JP3919374B2 - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を付着させて可視像化する電子写真方式や静電記録方式などの複写機、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に顕画剤であるトナーとトナーに電荷を付与する磁性キャリアを主成分とした二成分現像剤を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置、特に電子写真方式によりフルカラーやマルチカラー画像を形成するカラー画像形成装置には、発色性や混色性といった点から、殆どの現像装置が非磁性トナー粒子と磁性キャリアを混合した二成分現像剤を使用している。周知のように、この二成分現像剤を用いた現像法はキャリア粒子とトナー粒子の間で生じる摩擦帯電によりトナーに電荷が付与され電荷の付与されたトナーが像担持体に形成された潜像に対して静電的に付着することにより画像を形成する方法である。
【0003】
例えば本発明の前提技術としての図2にて示す現像装置を例にして、二成分現像剤を用いる現像装置を説明すると、この現像装置4は像担持体としての感光ドラム1の表面に形成された静電潜像に対向するように現像剤担持体としての現像スリーブ42を備えている。
【0004】
現像スリーブ42は、矢印方向に回転自在に現像容器41に支持されており、内部には磁界発生手段としての固定されたマグネットローラ50を有している。二成分現像剤はマグネットローラ50の磁力のために、トナーの付着したキャリアが穂立ちした、所謂磁気ブラシの状態で現像スリーブ42に担持され、感光ドラム1上の静電潜像と対向する現像領域、所謂現像ニップNまで搬送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、高画質化のためにトナーとキャリアを小粒径化することによって現像剤の搬送力が弱まり、現像スリーブ42上の現像剤量規制部材43の現像スリーブ回転方向上流側近傍の現像剤圧縮部Aで、現像剤が十分圧縮されないため粗密の部分ができ、均一な現像剤のコートができなくなるという現象が生じる場合があり、その結果、長手方向及び周方向の画像濃度ムラが発生し、画像全体の画質に影響を及ぼすことがある。
【0006】
また、前記現像剤搬送力を上げるために、前記現像剤量を規制する磁極S2の磁力を上げることで上記問題を防止しようとすると、前記現像剤圧縮部A以外に更に現像スリーブ回転方向上流側の広い範囲(現像剤溜り部B)でも圧縮力が増大してしまい、それによってトナー表面への外添剤の埋め込み等の現像剤の劣化が促進されて、長期の画像形成動作において画質の劣化を招くおそれがある、という問題があった。
【0007】
本出願に係る発明の目的は、二成分現像剤を用いた現像装置において、小粒径化によって搬送力の低下した現像剤を、現像剤の劣化が無く長期に亙って均一に現像スリーブ上にコートすることを可能とした現像装置、および画質をより良好なものとすることができる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本出願に係る発明の目的を実現する現像装置の構成は、静電潜像担持体上の静電潜像を現像するための非磁性トナー粒子と磁性キャリア粒子とを混合した二成分現像剤を担持して搬送するために回転する円筒状の現像剤担持体と、前記現像剤担持体の内部に配置された複数の磁界を形成するための磁石を回転不可能に固定設置した磁界発生手段と、前記現像剤担持体に隙間を有して配置され、前記現像剤担持体の上に担持されて搬送される前記二成分現像剤の量を規制する規制部材とを有する現像装置において、前記磁界発生手段は、前記規制部材の現像剤搬送方向の上流側近傍に、前記磁性キャリア粒子に対し前記現像剤担持体の円筒断面の法線方向に働く磁気力の極大点と、前記極大点の現像剤搬送方向の上流側に磁気力の極小点を有し、前記極大点と前記極小点の間隔が30度以下であり、前記極大点と前記極小点の間における前記磁性キャリア粒子に対し前記現像剤担持体の接線方向に働く磁気力の向きが、前記現像剤担持体の回転方向と同じであることを特徴とするものである。
【0009】
また、本出願に係る発明の目的を実現する画像形成装置の構成は、上記した現像装置を有するものである。
【0010】
上記した構成では、現像剤溜り部B近傍の現像剤の圧縮を増加させることなく、現像剤圧縮部A近傍のみ現像剤の搬送力を増加させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図に示す前提技術および実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】
