JP2001316759A - 窒化用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

窒化用鋼板およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、窒化による硬化が板厚方向に均一
で、窒化後の溶接性に優れ、更に高い強度、靭性の得ら
れる窒化用鋼板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】質量%で、C:0.02〜0.1%、S
i:0.1%以下、Mn:0.6〜1.5%、P:0.
1%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.0
1〜0.1%、N:0.0050%以下、更に必要に応
じてTi:0.003〜0.02%を含有し、残部が実
質的にFeまたは不可避不純物よりなる鋼を好ましくは
直接または再加熱で1100℃以上、1290℃以下に
加熱し、圧延仕上温度Ar3以上、890℃以下で熱間
圧延し、好ましくは直ちに平均冷却速度20℃/sec
で700℃まで急冷後、冷間圧延、連続焼鈍またはバッ
チ焼鈍を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス後窒化処理
を行なう自動車外板等高強度プレス成形部品に用いられ
る窒化用鋼板及びその製造方法に関し、特に、窒化によ
り表面のみならず、鋼板全体として硬化し、更に溶接性
も良好であり、衝撃的な外力によるエネルギーの吸収が
必要な高強度部品の製造に適する窒化後の強度、靭性お
よび溶接性に優れた窒化用鋼板およびその製造方法を対
象とする。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の燃費向上の要求から、車
体の軽量化が指向されている。また、衝突安全性の観点
から、ボディの高強度、高剛性化さらに高衝撃吸収能に
対するニーズが高まっている。これらのニーズを満たす
ために、強度が必要とされるメンバーなどの構造用部材
やレインフォースメントなどの補強部材は従来の軟質鋼
板から引張強さ340MPa以上の高張力鋼板への転換
が図られている。
【0003】しかしながら、高張力鋼板は軟質鋼板と比
較すると伸び、r値で劣るため、成形性が低く、複雑形
状のプレス成形が劣るのが現状である。さらにYPが高
くなることに起因してスプリングバックが大きくなり、
良好な寸法精度を得ることが困難である。ボディパネル
についても耐デント性確保の観点から製品の降伏強度を
上昇させる要求があるが、素材の強度を上げた場合、プ
レス後の寸法精度が劣化すると共に、成形性が劣化し、
デザイン上の制約が生じる。
【0004】このため、最近、軟質鋼板を成形加工後焼
入れし、強化する技術が提案されている。この場合、鋼
板は焼入れ前は高成形性を有し、成形後の焼入れにより
高強度化するため、複雑形状のプレス加工と高強度化が
可能である。しかしながら、焼入れ時の加熱による熱歪
みによって、高い寸法精度の部材が得られないという問
題がある。
【0005】一方、鋼を硬化させる技術として、浸炭
や、窒化が主に歯車などの耐磨耗性が要求される部品で
広く使われている。これらの技術は元来、鋳鍛造品の表
面硬化技術であるが、最近は鋼板をプレス成形して工
具、機械構造用部品、自動車部品など耐磨耗性、耐疲労
強度,耐焼付け性を必要とする部品に用いられる技術が
開示され、例えば特開平9−25543号公報、特開平
9−25544号公報には自動車駆動伝達部品などにお
いて、表面硬度を上昇させ、主として耐磨耗性を向上す
る技術が記載されている。
【0006】特開昭55−76046号公報、特開平2
−217440号公報には、窒化性を改善するためにC
