JP2001323304A - 銅粉の製造方法 - Google Patents

銅粉の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒径が微細且つ均一であり、耐酸化性に優れ
た銅粉を、経済的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 銅の酸化物または亜酸化物からなる粉末
と、糖類と、炭酸ナトリウムあるいは炭酸水素ナトリウ
ムとを有機溶媒に懸濁させ、100℃以上でかつ該有機
溶剤の沸点未満の温度に加熱することにより、銅粉に還
元することを特徴とする。上記銅粉の製造方法におい
て、糖は単糖類または2糖類が好ましい。また糖の添加
量としては、銅の酸化物あるいは亜酸化物のモル量に対
し0.1モル倍以上加えることが望ましい。また、炭酸
ナトリウム、あるいは炭酸水素ナトリウムの添加量は、
銅の酸化物あるいは亜酸化物のモル量に対し0.05モ
ル倍以上加えることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路の形成や
集電用電極として使用される微細な銅粉の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子回路の形成や集電用電極として使用
される銅粉は、粒径の揃った微粒子であり、凝集体を含
まないこと、単分散性がよいこと、耐酸化性が優れてい
ることが必要とされている。
【0003】このような銅粉としては、一般に粒径5μ
m以下のものが要求され、最近では電子機器の小型化や
配線の高密度化への対応として、粒径0.3や0.5μ
mといった1μm以下のサブミクロンの粒径を有するさ
らに微細な銅粉への要求が強くなっている。しかし、銅
粉の粒径を小さくすると、それに伴って比表面積が増加
するために、銅粉が微細になるほど耐酸化性が低下する
という傾向がある。
【0004】従来から、微細な銅粉の製造方法として、
銅塩などの水溶液からヒドラジンなどの還元剤を用いて
還元する方法、銅塩や銅酸化物を還元性雰囲気中で加熱
還元する方法、銅の塩化物蒸気を還元性ガスで還元する
方法が知られている。これらの方法のうち、ヒドラジン
による還元法は大気圧下で処理できるなどの点で非常に
生産性に優れた方法である。
【0005】しかし、ヒドラジンによる還元法では、得
られる銅粉の粒径にばらつきが大きいため、導体ペース
トとして微細配線を形成する際に問題が発生するととも
に、有害なヒドラジンを使用するために安全環境面で不
都合があった。また、得られる銅粉末の表面活性が強
く、直ちに酸化が進行しやすいため、例えば配線形成後
のペースト焼成時における焼結性が悪化する原因となっ
ていた。
【0006】そこで粒径のばらつきが少ない銅粉の製造
方法として、特公平5−57324号公報には、銅塩の
水溶液中にアルカリを添加して水酸化物を形成させた
後、ヒドラジンの添加により酸化銅に還元し、さらに金
属銅粉に還元する2段階の還元方法が記載されている。
また特開平4−116109号公報には銅塩の水溶液に
アルカリを添加して水酸化銅とし、これを糖で亜酸化銅
に還元した後、さらにヒドラジンにより銅粉に還元する
方法が開示されている。しかしながら、これらの方法は
還元剤として有害なヒドラジンを使用するため、安全環
境面での問題は依然として残っていた。
【0007】還元剤として有害なヒドラジンを使用しな
い方法として特開平5−271721号公報には、アス
コルビン酸を利用する方法が考案されている。すなわ
ち、銅アンモニウム錯体溶液をL−アスコルビン酸で還
元して、粒径が1〜2μmの均一な銅粉を得る方法であ
る。しかし、アスコルビン酸は高価な還元剤であるた
め、生産コストが上昇するという欠点があった。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来
の事情に鑑み、ヒドラジンのような有害な還元剤や、ア
スコルビン酸のような高価な還元剤を使用することな
く、粒径が微細且つ均一であり、耐酸化性に優れた銅粉
を、経済的に製造する方法を提供する事を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明が提供する銅粉の製造方法は、銅の酸化物ま
たは亜酸化物からなる粉末と、糖類と、炭酸ナトリウム
