JP2006208807A - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均円形度0.965以上の一成分磁性トナーを用いた磁性接触現像方式であり、ブレードバイアスを印加し、規制ブレードの条件を特定化した現像装置。
【選択図】図1
Description
誘電体層をもつ現像ローラ(現像剤担持体)上に、非磁性現像剤を担持し感光体の表面に接触させて現像を行う方式が提案されている(特許文献1)。
この方式は、磁性一成分現像剤を用い、マグネット(磁場発生手段)を内包した現像スリーブ(現像剤担持体)に現像剤を担持し、現像スリーブの表面から所定の微小間隙をおいて感光体に対向させ、この間隙を飛翔する現像剤により現像する(特許文献2、3)。
装置構成の簡略化や廃棄物を無くすという観点から、転写方式の画像形成装置において感光体の転写工程後の表面清掃手段である専用のドラムクリーナを廃し、現像剤を装置内でリサイクルする電子写真プロセスの提案がされている。例えば、前述の非磁性接触現像方式を用いて、現像時に同時に転写残となった現像剤を回収する画像形成装置が提案されている(特許文献4)。
現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤を規制する現像剤量規制手段と、前記現像剤担持体が被現像体を押圧しながら前記被現像体を現像剤で現像する現像装置において、
前記現像剤担持体表面が弾性体であり、
前記現像剤が平均円形度0.965以上の一成分磁性トナーであり、
前記現像剤は前記現像剤担持体の内部に設けられた固定の磁場発生手段によって、前記現像剤担持体に引き寄せられ、現像に臨み前記現像剤量規制手段によって量規制され、
前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体間に前記現像剤を介して電圧が印加され、
前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置において、前記磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が下記の(1)式を満たし、前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置における当接幅Nsbが、Brについて最近接磁極の半値幅Bs[rad]の関係が下記の(2)式を満たすことを特徴とする。
|Br|/|B|≧0.5 ・・・(1)式
Nsb/(Bs×R)≦0.5・・・(2)式
ここで、|B|は、磁束密度Bの大きさ(|B|=|Br2+Bθ2|1/2)であり、Brは、前記現像剤担持体表面に形成される磁束密度Bのうち、前記現像剤担持体表面に対して垂直成分、Bθは前記現像剤担持体表面に対して水平成分である。Rは、前記現像剤担持体の半径である。
図1は本発明に従う現像装置を用いた、第一の実施形態の画像記録装置(画像形成装置)を示す概略構成図である。この画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザプリンタである。
1は被現像体としての像担持体である。本例ではφ24mmの回転ドラム型の負極性OPC感光体(ネガ感光体、以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム1は矢印の時計方向に周速度85mm/sec(=プロセススピードPS、印字速度)の一定速度をもって回転駆動される。
図2は本発明の現像装置を用いた第二の実施形態の画像記録装置を示す概略構成図である。本実施形態の画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用、トナーリサイクルプロセス(クリーナレスシステム)のレーザプリンタである。前述の実施形態1の画像記録装置と同様の点については再度の説明を省略し、異なる点について述べる。
[実施例1]
<接触現像 弾性スリーブ 極位置規制 円形度0.976 ブレードバイアス入り>
本実施例の現像装置60A(図1,図2)について説明する。60bは、固定の磁界発生手段としてのマグネットロール60aを内包させた、現像剤担持体(現像剤担持搬送部材)としての現像スリーブである。現像スリーブ60bはアルミシリンダー60b1上に非磁性の導電弾性層60b2を形成して構成され、感光ドラム1に対し一定の加圧力をもって当接されている。感光ドラム1と現像スリーブ60b間の圧力は、引抜き圧で200N/mになるよう調整した。引抜き圧とは、当接させる2つの部材の間に、厚さ30μmの2枚のSUS板で挟んだ同じく30μmのSUS板を引抜くときの力をSUS板の長さ1mあたりに換算した線圧相当値である。
|B|=|Br2+Bθ2|1/2
を算出した。
本実施例の現像装置は基本的に実施例1に記載の現像装置60Aに準ずるが、現像剤として以下に示すようにトナーt2を用いた。
