JP2001322278A - インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びその製造方法

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JP2001322278A
JP2001322278A JP2000143866A JP2000143866A JP2001322278A JP 2001322278 A JP2001322278 A JP 2001322278A JP 2000143866 A JP2000143866 A JP 2000143866A JP 2000143866 A JP2000143866 A JP 2000143866A JP 2001322278 A JP2001322278 A JP 2001322278A
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common liquid
ink
flow path
substrate
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JP2000143866A
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Michiaki Murata
道昭 村田
Ken Watanabe
憲 渡辺
Hideki Kataoka
秀樹 片岡
Yuji Maekawa
勇治 前川
Hideyuki Ikoma
英之 生駒
Takashi Deguchi
隆 出口
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14419Manifold

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 共通液室が十分な容量を確保すると共に、シ
ール部材当接部分の流路基板強度を確保したインクジェ
ット記録ヘッドおよびその製造方法を提供することを目
的とする。 【解決手段】 ヘッドチップ12を構成する流路基板1
6は、共通液室22を構成する天井部16Bのうち、弾
性シール部材30のリブ36が当接する縁部16Cのみ
厚さが増した梁28を設けている。したがって、リブ3
6が縁部16Cに圧接しても、縁部16Cに形成された
梁28によって十分な機械的破壊強度を有するため、天
井部16B(縁部16C)が破損することなく、インク
ジェット記録ヘッド10の製造歩留まりが向上する。ま
た、縁部16Cのみに梁28を設けているため天井部1
6Bの他の部位の厚さを十分に薄くすることができ、共
通液室22の容量を十分大きくすることができる。この
結果、高速印字時にも共通液室22の流路抵抗によって
印字不良が生ずることを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインク滴を記録媒体
に吐出し、画像を形成するインクジェット記録ヘッド及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録装置は低価格
でありながら高画質なカラー記録装置として注目されて
いる。インクジェット記録装置のインクジェット記録ヘ
ッドとしては、例えば圧電材料によって圧力室を機械的
に変形させることによって発生した圧力によってノズル
からインクを噴射させる圧電型のインクジェット記録ヘ
ッドや、個別流路に配設された発熱素子に通電し、イン
クを気化させた圧力でノズルからインクを吐出させるサ
ーマル型のインクジェット記録ヘッドが知られている。
【0003】以下、従来例に係るインクジェット記録ヘ
ッドを構成するヘッドチップの一例を図8(A)〜図8
(D)、図9、図10を参照して説明する。
【0004】図8(A)〜図8(D)に示すように、ヘ
ッドチップ100は、発熱素子基板102と流路基板1
04が積層することにより形成されており、発熱素子基
板102と流路基板104の接合面に沿って、ノズル1
06、個別流路108、共通液室110が形成されてい
る。共通液室110は、ノズル106の配設方向に延在
しており、共通液室110から各個別流路108に供給
されたインクがノズル106から吐出される構成であ
る。なお、流路基板104に形成されている共通液室1
10に外部からインクを供給するためのインク供給口1
12が流路基板104の接合面と対向する上面に形成さ
れている。
【0005】ところで、このように構成されるヘッドチ
ップ100では、共通液室110の容積が小さい、つま
り断面積(図8(C)参照)が小さいとインクの流路抵
抗が高くなり、高速印字時に個別流路108へのインク
の供給が間に合わず画質欠陥(しろ筋)を生じる。これ
はインク供給口112からの距離が長い(離れた)個別
流路108ほど顕著となる。
【0006】一方、インク供給口112の断面積が大き
