JP3768702B2 - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば電子写真複写機、電子写真プリンター等の画像形成装置に関し、特にその現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザービームプリンターや複写機等の電子写真方式の画像形成装置において、その現像装置は粉体状の現像剤、すなわちトナーを用いている。このトナーは、現像容器内に収容され、現像剤搬送手段により現像剤担持体へ搬送され、現像剤担持体上に担持される。そして規制部材により現像剤層厚を規制するとともに所定の電荷を付与された後、現像剤担持体と像担持体とが対向した現像領域へ搬送され、像担持体上の静電潜像の現像に使用される。
【0003】
図14に、従来の現像装置の一例として磁性1成分現像装置を示す。本現像装置は、磁性1成分現像剤の磁性トナー(図示せず)を収容した現像容器43を備え、この磁性トナーは、平均粒径6.6〜9.0μm程度で、絶縁性のネガトナーとされている。現像容器43の開口部には、現像剤担持体としてアルミニウムのパイプから形成された現像スリーブ40が、感光ドラム1と300μm程度の間隔をあけて回転自在に設置されている。本例の現像装置は小型に構成されており、それにともない、現像スリーブ40は直径12mmとされている。この現像スリーブ40の表面は、その上に所望量のトナーを担持して搬送できるように、適当な表面粗さに加工されている。
【0004】
現像スリーブ40の内側には、直径10mmのマグネットローラ42が非回転に配設され、このマグネットローラ42には磁極N、Sが交互に2組形成されている。現像スリーブ40の上方には、現像剤規制部材として、たとえばウレタンゴム製の弾性ブレード41が設置され、この弾性ブレード41は、現像スリーブ40の表面に8g/cm程度の当接圧で当接されている。現像容器43の奥側には、現像剤搬送部材15が設置されている。
【0005】
弾性ブレード41の当接圧はいわゆる引き抜き圧で、本明細書においては、弾性ブレードの当接圧は全て引き抜き圧を示す。引き抜き圧は図15に示すように測定した。
【0006】
図15に示すように、厚さ25μmのSUS薄板45aを折り曲げて、その中間に同じ厚さの別のSUS薄板45bを挟んだものを、現像スリーブ40とこれに当接した弾性ブレード41との間に挿入し、中間のSUS薄板45bを図示しないバネ秤で引っ張って、引き抜けた際のバネ秤の荷重の読みをSUS薄板45bの幅、すなわち引き抜き方向の長さで割って求めた。これを引き抜き圧の測定値とした。
【0007】
現像容器43内に収容された磁性トナーは、搬送部材15により現像スリーブ40に送られ、マグネットローラ42の磁力により現像スリーブ40の表面に担持される。担持されたトナーは、現像スリーブ40の回転にともない弾性ブレード41のところに運ばれ、そこで現像スリーブ40に当接した弾性ブレード41により層厚を適当量に規制され、さらに現像スリーブ40と弾性ブレード41との間で摺擦されることにより、適当な摩擦帯電電荷を付与される。
【0008】
層厚を規制され、摩擦帯電電荷を付与された磁性トナーは、現像スリーブ40の回転につれて感光ドラム1と対向した現像領域へと搬送され、感光ドラム1上に形成された静電潜像の現像に供される。
【0009】
現像時、高圧電源44により現像スリーブ40に交流と直流を重畳した現像バイアスが印加され、この現像バイアスの交流成分の電位変化に従い、現像スリーブ40上のトナーが、あたかもジャンプをし続けているかのように、現像スリーブ40と感光ドラム1との間を往復しながら、感光ドラム1上の潜像に付着していき、潜像を現像する。現像により潜像はトナー像として可視化される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像の高画質化のために、静電潜像に忠実な画像の再現を目的として、トナーの微粒子化が進められているが、重量平均粒径D4が6.5μm以下の微粒子トナーは帯電しづらいので、前記の図14の小型の現像装置に使用すると、画像の濃度薄を発生する傾向があることが分かってきた。
【0011】
図16に、画像形成枚数に対する画像濃度の推移のトナーの平均粒径6μmおと8μmとによる違いを示す。
【0012】
なお、トナーの平均粒径は種々の方法で測定できるが、本明細書では、コールターマルチサイザーII型(コールター社製)を用いて行った。測定方法はつぎの通りである。
【0013】
電解液として、1級塩化ナトリウムを用いて約1%のNacl水溶液を調製する(市販品としてコールターサイエンティフィックジャパン社製のISOTRON(R)-II が入手できる)。まず、電解液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料のトナーを2〜20mg加える。ついで、試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理した後、上記の測定装置により100μmのアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定し、体積分布と個数分布を算出する。つぎに体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径D4(各チャンネルの中央値をチャンネルごとの代表値とする)を求める。
