JP2001324564A - 自動車用防犯装置 - Google Patents

自動車用防犯装置

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JP2001324564A
JP2001324564A JP2000144661A JP2000144661A JP2001324564A JP 2001324564 A JP2001324564 A JP 2001324564A JP 2000144661 A JP2000144661 A JP 2000144661A JP 2000144661 A JP2000144661 A JP 2000144661A JP 2001324564 A JP2001324564 A JP 2001324564A
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alarm
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JP2000144661A
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English (en)
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Noritaka Taguchi
範高 田口
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Yazaki Corp
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Yazaki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定の監視領域の環境状態の変化に基づき障害
物あるいは物体を検知することにより、誤った防犯警報
発生を防止し、又車外からでも任意に発生中の警報を停
止できる自動車用防犯装置を提供する。 【解決手段】 比較判断手段11Cによって、一定時間
毎にバックグラウンドデータ生成手段11Bによって生
成されたバックグラウンドデータと観測データ生成手段
11Aによって生成された観測データとが比較され、こ
れらが同一であるかどうかが判断される。そして、比較
判断手段11Cにおいて、監視領域内で観測データとバ
ックグラウンドデータとが異なる環境変化が検出された
場合、防犯手段175は防犯動作を行う。特に、監視領
域中の車輌周辺の特定範囲である警報領域において、環
境変化が検出された場合異常警報が発生される。さら
に、指令信号送信手段2Aからの無線の指令信号に応答
して、防犯に関する装置あるいは手段が起動又は停止制
御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車載されたレーダ
装置を用いて障害物あるいは物体を検知して防犯警報等
を発する自動車用防犯装置に関し、特に、所定の監視領
域の環境状態の変化に基づき障害物あるいは物体を検知
して防犯警報等を発生する自動車用防犯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の自動車用防犯装置は、特
開昭62−81587号公報に記載されているように、
車載レーダ装置を使って物体までの距離を測定し、設定
された防犯距離範囲内、例えば、10cm以内の領域に
物体が存在するか否かを信号処理回路が判断し、この範
囲内に物体の存在を検出したときに警報を発するという
ものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、駐車場においては横の他車輌や壁、柱等に自車輌が
かなり接近することが多いが、上述のような従来の装置
では、これらを検出して防犯警報を発してしまう。また
隣の車輌の乗員等も上記防犯距離範囲内に侵入すると、
これを検出して防犯警報を発してしまう。このように、
従来の自動車用防犯装置では、上記防犯距離範囲内にあ
る防犯対象物以外の全ての物体も検出していまい、誤警
報を発する恐れがあるという問題があった。さらに、車
輌の持ち主に対してさえ防犯警報を発してしまう場合が
あり煩わしいうえ、一旦警報が発せられると、これを停
止させるには車内に入り所定の操作をしなければならず
不便であるいう問題もあった。
【0004】よって本発明は、上述した現状に鑑み、所
定の監視領域の環境状態の変化に基づき障害物あるいは
物体を検知することにより、誤った防犯警報発生を防止
し、又車外からでも任意に発生中の警報を停止できる自
動車用防犯装置を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた請求項1記載の自動車用防犯装置は、図1の
基本構成図に示すように、物体に対する送信波及び前記
物体からの反射波に基づき、車輌の周囲の監視領域に存
在する前記物体までの距離を測定するレーダ手段10A
と、前記レーダ手段10Aによる測定結果に基づき、一
定時間毎に前記監視領域内における前記物体の存在する
位置を特定したデータである観測データを生成する観測
データ生成手段11Aと、前記観測データから所定時間
静止状態を継続する物体を検出することによって、バッ
クグラウンドデータを生成するバックグラウンドデータ
生成手段11Bと、前記バックグラウンドを記憶するバ
ックグラウンドデータ記憶手段12Aと、前記一定時間
毎に前記観測データと前記バックグラウンドデータとを
比較し、これらが同一であるかどうかを判断する比較判
断手段11Cと、前記比較判断手段11Cにおいて、前
記観測データと前記バックグラウンドデータとが異なる
と判断された場合、防犯動作を行う防犯手段175とを
有することを特徴とする。
【0006】請求項1記載の発明によれば、比較判断手
段11Cによって、一定時間毎にバックグラウンドデー
タ生成手段11Bによって生成されたバックグラウンド
データと観測データ生成手段11Aによって生成された
観測データとが比較され、これらが同一であるかどうか
が判断される。そして、比較判断手段11Cにおいて、
監視領域内で観測データとバックグラウンドデータとが
異なると判断された場合、防犯手段175は防犯動作を
行う。
【0007】上記課題を解決するためになされた請求項
2記載の自動車用防犯装置は、図1の基本構成図に示す
ように、請求項1記載の自動車用防犯装置において、前
記観測データ生成手段11Aは、前記物体の大きさを考
慮して、前記監視領域をカバーするように前記レーダ手
段10Aのスキャン角度を多段階に制御し、各スキャン
角度方向における前記物体までの距離を段階的に計測す
ることによって、前記観測データを生成することを特徴
とする。
【0008】請求項2記載の発明によれば、前記物体の
大きさを考慮して、多段階にスキャン角度を制御し、そ
の角度における物体までの距離を段階的に計測する。す
なわち、バックグラウンドとなるべき物体や侵入物体は
通常ある程度の大きさを有しており、これらの物体の大
きさを考慮して、段階的なスキャン角度及び計測距離が
設定されている。
【0009】上記課題を解決するためになされた請求項
3記載の自動車用防犯装置は、図1の基本構成図に示す
ように、請求項1又は2のいずれかに記載の自動車用防
犯装置において、前記防犯手段175は、前記車輌の周