(前提技術)
図1、図2および図3は本発明の前提技術を示す。
【0013】
図1は本発明の第1の前提技術におけるカラー画像形成装置の概略断面図を示す。
【0014】
はじめに通常の画像形成動作であるが、本前提技術の画像形成装置は、上部にデジタルカラー画像リーダ部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部を有する。リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査した原稿30からの反射光像を、レンズ33によりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像信号を得る。
【0015】
カラー色分解画像信号に、不図示の増幅回路を経て、不図示のビデオ処理ユニットにて処理を施し、プリンタ部に送出する。プリンタ部において、像担持体である感光ドラム1を矢印方向に回転自在に担持し、該感光ドラム1の周りに前露光ランプ11、コロナ帯電器2、露光光学系3、電位センサ12、4個の現像器4y,4c,4m,4Bk、ドラム上トナー濃度検知センサ13、転写装置5、クリーニング器6を配置する。
【0016】
レーザビーム露光光学系3には、リーダ部からの画像信号を入力し、レーザ出力部(不図示)にて光信号に変換した後、レーザ光をポリゴンミラー3aで反射し、レンズ3b及びミラー3cを通って、感光ドラム1の面を線状に走査(ラスタスキャン)する光像Eに変換する。
【0017】
プリンタ部画像形成時には、まず、感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後、帯電器2により一様に帯電した後、各分解色ごとに光像Eを照射し、潜像を形成する。
【0018】
次に、各分解色ごとに所定の現像器を動作させて、感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂を基体としたトナーにより画像を形成する。現像器は、偏心カム24y,24c,24m,24Bkの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近するようにしている。
【0019】
さらに、感光ドラム1上のトナー画像を、記録材カセット7より搬送系及び転写装置5を介して感光ドラム1と対向した位置に供給された記録材に転写する。転写装置5は、本前提技術では転写ドラム5a、転写帯電器5b、記録材を静電吸着させるための吸着帯電器5cと対向する吸着ローラ5g、内側帯電器5d、外側帯電器5eとを有し、回転駆動されるように軸支された転写ドラム5aの周面開口域には誘電体からなる記録材担持シート5fを円筒状に一体的に張設している。
【0020】
記録材担持シート5fはポリカーボネートフィルム等の誘電体シートを使用している。ドラム状とされる転写装置、つまり転写ドラム5aを回転させるに従って感光ドラム上のトナー像は転写帯電器5bにより記録材担持シート5fに担持された記録材上に転写する。
【0021】
このように記録材担持シート5fに吸着搬送される記録材には所望数の色画像が転写され、フルカラー画像を形成する。4色モードの場合、このようにして4色のトナー像の転写を終了すると記録材を転写ドラム5aから分離爪8a、分離押し上げコロ8b及び分離帯電器5hの作用によって分離し、熱ローラ定着器9を介してトレイ10に排紙する。
【0022】
他方、転写後感光ドラム1は、表面の残留トナーをクリーニング器6で清掃した後再度画像形成工程に供する。
【0023】
記録材の両面に画像を形成する場合には、定着器9を排出後、すぐに搬送パス切替ガイド19を駆動し、排紙縦パス20を経て、反転パス21aに一旦導いた後、記録材を一旦停止させ、反転ローラ21bの逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして送り込まれた方向と反対向きに退出させ、記録材を裏返して中間トレイ22にストックする。
【0024】
その後、再び上述した画像形成工程によってもう一方の面に画像を形成する。また、転写ドラム5a上の記録材担持シート5f上は、感光ドラム1、現像装置、クリーニング器6等からの粉体の飛散付着、又は記録材のジャム(紙づまり)時にトナーが付着すること、両面画像形成時に記録材上のオイルが付着する場合があること、等により汚染されるが、ファーブラシ14と記録材担持シート5fを介して該ブラシ14に対向するバックアップブラシ15や、オイル除去ローラ16と記録材担持シート5fを介して該ローラ16に対向するバックアップブラシ17の作用により清掃された後、再度画像形成プロセスに供せられる。