【0014】
さて、図16に示されるように、平均粒径8μmのトナーを使用した場合には、画像の濃度は、画像形成初期で薄い傾向にあるが、2500枚の画像形成の後期に至るまで全体的に濃い。これに対し、平均粒径6μmのトナーを使用した場合は、画像濃度は、画像形成初期に特に薄い他、画像形成の後期に至るまで全体的に薄い。
【0015】
これから分かるように、小型の現像装置に平均粒径6.5μm以下の微粒子トナーを使用した場合は、画像の濃度薄が生じる傾向にあり、改善の必要がある。
【0016】
そこで、図14の現像装置で、弾性ブレード41の現像スリーブ40への当接圧(引き抜き圧)を8g/cmから30g/cm程度に引き上げて、弾性ブレード41による微粒子トナーの摩擦帯電性を高めたところ、微粒子トナーに大きな帯電電荷が付与されて、画像の濃度薄が改善された。
【0017】
図17に、弾性ブレードの当接圧に対するベタ黒画像の初期濃度の推移を示す。図17に示されるように、ベタ黒画像の濃度を画像形成初期から満足できるようにするためには、弾性ブレード41の当接圧を20g/cm以上にする必要がある。
【0018】
しかしながら、小径、薄肉の現像スリーブ40に対し、このように弾性ブレード41の当接圧を高めると、現像スリーブ40は撓んでしまい、現像スリーブ40が長手方向中央部で内側のマグネットローラ42に近づいて、ついには現像スリーブ40がマグネットローラ42と接触する事態を生じる。
【0019】
マグネットローラ42への接触があると、現像スリーブ40は回転にともないマグネットローラ42と摺擦し、また異音が発生したり、現像スリーブ40の回転トルクが高くなるといった弊害を引き起こす。
【0020】
このように、平均粒径6.5μm以下の微粒子トナーによる現像で濃度薄を回避するには、弾性ブレード41による高い当接圧に耐えられるように、現像スリーブ40の直径をたとえば16mm程度に大きくし、厚さを増して、強度を強くする等の対策が必要となる。
【0021】
しかしながら、その場合には、現像装置の大型化を招く。またプロセスカートリッジでは小型化の要請が強いが、その小型化を十分に達成できない。
【0022】
本発明の目的は、弾性ブレードの当接圧を高くしないでも、微粒子トナーを用いた現像で濃度薄を防止することができ、現像スリーブの小径化等による小型化を可能とした現像装置、それを備えた画像形成装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る現像装置および画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、現像剤担持体上に現像剤を担持し、現像剤担持体に当接した弾性ブレードにより現像剤担持体上の現像剤の量を規制しながら、現像剤担持体により現像剤を像担持体と対向した現像領域へ搬送し、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤により、現像剤担持体に現像バイアスを印加下に現像する現像装置において、
前記現像剤は、重量平均粒径が6.5μm以下のネガ帯電性の磁性トナーであり、現像剤の帯電極性と逆極性のポジ帯電性のチタン酸ストロンチウム又はメラニン樹脂の粒子が外添されており、このポジ帯電性の粒子は現像剤と接離可能であり、さらに、前記弾性ブレードの現像剤担持体への当接圧が20g/cm以下であり、
前記現像バイアスは、直流電圧と、前記現像領域において現像剤担持体上の現像剤に対し、現像剤担持体から像担持体に向かう方向に力を及ぼす第1ピーク電圧V1と、像担持体から現像剤担持体に向かう方向に力を及ぼす第2ピーク電圧V2とが交互に現れる振動電圧とを重畳してなり、前記第1、第2ピーク電圧V1、V2が、前記像担持体表面の明部電位VL、暗部電位VD、現像剤担持体と像担持体とのSDギャップHに関し、
|V1−VL|/H≧3.7×10 −6 V/m
|V2−VD|/H≦2.9×10 −6 V/m
の関係を満たすことを特徴とする現像装置である。
【0024】
本発明の一実施態様によれば、前記現像剤担持体は直径が14mm以下である。
【0026】
さらに、本発明は、少なくとも、像担持体と、像担持体上に帯電および露光により静電潜像を形成する潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置とを備えた画像形成装置において、前記現像装置が上記の現像装置であることを特徴とする画像形成装置である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施例を図面に則して更に詳しく説明する。
【0029】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構成図である。本画像形成装置は、電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンターで、プロセスカートリッジ方式とされている。
