JP2001321373A - カソードスキャン型x線発生器を用いたx線ctスキャナ - Google Patents

カソードスキャン型x線発生器を用いたx線ctスキャナ

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JP2001321373A
JP2001321373A JP2000146158A JP2000146158A JP2001321373A JP 2001321373 A JP2001321373 A JP 2001321373A JP 2000146158 A JP2000146158 A JP 2000146158A JP 2000146158 A JP2000146158 A JP 2000146158A JP 2001321373 A JP2001321373 A JP 2001321373A
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勝弘 小野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被検体の内部を立体的に即時性をもって検査で
き、被検体からの散乱線の影響を受けない良質なCT画
像を得ることができ、小型で信頼性が良い超高速X線C
Tスキャナを提供する。 【解決手段】小型でありながら、高速度で周回するX線
焦点から多量のX線を放射して超高速スキャンができる
カソードスキャン型X線発生器を使って超高速スキャン
型のX線CTスキャナを実現している。X線焦点を周回
させる為の回転部分を真空容器内の小型の部品に限定す
ることにより、大気中における機械的な回転機構を持た
ずにX線焦点を披検体の周囲に高速度で安定して周回さ
せるとともに、X線検出器を前記のX線焦点と同期をと
って大気中において回転させることによって両者の相対
位置関係を一定に保ってローテート/ローテート型CT
スキャナを構成し、被検体からの散乱X線を減少した状
態で、被検体を瞬時に撮影して高画質の3次元の画像が
得られる超高速のX線CTスキャナを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、小型でありなが
ら、高速度で周回するX線焦点から多量のX線を放射し
て超高速スキャンができるカソードスキャン型X線発生
器を使った超高速スキャン型のX線CTスキャナに関す
る。X線焦点を周回させる為の回転部分を真空容器内の
小型の部品に限定することにより、大気中における機械
的な回転機構を持たずにX線焦点を披検体の周囲に高速
度で安定して周回させるとともに、X線検出器を前記の
X線焦点と同期をとって大気中において回転させること
によって被検体からの散乱X線を減少した状態で、被検
体を瞬時に撮影して高画質の3次元の画像が得られる超
高速のX線CTスキャナを提供する。
【0002】
【従来の技術】従来のX線CTスキャナについて、概略
の断面を表している図1を参照して説明する。従来のX
線CTスキャナは、固定架台1001と、軸受1003
を介して回転する回転架台1002とを有している。回
転架台1002は制御器1008を用いて制御された回
転駆動機構1009によって空気中において回転させら
れる。X線を発生する為のX線管1004や、これに高
電圧を供給する為の高電圧電源(図示せず)や、X線を
受け取る為のX線検出器1006や、その他の電子回路
1007等をこの回転架台1002に取り付けた構造に
なっている。回転架台1002に取り付けられた電子回
路の信号は図示しないスリップリングを介して固定架台
1001に伝達される。この為に回転架台1002に取
り付けられた部品の質量の和が大きくなって、X線CT
スキャナのスキャン速度を増そうとすると大きな遠心力
が働き、回転架台1002に取り付けられた部品や回転
架台1002自体が過大な応力に耐えられないのでスキ
ャン速度を高めることができない欠点を持っている。
【0003】従来構造のX線CTスキャナに使われるX
線管1004は、直径が10cm程度の円板状のX線タ
ーゲットをシリンダー状の真空容器の中で3000rp
m程度の高速度で回転させ、これに電子銃組立の陰極か
ら放射された電子を衝突させてX線1005を一方向に
放出するものであり、全体が円柱状に構成されている。
多量のX線を発生させる必要があるX線CTスキャナ用
のX線管では冷却器が必要であり、両者の質量の和は1
00Kg程度に大きくなり、体積も大きくなり、これを
取り付けて空気中で回転させる為の回転架台1002は
大型になり、X線CTスキャナ全体が大きくなって取り
扱いが不便であるだけでなく、設置スペースも大きくな
り、運転費用も多額であった。更に、近年になってX線
CTスキャナの用途が広がるにしたがって血液や造影剤
の瞬時的な観測が求められてきた。これに応える為に
は、X線管1004を高速度で被検体の周りで周回させ
る必要が生じている。これまでの最高の周回速度は2r
psであり、これが限度と考えられている。一方では、
X線量を増して画質を高めて診断能を高めたいとの要求
があり、従来のX線管1004の寸法と質量がますます
増大する必要がある。この相反する要求を同時に満たす
ことは従来の構造のX線CTスキャナでは不可能であっ
た。
【0004】一方で、スキャン速度を増す為に電子スキ
ャン方式のX線CTスキャナが過去に開発された。これ
は、横倒しに置いた魔法瓶の形をした真空容器の底の位
置に固定した電子銃組立から電子を取り出し、電子を真
空容器内でおよそ100cm走行させながら電磁的に電
子の位置を制御して被検体の周りで周回させた後に、こ
の電子を円弧状のX線ターゲットに入射させて半周回す
るX線を取り出すようになっている。この構造では、ス
キャン時間が0.1秒程度の高速スキャンができるが、
十分なX線量が得られないこと等に起因して画質が劣悪
であることや、X線の焦点が大き過ぎることや、安定な
動作を維持し難いことや、装置全体が大きくて取り扱い
難いことや、高価であること等の欠点を持ち、特殊な用
途に使用されているにすぎない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、X線CTスキャナのスキャン時間を大幅に短縮し
て動きが速い被検体の撮影においてモーションアーチフ
ァクトを無くするとともに、十分なレベルのX線量を確
保してフォトンノイズが少なくし、被検体からの散乱X
線を減少させて良質な画像を得ることができ、装置全体
が小型であって取り扱い易いX線CTスキャナを提供す
ることである。これを実現する為に、X線を発生して被
検体の周囲で周回させる機構を最大限に軽量化して真空
容器内に収め、真空中で信頼性よく使える軸受機構及び
真空中で回転している部品に給電できる給電機構が必要
であった。このための軸受として、動作時に液体である
液体金属を潤滑剤として使用した環状の動圧滑り軸受を
開発し、真空容器内の回転体の回転を安定して長時間に
わたって継続できるようにすることが必要である。又、
大気中に置かれた被検体から生じる散乱X線を最小限度
まで減少させる必要があり、このためにはいわゆる第3
世代のCTスキャナが求められている。第3世代のCT
スキャナでは、被検体を挟んだ状態でX線発生点とX線
検出器とを対向して配設しており、X線発生点とX線検
出器との相対的な位置を高精度に一定に保った状態で両
者を高速で同期して回転させる必要がある。本発明で
は、X線発生点が真空容器の中に在り、X線検出器が真
空容器の外に在るにもかかわらず、両者の相対位置を高
精度に維持できる自動制御を行う方法を提案しており、
超高速スキャンが行えて、且つ、いわゆる第3世代のス
キャン方式を有する、カソードスキャン型X線発生器を
使ったX線CTスキャナを提供することを課題としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、X線を周回
させる為の全ての回転部分をドーナツ状の真空容器の中
に取り付けて最小限度まで小さくして超高速スキャンが
できるX線CTスキャナを実現している。真空容器はド
ーナツ状に作られており、真空容器の中心軸近傍の大気
中に在る寝台上に被検体が置かれている。真空容器の中
で周回する電子銃組立の陰極から電子が放出され、陰極
