JP2001322268A - インクジェット印字ヘッド - Google Patents

インクジェット印字ヘッド

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JP2001322268A
JP2001322268A JP2000141039A JP2000141039A JP2001322268A JP 2001322268 A JP2001322268 A JP 2001322268A JP 2000141039 A JP2000141039 A JP 2000141039A JP 2000141039 A JP2000141039 A JP 2000141039A JP 2001322268 A JP2001322268 A JP 2001322268A
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Japan
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piezoelectric element
ink chamber
ink
print head
thickness
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JP2000141039A
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English (en)
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Kiyokore Ikeda
潔是 池田
Noboru Oishi
登 大石
Masahiko Shimosugi
優彦 下杉
Shigeki Koido
重規 小井戸
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Data Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 第1の圧電素子2と第2の圧電素子3は
電極6を挟んで異方性導電接着剤7により接着されてい
る。第2の圧電素子3の上方は電極8を挟んで異方性導
電接着剤9により第4の圧電素子5と接着されている。
第1の圧電素子2に形成された複数の溝10と、第2の
圧電素子3に形成された複数の切り欠き11と、第4の
圧電素子5とにより複数のインク室12が形成される。
ここで第1の圧電素子2において、垂直壁部2aの厚さ
wと水平壁部2bの厚さtの関係は、t≦wになってい
る。 【効果】 インク室下部の圧電素子の水平壁部の変形
を、インク吐出時のインク室の膨張および収縮の変形に
効果的に作用させることができ、インク室を挟む電極間
に同じ電位差の電圧を印加した場合のインク室内に発生
する圧力を向上させることが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタに用いられるインクジェット印字ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電素子を用いたインクジェット
プリンタ用印字ヘッドにおいては、圧電素子のシェアモ
ードを利用してインク滴を吐出する方式が用いられてい
る。この方式の印字ヘッドは、分極した二つの圧電素子
を接合してインク室を形成し、圧電素子に電圧を印加す
ることによりインク室の壁部となる圧電素子を変形さ
せ、インク室内のインクに圧力を加えてインクを吐出す
るようにしたものである。
【0003】具体的に説明すると、インク室を挟む2つ
の電極に電圧を印加すると、インク室を囲む圧電素子内
に電場が形成される。圧電素子は予め分極されており、
形成される電場の向きと分極の向きは直交しており、圧
電素子はくの字形にシェアモードの変形を起こす。印加
する電圧の極性を変えることにより、インク室の断面積
を拡張したり縮小したりすることが可能である。まずイ
ンク室を拡張してインクをインク室内に充填し、インク
室内の圧力が高まるタイミングを見計らってインク室を
縮小させることにより、インク室内の圧力をさらに高