【0030】
図1に示すように、プリンターは、プリンター本体に着脱自在なプロセスカートリッジ16を備え、このカートリッジ16は、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置3およびクリーニング装置9の4つのプロセス機器を、カートリッジフレーム23内に組み込んでなっている。プロセスカートリッジ16は、プリンター本体側の複数箇所の支持部材14で受けることにより、プリンター本体に対し着脱自在に装着され、位置決めされる。
【0031】
なお、本発明で、プロセスカートリッジとは、感光ドラム1の他に、帯電ローラ2、現像装置3およびクリーニング装置9のうちの少なくとも1つを組み合わせて構成したものならば、いずれでもよい。
【0032】
プロセスカートリッジ16のフレーム23の上面部分には、レーザービームLが侵入するスリット窓穴部24が設けられている。またフレーム23の下面部分は開口していて、そこに感光ドラム1の下面露出部に対する図示しない開閉シャッターが設けられている。このシャッターは、プロセスカートリッジ16をプリンター本体から取り出したときは閉じて、感光ドラム1の下面を覆い、プリンター本体へ装着したときには開いて、感光ドラム1の下面を露出するようになっている。
【0033】
またプロセスカートリッジ16はプリンター本体に装着されると、プリンター本体と機械的、電気的にカップリングして、プリンター本体側の駆動機構で感光ドラム1や現像装置3の現像スリーブ6等の駆動を可能とし、プリンター本体側の電源から帯電ローラ2や現像スリーブ6等への所定のバイアスが印加可能としてある。
【0034】
感光ドラム1は、回転ドラム型の電子写真感光体で、本実施例では、円筒状のアルミニウム製基体の外周に、有機光導電体層(OPC)からなる感光体層を形成してなっており、アルミニウム基体は接地されている。感光ドラム1は、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)、たとえば50mm/秒で回転駆動される。
【0035】
感光ドラム1はその回転過程で、帯電ローラ2により表面を所定の極性、所定の電位VD (暗部電位)に一様帯電される。帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面に接触して従動回転し、高圧電源18からの交流電圧と直流電圧を重畳した振動電圧の印加により、感光ドラム1の表面を帯電する。本実施例では、感光ドラム1の表面を暗部電位VD =−600Vに帯電した。
【0036】
帯電された感光ドラム1に対し、レーザースキャナ5から画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザービームLが出力され、レーザービームLは、反射ミラー4を介して感光ドラム1の表面を走査露光し、感光ドラム1の表面に目的の画像情報に応じた静電潜像が、暗部電位VD を背景部電位として電位VL (明部電位)で形成される。本実施例では、静電潜像を明部電位VL =150Vで形成した。
【0037】
感光ドラム1に形成された静電潜像は、現像装置3により負に帯電したトナーを用いて反転現像され、トナー像として可視化される。現像時、現像装置3の現像スリーブ6に高圧電源20から所定の現像バイアスが印加される。現像装置3について後で詳述する。
【0038】
一方、図示しない給紙部から転写ガイド7を経て搬送された記録材Pが、感光ドラム1とこれに当接した転写ローラ8との当接ニップ部(転写部)に、感光ドラム1上のトナー像の形成とタイミングを合わせて供給される。感光ドラム1上のトナー像は、図示しない高圧電源からの所定の転写バイアスを印加した転写ローラ8により、記録材Pの表面に転写される。
【0039】
トナー像の転写を受けた記録材Pは、転写部を経て定着装置30へ導入され、そこで加熱および加圧することにより、トナー像を記録材Pの表面に固定する定着処理をした後、画像形成物(プリント)として、プリンターの機外に排出される。
【0040】
現像装置3は、図2に示すように、現像剤として磁性1成分現像剤の磁性トナーを収容した現像容器12を有し、現像容器12の開口部に前記の現像スリーブ6が、感光ドラム1と所定の間隔をあけて回転自在に設置されている。現像スリーブ6は小径、薄肉とされ、直径12mm、厚さ1mmのアルミニウムパイプからなっている。現像スリーブ6の表面は、導電性樹脂層を形成して粗面化している。導電性樹脂層は、フェノール樹脂にカーボン粒子、固体潤滑性を有するグラファイトを混合して形成されている。
【0041】
現像スリーブ6の内側には、直径10mmのマグネットローラ11が非回転に配設され、このマグネットローラ11には磁極N1、S1、N2、S2が交互に形成されている。現像スリーブ6の上方には、現像剤規制部材として弾性ブレード10が設置され、この弾性ブレード6は現像スリーブ40の表面に所定の当接圧で当接されている。現像容器12の奥側には、現像剤搬送部材15が設置されている。
【0042】