辺及び車内の映像又は音声を記録する映像音声記録手段
17Aであることを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明によれば、防犯動作と
して車輌の周辺及び車内の映像又は音声が記録される。
このように、車輌の周辺の映像又は音声が記録すること
によって、無断侵入者等の特定が容易になる。
【0011】上記課題を解決するためになされた請求項
4記載の自動車用防犯装置は、図1の基本構成図に示す
ように、請求項1又は2のいずれかに記載の自動車用防
犯装置において、前記防犯手段175は、異常警報を発
生する警報発生手段15Aであることを特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明によれば、防犯動作と
して異常警報が発生される。この異常警報によって、ド
ライバーは自車輌の異常を認識することができるように
なり、また警報により無断侵入者を自車輌から離れさせ
ることができるようになる。
【0013】上記課題を解決するためになされた請求項
5記載の自動車用防犯装置は、図1の基本構成図に示す
ように、請求項3記載の自動車用防犯装置において、前
記監視領域のうち、前記車輌周辺の特定範囲である警報
領域において、前記比較手段が前記観測データと前記バ
ックグラウンドデータとが異なると判断し、この状態が
所定の異常判断基準時間以上継続した場合、前記防犯手
段175は、異常警報を発生することを特徴とする。
【0014】請求項5記載の発明によれば、監視領域の
うち車輌周辺の特定範囲を警報領域とし、この領域内で
観測データとバックグラウンドデータとの相異が所定の
異常判断基準時間以上継続した場合、異常警報を発生す
る。すなわち、異常警報を発生する範囲を車輌周辺の特
定範囲としている。換言すれば、監視領域内に侵入物体
を検出すれば、上記請求項3で記載したように映像音声
記録手段17Aによって防犯記録を開始する。さらにこ
の請求項5で記載するように警報領域に侵入物体を検出
すれば防犯手段175は、異常警報を発生する。つま
り、車輌に危害を加えられる心配のない領域では防犯記
録のみにとどめ、車輌に危害を加えられる心配のある範
囲では異常警報を発生する。
【0015】上記課題を解決するためになされた請求項
6記載の自動車用防犯装置は、図1の基本構成図に示す
ように、請求項1又は2のいずれかに記載の自動車用防
犯装置において、起動又は停止を指令する起動停止指令
信号を無線により送信する指令信号送信手段2Aと、前
記起動停止指令信号を無線により受信する指令信号受信
手段16Aと、前記起動停止指令信号に応答して、前記
レーダ装置、観測データ生成手段11A、バックグラウ
ンドデータ記憶手段12A、比較判断手段11C及び防
犯手段175の動作を起動又は停止制御する起動停止制
御手段11Dとをさらに有することを特徴とする。
【0016】請求項6記載の発明によれば、指令信号送
信手段2Aからの無線による起動停止指令信号に応答し
て、起動停止制御手段11Dが防犯に関する装置あるい
は手段が起動又は停止制御する。
【0017】上記課題を解決するためになされた請求項
7記載の自動車用防犯装置は、図1の基本構成図に示す
ように、請求項1又は2のいずれかに記載の自動車用防
犯装置において、前記車輌が運転状態にあるか駐車状態
にあるかの状態信号を発生する状態信号発生手段14A
と、前記状態信号を読み込んで、前記車輌が前記駐車状
態にあるとき、前記レーダ手段10A、観測データ生成
手段11A、バックグラウンドデータ記憶手段12A、
比較判断手段11C及び防犯手段175の動作を起動す
る防犯モード起動手段11Eと、前記状態信号を読み込
んで、前記車輌が運転状態にあるとき、前記レーダ装置
の分解能を下げて前記物体まで距離を測定し、この測定
距離が予め設定された障害物警報距離範囲内にある場
合、障害物警報動作を行う障害物警報モード処理手段1
1Fとをさらに有することを特徴とする。
【0018】請求項7記載の発明によれば、障害物警報
動作を行う障害物警報モード処理手段11Fをさらに有
し、車輌が運転状態にあるか駐車状態にあるかによっ
て、防犯モードと障害物警報モード処理手段11Fとを
切り替える。さらに障害物警報モードの際には、レーダ
装置の分解能を下げて前記物体まで距離を測定するよう
にしている。このように、状況によって請求項1〜6記
載の防犯動作をする装置及び手段を障害物警報にも利用
することができるようになる。特に、あまり高分解能の
要求されない障害物警報モードでは、レーダ装置の分解
能を下げて前記物体まで距離を測定する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図2は、本発明の自動車用防犯装
置の構成を示すブロック図である。
【0020】図2のブロック図において、車輌に搭載さ
れる自動車用防犯装置1は、レーダ装置10、信号処理
装置11、(読み出し書き込み自在のメモリ)RAM1
2、(読み出し専用のメモリ)ROM13、警報装置1
5、信号送受信装置16及び映像記録装置17とを含ん
で構成される。また自動車用防犯装置1は、携帯装置2
に無線接続され、さらにイグニッションスイッチ14に
も接続されている。そして自動車用防犯装置1は、電源
供給部18から所定電圧の電源供給を受けている。
【0021】レーダ装置10は、物体を検知するため、
例えば、ミリ波障害物レーダが用いられ、所定のカバー
エリアに対応するように車輌のフロント部分等に配設さ
れた送信装置101及び受信装置102を含む。そし
て、信号処理装置11は、このレーダ装置10からのデ
ータを処理する。上記ミリ波障害物レーダとしては、例
えば、FMCW(Frequency−Modulat
ad Contininuous Waves)を用い
たミリ波レーダ方式が適用可能である。この方式は、例
えば、特開平11−72554号公報にもに開示されて
おり、これはミリ波をFM変調し目標に向けて発し、目
標物体に反射してドップラシフトした受信波と送信波と
の一部をミキシングすることにビート信号周波数を取得
し、このビート信号周波数を利用して、目標までの距離
と相対速度を検出するものである。また、送光ビーム
は、後述するように左右又は水平方向に多段階にスキャ
ンさせながら、物体を探査する。信号処理装置11は、
レーダ装置10からのデータを処理し、前方にある反射
物体までの距離を算出し、これを距離データとして出力
する距離算出処理機能、及び送光ビームのスキャン方向
を示す方向データを生成する方向算出処理機能等を有す
る。
【0022】上述したミリ波レーダを利用した測距方式
は、上記特開平6−51055号公報の他に特開平11
−72554号公報等にも開示されており、これらを本
実施形態の一部に適用可能である。また、ミリ波を用い
る方式以外に、赤外線パルスレーザ光を対称物体に照射
し、反射して戻ってくるまでの往復時間から対称物体と
自車輌との距離あるいは相対速度を検出、演算する公知
のレーザレーダ方式等も適用可能である。また、ミリ波
レーダを用いて対称物体をスキャンする方式は、例え
ば、上記特開平11−72554号公報に開示され、又
レーザレーダを用いて対称物体を垂直及び水平スキャン
する方式は、例えば、特開平特開平11−242518