本比較例の現像装置は基本的に実施例1記載の現像装置60Aに準ずるが、現像剤として以下に示すようにトナーt3を用いた。
本比較例の現像装置は基本的に実施例1に記載の現像装置60Aに準ずるが、以下の点が異なる。
本比較例の現像装置は基本的には実施例1に記載の現像装置60Aに準ずるが規制ブレード60cの現像スリーブ60bへの当接条件が異なる。
本比較例の現像装置について述べる。本比較例を用いる実施形態1の概略図を図5に示す。本比較例の現像装置60Bは基本的には実施例1に記載の現像装置60Aに準ずるが、以下の点において異なる。
本比較例の現像装置は基本的には比較例4に記載の現像装置60Bに準ずるが、規制ブレード60cの現像スリーブ60bへの当接条件が異なる。
本比較例の現像装置60Cについて述べる。本比較例を用いる実施形態1の概略図を図6に示す。現像剤として後述するトナーt3を用いた。
本比較例の現像装置は基本的には比較例6に記載の現像装置60Cに準ずるが規制ブレード60gの現像スリーブ60fへの当接条件が異なる。
本比較例の現像装置60Dについて述べる。本比較例を用いる実施形態1の概略図を図7に示す。本比較例の現像装置60Dは基本的には比較例6に記載の現像装置60Cに準ずるが以下の点が異なる。
本比較例の現像装置60Eについて説明する。比較例9に用いた実施形態1の概略図を図8に示す。
本比較例の現像装置60Fについて述べる。比較例10を用いた実施形態1の概略図を図9に示す。
本比較例の現像装置60Gについて述べる。比較例11を用いた実施形態1の概略図を図10に示す。本比較例の現像装置60Gは基本的には比較例10に記載の現像装置60Fに準ずるが、以下の点で異なる。
本比較例の現像装置60Hについて述べる。比較例12を用いる実施形態1の概略図を図11に示す。
[各実施例及び比較例の評価方法]
以下では、本発明と比較例の差異を調べるための画像評価について述べる。
先ず、ドラムクリーナを有する実施形態1による、各種画像評価について説明する。
カブリとは、本来印字しない白部(未露光部)においてトナーがわずか現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。
△:カブリ量が1〜2%である
○:カブリ量が0.5〜1%である
◎:カブリ量が0.5%未満である
評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。カブリ評価は、初期50枚時と、5000枚印字後に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を間欠的に通紙して行った。間欠的とは、印字後に待機状態へて、次の印刷を行うという意味である。また、以降述べる他の画像欠陥が生じた場合は、その個所を避けて測定し、カブリを純粋に評価できるよう配慮した。
印字テストを繰り返すことにより、現像装置内に蓄えたトナーが減少し、横線の評価画像が徐々に薄くなり、場合によっては途切れる。このようにトナー残量が減少したときのカブリ特性を別途評価した。印字テストにおいて、先のような横線画像の不良が生じたときに、カブリ評価を行うとともに、その後現像装置をプリンタから取り外し、手振りするなど中のトナーを現像スリーブあるいは現像ローラに送る動作を行い、再度プリンタに装着し、カブリ評価を行う。これらの、画像評価で、前述と同様のカブリ評価を行い、最も悪い(大きな)結果を用い、本評価のカブリ評価とする。
非磁性トナーの現像ローラへの供給はスポンジ状の供給ローラを現像ローラにカウンター回転になるように当接することで行われる。従って、この現像ローラと供給ローラの摺接により著しくトナーの劣化が発生し電荷付与性の低下が生じる。これにより印字枚数(特に低印字)が増えるとカブリ量が増加する。
現像剤の供給剥ぎ取り性を現像ゴーストにより評価した。現像ローラあるいは現像スリーブの周速度とプロセススピードを考慮して、現像ローラあるいは現像スリーブ周期で現れるゴースト画像を評価した。具体的にゴーストは紙先端で5mm四方、25mm四方のベタ黒のパッチ画像を印字した中間調画像中の現像ローラあるいは現像スリーブ周期1周目に現れる濃度差を目視で認識できる場合にゴーストによる画像不良と判断した。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後4ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
△:いずれかのパッチにおいてゴーストが認識される
○:何れのパッチにおいてもゴーストが認識されない
評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。ゴースト評価は初期100枚時に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。