rを添加する技術が開示されている。Crは表面硬化層
の硬さを高める効果があるが、板厚方向の硬化範囲が狭
いため、表面硬化または薄物材に対してのみ適用可能で
あった。また、Cr添加すると表面硬度が過度に上昇
し、脆化をもたらすので、窒化後の靭性が必要な機械構
造用部品用窒化鋼板にはCrの適用は困難であった。ま
た、Crは高価であり、その添加は工業的に好ましくな
い。
【0007】特開平6−136438号公報には、ε―
Cuの析出強化を窒化と併用し、板内部も硬化させる技
術が開示されている。しかし、Cu添加鋼は熱延時にC
uの共晶融解に起因する表面欠陥の発生が顕著で、良好
な表面性状が要求される部品に対しては適用できない。
さらにε―Cuの析出には、通常の窒化条件(600
℃)では数時間以上の長時間を要し、生産性に問題があ
った。
【0008】特開平10−17988号公報には、優れ
た窒化性を達成するため、Cr,Tiを制御する技術が
開示されている。しかし、本技術により製造される鋼板
は窒化後、溶接すると高い継手強度が得られなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の窒化用鋼板は、窒化による鋼板の表面硬度の上昇を容
易とし、耐磨耗性を向上させることを目的とするもの
か、また、窒化層および窒化時の加熱により鋼板自体の
強度を向上させるものも、生産性や、強度、靭性および
溶接性等に劣り、プレス成形後、窒化により高強度化さ
せ、機械構造用部品を製造することは困難であった。
【0010】本発明は、以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、窒化により表面のみならず鋼板自体が
板厚方向に均一に硬化し、強度、靭性および溶接性、更
にプレス成形性、表面性状にも優れた窒化用鋼板および
その製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋼材の成分組成および製造方法につい
て鋭意検討し、窒化後鋼板を溶接した場合の継手強度及
び靭性が鋼中C濃度に依存し、最適値のあること及び、
窒化後の鋼板の強度及び靭性の両立にはMn添加が有効
なことを見出した。
【0012】すなわち、適量のC添加により、溶接継手
部の溶融部の硬度を窒化後のマトリックス(母材)に対
して十分高くし、破断形態を母材破断とし、高い継手強
度とすることが可能であり、また、窒化後の溶接による
溶融部に衝撃的な外力が加わった場合でも、脆性破断と
ならない十分な溶接部の靭性が確保できる。本発明にお
いて優れた溶接性とは、これらの特性を満足することを
意味する。
【0013】Mnを添加した場合、表面の過大な硬化を
伴わず板厚方向にほぼ均一に硬化し、また、Ar3変態
点を低温とし、熱延後のフェライト粒成長を抑制するた
め、微細なミクロ組織が得られ、窒化後の強度及び靭性
の両立が可能となる。
【0014】本発明は上記知見をもとに、さらに、鋼の
成分組成を成形加工用冷延鋼板に要求される成形性、表
面性状などの諸特性を満足させるように検討するととも
に、製造方法において窒化前の成形性、窒化後の靭性を
両立させるよう熱間圧延条件、焼鈍条件を検討しなされ
たものである。
【0015】すなわち、本発明は 1.質量%で、C:0.02〜0.1%、Si:0.1
%以下、Mn:0.6〜1.5%、P:0.1%以下、
S:0.02%以下、sol.Al:0.01〜0.1
%、N:0.0050%以下を含有し、残部が実質的に
Feまたは不可避不純物よりなる窒化用鋼板。 2.鋼成分として、更にTi:0.003〜0.02%
を含有することを特徴とする1記載の窒化用鋼板。 3.1または2記載の化学成分を有する鋼を圧延仕上温
度Ar3以上、890℃以下で熱間圧延し、更に、冷間