号公報に開示されており、これらの方式が上述の本実施
形態の一部に適用可能である。なお、上述の実施形態で
は、代表してスキャン方向を水平方向として述べたが、
これをさらに拡張して、水平及び垂直方向にスキャンさ
せるようにしてもよい。
【0023】上記信号処理装置11は、後述する図8〜
図11に示すような処理機能も有する。すなわち、上記
レーダ装置10を用いた測定結果に基づき、一定時間毎
に観測データを生成したり、この観測データからバック
グラウンドデータ(BGデータ)を生成したりする。ま
た観測データとBGデータとを比較し、この比較結果に
基づいて、警報装置15あるいは映像記録装置17を動
作させる。さらに携帯装置2からの起動停止指令信号に
応答して、この自動車用防犯装置1の動作を起動又は停
止制御したり、イグニッションスイッチ14の状態に基
づいて、この装置1を搭載する車輌が駐車状態又は運転
状態にあるかを判断し、防犯処理モード又は障害物警報
処理モードの切替制御をしたりする。上述したような制
御は、ROM13に予め格納された制御プログラムにし
たがって行われる。
【0024】RAM12は、交互に観測データを保存す
るメモリA及びB、並びにBGデータを保存するメモリ
Cを含んで構成される。また、RAM12は、信号送受
信装置16が行うの処理の過程で発生する各種のデータ
を格納する各種格納エリア等を含んで構成されている。
ROM13は、信号処理装置11の制御プログラムや固
定データ等が格納されている。
【0025】イグニッションスイッチ14は、車輌に搭
載される既成のもので、このスイッチ14のON又はキ
ー抜取検出信号は信号処理装置11に供給され、後述の
運転状態か駐車状態かを判断するために利用される。
【0026】警報装置15は、信号処理装置11の制御
により、後述の警報領域に物体が侵入したときに警報を
発するもので、具体的には、防犯ベルや既成のクラクシ
ョン等を利用した音による音声警報装置あるいは、(P
ersonal HandyPhone)PHSや携帯
電話等の携帯端末装置を利用して、自車から離れたドラ
イバーと連絡を取り、異常を知らせる警報報知装置等が
想定される。このような異常警報によって、ドライバー
は自車輌の異常を認識することができるようになり、ま
た警報により無断侵入者を自車輌から離れさせることが
できる。
【0027】信号送受信装置16は、携帯装置2から所
定の無線周波数で送信されてくる本防犯装置の起動又は
停止を指令する起動停止指令信号を受信して、この信号
を信号処理装置11に供給する。
【0028】映像記録装置17は、信号処理装置11の
制御により、後述の防犯観測領域及び車内に物体が侵入
したときに防犯記録を行うもので、具体的には、CCD
カメラを利用して映像を記録する映像記録装置あるい
は、8ミリビデオやディジタルビデオカメラを利用して
映像、音声の両方を記録する映像音声記録装置等が想定
される。このように、車輌の周辺及び車内の映像又は音
声を記録することによって、無断侵入者等の特定が容易
になる。また、後述の警報領域以外の監視領域において
は単に記録するだけなので、無駄な警報音の発生等の心
配がない。
【0029】電源供給部18は上述した各部に所定電圧
の電力を供給するもので、具体的には、車載バッテリで
ある。
【0030】なお、携帯装置2は、スイッチ操作により
上記防犯装置1の起動又は停止を指令する起動停止指令
信号を所定の無線周波数で送信する送信回路を含み、具
体的には、既成のキーレスエントリーシステムに採用さ
れているようにカーキーに付随するものでもよいし、カ
ーキーとは独立的したカード状のものでもよい。
【0031】次に図3を用いて、本発明の自動車用防犯
装置に関わる観測例及び観測データの解析例を示す。図
3(A)は本発明の自動車用防犯装置に関わる観測例を
概略図である。図3(B)は図3(A)による観測デー
タの解析例である。ここでは上述したようにミリ波レー
ダ方式を用いてレーダ装置10から反射物体までの距離
を算出している。
【0032】図3(A)に示す概略図において、車輌3
のサイドドアの一部には、上記図1で説明したレーダ装
置10が設けられている。51、52及び53は、被測
定物体である。縦軸上に示す2m、1m、0m、−1m
及び−2mは、レーダ装置10のアンテナ(不図示)か
ら水平方向の距離、すなわち、それぞれ異なるスキャン
角度を示す。また横軸上に示す0.0m、0.1m、
0.2m、0.3m、0.4m及び0.5mは、上記ア
ンテナから被測定物体までの距離を示す。これら角度及
び距離によって、図3(B)に示すように物体の存在位
置を示す観測データが得られる。図3(B)に示す解析
例を示す表において、“1”は物体の存在を示し、
“0”は物体の存在しないことを示す。
【0033】レーダ装置10を介して物体までの距離デ
ータを取得した信号処理装置11は、図3(B)に示す
観測データを得ることができる。図3(B)に示す観測
データ解析例により、水平方向距離が−1m及び物体ま
での距離が0.3mの地点(物体53の存在地点に相
当)、水平方向距離が0m及び物体までの距離が0.1
mの地点(物体52の存在地点に相当)、並びに水平方
向距離が2m及び物体までの距離が0.2mの地点(物
体51の存在地点に相当)にそれぞれ物体の存在が検出
される。
【0034】このように物体の大きさを考慮して、水平
方向の距離及び角度方向の距離を段階的に計測する。す
なわち、バックグラウンドとなるべき物体や侵入物体は
通常ある程度の大きさを有しており、これらの物体の大
きさを考慮して、段階的なスキャン角度及び計測距離が
設定されている。これによって、観測用に取得すべきデ
ータ量が必要最低限でよくなり、信号処理制御が容易に
なり処理速が向上する。また、消費電力も節約できる。
【0035】さらに、この図3(A)及び(B)に示し
た例を発展させてBGデータ作成及び移動物体検出をす
る例を図4(A)及び(B)を用いて説明する。図4
(A)及び(B)は、図3(A)及び(B)に示した例
を利用してBGデータ作成及び移動物体検出をする例を
説明するための図である。上記レーダ装置10を用いて
物体までの距離データを取得した信号処理装置11は、
自身の持つ計時機能も利用して図4(A)及び(B)に
示す観測データを得ることができる。図4(A)及び
(B)に示す例は、一定時間間隔毎に図3(A)及び
(B)に示す例に基づき観測データを取得していく。
【0036】図4(A)に示す概略図において、車輌3
のサイドドアの一部には、上記図1で説明したレーダ装
置10が設けられている。バックグラウンド4は、柱、
壁、他の車等ある程度の長時間、静止状態を続ける静止
物体である。物体5A及び5Bは、人等のように一定位
置に長時間停留しない移動物体である。この例では、時
刻t3及びt4において5Aに示す位置に物体5Aが存
在し、時刻t5において5Bに示す位置に物体5Bが存
在したものと想定する。又は、物体が時刻t3及びt4
において5Aに示す位置に存在した物体が、時刻t5に
おいて5Bに示す位置に移動したものと想定してもよ
い。A、B、C、D及びEは、それぞれ異なるスキャン
角度を示し、図3の水平方向の距離2m、1m、0m、
−1m及び−2mに対応する。またL1、L2、L3、
L4及びL5はそれぞれの角度方向の距離を示し、図3
の物体までの距離0.0m、0.1m、0.2m、0.