感光ドラムと現像スリーブを押圧してなり、剥ぎ取り供給ローラを持たない現像装置では、現像スリーブ上において、前周回にトナーを消費した部分には、新たなトナーが供給され規制部に搬送されるが、ベタ黒を印字中は、コート量の約90%以上のトナーが消費される。消費した部分は、消費されずに残ったトナーに対し新たに供給されたトナーの比率が高い状態で弾性スリーブ上に供給され、規制部に搬送される。一方、前周回にトナーを消費しなかった部分ではその弾性スリーブ上のトナーがそのまま供給部に戻るため、消費されずに残ったトナーに対し、新たに供給されたトナーの比率が低い状態で弾性スリーブ上に供給され、規制部に搬送される。つまり、規制部に搬送されるトナーは、前周回でトナー消費の履歴による新旧トナーの比率に差を生じる。トナー層の上の層と下の層の入替わりすなわち剥ぎ取り供給が十分に行うことができない場合、均一な中間調画像中に前周回のトナー消費の履歴を反映したゴースト画像不良を生じる。
画像評価は縦、横の1ドットラインの連続性で行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。プロセス進行方向に平行な1ドットのラインと、レーザ走査系の主走査方向と平行な1ドットライン各々について行った。それぞれ、2cm長のヘアラインを、各例の装置において出力し、それぞれのラインについて、無作為に100ポイント抽出し、それぞれのポイントでラインを中心とする200μm四方を光学顕微鏡で観察し、ラインの濃度の半値幅を持って、ライン幅とし、それぞれの方向についてライン幅の標準偏差を計算する。そして、プロセス方向のライン標準偏差をσv、レーザ走査方向標準偏差σhとして、両者の比を計算して、ライン標準偏差比σv/σhを得る。この値を用いて以下の基準で評価を行った。
目視により1ドットラインの途切れが判別できる
×:ライン標準偏差比σv/σhが0.7未満あるいは1.43を超える
△:ライン標準偏差比σv/σhが0.7以上、0.8未満あるいは1.25以上、
1.43以下である
○:ライン標準偏差比σv/σhが0.8以上、1.25未満である
評価は初期50枚時と5000枚時に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を間欠的に通紙して行った。
磁性非接触現像においては、ヘアラインの均一性が、縦横で異なるという問題がある。磁気穂が感光ドラム進行方向と並行に移動しながら現像するときは、ヘアラインの均一性が良く、それと直行する方向は途切れがちになる。
画像エッジ不良とは、大きな濃度を持った画像においてその2つの濃度差の境界が薄くなる画像不良である。
60%未満である
○:エッジで測定したトナー個数がエッジ部から十分離れた位置でのトナー個数の
60%以上である
評価は初期100枚時に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。
画像エッジ不良要因について図12を用いて考察する。AC電圧のVpp値を大きくすると、トナーの飛翔により現像される領域でトナーの行き来が起こる。このとき、濃度差の大きな印字領域が存在すると、境界線付近でトナーが往復すると、トナーがより濃度の濃い印字領域に引き寄せられ、境界部における濃度の薄い方の領域がより薄くなると考えられる。
実施形態1において、全面に黒を印字するベタ黒画像を出力し、マクベス社製濃度計RD−1255により光学反射濃度を測定する。ベタ黒画像中の印字開始直後の現像剤担持体1周長分のベタ黒濃度と現像剤担持体2周長分以降のベタ黒濃度をそれぞれ10点測定し、平均を算出し、その差分Δから以下の基準により評価を行う。
△:Δが0.1以上、0.2未満
○:Δが0.1未満
濃度評価は、初期100枚後、24時間放置後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。また、評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。
画像評価は中間調画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後2ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
△:中間調画像中に直径0.3mm以上の白点又は黒点が1〜5点存在する
○:中間調画像中に直径0.3mm以上の白点又は黒点が存在しない
評価は5000枚の印字テスト後に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。
トナーの凝集塊の発生や異物の混入により、コート層を乱すために、凝集塊や異物程度の大きさの欠陥を中間調画像中に生じる。
実施形態1において、さざ波画像不良評価を行った。評価方法は、ベタ白画像、ベタ黒画像、中間調画像を印字し、目視により以下の基準により評価を行う。
△:ベタ黒画像または、中間調画像中にさざ波状のムラを目視で確認できる