いと流路抵抗は小さくできるが製造工程中で発生したゴ
ミがインク供給口112を通して共通液室110に混入
する頻度が高くなり、印字欠陥の発生頻度が高くなる。
このような不具合を避けるために本構造のヘッドチップ
を用いる場合は、共通液室110に相当する個所のSi
基板を十分深くエッチングすることで共通液室110の
容積を十分大きくすると共に、インク供給口112を不
必要に大きくせずできるだけ小さくしている。
【0007】このようにして構成されたヘッドチップ1
00は、図10に示すように、組み立て材料である弾性
シール部材114を介してインク供給部材120に接続
されている。すなわち、流路基板104のインク供給口
112を弾性シール部材114のリブ116が圧接され
ることとによって、インク供給部材120の管路122
とインク供給口112の流体接続のシール性を確保して
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、インク
供給口112のシール性を確保するために、流路基板1
04においてインク供給口112を構成する縁部118
には弾性シール部材114のリブ116が圧接される。
したがって、この縁部118には高い機械的破壊強度が
要求される。
【0009】しかしながら、図9および図10に示すよ
うに、共通液室110に大きな容量を確保するために流
路基板104を深くエッチングして共通液室110を形
成しているため、天井部124(縁部118を含む)の
厚さが薄くなり機械的破壊強度が低下する。この結果、
インクジェット記録ヘッド組立工程中に縁部118(リ
ブ下の領域)が破損し、加工形状不良によるシーリング
不良やゴミの発生による印字不良等の製造歩留まりの低
下を招く。
【0010】本発明は、上記不都合を解決するために、
共通液室が十分な容量を確保すると共に、シール部材が
当接される部位の強度が確保されたインクジェット記録
ヘッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
厚肉の枠部と前記枠部に囲まれた薄肉の天井部で構成さ
れた共通液室と、前記枠部に設けられ前記共通液室と連
通する個別流路と、前記個別流路に連通しインク滴を噴
射するノズルと、前記共通液室へ外部からインクを供給
するために前記天井部に開口されたインク供給口と、が
形成された流路基板と、前記ノズルからインク滴を吐出
させるための複数の駆動素子が配設された駆動素子基板
と、を積層して形成されるインクジェット記録ヘッドで
あって、前記インク供給口をシールするシール部材が当
接する前記天井部の当接部位の板厚を、天井部の他の部
位よりも厚くしたことを特徴とする。
【0012】請求項1記載の発明の作用について説明す
る。
【0013】共通液室を構成する流路基板の天井部の厚
さがシール部材が当接する当接部位において他の部位よ
りも厚いため局部的に機械的強度(剛性)が高くなり、
インク供給部材の管路等と接続される際に挟まれる弾性
シール部材のリブなどが流路基板の天井部(当接部位)
に圧接されても流路基板(天井部)が破損することはな
い。しかも、共通液室を構成する天井部のうち当接部位
のみが局部的に厚くなっているため他の部位は十分に薄
くでき、共通液室は十分に大きな容量を確保できる。
【0014】したがって、インク供給部材からインク供
給口に到達したインクは、容量が十分に確保された(流
路抵抗が十分に低い)共通液室を介して個別流路に供給
され、ノズルから吐出される。すなわち、高速印字にお
いても画像欠陥を生ずることを抑制できる。
【0015】請求項2記載の発明は、厚肉の枠部と前記
枠部に囲まれた薄肉の天井部で構成された共通液室と、
前記枠部に設けられ前記共通液室と連通する個別流路
と、前記個別流路に連通しインク滴を噴射するノズル
と、前記共通液室へ外部からインクを供給するために前
記天井部に開口されたインク供給口と、が形成された流
路基板と、前記ノズルからインク滴を吐出させるための
複数の駆動素子が配設された駆動素子基板と、を積層し
て形成されるインクジェット記録ヘッドであって、前記
インク供給口をシールするシール部材が当接する前記天
井部において、当該インク供給口周辺の板厚を天井部の
他の部位よりも厚くしたことを特徴とする。
【0016】請求項2記載の発明の作用について説明す
る。
【0017】共通液室を構成する流路基板の天井部にお
いて、インク供給口周辺の板厚が他の部位よりも厚いた
め、板厚が一定であると最も機械的強度が低くなるイン
ク供給口周辺の機械的強度が局部的に高くなる。したが
って、インク供給部材の管路等と接続される際に挟まれ
る弾性シール部材等が流路基板の天井部に圧接されても
流路基板(天井部)が破損することはない。しかも、共
通液室を構成する天井部のうちインク供給口周辺のみが
局部的に厚くなっているため他の部位は十分に薄くで
き、共通液室は十分に大きな容量を確保できる。
【0018】したがって、インク供給部材からインク供