3m、0.4m及び0.5mにそれぞれ対応する。
【0037】図4(B)に示す観測データ解析例におい
ては、まず、時刻t1〜t2間において、B方向の距離
L5、C方向の距離L3及びD方向の距離L5の位置に
静止物体が検出され、これがBGデータとして記憶保存
される。そして、t3〜t5における取得データと、上
記BGデータとが比較される。この結果、時刻t3にお
いてB方向の距離L1地点に物体が出現し、この物体が
時刻t5においてC方向の距離L4地点に移動した(又
は新たに別の物体がこの位置に出現した)ことが検出さ
れる。この検出結果に基づいて、後述する記録処理及び
警報処理が行われる。
【0038】さらに図5(A)、(B)及び(C)を用
いて、防犯観測領域の例を示す。図5(A)に示す防犯
観測領域例において、車輌3は、両サイドドアの一部に
レーダ装置10A及び10Cをそれぞれ有し、フロント
バンパー付近にレーダ装置10B、リアバンパー付近に
レーダ装置10Dを有する。これらレーダ装置10A〜
10Dは、図2で示したと同様の方式とする。
【0039】レーダ装置10A及び10Cは、それぞれ
両サイドドアから横方向に放射線状に広がる観測領域6
A及び6Cを有する。レーダ装置10Bは、フロントバ
ンパー付近から前方に放射線状に広がる観測領域6Bを
有する。レーダ装置10Dは、リアバンパー付近から後
方に放射線状に広がる観測領域6Dを有する。これらレ
ーダ装置10A〜10Dは、サイドドア方向及びリアボ
ンネット方向からの侵入、並びにフロントボンネット内
への危害を考慮して配置されている。
【0040】図5(B)に示す防犯観測領域例におい
て、車輌3は、フロントバンパー付近にレーダ装置10
E、リアウインド上方中央付近にレーダ装置10G、そ
してリアウインド下方左右付近にレーダ装置10H及び
10Fを有する。レーダ装置10Eは、フロントバンパ
ー付近から前方に放射線状に広がる観測領域6Eを有す
る。レーダ装置10Gは、リアウインド上方中央付近か
ら後方に放射線状に広がる観測領域6Gを有する。レー
ダ装置10H及び10Fは、それぞれリアウインド下方
左右付近から車輌3の側面に接しながら前方に放射線状
に広がる観測領域6H及び6Fを有する。これらレーダ
装置10A〜10Dは、サイドドア方向及びリアボンネ
ット方向からの侵入、並びにフロントボンネット内への
危害を考慮して配置されている。
【0041】図5(C)に示す防犯観測領域例におい
て、車輌3は、ルーフ中央付近にレーダ装置10Iを有
する。レーダ装置10Iは、車輌3の周辺を囲むような
楕円状の観測領域6Iを形成するような、スキャン範囲
又は指向性を有する。このレーダ装置10Iは単一なの
で、図5(A)及び(B)に示す例よりも分解能は下が
るが、その反面コスト削減の効果がある。
【0042】このように、目的に応じてアンテナ指向性
あるいはスキャン方法を変えれば任意の観測領域6を設
定することができる。さらにこの領域6を狭くすれば、
人通りの多い場所でもBGデータの作成が可能になる。
【0043】さらに、図6を用いて駐車例と防犯観測領
域との関係を説明する。図6(A)は通常の駐車の例を
示し、図6(B)は迷惑、危険な駐車の例を示す。これ
ら図6(A)及び6(B)において、警報範囲は車輌3
の突起物、例えば、サイドミラー31又はドアミラーの
長さを利用する。又はこの長さの2倍にしてもよい。
【0044】すなわち、通常他車輌9は自車輌3に対し
て、図6(A)に示すように警報領域7以上のスペース
を保ち駐車するはずである。図6(B)に示すように他
車輌9が自車輌3に対して、警報領域7内に駐車した場
合は、非常に迷惑であり、また接触等の危険を伴う恐れ
もある。従って、この警報領域7に他車輌9が侵入した
場合に警報を発生するようにする。例えば、防犯モード
中に、警報領域7内に所定時間以上他車輌9がいた場
合、警報を発生するようにするようにしてもよい。
【0045】このように警報領域7を設定することによ
り、単に一時的に自車輌3の付近を通過した人や他車輌
9に対しては、警報を発生することがなくなるので、よ
り確実に本来の防犯警報が行えるようになる。また、警
報領域7以外の防犯観測領域6内に侵入物体を検出すれ
ば、上述したような防犯記録を開始する。つまり、車輌
に危害を加えられる心配のない領域では防犯記録のみに
とどめ、車輌に危害を加えられる心配のある範囲では異
常警報を発生する。これにより、無駄な警報発生を防止
しながらも、必要な場合には確実に警報を発生させるこ
とができるようになる。
【0046】また、図7を用いて観測領域の切替につい
て説明する。図7(A)は、防犯モードにおける観測領
域を示す図である。図7(B)は、衝突防止モードにお
ける観測領域を示す図である。
【0047】図7(A)に示すように、防犯モードでは
車輌3は防犯観測領域6を有する。この領域6は、図5
及び図6を用いて説明した防犯観測領域6A〜6Iに相
当するものである。また、図7(B)に示すように、衝
突防止モードでは車輌3は衝突防止観測領域8を有す
る。この領域8は、図7(A)に示した領域6よりも広
く、距離分解能は低く設定されている。
【0048】上述の衝突防止モード、又は防犯モードの
切替は、車輌3が運転状態にあるか、又は駐車状態にあ
るかに基づいて行われる。この運転状態、又は駐車状態
の判断は、例えばイグニッションスイッチの状態を利用
する。駐車状態にある場合、すなわち防犯モードでは、
信号処理装置11は、観測領域を図7(A)に示すよう
に狭めると共に距離分解能を細かくすることによって、
観測精度を高める。一方、運転状態にある場合、すなわ
ち衝突防止モードでは、信号処理装置11は、図7
(B)に示すように車輌3の走行障害となる範囲にある
物体を検出するため観測領域を広くすると共に物体の有
無を判断できる程度に距離分解能を粗くすることによっ
て、消費電力を抑える。前述の特開昭62−81587
号公報においてもモード切替を行っているが、そこでは
警報距離範囲をモードによって切り替えているのみであ
り、観測領域自体は本発明のように切り替えてはいな
い。従って、この従来技術では、消費電力低減や効率的
な距離分解能制御の効果は得られない。
【0049】さらに、図8〜図11を用いて、図2の信