【0025】
このような清掃は前回転時、後回転時に行ない、また、ジャム(紙づまり)発生時には随時行なう。
【0026】
また、本前提技術においては、転写ドラム偏心カム25を動作させ、転写ドラム5fと一体化しているカムフォロワ5iを作動させることにより、記録材担持シート5aと感光ドラム1とのギャップを所定タイミングで所定間隔に設定可能な構成としている。
【0027】
例えば、スタンバイ中または電源オフ時には、転写ドラムと感光ドラムの間隔を離し、感光ドラムの回転駆動から転写ドラムの回転を独立させることが可能な構成である。
【0028】
また、この一連の画像形成動作で、現像器は以下のように動作している。
【0029】
CCDにより読み取られた現像画像が各プロセスを経て感光ドラム上に静電潜像を形成し、その静電潜像が現像位置に達するときに、不図示の現像バイアス電源によりAC電圧にDC電圧が重畳された現像バイアスが、択一的に選択された現像器の現像スリーブに印加され、不図示の現像スリーブ駆動装置により現像スリーブが回転し、現像加圧カムにより加圧され静電潜像を可視像化する。
【0030】
次に、現像装置4について更に詳しく説明する。
【0031】
本前提技術において、現像装置4は粉砕法にて製造された非磁性トナー(トナー)と磁性キャリア(キャリア)を混合した二成分現像剤(現像剤)を収容する現像容器41を有する。
【0032】
現像容器41は、隔壁44によって現像室(第一室)45と撹拌室(第二室)46とに区分されている。上記現像室45及び撹拌室46には、スクリュータイプの第一及び第二の撹拌搬送手段として、第一撹拌スクリュー47及び第二撹拌スクリュー48が設けられている。第一撹拌スクリュー47は現像室45内の現像剤を撹拌及び搬送し、また、第二撹拌スクリュー48は撹拌室46内の現像剤を撹拌及び搬送するものであり、現像剤のトナー濃度(トナー/キャリア比、即ちTC比)を検知及び制御するトナー濃度制御装置の制御により、トナー補給槽(不図示)から第二撹拌スクリュー48の現像剤搬送方向の上流に供給されるトナーと、撹拌室46内に既存の現像剤とを撹拌し、トナー濃度を均一化する。
【0033】
また、隔壁44には、現像装置4の長手方向の両端部、つまり例えば第一撹拌スクリュー47長手方向の両端部において、現像室45と撹拌室46とを相互に連通させる現像剤通路が設けられており、更に第一撹拌スクリュー47と第二撹拌スクリュー48とが長手方向に逆向きに現像剤を搬送することで、一方の現像剤通路を通して現像によってトナーが消費されてトナー濃度の低下した現像室45内の現像剤が撹拌室46へ、また、反対側の現像剤通路を通して撹拌室46にてトナー補給を受けトナー濃度の復帰した現像剤が現像室45へと移動するように構成されている。
【0034】
上記現像容器41の現像室45は、感光ドラム1に対向する位置が開口しており、この開口部に一部露出するようにして現像剤担持体としての現像スリーブ42が矢印方向に回転可能に現像容器41に支持されている。
【0035】
現像スリーブ42は非磁性材料で構成され、その内部には磁界発生手段としてのマグネットローラ50が現像容器41に回転不可能に固定されている。現像動作時には、現像剤はマグネットローラ50の磁力によって穂立ちし、所謂磁気ブラシの状態で現像スリーブ42上に担持され、現像スリーブ42の回転に伴って回転方向に搬送される。
【0036】
現像剤は更にブレード状の現像剤層厚規制手段であるブレ−ド43によって層厚を規制された後、感光ドラム1上に形成する。静電潜像と対向する領域、所謂現像ニップNまで担持搬送されて、トナーのみが静電的に静電潜像に飛翔して、感光ドラム1上にトナー像を形成する。
【0037】
又、現像効率、即ち静電潜像へのトナーの付与率を向上させるために、現像スリーブ42には直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
【0038】
本前提技術によると、マグネットローラ50は、現像スリーブ42の回転方向に順に現像領域に磁界を形成する現像磁極S1(1000G)、N3(500G)、N2(500G)、現像剤の層厚を規制する磁極S2(700G)、N1(700G)の各磁極を有する。
【0039】