○:ベタ白画像、ベタ黒画像、中間調画像中に、さざ波状のムラを目視で確認
できない
さざ波画像不良評価は、初期100枚印字後に24時間放置後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。また、評価環境は、15.0℃、10%Rhにおいて行った。
さざ波画像不良の発生要因を述べる。さざ波画像不良は、規制ブレードにより現像剤担持体上にコートされたトナー層に乱れた際に発生する。具体的には、以下のような過程により発生する。まず、過剰に電荷付与されたトナーが現像剤担持体表面に電気的に強固に付着する。強固に付着したトナーは、現像部で現像されずに現像容器内に戻った際に、新たに供給されたトナーと入れ替わることが難しくなる。そうすると、新たに供給されたトナーは、強固に付着したトナーの上に軽く乗る状態となる。このような状態を生じると新たに供給されたトナーは十分な電荷付与をえることが困難となる。つまり、トナーコート層中において、電荷量の異なる層が生じ、トナーコート層に乱れが生じる。新たに供給されたトナーは、電荷付与が十分に行われないまま、コートされるためベタ黒画像や中間調画像のように、均一画像上にさざ波状の画像不良を生じる。さらに、低温低湿環境下のような電荷付与性が高くなると、ベタ白画像中にもさざ波状の字汚れが発生する。
次に、クリーナレスシステムである実施形態2による、各種画像評価について説明する。
記録画像先端において、30〜50mmほどのベタ黒画像を印字し、その後ベタ白画像を配置した評価パターンを印字中に、画像記録装置を停止する。停止するタイミングは、先端のベタ黒画像の中心位置がちょうど現像領域に達した時点とする。そして、現像の前後の感光ドラム上において、表面に付着したトナーを反射率として測定し、その比を求めることにより、トナーの回収効率の評価を行うことが可能になる。実際には、ドラム上のトナーを一旦透明性のテープに転写し、トナーが付着したテープを記録しなどに貼り付けテープの上から、カブリ測定同様にトナーの正味の反射率を測定する。
△:30以上、50%未満である
○:50%以上である
評価は初期100枚時に行った。印字テストは、画像比率2%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。
実施形態2において最も異なる点は、ドラムクリーナを廃し、転写残りトナーを現像装置に回収してリサイクルするところにある。本発明においては、現像剤担持体である現像ローラは所定の加圧により被現像体である感光ドラムに押圧され、現像バイアスが印加されており、感光ドラム表面上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーにより現像(可視化)すると同時に非露光部(白地部)上の転写残りトナーを回収する。
実施形態1の時と同様に、実施形態2についても中間調画像欠陥評価を行う。
中間調画像欠陥1と同様に、トナー凝集塊や異物により、中間調画像欠陥2を生じる。しかし、実施形態2であるクリーナレスシステムにおいては、戻りトナーの回収をするため、中間調画像欠陥2を生じやすい。特に、非磁性接触現像のように、供給ローラが現像ローラに当接し、カウンター回転している場合、当接部において、物理的ストレスが高くなる。そのような構成を用いると戻りトナーや劣化トナーにより、凝集塊を生じやすく、顕著に中間調画像欠陥2を生じやすい。
実施形態2においては、記録紙から紙粉(紙繊維)が感光ドラムに付着し、帯電を経由し現像装置に取り込まれることがある。現像装置に取り込まれた場合、現像ローラなど紙粉が絡み現像ローラ周期のプロセス進行方向に伸びた画像不良を生じることがある。これを、B)の中間調画像欠陥とは区別して評価を行った。
△:中間調画像中に欠陥が1〜5点存在する
○:中間調画像中に存在しない
C−2)紙分による中間調画像欠陥の発生要因
戻りトナーに含まれる紙粉が現像装置内に混入すると現像ローラにトナーを供給するスポンジ状の供給ローラに紙粉が付着し、剥ぎ取り供給性の低下を生じる。紙粉が供給ローラ間に蓄積した場合、現像ローラ上のトナー層が乱され、プロセス方向にのびた欠陥を生じる。
画像評価はベタ黒画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。特に本発明では、0.3mm以上の欠陥を評価した。
△:ベタ黒画像中に直径0.3mm以上の白点が10〜50点存在する
○:ベタ黒画像中に直径0.3mm以上の白点が10点未満存在する
評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。評価は100枚印字後24時間経過した後ベタ黒画像を3枚出力して行った。画像評価ではこの3枚の中で最も多いページで代表した。
図14のように、AC電圧印加時、ベタ白を現像中に感光ドラム1の表面電位(暗電位Vd)と現像バイアス電圧値の最大値(Vmax)の差が最大の電界強度となり、リークL3が発生しやすい状態となる。
