JP2001321818A - 熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

熱延鋼板の製造方法

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JP2001321818A
JP2001321818A JP2000145615A JP2000145615A JP2001321818A JP 2001321818 A JP2001321818 A JP 2001321818A JP 2000145615 A JP2000145615 A JP 2000145615A JP 2000145615 A JP2000145615 A JP 2000145615A JP 2001321818 A JP2001321818 A JP 2001321818A
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temperature
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furnace
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Kazuyoshi Kimura
和喜 木村
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粗圧延機と仕上圧延機の間に加熱装置を有する
熱延鋼板製造設備において、被圧延材の加熱に要する総
合エネルギーコストを最小にする鋼板の製造方法を提供
する。 【解決手段】スラブを、最も低い加熱温度指定のスラブ
の加熱温度に合わせて加熱炉で加熱し、抽出したスラブ
は加熱装置で、仕上圧延機出口の目標温度が得られるよ
うに加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗圧延機と仕上圧
延機との間に加熱装置を有する熱延設備における熱延鋼
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は粗圧延機と仕上圧延機との間に加
熱装置を有する熱延設備の要部を示す概要図である。同
図において符号1は加熱炉、2は粗圧延機、3は仕上圧
延機、4はランナウトテーブル、5はコイラ、6は加熱
装置、7はスラブ、8は粗バー、9はコイル、10は加
熱炉制御装置、11は加熱装置制御装置、12は設定計
算装置である。
【0003】粗圧延機と仕上圧延機との間に加熱装置を
有する熱延鋼板製造設備においては、スラブを加熱炉に
て加熱した後、粗圧延機にて粗バーとし、粗バーを加熱
装置で加熱した後、仕上圧延機で仕上圧延され所定の板
厚とする。
【0004】この時の鋼板の仕上圧延機出口の目標温度
は、たとえば低炭素鋼などでは鋼板の機械特性の関係か
ら下限値(例えば、830℃)が決められており、ま
た、仕上圧延機の圧延ロールのロール肌荒れの関係から
上限値(例えば、880℃)が決められており、この間
で目標とする機械特性が得られるように目標温度(例え
ば、860℃)が設定されている。
【0005】加熱炉においては、公知文献(「鋼片の目
標昇温曲線最適化による連続式加熱炉の燃焼制御」、計
測自動制御学会学術講演会資料,SICE’89pp253-
254, July 25-27, Matsuyama)にあるように、加熱温
度の目標値を緩やかに変化する目標値として設定するも
のとしている。熱延用の連続的加熱炉では、スラブが順
次送りこまれ、炉内にはスラブが20〜30枚装入され
て加熱される。加熱炉は3〜4の炉帯に分割されている
とはいえ、個々のスラブを個別の温度に加熱することは
不可能であり、ほぼ同じ加熱温度が必要なスラブをグル
ープ化して加熱炉に装入し、グループ毎に目標温度を設
定して加熱するという操業が行われている。このような
加熱作業ではグループが変わるところでは、その前後の
グループのどちらかまたは両方のグループで適切な加熱
温度に加熱されないという問題がある。
【0006】通常の圧延操業としては、加熱炉から抽出
されたスラブを粗圧延機、仕上圧延機と圧延するが、特
に仕上圧延機での圧延操業が容易になるように加熱温度
が設定されている。たとえば、熱延鋼板の製造板厚が薄
いものや、板幅の広いもの、あるいは変形抵抗の大きい
材料の場合は、圧延機の負荷が過大にならないように目
標加熱温度を高くする。
【0007】しかし、前述のように加熱炉ではスラブを
グループ毎に加熱するため、圧延順序の制約が大きく、