給口に到達したインクは、容量が十分に確保された(流
路抵抗が十分に低い)共通液室を介して個別流路に供給
され、ノズルから吐出される。すなわち、高速印字にお
いても画像欠陥を生ずることを抑制できる。
【0019】請求項3記載の発明は、厚肉の枠部と前記
枠部に囲まれた薄肉の天井部で構成された共通液室と、
前記枠部に設けられ前記共通液室と連通する個別流路
と、前記個別流路に連通しインク滴を噴射するノズル
と、前記共通液室へ外部からインクを供給するために前
記天井部に開口されたインク供給口と、が形成された流
路基板と、前記ノズルからインク滴を吐出させるための
複数の駆動素子が配設された駆動素子基板と、を積層し
て形成されるインクジェット記録ヘッドの製造方法であ
って、凹部として形成される共通液室と、貫通孔として
形成されるインク供給口が設けられる前記流路基板をシ
リコン基板から製造する際、前記シリコン基板の第1面
において、共通液室領域はエッチング速度が当該シリコ
ン基板よりも遅いエッチング遅延膜で覆い、前記インク
供給口をシールするシール部材が当接する当接領域はエ
ッチング阻止膜で覆い、インク供給口形成領域は当該シ
リコン基板を露出させる第1工程と、前記流路基板の第
1面側から第1の湿式異方性エッチングで加工する第2
工程と、を備えること特徴とする。
【0020】請求項3記載の発明の作用について説明す
る。
【0021】シリコン基板の第1面から第1の異方性エ
ッチングで加工する場合に、インク供給口形成領域では
シリコン基板を露出させておくため、エッチングが最も
進行する。この際、インク供給口をシールするシール部
材が当接する当接領域はエッチング阻止膜、例えば窒化
ケイ素膜で覆われているため、エッチングが進行しな
い。また、シリコン基板における共通液室領域はシリコ
ン基板よりもエッチング速度が遅いエッチング遅延膜、
例えば酸化ケイ素膜で覆われているため、インク供給口
形成領域よりも浅い溝を形成する。
【0022】このように同じエッチングにおいて、エッ
チング遅延膜を用いてシリコン基板に対するエッチング
開始時間を異ならせることによってインク供給口用と共
通液室用の異なる深さの溝を同時に形成することがで
き、流路基板の製造効率が向上する。
【0023】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記第2工程の後、前記当接領域のエッチ
ング阻止膜を除去し、次に前記流路基板の第1面側から
第2の湿式異方性エッチングを行なうことを特徴とす
る。
【0024】請求項4記載の発明の作用について説明す
る。
【0025】第1の湿式異方性エッチングにおいてエッ
チングされずに残った当接領域のエッチング阻止膜を除
去した後、第2の湿式異方性エッチングを行なうことに
よって、当接領域がエッチングされインク供給口と共通
液室が連通する。また、当接領域の先端が尖った形状
(断面略三角形状)となり、共通液室の容量を一層大き
く確保できる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態に係るインク
ジェット記録ヘッドについて図1〜図6を参照して説明
する。
【0027】図1(A)、図1(B) および図2に示すよ
うに、インクジェット記録ヘッド10を構成するヘッド
チップ12は、発熱素子基板14および流路基板16が
接合されることによって形成されており、一端面に形成
された複数のノズル18と、ノズル18に連通する個別
流路20と、全ての個別流路20と連通しノズル配列方
向に延在する共通液室22と、共通液室22に外部から
インクを導入するインク供給口24と、個別流路20に
面して配設される発熱素子26とから基本的に構成され
る。
【0028】流路基板16は、図2及び図3に示すよう
に、厚肉の枠部16Aと、枠部16Aに囲まれた薄肉の
天井部16Bから構成されている。流路基板16には、
枠部16Aと薄肉の天井部16Bによって凹部16Dが
構成されており、発熱素子基板14と接合されることに
よって当該凹部16Dが共通液室22とされる。凹部1
6Dは、流路基板16の厚さに対して十分な深さを有し
ており、共通液室22の容量の大型化を図っている。
【0029】流路基板16において天井部16Bの中心
には矩形状のインク供給口24が形成されており、イン
ク供給口24を囲む部分(以下、縁部という)16Cに
接合面に向かって突出形成された梁28が形成されてい
る。
【0030】このように構成されるヘッドチッブ12に
対して弾性シール部材30を介してインク供給部材32
が固着される。したがって、インク供給部材32の管路
34からヘッドチップ12のインク供給口24、共通液
室22を介して個別流路20にインクが供給される。個
別流路20に到達したインクは、発熱素子26の駆動に
よってノズル18からインク滴として吐出される構成で
ある。
【0031】この際、弾性シール部材30のリブ36が
