aは現像スリーブ60b上の各場所における磁力を発生するための磁場発生手段としての固定磁石である。図3(a)に示すように、現像スリーブ表面での現像スリーブ表面に対する垂直方向の磁束密度は、現像部Sα、搬送部Nα、供給部Sβ、捕集部Nβの各場所にピーク密度を有する。本発明における磁束密度の測定はベル社製のガウスメータのシリーズ9900、プローブA−99−153を用いて行った。同ガウスメータはガウスメータ本体に接続された棒状のアキシャルプローブを有する。現像スリーブ60bを水平に固定し、内部のマグネットロール60aは回転自在に取付ける。この現像スリーブ60bに対し若干の間隔を開けて水平姿勢のプローブを直角に配置し、現像スリーブ60bの中心とプローブの中心が略同一水平面上に位置するようにして固定し、その状態で磁束密度を測定する。マグネットロール60aは現像スリーブ60bと略同心の円筒体であり、現像スリーブ60bとマグネットロール60aとの間の間隔はどこでも等しいと考えてよい。従ってマグネットロール60aを回転しながら、現像スリーブ60bの表面位置及び表面位置における法線方向の磁束密度を測定することにより、現像スリーブ60bの周方向について全ての位置で測定したものに代えることができる。
得られた周方向の磁束密度データより各位置のピーク強度を求め、Brとした。
次に、垂直に配したプローブを周方向の接線方向に90度回転させ、マグネットローラ60aを回転することにより、現像スリーブ60bの表面位置及び表面位置における接線方向の磁束密度を測定し、Bθとした。
各角度におけるBrとBθの値から、磁束密度Bの大きさ
|B|=|Br+Bθ1/2
を算出した。
次に、磁束密度の大きさ|B|に対する現像スリーブ表面垂直成分の大きさ|Br|の比|Br|/|B|を求めた。
その結果およびBr、Bθを図3(b)に示す。横軸の角度は、原点を捕集部Sβ極にとり、正の方向は、スリーブ回転方向に対して下流方向(Sβ→Nα→Sα→Nβ→Sβ)とした。右の縦軸は、磁束密度の強度であるが、N極を正にS極を負とし、左の縦軸は、|Br|/|B|を示している。
トナーt1:現像剤である1成分磁性トナーt1は、懸濁重合法によって作製された平均円形度0.976の磁性一成分トナー(球形トナー)である。このような磁性重合トナーを作製する方法として、特開2001−235899号公報などで提案されているものを用いた。
磁性体粒子は結着樹脂と同重量処方し充分な磁力による搬送を可能な磁性粒子を作製した。ここで、磁性体量は結着樹脂100重量部に対して100重量部としたが、結着樹脂100重量部に対する磁性体量は70〜120重量部であれば、本発明の効果を十分得ることができる。また、トナーの平均粒径(D4)は6μmであった。
本発明のトナーの平均粒径とは、重量平均粒径(D4)のことであり、コールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能である。
具体的には、下記のように測定できる。コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。たとえば、ISOTON R-II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定手順は以下の通りである。前記電解水溶液を100〜150ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して体積分布を算出する。それから、本発明に係わる所の体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)を求める。
トナーt1は、マグネットロール60aによる磁気力を受けながら現像スリーブ60b上を搬送される過程において、現像剤量規制手段としての規制ブレード60cで層厚規制(現像剤量規制)及び電荷付与を受ける。60dは現像容器60e内のトナーの循環を行い順次現像スリーブ周辺の磁力到達範囲内にトナーを搬送する攪拌部材である。
本現像装置60Aは、所望のトナー帯電量とコート量を得るため、規制ブレード60cは厚さ100μm、マイクロ硬度100度のリン青銅を用い、現像スリーブ当接位置(規制位置)は、図3のθ=7度(|Br|/|B|=0.96)、引抜き圧55(N/m)、ブレード自由長2.0mmに設定した。ブレード自由長とは、規制ブレード60cと現像スリーブ60bの接触部を支点とした時の自由端の長さを意味する。また、本実施例のように規制ブレード60cと現像スリーブ60bへの当接位置を垂直な磁界が支配的な磁極領域(|Br|/|B|≧0.9)に設定することを、以下では極位置規制と呼ぶ。
さらに、本条件下における規制ブレード60cと現像スリーブ60bが当接するニップ幅Nsbは、1.5mmであった。
本発明において、規制ブレード60cと現像スリーブ60b間のニップ幅の測定は、以下の方法により行った。まず、現像可能な現像装置内の現像スリーブにおいて、現像スリーブ上にトナーをコートした状態を保持し、現像スリーブのみ取り外す。次に、トナーをコートした現像スリーブの回転方向に対して半回転分のトナーを取り除く(ただし、長手方向の端部のトナーは保持する)。その後、トナーが充填されていない現像装置に、固定のマグネットローラをはずした状態で、取り付ける。このとき、トナーを取り除いた面が規制ブレードに接する様に取り付ける。この状態で、回転方向に1回転させ、現像スリーブを取り外す。それから、規制ブレード表面に付着したトナーをテープにより剥ぎ取り、紙上にテープとともに、貼り付ける。この際に、現像スリーブと規制ブレードとの当接幅にはトナーがつかず、その外側にトナーがつく。つまり、2本のトナーの線がえられ、2本の線の間隔を測定することにより、ニップ幅を得ることができる。
さらに、Brについての最近接の磁極の半値幅Bsは、52度(≒1.82rad)であり、現像剤担持体である現像スリーブ60bの半径Rは、6.5mm、Nsb/(Bs×R)=0.25である。この具体的な配置関係は、図4に示した。
現像スリーブ60bにコートされたトナーt1は現像スリーブ60bの回転により、感光ドラム1と現像スリーブ60bの対向部である現像部位(現像領域部)aに搬送される。また現像スリーブ60bには現像バイアス印加電源S2より現像バイアス電圧(DC電圧−450V)が印加される。
さらに、規制ブレード60cには、印加電源S4より、DC電圧−550Vを印加され、規制ブレード60cと現像スリーブ60b間にトナーを介して、100Vの電位差を有して与えられる。
すなわち、現像剤量規制部材である規制ブレード60c側の電位が現像剤担持体である現像スリーブ60bの電位より現像剤であるトナーの極性側である。
以下において、規制ブレード60cへ印加するバイアスのことをブレードバイアスと呼ぶ。現像スリーブ60bは、感光ドラム1に対し1.2倍の周速度で駆動される。これにより、感光ドラム1側の静電潜像がトナーt1により反転現像される。ここで、現像スリーブ60bの感光ドラム1に対する周速度は1.2倍としたが、現像スリーブ60bの感光ドラム1に対する周速度は1.0〜2.0倍であれば、本発明の効果を十分得ることができる。
[実施例2]<平均円形度0.968>
本実施例の現像装置は基本的に実施例1に記載の現像装置60Aに準ずるが、現像剤として以下に示すようにトナーt2を用いた。
トナーt2:現像剤である1成分磁性トナーt2は、結着樹脂、磁性体粒子、電荷制御剤を混合し混練、粉砕、表面改質処理、分級の各行程を経て作製し、流動化剤などを外添剤として添加して作製されたものである(粉砕法、例えが特開2002−341590)。磁性体粒子は結着樹脂と同重量処方し充分な磁力による搬送を可能な磁性粒子を作製した。また、トナーの平均粒径(D4)は6μm、上述の方法にて求めた平均円形度0.968であった。
[比較例1]<平均円形度0.955>
本比較例の現像装置は基本的に実施例1記載の現像装置60Aに準ずるが、現像剤として以下に示すようにトナーt3を用いた。
トナーt3:現像剤である一成分磁性トナーt3は、結着樹脂、磁性体粒子、電荷制御剤を混合し混練、粉砕、分級の各行程を経て作製し、流動化剤などを外添剤として添加して作製されたものである(粉砕法)。磁性体粒子は結着樹脂と同重量処方し充分な磁力による搬送を可能な磁性粒子を作製した。また、トナーの平均粒径(D4)は6μm、上述の方法にて求めた平均円形度0.955であった。
[比較例2]<Nsb/(Bs×R)>0.5 ニップ幅大>
本比較例の現像装置は基本的に実施例1に記載の現像装置60Aに準ずるが、以下の点が異なる。
規制部材である規制ブレード60cとして、トナーと接触する面に厚50μmの非磁性の導電層を有した厚さ1.5mmのウレタンを使用した。規制ブレードの製造方法は、非磁性の導電層となる材料を混練し、ウレタン表面上に均一に塗布することにより作製した。現像スリーブ表面の弾性層のマイクロ硬度が51度、規制ブレードのマイクロ硬度が58度、Nsbが、3.2mm、Nsb/(Bs×R)=0.54>0.5であり、引抜き圧が45N/mである。
[比較例3]<接触 弾性スリーブ 極間規制 ブレードバイアス>
本比較例の現像装置は基本的には実施例1に記載の現像装置60Aに準ずるが規制ブレード60cの現像スリーブ60bへの当接条件が異なる。
本例において、規制ブレード60cの当接位置が図3のθ=40度(|Br|/|B|=0.03)、引抜き圧55(N/m)、ブレード自由長1.5mmに設定した。
また、本実施例のように規制ブレード60cと現像スリーブ60bへの当接位置を垂直磁界が支配的な磁極領域(|Br|/|B|≦0.1)に設定することを、以下では極間位置規制(極間規制)と呼ぶ。
[比較例4]<接触 弾性スリーブ 極位置規制 スリーブ導通>
本比較例の現像装置について述べる。本比較例を用いる実施形態1の概略図を図5に示す。本比較例の現像装置60Bは基本的には実施例1に記載の現像装置60Aに準ずるが、以下の点において異なる。
本例においては、規制ブレード60cを現像スリーブ60bへ導通させた。
[比較例5]<接触 弾性スリーブ 極間位置規制 スリーブ導通>
本比較例の現像装置は基本的には比較例4に記載の現像装置60Bに準ずるが、規制ブレード60cの現像スリーブ60bへの当接条件が異なる。
本例において、規制ブレード60cの当接位置が図3のθ=40度(|Br|/|B|=0.03)、引抜き圧55(N/m)、ブレード自由長1.5mmに設定した。
[比較例6]<磁性非接触現像方式 極間位置規制>
本比較例の現像装置60Cについて述べる。本比較例を用いる実施形態1の概略図を図6に示す。現像剤として後述するトナーt3を用いた。
60fは実施例1で用いたマグネットロール60aを内包させた、現像剤担持搬送部材としての現像スリーブである。現像スリーブ60fはアルミシリンダー表面をサンドブラストにて粗さを調節することにより構成され、感光ドラム1に対し300μmの間隙αを持って設置されている。現像スリーブ60fのマイクロ硬度は100度であり、表面粗さRzは11.5μm、Raは1.5μmであった。現像装置60Cに充填されたトナーt3は、マグネットロール60aによる磁気力を受けながら現像スリーブ60f上を搬送される過程において、厚み1.5mmのウレタンの規制ブレード60gで層厚規制及び電荷付与を受ける。60dは現像容器60e内のトナーの循環を行い順次現像スリーブ周辺の磁力到達範囲内にトナーを搬送する攪拌部材である。
本現像装置60Cは所望のトナー帯電量とコート量を得るため、現像スリーブ60fと規制ブレード60gの当接位置を図3のθ=40度(|Br|/|B|=0.03)、引抜き圧30N/m、ブレード自由長1.2mmに設定した。このときのNsb/(R×Bs)は、0.52であった。
現像スリーブ60fにコートされたトナーt1は現像スリーブ60fの回転により、感光ドラム1と現像スリーブ60fの対向部である現像部位(現像領域部)aに搬送される。また現像スリーブ60fには現像バイアス印加電源S5より現像バイアス電圧(DC電圧−450V、AC電圧(矩形波、1.8kVpp、1.6kHz))が印加される。現像スリーブ60fは、感光ドラム1に対し1.2倍の周速度で駆動される。以上により、感光ドラム1側の静電潜像がトナーt3により反転現像される。現像剤として以下に示すようにトナーt3を用いた。
トナーt3:比較例1に準ずる。
[比較例7]<磁性非接触現像方式 極位置規制>
本比較例の現像装置は基本的には比較例6に記載の現像装置60Cに準ずるが規制ブレード60gの現像スリーブ60fへの当接条件が異なる。
本例において、規制ブレード60gの当接位置が図3のθ=7度(|Br|/|B|=0.96)、とした。
[比較例8]<磁性非接触現像方式 極位置規制 ブレードバイアスあり>
本比較例の現像装置60Dについて述べる。本比較例を用いる実施形態1の概略図を図7に示す。本比較例の現像装置60Dは基本的には比較例6に記載の現像装置60Cに準ずるが以下の点が異なる。
規制ブレード60gの現像スリーブ60fへの当接条件において、本比較例は、規制ブレード60gの当接位置を図3のθ=7度(|Br|/|B|=0.96)とした。