ここで、上記の各々の数値はそれぞれの磁極の形成する磁界における磁束密度の絶対値の最大値を表している。又、ブレード43はSUSなどの非磁性材料にて構成され、先端近傍に磁性板51が取り付けてある。
【0040】
磁性板51は、磁極S2よりも現像スリーブ42の回転方向の下流側に13度の位置にあり、且つ先端と現像スリーブ42の表面との間には、隙間が設けられるように配置されている。
【0041】
このブレード43の先端の磁性板51と、その位置に磁界を形成する磁極S2との協働により、現像スリーブ42上に担持され現像領域へと搬送される現像剤の層厚を規制する。層厚を規制された現像剤は、磁性板51と現像スリーブ42との間をトナーとキャリアの両方が通過して現像領域へと送られる。
【0042】
尚、本前提技術によると、感光ドラム1の外径は180mm、現像スリーブ42の外径は24.5mm、現像スリーブ42とブレード43の先端との間隔は700μmとし、感光ドラム1の周速を200mm/sec、現像スリーブ42の周速を350mm/secとした。又、静電潜像の現像としては、感光ドラム1の表面を暗電位として−700Vに一様に帯電した後、露光して明電位として−200Vの静電潜像を形成し、現像スリーブ42に交番電圧(周波数2000Hz、Vpp2000Vの交番電圧に直流電圧−500Vを重畳したもの)を印加し、上記の明電位である−200Vの潜像にトナーの飛翔を行なう、所謂反転現像を行なった。
【0043】
次に、本前提技術にて用いられる二成分現像剤について説明する。
【0044】
本前提技術によるとトナーは、結着樹脂、着色材、そして必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子と、コロイダルシリカ微粉末のような外添剤が外添されている着色粒子とを有している。そして、トナーは、負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は5μm以上、8μm以下とされ、本前提技術では6.5μmであった。
【0045】
又、本前提技術によるとキャリアは、例えば表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが好適に使用可能であり、これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。そして、キャリアは、重量平均粒径が20〜50μm、好ましくは30〜40μmであり、抵抗率が107Ωcm以上、好ましくは108Ωcm以上である。
【0046】
尚、本前提技術にて用いられるトナーについて、体積平均粒径は以下に示す装置及び方法にて測定した。
【0047】
測定装置としては、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)、個数平均分布体積平均分布を出力するためのインターフェース(日科機製)及びCX−iパーソナルコンピュータ(キヤノン製)を使用し、電解水溶液として、一級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液を使用した。
【0048】
測定方法は以下に示す通りである。即ち、上記の電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml加え、測定試料を0.5〜50mg加える。
【0049】
試料を懸濁した電解水溶液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、上記のコールターカウンターTA−II型により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求める。こうして求めた体積平均分布より、体積平均粒径を得る。
【0050】
又、本前提技術にて用いられるキャリアの抵抗率は、測定電極面積4cm、電極間間隔0.4cmのサンドイッチタイプのセルを用いて、片方の電極に1kgの重量の加圧下で、両電極間の印加電圧E(V/cm)を印加して、回路に流れた電流からキャリアの抵抗率を得る方法によって測定した。
【0051】
以上に示した本前提技術の画像形成装置及び現像剤を用いて現像スリーブ42上の現像剤の搬送性を検討するにあたり、先ず、現像剤圧縮部Aの近傍におけるキャリアに働く磁気力について詳しく説明する。
【0052】
キャリアに働く磁気力Fbはキャリアの磁化をm(emu/cm3)、キャリア1個の体積をV(cm3)、マグネットローラ50による磁界をB(ガウス)とすると、キャリア1個に働く磁気力ベクトルFb(dyn/個)は、CGS単位系で、