磁気凝集とは、トナーが数珠状に直鎖に連なって、凝集するものである。明確な発生メカニズムは、明らかではないが、おおよそ以下のようなメカニズムであると考えられる。まず、トナーが強い外部磁場中に存在する。次にトナーが、ある特定方向に一定の圧力が特定時間以上加えられる。そうすると、磁気的極性の小さいトナーが磁気的極性を生じ、数珠状に直鎖に連なり凝集する。
中:磁気凝集の存在比率が10%以上20%未満
小:磁気凝集の存在比率が10%未満
磁気凝集評価は、印字テスト5000枚印字後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を間欠的に通紙して行った。
表1に、実施例1・2及び比較例1〜12の実施形態1(ドラムクリーナ有り)における各種画像評価結果を示した。
はじめに、従来技術である、磁性非接触現像方式と非磁性接触現像方式に相当する比較例に対する優位性を示す。
磁性非接触現像方式である比較例6の現像装置60C(図6)は実施形態1においては、ヘアライン均一性の低下や画像エッジ不良を生じる。これは、比較例6が磁場による磁気穂を形成して現像することにより、穂の移動方向であるかどうかにより、現像時のヘアライン均一性に差が生じやすくなる。また、現像スリーブ60f−感光ドラム1間距離が大きくAC電界により、画像部非画像部を問わずトナーが飛翔する結果、画像のエッジ部分にはトナーがはきよせられエッジ部と中央部に濃度差を生じる。
次に、非磁性接触現像方式である比較例10・11の現像装置60F・60G(図9・図10)について述べる。実施形態1においては、比較例10は、カブリの耐久劣化を生じる。これは、弾性ローラ60kによる供給剥ぎ取り動作によりトナーが機械的ストレスを受け、トナー帯電特性が低下することに起因する。また、このときトナー劣化による濃度低下も見られる。一方、比較例11においては、ブレードバイアスが印加されているため、帯電特性の低下した劣化に電荷付与することができるため、カブリの耐久劣化を抑えられている。しかしながら、トナー切れ直前のカブリは比較例10・11ともに、悪化した。その理由として、現像装置内のトナーが減少したときには、上記劣化トナーと循環に関与していなかった未劣化トナーが混合され著しくトナー帯電特性を低下させ、激しいカブリを生じる。劣化トナーと未劣化トナーが混合された状態においては、比較例11のようにブレードバイアスが印加されていてもカブリが悪化する。また、比較例10・11どちらにおいても、トナー凝集塊等が弾性ローラに付着し、中間調画像欠陥が軽微ながら発生する。
(1−3a)実施形態1
一方、実施例1の現像装置60A(図1・図2)は、実施形態1、2いずれにおいても良好な画像形成装置を構成できる。特に平均円形度が0.965以上と球形のトナーを用いているため、ハーフトーンの均一性が向上している。つまり、画質が向上し、画質の粒状感が目立たない。
次に、実施例1について実施形態2における評価を行う。
また、比較例9のように、多極マグネットロール60qを用い回転磁力による供給や剥ぎ取り性を向上することも考えられるが、結果的にはゴースト性能が劣る結果となった。また、規制部及び現像部において磁力が振動するため、トナー層のコート状態が不安定であるために、若干カブリも悪い結果となった。また、トナー層のコート状態が不安定であるため、低温低湿環境下において、コート状態の乱れがより顕著化し、さざ波状画像不良が発生した。多極マグネットロール60qにより磁力が多少弱くなるが磁気穂による影響は依然あり、ヘアライン均一性は劣っている。一方、接触DC現像により、画像エッジ不良やクリーナレス回収性は感光ドラムの接触により良くなっている。
比較例12は、比較例10に対し剥ぎ取り供給部材の構成を変更し、カブリとゴーストの両立を図ろうとした例であるが、トナー切れ直前のカブリが若干改善されるが不十分であった。また、固定の剥ぎ取り部材60jを設けているために、特に実施形態2における中間調画像欠陥や紙粉による中間調画像欠陥が劣っている。画像としては固定の剥ぎ取り部材60jなので、周期性はないがスジ状に絶えず画像不良が生じた。印字後現像装置60Hを解体した結果剥ぎ取り部材60jに紙粉などの付着物が確認された。ドラムクリーナ8を有する実施形態1の時よりクリーナレスである実施形態2において中間調画像欠陥を生じた理由としては、回収したトナーの影響により、トナー劣化が進んだ結果、あるいは、回収したトナーに含まれる異物を核にトナーの凝集を促進させ、凝集塊が発生したためと考えられる。また、さざ波状画像不良が中間調画像中に生じた。固定の剥ぎ取り部材60jのため、トナーの入替わり性が比較例7に比べ劣る。低温低湿環境下において、高電荷を有したトナーが現像ローラ60hの表面に電気的に強固に付着したため、固定の剥ぎ取り部材60jでは、十分に引き剥がすことができない。そのため、現像ローラ60hに強固に付着したトナーの上に現像装置内のトナーを供給すると、あとから供給された現像装置内のトナーは、十分に電荷付与をえられないため、コート状態が不安定となり、さざ波状画像不良が発生したと考えられる。