め、インク滴としてオリフィスから吐出させる。これに
より印字が行われる。その後インク室内に発生した圧力
振動を打ち消すようなタイミングで印加電圧を取り除
き、インク室の形状を元の状態に戻し、次の吐出タイミ
ングに備える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のインクジェット印字ヘッドにおいては、インク室内に
発生させる圧力は、インク室の形状およびインク室を形
成する圧電素子のシェアモード変形する部分の厚さ等の
構造的条件によって主に決定される。こうした構造的条
件の制約によりインク吐出に必要な圧力を得られない場
合には、より高い電圧を印加する必要があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、電極を介して二つの圧電素子を接合するこ
とによりインク室を形成し、前記電極に電圧を印加する
ことによりインク室を形成する壁部をシェアモード変形
させてインク室内のインクを吐出して印字を行うインク
ジェット印字ヘッドにおいて、前記インク室を形成する
壁部のうち前記シェアモード変形する壁部とは別の壁部
の厚さを前記シェアモード変形する壁部の厚さ以下とす
ることにより、前記別の壁部の少なくとも一つを電圧印
加時に、前記シェアモード変形する壁部がインク室を広
げる場合はインク室を広げるように、前記シェアモード
変形する壁部がインク室を収縮する場合はインク室を収
縮するように変形可能にしたものである。前記別の壁部
の厚みを前記シェアモード変形する壁部の厚みより小さ
くすることにより前記別の壁部を変形可能とする。
【0006】上記の構成により、シェアモード変形する
壁部とは別の壁部が変形して、インク室内のインクに圧
力を加えるので、高い電圧を印加することなく、インク
室におけるより高い圧力を得ることが可能である。
【0007】前記別の壁部は複数箇所変形可能とするこ
とも可能である。このようにすれば、さらに大きい圧力
を得ることができる。さらにインク室を2段構造にする
ことも可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にしたがって説明する。図1は本発明の第1の実施の形
態のインクジェット印字ヘッドを示す断面図、図2は第
1の実施の形態のインクジェット印字ヘッドを示す分解
斜視図である。両図において、第1の実施の形態のイン
クジェット印字ヘッド1は、第1の圧電素子2、第2の
圧電素子3、第3の圧電素子4および第4の圧電素子5
から構成される。
【0009】第1の圧電素子2と第2の圧電素子3は、
ともに幅方向に分極されており、両者は電極6を挟んで
異方性導電接着剤7により接着されている。第2の圧電
素子3の上方は電極8を挟んで異方性導電接着剤9によ
り第4の圧電素子5と接着されている。第1の圧電素子
2には複数の溝10が形成され、第2の圧電素子3には
複数の切り欠き11が形成されており、溝10と切り欠
き11が合うように第1の圧電素子2と第2の圧電素子
3と接合し、さらに第4の圧電素子5を第2の圧電素子
3に接合することにより複数のインク室12が形成され
る。ここで第1の圧電素子2において、垂直壁部2aの
厚さwと水平壁部2bの厚さtの関係は、t≦wになっ
ている。
【0010】第1の圧電素子2の下方はエポキシ系の接
着剤13により第3の圧電素子4と接着されている。第
3の圧電素子4は第4の圧電素子5と同様に分極されて
おらず、印字ヘッド1を補強する目的で使用するもので
ある。第3の圧電素子4は熱膨張率を同じにするため
に、第1および第2の圧電素子2、3と同じ素材を用い
ている。しかしながら圧電素子の弾性係数が60GPa
程度であるのに比べて、接着剤13の弾性係数が3GP
a程度と接着剤13は十分柔らかいので、この接着剤1
3が緩衝材の働きをするので、補強のための部材として
は圧電素子の代わりにプラスチック等で構成してもよ
い。
【0011】印字ヘッド1の前面には、図2に示すよう
に、オリフィスプレート15が接着される。オリフィス
プレート15にはインク室12に対向する位置にオリフ
ィス16が形成され、このオリフィス16からインク室