さらに、規制ブレード60gとして、厚み1.5mmのウレタン表面に厚さ50μmの導電層を塗布したものを用いた。作製方法は、比較例2に準ずる。さらに、規制ブレード表面の導電層へ印加電源S6により、バイアスを印加(DC電圧−550V、AC電圧(現像バイアスと同位相の矩形波、1.8kVpp、1.6kHz))する。現像剤として以下に示すようにトナーt3を用いた。
トナーt3:比較例1に準ずる。
[比較例9]<回転式多極マグネットロール>
本比較例の現像装置60Eについて説明する。比較例9に用いた実施形態1の概略図を図8に示す。
60rはマグネットロール60qを内包させた、現像剤担持搬送部材としての現像スリーブである。現像スリーブ60rはアルミシリンダー60r1上に非磁性の導電弾性層60r2を形成して構成され、感光ドラム1に対し一定の加圧力をもって当接されている。引抜き圧は200N/mであった。
現像スリーブ60rの製造方法は、非磁性の導電性弾性層60r2となる材料を混練し、これを押出し成形して、アルミスリーブ60r1上に層60r2として接着し、接着後該層60r2を厚さ500μmに研摩して作製した。マイクロ硬度は94度であり、表面粗さRaは1.2μmであった。
マグネットロール60qは等間隔に8極着磁された多極マグネットロールを用いる。ピーク密度の絶対値で、300Gの磁束密度を発生する。また、マグネットロール60qは現像スリーブ60rの回転方向とは逆方向に等しい回転数にて回転駆動する。
トナーt3は、マグネットロール60qによる磁気力を受けながら現像スリーブ60r上を搬送される過程において、規制ブレード60cで層厚規制及び電荷付与を受ける。60dは現像容器60e内のトナーの循環を行い順次現像スリーブ周辺の磁力到達範囲内にトナーを搬送する攪拌部材である。
本現像装置60Eは所望のトナー帯電量とコート量を得るため、規制ブレード60cを引抜き圧30N/m、ブレード自由長1.2mmに設定した。
現像スリーブ60rにコートされたトナーt3はスリーブ60rの回転により、感光ドラム1と現像スリーブ60rの対向部である現像部位(現像領域部)aに搬送される。また現像スリーブ60rには現像バイアス印加電源S2より現像バイアス電圧(DC電圧−340V)が印加される。現像スリーブ60rは、感光ドラム1に対し1.2倍の周速度で駆動される。これにより、感光ドラム1側の静電潜像がトナーt3により反転現像される。
トナーt3:比較例1に準ずる。
また、本例に類似の構成として、特公平4−15949号公報に開示されている現像装置がある。
[比較例10]<非磁性接触現像方式>
本比較例の現像装置60Fについて述べる。比較例10を用いた実施形態1の概略図を図9に示す。
60hは心金60h1上に導電弾性層60h2を形成し現像ローラである。また、60kは心金60k1上に弾性層60k2を形成した、弾性ローラである。現像ローラ60hは、感光ドラム1に対し一定の加圧力を持って当接され、その引抜き圧は20N/mであった。また、弾性ローラ60kは現像ローラ60hに対し一定の軸間隔で固定されており、その引抜き圧は40N/mであった。また、現像ローラ60hは感光ドラム1に対し、1.4倍の周速度で駆動されており、弾性ローラ60kは現像ローラ60hと同回転数にて、表面が逆方向に移動するよう回転駆動されている。現像ローラ60hのゴム硬度は、ASKER C(500g加重)で50度、マイクロ硬度で42度であった。
後述するトナーt4は攪拌部材60dにより弾性ローラ60kに供給される。更に弾性ローラ60kはその回転によりトナーt4を現像ローラ60hに供給し、トナーt4は規制部に搬送される。そして、現像ローラ60h上に供給されたトナーを規制ブレード60iにより一定の摩擦帯電とコート長に規制され現像部aに搬送される。現像ローラ60h上を搬送されたトナーは現像部aにおいて感光ドラム1の現像に使用される。また、現像されずに現像ローラ60hに残ったトナーは弾性ローラ60kで一旦剥ぎ取られ再度現像容器60e内を循環し、再び現像ローラ60hにコートされる。
現像バイアスはDC電圧―340Vを現像ローラ心金60h1に印加した。また、弾性ローラ60k及び規制ブレード60iは、現像バイアスと電気的に共通とし、同じ現像バイアス電位を印加した。
トナーt4:現像剤である一成分非磁性トナーt4は、結着樹脂、電荷制御剤を混合し混練、粉砕、分級の各行程を経て作製し、流動化剤などを外添剤として添加して作製されたものである(粉砕法)。また、トナーの平均粒径(D4)は6μm、平均円形度0.953であった。
[比較例11]<非磁性接触現像方式 ブレードバイアス印加>
本比較例の現像装置60Gについて述べる。比較例11を用いた実施形態1の概略図を図10に示す。本比較例の現像装置60Gは基本的には比較例10に記載の現像装置60Fに準ずるが、以下の点で異なる。
規制ブレード60iであるリン青銅に印加電源S4により、−550Vで印加した。
[比較例12]<非接触搬送ローラ>
本比較例の現像装置60Hについて述べる。比較例12を用いる実施形態1の概略図を図11に示す。
60hは心金60h1上に導電弾性層60h2を形成し現像ローラである。また、60jは弾性体60j1を裏打ちした導電シート60j2により構成された除電シートである。現像ローラ60hは、感光ドラム1に対し一定の加圧力を持って当接され、その引抜き圧は20N/mであった。また、除電シート60jは現像ローラ60hに対し一定の侵入量で固定されており、その引抜き圧は55N/mであった。また、現像ローラ60hは感光ドラム1に対し、1.4倍の周速度で駆動した。また、現像ローラ60hに非接触に配した搬送ローラ60nを設け現像ローラ60hと周速度が同じになるよう回転駆動した。現像ローラ60hのゴム硬度は、ASKER C(500g加重)で50度、マイクロ硬度で42度であった。
トナーt4は攪拌部材60dにより搬送ローラ60nへ供給される。更に現像ローラ60hに非接触に配された搬送ローラ60nはその回転によりトナーt4を現像ローラ60hへ供給する。そして、現像ローラ60h上に供給されたトナーは規制ブレード60iにより摩擦帯電を受け、また一定のコート長に規制されて現像部aに搬送される。現像ローラ60h上を搬送されたトナーは現像部aにおいて感光ドラム1の現像に使用される。また、現像されずに現像ローラ60hに残ったトナーは除電シート60jで一旦除電され、再度現像容器60e内を循環し、再び現像ローラ60hにコートされる。
現像バイアスはDC電圧―340Vを現像ローラ心金60h1に印加した。また、搬送ローラ60n及び規制ブレード60iは、現像バイアスと電気的に共通とし、同じ現像バイアス電位を印加した。
トナーt4:比較例10に準ずる。
また、本例に類似の構成として、特許第3225759号明細書に開示されている現像装置がある。
《従来技術に対する本実施例の優位性について》
[各実施例及び比較例の評価方法]
以下では、本発明と比較例の差異を調べるための画像評価について述べる。
(1)実施形態1における各種画像評価
先ず、ドラムクリーナを有する実施形態1による、各種画像評価について説明する。
a)カブリ評価
カブリとは、本来印字しない白部(未露光部)においてトナーがわずか現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。
カブリ量は光学反射率測定機(東京電飾製TC−6DS)によりグリーンフィルタによる光学反射率を測定し、記録紙のみの反射率から差し引いてカブリ分の反射率量をもとめカブリ量として評価した。カブリ量は記録紙上を10点以上測定しその平均値を求めた。
×:カブリ量が2%を越える
△:カブリ量が1〜2%である
○:カブリ量が0.5〜1%である
◎:カブリ量が0.5%未満である
評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。カブリ評価は、初期50枚時と、5000枚印字後に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を間欠的に通紙して行った。間欠的とは、印字後に待機状態へて、次の印刷を行うという意味である。また、以降述べる他の画像欠陥が生じた場合は、その個所を避けて測定し、カブリを純粋に評価できるよう配慮した。
b−1)トナー残量が減少したときのカブリ特性評価
印字テストを繰り返すことにより、現像装置内に蓄えたトナーが減少し、横線の評価画像が徐々に薄くなり、場合によっては途切れる。このようにトナー残量が減少したときのカブリ特性を別途評価した。印字テストにおいて、先のような横線画像の不良が生じたときに、カブリ評価を行うとともに、その後現像装置をプリンタから取り外し、手振りするなど中のトナーを現像スリーブあるいは現像ローラに送る動作を行い、再度プリンタに装着し、カブリ評価を行う。これらの、画像評価で、前述と同様のカブリ評価を行い、最も悪い(大きな)結果を用い、本評価のカブリ評価とする。
b−2)トナー残量が減少したときのカブリ要因
非磁性トナーの現像ローラへの供給はスポンジ状の供給ローラを現像ローラにカウンター回転になるように当接することで行われる。従って、この現像ローラと供給ローラの摺接により著しくトナーの劣化が発生し電荷付与性の低下が生じる。これにより印字枚数(特に低印字)が増えるとカブリ量が増加する。
さらに、このようなトナーの供給機構では、現像ローラ周辺でほとんどトナーが入れ替わらず循環しない領域ができ、劣化の少ないトナーが存在する。一方、循環しているトナーは一定の劣化が生じている。トナー切れ時にカートリッジを取り外し手振りすると現像容器内でこのような劣化の少ないトナーと一定の劣化が生じたトナーが混合される、すなわち、電荷付与の極性が大きく異なるトナーが混合されるため、カブリ量が著しく増加する。
このカブリ量が増加する理由として、このようなトナーの混合においてトナーに電荷付与を行うと、劣化していないトナーはより電荷付与性が高くなり、劣化したトナーは電荷付与がほとんどできないあるいは正規の極性と逆極性の電荷を付与することになる。この電荷付与ができないあるいは逆極性の電荷を付与したトナーによりカブリ量が著しく増加する。
逆極性のトナーがカブリ量として生じる理由は電場中で受ける力が正規極性のトナーと全く逆方向であり、ドラム表面上の通常非印字領域に積極的に転移するためである。
これに対し磁性トナーの場合、磁力により搬送されるため、著しくトナー劣化が生じずトナー切れ直前でプロセスカートリッジの手振りを行っても極性の大きく異なるトナーが混合しないため、トナー切れ直前のカブリ量増加を防止することができる。
c−1)ゴースト
現像剤の供給剥ぎ取り性を現像ゴーストにより評価した。現像ローラあるいは現像スリーブの周速度とプロセススピードを考慮して、現像ローラあるいは現像スリーブ周期で現れるゴースト画像を評価した。具体的にゴーストは紙先端で5mm四方、25mm四方のベタ黒のパッチ画像を印字した中間調画像中の現像ローラあるいは現像スリーブ周期1周目に現れる濃度差を目視で認識できる場合にゴーストによる画像不良と判断した。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後4ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
ここでは、その画像評価を以下の基準で行った。
×:両方のパッチにおいてゴーストが認識される
△:いずれかのパッチにおいてゴーストが認識される
○:何れのパッチにおいてもゴーストが認識されない
評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。ゴースト評価は初期100枚時に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。
c−2)ゴースト発生要因
感光ドラムと現像スリーブを押圧してなり、剥ぎ取り供給ローラを持たない現像装置では、現像スリーブ上において、前周回にトナーを消費した部分には、新たなトナーが供給され規制部に搬送されるが、ベタ黒を印字中は、コート量の約90%以上のトナーが消費される。消費した部分は、消費されずに残ったトナーに対し新たに供給されたトナーの比率が高い状態で弾性スリーブ上に供給され、規制部に搬送される。一方、前周回にトナーを消費しなかった部分ではその弾性スリーブ上のトナーがそのまま供給部に戻るため、消費されずに残ったトナーに対し、新たに供給されたトナーの比率が低い状態で弾性スリーブ上に供給され、規制部に搬送される。つまり、規制部に搬送されるトナーは、前周回でトナー消費の履歴による新旧トナーの比率に差を生じる。トナー層の上の層と下の層の入替わりすなわち剥ぎ取り供給が十分に行うことができない場合、均一な中間調画像中に前周回のトナー消費の履歴を反映したゴースト画像不良を生じる。
d−1)ヘアライン均一性
