JP2001316923A - ポリエステル系ストレッチ織物裏地 - Google Patents
ポリエステル系ストレッチ織物裏地Info
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Abstract
なく、さらに光沢や滑らかな触感、ソフトな風合いを有
するポリエステル系ストレッチ織物裏地を提供する。 【解決手段】一方がポリトリメチレンテレフタレートを
主体としたポリエステルである2種類のポリエステル系
重合体を繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼
り合わせた複合繊維のマルチフィラメントを実質的に無
撚りで、経糸および緯糸の少なくとも一方に用い、当該
糸条を用いた方向の織物伸長率が10%以上であるポリ
エステル系ストレッチ織物裏地。
Description
性を有するポリエステル系織物裏地に関するものであ
る。
性等優れた特性を有しているため、優れた裏地用素材と
して用いられている。また、特に近年のストレッチブー
ムにより表地のストレッチ素材に追随する優れたストレ
ッチ性を有するポリエステル系織物裏地が望まれてい
る。例えば、特開平2−191702号公報には、緯糸
にポリエステル系長繊維の原糸を用いた、しなやかさを
持ち、かつ、滑り性の良好な裏地が開示されているが、
ストレッチ性が不足している。
する手段として、仮撚加工糸や、弾性繊維の混用他に、
サイドバイサイド型複合繊維が種々提案されている。サ
イドバイサイド型複合繊維は、仮撚加工糸のようなガサ
ツキ、フカツキ感もなく、またポリウレタン系のような
弾性繊維の混用のように、風合いやドレープ性、染色性
に劣るといった問題もない。
開平4−308271号公報には固有粘度差あるいは極
限粘度差を有するポリエチレンテレフタレート(以下P
ETと略す)のサイドバイサイド複合糸、特開平5−2
95634号公報には非共重合PETとそれより高収縮
性の共重合PETのサイドバイサイド複合糸が記載され
ている。このようなサイドバイサイド型複合繊維を用い
れば、ある程度のストレッチ性のある糸を得ることはで
きるが、織物にした際のストレッチ性が不充分となり、
満足なストレッチ性織物が得られにくいという問題があ
った。これは、上記したようなサイドバイサイド型複合
糸は織物拘束中での捲縮発現能力が低い、あるいは捲縮
が外力によりヘタリ易いためである。サイドバイサイド
型複合糸はポリウレタン系繊維のように繊維自身の伸縮
によるストレッチ性を利用しているのではなく、複合ポ
リマ間の収縮率差によって生じる3次元コイルの伸縮を
ストレッチ性に利用している。このため、例えば、ポリ
マーの収縮が制限される織物拘束下で熱処理を受けると
そのまま熱固定され、それ以上の収縮能を失うためコイ
ルが十分に発現せず、上記問題が発生するものと考えら
れる。
を用いた織物においてたとえある程度のストレッチ性を
得ることができたとしても、シボが発生するという問題
があった。表面の平滑性が要求される裏地においては、
シボの発生は好ましくない。
えられる。適度に実撚を施すとマルチフィラメント自体
にスプリング状の構造を形成し、ストレッチ性を付与す
ることもできるのだが、一方で、光沢や滑らかな触感、
ソフトな風合いが損なわれ、やはり裏地としては好まし
くないという問題があった。
のような従来技術では得られなかった、良好なストレッ
チ性を有し、かつ表面にシボがなく、さらに光沢や滑ら
かな触感、ソフトな風合いを有するポリエステル系スト
レッチ織物裏地を提供することを目的とする。
ため本発明のポリエステル系ストレッチ織物は、主とし
て次の構成を有する。
ンテレフタレートを主体としたポリエステルである2種
類のポリエステル系重合体を繊維長さ方向に沿ってサイ
ドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維のマルチフィラ
メントを実質的に無撚で、経糸および緯糸の少なくとも
一方に用い、当該糸条を用いた方向の織物伸長率が10
%以上であるポリエステル系ストレッチ織物裏地であ
る。
チ織物には、経糸および緯糸の少なくとも一方に、ポリ
エステル系のサイドバイサイド型複合繊維を用いる。
度や共重合成分、共重合率等が異なる重合体を貼り合わ
せ、それらの弾性回復特性や収縮特性の差によって、捲
縮を発現するものである。固有粘度差を有するサイドバ
イサイド型複合の場合、紡糸、延伸時に高固有粘度側に
応力が集中するため、2成分間で内部歪みが異なる。そ
のため、延伸後の弾性回復率差および織物の熱処理工程
での熱収縮率差により高粘度側が大きく収縮し、単繊維
内で歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態をとる。この
3次元コイルの径および単位繊維長当たりのコイル数
は、高収縮成分と低収縮成分との収縮差(弾性回復率差