号処理装置が行う本発明に関わる処理概要を説明する。
図8〜図10はそれぞれ、図2の信号処理装置が行う処
理概要の一部を示すフローチャートである。基本的に、
図8はバックグラウンド作成処理、図9は比較処理、そ
して、図10は警報処理、記録処理及びバックグラウン
ド変更処理に関わるものである。また、図11は、図2
の信号処理装置が行う防犯停止割込処理の概要を示すフ
ローチャートである。
【0050】図8〜図10のフローチャート中、ステッ
プS1において、防犯モードあるいは衝突防止モードの
切替制御を行うため、イグニッションスイッチ14の状
態をチェックする。ONであると判断する限り(ステッ
プS1のON)ステップS2の衝突防止処置を継続し、
OFFでありカーキーが抜かれている判断すると(ステ
ップS1のキー抜取)ステップS3に移行する。
【0051】ステップS2においては、衝突防止処理を
行う。この処理では信号処理装置11は、物体の有無を
判断できる程度に距離分解能を設定すると共に、観測領
域を図7(A)の8に示したように車輌3の走行障害と
なる範囲にある物体を検出するための十分な広さに設定
する。そして、この衝突防止観測領域8に物体を検出す
ると所定の警報発生等の処理を行う。
【0052】一方、ステップS3においては、本防犯装
置の起動指令する起動停止指令信号の受信を待つ。すな
わち、信号処理装置11は、携帯装置2から所定の無線
周波数で送信されてくるシステム起動を指令する起動停
止指令信号を信号送受信装置16を介して受信を待ち
(ステップS3のNO)、受信すると(ステップS3の
YES)ステップS4〜ステップS10のバックグラウ
ンド作成処理に移行する。このバックグラウンド作成処
理は、前述したように、環境変化を検出する基準となる
基準データを作成する処理である。この処理のステップ
S4においては、信号処理装置11は、所定のシステム
起動、データクリア及びこの装置11自体が有するタイ
マー(不図示)のカウントスタート等、一連の初期処理
を行い、ステップS5に移行する。
【0053】ステップS5においては、信号処理装置1
1は、一回目のバックグラウンド用観測をスタートす
る。この一回目の観測は、例えば図4で説明した時刻t
1での観測である。そしてステップS6において、ステ
ップS5で取得したデータをRAM12のメモリAに記
録すし、ステップS7に移行する。
【0054】ステップS7においては、信号処理装置1
1は二回目のバックグラウンド用観測をスタートする。
この二回目の観測は、例えば図4で説明した時刻t2で
の観測である。そしてステップS8において、ステップ
S7で取得したデータをRAM12のメモリBに記録す
し、ステップS9に移行する。
【0055】ステップS9においては、メモリA及びB
に記録されている観測データを比較し、両者が同一であ
るかどうかを判断する。ここで、両者が同一であると判
断されない場合(ステップS9のNO)、ステップS5
に戻りバックグラウンド作成処理を再度試行する。一
方、ここで両者が同一であると判断した場合(ステップ
S9のYES)、接続点1を経てステップS10に移行
する。
【0056】ステップS10においては、上記メモリA
又はBに記録されている観測データをBGデータとして
メモリCに記録し、接続点2を経て、図9のステップS
11に移行する。
【0057】図9に示すステップS11〜ステップS1
5は、比較処理である。この比較処理は、図8のバック
グラウンド作成処理で作成されたBGデータと所定時間
間隔での観測データとを比較するものである。
【0058】ステップS11において、信号処理装置1
1は防犯のための観測を開始する。この観測は、例えば
図4で説明した時刻t3、t4又はt5での観測であ
る。信号処理装置11は観測により取得したデータをR
AM12のメモリAに更新記録し、ステップS12に移
行する。
【0059】ステップS12においては、メモリAに記
録されている観測データとメモリCに記録されているB
Gデータとを比較し、両者が同一であるかどうかを判断
する。ここで、両者が同一であると判断されない場合
(ステップS12のNO)、防犯観測領域内に新たな物
体が侵入してきたことになるので、防犯記録を開始する
ため接続点3を経てステップS16に移行する。一方、
ここで両者が同一であると判断した場合(ステップS1
2のYES)、ステップS13に移行する。
【0060】ステップS13においては、信号処理装置
11は防犯のための観測をする。この観測は、例えば図
4で説明した時刻t3、t4又はt5での観測である。
ここでは、信号処理装置11は観測により取得したデー
タをRAM12のメモリBに更新記録し、ステップS1
4に移行する。
【0061】ステップS14においては、メモリBに記
録されている観測データとメモリCに記録されているB
Gデータとを比較し、両者が同一であるかどうかを判断
する。ここで、両者が同一であると判断されない場合
(ステップS14のNO)、防犯観測領域6内に新たな
物体が侵入してきたことになるので、防犯記録を開始す
るため接続点3を経てステップS16に移行する。一
方、ここで両者が同一であると判断した場合(ステップ
S14のYES)、ステップS15に移行する。
【0062】ステップS15においては、信号処理装置
11はイグニッションスイッチ14の状態をチェックす
る。OFFでありカーキーが抜かれていると判断する限
り(ステップS15のN0)ステップS11に戻り、上
述した比較処理を継続し、ONであると判断すると(ス
テップS15のYES)終了する。なお、この終了後は
衝突防止処理を行うため、図8のステップS1に再度戻
るようにしてもよい。
【0063】図10において、ステップS16、ステッ
プS17、ステップS22、ステップS23及びステッ
プS24は、上記防犯観測領域6に新たな侵入物体が検
出された場合に行われる映像又は音声の記録処理を基本
的に構成する。ステップS18、ステップS19、ステ
ップS20及びステップS21は、上記警報領域7に新
たな侵入物体が検出された場合に行われる異常警報処理
を基本的に構成する。ステップS25、ステップS2
6、ステップS27、ステップS28及びステップS2
9は、上記環境変化検出の基準となるBGデータを変更