磁性トナーは、ネガ帯電性の高抵抗絶縁性トナーであり、平均粒径(重量平均粒径D4)6μmの微粒子トナーとされている。この微粒子トナーは、バインダー樹脂100重量部に対し、磁性体を100重量部、ネガ帯電性の荷電制御剤を1重量部配合して、これらを混合し、溶融混練し、粉砕し、重量平均粒径D4が6μmの分級品とし、さらに分級品100重量部に対して、疎水性シリカ微粉体を1.5重量部、およびポジ性外添剤としてのチタン酸ストロンチウムを0.6重量部、乾式混合して製造した。
【0043】
現像容器12内に収容された磁性トナーは、搬送部材15により現像スリーブ6に送られ、マグネットローラ11の磁力により現像スリーブ6の表面に担持される。担持されたトナーは、現像スリーブ6の回転にともない弾性ブレード10のところに運ばれ、そこで現像スリーブ6に当接した弾性ブレード10により層厚を適当量に規制され、さらに現像スリーブ6と弾性ブレード10との間で摺擦されることにより、適当な摩擦帯電電荷を付与される。
【0044】
マグネットローラ11の磁力は、感光ドラム1との対向位置の磁極S1が75mT、弾性ブレード10付近の磁極N1が65mT、現像容器12の奥方向を向いた磁極S2が60mT、現像スリーブ6下部との対向位置の磁極N2が65mTである。
【0045】
層厚を規制され、摩擦帯電電荷を付与されたトナーは、現像スリーブ6の回転につれて現像領域へと搬送され、感光ドラム1上に形成された静電潜像の現像に供される。現像時、高圧電源20により現像スリーブ6に交流と直流を重畳した現像バイアスが印加される。現像バイアスについては後述する。
【0046】
ところで、重量平均粒径D4が6.5μm以下の微粒子トナーは、摩擦帯電しづらいので、十分な摩擦帯電電荷を付与しようとしたら、弾性ブレード10の当接圧を高くする必要があるが、小型の現像装置では、現像スリーブ6が小径、薄肉になるので、弾性ブレード10による押圧で撓みやすい。
【0047】
そこで、本発明は、弾性ブレード10の当接圧を20g/cm以下に小さくしても、帯電しづらい微粒子トナーに十分に帯電電荷を付与できるようにして、現像画像の濃度薄を防止することにある。以下、詳述する。
【0048】
本実施例で、磁性トナーは、ネガ帯電性の平均粒径(重量平均粒径D4)6μmの微粒子トナーとしたが、この微粒子トナーは、通常の外添剤の疎水性シリカ微粉体の他に、前記のように、ポジ性外添剤のチタン酸ストロンチウムを外添して使用した。このポジ性外添剤を、トナー粒子間に介在して電荷付与を行う、いわゆるマイクロキャリアとして作用する。このようなネガ帯電性のトナーに対するポジ性外添剤としては、上記の他にメラニン樹脂粒子などを使用することもできる。
【0049】
弾性ブレード10は、厚さ0.9mmのウレタンゴムを支持板金に接着して構成したが、本実施例では、この弾性ブレード10を現像スリーブ6に、従来の30g/cmよりも低い8g/cmの当接圧(引き抜き圧)で当接した。
【0050】
上記8g/cmの低当接圧の弾性ブレード10でポジ性外添剤を添加した微粒子トナーを規制したときの、現像スリーブ6へのトナーコート量M/Sとトナーの平均電荷量Q/Mを表1に示す。また、ポジ性外添剤の添加のない微粒子トナーを、弾性ブレード10の当接圧を8g/cm、20g/cm、30g/cmとして規制したときの結果を、比較例1、2、3として、表1に併せて示す。
【0051】
【表1】
【0052】
表1に示されるように、本発明によれば、ネガの微粒子トナーへポジ性外添剤を添加したので、規制後の現像スリーブ6上のトナーに、比較例2、3の弾性ブレード10の当接圧20〜30g/cmに相当する平均電荷量Q/M=−12μC/gが得られた。
【0053】
弾性ブレードの当接圧に対するネガ微粒子トナーの平均電荷量Q/Mの変化のトナーへのポジ性外添剤の添加の有無による違いを図3に、同じく、弾性ブレードの当接圧に対するトナーのコート量の変化の違いを図4に示す。図3、図4に示されるように、現像スリーブ6へのトナーのコート量は、ネガの微粒子トナーへのポジ性外添剤の添加の有無の違いによる変化がほとんど認められないが、トナーの平均電荷量は、ポジ性外添剤の添加により、かなり上昇することが分かる。
【0054】
このように、本発明は、微粒子トナーにこれと帯電性が逆極性の外添剤を添加することにより、低当接圧の弾性ブレードによる規制で、トナーに十分な平均電荷量を達成するものである。
【0055】
本発明をさらに説明すると、従来、トナーの帯電の機会には、トナー粒子相互の摩擦、トナーの現像スリーブ6との摩擦、および弾性ブレード10との摩擦がある。しかしながら、トナー粒子相互の摩擦は、トナーの大半が現像容器12内を循環し、摩擦の機会が圧倒的に多いにもかかわらず、同極性トナー同士の摩擦であるため、トナーの帯電にほとんど寄与しない。したがって、トナーは、主として、現像スリーブ6や弾性ブレード10との摩擦で帯電せざるを得ず、このためトナーの帯電が不十分となる。特に平均粒径6.5μm以下の微粒子トナーは、粒径が小さいため同一重量のトナーでも、粒径の大きいトナーよりも個数が多くなり、個々のトナーは現像スリーブ6や弾性ブレード10との接触の機会が少なくなるため、帯電がより不十分となる。