を含む)によって決まると言ってもよく、収縮差が大き
いほどコイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数
が多くなる。
縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数
が多い(伸長特性に優れ、見映えが良い)、コイルの耐
へたり性が良い(伸縮回数に応じたコイルのへたり量が
小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイル
の伸長回復時におけるヒステリシスロスが小さい(弾発
性に優れ、フィット感がよい)等である。これらの要求
を全て満足しつつ、ポリエステルとしての特性、例えば
適度な張り腰、ドレープ性、高染色堅牢性を有すること
で、トータルバランスに優れたストレッチ素材とするこ
とができる。
には高収縮成分(高粘度成分)の特性が重要となる。コ
イルの伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分
の伸縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重
合体には高い伸長性および回復性が要求される。
を損なうことなく前記特性を満足させるために鋭意検討
した結果、高収縮成分にポリトリメチレンテレフタレー
ト(以下PTTと略記する)を主体としたポリエステル
を用いることを見出した。PTT繊維は、代表的なポリ
エステル繊維であるポリエチレンテレフタレート(以下
PETと略記する)やポリブチレンテレフタレート(以
下PBTと略記する)繊維と同等の力学的特性や化学的
特性を有しつつ、弾性回復性、伸長回復性が極めて優れ
ている。これは、PTTの結晶構造においてアルキレン
グリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの構造
(分子鎖が90度に屈曲)であること、さらにはベンゼ
ン環同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束
点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メ
チレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するた
めと考えている。
フタル酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオー
ルを主たるグリコール成分として得られるポリエステル
である。ただし、20モル%、より好ましくは10モル
%以下の割合で他のエステル結合の形成が可能な共重合
成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合物と
して、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸
類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン
ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコールなどのジオール類を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。また、必要に応
じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリ
カやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェ
ノール誘導体、着色顔料などを添加してもよい。
縮成分であるPTTとの界面接着性が良好で、製糸性が
安定している繊維形成性ポリエステルであれば特に限定
されるものではないが、力学的特性、化学的特性および
原料価格を考慮すると、繊維形成能のあるPETが好ま
しい。
は、もう一方の低収縮成分の紡糸温度における溶融粘度
の1.0〜5.0倍であることが好ましい。1.0倍以
上、好ましくは1.1倍以上とすることで、紡糸の繊維
形成時においてPTTがより大きな紡糸応力を受け、よ
り強い捲縮発現能力を得ることができる。一方、5.0
倍以下、好ましくは4.0倍以下とすることで、複合形
態の制御が容易となり、また口金下の吐出ポリマの曲が
りも紡糸に問題のない程度に抑えることができる。
維長さ方向のコイルの寸法均質性の点で、高収縮成分:
低収縮成分=75:25〜35:65(重量%)の範囲
が好ましく、65:35〜45:55の範囲がより好ま
しい。
維の断面形状は、丸断面、三角断面、マルチローバル断
面、偏平断面、ダルマ型断面、X型断面その他公知の異
形断面であってもよいが、捲縮発現性と風合いのバラン
スから、丸断面の半円状サイドバイサイドや軽量、保温
を狙った中空サイドバイサイド、ドライ風合いを狙った