するか否かを判断するバックグラウンド変更処理を基本
的に構成する。
【0064】ステップS16においては、信号処理装置
11は映像記録装置17を制御して記録を開始する。す
なわち、ビデオカメラ等の映像記録装置17により、車
輌3の周囲の防犯観測領域6に相当する領域内や車輌内
が映像及び音声記録される。なお、記録は映像だけにし
てもよい。ステップS16で上記の記録が開始される
と、ステップS17に移行する。
【0065】ステップS17においては、警報発令条件
に基づき、警報発令の要否が判断される。すなわち、警
報発令条件とは、図6で説明したようにサイドミラー3
1の長さを利用して規定された警報領域7の中に物体の
存在を新たに検出し、かつこの状態が一定時間、例えば
10秒以上継続した場合等である。信号処理装置11
は、RAM12のメモリCに記録されているBGデータ
と、メモリB又はCに記録されている観測データを比較
し、警報領域7に相当する範囲において新たな物体の存
在を経時的にチェックすることにより、上記条件が満た
されると(ステップS17のNO)警報を発令すべくス
テップS22に移行し、条件が満たされないと(ステッ
プS17のYES)記録を継続するかどうか判断すべく
ステップS22に移行する。
【0066】ステップS18においては、信号処理装置
11は警報装置15を制御して所定の警報発令を開始す
る。すなわち、防犯ベルや既成のクラクション等を利用
した音による音声警報発令や、PHSや携帯電話等の携
帯端末装置を利用した、自車から離れたドライバーと連
絡を取ることによる警報報知発令等が行われる。
【0067】ステップS19においては、信号処理装置
11は、ステップS11で説明したと同様の観測を開始
する。そして、信号処理装置11は観測により取得した
データをRAM12のメモリA又はBに更新記録し、ス
テップS20に移行する。
【0068】ステップS20においては、ステップS1
7で説明したと同様の判断を行い、上記条件が満たされ
ると(ステップS20のYES)警報発令を継続すべく
ステップS19に戻り、条件が満たされないと(ステッ
プS20のNO)警報発令を停止すべくステップS21
に移行する。
【0069】ステップS21においては、信号処理装置
11は、警報装置15を制御して警報発令を停止し、記
録を継続するかどうか判断すべくステップS22に移行
する。ステップS22においては、信号処理装置11
は、ステップS11で説明したと同様の観測を開始す
る。そして、信号処理装置11は観測により取得したデ
ータをRAM12のメモリA又はBに更新記録し、ステ
ップS23に移行する。
【0070】ステップS23においては、ステップS1
2又はステップS14で説明したと同様、メモリA又は
Bに記録されている観測データとメモリCに記録されて
いるBGデータとを比較し、両者が同一であるかどうか
を判断する。ここで、両者が同一であると判断されない
場合(ステップS23のNO)、防犯観測領域6内に新
たな物体が侵入してきたことになるので、BGデータを
変更すべくステップS25に移行する。一方、ここで両
者が同一であると判断した場合(ステップS23のYE
S)、新たな物体は防犯観測領域6に存在しないことに
なるので、記録を停止すべくステップS24に移行す
る。
【0071】ステップS25においては、ステップS9
で説明したと同様、メモリA及びBに記録されている観
測データを比較し、両者が同一であるかどうかを判断す
る。ここで両者が同一であると判断した場合(ステップ
S25のYES)、ステップS26に移行する。一方、
両者が同一であると判断されない場合(ステップS25
のNO)、ステップS16に戻る。
【0072】ステップS26においては、一定時間毎の
観測回数Nをカウントアップし、ステップS27に移行
する。ステップS27においては、信号処理装置11は
観測回数Nが10を超えたかどうかを判断する。ここ
で、観測回数Nが10を超えたと判断されると(ステッ
プS27のNO)、この観測回数10の期間中に警報領
域7内に新たな物体の侵入はないと考えられるので、ス
テップS29で観測回数Nを0に設定し、新たなBGデ
ータをメモリCに記録すべく接続点1を経て図8に示し
たステップS10に戻る。
【0073】一方、ステップS27において、観測回数
Nが10を超えたと判断されない限り(ステップS27
のNO)ステップS22に戻る。このステップS27、
ステップS22、ステップS23、ステップS25及び
ステップS26によって形成される処理ループは、警報
領域7内に新たな物体の侵入があったが、これが観測回
数10の期間中、継続して静止状態で存在したため、こ
の静止物体を含めた新たなBGデータを作成するかどう
かを判断するためのものである。具体的には、自車輌3
の隣に他車輌が長時間駐車した場合、この他車輌を含め
たBGデータとする場合等が想定される。なお、上記ル
ープ中のステップS23において、YESの場合は、観
測回数10の期間中に侵入物体が再び防犯観測領域6の
外にでたと想定されるので、バックグラウンド更新処理
は行われない。またなお、このループにおけるステップ
S22での観測データの記録は、メモリA及びメモリB
に交互に行われる。
【0074】上述したように、防犯動作を行うための判
断にBGデータ、すなわち、所定時間静止状態を継続す
る物体を検出することによって生成されたデータが利用
される。そして、BGデータとそれ以降の観測データと
が比較される。つまり、自車輌の周りの環境変化を検出
することによって、防犯動作が行われる。従って、従来
のように監視領域に物体を検出しただけで警報動作を行
うことがなくなる。この結果、誤警報を防止できドライ
バーの不安を取り除くことができる。
【0075】図11を用いて、図2の信号処理装置が行
う防犯停止割込処理の概要を説明する。前述したように
携帯装置2は、スイッチ操作により上記防犯装置1の起
動又は停止を指令する起動停止指令信号を所定の無線周
波数で送信する。この指令信号に応答して、自動車用防
犯装置1は起動又は割込停止制御される。携帯装置2か
らの起動停止指令信号を無線受信した信号送受信装置1
6は、この信号を所定の形式に変換して信号処理装置1
1に供給する。
【0076】図11の割込処理のステップS101にお