はじめに、実施形態1(ドラムクリーナ付き)について比較する。
まず、ブレードバイアスの印加していない比較例4・5について比較する。
次に、比較例3との比較をする。比較例3は、比較例5に対して、ブレードバイアスを印加したものである。ブレードバイアスを印加することで、電荷付与性の低下したトナーに対しても電荷付与性を向上させることで、高温高湿下の印字枚数増加時のカブリを抑制した。しかしながら、ベタ黒画像中で著しい濃度差を生じた。具体的には、現像スリーブ周長分のみ十分な濃度が得られ、2周長分以降は、著しい濃度低下を引き起こした。この理由として以下のように考えられる。平均円形度0.965以上と球形のトナーを用いているため、現像スリーブ表面との付着力が弱い。そのため、十分な電荷付与が行われていないと規制ブレードを通過することができない。また、ブレードバイアスを印加しているため、規制ブレードと現像スリーブ間に電気的引力が働く。このため、規制ブレード部を通過できずに、はじかれやすくなる。特に、極間規制位置であるために、当接部付近の磁束密度は、現像スリーブ表面に対して水平方向Bθ成分が支配的となる。この場合、規制部付近のトナーは、現像スリーブ表面に対して、水平な方向へ移動しやすくなる。つまり、規制部での規制力が強くなると、磁気的に抗する力が著しく低下し、規制部を通過することが困難となる。加えて、規制部上流の磁極の方向への力が働くため、より規制部の通過が困難となる。さらに、感光ドラム1に現像スリーブ60bを押圧して当接させ、かつ、球形トナーであるために、現像効率が非常に高い。そのため、ベタ黒画像を印字すると、現像直後の現像スリーブ上に存在するトナー量が著しく少なくなるため、現像容器60e内で新たにトナーを補充するために高い供給性が必要となる。ベタ黒画像のような高印字率の画像の印字時に、現像装置内のトナーの高い供給が必要となるにもかかわらず、現像スリーブ60bとの表面との付着力の低下、規制ブレード60cの通過のしにくさの増加のため、ベタ黒画像先端から、現像スリーブ1周分の長さのみベタ黒濃度が維持され、2周分以降、極端に濃度低下を引き起こしたと考えられる。また、ゴーストも供給性の悪化に伴って悪化した。
実施例1と比較例2,3,6,11を比較することで本実施例の有利な効果について述べる。
トナーの磁気凝集量増加による画像不良について述べる。まず、磁気凝集量とヘアライン均一性の悪化の関係について、実施例1、比較例1〜6を比較する。
つぎに、磁気凝集量とカブリ量の悪化の関係について、実施例1、比較例1〜6を比較する。実施例1、比較例3,6,7は、高温・高湿環境下の印字枚数の増加時において、カブリ量の増加はなく、良好である。比較例6,7においては、磁気凝集量に関係なくカブリ量の増加はない。つまり、磁気凝集が発生しても非接触現像方式ではカブリは悪化しない。
比較例8は、比較例7に対して、ブレードバイアスを印加した例である。非接触であるために、比較例8は、比較例6,7と同様に、尾引きによる細線均一性が悪い。低温低湿環境下において、さざ波状画像不良を生じる。まず、金属スリーブであるため現像スリーブ60fの表面とトナー間の鏡像力が高まる。さらに、ブレードバイアスにより、トナーの電荷付与性を向上するため、より鏡像力が大きくなる。結果、スリーブ表面に強固に静電付着したトナーの上に現像装置60Dからトナーが供給されても適正な電荷付与を得ることができなくなる。つまり、不安定なトナー層が形成され、さざ波状画像不良が形成される。
つぎに、実施形態2(クリーナレスシステム)について比較する。
クリーナレスシステムでのトナー回収性については、非接触現像方式である比較例6,7,8は回収性が悪く、一方、実施例1,2、比較例1〜5,10〜12は接触現像であるために良好であった。ただし、接触現像である比較例9においては軽微であるがやや回収性の低下がみられた。多極マグネットロールを用い回転磁力による供給や剥ぎ取り性を向上することも考えられるが、規制部及び現像部において磁力が振動するため、トナー層が不安定であるために回収性が低下したと考えられる。ベタ黒画像欠陥については、非接触現像で現像バイアスにAC電圧を重畳しているために、紙分によるリークが発生し、ベタ黒画像欠陥を生じる。一方、実施例1,2、比較例1〜5,9〜12においては、紙分よるリークもなくベタ黒画像欠陥を生じることなく、良好な画像をえた。