三角断面サイドバイサイド等が好ましく用いられる。
が好ましく、より好ましくは1.1〜4.4dtex
(1〜4デニール)である。1.1dtex以上とする
ことで、捲縮によるストレッチ性の実効を得ることがで
き、製織性の点からも望ましい。また10dtex以
下、更には4.4dtex以下とすることによりシボ感
を抑え、平滑な織物表面を得ることができる。
総繊度は、55〜110dtex(50〜100デニー
ル)であることが好ましい。総繊度を55dtex以上
とすることで、衣料用裏地として実用に供し得る引裂強
力を得ることができる。また、総繊度を110dtex
以下とすることで裏地として厚くなりすぎず、表地にひ
びかない。
てコイル捲縮を発現させるためには、サイドバイサイド
型複合繊維の収縮応力が高いことが好ましい。布帛の熱
処理工程で捲縮発現性を高めるには、収縮応力の極大を
示す温度は110℃以上、応力の極大値は0.25cN
/dtex以上であることが好ましく、より好ましくは
応力の極大値は0.28cN/dtex以上、更に好ま
しくは0.30cN/dtex以上である。又、シボの
抑制という点では、0.50cN/dtex以下とする
ことが好ましい。
維は、荷重下捲縮発現伸長率が15%以上であることが
好ましい。従来は、特開平6−322661号公報等に
記載されているように、潜在捲縮発現性ポリエステル繊
維を荷重フリーに近い状態で熱処理し、そこでの捲縮特
性を規定していたが、これでは布帛拘束下での捲縮特性
を必ずしも反映しているとは言えない。そこで本発明者
らは、布帛拘束下での捲縮発現能力が重要であることに
着目し、実施例中の「測定方法」に示すような方法で熱
処理を行う、荷重下捲縮発現伸長率を定義した。
見立てた0.9×10-3cN/dtexの荷重を繊維カ
セに吊して熱処理することで、布帛拘束下での捲縮発現
能力を繊維カセの捲縮伸長率で表すものである。この荷
重下捲縮発現伸長率が高いほど捲縮発現能力が高いこと
を示しており、15%以上であれば本発明の目的とする
適度なストレッチ特性を織物に与えることができる。捲
縮伸長率は織物に求められるストレッチ性能と同様、よ
り好ましくは20%以上、更に好ましくは25%以上で
ある。
ような固有粘度差のあるPET系複合糸、あるいは特開
平5−295634号公報記載のような非共重合PET
と高収縮性共重合PETとの組み合わせでの複合糸では
荷重下捲縮発現伸長率は高々10%程度である。
型複合繊維を実質的に無撚で用いることが重要である。
実質的に無撚とは、製織性を向上するために経糸に施す
500回/m以下の実撚は許容し、これを超えて実撚を
施さないことを意味する。好ましくは、300回/m以
下である。
かな触感やソフトな風合いが損なわれ風合いが硬くな
り、また、単糸の配列に凹凸が生じ、凹凸による光の乱
反射により光沢も失われる。
は、捲縮の位相がマルチフィラメントを構成する単糸間
で揃っていないことが好ましい。
て織物とした場合、シボの発生が問題となったが、その
要因としては、次のようなことが考えられる。つまり、
サイドバイサイド型複合繊維において、マルチフィラメ
ントの位相が揃い集合した形でSとZ方向のトルクを有
するクリンプが交互に発現しやすく、するとSとZのト
ルクの変わり目においてマルチフィラメント全体が捩
れ、これが織物においてはシボとなって品位の低下をも
たらすのである。
手段として、単糸間の捲縮の位相をずらすことを見出し
た。ここで捲縮の位相とは、単糸においてS方向のトル
クの捲縮とZ方向のトルクの捲縮とが交互に発現してい
るパターンをいう。通常、無撚の状態で捲縮を発現させ
ると、織物構造における拘束や単糸同士の影響により捲
縮の位相が揃いやすいのだが、例えばある単糸がSトル
クの捲縮を呈している箇所に、別の単糸のZトルクの捲
縮を配することにより、ストレッチ性は損なうことなく
互いのトルクを消し合い、シボの発生を抑えることがで
きる。
位相をマルチフィラメントを構成する各単糸間でずらす
方法としては、単糸間で低収縮成分と高収縮成分の複合
比率を変更する方法、単糸間で単糸繊度を変更する方法
等が考えられる。
伸糸を延伸し、次いで一旦巻き取ることなく弛緩させた
後に巻き取る方法も考えられる。この方法は、複合比率
や単糸繊度を制約することなく単糸間の捲縮の位相をず
らすことができる。そのメカニズムとしては、次のよう
なことが考えられる。
複合繊維の場合は、前述のように弾性回復性に極めて優
れているため、延伸時の張力からの弾性回復によっても
捲縮を発現する。従ってこのサイドバイサイド型複合繊
維の未延伸糸を延伸して巻き取り、解舒すると捲縮が発
現するのだが、この場合は単糸同士が集束した状態であ
るため、互いに干渉し、単糸間の捲縮の位相が揃いやす
くなってしまう。
弛緩させた後に巻き取る場合には、弛緩を行うローラー
上およびローラー間においてはマルチフィラメントが扁
平状に配列され、単糸同士が集束していないため、単糸