いて、信号処理装置11は信号送受信装置16が無線受
信した停止を指令する起動停止指令信号を待っている
(ステップS101のNO)。ここで、信号処理装置1
1は停止指令を検出すると(ステップS101のYE
S)、ステップS102に移行する。
【0077】ステップS102においては、信号処理装
置11は衝突防止モード/防犯モードの判断を行う。防
犯モードと判断すれば(ステップS102のNO)、防
犯モードを終了すべくステップS103に移行する。衝
突防止モードと判断すれば(ステップS102のYE
S)停止指令を待つべくステップS101に戻る。
【0078】ステップS103においては、信号処理装
置11は防犯モード終了処理を行う。すなわち、信号処
理装置11は、上述の図8〜図10で説明したいずれか
の処理の途中で上記停止指令を受けた場合、該当処理を
終了した後、各データをクリアして、図8のスタートに
戻る。そして、ステップS1を経てステップS3に移行
し、携帯装置2からの機動を指令する信号を待つ(ステ
ップS3のNO)。上記割込処理は、ここでは基本的に
防犯モードにおいて行われるものと想定しているが、衝
突防止モードにおいても停止割込をできるようにしても
よい。
【0079】このように、携帯装置2からの指令によ
り、離れた場所から必要な場合のみ防犯動作をさせるこ
とができる。例えば、車輌の持ち主はこの携帯装置2に
より、自分が車輌に近づいたり、乗り込んだりする場合
には、防犯動作を停止させることにより、無駄な警報や
記録動作を防止できるようになる。この結果、より現実
的な防犯動作が可能になる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、比較判断手段11Cによって、一定時間毎
にバックグラウンドデータ生成手段11Bによって生成
されたバックグラウンドデータと観測データ生成手段1
1Aによって生成された観測データとが比較され、これ
らが同一であるかどうかが判断される。そして、比較判
断手段11Cにおいて、監視領域内で観測データとバッ
クグラウンドデータとが異なると判断された場合、防犯
手段175は防犯動作を行う。このように、防犯動作を
行うための判断にバックグラウンドデータ、すなわち、
所定時間静止状態を継続する物体を検出することによっ
て生成されたデータが利用される。そして、バックグラ
ウンドデータとそれ以降の観測データとが比較される。
つまり、自車輌の周りの環境変化を検出することによっ
て、防犯動作を行う。従って、従来のように監視領域に
物体を検出しただけで警報動作を行うことがなくなる。
この結果、誤警報を防止できドライバーに不安を与える
ことがなくなる。
【0081】請求項2記載の発明によれば、前記物体の
大きさを考慮して、多段階にスキャン角度を制御し、そ
の角度における物体までの距離を段階的に計測する。す
なわち、バックグラウンドとなるべき物体や侵入物体は
通常ある程度の大きさを有しており、これらの物体の大
きさを考慮して、段階的なスキャン角度及び計測距離が
設定されている。これによって、観測用に取得すべきデ
ータ量が必要最低限でよくなり、信号処理制御が容易に
なり処理速度が向上する。また、消費電力も節約でき
る。
【0082】請求項3記載の発明によれば、防犯動作と
して車輌の周辺及び車内の映像又は音声が記録される。
このように、車輌の周辺の映像又は音声が記録すること
によって、無断侵入者等の特定が容易になる。また、単
に記録するだけなので、無駄な警報音の発生等の心配が
ない。
【0083】請求項4記載の発明によれば、防犯動作と
して異常警報が発生される。この異常警報によって、ド
ライバーは自車輌の異常を認識することができるように
なり、また警報により無断侵入者を自車輌から離れさせ
ることができるようになる。
【0084】請求項5記載の発明によれば、監視領域の
うち車輌周辺の特定範囲を警報領域とし、この領域内で
観測データとバックグラウンドデータとの相異が所定の
異常判断基準時間以上継続した場合、異常警報を発生す
る。すなわち、異常警報を発生する範囲を車輌周辺の特
定範囲としている。換言すれば、監視領域内に侵入物体
を検出すれば、上記請求項3で記載したように防犯記録
を開始される。さらにこの請求項5で記載したように警
報領域に侵入物体を検出すれば異常警報が発生される。
つまり、車輌に危害を加えられる心配のない領域では防
犯記録のみにとどめ、車輌に危害を加えられる心配のあ
る範囲では異常警報を発生する。これにより、無駄な警
報発生を防止しながらも、必要な場合には確実に警報を
発生させることができるようになる。
【0085】請求項6記載の発明によれば、指令信号送
信手段2Aからの無線による起動停止指令信号に応答し
て、起動停止制御手段11Dが防犯に関する装置あるい
は手段が起動又は停止制御する。従って、離れた場所か
ら必要な場合のみ防犯動作をさせることができる。例え
ば、車輌の持ち主はこの指令信号送信手段2Aにより、
自分が車輌に近づいたり、乗り込んだりする場合には、
防犯動作を停止させることにより、無駄な警報や記録動
作を防止できるようになる。この結果、より現実的な防
犯動作が可能になる。
【0086】請求項7記載の発明によれば、障害物警報
動作を行う障害物警報モード処理手段11Fをさらに有
し、車輌が運転状態にあるか駐車状態にあるかによっ
て、防犯モードと障害物警報モード処理手段11Fとを
切り替える。さらに障害物警報モードの際には、レーダ
装置の分解能を下げて前記物体まで距離を測定するよう
にしている。このように、状況によって請求項1〜6記
載の防犯動作をする装置及び手段を障害物警報にも利用
することができるようになる。特に、あまり分解能の要
求されない障害物警報モードでは、レーダ手段10Aの
分解能を下げて物体まで距離を測定するようにしている
ので、無駄な消費電力の削減になるうえ、信号処理速度
も高められより高速に障害物検出ができるようになる。
なお、防犯モードの際には、分解能を下げることはない
ので、精度の高い防犯観測が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用防犯装置の基本構成を示す図
である。