の周回軌道に対向して真空容器内に取り付けてある環状
のX線ターゲットに、加速された電子が衝突してX線を
発生させる。発生したX線は真空容器の小径側の壁に設
けられたX線放出窓を通って大気中にある被検体に照射
される。被検体を通過したX線は、前記の真空容器と同
軸状に大気中において回転自在に配設された環状の検出
器取り付け構造体に移動可能に取り付けられており、X
線発生点との相対位置を一定に保たれたX線検出器で検
出され、コンピュータで断層像に再構成されて表示装置
に表示される。
【0007】請求項1に記載の発明は、内部を真空の状
態に保持して真空空間を形成するドーナツ形状の真空容
器と、この真空容器の内部の真空空間において周回軌道
を成して周回しながらX線を発生するX線焦点と、この
X線焦点の位置を検出するための焦点位置検出機構と、
前記のX線焦点の周回軌道と同軸的であり、大気中にお
いて回転自在に取り付けられており、前記のX線焦点の
周回と同じ方向に回転する検出器取り付け構造体と、こ
の検出器取り付け構造体の角度位置を検出する為の角度
位置検出機構と、前記の検出器取り付け構造体に取り付
けられたX線検出器と、を含んでおり、前記の周回する
X線焦点と前記の周回するX線検出器との相対位置が一
定になるように前記の検出器取り付け構造体の回転位相
が自動制御されることを要旨とするX線CTスキャナで
ある。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のX線CTスキャナにおいて、前記のX線検出器
と前記のX線焦点との相対位置を、前記のX線焦点から
発生するX線を利用して検出する相対位置検出機構を更
に含んで成り、前記の周回するX線焦点と前記の周回す
るX線検出器との相対位置が一定になるようにX線曝射
中又はX線曝射後に自動制御されることを要旨とするX
線CTスキャナである。
【0009】請求項1又は2に記載の発明によれば、真
空容器内で周回するX線焦点と、真空容器外で周回する
X線検出器との相対位置が許容値以内の誤差になるよう
に自動制御されているので、X線検出器の前面に取り付
けられたコリメータは全てX線焦点を向いており、被検
体内から生じる散乱X線がX線検出器を構成する各検出
素子に入り難くなっており、超高速スキャンでありなが
ら高画質のCT画像を得ることができる。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
又は請求項2に記載のX線CTスキャナにおいて、前記
の焦点位置検出機構の出力を用いて前記のX線焦点の周
回速度を一定にする働きをもつ第一の自動制御回路と、
前記の周回するX線焦点と前記の周回するX線検出器と
の相対位置が一定になるように前記の検出器取り付け構
造体の回転位相を制御する第二の自動制御回路とを含む
ことを要旨とするX線CTスキャナである。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、前記のX
線焦点の周回速度が一定になるために、得られたX線情
報が正確となり、再構成された画質が良好に保たれる。
更に、前記のX線焦点を周回するための回転力は前記の
真空容器の外から与えることと、真空容器内の回転体の
慣性モーメントが比較的大きいために、前記のX線焦点
の周回速度を一定にする制御の方が行い易い。大気中で
回転する検出器取り付け構造体の回転速度又は回転位相
を前記のX線焦点の周回に追従させた制御が行いやすい
ので正確な相対位置を確保することができる。
【0012】また、請求項4に記載の発明は、内部を真
空の状態に保持して真空空間を形成するドーナツ形状の
真空容器と、この真空容器の内部の真空空間において周
回軌道を成して周回しながらX線を発生するX線焦点
と、このX線焦点の位置を検出するための焦点位置検出
機構と、前記のX線焦点の周回軌道と同軸的であり、大
気中において回転自在に取り付けられており、前記のX
線焦点の周回と同じ方向に回転する検出器取り付け構造
体と、この検出器取り付け構造体の角度位置を検出する
為の角度位置検出機構と、前記の検出器取り付け構造体
に移動可能な状態で取り付けられたX線検出器と、この
X線検出器と前記のX線焦点との相対位置を検出する為
の相対位置検出機構と、前記のX線検出器と前記の検出
器取り付け構造体との相対位置を調整する相対位置調整
機構とを含んでおり、前記の周回するX線焦点と前記の
周回するX線検出器との相対位置が一定になるように前
記のX線検出器と前記の検出器取り付け構造体との相対
位置がX線曝射中又はX線曝射後に自動制御されること
を要旨とするX線CTスキャナである。
【0013】請求項4に記載の発明によれば、X線焦点
とX線検出器との相対位置情報が直接に求められるとと
もに、X線検出器に関する部分だけが検出器取り付け構
造体に対して相対的に微小距離だけ円弧状に移動するこ
とによって制御されるので、X線検出器とX線焦点との
相対位置の自動制御の応答速度が早く、制御精度が高く
なり、より正確に前記の相対位置が保たれる。
【0014】また、請求項5に記載の発明は、特許請求
項項2〜4のいずれか1項に記載のX線CTスキャナに
おいて、前記の焦点位置検出機構の出力と前記の角度位
置検出機構の出力との差が予め定められた第一の設定値
以下になるように前記の検出器取り付け構造体の回転位
相が自動制御された後に、前記のX線焦点からX線が曝
射されるように制御され、このX線を検出して前記の相
対位置検出機構の出力が予め定められた第二の設定値以
下になるように、前記のX線検出器と前記のX線焦点と
の相対位置が、X線曝射中又はX線曝射後に自動制御さ
れることを要旨とするX線CTスキャナである。
【0015】請求項5に記載の発明によれば、X線を曝
射せずに比較的長い時間をかけて前記の焦点位置と前記
のX線検出器との相対位置を概略目標の精度以内になる
ように制御し、しかる後に、ごく微量の補正を短時間で
正確に行えるので、位置制御のためのX線の曝射時間を
短くすることができる。また、前記のX線焦点と前記の
X線検出器との相対位置情報が直接に求められるので制
御が正確である。
【0016】また、請求項6に記載の発明は、請求項5
に記載のX線CTスキャナにおいて、前記の相対位置調
整機構は積層型圧電アクチュエータを含んでおり、この
積層型圧電アクチュエータの一端は前記の検出器取り付
け構造体に取り付けられており、前記の積層型圧電アク
チュエータの他端は前記のX線検出器又はその取り付け
部分に第一の力を与えるように配設されており、前記の
X線検出器又はその取り付け部分には前記の第一の力と
反対の方向に第二の力を与える与圧機構が取り付けられ
ていることを要旨とするX線CTスキャナである。
【0017】請求項6に記載の発明によれば、電圧を印
加することにより極めて大きな発生力をすばやく発生さ
せることが出来、X線検出器を検出器取り付け構造体に
対して相対的にすばやく移動させられるので応答速度が
速い制御を行うことができ、より正確に前記のX線焦点
と前記のX線検出器との相対位置が保たれる。また、前
記のX線検出器には与圧がかかっているために、機械的
なガタが発生しないし、両方の方向に制御できる。
【0018】また、請求項7に記載の発明は、請求項2
〜6のいずれか1項に記載のX線CTスキャナにおい
て、前記の相対位置検出機構は、前記の検出器取り付け
構造体に取り付けられたマーカー用X線遮蔽体と、前記
のX線検出器に取り付けられた位置検出素子アレイを含
んでおり、この位置検出素子アレイは、複数の独立なX
線検出素子を有して構成され、前記のX線焦点から放射
されるX線のパスが被検体を通らない位置に取り付けら
れており、前記のX線焦点と、前記のマーカー用X線遮
蔽体と、前記の位置検出素子アレイとが概略一直線上に
位置するときに生じる前記の位置検出素子アレイに含ま
れるX線検出素子の出力を比較するように構成されてい
ることを要旨とするX線CTスキャナである。
【0019】請求項7に記載の発明によれば、簡単な構
造でX線焦点とX線検出器との相対位置情報が直接に求
められる。前記の位置検出素子アレイに含まれる検出素
子の間隔と、前記のマーカー用X線遮蔽体のサイズを任
意に設定することにより制御可能範囲を任意に設定する