12内のインクが吐出される。また印字ヘッド1の後部
には共通インク室17が配設され、また印字ヘッド1内
の各電極との電気的接続を行うためのフラットケーブル
18が配設される。共通インク室17は図示しないイン
クタンクからインクを供給を受け、各インク室12にイ
ンクを供給する。
【0012】ここで印字ヘッド1の製造方法を説明す
る。まず厚さが200μで幅方向に分極された2枚の圧
電素子板を第1、第2の圧電素子として用意し、さらに
厚さ1mmで分極されていない圧電素子板を第3の圧電
素子として用意する。2枚の分極された圧電素子板には
それぞれ片面に電極が形成され、両方の電極が対向して
分極方向がそろうように重ねて接着し、さらにそれらを
もう一枚の分極されていない圧電素子板に重ねて接着す
る。分極した圧電素子板同士の接着には異方性導電性接
着剤を使用し、分極されていない圧電素子板の接着には
エポキシ系接着剤を使用する。
【0013】その後ダイシングソーを使用して、2枚重
ねた分極された圧電素子板に対して、分極方向と直交す
る方向に複数の溝を形成する。形成する溝の深さは36
0μであり、溝と溝の間の垂直壁部の厚さは85μとす
る。ここでもう1枚、分極していない圧電素子板を第4
の圧電素子として用意し、この圧電素子板を、溝を形成
した圧電素子板に重ねて異方性導電性接着剤により接着
する。これにより溝は塞がれ、インク室が形成される。
【0014】溝の蓋をする圧電素子板とこれと対向する
分極された圧電素子板の両対向面には、電極が形成され
ており、この電極をフラットケーブルを配設することに
よりアースに接続する。またオリフィスプレートをイン
ク室の前面に取付け、さらに共通インク室を取付けて印
字ヘッドの組み立てを完了する。
【0015】次に第1の実施の形態における印字ヘッド
の動作を図3にしたがって説明する。図3は第1の実施
の形態の動作を示す動作説明図である。図3によりイン
ク室12aからインクを吐出する動作を説明する。図に
おいて、矢印P方向は第1、第2の圧電素子2、3の分
極方向である。インクを吐出する場合、インク室12a
を挟む電極6間に電位差を生じさせる。これにより第2
の圧電素子3および第1の圧電素子2の垂直壁部2aに
それぞれ矢印E方向の電場が生ずるとともに、第1の圧
電素子2の水平壁部2bにも矢印E方向の電場が生ず
る。インク室12aを膨張させる場合には、インク室1
2a下部の第1の圧電素子2の水平壁部2bにおいて発
生する電場は分極方向Pと同方向である。
【0016】第2の圧電素子3および第1の圧電素子2
の垂直壁部2aにそれぞれ矢印E方向に発生する電場の
働きにより、第2の圧電素子3および第1の圧電素子2
の垂直壁部2aはそれぞれシェアモード変形を起こし、
互いに逆方向のくの字形に変形し、インク室12aを拡
張させる。
【0017】インク室12a下部の第1の圧電素子2の
水平壁部2bにおいて発生する電場の働きにより、水平
壁部2bは水平方向に伸びようとするとともに、垂直方
向には縮もうとする。この変形により水平壁部2bはイ
ンク室12aの膨張を助ける作用をする。図3は水平壁
部2bが変形した状態を示しており、図における一点鎖
線は電圧が印加される前のインク室12aの大きさを示
す。
【0018】以上のインク室12aの膨張により共通イ
ンク室17からインク室12aにインクが吸引される。
この状態から次にインク室12aを挟む電極6間に逆方
向の電圧を印加する。これにより、第2の圧電素子3お
よび第1の圧電素子2の垂直壁部2aにそれぞれ矢印E
方向と逆方向の電場が生ずるとともに、第1の圧電素子
2の水平壁部2bにも矢印E方向と逆方向の電場が生ず
る。この電場の作用によりインク室12aが収縮し、イ
ンク室12a内のインクに圧力がかかり、インクは対向
するオリフィス16から吐出する。
【0019】第1の圧電素子2の水平壁部2bにおける
電場の作用する範囲は、垂直壁部2aの厚さと同じ程度
の深さまでしか波及しないことが実験により判明した。
本実施の形態では、インク室12a下部の第1の圧電素
子2の水平壁部2bの厚さtが垂直壁部2aの厚さw以
下に規定され、水平壁部2bはそれより下側の第3の圧