画像評価は縦、横の1ドットラインの連続性で行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。プロセス進行方向に平行な1ドットのラインと、レーザ走査系の主走査方向と平行な1ドットライン各々について行った。それぞれ、2cm長のヘアラインを、各例の装置において出力し、それぞれのラインについて、無作為に100ポイント抽出し、それぞれのポイントでラインを中心とする200μm四方を光学顕微鏡で観察し、ラインの濃度の半値幅を持って、ライン幅とし、それぞれの方向についてライン幅の標準偏差を計算する。そして、プロセス方向のライン標準偏差をσv、レーザ走査方向標準偏差σhとして、両者の比を計算して、ライン標準偏差比σv/σhを得る。この値を用いて以下の基準で評価を行った。
××:ライン標準偏差比σv/σhが0.7未満あるいは1.43を超え、かつ、
目視により1ドットラインの途切れが判別できる
×:ライン標準偏差比σv/σhが0.7未満あるいは1.43を超える
△:ライン標準偏差比σv/σhが0.7以上、0.8未満あるいは1.25以上、
1.43以下である
○:ライン標準偏差比σv/σhが0.8以上、1.25未満である
評価は初期50枚時と5000枚時に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を間欠的に通紙して行った。
d−2)ヘアライン均一性の低下要因
磁性非接触現像においては、ヘアラインの均一性が、縦横で異なるという問題がある。磁気穂が感光ドラム進行方向と並行に移動しながら現像するときは、ヘアラインの均一性が良く、それと直行する方向は途切れがちになる。
e−1)画像エッジ不良
画像エッジ不良とは、大きな濃度を持った画像においてその2つの濃度差の境界が薄くなる画像不良である。
画像評価は中間調画像中に25mm四方のベタ黒画像を印字して行った。本評価において中間調画像とは主走査方向に対しての1ドットを記録し、その後4ドットを非記録し、主走査方向に垂直な方向に対して1ドットを記録し、その後4ドットを非記録し斑点模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。得られた画像の中間調とベタ黒のエッジ部分において、エッジ部分の中間調側を、光学顕微鏡を用いて凝集したトナーの1ドット内のトナーの個数を測定し、さらに、エッジ部から十分離れた位置での中間調画像部について同様に1ドット内のトナー数を測定した。1ドット内のトナー数の測定においてドットは各領域において、ランダムに15個ずつ抽出し、トナー数の平均値をもとめ、1ドット内のトナー個数とした。
×:エッジで測定したトナー個数がエッジ部から十分離れた位置でのトナー個数の
60%未満である
○:エッジで測定したトナー個数がエッジ部から十分離れた位置でのトナー個数の
60%以上である
評価は初期100枚時に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。
e−2)画像エッジ不良の発生要因
画像エッジ不良要因について図12を用いて考察する。AC電圧のVpp値を大きくすると、トナーの飛翔により現像される領域でトナーの行き来が起こる。このとき、濃度差の大きな印字領域が存在すると、境界線付近でトナーが往復すると、トナーがより濃度の濃い印字領域に引き寄せられ、境界部における濃度の薄い方の領域がより薄くなると考えられる。
f)ベタ黒濃度差評価
実施形態1において、全面に黒を印字するベタ黒画像を出力し、マクベス社製濃度計RD−1255により光学反射濃度を測定する。ベタ黒画像中の印字開始直後の現像剤担持体1周長分のベタ黒濃度と現像剤担持体2周長分以降のベタ黒濃度をそれぞれ10点測定し、平均を算出し、その差分Δから以下の基準により評価を行う。
×:Δが0.2以上
△:Δが0.1以上、0.2未満
○:Δが0.1未満
濃度評価は、初期100枚後、24時間放置後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。また、評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。
g−1)中間調画像欠陥1
画像評価は中間調画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後2ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
特に本発明では中間調画像の均一性を重視し、0.3mm以上の白点あるいは黒点の欠陥を評価した。
×:中間調画像中に直径0.3mm以上の白点又は黒点が5点を越えて存在する
△:中間調画像中に直径0.3mm以上の白点又は黒点が1〜5点存在する
○:中間調画像中に直径0.3mm以上の白点又は黒点が存在しない
評価は5000枚の印字テスト後に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。
g−2)中間調画像欠陥1の発生要因
トナーの凝集塊の発生や異物の混入により、コート層を乱すために、凝集塊や異物程度の大きさの欠陥を中間調画像中に生じる。
h−1)さざ波画像不良評価
実施形態1において、さざ波画像不良評価を行った。評価方法は、ベタ白画像、ベタ黒画像、中間調画像を印字し、目視により以下の基準により評価を行う。
×:ベタ白画像上に、さざ波状の字汚れを目視で確認できる
△:ベタ黒画像または、中間調画像中にさざ波状のムラを目視で確認できる
○:ベタ白画像、ベタ黒画像、中間調画像中に、さざ波状のムラを目視で確認
できない
さざ波画像不良評価は、初期100枚印字後に24時間放置後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。また、評価環境は、15.0℃、10%Rhにおいて行った。
h−2)さざ波画像不良要因
さざ波画像不良の発生要因を述べる。さざ波画像不良は、規制ブレードにより現像剤担持体上にコートされたトナー層に乱れた際に発生する。具体的には、以下のような過程により発生する。まず、過剰に電荷付与されたトナーが現像剤担持体表面に電気的に強固に付着する。強固に付着したトナーは、現像部で現像されずに現像容器内に戻った際に、新たに供給されたトナーと入れ替わることが難しくなる。そうすると、新たに供給されたトナーは、強固に付着したトナーの上に軽く乗る状態となる。このような状態を生じると新たに供給されたトナーは十分な電荷付与をえることが困難となる。つまり、トナーコート層中において、電荷量の異なる層が生じ、トナーコート層に乱れが生じる。新たに供給されたトナーは、電荷付与が十分に行われないまま、コートされるためベタ黒画像や中間調画像のように、均一画像上にさざ波状の画像不良を生じる。さらに、低温低湿環境下のような電荷付与性が高くなると、ベタ白画像中にもさざ波状の字汚れが発生する。
(2)実施形態2における各種画像評価
次に、クリーナレスシステムである実施形態2による、各種画像評価について説明する。
A−1)クリーナレストナー回収性
記録画像先端において、30〜50mmほどのベタ黒画像を印字し、その後ベタ白画像を配置した評価パターンを印字中に、画像記録装置を停止する。停止するタイミングは、先端のベタ黒画像の中心位置がちょうど現像領域に達した時点とする。そして、現像の前後の感光ドラム上において、表面に付着したトナーを反射率として測定し、その比を求めることにより、トナーの回収効率の評価を行うことが可能になる。実際には、ドラム上のトナーを一旦透明性のテープに転写し、トナーが付着したテープを記録しなどに貼り付けテープの上から、カブリ測定同様にトナーの正味の反射率を測定する。
×:回収率が30%未満である
△:30以上、50%未満である
○:50%以上である
評価は初期100枚時に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。
A−2)クリーナレストナー回収性低下要因
実施形態2において最も異なる点は、ドラムクリーナを廃し、転写残りトナーを現像装置に回収してリサイクルするところにある。本発明においては、現像剤担持体である現像ローラは所定の加圧により被現像体である感光ドラムに押圧され、現像バイアスが印加されており、感光ドラム表面上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーにより現像(可視化)すると同時に非露光部(白地部)上の転写残りトナーを回収する。
図13に示すように現像バイアスと印字部の電位(ベタ黒のときVl)との電位差を利用して現像ローラから感光ドラムへトナーの転移させ反転現像を行い、現像バイアスと非印字部の電位(Vd)の電位差を利用して感光ドラム上の戻りトナーを現像ローラ上へ転移させて回収する。
さらに、押圧し当接することで感光ドラムと現像ローラの距離が小さくなり電界強度の増加することで現像同時回収性を向上させている。
加えて、押圧し当接することで現像ニップの増加による電界による現像および回収を確実に行うとともに、現像ローラでの戻りトナーのネガ化を促進、戻りトナーの物理的ほぐしを行い、回収性を向上させている。
一方、感光ドラムと現像ローラが非接触で対向していると距離が大きくなるため磁気回収力、電気的回収力が弱くなる。このために回収率が低下する。
また、感光ドラムと現像ローラが押圧し当接していると物体が接することにより働く引力・ファンデル・ワールス力は感光ドラムとトナー、トナーと現像ローラ、トナーとトナー間においてほぼ同じオーダーの力が働くことから回収性の低下要因とならない。ところが、感光ドラムと現像ローラが非接触のときには感光ドラムと戻りトナー間にのみ働き感光ドラム上から引き剥がすために妨げとなり、回収性が著しく低下する。
B−1)中間調画像欠陥2(実施形態2)
実施形態1の時と同様に、実施形態2についても中間調画像欠陥評価を行う。
B−2)中間調画像欠陥2の発生要因
中間調画像欠陥1と同様に、トナー凝集塊や異物により、中間調画像欠陥2を生じる。しかし、実施形態2であるクリーナレスシステムにおいては、戻りトナーの回収をするため、中間調画像欠陥2を生じやすい。特に、非磁性接触現像のように、供給ローラが現像ローラに当接し、カウンター回転している場合、当接部において、物理的ストレスが高くなる。そのような構成を用いると戻りトナーや劣化トナーにより、凝集塊を生じやすく、顕著に中間調画像欠陥2を生じやすい。
C−1)紙粉による中間調画像欠陥
実施形態2においては、記録紙から紙粉(紙繊維)が感光ドラムに付着し、帯電を経由し現像装置に取り込まれることがある。現像装置に取り込まれた場合、現像ローラなど紙粉が絡み現像ローラ周期のプロセス進行方向に伸びた画像不良を生じることがある。これを、B)の中間調画像欠陥とは区別して評価を行った。
短軸長さ0.3mm以上、長軸長さ2mm以上を画像不良とし、面内の欠陥数を以下の基準で評価を行った。
×:中間調画像中に欠陥が5点を越えて存在する
△:中間調画像中に欠陥が1〜5点存在する
○:中間調画像中に存在しない
C−2)紙分による中間調画像欠陥の発生要因
戻りトナーに含まれる紙粉が現像装置内に混入すると現像ローラにトナーを供給するスポンジ状の供給ローラに紙粉が付着し、剥ぎ取り供給性の低下を生じる。紙粉が供給ローラ間に蓄積した場合、現像ローラ上のトナー層が乱され、プロセス方向にのびた欠陥を生じる。
D−1)ベタ黒画像欠陥評価
画像評価はベタ黒画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。特に本発明では、0.3mm以上の欠陥を評価した。
×:ベタ黒画像中に直径0.3mm以上の白点が50点を越えて存在する
△:ベタ黒画像中に直径0.3mm以上の白点が10〜50点存在する
○:ベタ黒画像中に直径0.3mm以上の白点が10点未満存在する
評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。評価は100枚印字後24時間経過した後ベタ黒画像を3枚出力して行った。画像評価ではこの3枚の中で最も多いページで代表した。
D−2)ベタ黒画像欠陥の発生要因
図14のように、AC電圧印加時、ベタ白を現像中に感光ドラム1の表面電位(暗電位Vd)と現像バイアス電圧値の最大値(Vmax)の差が最大の電界強度となり、リークL3が発生しやすい状態となる。
リークL3が起こると当該部分の感光ドラム1の静電潜像が乱された結果、感光ドラム1上のベタ白部の電位(暗電位Vd)の一部がリークにより明電位(Vl)に近づくあるいは超えるため、反転現像による感光ドラム1へのトナーtが転移してしまい、結果として感光ドラム1の当該部分にはトナーが付着し黒ポチの画像が発生すると考えられる。
リークが発生すると電界強度にかかわらず感光ドラム上にVmaxの値で帯電された部分ができる。Vmaxが大きいと現像バイアスのDC値Vdcに対するコントラスト(|Vmax−Vdc|)が大きいためトナーの転移量が増加し画像上非常に目立つ。