流路基板16の天井部16Bの縁部16Cに圧接されて
いる。しかしながら、天井部16Bの縁部16Cには、
局部的に突出形成された梁28(図2、図3参照)が形
成されているため、十分な機械的強度が確保されてお
り、上記圧接によって天井部16B、特に縁部16Cが
破損することを防止できる。したがって、ヘッドチップ
12の製造歩留まりが向上する。
【0032】すなわち、インク供給部材32側から共通
液室22に異物が進入することを防止するため、インク
供給口34の大きさを十分に小さくした場合に天井部1
6Bの面積が増大して縁部16Cの強度が低下するおそ
れがある場合でも、梁28によって破損を回避すること
ができる。
【0033】また、天井部16Bのうち、縁部16Cの
みに梁28を設けたため、他の天井部16Bの厚さは十
分に薄くでき、容量を共通液室22の容量を十分に確保
することができる。したがって、共通液室22における
流路抵抗が十分に低く、高速印字においても印字不良を
抑制することができる。
【0034】続いて、このように構成されるヘッドチッ
プ12を構成する流路基板16の製造方法について説明
する。
【0035】先ず、流路基板16となる(100)の結
晶方位をもつSi基板40を1000℃でWet酸化し
て第1のSiO2膜42を形成する。第1のSiO2膜4
2の厚さは、例えば800nm程度とすることができ
る。続いて、第1のマスク44(図4(A)参照)を用
いてホトリソグラフィー法とドライエッチング法によっ
て第1のSiO2膜42をパターニングする(図5
(A)参照)。
【0036】次に、減圧CVD(Chemical v
apor Deposition)法によりSi窒化膜
46を形成する。第1のSi窒化膜46の厚さは、例え
ば300nm程度とすることができる。続いて、第2の
マスク48(図4(B)参照)を用いてホトリソグラフ
ィー法とドライエッチング法を用いて第1のSi窒化膜
(例えば、Si34膜)46をパターニングする(図5
(B)参照)。
【0037】さらに、減圧CVD法により第2のSiO
2膜50を形成する。第2のSiO2膜50の厚さは、例
えば300nm程度とすることができる。続いて、第3
のマスク52(図4(C)参照)を用いてホトリソグラ
フィー法とドライエッチング法を用いてSiO2膜50
をパターニングする(図5(C)参照)。
【0038】続いて、減圧CVD法により第2のSi窒
化膜54を形成する。第2のSi窒化膜54の厚さは、
例えば300nm程度とすることができる。続いて、第
4のマスク56(図4(D)参照)を用いてホトリソグ
ラフィー法とドライエッチング法を用いて第2のSi窒
化膜54をパターニングする(図5(D)参照)。
【0039】この段階で、流路基板16においてインク
供給口24になる第1領域58は、Si基板40が露出
しており、縁部16Cの梁28になる第2領域60は第
2のSi窒化膜56で覆われており、共通液室22にな
る第3領域62はSiO2膜42で覆われている。
【0040】このようにSi基板40上にエッチングマ
スクパターンを形成した後、エッチングを行なう。
【0041】先ず、水酸化カリウム(KOH)水溶液を
用いた第1の湿式異方性エッチングを実施する。図6
(A)に示すように、エッチング初期の段階ではSi基
板40が露出している第1領域58のみSi基板のエッ
チングが進行する。第2領域60はKOH溶液に対する
エッチングレートが極めて低い第2のSi窒化膜54で
覆われているため、エッチングがほぼ完全に阻止され
る。また、第3領域62は第1のSiO2膜42で覆わ
れているため、このSiO2膜42のエッチングが進行
する(その間、第1のSiO2膜42の下部のSi基板
40のエッチングは開始されない)。KOH溶液に対す
るSiO2膜42のエッチングレートはKOH溶液の条
件(濃度と温度)にもよるが(100)Si基板40の
エッチングレートの約1/200倍程度である。このエ
ッチングレートの違いを利用することによってSi基板
40における第3領域62のエッチング開始時間を遅延
させ、深さの異なる溝を形成することができる(図6
(B)参照)。
【0042】次に、第2のSi窒化膜54をリン酸溶液
で選択的に除去し、続いて第2のSiO2膜50をフッ
酸溶液で選択的に除去する(図6(C)参照)。
【0043】さらに、KOH水溶液を用いた第2の湿式
異方性エッチングを実施する(図6(D)参照)。この
工程で第2領域60のSi基板40のエッチングが進行
する。Si基板40の角の部分のエッチング速度が速い
ため先の尖った形状になる。
【0044】続いて、第1のSi窒化膜46をリン酸溶
液で選択的に除去する(図6(E)参照)。
【0045】次に、図6(F)に示すように、ノズル1
8および個別流路20となる溝を形成するためにKOH
水溶波を用いた第3の湿式異方位エッチングを実施す
る。本図には個別流路20は現れないが、本図と直交す