中間調画像欠陥2においては、実施例1、同2及び比較例1〜9では良好であった。一方、比較例10,11では、剥ぎ取り・供給のための弾性ローラ60kが当接され、現像ローラ60hとカウンター回転しているために、トナーがストレスを受け、トナーの凝集塊が発生しやすい。さらに、クリーナレスシステムであるために、転写残りトナーを回収するため、さらに、トナー劣化しやすい。このことにより凝集塊が生成しやすくなり、実施形態2において、中間調画像欠陥が悪化したと考えられる。比較例12においては、固定の当接部材60jであるために、トナーにかかるストレスが低減し、軽微な画像不良であった。以上のことから、本発明のクリーナレスシステムにおいても、トナーの受けるストレスが低いために、トナーの凝集塊が生じにくい。
以上、実施例1,2の効果は、実施形態1においては、カブリ量の抑制、トナー切れ時のカブリ量の抑制、ゴーストの抑制、画像エッジ不良の抑制、中間調画像欠陥1の抑制、さざ波状画像不良の抑制をバランスよく行うことができる。
それにより、穂立ちを抑制することで、ヘアライン均一性を維持することができる。
以下では、規制ブレード60cの現像スリーブ60bへの当接位置と磁極の関係(図3の0〜45の範囲)およびNsb/(Bs×R)の範囲に関して述べる。ここでは図3の0〜45度についてのみ、述べているが、−45〜0度、および、45〜135度においても|Br|/|B|の値に依存し、−45〜0度、45〜135度においても本発明の効果を有する。さらに、異なる磁極配置のマグネットロールを用いた場合においても、|Br|/|B|の値に依存し、マグネットロールに依らず、本発明の効果を有する。
実施例3〜10は実施例1の現像装置60Aに基本的に準ずるが、以下の点において異なる。
比較例13〜15は実施例1記載の現像装置60Aに基本的に準ずるが、以下の点において異なる。
実施形態1において、前述のa)カブリ評価、d)ヘアライン均一性、f)ベタ黒濃度差による画像評価を行った。その結果を表3に示す。
はじめに、現像剤担持体1周長分と2周長分以降のf)ベタ黒濃度差評価についての評価結果を図16に示す。
次に、磁気凝集量が増加することにより発生する問題であるヘアライン均一性の評価について述べる。結果を図17に示す。
さらに、接触現像方式において、磁気凝集が増加すると発生する問題である高温高湿下の印字枚数増加時のカブリ量評価について述べる。
以上、実施例3〜10、比較例13〜15について整理すると、図19に示すように、規制ブレード60cの当接位置を|Br|/|B|≧0.5が好ましく、さらに、|Br|/|B|≧0.7がより好ましい。さらに、規制部の当接条件としては、Nsb/(Bs×R)≦0.5の範囲であることが好ましく、さらにNsb/(Bs×R)≦0.35であることがより好ましい。|Br|/|B|≧0.7、Nsb/(Bs×R)≦0.35においては、安定的にすべての画像評価が良好である。
つぎに、現像バイアスにAC電圧を印加した場合の実施例11について述べる。この実施例11は現像剤量規制手段と現像剤担持体間に現像剤を介して印加する電圧が、直流バイアスに交番バイアスを重畳した電圧であり、該前記現像剤の極性側であることを特徴とする。
|V|max≦|Vd|
を満たし、現像バイアスVを現像剤担持体に印加して、被現像体を現像剤で現像する。
(1)請求項1に係る発明によれば,以下の点において効果がある。
1)実施形態では画像記録装置としてレーザプリンタを例示したが、これに限られず、電子写真複写機、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ等他の画像記録装置(画像形成装置)でもよいことは勿論である。
Claims (14)
- 現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤を規制する現像剤量規制手段と、前記現像剤担持体が被現像体を押圧しながら前記被現像体を現像剤で現像する現像装置において、
前記現像剤担持体表面が弾性体であり、
前記現像剤が平均円形度0.965以上の一成分磁性トナーであり、
前記現像剤は前記現像剤担持体の内部に設けられた固定の磁場発生手段によって、前記現像剤担持体に引き寄せられ、現像に臨み前記現像剤量規制手段によって量規制され、
前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体間に前記現像剤を介して電圧が印加され、
前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置において、前記磁界発生手段により発生する磁束密度Bの関係が下記の(1)式を満たし、前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置における当接幅Nsbが、Brについて最近接磁極の半値幅Bs[rad]の関係が下記の(2)式を満たすことを特徴とする現像装置。
記
|Br|/|B|≧0.5 ・・・(1)式
Nsb/(Bs×R)≦0.5・・・(2)式