ベクトルFb=−V(ベクトルmV・ベクトルB)
と表現できる。
【0053】
又、磁気力ベクトルFbは、現像スリーブ42表面に対して垂直な方向、即ち、現像スリーブ42の法線方向に働く力(ベクトルFr)と現像スリーブ42表面の接線方向に働く力(ベクトルFθ)に分割して考えることができ、現像スリーブ42の表面から法線方向に向かう距離をr(cm)とすると、キャリア1個当たりに対して現像スリーブ51表面から法線方向に働く磁気力は、CGS単位で、
ベクトルFr(dyn/個)
=−d/dr(ベクトルmV・ベクトルB)
=−Vd/dr(|ベクトルm||ベクトルB|)
=−V|ベクトルm|d/dr|ベクトルB|
となり、|ベクトルm|を勾配の前に出すことが可能である。
【0054】
このように、キャリア1個に対して現像スリーブ42の法線方向に働く磁気力の大きさは、マグネットローラ50による磁場の強さの絶対値の、現像スリーブ42の法線方向の勾配に比例しており、この力の方向はマグネットローラ50の中心に向かう方向である。
【0055】
同様に、キャリア1個当たりに対して現像スリーブ42表面の接線方向に働く磁気力については、θを現像スリーブ42の回転方向、即ち、現像剤の搬送方向を正として、CGS単位で、
ベクトルFθ(dyn/個)
=1/r・d/dθ(ベクトルmV・ベクトルB)
=V/r・d/dθ(|ベクトルm||ベクトルB|)
=V/r|ベクトルm|d/dθ|ベクトルB|
と表現することができ、このように、キャリア1個に対して現像スリーブ42表面の接線方向に働く磁気力の大きさは、マグネットローラ50による磁場の強さの絶対値の、現像スリーブ42表面の接線方向の勾配に比例している。
【0056】
現像スリーブ42がキャリアを搬送する力を上げるためには、キャリア1個当たりに対する現像スリーブ42の表面に垂直な方向及び接線方向に働く磁気力、即ち、Fr及びFθの値を大きくすれば良いことが従来より分かっているが、そのためには現像剤量規制磁極S2の磁界の強さベクトルBを大きくしなければならない。
【0057】
しかし、S2の磁界の強さベクトルBを大きくすると、現像剤圧縮部Aのみならず、現像剤溜り部B近傍までFrが増加し、現像剤圧縮領域が大きくなりすぎて現像剤の劣化を招いてしまう。
【0058】
そこで、本前提技術によれば、現像剤圧縮領域及び現像剤溜り領域の磁界の強さベクトルBと現像スリーブ42の表面に垂直な方向に働く磁気力Frとの相関を詳しく検討し、現像剤圧縮部A近傍のFrを大きく、現像剤溜り部B近傍のFrを小さくすることが可能となった。即ち、現像剤圧縮部A近傍がFrの極大点に、現像剤溜り部B近傍がFrの極小点になるような磁界の強さベクトルBとすることである。
【0059】
本前提技術では、現像スリーブ42の表面に垂直な方向に働く磁気力Frの分布と現像剤圧縮及び現像剤溜り部との関係が図3のグラフに示すものとなるように、マグネットローラ50の磁極を構成する。なお、図3において、Brは法線方向の磁束密度であり、Bθは接線方向の磁束密度である。
【0060】
図3において理解されるように、現像スリーブ42の表面に垂直な方向に働く磁気力Frは、現像剤圧縮部A近傍で極大点、現像剤溜り部B近傍で極小点をもっている。この時、このFrの極大点と極小点の間隔を離していく(極小点の位置を現像スリーブ回転方向上流側にずらしていく)と、現像剤溜り部B近傍のFrが増大していき、その間隔が30度を超えると効果が無くなる事がわかった。つまり、極大点と極小点との間隔は30度以下にしなければならない。
【0061】
以上、本前提技術による検討の結果、現像スリーブ42の表面に垂直な方向に働く磁気力Frが、現像剤圧縮部Aで極大点をもち、さらにその上流側の現像剤溜り部B近傍で極小点をもち、且つ、極大点と極小点の間隔が30度以内となるような、例えば図2に示したマグネットローラ50の磁極構成とすることで、本前提技術で用いた重量平均粒径が概略40μmであるキャリアを含む現像剤使用時でも、現像剤の劣化を起こさずに現像スリーブ表面に均一なコートを維持することが可能となる。
【0062】
(第1の実施の形態)
本実施の形態では、現像剤の搬送力を上げる要因となる現像スリーブ42の接線方向に働く磁気力Fθに着目したものである。前提技術では、現像剤圧縮部A近傍で極大点をもち、さらにその上流側の現像剤溜り部近傍で極小点をもつことで、現像剤圧縮部A近傍のみで現像剤搬送力を増加させた。
【0063】
本実施の形態ではそれに加えて現像剤圧縮部A近傍から現像剤溜り部B近傍までのFθの向きを現像スリーブ42の回転方向、即ち現像剤搬送方向とした。