電素子4とは接着層13により変形可能に接着されてい
るので、この水平壁部2bの変形が可能となっている。
【0020】以上のように第1の実施の形態では、イン
ク室12a下部の第1の圧電素子2の水平壁部2bの変
形を、インク吐出時のインク室12aの膨張および収縮
の変形に効果的に作用させることにより、インク室12
aを挟む電極間に同じ電位差の電圧を印加した場合のイ
ンク室内に発生する圧力を、5%程度向上させることが
可能となった。この効率向上により、実際に印字ヘッド
1を駆動して同じ圧力を得る場合には、圧力が向上する
分だけ印加電圧を低く設定することが可能である。
【0021】また本実施の形態では、第1の圧電素子2
に溝10を形成する際に、切り残しの部分(水平壁部2
b)が薄くなり、溝加工時の振動で薄い部分が割れるお
それがあるので、第3の圧電素子4を接着して水平壁部
2bを補強するようにしたが、振動による破壊の問題が
他の方法で解決できればとくに補強部材を用いる必要は
ない。補強部材を用いない場合にはさらに薄い印字ヘッ
ドを実現することができる。
【0022】次に本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図4は第2の実施の形態のインクジェット印字ヘッ
ドを示す断面図である。第2の実施の形態のインクジェ
ット印字ヘッドは、インク室に圧力をかけるために変形
する圧電素子の水平壁部を上下2箇所に設けたものであ
る。
【0023】図4において、第2の実施の形態のインク
ジェット印字ヘッド21は、第1の圧電素子22、第2
の圧電素子23、第3の圧電素子24および第4の圧電
素子25から構成される。第1の圧電素子22と第2の
圧電素子23は、ともに幅方向に分極されており、両者
は電極6を挟んで異方性導電接着剤7により接着されて
いる。第1の圧電素子22と第2の圧電素子23には複
数の溝26が形成され、この溝26同士が合うように第
1の圧電素子22と第2の圧電素子23と接合すること
により複数のインク室27が形成される。ここで第1の
圧電素子22と第2の圧電素子23のそれぞれの垂直壁
部22a、23aの厚さwと、それぞれの水平壁部22
b、23bの厚さtの関係は、t≦wになっている。
【0024】第1の圧電素子22の下方はエポキシ系の
接着剤13により第3の圧電素子24と接着されてい
る。第2の圧電素子23の上方も同様にエポキシ系の接
着剤13により第4の圧電素子25と接着されている。
第3の圧電素子24と第4の圧電素子25は分極されて
おらず、補強板として使用される。
【0025】図示してはいないが、印字ヘッド21の前
面には、オリフィスプレートが接着される。オリフィス
プレートにはインク室27に対向する位置にオリフィス
が形成され、このオリフィスからインク室27内のイン
クが吐出される。また印字ヘッド21の後部には共通イ
ンク室が配設され、また印字ヘッド21内の電極6との
電気的接続を行うためのフラットケーブルが配設され
る。共通インク室はインクタンクからインクを供給を受
け、各インク室27にインクを供給する。
【0026】ここで印字ヘッド21の製造方法を説明す
る。まず厚さが200μで幅方向に分極された2枚の圧
電素子板を第1、第2の圧電素子として用意し、さらに
厚さ1mmで分極されていない2枚の圧電素子板を第
3、第4の圧電素子として用意する。2枚の分極された
圧電素子板にはそれぞれ片面に電極を形成しておく。分
極された圧電素子板1枚と分極されていない圧電素子板
1枚を、電極加工されていない面でエポキシ系の接着剤
で接着する。
【0027】その後ダイシングソーを使用して、分極さ
れた圧電素子板の電極加工された側から、分極方向と直
交する方向に複数の溝を形成する。形成する溝の深さは
160μであり、溝と溝の間の垂直壁部の厚さは84μ
とし、溝の切り残しの部分(水平壁部)の厚さを85μ
とする。ここまでの加工をもう一組の分極された圧電素
子板と分極されていない圧電素子板についても同様に行
う。
【0028】ここで2組の圧電素子板の組を、電極面が
対向し、分極方向がそろうように、また溝の位置が一致