同士が干渉せずに独立して捲縮を発現することができる
ため、捲縮の位相をずらすことができる。
95〜0.80倍、より好ましくは0.92〜0.85
倍である。
糸条を経糸および緯糸の少なくとも一方のストレッチ付
与を所望する方向に用い、ストレッチ織物とする。
に使用することが可能であり、表面感、風合い、使用用
途により適宜選択することが出来る。
イサイド型複合繊維を用いた場合には、織物面内の各方
向にストレッチ性を付与することができる。
B,Cのような制電性繊維と組み合わせることにより、
好ましい摩擦帯電圧特性を得ることができる。
なく、ウオータジェットルーム、エアージェットルー
ム、レピアルームを用いることが出来る。
ット、アルカリ減量染色、仕上げセット等は通常条件で
実施可能であるが、精練・リラックス熱処理において
は、加撚されたサイドバイサイド型複合繊維の潜在捲縮
がスプリング構造として発現するように液中温度を80
℃以上とすることが好ましい。
帛をロープ状にして処理せずに、布帛を広げて処理する
ことが好ましい。例えば、オープンソーパ−精練機で精
練・リラックスした後、シリンダー乾燥機で乾燥し、ピ
ンテンターで熱セットを施す工程は好ましい。
は、経緯の少なくとも一方について、織物伸長率が10
%以上であることが重要であり、好ましくは13%〜2
0%である。織物伸長率とは、実施例中の「測定方法」
にて定義されるストレッチ性のパラメータである。織物
伸長率が10%未満である場合には、表地の伸縮に追随
できず、満足の行く着心地のものが得られず、また縫い
目ズレが発生する。
織物裏地は、織物表面のKES法による平均摩擦係数
(MIU)が経方向および緯方向ともに0.15〜0.
30の範囲であることが好ましい。0.30以下とする
ことにより、良好な滑り性、着脱性、肌触りを得ること
ができる。また、0.15以上とすることで、適度な抵
抗により、表地へのそいが良く、着用時に表地と裏地の
ズレが生じず着用感の良いものとなる。
御する加工方法としては、例えば織物の経・緯密度と経
糸・緯糸のクリンプ率を揃えることが挙げられる。経・
緯密度および経糸・緯糸のクリンプ率を揃えることによ
り摩擦係数を小さくすることができる。また経・緯のク
リンプ率の差を付けることにより摩擦係数を大きくする
ことができる。さらに、単糸の断面形態を円断面から異
形化することにより摩擦係数は高くなる、また酸化チタ
ン等を添加してアルカリ処理等で糸表面に凹凸を作るこ
とにより摩擦係数を低くすることができる。
における摩擦帯電圧が経緯ともに3kV以下であること
が好ましい。さらには、洗濯後も3kV以下であること
も好ましい。3kV以下とすることで、冬期や乾燥環境
下における静電気の発生による衣服のまつわりつきや着
脱時の火花放電を抑えることができる。
ば、A.帯電防止剤をコーティング等の後処理により繊
維に付与する方法B.繊維の原料に制電剤を混練させて
繊維内部に制電剤を筋状に分散させる方法C.芯鞘複合
繊維として、芯部に制電性物質を含有させる方法等を採
用することができる。洗濯耐久性の面からは特にB,C
が好ましい。
酸、またはラクタムもしくはジアミンとジカルボン酸の
塩、(2)ポリアルキレンオキシドグリコールおよび
(3)ジカルボン酸から構成されるポリエーテルエステ
ルアミドでポリエーテルエステル単位が30重量%以
上、70重量%以下であるポリエーテルエステルアミド
100重量部と、スルホン酸の金属化合物2重量部以上
20重量部以下からなるポリエーテルエステルアミド系
制電剤をポリエステルに対し0.2重量%以上、5重量
%以下含有させることが好ましい。
リエーテルとポリアミドのブロック共重合体であるブロ
ックポリエーテルアミドが挙げられる。
テルが好ましく、例えば、ポリエチレンエーテル、ポリ
プロピレンエーテル、ポリエチレンプロピレンエーテル
などのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオ
キサイドの重合生成物を用いることができ、なかでもポ
リエチレングリコールの使用が特に好ましい。これらの
ポリエーテルの分子量は1000以上、さらには300
0〜8000のものが好ましい。
ン−8、ナイロン−12、ナイロン−66、ナイロン−
610のようなホモポリアミド、これらの組み合わせ、
または他の共重合成分を含む共重合体で、ポリアミド成
分の重縮合反応より生成するホモまたはコポリマーであ
る。ブロックポリエーテルアミドを本発明の高巻縮性ポ
リエステル系複合繊維重量に対して0.03〜5重量%
添加することにより所望の制電性が得られる。
ソ雰囲気下で測定した。実施例中に示す温度(実施例1
においては275℃)を測定温度とし、歪み速度608
0sec-1での測定を3回行い、平均値を溶融粘度とし
た。
定した。
(繰返し定速定伸長法)で測定した。
昇温速度150℃/分で測定した。サンプルは10cm×2
のループとし、初期張力は繊度(デシテックス)×0.