る方向に形成される。個別流路20が形成された断面は
図1(D)の液体流路基板16と同等である。
【0046】最後に、第1のSiO2膜42をフッ酸溶
液で除去して流路基板16を作製する(図6(G)参
照)。
【0047】なお、本実施例では個別流路の形成(加
工)にKOH水溶液を用いた第3の湿式異方性エッチン
グを用いたが、特開平11−227208号公報に開示
されている反応性イオンエッチング法を用いてもよい。
【0048】このように流路基板22を製造することに
よって、以下の作用がある。
【0049】すなわち、第1領域58ではSi基板40
を露出させ、第3領域62ではシリコン基板40よりも
エッチング速度の遅い第1のSiO2膜42によってシ
リコン基板40を覆った状態でエッチングを行なうた
め、第1領域58と第3領域62で異なる深さの溝を形
成することができる。したがって、第1領域58と第3
領域62をそれぞれエッチングする必要がなくなり、流
路基板16の製造効率が向上する。
【0050】また、この際、第2のSi窒化膜54によ
ってSi基板40のエッチングが阻止された第2領域6
0は、第2のエッチングによってインク供給口24と共
通液室22が確実に連通されると共に、第1のエッチン
グによってエッチングされていないため、第3領域62
と比較して基板を厚くすることができる。すなわち、流
路基板16の天井部16Bに局部的に梁28を形成する
ことができる。
【0051】この第2のエッチングによって、第1領域
58においてSi基板40を貫通してインク供給口24
が形成されると共に、第3領域62の共通液室の容量が
一層増大される。
【0052】なお、本実施形態のインクジェット記録ヘ
ッド10では、縁部16Cに弾性シール部材30のリブ
36が当接される構成で説明したが、これに限定される
ものではない。すなわち、リブ36が流路基板16(天
井部16B)の異なる部位に当接する場合には、当該部
位に梁28を設ければ、同様の効果作用を奏するもので
ある。
【0053】また、図7に示すように、弾性シール部材
30にリブがない場合、すなわち、弾性シール部材30
の全面が流路基板16に当接するタイプであっても、イ
ンク供給口24の周辺(縁部16C)のみに梁28を形
成することによって、最も機械的強度が低くなる縁部1
6Cが補強され、ヘッドチップ12(縁部16C)の破
壊を確実に防止すると共に、共通液室22が十分な容量
を確保することができる。
【0054】さらに、本実施形態に係るインクジェット
記録ヘッド10は、サーマルインクジェット方式である
が、ピエゾ型インクジェット方式等、他の方式でも適用
可能である。
【0055】
【発明の効果】本発明では、共通液室が十分な容積を確
保できると共に、シール部材当接部分の流路基板の強度
確保を両立でき、高速印字対応のプリントヘッドを高い
製造歩留まり、すなわち低コストで提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の一実施形態に係るヘッドチッ
プを示す斜視図であり、(B)は(A)のB−B線断面図
であり、(C)は(A)のC−C線断面図であり、(D)は
(A)のD−D線断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係るヘッドチップのイ
ンク供給部材との接続状態を示す断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係る流路基板の接合面
側の平面図である。
【図4】 (A)〜(D)は、本発明の一実施形態に係
るヘッドチップの製造方法に用いられるマスクパターン
図である。
【図5】 (A)〜(D)は、本発明の一実施形態に係
るヘッドチップ製造工程説明図である。
【図6】 (A)〜(G)は、本発明の一実施形態に係
るヘッドチップ製造工程説明図である。
【図7】 本発明の他の実施形態に係るヘッドチップの
インク供給部材との接続状態を示す断面図である。
【図8】 (A)は従来例に係るヘッドチップを示す斜視
図であり、(B)は(A)のB−B線断面図であり、
(C)は(A)のC−C線断面図であり、(D)は(A)の
D−D線断面図である。
【図9】 従来例に係る流路基板の接合面側の平面図で
ある。明図である。
【図10】 従来例に係るヘッドチップのインク供給部