【0064】
本実施の形態によると、現像スリーブ42の接線方向に働く磁気力Fθの分布と現像剤圧縮部A及び現像剤溜り部Bとの関係が図4のグラフに示すものとなるように、マグネットローラ50の磁極を構成する。なお、図4において、Brは法線方向の磁束密度であり、Bθは接線方向の磁束密度である。
【0065】
図4に示すように、現像剤圧縮部A近傍から現像剤溜り部B近傍までのFθは正となっている。Fθは現像スリーブ42の回転方向、即ち現像剤搬送方向を正としているので、Fθが正であることは、キャリアに対して現像スリーブ42の回転方向に向かう磁気力が働いていることがわかる。このように、Frは増加させていないために現像剤の圧縮は増加してない。即ち、現像剤の劣化が促進されずに現像剤の搬送力のみが向上する。
【0066】
以上、前提技術の構成に加え、現像剤圧縮部A近傍から現像剤溜り部B近傍までのFθの向きを現像剤搬送方向とするようなマグネットローラ50の磁極構成とすることで、前提技術より更に効果的に、重量平均粒径が概略40μmであるキャリアを含む現像剤使用時でも、現像剤の劣化を起こさずに現像スリーブ表面に均一なコートを維持することが可能となる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、現像剤溜り部近傍の現像剤の圧縮を増加させることなく、現像剤圧縮部A近傍のみ現像剤の搬送力を増加させることができる。従って、小粒径化したトナー粒子及びキャリア粒子を含む二成分現像剤使用時にも、現像剤の劣化を起こさずに長期に亙る安定した搬送を実現でき、画像濃度ムラなどの画像不良を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提技術を示す画像形成装置の断面図である。
【図2】 本発明の前提技術を示す現像装置の断面図である。
【図3】 本発明の前提技術の説明図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態の説明図である。
【符号の説明】
1…感光ドラム 2…帯電装置
4…現像装置 6…クリーニング装置
9…定着装置 42…現像スリーブ
50…マグネットローラ
Claims (6)
- 静電潜像担持体上の静電潜像を現像するための非磁性トナー粒子と磁性キャリア粒子とを混合した二成分現像剤を担持して搬送するために回転する円筒状の現像剤担持体と、前記現像剤担持体の内部に配置された複数の磁界を形成するための磁石を回転不可能に固定設置した磁界発生手段と、前記現像剤担持体に隙間を有して配置され、前記現像剤担持体の上に担持されて搬送される前記二成分現像剤の量を規制する規制部材とを有する現像装置において、
前記磁界発生手段は、前記規制部材の現像剤搬送方向の上流側近傍に、前記磁性キャリア粒子に対し前記現像剤担持体の円筒断面の法線方向に働く磁気力の極大点と、前記極大点の現像剤搬送方向の上流側に磁気力の極小点を有し、前記極大点と前記極小点の間隔が30度以下であり、前記極大点と前記極小点の間における前記磁性キャリア粒子に対し前記現像剤担持体の接線方向に働く磁気力の向きが、前記現像剤担持体の回転方向と同じであることを特徴とする現像装置。 - 前記磁性キャリア粒子の重量平均粒径は、20μm以上、50μm以下であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
- 前記非磁性トナー粒子の体積平均粒径は、5μm以上、8μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の現像装置。
- 前記磁界発生手段は、前記二成分現像剤を前記現像剤担持体に汲み上げる磁極と、前記二成分現像剤の量を規制する磁極と、前記像担持体上の静電潜像に対向する現像領域に前記二成分現像剤を搬送する磁極と、および前記現像領域に磁界を形成する現像用磁極とを有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記像担持体上の前記静電潜像を現像する際に、前記現像剤担持体に交流バイアスを重畳した直流バイアスを印加することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の現像装置。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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