9×(1/30)gfとした。
×100 L0:繊維カセに0.9×10-3cN/dtexの荷重
を吊した状態で沸騰水処理を15分間行い、風乾し、さ
らに同荷重を吊した状態で160℃乾熱処理を15分間行
った後、前記熱処理荷重を取り除き、180×10-3c
N/dtex荷重を吊した時のカセ長。L1:L0を測定
後、L0測定荷重を取り除いて再び0.9×10-3cN
/dtexの荷重を吊した時のカセ長。
た。糸目を通した20cm×20cmの試料を平滑な金
属表面上におき、19.6cN/cmの一軸張力をかけ
て0.5mmのピアノ線を移動軸方向に垂直に10本並
べた摩擦面寸法が5mm×5mmの接触子を50gfの
荷重で試料に圧着し、試料を0.1cm/secの速度
で水平に2cm移動させたときの摩擦抵抗力から平均摩
擦係数(MIU)を求めた。MIUは次式により求めら
れる。
した。ただし、測定環境条件は20℃、30%RHとし
た。
号)103の方法に準じた。
た。ソフト感について、 ◎:特に優れている、○:優れている、△:やや劣って
いる、×:劣っている の4段階で評価した。
り、×:シボあり。
275℃における溶融粘度が750poiseのホモP
TTと固有粘度(IV)が0.60、275℃における
溶融粘度が650poiseのホモPETをそれぞれ別
々に溶融し、紡糸温度275℃で48孔の複合紡糸口金
から複合比(重量%)50:50で吐出し、紡糸速度1
400m/分で引取り260デシテックス、48フィラ
メントのサイドバイサイド型複合構造未延伸糸(繊維断
面は図1aに示すような略半円接合型)を得た。さらに
ホットロール−熱板系延伸機を用い、ホットロール温度
75℃、熱板温度170℃、延伸倍率3.1倍で延伸し
次いで一旦引き取ることなく、連続して0.9倍でリラ
ックスして巻き取り、84デシテックス、48フィラメ
ント(単繊維繊度:1.75デシテックス)の延伸糸を
得た。紡糸、延伸とも製糸性は良好であり、糸切れは発
生しなかった。
性は、 収縮応力の極大温度:155℃ 収縮応力の極大値 :0.33cN/dtex 荷重下捲縮伸長率 :50.5% と優れた捲縮発現能力を示した。さらに捲縮の位相はず
れていて、互いのトルクを消し合う複合繊維となってい
た。
ルエステル単位70%、アジピン酸3%からなるポリエ
ーテルエステルアミドをドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダの10%水溶液に浸漬し、乾燥させ、ポリエーテル
エステルアミド100重量部に対してドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ5重量部のポリエーテルエステルアミ
ド系制電剤チップを調整した。なお、調整時には抗酸化
剤として1.3.5−トリメチル−2.4.6−トリ
(3.5−ジ−terlブチル−ヒドロキシル)ベンゼ
ンをポリエーテルエステルアミド100重量部に対し
5.5重量部添加した。ポリエーテルエステルアミド系
制電剤チップを80℃で6時間乾燥した後、160℃で
6時間真空乾燥したポリエチレンテレフタレートチップ
とブレンドして、紡糸温度290℃で溶融紡糸し、冷却
後、1000m/分で90℃に加熱した加熱引取ローラ
ーに引取り、その後いったん巻き取ることなく、加熱引
取りローラーとの間で3.6倍に延伸し、加熱延伸ロー
ラーで熱処理することによって55デシテックス、18
フィラメントの制電性繊維を得た。
に、サイジングして用い、緯糸は上記サイドバイサイド
型複合繊維を実撚を施すことなく用い、2/1ツイル織
物をウォータージェット織機にて経緯が145×86本
/2.54cmの生機密度で製織した。
て拡布状で95℃で精練・リラックス熱処理し、シリン
ダー乾燥機にて130℃で乾燥後、ピンテンターにて乾
熱180℃で中間セットし、液流染色機にて130℃で
染色し、130℃でシリンダー乾燥した。次いで日華化