【0056】
本発明では、上記のトナーと現像スリーブ6および弾性ブレード10との摩擦帯電に加えて、前述したように、ネガ性の微粒子トナーにポジ性外添剤を添加して、ネガ性トナーとポジ性外添剤の摩擦といった新たな帯電の機会を与えた。このポジ性外添剤は、ネガ性の微粒子トナーのトナー粒子間に介在して、いわゆるマイクロキャリアとして働き、スペーサおよびコロ的な役割をしながら、トナーと摩擦してトナーに帯電電荷を付与する。このようなポジ性外添剤を添加したトナーによれば、現像容器12内での循環中に十分な摩擦帯電がなされ、現像に適当な帯電電荷を獲得することが可能となる。
【0057】
図5により、ポジ性外添剤のマイクロキャリアとしての作用をさらに説明する。
【0058】
図5(a)において、ネガ性の微粒子トナーTの平均粒径Rs=6μm、ポジ性外添剤mの平均粒径Rp=1μmで、トナーTとポジ性外添剤mの粒径比はRs:Rp=6:1であり、ポジ性外添剤mは、常時、トナーTに付着できるほど小さくない。このため、外添剤mは、現像容器12内での循環中のメカニカルな力により、トナーTと相互に接触したり離れたりして、電荷のやりとりをする。
【0059】
つまり、図5(a)に示すように、ポジ性外添剤mがネガ性の微粒子トナーTの不定形の表面で接触しつつ回転し、微粒子トナーTに電子eを与え、ポジ性外添剤m自身はプラスの電荷を受け取る。その後、ポジ性外添剤mが微粒子トナーTを離れると、微粒子トナーTは受け取った電子eの分だけ、よりネガ方向に帯電することになる。
【0060】
これに対し、図5(b)に示す通常粒径の従来のネガ性のトナーT′は、平均粒径Rs=8μmで、トナーT′とポジ性外添剤m(平均粒径Rp=1μm)の粒径比はRs:Rp=8:1であり、ポジ性外添剤mは従来トナーT′と比べてかなり小さくなるので、トナーT′に付着しやすい。このため、現像容器12内での循環中のメカニカルな力に対し、外添剤mがトナーT′から振り落とされづらい。
【0061】
つまり、図5(b)に示すように、ネガ性のトナーT′の不定形の表面でのポジ性外添剤mの接触、回転により、トナーT′が外添剤mから電子eをもらってネガに帯電しても、自身がプラスに帯電した外添剤mがトナーT′に付着したままであると、トナーT′のマイナスの電荷が中和される。したがって、ポジ性外添剤mはトナーT′を良好に帯電できない。
【0062】
このように、ポジ性外添剤はマイクロキャリアとして、従来トナーのときよりも微粒子トナーに対して効果的に働いて、微粒子トナーに現像に適当な帯電電荷を獲得させることができる。
【0063】
図6は、弾性ブレードの当接圧に対するベタ黒画像の初期濃度の変化のネガ微粒子トナーへのポジ性外添剤の添加の有無による違いを示すグラフである。図6に示されるように、弾性ブレード10の当接圧が20g/cm以下でも、微粒子トナーにポジ性外添剤を添加すれば、1.36以上の初期ベタ黒濃度が得られており、画像形成初期から十分な濃度を得ることができるのが分かる。
【0064】
ところで、ポジ性外添剤は、ネガトナーと帯電極性が逆極性であるため、画像上白地部(暗部電位部)に飛翔しやすく、また印字比率上、通常は白地部の方が黒地部よりも多く、画像形成初期からポジ性外添剤が消費されやすいので、これらに対する対策が必要となる。ポジ性外添剤の白地部への飛翔を防止して消費を抑えるためには、現像バイアスを弱めればよいが、そうすると、微粒子トナーの現像性も低下してしまう。
【0065】
そこで、本発明では、現像スリーブ6に印加する現像バイアスを、白地部へのポジ性外添剤の飛翔による消費を抑え、同時に微粒子トナーの現像性を低下させないように工夫した。
【0066】
前述したように、現像スリーブ6は両端のスペーサにより、感光ドラム1との間隔(SDギャップ)を300μmに保持されている。本発明では、現像時、この現像スリーブ6に感光ドラム1との間で、現像バイアスとして、図7(a)に示すような矩形波の交流バイアスを印加した。反転現像系では、静電潜像は明部電位VL 部で形成され、ネガ帯電しているトナーは、現像バイアスの印加によって、明部電位VL 部に向かって飛翔し付着する。すなわち潜像を現像する。
【0067】
図7(a)において、矩形波の交流バイアスは、ピーク間電圧Vpp=1500V、周波数f=1800Hz で、第1ピーク電圧V1は現像促進電位でV1=−1350V、第2ピーク電圧V2は現像引き戻し電位でV2=+150Vである。第1ピーク電圧の時間T1と第2ピーク電圧の時間T2の比T1/T2がデューティー比(略してデューティー(duty))で、デューティーが50%でない矩形波交流バイアスをデューティーバイアスと呼ぶ。本デューティーバスは、デューティー比36.7%であり、こうすると、直流成分VdcはVdc=−400Vであった。感光ドラム1の明部電位VL =−150V、暗部電位VD =−600Vである。
【0068】
図7(a)の本発明バイアスにおいて、実線の長い方の矢印は、ネガ帯電のトナーの現像スリーブ6からの感光ドラム1への飛翔を示し、トナーは、現像促進電位V1と明部電位VL の差|V1−VL |=1200Vに比例して飛翔が起こり、現像が促進される。実線の短い方の矢印は、上記と逆に、ネガ帯電のトナーの感光ドラム1からの現像スリーブ6への引き戻しを示し、トナーは、現像引き戻し電位V2と明部電位VL の差|V2−VL |=300Vに比例して引き戻しが起こる。