さらに、戻りトナーに含まれる紙粉がトナーとともに現像領域にくる(図14の(a))と紙粉を伝ってリークが発生する。図13(a)に示すように紙粉Fが現像領域にきたとき、ドラムとのギャップがG3より小さいG4となる。このとき、紙粉にかかる局所的な電界強度が増加(図14の(b)右)し、リークが発生しやすくなる。また、高温高湿な環境下において紙粉は水分を多く吸着し抵抗が低下する。このとき、図14の(c)に示すように外部電場Eがかかると電荷の偏りが発生し、紙粉先端に電荷量が増加しさらにリークしやすくなる。このことから、クリーナレスシステムではドラムクリーナ付きのシステムと比べてリークが発生しやすくなると考えられる。
[トナー磁気凝集量の測定]
磁気凝集とは、トナーが数珠状に直鎖に連なって、凝集するものである。明確な発生メカニズムは、明らかではないが、おおよそ以下のようなメカニズムであると考えられる。まず、トナーが強い外部磁場中に存在する。次にトナーが、ある特定方向に一定の圧力が特定時間以上加えられる。そうすると、磁気的極性の小さいトナーが磁気的極性を生じ、数珠状に直鎖に連なり凝集する。
本発明における磁気凝集量の測定法としてはシスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA2100により得られた粒度別トナー形状の写真より評価を行った。FPIA2100による測定法としては、測定溶媒50〜150ml中に分散剤として界面活性剤を0.1〜5ml加え、更に現像スリーブ上から採取した測定試料を2〜20mg加え懸濁溶液とする。試料を懸濁した溶液は超音波分散器で約1分間分散処理を行ない均一に分散した後、前記FPIA2100に約5ml供給されて測定が行われる。評価の基準としてはFPIA2100における粒度クラス4と5(個数平均径10〜40μm)に分類されたトナー粒子中で直鎖状に連なったトナー凝集の割合を求める。本測定を3回行った平均値より判断した。
大:磁気凝集の存在比率が20%を越える
中:磁気凝集の存在比率が10%以上20%未満
小:磁気凝集の存在比率が10%未満
磁気凝集評価は、印字テスト5000枚印字後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を間欠的に通紙して行った。
(3)評価結果
表1に、実施例1・2及び比較例1〜12の実施形態1(ドラムクリーナ有り)における各種画像評価結果を示した。
また、表2に、実施例1・2及び比較例1〜12の実施形態2(クリーナレスシステム)における各種画像評価結果を示した。
[比較技術に対する優位性]
はじめに、従来技術である、磁性非接触現像方式と非磁性接触現像方式に相当する比較例に対する優位性を示す。
(1−1)磁性非接触現像方式との比較(比較例6)
磁性非接触現像方式である比較例6の現像装置60C(図6)は実施形態1においては、ヘアライン均一性の低下や画像エッジ不良を生じる。これは、比較例6が磁場による磁気穂を形成して現像することにより、穂の移動方向であるかどうかにより、現像時のヘアライン均一性に差が生じやすくなる。また、現像スリーブ60f−感光ドラム1間距離が大きくAC電界により、画像部非画像部を問わずトナーが飛翔する結果、画像のエッジ部分にはトナーがはきよせられエッジ部と中央部に濃度差を生じる。
実施形態2によるクリーナレスの評価においては、トナー回収性が著しく低下していることがわかる。これは、非接触現像方式であるために、感光ドラムに接触したトナーを引き剥がすための力が大きく、回収のために働く力が不十分なためであると考えられる。
また、ベタ黒画像欠陥を生じた。通常の状態では現像バイアスによるリークが生じることはないが、高温高湿環境下で、紙粉などの異物が現像スリーブと感光ドラムの間に入り込むと、それを経路としてリークが発生していることが確認された。
(1−2)非磁性接触現像方式との比較(比較例10、11)
次に、非磁性接触現像方式である比較例10・11の現像装置60F・60G(図9・図10)について述べる。実施形態1においては、比較例10は、カブリの耐久劣化を生じる。これは、弾性ローラ60kによる供給剥ぎ取り動作によりトナーが機械的ストレスを受け、トナー帯電特性が低下することに起因する。また、このときトナー劣化による濃度低下も見られる。一方、比較例11においては、ブレードバイアスが印加されているため、帯電特性の低下した劣化に電荷付与することができるため、カブリの耐久劣化を抑えられている。しかしながら、トナー切れ直前のカブリは比較例10・11ともに、悪化した。その理由として、現像装置内のトナーが減少したときには、上記劣化トナーと循環に関与していなかった未劣化トナーが混合され著しくトナー帯電特性を低下させ、激しいカブリを生じる。劣化トナーと未劣化トナーが混合された状態においては、比較例11のようにブレードバイアスが印加されていてもカブリが悪化する。また、比較例10・11どちらにおいても、トナー凝集塊等が弾性ローラに付着し、中間調画像欠陥が軽微ながら発生する。
一方、実施形態2によるクリーナレス評価においては回収性が良好であるが、弾性ローラ60kに起因すると思われる中間調画像欠陥が生じる。実施形態1においては、軽微な画像欠陥であるが、実施形態2においては、弾性ローラ60kによる機械的ストレスの他に、一旦現像されたトナーが転写や帯電の工程を経て再度現像装置内に戻ってくることにより、より多くの劣化トナーを生み、トナーが凝集塊を作るなどして、中間調画像に欠陥を生じる。さらに、現像装置に混入した紙粉による弊害も大きく、弾性ローラ表面に付着して周期的な画像不良を生じる。
(1−3)従来技術に対し、本発明の有利な効果
(1−3a)実施形態1
一方、実施例1の現像装置60A(図1・図2)は、実施形態1、2いずれにおいても良好な画像形成装置を構成できる。特に平均円形度が0.965以上と球形のトナーを用いているため、ハーフトーンの均一性が向上している。つまり、画質が向上し、画質の粒状感が目立たない。
はじめに、実施形態1について、比較する。
先に、比較例6で問題となったヘアライン均一性は方向による差がなく均一な画像再現が可能であった。現像部における磁力についてはほぼ同程度であるが、現像スリーブ上にコーティングされたトナー量と規制ブレードによるスリーブ当接位置を適正に保つこととDCバイアスにより、同様の磁場においてでも長い磁気穂の形成が抑制され、現像時の磁気穂の影響をなくすことが可能となった。また、画像エッジ不良もなく均一な画像再現が可能であった。これは、現像スリーブ60bを感光ドラム1に接触させDC現像とすることにより、トナーの往復により、トナーがはきよせられるのを防止している。
また、実施例1においては、比較例10で問題となった、カブリの耐久劣化は見られなかった。比較例10でトナーの剥ぎ取り供給のための弾性ローラ60kを使用しているため、弾性ローラ60kによる搬送より局部的に高い圧力が生じる。一方、実施例1では使用していない。トナーの搬送については磁力をもって行っている。磁力による搬送はトナーに対する機械的ストレスを少ない状態にして、現像スリーブ60b上のトナー剥ぎ取りと供給が行える。さらに、弾性ローラ60kと比較し非接触で力が及ぶためトナーを循環する範囲や効率の点で優れている。よって、トナーにストレスをかけることなく、トナーの剥ぎ取り供給が行えゴーストなどの弊害もなくトナー搬送を行うことが可能となる。そのため、トナー切れ直前でも、劣化したトナーと未劣化トナーが混合しない。その結果、比較例10,11で問題となったトナー切れ直前のカブリも本例では生じない。また、同様にして、トナー凝集塊を発生することもなく、中間調画像欠陥1を生じない。
(1−3b)実施形態2
次に、実施例1について実施形態2における評価を行う。
現像スリーブ60bと感光ドラム1を接触させて配置しているので、現像スリーブ60bと感光ドラム1の間の距離が近づくことで電界あるいは磁界が働く領域および強度が増加し、感光ドラム1上の未露光部に付着した転写残りトナーの回収性が向上したと考えられ、トナーの回収性もよく、更に、比較例10,11でみられた中間調画像欠陥や紙粉の影響も弾性ローラ60kをなくした磁力による搬送を行っているため良好な結果であった。また、比較例1で見られたベタ黒画像欠陥も見られなかった。電界としては大きな電界が印加されるが、放電を生じるような大きな電位差が生じないためと考えられる。
(1−4)比較例9との比較
また、比較例9のように、多極マグネットロール60qを用い回転磁力による供給や剥ぎ取り性を向上することも考えられるが、結果的にはゴースト性能が劣る結果となった。また、規制部及び現像部において磁力が振動するため、トナー層のコート状態が不安定であるために、若干カブリも悪い結果となった。また、トナー層のコート状態が不安定であるため、低温低湿環境下において、コート状態の乱れがより顕著化し、さざ波状画像不良が発生した。多極マグネットロール60qにより磁力が多少弱くなるが磁気穂による影響は依然あり、ヘアライン均一性は劣っている。一方、接触DC現像により、画像エッジ不良やクリーナレス回収性は感光ドラムの接触により良くなっている。
(1−5)比較例12との比較
比較例12は、比較例10に対し剥ぎ取り供給部材の構成を変更し、カブリとゴーストの両立を図ろうとした例であるが、トナー切れ直前のカブリが若干改善されるが不十分であった。また、固定の剥ぎ取り部材60jを設けているために、特に実施形態2における中間調画像欠陥や紙粉による中間調画像欠陥が劣っている。画像としては固定の剥ぎ取り部材60jなので、周期性はないがスジ状に絶えず画像不良が生じた。印字後現像装置60Hを解体した結果剥ぎ取り部材60jに紙粉などの付着物が確認された。ドラムクリーナ8を有する実施形態1の時よりクリーナレスである実施形態2において中間調画像欠陥を生じた理由としては、回収したトナーの影響により、トナー劣化が進んだ結果、あるいは、回収したトナーに含まれる異物を核にトナーの凝集を促進させ、凝集塊が発生したためと考えられる。また、さざ波状画像不良が中間調画像中に生じた。固定の剥ぎ取り部材60jのため、トナーの入替わり性が比較例7に比べ劣る。低温低湿環境下において、高電荷を有したトナーが現像ローラ60hの表面に電気的に強固に付着したため、固定の剥ぎ取り部材60jでは、十分に引き剥がすことができない。そのため、現像ローラ60hに強固に付着したトナーの上に現像装置内のトナーを供給すると、あとから供給された現像装置内のトナーは、十分に電荷付与をえられないため、コート状態が不安定となり、さざ波状画像不良が発生したと考えられる。
(1−6)その他の比較例との比較(実施形態1)
はじめに、実施形態1(ドラムクリーナ付き)について比較する。
(1−6a)比較例4,5との比較
まず、ブレードバイアスの印加していない比較例4・5について比較する。
比較例4は、実施例1に対して、ブレードバイアスを印加していないものである。ブレードバイアスが印加されていない場合、高温高湿環境下において、カブリが初期は軽微であるが、印字枚数が増えるに従って、悪化する。これは、規制ブレード60cにより適性なトナーの層厚と電荷付与を得られなかったためである。つまり、規制部の当接位置を極位置にすることで、規制部でのトナーの搬送量に対し、適正な電荷付与可能なトナー量を越えたためである。さらに、極位置での規制であるために、磁力の強いところで、高ストレスを受けたため、磁気凝集量が増加した。これにより、磁気凝集したトナーの電荷付与性が悪化し、印字枚数増加時にカブリが悪化した。さらに、電荷付与が足りない磁気凝集したトナーが現像部へコートされるため、尾引きが発生し、ヘアライン均一性が悪化した。
次に、比較例5は、比較例4の当接位置を極位置から、極間当接に設定したものである。磁気凝集を抑制し、適性電荷付与するために、当接位置を極位置から極間とした。磁気凝集が抑制され、電荷付与性が向上するため、ヘアライン均一性は良化する。しかしながら、印字枚数が増加したときの高温高湿下のカブリ量を低減することはできなかった。現像スリーブ60bが感光ドラム1の押圧し当接しているために、電荷付与性が十分でないトナーが少量でも存在するとカブリ量が発生すると考えられる。したがって、比較例5は、磁気凝集が抑えられ、電荷付与性が向上することで、カブリ、ヘアライン均一性は向上するが、電荷付与性が不十分であるために、高温高湿下の耐久枚数増加時のカブリを抑えることができない。
(1−6c)比較例3との比較
次に、比較例3との比較をする。比較例3は、比較例5に対して、ブレードバイアスを印加したものである。ブレードバイアスを印加することで、電荷付与性の低下したトナーに対しても電荷付与性を向上させることで、高温高湿下の印字枚数増加時のカブリを抑制した。しかしながら、ベタ黒画像中で著しい濃度差を生じた。具体的には、現像スリーブ周長分のみ十分な濃度が得られ、2周長分以降は、著しい濃度低下を引き起こした。この理由として以下のように考えられる。平均円形度0.965以上と球形のトナーを用いているため、現像スリーブ表面との付着力が弱い。そのため、十分な電荷付与が行われていないと規制ブレードを通過することができない。また、ブレードバイアスを印加しているため、規制ブレードと現像スリーブ間に電気的引力が働く。このため、規制ブレード部を通過できずに、はじかれやすくなる。特に、極間規制位置であるために、当接部付近の磁束密度は、現像スリーブ表面に対して水平方向Bθ成分が支配的となる。この場合、規制部付近のトナーは、現像スリーブ表面に対して、水平な方向へ移動しやすくなる。つまり、規制部での規制力が強くなると、磁気的に抗する力が著しく低下し、規制部を通過することが困難となる。加えて、規制部上流の磁極の方向への力が働くため、より規制部の通過が困難となる。さらに、感光ドラム1に現像スリーブ60bを押圧して当接させ、かつ、球形トナーであるために、現像効率が非常に高い。そのため、ベタ黒画像を印字すると、現像直後の現像スリーブ上に存在するトナー量が著しく少なくなるため、現像容器60e内で新たにトナーを補充するために高い供給性が必要となる。ベタ黒画像のような高印字率の画像の印字時に、現像装置内のトナーの高い供給が必要となるにもかかわらず、現像スリーブ60bとの表面との付着力の低下、規制ブレード60cの通過のしにくさの増加のため、ベタ黒画像先端から、現像スリーブ1周分の長さのみベタ黒濃度が維持され、2周分以降、極端に濃度低下を引き起こしたと考えられる。また、ゴーストも供給性の悪化に伴って悪化した。