燃料コスト、ロールなどの工具コスト、圧延歩留などの
コストが悪化していた。
【0008】この対策として例えば、特開平9−308
903号公報には、加熱温度を一定にし、そのために生
じる加熱不足は仕上圧延機入側に設けた加熱装置にて加
熱することにより総合的にコストダウンを図る技術が開
示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記公知文献では、加
熱炉の目標昇温曲線を最適化することにより加熱炉での
無駄な加熱を防止する方法が提案されているが、目標温
度を変化させている以上、完全にその変化に加熱温度を
追従させることができず、目標温度の通りには加熱され
ないところは燃料コストが悪化するという問題がある。
【0010】また、特開平9−308903号公報に開
示された発明では、加熱炉の温度を一定にする方法がと
られているが、それは、仕上圧延機の圧延負荷を考慮し
た形で、加熱温度を高く設定した位置で一定に加熱する
ために加熱無駄が生じるという問題がある。
【0011】本発明の課題は、粗圧延機と仕上圧延機の
間に加熱装置を有する熱延鋼板製造設備において、被圧
延材の加熱に要する総合エネルギーコストを最小にする
鋼板の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者らは下記(a) 〜
(b) の知見を想到した。
【0013】(a) 特開平9−308903号公報に開示
された技術は、加熱炉で圧延材料に依存しない一定温度
(任意の低温度)で加熱し、不足熱分を被圧延材1本ご
とに加熱装置で加熱する。この一定温度とは、粗圧延機
の圧延能力および加熱装置の加熱能力の上限を超えない
最低の目標温度に相当する。ところが、燃焼による加熱
炉での単位熱量のコストと、誘導加熱用の電力を消費す
る加熱装置での単位熱量コストを比較すると、後者のほ
うが大きい。従って、加熱炉での昇温と加熱装置での昇
温とは、エネルギーコストミニマムの観点から最適化す
るのが望ましい。
【0014】(b) 前記の最適化に際し、加熱炉における
スラブ加熱はスラブグループ単位であり、加熱装置での
加熱は1本単位であるため、最適解を求めるには、被圧
延材1本ごとの最適化と、スラブグループでの最適化を
行う必要がある。
【0015】上記の知見に基いて完成した本発明の要旨
は以下のとおりである。
【0016】(1) スラブを加熱炉から抽出して粗圧延機
にて圧延して粗バーとし、次いで加熱装置にて加熱し、
仕上圧延機で圧延して所定の板厚の熱延鋼板を製造する
熱延鋼板の製造方法に於いて、複数のスラブを加熱炉に
て加熱する際、最も低い加熱温度指定のスラブの加熱温
度に合わせて加熱し、加熱炉から抽出されたスラブを粗
圧延機と仕上圧延機の間に設置された加熱装置で、仕上
圧延機出口の目標が得られるように加熱することを特徴
とする熱延鋼板の製造方法。
【0017】本項の発明を第1発明という。
【0018】(2) 加熱炉における加熱エネルギーと加熱
装置の昇温量から決まる合計のエネルギーコストを最小
にするように加熱炉の加熱温度と加熱装置の昇温量とを
設定することを特徴とする前記(1) 項に記載の熱延鋼板
の製造方法。
【0019】本項の発明を第2発明という。
【0020】
【発明の実施の形態】スラブを加熱炉で加熱する際、無
駄な燃焼をしないようにするためスラブの中で最も低い
加熱温度になるように加熱する。しかし、このままで
は、仕上圧延機の圧延負荷が大きくなる場合があるの
で、仕上圧延機の入側に設置した粗バー加熱装置にて、
それぞれの鋼板毎に必要な分だけ加熱する。これによ
り、加熱炉での加熱無駄を無くし、燃料エネルギーコス
トを改善することができる。
【0021】加熱温度を加熱炉に入っている全スラブ対
して必要最小の目標温度に設定することにより更に燃料
エネルギーコストを改善することができる。このため、
加熱炉でのスラブ加熱に必要なエネルギーと粗バーを誘
導加熱するのに必要なエネルギーコストの総和を最小に
するようにそれぞれの加熱量を決めれば良い。
【0022】簡単のために仕上圧延機の負荷が高いため
に加熱温度を高くしなければならないスラブXと仕上圧
延機の負荷が比較的低く加熱温度を低くできるスラブ
Y、Zを交互に圧延する場合を考える。
【0023】図2は加熱炉内のスラブの炉内位置に対す
る各スラブの目標加熱温度の関係を示す概念図である。
同図の目標加熱温度をそのまま炉加熱温度とすれば各ス
ラブに対する理想的な温度設定となる。しかし、実際の
加熱炉では個々のスラブを異なる温度に加熱することは
できない。