学(株)製の“ナイスポールFL”の1%水溶液にパッ
ディングして帯電防止加工した。その後、ピンテンター
にて170℃の乾熱で仕上セットした。仕上反の密度は
経緯で193×91本/2.54cmであった。
ストレッチ特性が得られ、かつ、良好な制電性があり織
物表面は滑らかで光沢があり、さらにソフト風合いであ
った。
緯糸を用い、ウォータージェット織機にて生機密度が経
緯で85×81本/2.54cmの平組織の織物を製織
した。
染色・制電・仕上等の加工を行った。仕上反の密度は経
緯で106×84本/2.54cmであった。
ストレッチ特性が得られ、かつ、織物表面は滑らかで光
沢があり、かつソフト風合いであった。
ETと、極限粘度が0.75のホモPETとを、それぞ
れ別々に溶融し、紡糸温度295℃で12孔の複合紡糸
口金から複合比(重量%)50:50で吐出し、紡糸速
度1450m/分で引取り220デシテックス、12フ
ィラメントのサイドバイサイド型複合構造未延伸糸(繊
維断面は図1aに示すような略半円接合型)を得た。さ
らに実施例1で用いたのと同様のホットロール−熱板系
延伸機を用い、ホットロール温度89℃、熱板温度15
0℃、延伸倍率2.63倍で延伸し、次いで一旦引き取
ることなく、連続して次のリラックス率でリラックスし
て巻き取りを試みた。
ール上で逆巻きが発生し、糸切れが多発した。
取りを試みたが同様に逆巻きし、糸切れが発生した。
して巻き取り、84デシテックス、12フィラメントの
延伸糸を得た。
の持性は 荷重下捲縮伸張率 :9.0% であった。
のサイドバイサイド型複合繊維を用い、実施例1と同規
格で製織した。
工し、緯方向の織物伸張率を測定した結果、5%であ
り、満足の行くものではなかった。
を用い、液流染色機にて処理温度95℃でリラックス熱
処理を行い、以降は実施例1と同様の染色加工を行っ
た。
ての品位に劣るものであった。また、織物はストレッチ
性を有していたが、これはシボの構造に由来するもので
あった。
クスの製糸段階で、ポリエーテルエステルアミド系制電
性チップを添加しない外は実施例1と同様の方法で55
デシテックス18フィラメントのポリエステル延伸糸を
得た。該延伸糸を経糸に用い、比較例1で得たのと同様
のサイドバイサイド型複合繊維に1000t/mの撚数
で撚をかけた撚糸を緯糸に用い比較例1と同様に製織し
た。
5℃でリラックス熱処理を行い、以降は実施例1と同様
の染色加工を行った。仕上反の密度は経緯で195×9
4本/2.54cmであった。
を測定した結果、25%であった。しかし、織物表面は
比較的シボ感の無いものの、平均摩擦係数が高く、光沢
がなく、シャリ感が強く、本発明が目的とする、滑らか
さ、光沢、ソフト風合いを有するものではなかった。
った、良好なストレッチ性を有し、かつ表面にシボがな
く、さらに光沢や滑らかな触感、ソフトな風合いを有す
るポリエステル系ストレッチ織物裏地を提供することが
できる。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】一方がポリトリメチレンテレフタレートを
主体としたポリエステルである2種類のポリエステル系
重合体を繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼
り合わせた複合繊維のマルチフィラメントを実質的に無
撚りで、経糸および緯糸の少なくとも一方に用い、当該
糸条を用いた方向の織物伸長率が10%以上であるポリ
エステル系ストレッチ織物裏地。 - 【請求項2】摩擦帯電圧が3kV以下である請求項1記
載のポリエステル系ストレッチ織物裏地。 - 【請求項3】KES法による平均摩擦係数(MIU)が
経方向および緯方向ともに0.15〜0.30の範囲に
ある請求項1または2記載のポリエステル系ストレッチ
織物裏地。
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