(1−6d)ベタ黒濃度差評価について
実施例1と比較例2,3,6,11を比較することで本実施例の有利な効果について述べる。
まず、前述のとおり、比較例3のおいて、現像スリーブ2周長分以降に著しい濃度低下を引き起こした。一方、実施例1、比較例6・11は、現像スリーブ2周分以降もベタ黒濃度の低下はない。比較例6に関しては、非接触現像方式であり、現像効率が55%と低く、現像容器60e内からのトナー供給性が接触現像方式に比べて少なくてよいため、ベタ黒に濃度差が生じにくいと考えられる。また、比較例11においては、接触現像方式で高現像効率であり、ブレードバイアスを印加しているにもかかわらず、ベタ黒画像中に濃度差が生じなかった。これは、剥ぎ取り供給するための弾性ローラが具備され、適切に供給が行われているためである。したがって、従来技術である比較例6および11において、重大な問題とならなかった。
実施例1においては、規制部の当接位置を極位置とした。そうすることで、当接位置付近においてブレードバイアスによりトナーがはじかれる方向に働く力に抗するように磁気的引力が働き規制部を通過することが可能となり、ベタ黒濃度差の発生を抑制していると考えられる。また、垂直磁界が支配的であるため、現像スリーブ水平方向への移動が抑制され、規制部において、トナーがはじかれるのを抑制している。結果、より規制部を通過しやすくなることで、ベタ黒濃度差の発生を著しく抑制している。
しかしながら、比較例2においてもベタ黒濃度差が生じている。比較例2は実施例1と異なる点は、実施例1がNsb/(Bs×R)≦0.5であるのに対し比較例2はNsb/(Bs×R)>0.5であるということである。
図15は、磁極幅に対してNsbが変化したときの模式図を表わしている。Felcは、ブレードバイアス印加時に規制ブレードと現像スリーブ間に働く引力を示している。その際に、トナーの逃げやすさを模式的にFoutとして示した。ここでは、簡単のために、トナーは1粒子のみ表示した。また、Fmは、現像スリーブ表面に保持するために働く磁気的な引力を示している。
図15の(b)で示すように、このような当接条件下では、現像スリーブ60bと規制ブレード60cまたは60g間のニップ幅が広がり、ブレードバイアス印加による現像スリーブと規制ブレード間に電気的な引力Felcが働く領域が拡大し、規制部を通過しにくくなる。つまり、トナーの逃げやすさFoutが増加する。加えて、磁気穂が形成されるため、動きが制限されることから、Nsb/(Bs×R)>0.5の範囲では、規制部を通過することがより困難となる。
一方、実施例1では、Nsb/(Bs×R)=0.25(≦0.5)である。そのため、ベタ黒濃度差がなく、良好である。図15の(a)のように、現像スリーブ60bと規制ブレード60cまたは60g間のニップ幅が狭いために、ブレードバイアス印加による規制部でのFelcの働く領域が減少し、Foutが小さくなるため、トナーの通過しにくさを著しく抑制する。さらに、本発明のような垂直磁界が支配的な領域において、磁気穂が形成され、トナーの動きが制限される領域が著しく減少するために、規制部でのトナーの通過しやすくなる。
従って、垂直磁界が支配的な領域において、Nsb/(Bs×R)≦0.5とすることは、非常に重要となる。
以上のように、本発明において、接触現像方式であり、剥ぎ取り供給用の当接部材がなく、ブレードバイアスが印加されているにもかかわらず、ベタ黒濃度差を生じないのは、極位置当接、Nsb/(Bs×R)≦0.5とし、規制部でのトナーの通過のしやすさを向上しているためである。
(1−6e)トナーの磁気凝集によるヘアライン均一性悪化について
トナーの磁気凝集量増加による画像不良について述べる。まず、磁気凝集量とヘアライン均一性の悪化の関係について、実施例1、比較例1〜6を比較する。
実施例1、比較例3・同5は、初期から印字枚数の増加時まで、ヘアライン均一性は良好である。比較例6においては、初期から、ヘアライン均一性が悪化している。この理由としては、前述したとおり感光ドラムと現像スリーブ60fが非接触であるために、磁場による磁気穂を形成して現像することにより、穂の移動方向であるかどうかにより、現像時のヘアライン均一性に差が生じやすくなる。しかしながら、印字枚数の増加時にさらに悪化することはない。この理由は、規制ブレード60gが極間位置において当接されており、磁気凝集量の増加は抑制されており、印字枚数が増加時に磁気凝集量が増加してない。Nsb/(Bs×R)>0.5であるにもかかわらず、磁気凝集量が増加しないのは、極間位置で規制し、規制部でのトナーの穂立ちがなく、規制部をトナーが通過しやすいためと考えられる。
比較例2は、実施例1と比べ、Nsb/(Bs×R)>0.5と規制位置の当接条件が異なる。印字枚数増加時に、磁気凝集量が増加し、ヘアライン均一性がやや低下する。磁気凝集量が増加する理由は、規制部において、磁界の強い部分でストレスを受ける領域が増加したためと考えられる。
比較例1は、実施例1と比べ、トナーの平均円形度が0.955と低い例である。磁気凝集量は、実施例1と同等であるにもかかわらず、ヘアライン均一性がやや悪化している。平均円形度が低いために、磁気穂の形成がしやすいためと考えられる。
また、実施例1は、比較例3,5と比較して、磁気凝集量がやや多くなっている。にもかかわらず、ヘアライン均一性が良好である。この理由として、ブレードバイアスの印加により、トナーの電荷付与性が向上し、穂立ちの形成を抑制しているためと考えられる。また、ブレードバイアスを印加すると、規制ブレードと現像スリーブ間に引力が働き電荷付与が十分に行われていないトナーは規制部の通過が困難となり、適性に電荷付与されたトナーのみ規制部を通過する。つまり、ブレードバイアスを印加することで、適正な電荷付与されたトナーのみがコートされ、現像部での穂立ちを抑制し、ヘアライン均一性低下を抑制する。一方、比較例2・同4は磁気凝集量が多く、ヘアライン均一性が悪い。比較例2と4の違いとして、磁気凝集量が非常に多く生成された際に、ブレードバイアスが印加されているか否かに着目する。磁気凝集量が非常に多く生成されると、ブレードバイアスの印加の有無に依らず、ヘアライン均一性が悪化している。つまり、ヘアライン均一性の低下を抑制するためには、トナーの磁気凝集量が非常に多くなるのを抑制することが必要である。
以上、実施例1においては以下のような理由でヘアライン均一性低下を抑制している。感光ドラム1に現像スリーブ60bを押圧当接することで、現像領域の穂立ちを抑制する。平均円形度0.965以上の球形トナーを用いることで磁気穂の形成を抑制する。極位置規制であるにもかかわらず、Nsb/(Bs×R)≦0.5と規制部での穂立ちを形成した状態でのトナーストレスがかかる領域を小さくすることで、著しくトナーの磁気凝集量を抑制する。
さらに、ブレードバイアスを印加することで、磁気凝集量が増加しても、適正な電荷付与をすることが可能となり、ヘアライン均一性低下を抑制する。
(1−6f)トナーの磁気凝集によるカブリ量の悪化について
つぎに、磁気凝集量とカブリ量の悪化の関係について、実施例1、比較例1〜6を比較する。実施例1、比較例3,6,7は、高温・高湿環境下の印字枚数の増加時において、カブリ量の増加はなく、良好である。比較例6,7においては、磁気凝集量に関係なくカブリ量の増加はない。つまり、磁気凝集が発生しても非接触現像方式ではカブリは悪化しない。
一方、接触現像方式である比較例1,2,4は、磁気凝集量の増加にともないカブリ量が増加する。
このことから、1成分磁性トナーを用いる系において、トナーの磁気凝集量増加にともないカブリ量が増加する画像不良は、非接触現像方式では磁気凝集量に関係なく発生せず、接触現像方式でのみ磁気凝集量の増加にともない発生すると考えられる。
つぎに、磁気凝集が発生するとカブリ量が増加する原因について述べる。磁気凝集したトナーは見かけ上大きい粒径を有したトナーと考えることができる。一般に粒径の大きいトナーほど粒径の小さいトナーに比べ電荷付与性が低下する。加えて、磁気凝集したトナーは数珠状に形成するため、均一な電荷付与ができにくく、適正な電荷付与を得られにくい。このように適正に電荷付与されないまま現像スリーブ上にコートされたトナーが現像部まで搬送され、感光ドラムと接すると、感光ドラム表面とトナー間では、電気的な力が小さくなり、相対的に電気的な力以外のファンデルワールス力や水架橋力のような接触することで働く力が大きくなり、支配的となる。結果、感光ドラム表面にトナーが付着し、カブリ量が増加する。
このことから、感光ドラムと現像スリーブが非接触である従来の非接触現像方式では起きないあるいは起きにくいため、重大な問題とならなかったと考えられる。
接触現像方式である実施例1、比較例3は磁気凝集量の増加にともなうカブリ量の増加がなく、良好であった。一方、比較例5は磁気凝集量が少ないにもかかわらずカブリ量増加した。比較例3と比較例5はともに磁気凝集量が少ない。両者の違いは、ブレードバイアスを印加しているか否かの違いである。つまり、比較例5は、磁気凝集によるカブリ量の増加ではなく、トナーの外添剤の遊離や埋め込みにより、トナーの帯電性が低下した結果、カブリ量の増加と考えられる。特に高温高湿環境下でトナーの流動性が低下し、トナーにかかるストレスが増大し、外添剤の遊離や埋め込みを引き起こす。結果、高湿環境下および外添剤の遊離や埋め込み等のトナー劣化による電荷付与性の低下により、カブリ量が増加していると考えられる。一方、比較例3では、高湿環境下およびトナー劣化による電荷付与性の低下しても、ブレードバイアスを印加しているために、適性の電荷付与が行われるためにカブリ量の増加がない。
また、実施例1においては、磁気凝集量が増加していても、カブリ量の増加が抑制されている。ブレードバイアスを印加しているために、磁気凝集のような電荷付与しにくいトナーに対しても適性に電荷付与できるために、著しくカブリ量を抑制している。また、前項でも述べたように、ブレードバイアス印加により、現像スリーブ60bと規制ブレード60c間に引力が働き適性に電荷付与できていないトナーは規制部を通過できず、適性に電荷付与されたトナーが通過しやすくなるため、適性電荷を有したトナー層をえることが可能となる。
一方、比較例2は、ブレードバイアスを印加しているにもかかわらず、磁気凝集量が増加し、カブリが悪化した。比較例2は、実施例1と比べ、Nsb/(Bs×R)>0.5と規制位置の当接条件が異なる。磁気凝集量が増加する理由は、規制部において、磁界の強い部分でストレスを受ける領域が増加したためと考えられる。一方、実施例1は、極位置規制であるにもかかわらず、Nsb/(Bs×R)≦0.5と規制部での穂立ちを形成した状態でのトナーストレスがかかる領域を小さくすることで、著しくトナーの磁気凝集量を抑制する。
比較例1は、実施例1と比べ、トナーの平均円形度が0.955と低い例である。磁気凝集量は、実施例1と同等であるにもかかわらず、カブリ量が悪化している。平均円形度が低いために、磁気穂の形成がしやすく、電荷付与性が実施例1より劣る。さらに、現像部で感光ドラムとトナー接触する際に生じる電気的な力以外の力、ファンデルワールス力や水架橋力が不定形トナーであるために、局所的に強くなり、感光ドラムとトナーが接することで、カブリ量が増加する。
また、平均円形度の違いは転写性へも影響を及ぼす。本発明のような平均円形度が0.965以上と高い平均円形度を有する場合、転写性が良好である。つまり、電気的力が支配的であり、電界およびトナーの電荷付与の極性にしたがって振舞う。カブリとなるトナーは、電荷付与性が弱いあるいは、逆極性を有するものである。このようなトナーは、転写部で、適正な電荷付与を得たトナーに比べ、転写性が悪い。つまり、紙上に転写されずに感光ドラム上に残留しやすい。結果、紙上でのカブリ量の増加を抑制することができる。一方、平均円形度が低下すると、接触することで働く力が支配的となる。つまり、カブリとして生じる電荷付与性が弱いあるいは、逆極性を有するトナーであり、適性に電荷付与されたトナーより転写されにくいが、被転写材である紙と接触することで、紙上に転写されやすくなる。結果、紙上でのカブリ量の増加を引き起こす。