【0069】
図7(b)に従来の現像バイアスを示す。図7(b)に示す従来バイアスは、デューティー比50%の通常の矩形波交流バイアスであり、ピーク間電圧Vpp=1500V、周波数f=1800Hz で、現像促進電位(第1ピーク電圧)V1=−1150V、現像引き戻し電位(第2ピーク電圧)V2=+350Vである。直流成分は、図7(a)の場合と同様、Vdc=−400Vである。
【0070】
図7(b)の従来バイアスによれば、ネガ帯電のトナーは、現像促進電位V1と明部電位VL の差|V1−VL |=1000Vに比例して、現像スリーブ6から感光ドラム1方向へ飛翔し、現像引き戻し電位V2と明部電位VL の差|V2−VL |=500Vに比例して、感光ドラム1から現像スリーブ6方向へ引き戻される。
【0071】
一般に、感光ドラム1との間で現像促進電界Eが作用する現像スリーブ6上の電荷qのトナーに働く力は、トナーを現像スリーブに止める方向に、ファンデルワールス力や磁力がqの0次(定数)で、鏡映力がqの2次で働き、トナーを現像スリーブから飛翔させる方向に、現像バイアスがqの1次で働くから、現像スリーブからトナーが飛翔するためには、ファンデルワールス力および磁力をM(定数)、kを鏡映力の係数として、
q×E≧(M+k×q2 )
の不等式が成り立てばよい。
【0072】
この不等式をqについて解いて、その解をq1、q2とすれば、トナーの電荷qが、
q1≦q≦q2
の範囲にあれば、トナーは現像スリーブから感光ドラムへ向けて飛翔することができる。
【0073】
なお、一般にトナーの電荷qがq<q1であれば、電荷不足による濃度薄が生じ、q2<qであれば、チャージアップによる濃度薄が生じる。
【0074】
上記の現像促進電界Eは、現像スリーブ6と感光ドラム1とのSDギャップをHとすれば、現像促進電位V1、明部電位VL から、
E=|V1−VL |/H
である。
【0075】
トナーは、現像促進電界Eに比例して、つまり電位差|V1−VL |に比例して、現像スリーブから感光ドラムに向かう飛翔が開始される。この|V1−VL |が低いと、トナーが現像スリーブから感光ドラムへ飛翔できる電荷量の範囲が狭まってしまう。
【0076】
本実施例の現像バイアス(デューティーバイアス)と従来の現像バイアス(矩形交流バイアス)におけるトナー飛翔電荷範囲を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
表2に示されるように、本発明バイアスのデューティーバイアスの方が、従来バイアスよりもトナーを飛翔させる電位が高く、飛翔するトナーの電荷量の範囲が広がっていることが分かる。
【0079】
トナーに働くファンデルワールス力や鏡映力は、現像スリーブに付着したトナーの粒径が小さくなると、トナーの質量中心からの現像スリーブまでの距離が短くなるので、大きくなることが知られている。表2でも、トナー粒径が8μmから6μmに小さくなると、ファンデルワールス力や鏡映力の増大により、飛翔し始めるトナーの電荷量が上昇していることが分かる。
【0080】
前述した不等式の解の電荷q1は、これ以上の電荷量になるとトナーが飛翔するので、トナーの飛翔開始電荷量である。トナー飛翔電位|V1−VL |に対するトナーの飛翔開始電荷量q1におけるトナーの平均粒径8μmと6μmによる変化の違いを図9に示す。図9において、各粒径に対するデータを結んだ曲線よりも上の領域が、それぞれの粒径のトナーが飛翔できる電荷量の範囲である。
【0081】
図9に示されるように、トナーの平均粒径が8μmであれば、トナーは比較的低い電荷量でも感光ドラムへ飛翔できる。これに対し、平均粒径6μmの微粒子トナーでは、感光ドラムへ飛翔するのに高い電荷量を要し、低い電荷量ではトナー飛翔電位|V1−VL |を高くしないと飛翔できなくなる。
【0082】
微粒子トナーの電荷量は、ポジ性外添剤の添加効果により高くはなっているが、弾性ブレード10の放置劣化などによる当接圧の極端な低下を考慮する必要があり、その場合には、8μC/g程度に少なくなることがある。図9で、この8μC/gに対応する微粒子トナーの飛翔電位|V1−VL |を見ると1100Vであるから、そのときの現像促進電界Eは、SDギャップ300μmとして、
である。
【0083】
したがって、微粒子トナーを十分に飛翔できるようにするためには、現像促進電界Eが、
E=│V1−VL│/H≧3.7×10−6V/m ・・・(1)
を満たせばよい。
【0084】
図7に示した本発明および従来の現像バイアスの電位図に、ポジ性外添剤の飛翔と引き戻しの動き方向を書き込んだ電位図を図8に示す。図8(a)、(b)において、実線の矢印は、現像スリーブ6から感光ドラム1へポジ性外添剤が移動しやすく、点線の矢印は移動しにくいことを示している。表3にポジ性外添剤に作用する電位を示す。
【0085】
【表3】
【0086】