ことができる。
【0020】また、請求項8に記載の発明は、請求項7
に記載のX線CTスキャナにおいて、前記の相対位置検
出機構の出力は、前記のX線検出器の出力を使って再構
成画像を作成する際に、再構成パラメータを決めるため
に使用されることを要旨とするX線CTスキャナであ
る。
【0021】請求項8に記載の発明によれば、X線検出
器の出力信号を使って被検体の断層像を再構成する際
に、再構成パラメータとしてX線検出器とX線焦点との
正しい相対位置パラメータを使用できるので、仮に前記
の自動制御が追いつかず、X線検出器とX線焦点との相
対位置がずれた場合でも精度の高い再構成画像を得るこ
とができる。
【0022】また、請求項9に記載の発明は、請求項1
〜8のいずれか1項に記載のX線CTスキャナにおい
て、内部を真空の状態に保持して真空空間を形成するド
ーナツ形状の真空容器と、この真空容器の内部の真空空
間において真空容器の中心軸と同軸的に回転できるよう
に支承された陰極側回転体組立と、この陰極側回転体組
立の一部に取り付けられた電子銃組立と、この電子銃組
立に取り付けられており電子を放出する陰極と、この陰
極に前記の真空容器の外部から給電する為の陰極給電機
構と、前記の陰極の周回軌道を含む面と対面して同軸的
に取り付けられた環状のX線ターゲットと、このX線タ
ーゲットの表面に前記の陰極から放出されて加速された
電子が衝突してできるX線焦点で発生したX線を前記の
真空容器の外に取り出す為のX線放出窓と、前記の陰極
側回転体組立に回転力を与える回転駆動機構と、前記の
陰極の角度位置を検出する陰極周回角度検出機構と、を
有して構成されたカソードスキャン型X線発生器を含ん
でいることを要旨とするX線CTスキャナである。
【0023】請求項9に記載の発明によれば、真空容器
内のX線焦点を周回させる為の回転部分は軽量な電子銃
組立などに限定されておりその体積が小さく、全体とし
てほぼ対称な形状であるので回転周期が0.1秒以下の
高速回転をしても回転体にかかる応力が十分に小さくで
き、安定して高速回転を続けることができる。ドーナツ
型の真空容器の内部で電子銃部分を周回させる方式のX
線CTスキャナは過去に提案されているがこれまでに実
現していない。その理由の一つは真空中において安定し
た回転を続ける手段と、回転体の電位を安定して一定値
に設定する確かな手段が見出されなかった為である。本
発明では真空中で信頼性よく使える軸受機構として、動
作時に液体である液体金属を潤滑剤として使用した環状
の動圧滑り軸受を採用し、高真空度の環境下で長時間に
わたって安定して高速の回転を継続させる手段を提供し
ている。
【0024】
【発明の実施の形態】カソードスキャン型X線発生器は
ドーナツ型の真空容器で包まれており、この真空容器は
中心軸がほぼ水平になるように設置してあり、その中心
軸の近くの大気中に被検体(人体)が置かれており、真
空容器は被検体を取り囲むように配置されている。真空
容器は架台に取り付けられて、回転せずに被検体との水
平方向の相対位置及び角度は変えることができるように
なっている。この真空容器の内部でX線焦点が被検体の
周りを周回するように、X線焦点が周回移動しながら被
検体に向かってX線が発生される。大気中において、こ
の周回するX線焦点の周回軌道と同軸状に検出器取り付
け構造体が取り付けられており、この検出器取り付け構
造体は前記のX線焦点の周回と同期して大気中で回転す
る。この検出器取り付け構造体には多くの検出素子に分
かれたX線検出器が取り付けられており、このX線検出
器は前記のX線焦点に対して前記の被検体を挟んで対向
する同じ相対位置に常に位置するように制御される。周
回するX線焦点と、周回するX線検出器の相対位置関係
が高精度に維持されるので、X線検出器のそれぞれの検
出素子には、X線焦点の方向を向いた散乱X線除去用の
コリメータを取り付けることができる。したがって、ス
キャン時間が0.1秒の超高速スキャンでありながら散
乱X線の悪影響を受けない高画質のCT画像を得ること
ができるX線CTスキャナを提供することができる。以
下に、実施例によって詳細に説明する。
【0025】
【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の一実施例
によるX線CTスキャナについて説明する。図2(A)
は本発明のX線CTスキャナの全体構造体の概略の断面
図であり、図2(B)は本発明のX線CTスキャナの全
体構造体を図2(A)の中心点OにおいてC’からCの
方向に見た概略の図面である。図3は図2(A)の拡大
図であり、図4は本発明に係わるカソードスキャン型X
線発生器の、ある瞬間に鉛直上方に位置する一部分の断
面を拡大した図であり、ある瞬間に鉛直上方に位置した
状態における電子銃組立周辺の断面の一部を拡大して示
している。同じ部分は同じ記号を付している。図5は本
発明のX線CTスキャナに使用するカソードスキャン型
X線発生器の一部分を拡大した断面図である。図6は図
2(B)の拡大図であり、本発明の主要部であるX線検
出器の移動機構を中心にした説明図である。図7は本発
明のCTスキャナの、X線焦点とX線検出器との相対位
置を制御するシステムのブロックダイアグラムである。
図8は図7の一部を細分して示したブロックダイアグラ
ムである。図9は、本発明の主要部であるであるX線検
出器の相対位置調整機構の構造を示している。図10
は、X線焦点とX線検出器との相対位置を検出する方法
を説明する図である。
【0026】先ず、本発明のX線CTスキャナに使用する
カソードスキャン型X線発生器について説明する。図2
又は図3に示すように、ドーナツ型の真空容器VVは中
心軸CC’がほぼ水平になるように設置してあり、図示
しない真空ポンプによって排気口VCから高真空状態に
いつも排気されている。図2又は図3又は図4に示すよ
うに、この真空容器VVの内部の真空空間に円筒状の陰
極側回転体組立CRがあり、陰極側回転体組立CRは常
温で液体である液体金属を潤滑剤とした動圧滑り軸受か
ら成る軸受機構CBGによって真空中で回転自在に支承
されており、これらの中心軸はCC’に一致している。
陰極側回転体組立CRには電子銃組立EGが取り付けて
ある。図3又は図4に示すように、陰極側回転体組立C
Rには銅でできた円筒状のロータRT2が同軸状に取り
付けられており、これと同軸状に磁性体から成る磁路円
筒MT2が取り付けられている。図2又は図3又は図4
に示すように、円筒状のロータRT2に対向した状態で
真空容器VVの外側において真空容器壁に沿って円弧状
のステータLM2が取り付けられている。前記の円筒状
のロータRT2は前記の磁路円筒MT2とステータLM
2で挟まれた状態に配設されている。円筒状のロータR
T2はステータLM2から真空容器VVの非磁性の材質
で出来た壁を通して電磁誘導作用を受けて回転トルクを
与えられるので陰極側回転体組立CRは回転する。陰極
側回転体組立CRは動圧滑り軸受から成る軸受機構CB
G内の液体金属潤滑剤を通して電気的にも熱的にも真空
容器VVに接続されている。
【0027】図4に示すように、電子銃組立EGの先端
部には熱電子2を放出する陰極1が取り付けられてい
る。この陰極1の周回軌道に対向した状態で環状のX線
ターゲットTGが取り付けられている。図3又は図4に
示すように、X線ターゲットTGは円筒状の陽極側回転
体組立ARに機械的に結合されている。陽極側回転体組
立ARは、常温で液体である液体金属を潤滑剤とした動
圧滑り軸受から成る軸受機構ABGを介して、真空容器
VVの一部に回転自在に取り付けられている。陽極側回
転体組立ARには銅管でできた円筒状のロータRT1が
取り付けられており、これと同軸状に磁性体から成る磁
路円筒MT1が取り付けられている。円筒状のロータR
T1に対向した状態で真空容器VVの外側において真空
容器壁に沿って円弧状のステータLM1が3個取り付け
られている。前記の円筒状のロータRT1は前記の磁路
円筒MT1とステータLM1で挟まれた状態に配設され
ている。円筒状のロータRT1はステータLM1から真
空容器VVの非磁性の材質で出来た壁を通して電磁誘導
作用を受けることによって回転トルクを与えられるの
で、陽極側回転体組立ARは回転する。X線ターゲット