【0024】図3は、加熱炉内のスラブの炉内位置に対
する各スラブの目標加熱温度および実際の炉加熱温度の
関係を示す概念図である。
【0025】同図に示すように、加熱炉作業では仕上圧
延機の圧延負荷が高いスラブXの温度になるように全て
のスラブを一定温度で加熱する。この場合、スラブY、
Zは必要以上に加熱されることから、加熱燃料の無駄が
発生することになる。これが、特開平9−308903
の発明の場合に発生する問題である。
【0026】そこで、スラブX、Y、Zをグループ化し
て集中圧延することが考えられる。
【0027】図4は、複数のスラブをグループ化して加
熱する場合の、炉内のスラブの炉内位置に対する各スラ
ブの目標加熱温度および実際の炉加熱温度の関係を示す
概念図である。
【0028】同図を図3と比較すると、加熱燃料の無駄
は少なくなるものの、やはりスラブXからスラブYに移
行するところ、およびスラブYからスラブZに移行する
ところで、それぞれスラブYおよびスラブZを必要以上
に加熱しなければならない。また、同一スラブを集中し
て圧延することは、加熱炉の操業としては比較的効率的
であるが、仕上圧延としては、同一幅の鋼板を連続して
圧延することになり、鋼板幅エッジが接触する部分での
ロール摩耗が増加し、鋼板の板形状が悪化するとか、圧
延負荷の大きい薄物鋼板を連続して圧延することにな
り、ロールの肌荒れが鋼板に転写され傷の原因になった
りする問題がある。
【0029】本発明は、同様なスラブを集中して圧延す
ることなく、かつ加熱炉での燃料コストを低減するため
の方法である。
【0030】図2で示したスラブX、Y、Zを交互に圧
延するための加熱炉内の各スラブに対する理想的な設定
温度に対し、目標温度の低い方のスラブの温度で全ての
スラブを加熱し、その際、仕上圧延機での圧延負荷が大
きくなる鋼板に対しては、仕上圧延機の入側に設置した
粗バー加熱装置で該鋼板だけを仕上圧延機の圧延負荷低
減および仕上圧延機出口の目標温度が確保の観点から必
要な量の昇温をすることにより加熱炉での無駄な燃焼を
排除するものである。
【0031】図5は本発明の方法と従来法によるそれぞ
れの加熱炉操業方法を比較説明するための概念図であ
る。
【0032】同図A、E部に示すように例えば、加熱炉
にスラブX、Yが装入されている場合は、加熱温度の低
いほうのスラブYの温度で加熱操業し、同図B、C、D
のように、スラブX、Y、Z、またはY、Zが装入され
ている場合は、加熱温度が最も低いスラブZの温度で加
熱操業する。このようにすることにより、加熱温度を常
に必要最低温度にしておくことより無駄な加熱が排除で
きることができる。
【0033】また、当然、前記粗バーの加熱装置は、誘
導加熱のような電力を消費するものであり、このために
電力コストが必要であるが、加熱効率が、加熱炉では2
0%程度に対し、誘導加熱の場合は65%と非常に高効
率であることから加熱炉の設定温度を下げることによる
コストの改善効果の方がはるかに大きいことがわかる。
しかし、この方法では必要以上に大きな誘導加熱が必要
になったり、製造所ごとの熱量あたりの燃料コストと電
力コストが異なる場合があるため、全加熱エネルギーの
最小化を図る。したがって、1本1本毎に必要最小限の
加熱ができ、かつその加熱自体の効率が高い仕上圧延機
前の加熱を有効に活用し、 1本1本毎の加熱ができず
かつ加熱効率の悪い加熱炉の加熱温度を最小にすること
が本発明により達成できる。
【0034】次に、本発明によるエネルギー消費を最小
化する方法について説明する。
【0035】仕上圧延機出口の鋼板温度確保のために
は、加熱炉加熱温度を大きくするか前記誘導加熱装置の
昇温量を大きくするかのいずれかである。
【0036】図6は本発明に係る単位スラブもしくは粗
バーの加熱配分を決定する計算方法を示すフローチャー
トである。
【0037】図7は本発明に係る複数のスラブもしくは
粗バーの加熱最適化を決定する計算方法を示すフローチ
ャートである。
【0038】図6において、加熱炉内の1つ1つのスラ
ブに対して下記の計算ステップで加熱温度の変更量と誘
導加熱装置の昇温量を計算する。以下の説明およびフロ
ーチャートには、各ステップをS1、S2・・のように
記す。
【0039】S1〜S3では繰返し計算に先立って、初
期設定を行う。
【0040】S4では、加熱炉の加熱温度を炉の設備能
力から算出される平均値あるいは過去の加熱実績の平均
値に設定し、その加熱温度で加熱を実施した場合の加熱
炉の燃焼エネルギーを下記式に基づき計算する。以下に
説明するが、収束計算における第2回目以降の計算で