ポジ性外添剤はポジに帯電しており、現像スリーブ6から感光ドラム1のネガの暗部電位VD 部(白地部)に引き寄せられ、感光ドラム1へ飛翔しようとする。このポジ性外添剤のポジ電荷量は、ネガ性トナーの電荷量に比べて弱く、鏡映力やファンデルワールス力に打ち勝って、現像スリーブから感光ドラムへ飛翔するためには、十分な電位差|V2−VD |が必要となる。
【0087】
ポジ性外添剤の電界による働きを説明する。図10は、現像スリーブに印加した直流電圧に対するポジ性外添剤の感光ドラムへの飛翔量を調べたグラフである。ポジ性外添剤の飛翔量は、飛翔したトナーに対する重量比で示してある。
【0088】
ポジ性外添剤の飛翔量は、図11に示すように、現像装置3の現像容器12内にトナーを入れ、現像スリーブ6と感光ドラム1とのSDギャップ300μmで、現像スリーブ6に高圧電源21から直流電圧を複数段に変更して印加し、各直流電圧値ごとに、飛翔した感光ドラム1上のトナーを回収し、回収したトナー中のポジ性外添剤の重量比を測定することにより行った。印加時間は、各直流電圧とも十分飛翔するのに足ると思われる1秒に定めた。
【0089】
図10に示されるように、現像スリーブに印加した直流電圧が低い領域では、ポジ性外添剤はトナーに付随した形(トナーに付着もしくはトナー間に保持)で飛翔し、飛翔量がトナーに対し約0.4%でほぼ一定しているが、直流電圧を上げていくと、870V以上からポジ性外添剤の飛翔量が急激に増加し、トナーから遊離したポジ性外添剤が電位差に引かれて飛翔し始めている。
【0090】
この結果から、ポジ性外添剤はポジの帯電量が低いため、870V程度の閾値電位が必要であり、これ以上の電位差がないと単独では飛翔しないことが分かる。つまり、現像バイアスの交流電圧の第2ピーク電圧V2と感光ドラム1上の暗部電位VD との電位差|V2−VD |が870V以下であると、ポジ性外添剤は現像スリーブ6との鏡映力やファンデルワールス力に打ち勝ってず、単独では飛翔しない。
【0091】
実際には、現像スリーブ6と感光ドラム1との間の電界にしたがってポジ性外添剤は移動するため、そのときの飛翔しない電界E′を計算すると、SDギャップH=300μmとして、
となる。
【0092】
したがって、ポジ性外添剤が飛翔しないためには、電界E′が、
E′=|V2−VD |/H≦2.9×10-6V/m ・・・(2)
を満たせばよい。
【0093】
先の表3に示したように、従来バイアスの場合、|V2−VD |=950Vであり、ポジ性外添剤が単独飛翔できる870V以上の電位差を有しており、ポジ性外添剤の飛翔により、画像形成初期に直ちに消費されてしまうことが分かる。これに対し、本実施例では、飛翔側の電位である第2ピーク電圧V2を150Vに低くして、|V2−VD |=750Vに小さくしているので、ポジ性外添剤の単独の飛翔がなく、画像形成後期まで消費が抑制される。
【0094】
図12は、本発明および従来の現像バイアスにおける画像形成枚数に対するポジ性外添剤の飛翔量の変化を調べたグラフである。本発明のデューティーバイアスによれば、ポジ性外添剤の飛翔が起こりにくく、ポジ性外添剤の消費を抑制して、2500枚の画像形成後期まで、ポジ性外添剤を現像容器12内に残存できることが分かる。
【0095】
図13は、本発明および比較例における画像形成枚数に対するベタ黒濃度の推移を示したものである。比較例1は、微粒子トナーに従来の現像バイアス印加を組み合わせた場合、比較例2は、微粒子トナーにポジ性外添剤の添加および従来の現像バイアスの印加を組み合わせた場合を示す。
【0096】
図13に示されるように、比較例1では、2500枚の画像形成の最後まで濃度が薄い。比較例2では、ポジ性外添剤の添加効果で初期濃度は良好であるが、従来バイアスを用いているので、前述したように、ポジ性外添剤が初期に消費されてしまい、ポジ性外添剤による微粒子トナーへの電荷付与がなくなって、画像形成後半に濃度が低下してしまった。本発明では、図13に示した2500枚の画像形成を超えて、プロセスカートリッジの全寿命を通じ、濃度が低下することなく良好であった。
【0097】
以上のように、本発明では、微粒子トナーに帯電性が逆極性の外添剤を添加して、外添剤との摩擦による微粒子トナーへの帯電を加えたので、弾性ブレードの当接圧を低くしても、微粒子トナーを良好に帯電することができる。
【0098】
また、現像バイアスとして、矩形波交流のデューティーバイアスを使用し、その現像促進側となる第1ピーク電圧V1を高くしたので、微粒子トナーの現像性が低下せず、またポジ性外添剤の飛翔側となる第2ピーク電圧V2を低めたので、暗部電位部(白地部)へのポジ性外添剤の飛翔を防止して消費を抑えることができる。したがって、多数枚の画像形成の初期から最後まで、十分な濃度の画像を得ることができる。
【0099】