TGの回転中心軸と前記の電子銃組立EGに含まれる陰
極1の周回中心軸CC’とは一致しており、陰極1は常
にX線ターゲットTGの表面と対向した状態で両者は互
いに反対方向に回転する。
【0028】図3又は図4を参照して陰極給電機構SL
1について説明する。図3又は図4に示す実施例では3
個の陰極給電機構SL1が同軸状に取り付けられてお
り、3本の独立した電流通路を形成している。これらの
図では陰極給電機構SL1の内部構造は簡略化して表し
ている。電子銃組立EGの陰極1は、真空容器VV内の
真空空間で電子銃組立EGの周回中心軸CC’と実質的
に同じ中心軸を持つ環状の陰極給電機構SL1を通し
て、高電圧端子HTに電気的に接続されている。高電圧
端子HTには、真空容器VVの外に在る図示しない高電
圧電源から、およそー150KVの負の高電圧と電子銃
組立EGの陰極1を加熱する電力が供給される。それぞ
れの陰極給電機構SL1は固定部と回転部とを有し、固
定部は絶縁体220を介して電気絶縁を保ちながら真空
容器VVの一部に機械的に固定されている。陰極給電機
構SL1の回転部と固定部は液体金属を潤滑剤とする動
圧滑り軸受を構成しており、液体金属潤滑剤を介して両
者間で通電される。陰極給電機構SL1の回転部が電子
銃組立EGに弾力性のある回転トルク伝達機構217で
機械的に連結されており、陰極給電機構SL1は、ある
程度の偏芯及び軸方向の変位を許容した状態で電子銃組
立EGと共に回転する。
【0029】X線ターゲットTGは陽極側回転体組立A
Rの軸受機構ABG内に在る液体金属潤滑剤を介して電
気的にも熱的にも真空容器VVに結合されている。真空
容器VVは接地電位になっており、冷却水等で強制冷却
されている。従って、X線ターゲットTGは接地電位に
設定されると共に、X線ターゲットTGから発生した多
量の熱は液体金属潤滑剤を介して真空容器VVの壁の部
分を流れる冷却水で効率良く取り去られる。X線ターゲ
ットTGと冷却水との間の熱抵抗は十分に小さいのでX
線ターゲットTGの温度は低く保たれる為にX線ターゲ
ットTGへの大電力の入力が許容され、極めて多量のX
線を短時間に発生することができる。
【0030】電子銃組立EGは、図2、図3、図4に示
すように陰極側回転体組立CRの周囲に取り付けられて
いる。ここで、F1は前記の電子2が加速されてX線タ
ーゲットTGに衝突してできるX線の焦点を示してい
る。X線焦点F1はX線を発生させながら図2(B)又
は図6に示すように速度V1で周回する。このX線焦点F
1の現在角度位置は陰極側回転体組立CRと真空容器V
Vの一部に取り付けられた陰極周回角度検出機構PG1
によって検出される。この陰極周回角度検出機構PG1
は、陰極側回転体組立CRに取り付けたグラテイキュー
ルに、真空容器VVに取り付けた透明な窓(図示せず)を
透して、レーザー光線を照射して、前記のグラテイキュ
ールからの反射光を真空容器VVの外に在る受光器で受信
して、陰極側回転体組立CRの回転数と回転角度を検出
するように構成されている。X線焦点F1から放射され
たX線は、図2(A)又は図3又は図4に示すように、
X線ターゲットTGの内側にあるX線分布制限機構XL
によってファン状に整形され、真空容器VVのX線放出
窓XW(図4参照)を通過し、真空容器VVの外部にある
環状の検出器取り付け構造体DRに取り付けられたウェ
ッジフィルタWFを通過してファン方向のX線強度分布
を適正化された後に、前記の検出器取り付け構造体DR
に取り付けられたスリット機構SLTを通過して、被検
体Mの体軸方向(以後、スライス方向という)のX線分布
が整形され、被検体Mを通過した後に、前記の検出器取
り付け構造体DRに移動可能に取り付けられたX線検出
器XDTの対向面に到達する。X線検出器XDTは10
00個程度の検出素子によってファン方向に分割されて
おり、それぞれがスライス方向に8個程度の検出素子に
分割されている。
【0031】図2(B)又は図6に示すように、X線焦
点F1から出たX線は、それぞれがX線検出器XDTの
細分化された検出素子で受信される。X線検出器XDT
とX線焦点F1とはそれぞれの回転中心軸を挟んで対向
する位置で、相対位置関係が正確に一定に保たれるよう
に制御される。したがって、いわゆる第3世代のCTス
キャナであるローテート/ローテート方式の超高速CT
スキャナとなっている。X線検出器XDTの各検出素子
のそれぞれには、X線焦点F1の方向を向いたコリメー
タが取り付けてあり、回転中心軸CC’の近傍に置かれ
た被検体Mから発生する散乱X線を受けないようになっ
ている。それぞれの検出素子で検出された信号は、デー
タ収集回路DASでデジタル信号に変換され、スリップ
リングSLP1を介して図示しないメインコンピュータ
に送られて断層像に再構成され、図示しない画像表示装
置に表示されてCT画像が得られるようになっている。
【0032】ある瞬間に鉛直上方に位置した状態におけ
る電子銃組立周辺の断面の一部を拡大して図4に示して
おり、同じ部分は同じ記号を付している。図4におい
て、軸受機構CBGの内部構造は簡略化して表してい
る。陰極側回転体組立CRは全体的に見ると概略回転対
称構造であり、これに取り付けられた電子銃組立EG等
の部品は小型で軽量であるので10rps程度の高速回
転に十分耐えることができる。X線ターゲットTGは、
直径が120cmと大型であり、X線焦点F1と反対方
向に回転しており、前記のように強制冷却されているの
でX線ターゲットTGの表面温度が高くなり難く、X線
ターゲットTGへの大電力の入力が許容されるので、本
発明のX線CTスキャナでは、短時間に十分な量のX線を
発生することができ、超高速スキャンであるにもかかわ
らずフォトンノイズが少ない良質なCT画像を得ること
ができる。また、マルチスライススキャンを実現してお
り、X線の有効利用ができ、中心軸CC’と平行な方向
の解像度を高めることもできるだけでなく、広い範囲の
撮影を短時間で完了して3次元のリアルタイムCT画像
を得ることができる。
【0033】上記の構成のX線CTスキャナを実現する
為に避けて通れないのは、前記の機器構成で実用できる
軸受機構CBG、ABG、及び前記の陰極給電機構SL
1の回転部分を真空中で回転自在に支承する動圧滑り軸
受を実現させることである。従来は、直径が5cm以下
である小型で且つ軸受の開口が片側のみにある動圧滑り
軸受は実用化されている。この場合には、動圧滑り軸受
の内部に挿入された液体金属潤滑剤は軸受の開口におけ
る表面張力の作用で軸受の開口より内側に留められてい
た。動圧滑り軸受の十分な動圧力を得る為には回転部分
と固定部分のギャップのサイズは数十μmに限定されて
いた。例えば軸受の開口におけるギャップのサイズが5
0μmの場合には液体金属潤滑剤の高低落差がおよそ1
8cmを超えると、重力加速度による液体金属潤滑剤の
静圧力が軸受の開口における表面張力の圧力効果に打ち
勝って液体金属潤滑剤が外部に漏出する。このことは、
軸受の回転部分が回転を停止したときに深刻な問題とな
る。特に、本発明の場合のように軸受の開口の周方向に
おける高低落差が100cm程度の動圧滑り軸受は従来
の技術では実現不可能であった。
【0034】図5を参照して動圧滑り軸受から成る軸受
機構CBGの実施例について説明する。図5は陰極側回
転体組立CRと陰極側の軸受機構CBGの断面の一部を
拡大して表している。図5の上方の部分は実使用時にお
いて、ある瞬間に鉛直上方に位置する部分を示し、下方
の部分は同じ瞬間に鉛直下方に位置する部分を示してい
る。図5においては中央部を省略して短縮して表示して
いる。陰極側回転体組立CRには軸受機構CBGの回転
部分である軸受回転体102が同軸状に取り付けてあ
る。軸受回転体102には軸受機構CBGの固定部分で
ある軸受固定体101がギャップを有して嵌め合わせて
ある。軸受固定体101の一部は真空容器VVに機械的
及び熱的に結合されている。軸受固定体101と軸受回
転体102とは互いに対向した面を有し、この対向した
面は第一の軸受ギャップ103、108、第二の軸受ギ
ャップ104,109、第三の軸受ギャップ106、1
11を有している。これらの軸受ギャップを構成する対
向面の少なくとも一方にはヘリンボーン状の軸受溝があ