以上、述べたように、本発明においては、極位置規制であるにもかかわらず、磁気凝集量を抑制することができる。さらに、磁性トナーを用いた接触現像方式でのみ発生する磁気凝集量増加に伴うカブリ量の増加を、磁気凝集量が増加してもブレードバイアス印加のため、著しく抑制することができる。
また、磁気凝集が増加した際のカブリの増加は、実施形態2であるクリーナレスシステムにおいて、より重大な問題を引き起こす。
感光ドラム1上のトナーが転写されずに転写残こりトナーとして生じる。転写では、トナーの極性のバイアスが印加されるため、トナーと逆極性あるいは、電荷量の小さいものが残りやすい。そのような電荷を有しトナーが帯電ローラ2まで到達する。ここで、放電を受けることにより、電荷付与され、現像部aでトナーを回収することができる。また、電荷付与が十分行われなかったトナーは、帯電ローラ2に付着するが、帯電ローラ2への当接部材10あるいは、再度放電を受けることにより、電荷付与され、帯電ローラ2から感光ドラム1へ転移し、現像部で回収される。
ところが、磁気凝集量が増加した際にカブリ量が増加すると、著しく帯電ローラ2をトナーで汚染する。磁気凝集を起こしたトナーが転写残こりトナーとなると、磁気凝集していないトナー同様に、トナーの極性と逆極性あるいは、電荷量の小さい電荷を有する。この状態で帯電ローラ2まで達し、放電を受けることで、電荷付与することができれば、現像部で回収することができる。しかし、磁気凝集したトナーは電荷付与性が弱いために、回収できるために、あるいは、帯電ローラ2から離れるために十分な電荷付与をえることが困難となる。結果、帯電ローラ2から離れるトナー量より帯電ローラ2に付着するトナー量が著しく多くなる。これにより著しく帯電ローラ2をトナーで汚すこととなり、帯電不良を生じる。さらに悪化すると帯電ローラ2の汚れのため全く帯電できなくなり、全面黒の画像となり、定着装置7に転写材Pが巻きつき装置故障を生じるという重大な問題を生じる。本発明においては、この問題においても、著しく抑制することができる。
以上、本発明においては、磁性トナーを用いた接触現像方式の固有の問題である、磁気凝集量が増加時のカブリ量増加を抑制する。
平均円形度0.965以上の球形トナーを用いることで磁気穂の形成を抑制し、極位置規制であるにもかかわらず、Nsb/(Bs×R)≦0.5と規制部での穂立ちを形成した状態でのトナーストレスがかかる領域を小さくすることで、著しくトナーの磁気凝集量を抑制する。さらに、ブレードバイアスを印加することで、磁気凝集量が増加しても、適正な電荷付与をすることが可能となり、カブリ量増加を抑制する。加えて、平均円形度0.965以上の球形トナーであるために、紙上でのカブリ量の増加を著しく抑制する。
また、磁気凝集が増加した際のカブリの増加は、実施形態2であるクリーナレスシステムにおいて、帯電ローラ2の汚れのため全く帯電できなくなり、全面黒の画像となり、定着装置7に転写材Pが巻きつき装置故障を生じるという重大な問題を引き起こすが、この問題を著しく抑制する。
(1−6g)比較例8との比較
比較例8は、比較例7に対して、ブレードバイアスを印加した例である。非接触であるために、比較例8は、比較例6,7と同様に、尾引きによる細線均一性が悪い。低温低湿環境下において、さざ波状画像不良を生じる。まず、金属スリーブであるため現像スリーブ60fの表面とトナー間の鏡像力が高まる。さらに、ブレードバイアスにより、トナーの電荷付与性を向上するため、より鏡像力が大きくなる。結果、スリーブ表面に強固に静電付着したトナーの上に現像装置60Dからトナーが供給されても適正な電荷付与を得ることができなくなる。つまり、不安定なトナー層が形成され、さざ波状画像不良が形成される。
一方、実施例1では、さざ波状画像不良は生じず、良好である。現像スリーブ60bに弾性層60b2を有し、0.965以上の球形トナーを用いているために、鏡像力が弱い。そのため、ブレードバイアスを印加しても強固に付着することがない。
(1−7)その他の比較例との比較(実施形態2)
つぎに、実施形態2(クリーナレスシステム)について比較する。
(1−7a)クリーナレス回収性、ベタ黒画像欠陥
クリーナレスシステムでのトナー回収性については、非接触現像方式である比較例6,7,8は回収性が悪く、一方、実施例1,2、比較例1〜5,10〜12は接触現像であるために良好であった。ただし、接触現像である比較例9においては軽微であるがやや回収性の低下がみられた。多極マグネットロールを用い回転磁力による供給や剥ぎ取り性を向上することも考えられるが、規制部及び現像部において磁力が振動するため、トナー層が不安定であるために回収性が低下したと考えられる。ベタ黒画像欠陥については、非接触現像で現像バイアスにAC電圧を重畳しているために、紙分によるリークが発生し、ベタ黒画像欠陥を生じる。一方、実施例1,2、比較例1〜5,9〜12においては、紙分よるリークもなくベタ黒画像欠陥を生じることなく、良好な画像をえた。
(1−7b)中間調画像欠陥2及び紙分による中間調画像欠陥
中間調画像欠陥2においては、実施例1、同2及び比較例1〜9では良好であった。一方、比較例10,11では、剥ぎ取り・供給のための弾性ローラ60kが当接され、現像ローラ60hとカウンター回転しているために、トナーがストレスを受け、トナーの凝集塊が発生しやすい。さらに、クリーナレスシステムであるために、転写残りトナーを回収するため、さらに、トナー劣化しやすい。このことにより凝集塊が生成しやすくなり、実施形態2において、中間調画像欠陥が悪化したと考えられる。比較例12においては、固定の当接部材60jであるために、トナーにかかるストレスが低減し、軽微な画像不良であった。以上のことから、本発明のクリーナレスシステムにおいても、トナーの受けるストレスが低いために、トナーの凝集塊が生じにくい。
次に、紙分による中間調画像欠陥について述べる。
中間調画像欠陥2を生じた比較例10〜12においては、紙分による中間調画像欠陥を生じた。この理由としては、現像器に混入した紙粉による弊害であり、弾性ローラ表面に付着し周期的な画像不良、あるいは、当接部材に付着し筋状の画像不良が生じたと考えられる。
次は、中間調画像欠陥2を生じなかった実施例1,2および比較例3〜8について述べる。極間位置規制である比較例3,5,6においては良好であった。これは、極間位置規制であるために、トナーの入替わり性がよいため、紙分の影響が少ないと考えられる。
一方、極位置規制である比較例4では、紙分による中間調画像欠陥が軽微であるが発生した。この理由としては、極位置規制であるため、規制部近傍でのトナーの入替わり性が低下し、その領域に紙分が混入すると、トナーコートが乱れるために、紙分による中間調画像欠陥が発生する。
ところが、本発明である実施例1,2においては、極位置規制であるにもかかわらず、紙分による中間調画像欠陥が発生せず、良好である。この理由としては、ブレードバイアスを印加しているために、規制部近傍のトナーは規制部から逃げやすくなる。結果、入替わり性が向上し、紙分によってトナーのコート層を乱すことを抑制する。
また、比較例7,8においても、極位置規制であるにもかかわらず、紙分による中間調画像欠陥が生じない。この理由を以下に述べる。比較例7,8では、非接触現像方式であるために、回収性が悪い。このため、回収トナーの量が少ないため、回収トナーに含まれる紙分の回収量も少なく、紙分が現像器に混入する量が少ない。結果、極位置規制であっても、紙分による中間調画像欠陥が生じない。
以上のことから、本発明において、極位置規制であり、回収性が高いため、紙分の影響を非常に受け、トナーコート層が乱れ、中間調画像欠陥を生じやすいにもかかわらず、ブレードバイアスを印加し、トナーの入替わり性を向上することで、良好な中間調画像を得ることができる。
(1−8)実施例1,2の効果
以上、実施例1,2の効果は、実施形態1においては、カブリ量の抑制、トナー切れ時のカブリ量の抑制、ゴーストの抑制、画像エッジ不良の抑制、中間調画像欠陥1の抑制、さざ波状画像不良の抑制をバランスよく行うことができる。
さらに、感光ドラム1と現像スリーブ60bを押圧し、球形トナーを用い、ブレードバイアスを印加することで、生じるベタ黒現像スリーブ2周分以降の濃度ダウンを著しく抑制する。
また、高温高湿時の印字枚数増加時にトナーの磁気凝集量を抑制する。さらに、磁気凝集が生成されても適性に電荷付与されたトナーのみ、規制部を通過しやすくする。
それにより、穂立ちを抑制することで、ヘアライン均一性を維持することができる。
さらに、磁気凝集が発生時に接触現像方式であるために生じるカブリ量の増加を著しく増加することを抑制する。
更に、本発明の現像装置は、実施形態2であるトナーリサイクルシステムの画像記録装置においても有効であり、クリーナレス回収性、中間調画像欠陥2、紙粉による中間調画像欠陥、ベタ黒画像欠陥などに有効である。特に、クリーナレスシステムにおいては、磁気凝集によるカブリ量が増加が生じると、帯電ローラの汚れのため全く帯電できなくなり、全面黒の画像となり、定着器に被転写材が巻きつき装置故障を生じるが、本発明においては、著しく抑制することができる。
また、実施例1のように、平均円形度0.970以上とき、上記効果が安定して得られる。
[規制位置と規制部当接幅と磁極の関係の範囲について]
以下では、規制ブレード60cの現像スリーブ60bへの当接位置と磁極の関係(図3の0〜45の範囲)およびNsb/(Bs×R)の範囲に関して述べる。ここでは図3の0〜45度についてのみ、述べているが、−45〜0度、および、45〜135度においても|Br|/|B|の値に依存し、−45〜0度、45〜135度においても本発明の効果を有する。さらに、異なる磁極配置のマグネットロールを用いた場合においても、|Br|/|B|の値に依存し、マグネットロールに依らず、本発明の効果を有する。
(1)実施例3,4,5,6,7,8,9,10
実施例3〜10は実施例1の現像装置60Aに基本的に準ずるが、以下の点において異なる。
図3において、規制ブレード60cの当接位置θを12,12,16,9,26,22,19,26度とする。この際の|Br|/|B|は、0.88,0.88,0.80,0.93,0.52,0.65,0.72,0.52となる。
また、現像スリーブ表面のマイクロ硬度を、59,51,51,59,59,72,72,51度、規制ブレード表面のマイクロ硬度を、100,72,80,80,100,100,100,72度とした。
ここで、使用した規制ブレード60cは、マイクロ硬度が100度のものは、リン青銅であり、それ以外のものは、厚さ1.5mmのウレタン表面に厚さの導電性層50μmを形成したものであり、作製方法は、比較例2に準ずる。また、ブレードバイアスは、導電層に直接バイアスを印加した。また、規制ブレードと現像スリーブ間の引抜き圧を60,60,60,60,45,50,55,50N/mとした。
このときの規制ブレード60cと現像スリーブ60b間のニップ幅Nsbは、1.5、2.9、2.4、2.0、1.5、1.0、1.0、2.9mmで、Nsb/(Bs×R)は、0.25,0.49,0.41,0.34,0.25,0.17,0.17,0.49,0.54,0.17,0.54であった。
(2)比較例13,14,15
比較例13〜15は実施例1記載の現像装置60Aに基本的に準ずるが、以下の点において異なる。
図3において、規制ブレードの当接位置θを9,28,28度とする。この際の|Br|/|B|は、0.93,0.46,0.46となる。
また、スリーブ表面のマイクロ硬度を、51,72,51度、規制ブレード表面のマイクロ硬度を、58,100,58度とした。
ここで、使用した規制ブレード60cは、厚さ1.5mmのウレタン表面に厚さの導電性層50μmを形成したものであり、作製方法は、比較例2に準ずる。また、ブレードバイアスは、導電層に直接バイアスを印加した。また、規制ブレード60cと現像スリーブ60b間の引抜き圧を60,60,60,60,45,50,55,50N/mとした。
このときの規制ブレード60cと現像スリーブ60b間のニップ幅Nsbは、3.2,1.0,3.2mmで、Nsb/(Bs×R)は、0.54,0.17,0.54である。
(3)各実施例3〜10及び比較例13〜15の評価方法
実施形態1において、前述のa)カブリ評価、d)ヘアライン均一性、f)ベタ黒濃度差による画像評価を行った。その結果を表3に示す。
以下では、規制ブレードの弾性スリーブへの当接位置と磁極の関係およびNsb/(Bs×R)の範囲において本発明の優位性を示す。具体的には、実施例3〜10、比較例13〜15について説明する。
(3−1) f)ベタ黒濃度差評価について
はじめに、現像剤担持体1周長分と2周長分以降のf)ベタ黒濃度差評価についての評価結果を図16に示す。