(Na2CO3)あるいは炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)とを
有機溶媒に懸濁させ、100℃以上でかつ該有機溶剤の
沸点未満の温度に加熱することにより、銅粉に還元する
ことを特徴とする。銅の酸化物または亜酸化物は、これ
らの混合物であっても良いし、炭酸ナトリム、炭酸水素
ナトリウムもこれらの混合物であっても同様の効果が得
られる。
【0010】上記銅粉の製造方法において、糖は単糖類
または2糖類が好ましい。また糖の添加量としては、銅
の酸化物あるいは亜酸化物のモル比に対し0.1モル倍
以上加えることが望ましい。
【0011】また、炭酸ナトリウム、あるいは炭酸水素
ナトリウムの添加量は、銅の酸化物あるいは亜酸化物の
モル量に対し0.05モル倍以上加えることが望まし
い。
【0012】
【発明の実施の形態】一般的に糖による金属塩の還元
は、金や銀などの貴金属において実施されている。また
糖類による銅の還元については、前記特開平4−116
109号公報に記載のごとく、2価の水酸化銅から亜酸
化銅への還元が知られている。糖類のみによる金属銅ま
での還元は、特開平11−152506に報告されてい
る。
【0013】しかしながら、糖類のみによる還元を行っ
た場合、近年必要とされている粒径が1ミクロン以下の
銅粉を得るためには糖を多量に添加する必要があり、大
きな問題を有していた。糖の添加量が多量になると反応
液の粘度が上昇し、その後の洗浄工程等において銅粉と
反応液の分離性が極端に悪化し、洗浄不足となり、銅粉
の不純物量、特に炭素が増加してしまうのである。
【0014】そこで、糖類の添加量を少なくしても1μ
m以下の銅粉が得られる製法を検討した結果、炭酸ナト
リウムあるいは炭酸水素ナトリウムの添加によってこの
目的を達成できることが判明した。これらの炭酸塩の添
加によりなぜ糖類の添加量を減少させられるのか理由は
よく分かっていない。また、前記炭酸塩のみの添加では
サブミクロンオーダーの粒径のCu粉末を得る事は難し
く、取り扱い性が良い状態で銅粉を得るためには、糖と
炭酸塩の両者を添加する必要がある。
【0015】本発明の方法によれば、酸化銅のみならず
亜酸化銅から金属銅までの還元も可能である。尚、銅の
酸化物、亜酸化物はいずれも含水物であっても良い。
【0016】使用する糖類としては、特に限定するもの
ではないが、価格などの点で、ブドウ糖(グルコース)
や果糖(フラクトース)などの単糖類、および麦芽糖
(マルトース)やショ糖(スクロース)などの2糖類が
好ましい。なお、ショ糖はフェーリング反応を起こさな
いことから、還元性を有しないとされているが、本発明
によれば銅の酸化物などを銅にまで還元することができ
る。これはショ糖が反応時に加水分解などを起こし、還
元性を有するグルコースなどが生成するためと考えられ
る。
【0017】糖の添加量については、銅の酸化物または
亜酸化物を還元する場合には、これらの酸化物または亜
酸化物のモル量の0.1モル倍以上を添加することが好
ましい。糖の添加量は、多すぎると攪拌が困難になり且
つコスト的にも不利であるから、上記の好ましい添加量
の7倍程度すなわちモル比で0.7モル倍までとするべ
きである。
【0018】本発明方法では、糖類による還元のため
に、常圧で100℃以上の沸点を有する有機溶媒中にお
いて還元を行う。有機溶媒としては、エチレングリコー
ルやグリセロールなどの多価アルコール、またはミリス
チン酸などの脂肪酸のエステルを使用することができる
が、価格や取り扱い性の点で、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコールなどが好まし
い。
【0019】炭酸ナトリウム、あるいは炭酸水素ナトリ
ウムの添加量はこれらの酸化物または亜酸化物のモル量
の0.05モル倍以上が好ましい。0.05モル倍以下
では銅への還元は生じるものの銅が凝集してしまい、銅
粉末として回収することが困難となる。前記炭酸塩の添
加量は多くても特に問題はないが、多すぎるとコスト的
に不利であるから、上記の好ましい添加量の14モル倍
すなわちモル量比で0.7モル倍程度までとするべきで
ある。
【0020】また、本発明においては、糖類による金属
銅までの還元反応を発現させるために100℃以上の加
熱が必要であるが、余り高温に加熱しても経済的に不利
であるから、100℃以上で且つ使用する有機溶剤の沸