するように重ね、異方性導電性接着剤により接合する。
これにより溝は塞がれ、インク室が形成される。この後
は、フラットケーブルを配設し、またオリフィスプレー
トをインク室の前面に取付け、さらに共通インク室を取
付けて印字ヘッドの組み立てを完了する。
【0029】次に第2の実施の形態における印字ヘッド
の動作を図5にしたがって説明する。図5は第2の実施
の形態の動作を示す動作説明図である。図5によりイン
ク室27aからインクを吐出する動作を説明する。図に
おいて、矢印P方向は第1、第2の圧電素子22、23
の分極方向である。インクを吐出する場合、インク室2
7aを挟む電極6間に電位差を生じさせる。これにより
第1の圧電素子22および第2の圧電素子23の垂直壁
部22a、23aにそれぞれ矢印E方向の電場が生ずる
とともに、第1の圧電素子22および第2の圧電素子2
3の水平壁部22b、23bにも矢印E方向の電場が生
ずる。インク室27aを膨張させる場合には、上下両方
の水平壁部2bにおいて発生する電場は分極方向Pと同
方向である。
【0030】垂直壁部22a、23aにそれぞれ矢印E
方向に発生する電場の働きにより、垂直壁部22a、2
3aはそれぞれシェアモード変形を起こし、互いに逆方
向のくの字形に変形し、インク室27aを拡張させる。
また水平壁部22b、23bにおいて発生する電場の働
きにより、水平壁部22b、23bは水平方向に伸びよ
うとするとともに、垂直方向には縮もうとする。この変
形により水平壁部22b、23bはインク室27aの膨
張を助ける作用をする。図3は水平壁部22b、23b
が変形した状態を示しており、図における一点鎖線は電
圧が印加される前のインク室27aの大きさを示す。
【0031】インク室27aの膨張により共通インク室
からインクが吸引され、この状態からインク室27aを
挟む電極6間に逆方向の電圧を印加すると、インク室2
7aが収縮し、インク室27a内のインクに圧力がかか
り、インクは対向するオリフィスから吐出する。
【0032】以上のように第2の実施の形態では、イン
ク室を取り囲むすべての圧電素子の部分がインク室の変
形に効率的に作用する。第2の実施の形態によれば、従
来のインクジェット印字ヘッドに比べて、同じ電圧で発
生するインク室内の圧力が10%強向上した。前記第1
の実施の形態のものに比較してもさらに効率アップして
いる。また第2の実施の形態では補強板として2枚の圧
電素子板を用いているが、圧電素子板の代わりに他の部
材を用いてもよいし、また他の方法で強度が保持できれ
ばこの部材はなくてもよい。
【0033】次に本発明の第3の実施の形態を説明す
る。図6は第3の実施の形態のインクジェット印字ヘッ
ドを示す断面図、図7は第3の実施の形態のインクジェ
ット印字ヘッドを示す斜視図である。第3の実施の形態
のインクジェット印字ヘッドは、上記第1の実施の形態
の印字ヘッドを2段に重ねて構成したものであり、これ
により実装密度を向上させるとともに、ヘッドの強度を
保つようにしたものである。
【0034】図6において、第3の実施の形態のインク
ジェット印字ヘッド31は、第1の圧電素子32、第2
の圧電素子33、第3の圧電素子34および第4の圧電
素子35を有する。第1の圧電素子32と第2の圧電素
子33は、ともに幅方向に分極されており、両者は電極
6を挟んで異方性導電接着剤により接着されており、ま
た第3の圧電素子34と第4の圧電素子35も、ともに
幅方向に分極されて、両者は電極6を挟んで異方性導電
接着剤により接着されている。また第2の圧電素子33
と第3の圧電素子34はエポキシ系の接着剤13により
接合されている。
【0035】第1の圧電素子32には複数の切り欠き3
6が形成され、また第2の圧電素子33には複数の溝3
7が形成され、これらの切り欠き36と溝37同士が合
うように第1の圧電素子32と第2の圧電素子33と接
合することにより複数の上段のインク室38が形成され
る。同様に、第3の圧電素子34には複数の溝39が形
成され、また第4の圧電素子35には複数の切り欠き4
0が形成され、これらの溝39と切り欠き40同士が合
うように第3の圧電素子34と第4の圧電素子35と接