圧延、連続焼鈍またはバッチ焼鈍することを特徴とする
窒化用鋼板の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明における化学成分お
よび製造条件について詳細に規定する。
【0017】1.化学成分 C:0.02〜0.1% Cは窒化後の溶接性を向上させるため、および窒化後の
靭性を向上させるため含有する。0.02%未満では溶
接性および靭性に劣り、0.1%を超えると窒化後の溶
接による溶接継手の溶融部が脆性的に破壊し、溶接強度
が不十分となるため、0.02%以上、0.1%以下と
する。尚、溶融部が脆性的に破壊し、溶接強度が不十分
となる現象は窒化材の溶接に特有で、詳細は不明である
が、窒化により鋼中に導入された窒素が関与していると
考えられている。溶融部の靭性を高め、溶接強度を改善
する場合、0.06%以下とするのが望ましい。
【0018】Si:0.1%以下 Siは本発明では不純物として含有される。0.1%を
超えると固溶強化により、窒化前の原板の強度が上昇
し、成形性が劣化するため0.1%以下とする。
【0019】Mn:0.6〜1.5% Mnは、窒化による強度上昇能を付与し、また窒化後の
靭性を向上させるため含有する。これらの効果は0.6
%未満では不十分となり、1.5%を超えると窒化によ
る強度上昇が過大となり、窒化後の靭性が劣化するた
め、0.6%以上、1.5%以下とする。尚、Mnを添
加した場合における窒化は表面の過大な硬化を伴わず、
板厚方向にほぼ均一に硬化し、靭性を必要とする機械構
造部品の強化に最適な特性を有する。また、MnはAr
3点を低温とし、熱延後のフェライト粒の成長を抑制
し、ミクロ組織を微細化するので窒化材の靭性向上に極
めて有効である。
【0020】P:0.1%以下 Pは不可避的不純物であるが、MnやSiと同様な固溶
強化元素であり、0.1%を超えると窒化前の原板の成
形性が著しく低下するため0.1%以下とする。
【0021】S:0.02%以下 Sは不可避的不純物であるが、表面疵の原因となるの
で、0.02%以下とする。
【0022】sol.Al:0.01〜0.1% sol.Alは脱酸材として含有する。0.01%未満
ではその効果が十分でなく、0.1%を超えて含有して
もその効果は飽和し、また不経済であるので0.01%
以上、0.1%以下とする。
【0023】N:0.0050%以下 Nは固溶Nとして焼鈍時にr値を向上させる集合組織の
生成を妨げ、歪み時効により成形時にストレッチャース
トレインマークを発生させるため、可能な限り低減する
ことが望ましい。0.0050%を超えると悪影響が顕
著となるため、0.0050%以下とする。
【0024】本発明は以上述べた成分組成の規定で、そ
の効果を発揮するが、更にその効果を十分なものとする
ため、適宜、Ti、Bを添加し、鋼中のCu,Crを規
制することが望ましい。
【0025】Ti:0.003〜0.02%以下 Tiは微量含有した場合、熱延後冷却中に微細なTiN
を析出し、窒化前後の結晶粒径を微細化し、靭性を向上
させる。0.003%未満ではその効果が十分でなく、
0.02%を超えるとTiNが粗大となり、結晶粒微細
化の効果が失われるため、0.003%以上、0.02
%以下とする。
【0026】B:0.0002〜0.0010% Bは粒界を強化し、窒化後の材料の延性―脆性遷移温度
を下げ、靭性を向上させるので、必要に応じて含有す
る。0.0002%未満ではその効果が十分でなく、
0.0010%を超えると、鋼板製造段階でBNを形成
し、成形性を劣化させるため、0.0002%以上、
0.0010%以下とすることが好ましい。
【0027】Cu:0.1%以下 Cuは本発明では不可避的不純物として扱う。熱間圧延
時に共晶融解し、表面性状を著しく劣化させるので0.