点以下の温度に加熱する。なお、上記のエチレングリコ
ールおよびミリスチン酸などの脂肪酸のエステルのよう
に、沸点が100℃以上の有機溶剤を用いるため、10
0℃以上の温度への加熱が容易である。
【0021】本発明により、酸化銅や亜酸化銅などを糖
類により短時間で還元して、球形で微細な銅粉を簡単に
得ることができる。得られた銅粉末は粒径が1μm以
下、好ましくは0.5μm以下と微細で均一な粒径を有
し、しかも耐酸化性や球形性に優れている。これは銅粉
末への還元反応の際に、銅表面に水酸基やエステルを有
する溶媒分子が吸着するためと考えられる。
【0022】
【実施例】(実施例1)4.2kgのトリエチレングリ
コール(沸点285℃)に1.1kgの亜酸化銅粉末
(7.7モル)と0.28kgのブドウ糖(亜酸化銅の
モル量に対し0.20モル倍)、0.19kgの炭酸ナ
トリウム(亜酸化銅のモル量に対し0.23モル倍)を
添加し、攪拌しながら230℃に加熱して120分間保
持した。得られた銅粉を遠心分離し、洗浄乾燥した。
【0023】得られた銅粉は10000倍のSEM像か
ら平均粒径を算出したところ、平均粒径が0.5ミクロ
ンであり、単分散の良好な銅粉であった。さらに、この
銅粉を大気中で一ヶ月放置した後、酸化の程度を調べる
ために銅粉中の酸素を分析したところ、0.8重量%で
あった。この酸素量は銅粉製造直後の0.7重量%より
も若干上昇しているが、従来に比べて十分な耐酸化性を
有する銅粉であることが分かった。
【0024】(実施例2)4.2kgのトリエチレング
リコール(沸点285℃)に1.1kgの亜酸化銅粉末
(7.7モル)と0.28kgのブドウ糖(亜酸化銅の
モル量に対し0.20モル倍)、0.14kgの炭酸水
素ナトリウム(亜酸化銅のモル量に対し0.22モル
倍)を添加し、攪拌しながら230℃に加熱して120
分間保持した。得られた銅粉を遠心分離し、洗浄乾燥し
た。
【0025】得られた銅粉は10000倍のSEM像か
ら平均粒径を算出したところ、平均粒径が0.5ミクロ
ンであり、単分散の良好な銅粉であった。さらに、この
銅粉を大気中で一ヶ月放置した後、酸化の程度を調べる
ために銅粉中の酸素を分析したところ、0.8重量%で
あった。この酸素量は銅粉製造直後の0.7重量%より
も若干上昇しているが、従来に比べて十分な耐酸化性を
有する銅粉であることが分かった。
【0026】(実施例3)4.2kgのジエチレングリ
コール(沸点246℃)に1.1kgの亜酸化銅粉末
(7.7モル)と0.28kgのブドウ糖(亜酸化銅の
モル量に対し0.20モル倍)、0.19kgの炭酸ナ
トリウム(亜酸化銅のモル量に対し0.23モル倍)を
添加し、攪拌しながら230℃に加熱して120分間保
持した。得られた銅粉を遠心分離し、洗浄乾燥した。
【0027】得られた銅粉は10000倍のSEM像か
ら平均粒径を算出したところ、平均粒径が0.5ミクロ
ンであり、単分散の良好な銅粉であった。さらに、この
銅粉を大気中で一ヶ月放置した後、酸化の程度を調べる
ために銅粉中の酸素を分析したところ、0.8重量%で
あった。この酸素量は銅粉製造直後の0.6重量%より
も若干上昇しているが、従来に比べて十分な耐酸化性を
有する銅粉であることが分かった。
【0028】(実施例4)4.2kgのジエチレングリ
コール(沸点246℃)に1.1kgの亜酸化銅粉末
(7.7モル)と0.28kgのブドウ糖(亜酸化銅の
モル量に対し0.20モル倍)、0.14kgの炭酸水
素ナトリウム(亜酸化銅のモル量に対し0.22モル
倍)を添加し、攪拌しながら230℃に加熱して120
分間保持した。得られた銅粉を遠心分離し、洗浄乾燥し
た。
【0029】得られた銅粉は10000倍のSEM像か
ら平均粒径を算出したところ、平均粒径が0.5ミクロ
ンであり、単分散の良好な銅粉であった。さらに、この
銅粉を大気中で一ヶ月放置した後、酸化の程度を調べる
ために銅粉中の酸素を分析したところ、0.8重量%で
あった。この酸素量は銅粉製造直後の0.6重量%より
も若干上昇しているが、従来に比べて十分な耐酸化性を
有する銅粉であることが分かった。
【0030】(実施例5)4.2kgのエチレングリコ
ール(沸点197℃)に1.1kgの亜酸化銅粉末
(7.7モル)と0.28kgのブドウ糖(亜酸化銅の
モル量に対し0.20モル倍)、0.19kgの炭酸ナ
トリウム(亜酸化銅のモル量に対し0.23モル倍)を