る。第一、第二、第三の軸受ギャップ内には常温で液体
である液体金属、好適にはガリウム、インジューム、鈴
の合金からなる潤滑剤が充填されており、それぞれの軸
受ギャップは、ラジアル軸受と、これを挟んで互いに距
離をもって対向して取り付けられた第一のスラスト軸
受、及び第二のスラスト軸受のそれぞれを構成する軸受
ギャップに対応している。軸受ギャップ103と10
8、軸受ギャップ104と109、軸受ギャップ106
と111とはそれぞれ同一のものであり、異なる番号は
示す位置の違いを表している。ここで、軸受ギャップと
は対向する面の少なくとも一方に前記の軸受溝を有して
いることを示している。
【0035】陰極側回転体組立CRに回転トルクが与え
られた場合には、これらの軸受内に動圧力が生じるので
回転部分を浮上させて回転自在に支承することができ
る。軸受回転体102が回転している場合にはそれぞれ
の軸受ギャップ内の液体金属潤滑剤は、軸受の内部に閉
じ込める作用を受けるので軸受ギャップから外部の真空
空間に漏出することは無い。
【0036】図5に示すように、前記第一のスラスト軸
受の軸受ギャップ104,109、第二スラスト軸受の
軸受ギャップ106,111を構成するそれぞれの対向
面は平面状になっており、第一のスラスト軸受の軸受ギ
ャップ104,109はラジアル軸受の軸受ギャップ1
03,108と隣接しており、第二のスラスト軸受の軸
受ギャップ106、111はラジアル軸受の軸受ギャッ
プ103,108と隣接している。言い換えると、第一
のスラスト軸受と第二のスラスト軸受が軸受組立の端部
に構成されている。第一のスラスト軸受には軸受の実質
的な境界となる軸受開口121、121’が、第二のス
ラスト軸受には実質的な軸受の境界となる軸受開口12
0、120’がある。
【0037】軸受開口120、120’、及び軸受開口
121、121’における前記の液体金属潤滑剤で濡れ
ない表面において液体金属潤滑剤の表面に表面張力が作
用し、前記の軸受回転体102が回転を停止した場合に
も液体金属潤滑剤が外部に漏出するのが防止される。重
力加速度による液体金属潤滑剤内の静圧力は液体金属潤
滑剤の喫水線からの深さに比例する。言い換えると、鉛
直下方に位置するに従って液体金属潤滑剤内の静圧力が
より大きいことになる。一方、前記の液体金属潤滑剤を
押し戻す表面張力の圧力効果は軸受開口のギャップのサ
イズに反比例する。従って、軸受開口120、12
0’、及び軸受開口121、121’のギャップのサイ
ズを十分に小さくしておくと大きな直径を持つ動圧滑り
軸受の内部から液体金属潤滑剤が漏出するのを防止する
ことができる。
【0038】本発明に使用される第一のスラスト軸受と
第二のスラスト軸受の間隔は10cm以下であり、軸受
の温度が低いので、熱膨張の影響を小さく保つことがで
き、スラスト軸受の軸受ギャップのサイズを十分に小さ
く保つことができる。また、軸受ギャップを構成する面
は回転中心軸CC’の方向に垂直であるので遠心力の影
響を無視できる。更に、スラスト軸受の軸受面は平面で
あるので加工精度を十分に高めることも容易であり、軸
受ギャップのサイズを高精度に小さな値の保つことは容
易にできる。軸受開口をスラスト軸受の端部に設ける
と、軸受開口のギャップのサイズはスラスト軸受の軸受
ギャップのサイズと同じ程度に小さくできる。例えば、
軸受開口のギャップのサイズを17μmに保った場合に
は、120cm以上の高低差がある液体金属潤滑剤に打ち
勝つ表面張力を発生させることができる。従って、真空
空間との全ての境界をこのようにギャップのサイズが小
さいスラスト軸受の端部にある軸受開口120、12
0’、及び軸受開口121、121’に限定することに
より、簡単に前記の液体金属潤滑剤を軸受機構CBGの
内部に閉じ込めることができ、どの場合においても液体
金属潤滑剤が漏出しない動圧滑り軸受を提供することが
できる。
【0039】この発明を採用すると、真空空間と連通す
る前記の軸受開口120、120’、及び軸受開口12
1、121’の直径が100cmを超える場合も、液体
金属潤滑剤が真空領域に漏出しないで安定な動作をする
動圧滑り軸受を用いた軸受機構CBGを実現することが
できる。陽極側回転体組立ARの支承に使われる軸受機
構ABG、及び前記の陰極給電機構SL1に使用される
軸受機構も同様の構造となっている。
【0040】軸受回転体102が十分な高速度で回転し
ている場合には前記のラジアル軸受、第一のスラスト軸
受、第二のスラスト軸受において比較的大きな軸受損失
が発生するが、軸受固定体101は外部から強制冷却さ
れている真空容器VVに熱的にも結合されているので低
い温度に保たれる。軸受回転体102は、ラジアル軸
受、第一のスラスト軸受、第二のスラスト軸受のそれぞ
れの軸受ギャップ内にある液体金属潤滑剤を介して軸受
固定体101に熱的に結合されており、十分に低い温度
に保たれる。また、軸受回転体102には陰極側回転体
組立CRが機械的に結合してあり、陰極回転体組立CR
には電子銃組立EGなどの発熱体が取り付けてある。特
に、陽極側の軸受機構AGBでは多量の熱を発生するX
線ターゲットTGから多量の熱が流入する。これらの場
合でも、上記の理由により軸受部分の温度を十分に低く
することができる。
【0041】次にX線検出器XDTの周辺の構造につい
て図2と図3と図6とを参照して説明する。真空容器V
Vは、容器支持機構PLに取り付けられており、容器支
持機構PLは容器移動機構RLによって水平方向に移動
可能に架台GT上で支承されている。真空容器VVの水
平方向の現在位置は架台GTに取り付けられた容器位置
検出機構(図示せず)によって検出されるようになって
いる。容器移動機構RLは、前記の容器位置検出機構の
出力に基づいて図示しない制御器によって制御され、真
空容器VVを、予め定められたスケジュールに従って、
X線焦点F1の周回に連動して、回転中心軸CC’の方
向に移動させるように構成されている。
【0042】X線焦点F1の周回軌道と同軸に、固定リ
ングDSが前記の容器支持機構PLに取り付けられてい
る。固定リングDSには軸受DS01を介して検出器取
り付け構造体DRが回転自在に取り付けられている。固
定リングDSと検出器取り付け構造体DRの間には、検
出器取り付け構造体DR上に取り付けられたデータ収集
回路DAS等の電子回路と固定部分との電気通路を形成
するスリップリングSLP1が取り付けられている。検
出器取り付け構造体DRは、容器支持機構PLに取り付
けられたサーボもータMTR2によって、回転力伝達機
構MTDRを介して回転させられるようになっている。
検出器取り付け構造体DRの回転角度は、角度位置検出
機構PG2により基準位置からの円周上の距離が0.0
5mm以上の精度で検出されるようになっている。ま
た、検出器取り付け構造体DRにはウェッジフィルタW
Fが選択可能に取り付けられている。このウェッジフィ
ルタWFより径が小さい側に位置するように、前記の検
出器取り付け構造体DRにスリット機構SLTが取り付
けられている。回転中心軸CC’に対してウェッジフィ
ルタWFと対称な位置の検出器取り付け構造体DR上に
円弧状の検出器移動金具XDTMがガイド機構RL1を
介してファン方向に移動可能に取り付けられている。
【0043】図2(B)及び図6に示すように、検出器
移動金具XDTMのファン方向の端部には、積層型圧電
アクチュエータL01を含んで構成される相対位置調整
機構LACが取り付けてあり、図9に示すように、相対
位置調整機構LACの一端は検出器取り付け構造体DR
に金具L07を用いて取り付けられている。積層型圧電
アクチュエータL01に印加する電圧L08を変化する
ことによる積層型圧電アクチュエータL01の伸縮を増
幅して検出器移動金具XDTMをファン方向に移動する
様になっている。検出器移動金具XDTMのファン方向
の他端には、スプリングから成る与圧機構PRLが取り
付けられており、与圧機構PRLの他端は検出器取り付
け構造体DRに取り付けられている。与圧機構PRLは
相対位置調整機構LACの伸縮可能距離の半分の変位を
相対位置調整機構LACに与える強さの与圧を検出器移
動金具XDTMに与えるように設定されている。このと
き、積層型圧電アクチュエータL01には最大電圧の半