図16の比較例14,15から分かるように、|Br|/|B|<0.5の範囲では、現像剤担持体1周長分と2周長分以降のベタ黒濃度差が大きくなった。まず比較例14,15のような濃度差が生じる要因を述べる。比較例14,15では、平均円形度0.980と球形のトナーを用い、感光ドラム1に現像スリーブ60bを押圧当接している。これにより、高現像効率となり、高印字の画像を印字すると消費後、より多くのトナー量を素早く供給する必要がある。また、供給を行う弾性ローラを用いず、現像スリーブ内部のマグネットロール60aによって磁気的に供給されるため、供給性をより困難にしている。さらに、ブレードバイアスを印加することで、ベタ黒濃度差を生じやすい。ブレードバイアス印加時には、現像スリーブ60bの表面と規制ブレード60c間に電気的引力が働き、規制部をトナーが通過することが困難となる。特に、球形トナーを用いると、現像スリーブ表面との付着力も小さくくなるため、よりトナーの規制部の通過を抑制している。一方、図16のように、実施例7,8,10では、|Br|/|B|≧0.5の範囲にすることにより現像剤担持体1周長分と2周長分以降のベタ黒濃度差が小さくなり、良化した。さらに、実施例9のように、|Br|/|B|≧0.7とすることにより、濃度差なく、良好な画像を得た。この理由としては、規制ブレードの当接位置を垂直磁界が支配的な領域、|Br|/|B|≧0.5の範囲、より好ましくは|Br|/|B|≧0.7の範囲とすることで、規制部でのトナーを現像スリーブ表面上に保持するための拘束力を向上させる。その結果、供給を十分に行うことが可能となり、ベタ黒濃度差を小さくする。
従って、本発明においては、現像剤担持体1周長分と2周長分以降のベタ黒濃度差による画像不良を抑制するためには規制ブレードの当接位置を|Br|/|B|≧0.5とすることが好ましく、|Br|/|B|≧0.7とすることがより好ましい。
ところが、比較例13において、規制ブレードの当接位置が|Br|/|B|≧0.5の範囲であり、より好ましい範囲|Br|/|B|≧0.7に設定しているにもかかわらず、濃度差を生じた。つまり、規制ブレード60cの当接位置を|Br|/|B|≧0.5に設定するだけでは、現像剤担持体1周長分と2周長分以降のベタ黒濃度差による画像不良を抑制することはできない。実施例4,5では、最近接極の|Br|の半値幅に対する弾性スリーブに当接する現像スリーブのニップ幅の比Nsb/(Bs×R)の範囲をNsb/(Bs×R)≦0.5することで、濃度差を小さくし、画像不良を抑制した。さらに、実施例3、6のように、Nsb/(Bs×R)≦0.35とすることで、ベタ黒濃度差がなく、良好な画像を得た。
この理由としては、|Br|/|B|≧0.5であり、かつ、Nsb/(Bs×R)>0.5、の範囲においては、規制部でのトナーの通過が抑制されている。具体的には、垂直磁界が支配的な領域においては、規制部付近でトナーは穂立ちを起こしやすい。ところが、穂立ちを起こしながら、規制部を通過するためには、磁極幅に比べ、ニップ幅が広いため、トナーが著しく通過しにくい。特に、ブレードバイアスを印加しており、現像スリーブと規制ブレード間に電気的引力が働いているため、顕著にトナー通過のしやすさが低下する。結果、2周長分以降のトナー供給量を十分に行えず、濃度差を生じる。一方、本発明では、Nsb/(Bs×R)≦0.5、より好ましくはNsb/(Bs×R)≦0.35の範囲とすることで、トナーの穂立ちにより発生する規制部におけるトナーの通過しやすさの低下の影響を受けることなく、良好にトナー供給を行うことができる。さらに、ブレードバイアス印加により、現像スリーブと規制ブレード間に電気的引力が働くことでトナーが通過しにくくなる問題においても、引力が働く領域が十分小さくなることで、ベタ黒濃度差のない良好な画像を得ることができる。
以上のことより、現像剤担持体1周長分と2周長分以降のベタ黒濃度差による画像不良の抑制のためには、規制ブレードの当接位置を|Br|/|B|≧0.5、より好ましくは、|Br|/|B|≧0.7、および、現像スリーブと規制ブレード間のニップ幅をNsb/(Bs×R)≦0.5、より好ましくはNsb/(Bs×R)≦0.35の範囲と設定する。
(3−2) d)ヘアライン均一性の評価について
次に、磁気凝集量が増加することにより発生する問題であるヘアライン均一性の評価について述べる。結果を図17に示す。
比較例13,15のように、Nsb/(Bs×R)>0.5の範囲であるときに、ヘアライン均一性が悪化している。一方、実施例4,5,10では、Nsb/(Bs×R)≦0.5とすることで、ヘアライン均一性が良化した。さらに、実施例3,6〜9では、Nsb/(Bs×R)≦0.35とすることで、ヘアライン均一性が向上した。この理由としては、Nsb/(Bs×R)≦0.5において磁気凝集量の増加を抑制しているためと考えられる。
詳しくは以下のように考えられる。垂直磁界が支配的な領域において、トナーは、強磁場下で強いストレスを受けるため,磁気凝集を生じやすい。ところが、Nsb/(Bs×R)≦0.5とすることで、強磁場下で強いストレスを受ける領域を十分狭くすることで、磁気凝集量の増加を抑制している。また、ブレードバイアスを印加することで、現像スリーブと規制ブレード間に電気的な引力が働く。これにより、規制ブレード当接位置上流(規制部通過直前)のトナーは当接位置から逃げやすくなる。結果、同一のトナーが当接位置上流部で滞留するのを抑制し、磁気凝集を抑制できる。また、ブレードバイアスを印加することにより、電荷付与をしにくい磁気凝集した数珠状のトナーに電荷付与することができる。
それにより、磁気凝集が生じても電気的な力で現像スリーブ上にコートされているため、現像部で磁気穂を形成しにくくなり、ヘアライン均一性を維持できる。
以上のことから、本発明においては、垂直磁界が支配的な領域であっても、著しく磁気凝集量の増加を抑制でき、さらに、磁気凝集量が増加してもヘアライン均一性を向上することができる。
(3−3) a)カブリ量評価について
さらに、接触現像方式において、磁気凝集が増加すると発生する問題である高温高湿下の印字枚数増加時のカブリ量評価について述べる。
前項同様に、磁気凝集量の増加に伴いカブリ量が悪化すると考えられる。図18に示すように、Nsb/(Bs×R)>0.5の磁気凝集量が多い比較例13,15では、カブリ量が悪化する。
一方、Nsb/(Bs×R)≦0.5である実施例3〜10、比較例12においては、良好である。この理由としては、前項同様に、磁気凝集量を抑制し、磁気凝集量が増加しても適性に電荷付与されたトナーが規制部を通過するため、カブリ量を著しく抑制できる。
以上、述べたように、本発明は、垂直磁界が支配的な領域であっても、著しく磁気凝集量の増加を抑制でき、さらに、磁気凝集量が増加しても高温高湿下の印字枚数増加時のカブリ量を抑制することができる。
(3−4)総合評価
以上、実施例3〜10、比較例13〜15について整理すると、図19に示すように、規制ブレード60cの当接位置を|Br|/|B|≧0.5が好ましく、さらに、|Br|/|B|≧0.7がより好ましい。さらに、規制部の当接条件としては、Nsb/(Bs×R)≦0.5の範囲であることが好ましく、さらにNsb/(Bs×R)≦0.35であることがより好ましい。|Br|/|B|≧0.7、Nsb/(Bs×R)≦0.35においては、安定的にすべての画像評価が良好である。
|Br|/|B|<0.5の範囲では、球形トナーであり、ブレードバイアスの印加により、著しく規制部を通過することが困難となる。さらに、球形トナーを用い、感光ドラム1と現像スリーブ60bが押圧、当接されているために、現像効率が高いため、高印字でトナー消費すると現像後の現像スリーブ上のトナー残は極端に減少する。この状態で、現像スリーブ60b上へトナーを供給する必要があるが、規制部を通過しにくいと、ベタ黒に濃度差を生じる。
Nsb/(Bs×R)>0.5の範囲では、著しく磁気凝集量が増加し、ヘアライン均一性の低下、カブリの悪化を生じる。特にクリーナレスシステムで重大な問題となる磁気凝集増加に伴うカブリ量の増加が生じる。
本発明においては、ベタ黒濃度差による画像不良を抑制するために、規制ブレード当接位置を|Br|/|B|≧0.5とし、より好ましくは|Br|/|B|≧0.7とした。しかしながら、垂直磁界が支配的な領域において、規制ブレードが当接すると数珠上の磁気凝集したトナーを生成しやすくなる。つまり、磁気凝集したトナーの生成抑制とベタ黒濃度差抑制は背反する問題であった。
しかしながら、本発明においては、規制ブレード60cの当接条件を、Nsb/(Bs×R)≦0.5の範囲、より好ましくは、Nsb/(Bs×R)≦0.35とし、ブレードバイアスを印加することにより、トナーの磁気凝集量を著しく減少させることができる。さらに、トナーの磁気凝集量が増加しても、磁気凝集に起因するヘアライン均一性の低下およびカブリ量の増加を著しく抑制することができる。つまり、背反するベタ黒濃度差による画像不良と磁気凝集トナーの生成による画像不良(ヘアライン均一性、カブリ)の両立を行うことができる。
以上、述べたように、本発明においては、ベタ黒現像スリーブ2周長分以降の濃度ダウンとトナーの磁気凝集量の増加によるヘアライン均一性低下、カブリ量の増加の背反する問題を解決し両立することができる。
[現像バイアスにAC電圧を印加した場合の実施例]
つぎに、現像バイアスにAC電圧を印加した場合の実施例11について述べる。この実施例11は現像剤量規制手段と現像剤担持体間に現像剤を介して印加する電圧が、直流バイアスに交番バイアスを重畳した電圧であり、該前記現像剤の極性側であることを特徴とする。
本実施例11は、実施例1の現像装置60Aにおける現像バイアス印加電源S2の仕様を変更し、DC電圧−450Vに、交番バイアスであるAC電圧(1.2kHz、矩形波、ピーク間電圧200V)を重畳して印加した。
具体的な実施形態としては、現像スリーブにDC(−450V)+AC(Vpp200V)、ブレードバイアスがDC(−550V)が印加されている。結果的に、現像スリーブと規制ブレード間の電圧は、直流成分がDC値で100Vの電位差を生じ、かつ、AC電圧も同時に重畳された形態をとっている。
実施例11は実施例1に対しACバイアスを重畳した例であるが、ACを印加することにより、実施例1に比して若干かぶりが向上した。特に、現像後感光ドラム上のカブリの測定では、更に明確な差が見られ、ある程度のACバイアスはカブリを低減する効果が見られた。また、ACを印加することにより、異物などの付着による欠陥を持つ現像スリーブ60cであっても、欠陥部位が画像に現れず、中間調の再現に広いマージンが取れる。更に実施形態2による回収性評価結果においても、ACを印加した方が回収率を高くできるという結果が得られた。
さらに、規制ブレード60cと現像スリーブ60b間に直流バイアスにACバイアスを印加した電圧が印加されるため、振動により磁気凝集量が抑制された。これにより、高温高湿環境下の印字枚数増加時の尾引きによるヘアライン均一性の低下やカブリ量の増加を著しく抑制できる。さらに、ACバイアスの振動により、トナーが振動し、規制部を通過しやすくなるために、ベタ黒濃度差の均一性が向上するという結果が得られた。
本発明に従う実施形態1においては、カブリ量の抑制、トナー切れ時のカブリ量の抑制、ゴーストの抑制、画像エッジ不良の抑制、中間調画像欠陥1の抑制、さざ波状画像不良の抑制をバランスよく行うことができる。
さらに、感光ドラムと現像スリーブを押圧し、球形トナーを用い、ブレードバイアスを印加することで、生じるベタ黒現像スリーブ2周長分以降の濃度ダウンを著しく抑制する。
また、高温高湿時の印字枚数増加時にトナーの磁気凝集量を抑制する。さらに、磁気凝集が生成されても適性に電荷付与されたトナーのみ、規制部を通過しやすくする。それにより、穂立ちを抑制することで、ヘアライン均一性を維持することができる。
さらに、磁気凝集が発生時に接触現像方式であるために生じるカブリ量の増加を著しく抑制する。加えて、ベタ黒現像スリーブ2周長分以降の濃度ダウンと磁気凝集によるヘアライン均一性低下、カブリ量の増加の背反する問題を解決し両立することができる。
更に、本発明の現像装置は、実施形態2であるトナーリサイクルシステムの画像記録装置においても有効であり、クリーナレス回収性、中間調画像欠陥2、紙粉による中間調画像欠陥、ベタ黒画像欠陥などに有効である。特に、クリーナレスシステムにおいては、磁気凝集によるカブリ量が増加すると、帯電ローラの汚れのため全く帯電できなくなり、全面黒の画像となり、定着器に被転写材が巻きつき装置故障を生じるが、本発明においては、著しく抑制することができる。
また、本実施例の効果は、|V|max≦|Vd|の範囲において、有効であることを確認した。
すなわち、直流バイアスに交番バイアスを重畳した現像バイアスVを現像剤担持体に印加する電圧印加手段を具備し、現像バイアスVの絶対値の最大値|V|maxと、帯電手段により被現像体表面を帯電する所定の電圧値Vd(暗電位)の関係が
|V|max≦|Vd|
を満たし、現像バイアスVを現像剤担持体に印加して、被現像体を現像剤で現像する。
具体的な実施形態としては、現像スリーブにDC(−450V)+AC(Vpp200V)、Vd−700Vであるため、|V|max=|(−450−200/2)|=550V<|−700V|=|Vd|を満たしている。
《本発明と効果のまとめ》
(1)請求項1に係る発明によれば,以下の点において効果がある。