添加し、攪拌しながら170℃に加熱して120分間保
持した。得られた銅粉を遠心分離し、洗浄乾燥した。
【0031】得られた銅粉は10000倍のSEM像か
ら平均粒径を算出したところ、平均粒径が0.3ミクロ
ンであり、単分散の良好な銅粉であった。さらに、この
銅粉を大気中で一ヶ月放置した後、酸化の程度を調べる
ために銅粉中の酸素を分析したところ、0.9重量%で
あった。この酸素量は銅粉製造直後の0.5重量%より
も若干上昇しているが、従来に比べて十分な耐酸化性を
有する銅粉であることが分かった。
【0032】(実施例6)4.2kgのエチレングリコ
ール(沸点197℃)に1.1kgの亜酸化銅粉末
(7.7モル)と0.28kgのブドウ糖(亜酸化銅の
モル量に対し0.20モル倍)、0.14kgの炭酸水
素ナトリウム(亜酸化銅のモル量に対し0.22モル
倍)を添加し、攪拌しながら170℃に加熱して120
分間保持した。得られた銅粉を遠心分離し、洗浄乾燥し
た。
【0033】得られた銅粉は10000倍のSEM像か
ら平均粒径を算出したところ、平均粒径が0.3ミクロ
ンであり、単分散の良好な銅粉であった。さらに、この
銅粉を大気中で一ヶ月放置した後、酸化の程度を調べる
ために銅粉中の酸素を分析したところ、0.9重量%で
あった。この酸素量は銅粉製造直後の0.5重量%より
も若干上昇しているが、従来に比べて十分な耐酸化性を
有する銅粉であることが分かった。
【0034】(実施例7)4.2kgのエチレングリコ
ール(沸点197℃)に0.5kgの酸化銅粉末(6.
3モル)と0.23kgのブドウ糖(酸化銅のモル量に
対し0.20モル倍)、0.15kgの炭酸ナトリウム
(酸化銅のモル量に対し0.23モル倍)を添加し、攪
拌しながら170℃に加熱して120分間保持した。得
られた銅粉を遠心分離し、洗浄乾燥した。
【0035】得られた銅粉は10000倍のSEM像か
ら平均粒径を算出したところ、平均粒径が1ミクロンで
あり、単分散の良好な銅粉であった。さらに、この銅粉
を大気中で一ヶ月放置した後、酸化の程度を調べるため
に銅粉中の酸素を分析したところ、0.6重量%であっ
た。この酸素量は銅粉製造直後の0.5重量%よりも若
干上昇しているが、従来に比べて十分な耐酸化性を有す
る銅粉であることが分かった。
【0036】(実施例8)4.2kgのエチレングリコ
ール(沸点197℃)に0.5kgの酸化銅粉末(6.
3モル)と0.23kgのブドウ糖(酸化銅のモル量に
対し0.20モル倍)、0.12kgの炭酸水素ナトリ
ウム(酸化銅のモル量に対し0.22モル倍)を添加
し、攪拌しながら170℃に加熱して120分間保持し
た。得られた銅粉を遠心分離し、洗浄乾燥した。
【0037】得られた銅粉は10000倍のSEM像か
ら平均粒径を算出したところ、平均粒径が1ミクロンで
あり、単分散の良好な銅粉であった。さらに、この銅粉
を大気中で一ヶ月放置した後、酸化の程度を調べるため
に銅粉中の酸素を分析したところ、0.6重量%であっ
た。この酸素量は銅粉製造直後の0.5重量%よりも若
干上昇しているが、従来に比べて十分な耐酸化性を有す
る銅粉であることが分かった。
【0038】(比較例1)糖類および炭酸ナトリウムを
添加しなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。
しかし200℃で120分間の反応条件では亜酸化銅還
元は生じず、銅粉は得られなかった。
【0039】(比較例2)加熱温度を90℃とした以外
は実施例1と同様の操作を行った。しかし反応時間が4
時間を経過しても亜酸化銅の還元は生じず、銅粉は得ら
れなかった。 (比較例3)添加したブドウ糖を0.03kg(亜酸化
銅のモル量に対し0.02モル倍)とした以外は実施例
1と同様の操作を行った。その結果、粒径が3ミクロン
程度の銅粉が得られた。しかし銅粉に混在して亜酸化銅
の存在が認められた。 (比較例4)添加したブドウ糖を0.04kg(亜酸化
銅のモル量に対し0.03モル倍)とした以外は実施例
2と同様の操作を行った。その結果、粒径が3ミクロン
程度の銅粉が得られた。しかし銅粉に混在して亜酸化銅
の存在が認められた。 (比較例5)添加した炭酸ナトリウムを0.02kg
(亜酸化銅のモル量に対し0.03モル倍)とした以外
は実施例1と同様の操作を行った。その結果、粒径が3
ミクロン程度の銅粉が得られた。しかし銅粉に混在して