分に相当するおよそ75Vが端子L08に与えられてい
る。
【0044】X線検出器XDTにはCT画像のデータを採
取するための主検出素子アレイXMAINと、X線検出
器XDTとX線焦点F1との相対位置を検出するための
位置検出素子アレイXPOSIと、X線強度をモニタす
る為のレファレンス検出素子XREFとが含まれてい
る。主検出素子アレイXMAINはファン方向におよそ
1000個の検出素子を、スライス方向に8個の検出素
子を含む面検出器を構成している。位置検出素子アレイ
XPOSIは、ファン方向に分離して2個の以上の検出
素子を含んでおり、後述するように、これらの検出素子
の出力差からX線焦点F1とX線検出器XDTの相対位置
を検出する。レファレンス検出素子XREFはX線の強
度をモニタして主検出素子アレイXMAIN及び位置検
出素子アレイXPOSIの変動補正に使用される。位置
検出素子アレイXPOSI及びレファレンス検出素子X
REFは、これらとX線焦点とを結ぶ領域に被検体Mが含
まれないようにX線検出器XDTの端部に取り付けられ
ている。
【0045】次にX線検出器XDTとX線焦点F1との相
対位置を正確に保持する方法について説明する。先ず、
X線焦点F1と検出器取り付け構造体DRとの相対位置
を制御するための回転位相制御について図7を参照して
説明する。X線焦点F1の角度位置は、前記の陰極周回
角度検出機構PG1から成る焦点位置検出機構によって
検出される。焦点位置検出機構は、前記の陰極側回転体
組立CRの回転角度とX線焦点F1との相対関係が不変で
あると仮定して陰極側回転体組立CRの回転角度を検出
することによりX線焦点F1の位置を推定するように構成
されている。X線検出器XDTの位置は、検出器取り付
け構造体DRとの相対位置が不変であると仮定して、検
出器取り付け構造体DRの回転角度を前記の角度位置検
出機構PG2を用いて検出することによって推定され
る。X線焦点F1の位置とX線検出器XDTの位置が両者の
回転中心Oを挟んで対向する状態にあるときに陰極周回
角度検出機構PG1の出力と角度位置検出機構PG2の
出力の差がゼロになるように設定されている。
【0046】前記のように、真空容器の内部に在る陰極
側回転体組立CRは、これに取り付けられた円筒状のロ
ータRT2と真空容器VVの外部にあるステータLM2
との間の電磁誘導作用で回転トルクが与えられ、速度V
1で回転する。図7に示すように、陰極周回角度検出機
構PG1の出力のパルス信号は、波形整形器DRC1に
よってパルス波形が整形されて回転方向が判別され、カ
ウンタCNT1においてパルス数をカウントすることに
よって回転角度に変換される。この場合、カウント数は
30万パルスが全周囲に相当するようになっているので
1パルスは4.3秒の角度に相当し、直径120cmの
円周上では12.6μmに相当する。また、陰極周回角
度検出機構PG1の基準位置の信号が基準位置検出器Z
ERO1によって検出され、これらの信号がコンピュー
タ部CMPR1に入力される。コンピュータ部CMPR
1がメインコンピュータHSTの指令を受けて陰極側回
転体組立CRの回転速度が一定値V1になるように信号
をモータードライバーDRV1に与える。モータードラ
イバーDRV1の出力は前記のステータLM2にパワー
を与えて、陰極側回転体組立CRの回転速度が一定値V
1になるように自動制御する。陰極側回転体組立CRの
慣性モーメントが大きいこともあり、回転速度は高精度
に一定にできる。
【0047】同様に、図7に示すように、角度位置検出
機構PG2のパルス信号は、波形整形器DRC2によっ
てパルス波形が整形されて回転方向が判別され、カウン
タCNT2においてパルス数をカウントすることによっ
て回転角度に変換される。この場合、カウント数は30
万パルスが全周囲に相当するようになっているので1パ
ルスは4.3秒の角度に相当し、直径90cmの円周上
では9.4μmに相当する。また、角度位置検出機構P
G2の基準位置の信号が基準位置検出器ZERO2によ
って検出され、これらの信号がコンピュータ部CMPR
2に入力される。更に、前記のカウンタCNT1の出力
とカウンタCNT2の出力の差を差分器DIFによって
検出し、これらの差信号は、コンピュータ部CMPR2
に入力される。コンピュータ部CMPR2は、メインコ
ンピュータHSTの指令を受けて検出器取り付け構造体
DRの回転速度が一定値V2に近づくとともに、前記の
陰極側回転体組立CRとの相対位置が予め決められた値
になるように計算されて、その出力がモータードライバ
ーDRV2に与えられる。速度V2は速度V1に限りな
く近い値である。モータードライバーDRV2の出力
は、サーボモータMTR2にパワーを与えて、検出器取
り付け構造体DRが一定値V1で回転している陰極側回
転体組立CRと同じ位置関係を保つようにに自動制御す
る。
【0048】上記の制御によって、X線焦点F1と検出
器取り付け構造体DRとの相対位置をかなり正確に保持
することができるので、X線検出器XDTを直接に検出
器取り付け構造体DRに固定した場合にはX線焦点F1
とX線検出器XDTとの相対位置関係を対向した位置に
保つことが出来、いわゆる第3世代の高速スキャンCT
スキャナを実現させることができる。
【0049】しかしながら、前記の陰極側回転体組立C
Rの回転角度とX線焦点F1との相対関係が不変であると
の仮定や、X線検出器XDTの位置が検出器取り付け構
造体DRとの相対位置が不変であるとの仮定は時には外
れることがある。例えば、遠心力や熱膨張によってX線
焦点F1やX線検出器XDTの位置がずれることや、前
記の自動制御で予期しない擾乱によって遅れが生じるこ
とが考えられる。
【0050】この不都合を除去して、より確実にX線焦
点F1とX線検出器XDTとの相対位置関係を保つため
の方法について次に述べる。図7と図8に示すように、
位置検出素子アレイXPOSIの内、ファン方向に分離
した2個の検出素子の出力は、それぞれX1,X2で表
しており、これらは、デイスクリミネータDSCRに導
かれる。図8に示すように、デイスクリミネータDSC
R内では、カウンタX−RAY_X1、X−RAY_X
2で出力X1,X2が計数される。レファレンス検出素
子XREFの出力REFをカウンタX−RAY_REF
で計数した後、除算器DIV1,DIV2において前者
の出力を後者の出力で除してX線の変動を取り除いた後
に、それぞれの出力SIG1,SIG2を得る。これら
の出力は差分器X−DIFに入力されて出力SIG−O
UTを得るようになっている。検出器取り付け構造体D
Rには金属棒で出来たマーカー用X線遮蔽体PINが取
り付けられており、X線焦点F1とマーカー用X線遮蔽
体PINと位置検出素子アレイXPOSIが図6に示す
ように一直線に近づいた状態における前記の信号SIG
1,SIG2は図10に示すように変化する。ここで、
横軸dはX線焦点F1とX線検出器XDTとの相対位置の
ずれ量を表している。ファン方向に分離した2個の検出
素子の距離が2aだけ離れていることを示している。
【0051】差分器X−DIFの出力SIG−OUTは
図10(B)に示すように弁別され、図7に示すV/F
コンバータV/Fと、A/D変換器A/Dを通過した後
に第3のコンピュータ部CMPR3に入力され、差分器
X−DIFの出力SIG−OUTがゼロになるように制
御する信号がドライバーDRV3に入力され、その出力
が相対位置調整機構LACに与えられる。尚、出力SI
G−OUTはコンピュータ部CMPR3に記憶されてお
り、間歇的なX線を発生させ、X線の発生が修了した後
にこの値を使用して前記の自動制御を行っても良い。
【0052】相対位置調整機構LACは、図9に示すよ
うに、積層型圧電アクチュエータL01を含んでおり、
電圧L08の変化によって瞬時に伸縮する。例えば15
0Vの電圧を印加することにより60μm変化し、発生
力は3000Kgf程度となる。積層型圧電アクチュエ
ータL01の伸縮は支点L04、力点L05,作用点L
06を持つテコL02によって伸縮距離がおよそ10倍
に拡大される。このとき、作用点L06での発生力は3
00Kgf程度となる。X線検出器XDTの質量はおよ
そ50Kgであるので、X線検出器XDTは最大6Gの