は、加熱温度を修正しながら同様の計算を実行する。
【0041】
【数1】 ここで、TFN0 は加熱炉加熱温度の初期値、ΔTFNは加
熱炉加熱温度の変更量、ηFNは加熱炉効率、aは係数、
slb はスラブ厚、Vslb はスラブ幅、Vslbはスラブ
の平均移動速度、ρは密度、cは比熱である。
【0042】S5では、加熱炉抽出後の鋼板の温度計算
を実施する。前記加熱炉の加熱温度を初期値として、次
の(2) 〜(6) 式を用いて粗圧延機出口温度を搬送テーブ
ルおよび粗圧延機速度に基づき計算する。
【0043】
【数2】 ここで、Tは鋼板温度、T0 は鋼板の初期温度、Hは鋼
板の板厚、△Tは鋼板の温度降下量、△Tw は水冷によ
る温度降下量、△Ta は空冷による温度降下量、△Tr
はロール接触による温度降下量、tw 、ta 、tr はそ
れぞれ水冷、空冷、圧延に要した時間であり圧延機や搬
送テーブルの速度パターンから求める。h w 、ha 、h
r は熱伝達係数を表す。
【0044】S6では、粗圧延機出口温度を温度降下計
算の初期値として、仕上圧延機入側テーブル、仕上圧延
機最高速度に基づき仕上圧延機各スタンド出口の温度及
び仕上圧延機出口温度を上記式に基づき計算する。ここ
で、初回の計算では、誘導加熱装置の昇温量は0として
計算するが、収束計算における第2回目以降の計算で
は、誘導加熱の昇温量を修正しながら同様の計算を実行
する。
【0045】S7では、前記誘導加熱装置の昇温による
加熱エネルギーを次の(7) 式で計算する。
【0046】
【数3】 ここで、ΔTHTは誘導加熱装置の昇温量、ηHTは加熱炉
効率、aは係数、Hbarは粗バー板厚、Vbar は粗バー
板幅、Vbar は誘導加熱装置搬送テーブルの平均移動速
度、ρは密度、cは比熱である。
【0047】S8では、次の(8) 式であらわすエネルギ
ー消費の評価関数Jを計算する。
【0048】
【数4】 ここで、 w1 、w2 は重み係数であり、加熱炉と加熱
装置の単位エネルギーあたりのエネルギーコストに対応
した係数で、いずれのエネルギー消費を節約するかとい
う重みを付けることができる。
【0049】S9〜S11では、前記Jを最小にする、
仕上圧延機出口温度が目標温度になる条件の基で、エネ
ルギー消費を最小にするように、前記加熱炉加熱温度と
前記誘導加熱装置の昇温量を修正しながら加熱温度と昇
温量を決定する。この時の最小解を求めるに際しては、
周知の線形計画法などを用いれば簡単に求めることが可
能である。
【0050】以上のステップは、1つのスラブに関する
決定方法であるが、加熱炉は、前述のように個々のスラ
ブを加熱制御することができないために、ある種の平均
化が必要となる。
【0051】図7のS21〜S23は、上記加熱炉内の
個々のスラブについての計算を示しており、ここで求ま
った個々のスラブに対する加熱温度変更量ΔTFN(K) を
もちいて、S25以下の計算を進める。ここで、S22
は前述の図6で示した計算フローに基き実行する。
【0052】S25において、加熱炉の操業として、モ
ード1として第1発明に記載の最小温度で操業する方法
と、モード2として平均温度で操業する場合があり、ど
の操業形態で実施するかは、予め設定される。
【0053】S26〜S27は、モード1の操業形態の
場合であり、この場合は、加熱炉の加熱温度を加熱炉内
全スラブの最小値に設定するため、当然、その加熱温度
以外のスラブは加熱不足となるため、その不足する分を
(2) 〜(6) 式の鋼板の温度降下式に基づきもとめ誘導加
熱装置の昇温量を再設定する。
【0054】S28〜S29は、モード2の操業形態の
場合であり、この場合は、加熱炉の加熱温度を加熱炉内
全スラブの平均値に設定するため、その加熱温度より高
い加熱温度が必要なスラブは加熱不足となるため、その
不足する分を(2) 〜(6) 式の鋼板の温度降下式に基づき
もとめ誘導加熱装置の昇温量を再設定する。同様に、そ
の加熱温度より低い加熱温度が必要なスラブは加熱過多
となるため、その多すぎる分を(2) 〜(6) 式の鋼板の温
度降下式に基づきもとめ、誘導加熱装置の昇温量を再設
定する。
【0055】ここで、平均化処理する際に各スラブに対
する重みαK を適切に設定することにより、より優れた
操業が可能となる。つまり、圧延負荷が大きくなるよう
な板厚の薄い鋼板のスラブ、板幅の広い鋼板のスラブや
変形抵抗の大きいハイテン材のスラブなどの重みを大き
くすれば、それらのスラブはより最適値に近い温度で加
熱されることになる。
【0056】図7の計算フローに基づく計算は、スラブ
を加熱炉に装入するごとに実施する。