合することにより複数の下段のインク室41が形成され
る。
【0036】ここで第1の圧電素子32と第2の圧電素
子33のそれぞれの垂直壁部32a、33aの厚さw1
と、第2の圧電素子33の水平壁部33bの厚さt1の
関係は、t1≦w1になっている。また第3の圧電素子
34と第4の圧電素子35のそれぞれの垂直壁部34
a、35aの厚さw2と、第3の圧電素子34の水平壁
部34bの厚さt2の関係は、t2≦w2になってい
る。
【0037】第1の圧電素子32の上方はエポキシ系の
接着剤13により上部保持部材42と接着されている。
第4の圧電素子35の下方も同様にエポキシ系の接着剤
13により下部保持部材43と接着されている。
【0038】図7において、印字ヘッド31の前面に
は、オリフィスプレート44が接着される。オリフィス
プレート44にはインク室38、41に対向する位置に
オリフィス45が形成され、このオリフィス45からイ
ンク室38、41内のインクが吐出される。また印字ヘ
ッド31の後部には共通インク室46、47が配設さ
れ、また印字ヘッド31内の電極6との電気的接続を行
うためのフラットケーブル48、49が配設される。
【0039】ここで印字ヘッド31の製造方法を説明す
る。まず厚さが200μで幅方向に分極された4枚の圧
電素子板を第1、第2、第3、第4の圧電素子として用
意する。このうちの2枚の圧電素子板には両端面に電極
を形成しておき、他の2枚の圧電素子板には片面に電極
を形成しておく。両端面に電極を形成した圧電素子板1
枚と片面に電極を形成した圧電素子板1枚を、分極方向
がそろうように、また両圧電素子間で電極が対向するよ
うにして、重ねて接合する。この接合には異方性導電接
着剤を用いる。
【0040】これをもう一組の、両端面に電極を形成し
た圧電素子板1枚と片面に電極を形成した圧電素子板1
枚に対して行い、2組の接合部材を形成する。次に両接
合部材の電極が形成されていない面を重ね合わせて両接
合部材をさらに接合し、4枚の圧電素子が接合される。
この接合には電気的に接合する必要はないので、エポキ
シ系の接着剤で接合する。
【0041】次に、4枚の接合部材の両側から、ダイシ
ングソーを使用して、分極方向と直交する方向に2段に
複数の溝を形成する。形成する溝の深さは360μであ
り、溝と溝の間の垂直壁部の厚さは84μとし、溝の切
り残しの部分(水平壁部)の厚さを85μとする。
【0042】ここで2段の溝をそれぞれ塞ぐように、上
段保持部材と下段保持部材を、それぞれ重ね、異方性導
電性接着剤により接合する。上段保持部材および下段保
持部材は、厚さ1mmで、接合面に電極が形成されてお
り、また分極されていない圧電素子である。これにより
2段の溝はそれぞれ塞がれ、インク室が形成される。こ
の後は、前記実施の形態と同様に、フラットケーブルを
配設し、またオリフィスプレートをインク室の前面に取
付け、さらに共通インク室を取付けて印字ヘッドの組み
立てを完了する。
【0043】第3の実施の形態における印字ヘッドの動
作は、上記第1の実施の形態と同様であり、本実施の形
態では2段のオリフィスからインクが吐出される点のみ
が異なる。上下2段のインク室38、41は、第2の圧
電素子33と第3の圧電素子34との間の接着層13の
働きにより、電気的にも機械的にもそれぞれ独立してお
り、互いに影響を及ぼさない構造になっているので、駆
動タイミングについてもインク室の位置関係について
も、それぞれ自由に設定することが可能である。
【0044】以上のように第3の実施の形態では、イン
ク室の圧力を効率化する点については第1の実施の形態
と同様の効果を奏する。またインク室の列を2段にする
ことにより、補強部材を不要にしつつ実装密度を高める
ことが可能となる。
【0045】次に本発明の第4の実施の形態を説明す
る。図8は第4の実施の形態のインクジェット印字ヘッ
ドを示す断面図である。第4の実施の形態のインクジェ
ット印字ヘッドは、上記第2の実施の形態の印字ヘッド
を2段に重ねて構成したものであり、これにより実装密
度を向上させるとともに、ヘッドの強度を保つようにし
たものである。
【0046】図8において、第4の実施の形態のインク