加速度を得ることができる。相対位置調整機構LACの
積層型圧電アクチュエータL01の伸縮によって検出器
移動金具XDTMに作用を与え、同時に検出器取り付け
構造体DRは取付金具L03,L07を介して反作用を
受けるが、検出器取り付け構造体DRの慣性モーメント
が大きいことと、検出器取り付け構造体DRの自動制御
によって自分自身の回転速度の変動はきわめて小さくな
るようになっている。
【0053】一方、検出器取り付け構造体DRの回転半
径は46cm程度、慣性モーメントは328Kgf・c
m・sec程度であり、これを600rpmの回転速
度に維持するときに必要な周上での推力は8.1Kgf
程度である。モータードライバーDRV2の出力の変動
や、軸受部の摩擦の変動などによる擾乱によってこの推
力が10%変動したとして、これを補正しない状態で検
出器取り付け構造体DRが一周する場合に生じる位置ず
れは0.3mmに相当する。この状況は、陰極側回転体
組立CRの回転駆動についても概略当てはまる。しかる
に、本発明では、前記したように、これらの擾乱の推力
よりも遥かに大きな推力で瞬時に相対位置調整機構LA
Cによって位置ずれが阻止されるように自動制御される
ためにこのような位置ずれは発生せず、X線焦点F1と
X線検出器XDTとの相対位置関係は正確に一定に保た
れる。
【0054】差分器X−DIFの出力SIG−OUT
は、X線焦点F1とX線検出器XDTとの相対位置関係
のずれの量に対応しており、これらに相対的な位置ずれ
が生じた場合でもこの値をコンピュータ部CMPR2で
位置ずれ量の絶対値に換算してメインコンピュータHS
Tに転送して、画像再構成時に再構成パラメータとして
利用することにより、より正確なCT画像を得ることが
できる。
【0055】本発明を実施例に関連して説明したが、本
発明は、ここに例示した実施例の構造及び形態に限定さ
れるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱する
ことなく、いろいろな実施形態が可能であり、いろいろ
な変更及び改変を加えることができることを理解された
い。例えば、この発明では陰極側回転体組立CRとX線
ターゲットTGの両方を回転させる構造を示している
が、X線ターゲットTG及びこれに繋がっている部分を
固定にした構造のカソードスキャン型X線発生器を使用
したX線CTスキャナを含む事は勿論である。また、上
記の実施例では常温で液体である液体金属を潤滑剤とし
て使用した例を示しているが、やや高い融点を持ってお
り常温で固体であっても動作の前に加熱して液化させて
から動作させれば同じ効果が得られることは勿論であ
る。更に、前記のX線ターゲットから発生したX線を前
記の真空容器VVの外に取り出す為のX線放出窓は真空
容器VVと一体になっていても、真空容器VVの一部と
して構成されていてもこの部分でのX線の減衰率が小さ
ければX線放出窓と見なすことが出来るのは勿論であ
る。真空容器VVは回転対称な形状でなくても良い事は
勿論である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のカソード
スキャン型X線発生器を採用すると、回転する部分を真
空容器内部の概略回転対称な構造体に軽い部品を取り付
けた構造にできるので遠心力の影響が少なくなり、例え
ばスキャン時間が0.1秒の超高速スキャン型X線CT
スキャナを簡単な構造で安価に実現させることができ
る。また、短時間に多量のX線を発生することができ、
フォトンノイズが少ない十分に良質な画像を得ることが
できる。特に、X線検出器は、X線の発生点との相対位
置関係を正確に一定に保った状態でX線の発生点の周回
と同期して周回するようになっており、いわゆるローテ
ート/ローテート方式の超高速CTスキャナを実現して
いる。したがって、X線検出器の前面には、開口が常に
X線の発生点の方向を向いたコリメータを取り付けるこ
とが出来、被検体から発生する散乱X線を除去した高画
質のCT画像を得ることができる。その為に、例えば人
間の心臓のように動きが速い部分が被検体の内部にあっ
ても、これを忠実に高速度で撮影して高画質の画像が得
られるX線CTスキャナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のX線CTスキャナの概略の断面を表す図
である。
【図2】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器
を使ったX線CTスキャナの全体構造体の主要部の概略
の断面図、及び概略の正面図である。
【図3】本発明に係わるX線CTスキャナの全体構造体
を表す概略の断面図であり、図2(A)の拡大図であ
る。
【図4】本発明に係わるX線CTスキャナに使われるカ
ソードスキャン型X線発生器の、ある瞬間に鉛直上方に
位置した一部分の断面を拡大した図である。
【図5】本発明に係わるX線CTスキャナに使われるカ
ソードスキャン型X線発生器の主要部である陰極側回転
体組立の部分を拡大した断面図である。
【図6】本発明に係わるX線CTスキャナの主要部であ
るX線検出器の移動機構を中心にした説明図であり、図
2(B)の拡大図に相当する。
【図7】本発明に係わるX線CTスキャナの、X線焦点
とX線検出器との相対位置を制御するシステムのブロッ
クダイアグラムである。
【図8】本発明に係わるX線CTスキャナの、図7の一
部を詳細に示したブロックダイアグラムである。
【図9】本発明に係わるX線CTスキャナの主要部であ
るX線検出器の相対位置調整機構の構造を示している。
【図10】本発明に係わるX線CTスキャナのX線焦点
とX線検出器との相対位置を検出する方法を説明する図
である。
【符号の説明】
ABG 陽極側の軸受機構 AR 陽極側回転体組立 A/D A/D変換器 B 寝台 CBG 陰極側の軸受機構 CMPR1 コンピュータ部 CMPR2 コンピュータ部 CMPR3 コンピュータ部 CNT1 カウンタ CNT2 カウンタ CR 陰極側回転体組立 DIF 差分器 DR 検出器取り付け構造体 DRC1 波形整形器 DRC2 波形整形器 DRV1 モータードライバー DRV2 モータードライバー DRV3 モータードライバー DS 固定リング DS01 軸受 DSCR デイスクリミネータ EG 電子銃組立 F1 X線焦点 GT 架台 HST メインコンピュータ HT 高電圧端子 L01 積層型圧電アクチュエータ L02 テコ L03 取付金具 L04 支点 L05 力点 L06 作用点 L07 金具 LAC 相対位置調整機構 LM1 円弧状のステータ LM2 円弧状のステータ M 被検体 MT1 磁路円筒 MT2 磁路円筒 MTDR 回転力伝達機構 MTR2 サーボもータ PIN マーカー用X線遮蔽体 PL 支持機構 PG1 陰極周回角度検出機構 PG2 角度位置検出機構 PRL 与圧機構 REF 出力 RL 移動機構 RL1 ガイド機構 RT1 円筒状のロータ RT2 円筒状のロータ SL1 陰極給電機構 SLP1 スリップリング SLT スリット TG X線ターゲット VC 排気口 V/F V/Fコンバータ VV 真空容器 WF ウェッジフィルタ X1 検出素子の出力 X2 検出素子の出力 XDT X線検出器 XDTM 検出器移動金具 XMAIN 主検出素子アレイ XPOSI 位置検出素子アレイ XREF レファレンス検出素子 XW X線放出窓 ZERO1 基準位置検出器 ZERO2 基準位置検出器 1 陰極 2 電子ビーム 101 軸受固定体 102 軸受回転体 103 ラジアル軸受ギャップの鉛直上方部分 104 第一スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直上
方部分 105 端部ギャップの鉛直上方部分 106 第二スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直上
方部分 107 端部ギャップの鉛直上方部分 108 ラジアル軸受ギャップの鉛直下方部分 109 第一スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直下