以上の実施例では、微粒子トナーに対し逆極性の外添剤としてチタン酸ストロンチウムを用いたが、同様の作用を果たせば、これに限定されるものではない。また現像バイアスについても、電界の強さの条件式(1)、(2)を満たすものであれば、これに限定されるものではない。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、平均粒径6.5μm以下の微粒子トナーにチタン酸ストロンチウムなどの、トナーと帯電極性が逆極性の外添剤を添加して、外添剤粒子との摩擦によるトナーの帯電を加えたので、弾性ブレードの現像スリーブへの当接圧が低くても、微粒子トナーを良好に帯電することができ、その結果、微粒子トナーによる現像で画像に濃度薄が発生するのを防止することができる。したがって、現像スリーブが小径、薄肉で撓みやすい小型の現像装置にも適用でき、小型のプロセスカートリッジも実現可能である。さらに現像バイアスとして、矩形波交流の第1ピーク電圧が高く、第2ピーク電圧が低めのデューティーバイアスを用いたので、微粒子トナーを感光ドラムに十分に飛翔させる一方、外添剤の感光ドラムへの飛翔を防止してその消費を抑えることができ、多数枚の画像形成の初期から後半まで、十分な画像濃度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1の画像形成装置の現像装置の部分を示す断面図である。
【図3】図2の現像装置に設置した弾性ブレードの当接圧に対するネガ微粒子トナーの平均電荷量の変化のトナーへのポジ性外添剤の添加の有無による違いを示すグラフである。
【図4】弾性ブレードの当接圧に対するネガ微粒子トナーのコート量の変化のトナーへのポジ性外添剤の添加の有無による違いを示すグラフである。
【図5】本発明でネガ性トナーに添加したポジ性外添剤のマイクロキャリアとしての作用を微粒子トナーと従来トナーとで対比して示す説明図である。
【図6】弾性ブレードの当接圧に対するベタ黒画像の初期濃度の変化のネガ微粒子トナーへのポジ性外添剤の添加の有無による違いを示すグラフである。
【図7】本発明および従来の現像バイアスの波形にネガ性トナーの動き方向を書き込んだ電位図である。
【図8】図7においてネガ性トナーの代わりにポジ性外添剤の動き方向を書き込んだ電位図である。
【図9】トナー飛翔電位|V1−VL |に対するトナーの飛翔開始電荷量q1の変化のトナーの平均粒径8μmと6μmによる違いを示すグラフである。
【図10】現像スリーブに印加した直流電圧に対するポジ性外添剤の感光ドラムへの飛翔量を飛翔トナーに対する重量比で示すグラフである。
【図11】本発明で行ったポジ性外添剤の飛翔量の測定方法を示す説明図である。
【図12】本発明および従来の現像バイアスにおける画像形成枚数に対するポジ性外添剤の飛翔量の変化を示すグラフである。
【図13】本発明および比較例における画像形成枚数に対するベタ黒濃度の推移を示すグラフである。
【図14】従来の現像装置を示す概略図である。
【図15】本発明で行った弾性ブレードの当接圧の測定方法を示す説明図である。
【図16】画像形成枚数に対する画像濃度の推移のトナーの平均粒径6μmと8μmによる違いを示すグラフである。
【図17】図14の現像装置におけるネガ微粒子トナー使用時の弾性ブレードの当接圧に対するベタ黒画像の初期濃度の推移を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光ドラム
3 現像装置
6 現像スリーブ
10 弾性ブレード
12 現像容器
16 プロセスカートリッジ
20 高圧電源
m ポジ性外添剤
T 微粒子トナー
Claims (3)
- 現像剤担持体上に現像剤を担持し、現像剤担持体に当接した弾性ブレードにより現像剤担持体上の現像剤の量を規制しながら、現像剤担持体により現像剤を像担持体と対向した現像領域へ搬送し、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤により、現像剤担持体に現像バイアスを印加下に現像する現像装置において、
前記現像剤は、重量平均粒径が6.5μm以下のネガ帯電性の磁性トナーであり、現像剤の帯電極性と逆極性のポジ帯電性のチタン酸ストロンチウム又はメラニン樹脂の粒子が外添されており、このポジ帯電性の粒子は現像剤と接離可能であり、さらに、前記弾性ブレードの現像剤担持体への当接圧が20g/cm以下であり、
前記現像バイアスは、直流電圧と、前記現像領域において現像剤担持体上の現像剤に対し、現像剤担持体から像担持体に向かう方向に力を及ぼす第1ピーク電圧V1と、像担持体から現像剤担持体に向かう方向に力を及ぼす第2ピーク電圧V2とが交互に現れる振動電圧とを重畳してなり、前記第1、第2ピーク電圧V1、V2が、前記像担持体表面の明部電位VL、暗部電位VD、現像剤担持体と像担持体とのSDギャップHに関し、
|V1−VL|/H≧3.7×10 −6 V/m
|V2−VD|/H≦2.9×10 −6 V/m
の関係を満たすことを特徴とする現像装置。 - 前記現像剤担持体は直径が14mm以下である請求項1の現像装置。
- 少なくとも、像担持体と、像担持体上に帯電および露光により静電潜像を形成する潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置とを備えた画像形成装置において、
前記現像装置が請求項1又は2の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
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