ここで、|B|は、磁束密度Bの大きさ(|B|=|Br2+Bθ2|1/2)であり、Brは、前記現像剤担持体表面に形成される磁束密度Bのうち、前記現像剤担持体表面に対して垂直成分、Bθは前記現像剤担持体表面に対して水平成分である。Rは、前記現像剤担持体の半径である。 - 前記トナーの平均円形度が0.970以上であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置において、前記磁界発生手段により発生する磁束密度の関係が下記の(3)式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
記
|Br|/|B|≧0.7 ・・・(3)式 - 前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体との当接位置における当接幅Nsbが、Brについて最近接磁極の半値幅Bs[rad]の関係が下記の(4)式を満たすことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の現像装置。
記
Nsb/(Bs×R)≦0.35・・・(4)式 - 前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体間に前記現像剤を介して印加する電圧が、直流バイアスであり、前記現像剤量規制部材側の電位が前記現像剤担持体の電位より前記現像剤の極性側であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の現像装置。
- 前記現像剤量規制手段と前記現像剤担持体間に前記現像剤を介して印加する電圧が、直流バイアスに交番バイアスを重畳した電圧であり、該重畳電圧の直流成分において、前記現像剤量規制部材側の電位が前記現像剤担持体の電位より前記現像剤の極性側であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の現像装置。
- 直流バイアスを印加する電圧印加手段を具備し、前記直流バイアスを前記現像剤担持体に印加して、前記被現像体を前記現像剤で現像することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の現像装置。
- 直流バイアスに交番バイアスを重畳した現像バイアスVを前記現像剤担持体に印加する電圧印加手段を具備し、前記現像バイアスVの絶対値の最大値|V|maxと、前記帯電手段により前記被現像体表面を帯電する所定の電圧値Vd(暗電位)の関係が
|V|max≦|Vd|
を満たし、前記現像バイアスVを前記現像剤担持体に印加して、前記被現像体を前記現像剤で現像することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1つに記載の現像装置。 - 画像形成装置に着脱可能であり、少なくとも請求項1乃至8の何れか1つに記載の現像装置を含むことを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 画像形成装置に着脱可能であり、少なくとも、像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置とを含むプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置は請求項1乃至8の何れか1つに記載の現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 前記現像装置は、像担持体に担持された現像剤を被転写材に転写する転写工程後に、前記像担持体に残留した転写残現像剤を回収することを特徴とする請求項8または11に記載のプロセスカートリッジ。
- 請求項9乃至11の何れか1つに記載のプロセスカートリッジを取り外し可能に装備することを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電装置と、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置と、前記像担持体に担持された現像剤を被転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、前記現像装置は請求項1乃至8の何れか1つに記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電装置と、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置と、前記像担持体に担持された現像剤を被転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、前記現像装置は請求項1乃至8の何れか1つに記載の現像装置であるとともに、前記像担持体に担持された現像剤を被転写材に転写する転写工程後に、前記像担持体に残留した転写残現像剤を回収することを特徴とする画像形成装置。
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