効果1:カブリ量の抑制、現像剤切れ時のカブリ量の抑制、ゴーストの抑制、画像エッジ不良の抑制、中間調画像欠陥1の抑制、さざ波状画像不良の抑制をバランスよく行うことができる。さらに、以下の点において、特に優れた効果を有する。
被現像体と現像剤担持体を押圧し、現像剤として球形トナー、すなわち平均円形度0.965以上の一成分磁性トナーを用い、現像剤量規制手段に電圧(ブレードバイアス)を印加することで、生じる現像剤担持体2周分以降のベタ黒濃度ダウンを著しく抑制する。
また、高温高湿時の印字枚数増加時にトナーの磁気凝集量を抑制する。さらに、磁気凝集が生成されても適性に電荷付与されたトナーのみ、規制部を通過しやすくする。
それにより、磁気凝集が発生しても、穂立ちを抑制することで、ヘアライン均一性を維持することができる。
さらに、磁気凝集トナー増加時に接触現像方式であるために生じるカブリ量の増加を著しく増加することを抑制する。
加えて、磁気凝集トナーの増加に伴う画像不良(高温高湿環境下・印字枚数増加時のカブリ)と現像剤担持体2周分以降のベタ黒濃度ダウンの抑制を両立することができる。
(2)請求項2に係る発明によれば、以下の点において効果がある。
効果2:特に平均円形度0.970以上では、画像欠陥がなく、安定した画像をえることができて、効果1の更なる向上と安定性を向上することができる。
(3)請求項3に係る発明によれば、以下の点において効果がある。
効果3:効果1、効果2の効果を向上でき、特に、ベタ黒濃度差を著しく抑制することができる。
(4)請求項4に係る発明によれば、以下の点において効果がある。
効果4:効果1〜効果3の効果を向上でき、特に、ベタ黒濃度差、ヘアライン均一性低下を著しく抑制することができる。
(5)請求項5に係る発明によれば、以下の点において効果がある。
効果5:効果1〜効果4の効果を向上でき、特に、高温高湿環境下で、印字枚数増加時に磁気凝集が発生し、カブリ量増加、ヘアライン均一性低下を著しく抑制することができる。
(6)請求項6に係る発明によれば、以下の点において効果がある。
効果6:効果1〜効果5の効果を向上でき、特に、高温高湿環境下で、印字枚数増加時に磁気凝集が発生し、カブリ量増加、ヘアライン均一性低下を著しく抑制することができる。さらに、磁気凝集量を抑制することができ、さらに、ベタ黒濃度差の悪化を抑制することができる。
(7)請求項7に係る発明によれば、以下の点において効果がある。
効果7:効果1〜効果6の効果を向上でき、特にヘアライン均一性、画像エッジ不良を抑制することができる。
(8)請求項8に係る発明によれば、以下の点において効果がある。
効果8:効果1〜効果6の効果を向上でき、現像バイアスとして、交番バイアスのためのヘアライン均一性、画像エッジ不良を悪化することなく、中間調の均一性を向上でき、カブリ量を低減することができる。
(9)請求項11、14に係る発明によれば、以下の点において効果がある。
効果9:効果1〜効果8の効果を向上でき、トナーリサイクルシステムの画像記録装置において、クリーナレス回収性、中間調画像欠陥2、紙粉による中間調画像欠陥、ベタ黒画像欠陥などに有効である。特に、トナーリサイクルシステムにおいては、磁気凝集によるカブリ量の増加が生じると、帯電ローラの汚れのため全く帯電できなくなり、全面黒の画像となり、定着器に被転写材が巻きつき装置故障を生じるが、本発明においては、著しく抑制することができる。
(10)請求項5と11、14に係る発明によれば、以下の点において効果がある。
効果10:効果1〜効果8の効果を向上でき、トナーリサイクルシステムにおいては、磁気凝集によるカブリ量の増加が生じると、帯電ローラの汚れのため全く帯電できなくなり、全面黒の画像となり、定着器に被転写材が巻きつき装置故障を生じるが、本発明においては、効果9以上に著しく抑制することができる。
(11)請求項6と11、14に係る発明によれば、以下の点において効果がある。
効果11:効果1〜効果9の効果を向上でき、トナーリサイクルシステムにおいては、磁気凝集によるカブリ量の増加が生じると、帯電ローラの汚れのため全く帯電できなくなり、全面黒の画像となり、定着器に被転写材が巻きつき装置故障を生じるが、本発明においては、効果9以上に著しく抑制することができる。さらに、該現像剤量規制部材と現像剤担持体間に交番電界が働くために、著しく磁気凝集が抑制されるため、効果10以上に磁気凝集によるカブリ量の増加を抑制することができる。
《他の実施形態》
1)実施形態では画像記録装置としてレーザプリンタを例示したが、これに限られず、電子写真複写機、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ等他の画像記録装置(画像形成装置)でもよいことは勿論である。
2)被帯電体としての像担持体は静電記録装置の場合には静電記録誘電体である。
3)本発明の現像装置は画像記録装置の像担持体(電子写真感光体、静電記録誘電体等)の現像装置に限られず、広く被現像体に現像処理手段(回収も含む)として使用して有効であることは勿論である。
本発明の実施例1を用いた実施形態1の概略図 本発明の実施例1を用いた実施形態2の概略図 実施例1で用いたマグネットロールの磁束密度と|Br|/|B| Nsb,R,Bsの関係 比較例4を用いた実施形態1の概略図 比較例6を用いた実施形態1の概略図 比較例8を用いた実施形態1の概略図 比較例9を用いた実施形態1の概略図 比較例10を用いた実施形態1の概略図 比較例11を用いた実施形態1の概略図 比較例12を用いた実施形態1の概略図 エッジ不良発生メカニズム図 現像同時クリーニングのメカニズム図 ベタ黒画像欠陥発生メカニズム図 Nsbが小さいときと大きいときの模式図 ベタ黒濃度差評価結果グラフ ヘアライン均一性評価結果グラフ カブリ評価結果グラフ 総合評価結果グラフ
符号の説明
1.感光ドラム、2.帯電ローラ、2a.芯金、2b.導電弾性ローラ、4.レーザ露光装置、60.現像装置、6.転写帯電器、7.定着装置、8.ドラムクリーナ、9.プロセスカートリッジ(電子写真カートリッジ)

Claims (14)

  1. 現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤を規制する現像剤量規制手段と、前記現像剤担持体が被現像体を押圧しながら前記被現像体を現像剤で現像する現像装置において、
    前記現像剤担持体表面が弾性体であり、
    前記現像剤が平均円形度0.965以上の一成分磁性トナーであり、
    前記現像剤は前記現像剤担持体の内部に設けられた固定の磁場発生手段によって、前記現像剤担持体に引き寄せられ、現像に臨み前記現像剤量規制手段によって量規制され、
    前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体間に前記現像剤を介して電圧が印加され、
    前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置において、前記磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が下記の(1)式を満たし、前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置における当接幅Nsbが、Brについて最近接磁極の半値幅Bs[rad]の関係が下記の(2)式を満たすことを特徴とする現像装置。

    |Br|/|B|≧0.5 ・・・(1)式
    Nsb/(Bs×R)≦0.5・・・(2)式
    ここで、|B|は、磁束密度Bの大きさ(|B|=|Br+Bθ1/2)であり、Brは、前記現像剤担持体表面に形成される磁束密度Bのうち、前記現像剤担持体表面に対して垂直成分、Bθは前記現像剤担持体表面に対して水平成分である。Rは、前記現像剤担持体の半径である。
  2. 前記トナーの平均円形度が0.970以上であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置において、前記磁界発生手段により発生する磁束密度の関係が下記の(3)式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。

    |Br|/|B|≧0.7 ・・・(3)式
  4. 前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置における当接幅Nsbが、Brについて最近接磁極の半値幅Bs[rad]の関係が下記の(4)式を満たすことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の現像装置。

    Nsb/(Bs×R)≦0.35・・・(4)式
  5. 前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体間に前記現像剤を介して印加する電圧が、直流バイアスであり、前記現像剤量規制部材側の電位が前記現像剤担持体の電位より前記現像剤の極性側であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の現像装置。
  6. 前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体間に前記現像剤を介して印加する電圧が、直流バイアスに交番バイアスを重畳した電圧であり、該重畳電圧の直流成分において、前記現像剤量規制部材側の電位が前記現像剤担持体の電位より前記現像剤の極性側であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の現像装置。
  7. 直流バイアスを印加する電圧印加手段を具備し、前記直流バイアスを前記現像剤担持体に印加して、前記被現像体を前記現像剤で現像することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の現像装置。
  8. 直流バイアスに交番バイアスを重畳した現像バイアスVを前記現像剤担持体に印加する電圧印加手段を具備し、前記現像バイアスVの絶対値の最大値|V|maxと、前記帯電手段により前記被現像体表面を帯電する所定の電圧値Vd(暗電位)の関係が
    |V|max≦|Vd|
    を満たし、前記現像バイアスVを前記現像剤担持体に印加して、前記被現像体を前記現像剤で現像することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1つに記載の現像装置。
  9. 画像形成装置に着脱可能であり、少なくとも請求項1乃至8の何れか1つに記載の現像装置を含むことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 画像形成装置に着脱可能であり、少なくとも、像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置とを含むプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置は請求項1乃至8の何れか1つに記載の現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 前記現像装置は、像担持体に担持された現像剤を被転写材に転写する転写工程後に、前記像担持体に残留した転写残現像剤を回収することを特徴とする請求項8または11に記載のプロセスカートリッジ。
  12. 請求項9乃至11の何れか1つに記載のプロセスカートリッジを取り外し可能に装備することを特徴とする画像形成装置。
  13. 少なくとも、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電装置と、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置と、前記像担持体に担持された現像剤を被転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、前記現像装置は請求項1乃至8の何れか1つに記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
  14. 少なくとも、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電装置と、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置と、前記像担持体に担持された現像剤を被転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、前記現像装置は請求項1乃至8の何れか1つに記載の現像装置であるとともに、前記像担持体に担持された現像剤を被転写材に転写する転写工程後に、前記像担持体に残留した転写残現像剤を回収することを特徴とする画像形成装置。
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