方部分 110 端部ギャップの鉛直下方部分 111 第二スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直下
方部分 112 端部ギャップの鉛直下方部分 120 軸受開口の鉛直下方部分 120’ 軸受開口の鉛直上方部分 121 軸受開口の鉛直下方部分 121’ 軸受開口の鉛直上方部分 217 回転トルク伝達機構 220 絶縁体 1001 従来のX線CTスキャナの固定架台 1002 従来のX線CTスキャナの回転架台 1003 従来のX線CTスキャナの軸受 1004 従来のX線CTスキャナのX線管 1005 従来のX線CTスキャナのX線 1006 従来のX線CTスキャナの検出器 1007 従来のX線CTスキャナの電子回路 1008 従来のX線CTスキャナの制御器 1009 従来のX線CTスキャナの回転駆動機構

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を真空の状態に保持して真空空間を
    形成するドーナツ形状の真空容器と、この真空容器の内
    部の真空空間において周回軌道を成して周回しながらX
    線を発生するX線焦点と、このX線焦点の位置を検出す
    るための焦点位置検出機構と、前記のX線焦点の周回軌
    道と同軸的であり、大気中において回転自在に取り付け
    られており、前記のX線焦点の周回と同じ方向に回転す
    る検出器取り付け構造体と、この検出器取り付け構造体
    の角度位置を検出する為の角度位置検出機構と、前記の
    検出器取り付け構造体に取り付けられたX線検出器と、
    を含んでおり、前記の周回するX線焦点と前記の周回す
    るX線検出器との相対位置が一定になるように前記の検
    出器取り付け構造体の回転位相が自動制御されることを
    特徴とするX線CTスキャナ。
  2. 【請求項2】 前記のX線検出器と前記のX線焦点との
    相対位置を、前記のX線焦点から発生するX線を利用し
    て検出する相対位置検出機構を更に含んで成り、前記の
    周回するX線焦点と前記の周回するX線検出器との相対
    位置が一定になるようにX線曝射中又はX線曝射後に自
    動制御されることを特徴とする特許請求項1に記載のX
    線CTスキャナ。
  3. 【請求項3】 前記の焦点位置検出機構の出力を用いて
    前記のX線焦点の周回速度を一定にする働きをもつ第一
    の自動制御回路と、前記の周回するX線焦点と前記の周
    回するX線検出器との相対位置が一定になるように前記
    の検出器取り付け構造体の回転位相を制御する第二の自
    動制御回路とを含むことを特徴とする特許請求項1又は
    2に記載のX線CTスキャナ。
  4. 【請求項4】 内部を真空の状態に保持して真空空間を
    形成するドーナツ形状の真空容器と、この真空容器の内
    部の真空空間において周回軌道を成して周回しながらX
    線を発生するX線焦点と、このX線焦点の位置を検出す
    るための焦点位置検出機構と、前記のX線焦点の周回軌
    道と同軸的であり、大気中において回転自在に取り付け
    られており、前記のX線焦点の周回と同じ方向に回転す
    る検出器取り付け構造体と、この検出器取り付け構造体
    の角度位置を検出する為の角度位置検出機構と、前記の
    検出器取り付け構造体に移動可能な状態で取り付けられ
    たX線検出器と、このX線検出器と前記のX線焦点との
    相対位置を検出する為の相対位置検出機構と、前記のX
    線検出器と前記の検出器取り付け構造体との相対位置を
    調整する相対位置調整機構とを含んでおり、前記の周回
    するX線焦点と前記の周回するX線検出器との相対位置
    が一定になるように前記のX線検出器と前記の検出器取
    り付け構造体との相対位置がX線曝射中又はX線曝射後
    に自動制御されることを特徴とするX線CTスキャナ。
  5. 【請求項5】 前記の焦点位置検出機構の出力と前記の
    角度位置検出機構の出力との差が予め定められた第一の
    設定値以下になるように前記の検出器取り付け構造体の
    回転位相が自動制御された後に、前記のX線焦点からX
    線が曝射されるように制御され、このX線を検出して前
    記の相対位置検出機構の出力が予め定められた第二の設
    定値以下になるように、前記のX線検出器と前記のX線
    焦点との相対位置が、X線曝射中又はX線曝射後に自動
    制御されることを特徴とする特許請求項2〜4のいずれ
    か1項に記載のX線CTスキャナ。
  6. 【請求項6】 前記の相対位置調整機構は積層型圧電ア
    クチュエータを含んでおり、この積層型圧電アクチュエ
    ータの一端は前記の検出器取り付け構造体に取り付けら
    れており、前記の積層型圧電アクチュエータの他端は前
    記のX線検出器又はその取り付け部分に第一の力を与え
    るように配設されており、前記のX線検出器又はその取
    り付け部分には前記の第一の力と反対の方向に第二の力
    を与える与圧機構が取り付けられていることを特徴とす
    る特許請求項5に記載のX線CTスキャナ。
  7. 【請求項7】 前記の相対位置検出機構は、前記の検出
    器取り付け構造体に取り付けられたマーカー用X線遮蔽
    体と、前記のX線検出器に取り付けられた位置検出素子
    アレイを含んでおり、この位置検出素子アレイは、複数
    の独立なX線検出素子を有して構成され、前記のX線焦
    点から放射されるX線のパスが被検体を通らない位置に
    取り付けられており、前記のX線焦点と、前記のマーカ
    ー用X線遮蔽体と、前記の位置検出素子アレイとが概略
    一直線上に位置するときに生じる前記の位置検出素子ア
    レイに含まれるX線検出素子の出力を比較するように構
    成されていることを特徴とする特許請求項項2〜6のい
    ずれか1項に記載のX線CTスキャナ。
  8. 【請求項8】 前記の相対位置検出機構の出力は、前記
    のX線検出器の出力を使って再構成画像を作成する際
    に、再構成パラメータを決めるために使用されることを
    特徴とする特許請求項7に記載のX線CTスキャナ。
  9. 【請求項9】 内部を真空の状態に保持して真空空間を
    形成するドーナツ形状の真空容器と、この真空容器の内
    部の真空空間において真空容器の中心軸と同軸的に回転
    できるように支承された陰極側回転体組立と、この陰極
    側回転体組立の一部に取り付けられた電子銃組立と、こ
    の電子銃組立に取り付けられており電子を放出する陰極
    と、この陰極に前記の真空容器の外部から給電する為の
    陰極給電機構と、前記の陰極の周回軌道を含む面と対面
    して同軸的に取り付けられた環状のX線ターゲットと、
    このX線ターゲットの表面に前記の陰極から放出されて
    加速された電子が衝突してできるX線焦点で発生したX
    線を前記の真空容器の外に取り出す為のX線放出窓と、
    前記の陰極側回転体組立に回転力を与える回転駆動機構
    と、前記の陰極の角度位置を検出する陰極周回角度検出
    機構と、を有して構成されたカソードスキャン型X線発
    生器を含んでいることを特徴とする特許請求項1〜8の
    いずれか1項に記載のX線CTスキャナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006175230A (ja) * 2004-12-20 2006-07-06 Siemens Ag X線コンピュータ断層撮影装置
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JP2015500724A (ja) * 2011-12-20 2015-01-08 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 撮像システムガントリ

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