【0057】
【実施例】図1に示す構成の熱延鋼板製造設備を用い
て、本発明および従来方法について、下記手順でシミュ
レーション試験を行った。
【0058】製造する鋼板の材料情報(材質、サイズ
(厚、幅)など)と圧延情報(加熱炉平均搬送速度、粗
圧延機圧延速度、仕上圧延機圧延速度、粗および仕上圧
延機各スタンド出口板厚、仕上圧延機出口温度目標値な
ど)が決定され、スラブが加熱炉に装入された時点で、
加熱炉内に有るスラブを対象に1枚ずつ加熱設定計算装
置12にて、上述の計算方法にしたがって、加熱炉と誘
導加熱装置での消費エネルギーを最小にするように各ス
ラブの加熱温度および粗バーの昇温量の設定値を求め
た。
【0059】次いで、計算されたスラブの加熱温度の設
定値を加熱炉制御装置10に送信し、加熱炉の炉温を設
定し、これに基づいて加熱炉を操業した。同様に、計算
された粗バーの昇温量の設定値を導加熱制御装置11に
設定し粗バーを加熱した。
【0060】本発明による加熱方法と、従来技術による
加熱方法とを、ほぼ同様の圧延条件のスラブで構成され
ている約100本の圧延チャンスに適用した。このとき
の製品の板厚は1.2〜6.9mm、板幅は810〜1
450mm、抗張力550MPa以下である。
【0061】図8は本発明方法および従来方法に係る加
熱方法において、製品単位重量あたりの加熱炉および加
熱装置の総合エネルギーコスト比較を示すグラフであ
る。同図においては、従来方法による加熱コストを10
0として示している。
【0062】同図に示すように、本発明による総合エネ
ルギーコストは従来方法比較で78%程度となり、本発
明の効果を確認できた。
【0063】
【発明の効果】本発明により、粗圧延機と仕上圧延機と
の間に加熱装置を有する熱延鋼板の製造において、加熱
炉および加熱装置の総合エネルギーコストを最小化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】粗圧延機と仕上圧延機との間に加熱装置を有す
る熱延設備の要部を示す概要図である。
【図2】加熱炉内のスラブの炉内位置に対する各スラブ
の目標加熱温度の関係を示す概念図である。
【図3】加熱炉内のスラブの炉内位置に対する各スラブ
の目標加熱温度および実際の炉加熱温度の関係を示す概
念図である。
【図4】複数のスラブをグループ化して加熱する場合
の、炉内のスラブの炉内位置に対する各スラブの目標加
熱温度および実際の炉加熱温度の関係を示す概念図であ
る。
【図5】本発明の方法と従来法によるそれぞれの加熱炉
操業方法を比較説明するための概念図である。
【図6】本発明に係る単位スラブもしくは粗バーの加熱
配分を決定する計算方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る複数のスラブもしくは粗バーの加
熱最適化を決定する計算方法を示すフローチャートであ
る。
【図8】本発明方法および従来方法に係る加熱方法にお
いて、製品単位重量あたりの加熱炉および加熱装置の総
合エネルギーコスト比較を示すグラフである。
【符号の説明】
1:加熱炉 2:粗圧延機 3:仕上圧延機 4:ランナウトテーブル 5:コイラ 6:加熱装置 7:スラブ 8:粗バー 9:コイル 10:加熱炉制御装置 11:加熱装置制御装置 12:設定計算装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スラブを加熱炉から抽出して粗圧延機にて
    圧延して粗バーとし、次いで加熱装置にて加熱し、仕上
    圧延機で圧延して所定の板厚の熱延鋼板を製造する熱延
    鋼板の製造方法において、複数のスラブを加熱炉にて加
    熱する際、最も低い加熱温度指定のスラブの加熱温度に
    合わせて加熱し、加熱炉から抽出されたスラブを粗圧延
    機と仕上圧延機の間に設置された加熱装置で、仕上圧延
    機出口の目標温度が得られるように加熱することを特徴
    とする熱延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】加熱炉における加熱エネルギーと加熱装置
    の昇温量から決まる合計のエネルギーコストを最小にす
    るように加熱炉の加熱温度と加熱装置の昇温量とを設定
    することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板の製造
    方法。
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