ジェット印字ヘッド51は、第1の圧電素子52、第2
の圧電素子53、第3の圧電素子54および第4の圧電
素子55を有する。第1の圧電素子52と第2の圧電素
子53は、ともに幅方向に分極されており、両者は電極
6を挟んで異方性導電接着剤により接着されており、ま
た第3の圧電素子54と第4の圧電素子55も、ともに
幅方向に分極されて、両者は電極6を挟んで異方性導電
接着剤により接着されている。また第2の圧電素子53
と第3の圧電素子54はエポキシ系の接着剤13により
接合されている。
【0047】第1の圧電素子52と第2の圧電素子53
にはそれぞれ複数の溝56、57が形成され、これらの
溝56、57同士が合うように第1の圧電素子52と第
2の圧電素子53と接合することにより複数の上段のイ
ンク室58が形成される。同様に、第3の圧電素子54
と第4の圧電素子55にはそれぞれ複数の溝59、60
が形成され、これらの溝59、60同士が合うように第
3の圧電素子54と第4の圧電素子55と接合すること
により複数の下段のインク室61が形成される。
【0048】ここで第1の圧電素子52と第2の圧電素
子53のそれぞれの垂直壁部52a、53aの厚さw1
と、第1の圧電素子52および第2の圧電素子53の水
平壁部52a、53bの厚さt1の関係は、t1≦w1
になっている。また第3の圧電素子54と第4の圧電素
子55のそれぞれの垂直壁部54a、55aの厚さw2
と、第3の圧電素子54および第4の圧電素子55の水
平壁部54b、55bの厚さt2の関係は、t2≦w2
になっている。
【0049】第1の圧電素子52の上方はエポキシ系の
接着剤13により圧電素子の上部保持部材62と接着さ
れている。第4の圧電素子55の下方も同様にエポキシ
系の接着剤13により圧電素子の下部保持部材63と接
着されている。
【0050】また図示してはいないが、印字ヘッド51
の前面には、オリフィスプレートが接着され、オリフィ
スプレートにはインク室58、61に対向する位置にオ
リフィスが2段に形成され、このオリフィスからインク
室58、61内のインクが吐出される。また印字ヘッド
61の後部には共通インク室が2段に配設され、また印
字ヘッド31内の電極6との電気的接続を行うためのフ
ラットケーブルがそれぞれ配設される。
【0051】ここで印字ヘッド51の製造方法を説明す
る。まず厚さが200μで幅方向に分極され、片面に電
極を形成した4枚の圧電素子板を第1、第2、第3、第
4の圧電素子として用意する。このうちの2枚の圧電素
子板を用い、厚さ1mmで分極していない圧電素子と電
極のない面で接着したものを2組作成する。この場合の
接着剤はエポキシ系接着剤を用いる。分極していない圧
電素子は上下の保持部材として補強部材に使用する。ま
た他の2枚の分極してある圧電素子板は、電極の形成さ
れていない面で互いに接着する。その際分極方向が互い
に直交しないようにし、接着剤はエポキシ系の接着剤を
用いる。
【0052】そして2枚の圧電素子板を接合したものを
両側からダイシングソーを用いて分極方向と直交する溝
列を形成する。形成する溝の深さは360μであり、溝
と溝の間の垂直壁部の厚さは84μとし、溝の切り残し
の部分(水平壁部)の厚さを85μとする。2組の分極
した圧電素子板と分極しない圧電素子板を接合したもの
を、分極した圧電素子の側からダイシングソーを用いて
それぞれ分極方向と直交する溝列を形成する。形成する
溝の深さは360μであり、溝と溝の間の垂直壁部の厚
さは84μとし、溝の切り残しの部分(水平壁部)の厚
さを85μとする。そして3つの接合部材を溝位置がそ
ろうように互いに重ねて、異方性導電接着剤により接着
する。
【0053】この後は、前記実施の形態と同様に、フラ
ットケーブルを配設し、またオリフィスプレートをイン
ク室の前面に取付け、さらに共通インク室を取付けて印
字ヘッドの組み立てを完了する。
【0054】第4の実施の形態における印字ヘッドの動
作は、上記第2の実施の形態と同様であり、本実施の形
態では2段のオリフィスからインクが吐出される点のみ
が第2の実施の形態と異なる。即ち、上下2段のインク
室58、61は、第2の圧電素子53と第3の圧電素子