亜酸化銅の存在が認められた。 (比較例6)添加した炭酸水素ナトリウムを0.02k
g(亜酸化銅のモル量に対し0.03モル倍)とした以
外は実施例2と同様の操作を行った。その結果、粒径が
3ミクロン程度の銅粉が得られた。しかし銅粉に混在し
て亜酸化銅の存在が認められた。
【0040】(比較例7)4.2kgのトリエチレング
リコール(沸点285℃)に1.1kgの亜酸化銅粉末
(7.7モル)と1.2kgのブドウ糖(亜酸化銅のモ
ル量に対し0.9モル倍)、0.19kgの炭酸ナトリ
ウム(亜酸化銅のモル量に対し0.23モル倍)を添加
し、攪拌しながら230℃に加熱して120分間保持し
た。得られた銅粉を遠心分離し、洗浄乾燥した。
【0041】得られた銅粉は10000倍のSEM像か
ら平均粒径を算出したところ、平均粒径が0.4ミクロ
ンの銅粉であった。さらに、この銅粉を大気中で一ヶ月
放置した後、酸化の程度を調べるために銅粉中の酸素を
分析したところ、0.8重量%であった。この酸素量は
銅粉製造直後の0.7重量%よりも若干上昇している
が、従来に比べて十分な耐酸化性を有する銅粉であるこ
とが分かった。不純物量を調べたところ、C量が1.2
%であった。実施例1で生成した銅粉のC量は0.6%
であり、本比較例での銅粉末は糖の添加量が多いために
洗浄性が悪く、不純物を取り除くことができないものと
考えられる。
【0042】(比較例8)4.2kgのトリエチレング
リコール(沸点285℃)に1.1kgの亜酸化銅粉末
(7.7モル)と1.2kgのブドウ糖(亜酸化銅のモ
ル量に対し0.9モル倍)、0.13kgの炭酸水素ナ
トリウム(亜酸化銅のモル量に対し0.22モル倍)を
添加し、攪拌しながら230℃に加熱して120分間保
持した。得られた銅粉を遠心分離し、洗浄乾燥した。
【0043】得られた銅粉は10000倍のSEM像か
ら平均粒径を算出したところ、平均粒径が0.4ミクロ
ンの銅粉であった。さらに、この銅粉を大気中で一ヶ月
放置した後、酸化の程度を調べるために銅粉中の酸素を
分析したところ、0.8重量%であった。この酸素量は
銅粉製造直後の0.7重量%よりも若干上昇している
が、従来に比べて十分な耐酸化性を有する銅粉であるこ
とが分かった。不純物量を調べたところ、C量が1.2
%であった。実施例2で生成したCuのC量は0.6%
であり、本比較例でのCu粉末は糖の添加量が多いため
に洗浄性が悪く、不純物を取り除くことができないもの
と考えられる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、銅の亜酸化物、酸化物
を銅にまで還元して銅粉を製造する際に、還元剤として
安価で安全性が高い糖類を使用し、添加剤として炭酸ナ
トリウムあるいは、 炭酸水素ナトリウムを加え、粒径
が微細且つ均一であり、しかも耐酸化性に優れた銅粉
を、比較的低温で且つ短時間にて製造することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅の酸化物または亜酸化物からなる粉末
    と、糖類と、炭酸ナトリウムあるいは炭酸水素ナトリウ
    ムとを有機溶媒中に懸濁させ、100℃以上で、該有機
    溶媒の沸点未満の温度に加熱することにより、銅粉に還
    元する事を特徴とする銅粉の製造方法。
  2. 【請求項2】 糖類が単糖類または2糖類であることを
    特徴とする、請求項1に記載の銅粉の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記有機溶媒が沸点100℃以上の多価
    アルコールまたは脂肪酸のエステルであることを特徴と
    する請求項1または2に記載の銅粉の製造方法。
  4. 【請求項4】 糖の添加量が、銅の酸化物あるいは亜酸
    化物のモル量に対し0.1モル倍以上加えることを特徴
    とする請求項1から3のいずれかに記載の銅粉の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 炭酸ナトリウムあるいは炭酸水素ナトリ
    ウムが、銅の酸化物、亜酸化物のモル量に対し、そのモ
    ル量の0.05モル倍以上を含むことを特徴とする請求
    項1から4のいずれかに記載の銅粉の製造方法。
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