【図2】本発明の自動車用防犯装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】図3(A)は本発明の自動車用防犯装置に関わ
る観測例を示す概略図である。図3(B)は図3(A)
による観測データの解析例である。
【図4】図4(A)及び(B)は、図3(A)及び
(B)に示した例を利用してバックグラウンドデータ作
成及び移動物体検出をする例を説明するための図であ
る。
【図5】図5(A)、(B)及び(C)は共に、防犯観
測領域の例である。
【図6】図6(A)及び(B)は、駐車例と防犯観測領
域との関係を示す図である。
【図7】図7(A)は、防犯モードにおける観測領域を
示す図である。図7(B)は、衝突防止モードにおける
観測領域を示す図である。
【図8】図2の信号処理装置が行う処理概要の一部を示
すフローチャートである。
【図9】図2の信号処理装置が行う処理概要の他の一部
を示すフローチャートである。
【図10】図2の信号処理装置が行う処理概要のさらに
他の一部を示すフローチャートである。
【図11】図2の信号処理装置が行う防犯停止割込処理
の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動車用防犯装置 2 携帯装置 3 レーダ装置 10 信号処理装置 12 RAM 13 ROM 14 イグニッションスイッチ 15 警報装置 16 信号送受信装置 17 映像記録装置 18 電源供給部 101 送信装置 102 受信装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体に対する送信波及び前記物体からの
    反射波に基づき、車輌の周囲の監視領域に存在する前記
    物体までの距離を測定するレーダ手段と、 前記レーダ手段による測定結果に基づき、一定時間毎に
    前記監視領域内における前記物体の存在する位置を特定
    したデータである観測データを生成する観測データ生成
    手段と、 前記観測データから所定時間静止状態を継続する物体を
    検出することによって、バックグラウンドデータを生成
    するバックグラウンドデータ生成手段と、 前記バックグラウンドを記憶するバックグラウンドデー
    タ記憶手段と、 前記一定時間毎に前記観測データと前記バックグラウン
    ドデータとを比較し、これらが同一であるかどうかを判
    断する比較判断手段と、 前記比較判断手段において、前記観測データと前記バッ
    クグラウンドデータとが異なると判断された場合、防犯
    動作を行う防犯手段と、 を有することを特徴とする自動車用防犯装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車用防犯装置におい
    て、 前記観測データ生成手段は、前記物体の大きさを考慮し
    て、前記監視領域をカバーするように前記レーダ手段の
    スキャン角度を多段階に制御し、各スキャン角度方向に
    おける前記物体までの距離を段階的に計測することによ
    って、前記観測データを生成することを特徴とする自動
    車用防犯装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかに記載の自動
    車用防犯装置において、 前記防犯手段は、前記車輌の周辺及び車内の映像又は音
    声を記録する映像音声記録手段であることを特徴とする
    自動車用防犯装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2のいずれかに記載の自動
    車用防犯装置において、 前記防犯手段は、異常警報を発生する警報発生手段であ
    ることを特徴とする自動車用防犯装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の自動車用防犯装置におい
    て、 前記監視領域のうち、前記車輌周辺の特定範囲である警
    報領域において、前記比較手段が前記観測データと前記
    バックグラウンドデータとが異なると判断し、この状態
    が所定の異常判断基準時間以上継続した場合、前記防犯
    手段は、異常警報を発生することを特徴とする自動車用
    防犯装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2のいずれかに記載の自動
    車用防犯装置において、 起動又は停止を指令する起動停止指令信号を無線により
    送信する指令信号送信手段と、 前記起動停止指令信号を無線により受信する指令信号受
    信手段と、 前記起動停止指令信号に応答して、前記レーダ装置、観
    測データ生成手段、バックグラウンドデータ記憶手段、
    比較判断手段及び防犯手段の動作を起動又は停止制御す
    る起動停止制御手段と、 をさらに有することを特徴とする自動車用防犯装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2のいずれかに記載の自動
    車用防犯装置において、 前記車輌が運転状態にあるか駐車状態にあるかの状態信
    号を発生する状態信号発生手段と、 前記状態信号を読み込んで、前記車輌が前記駐車状態に
    あるとき、前記レーダ手段、観測データ生成手段、バッ
    クグラウンドデータ記憶手段、比較判断手段及び防犯手
    段の動作を起動する防犯モード起動手段と、 前記状態信号を読み込んで、前記車輌が運転状態にある
    とき、前記レーダ装置の分解能を下げて前記物体まで距
    離を測定し、この測定距離が予め設定された障害物警報
    距離範囲内にある場合、障害物警報動作を行う障害物警
    報モード処理手段と、 をさらに有することを特徴とする自動車用防犯装置。
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KR101547979B1 (ko) * 2013-11-18 2015-08-28 한화탈레스 주식회사 초광대역 벽투과 레이더를 이용한 은닉형 보안 감시 시스템 및 방법
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