材との接続状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…インクジェット記録ヘッド 12…ヘッドチップ 14…発熱素子基板 16…流路基板 16A…枠部 16B…天井部 16C…縁部(当接部位) 18…ノズル 20…個別流路 22…共通液室 24…インク供給口 36…リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 秀樹 三重県鈴鹿市伊船町1900番地 鈴鹿富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 前川 勇治 三重県鈴鹿市伊船町1900番地 鈴鹿富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 生駒 英之 三重県鈴鹿市伊船町1900番地 鈴鹿富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 出口 隆 三重県鈴鹿市伊船町1900番地 鈴鹿富士ゼ ロックス株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF04 AF93 AG08 AG12 AG46 AG68 AP02 AP11 AP34 AP35 AP53 AP56 AQ02 BA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚肉の枠部と前記枠部に囲まれた薄肉の
    天井部で構成された共通液室と、前記枠部に設けられ前
    記共通液室と連通する個別流路と、前記個別流路に連通
    しインク滴を噴射するノズルと、前記共通液室へ外部か
    らインクを供給するために前記天井部に開口されたイン
    ク供給口と、が形成された流路基板と、 前記ノズルからインク滴を吐出させるための複数の駆動
    素子が配設された駆動素子基板と、 を積層して形成されるインクジェット記録ヘッドであっ
    て、 前記インク供給口をシールするシール部材が当接する前
    記天井部の当接部位の板厚を、天井部の他の部位よりも
    厚くしたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 厚肉の枠部と前記枠部に囲まれた薄肉の
    天井部で構成された共通液室と、前記枠部に設けられ前
    記共通液室と連通する個別流路と、前記個別流路に連通
    しインク滴を噴射するノズルと、前記共通液室へ外部か
    らインクを供給するために前記天井部に開口されたイン
    ク供給口と、が形成された流路基板と、 前記ノズルからインク滴を吐出させるための複数の駆動
    素子が配設された駆動素子基板と、 を積層して形成されるインクジェット記録ヘッドであっ
    て、 前記インク供給口をシールするシール部材が当接する前
    記天井部において、当該インク供給口周辺の板厚を天井
    部の他の部位よりも厚くしたことを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 厚肉の枠部と前記枠部に囲まれた薄肉の
    天井部で構成された共通液室と、前記枠部に設けられ前
    記共通液室と連通する個別流路と、前記個別流路に連通
    しインク滴を噴射するノズルと、前記共通液室へ外部か
    らインクを供給するために前記天井部に開口されたイン
    ク供給口と、が形成された流路基板と、 前記ノズルからインク滴を吐出させるための複数の駆動
    素子が配設された駆動素子基板と、 を積層して形成されるインクジェット記録ヘッドの製造
    方法であって、 凹部として形成される共通液室と、貫通孔として形成さ
    れるインク供給口が設けられる前記流路基板をシリコン
    基板から製造する際、 前記シリコン基板の第1面において、共通液室領域はエ
    ッチング速度が当該シリコン基板よりも遅いエッチング
    遅延膜で覆い、前記インク供給口をシールするシール部
    材が当接する当接領域はエッチング阻止膜で覆い、イン
    ク供給口形成領域は当該シリコン基板を露出させる第1
    工程と、 前記流路基板の第1面側から第1の湿式異方性エッチン
    グで加工する第2工程と、 を備えること特徴とするインクジェット記録ヘッドの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2工程の後、前記当接領域のエッ
    チング阻止膜を除去し、次に前記流路基板の第1面側か
    ら第2の湿式異方性エッチングを行なうことを特徴とす
    る請求項3記載のインクジェット記録ヘッドの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記エッチング阻止膜は、窒化ケイ素膜
    であることを特徴とする請求項3または4記載のインク
    ジェット記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記エッチング遅延膜は、酸化ケイ素膜
    であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記
    載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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