54との間の接着層13の働きにより、電気的にも機械
的にもそれぞれ独立しており、互いに影響を及ぼさない
構造になっているので、駆動タイミングについてもイン
ク室の位置関係についても、それぞれ自由に設定するこ
とが可能である。
【0055】以上のように第4の実施の形態では、イン
ク室の圧力を効率化する点については第2の実施の形態
と同様の効果を奏する。またインク室の列を2段にする
ことにより、補強部材を不要にしつつ実装密度を高める
ことが可能となる。
【0056】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、インク室を形成する壁部のうちくの字形に変形する
壁部とは別の壁部の厚さを前記くの字形に変形する壁部
の厚さ以下とすることにより、前記別の壁部の少なくと
も一つを電圧印加時に、前記くの字形に変形する壁部が
インク室を広げる場合はインク室を広げるように、前記
くの字形に変形する壁部がインク室を収縮する場合はイ
ンク室を収縮するように変形可能にしたので、くの字形
に変形する壁部とは別の壁部が変形して、インク室内の
インクに圧力を加えるので、高い電圧を印加することな
く、インク室におけるより高い圧力を得ることが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のインクジェット印字ヘッド
を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態のインクジェット印字ヘッド
を示す分解斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の動作を示す動作説明図であ
る。
【図4】第2の実施の形態のインクジェット印字ヘッド
を示す断面図である。
【図5】第2の実施の形態の動作を示す動作説明図であ
る。
【図6】第3の実施の形態のインクジェット印字ヘッド
を示す断面図である。
【図7】第3の実施の形態のインクジェット印字ヘッド
を示す斜視図である。
【図8】第4の実施の形態のインクジェット印字ヘッド
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット印字ヘッド 2 第1の圧電素子 2a 垂直壁部 3 第2の圧電素子 3a 水平壁部 6、8 電極 12 インク室 13 接着剤
フロントページの続き (72)発明者 下杉 優彦 東京都港区芝浦4丁目11番地22号 株式会 社沖データ内 (72)発明者 小井戸 重規 東京都港区芝浦4丁目11番地22号 株式会 社沖データ内 Fターム(参考) 2C057 AF55 AG15 AG39 AG45 BA05 BA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を介して二つの圧電素子を接合する
    ことによりインク室を形成し、前記電極に電圧を印加す
    ることによりインク室を形成する壁部をシェアモード変
    形させてインク室内のインクを吐出して印字を行うイン
    クジェット印字ヘッドにおいて、 前記インク室を形成する壁部のうち前記シェアモード変
    形する壁部とは別の壁部の厚さを前記シェアモード変形
    する壁部の厚さ以下とすることにより、前記別の壁部の
    少なくとも一つを電圧印加時に、前記シェアモード変形
    する壁部がインク室を広げる場合はインク室を広げるよ
    うに、前記シェアモード変形する壁部がインク室を収縮
    する場合はインク室を収縮するように変形可能にしたこ
    とを特徴とするインクジェット印字ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記別の壁部は複数箇所変形可能である
    請求項1記載のインクジェット印字ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記インク室は2段構造である請求項1
    または2記載のインクジェット印字ヘッド。
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