1%以下にすることが望ましい。
【0028】Cr:0.1%以下 Crは窒化後の鋼板表面を過剰に硬化させ、靭性を劣化
させることがあるため、本発明では不純物として扱い、
0.1%以下とすることが望ましい。
【0029】2.製造条件 熱間圧延:圧延完了温度Ar3以上、890℃以下 熱間圧延の圧延完了温度は熱延板の結晶粒を微細化し、
窒化原板(熱延―冷延―焼鈍処理した窒化直前の鋼板を
指す)および窒化後の結晶粒径を微細化し、靭性を向上
させるため、規定する。圧延完了温度がAr3未満の場
合、フェライト域圧延となり表面の結晶粒径が粗大化
し、一方、890℃を超えると圧延完了後Ar3までに
オーステナイト粒が成長し、粗大粒となり好ましくない
ため、Ar3以上、890℃以下とする。
【0030】尚、熱間圧延開始時のスラブ温度は低すぎ
ると圧延能率が低下するため1100℃以上とし、高す
ぎると表面性状が劣化するため、1290℃以下とする
ことが望ましい。スラブは連続鋳造後、直接または再加
熱により該温度域とする。圧延後、更に結晶粒径の粗大
化を防止し、強度を確保する場合、直ちに平均冷却速度
20℃/sec以上で700℃まで急冷を行うことが望
ましい。また、熱延後の巻取温度は巻取り後のフェライ
ト粒成長を抑制するため、650℃以下が望ましい。
【0031】本発明では、熱間圧延後、更に冷間圧延、
連続焼鈍またはバッチ焼鈍を行う。冷間圧延はr値を向
上させるため、圧延率50%以上、85%以下とするこ
とが望ましい。連続焼鈍は再結晶温度以上とし、780
℃を超えると結晶粒径が粗大化し、窒化後の靭性を劣化
させる場合があるので780℃以下とすることが望まし
い。同様に、バッチ焼鈍は再結晶温度以上、720℃以
下とすることが望ましい。更に連続焼鈍の場合は固溶C
量を調整するために300〜450℃で30〜300s
ecの過時効処理を行なうことが望ましい。
【0032】更に、本発明では調質圧延により、降伏伸
びの抑制、板形状の調整および表面の粗さ調整を行うこ
とが可能で、その場合、圧延率は0.6%未満では調質
圧延の効果が十分でなく、1.6%を超えると加工硬化
により伸びが低下するため、0.6〜1.6%で行うの
が望ましい。
【0033】以上述べた製造条件による鋼板をプレス等
により成形加工後、窒化または軟窒化処理により、強
度、靭性に優れた構造部品とする。窒化、軟窒化処理の
方法は特に限定せず、ガス窒化、プラズマ(イオン)窒
化、塩浴窒化(タフトライド処理)等で同様な効果が得
られる。窒化処理条件は窒化温度550〜650℃、窒
化時間1〜10時間程度が好ましい。
【0034】
【実施例】[実施例1]表1に示す成分組成を有するスラ
ブを連続鋳造により溶製し、約1200℃に加熱後、約
870℃で板厚3.2mmに仕上げ、約30℃/sec
で冷却後約560℃で巻き取った。酸洗によりスケール
除去後、冷間圧延により板厚1.2mmとした(冷間圧
延率62.5%)。焼鈍は連続焼鈍ラインで約750℃
で焼鈍、約350℃で約180秒の過時効処理をおこな
った。その後、伸長率1.2%の調質圧延を行った。窒
化処理は塩浴中で600℃×90分の処理を行なった。
窒化前後の引張特性は圧延方向と平行に採取したJIS
5号サイズの試験片を用いて行った。
【0035】靭性はシャルピー衝撃試験(JISZ22
42)により吸収エネルギーを測定し、吸収エネルギー
が延性域と脆性域の中央値になる温度として定義される
延性−脆性遷移温度(該温度が低温な程、靭性は良好で
ある)を測定した。試験片は(JISZ2202)は2
枚の板を窒化後にスポット溶接し、機械加工により4号
試験片のサブサイズとした。溶接性の評価は、DR形−
6mmの電極を用い、ナゲット径が5√tとなる溶接条
件でスポット溶接を行い、引張せん断応力、十字引張応
力により行い、母材破断した場合、良好と判断した。
【0036】試験結果を表2に示す。本発明例の鋼番号
1〜9は、強度が590MPa以上、遷移温度は−50
℃以下、溶接部引張せん断、十字引張においては母材破
断で良好な継手強度を示した。一方、比較例の鋼番号1
0〜14は、窒化後における強度、伸び、シャルピー衝
撃特性、または溶接部引張強度の何れかが劣る。例えば
鋼10はC濃度が低いため溶接部引張せん断試験におい
てナゲット内強度が不足してナゲット内破断となり、溶
接強度が不足した。
【0037】鋼11は、C濃度が高いため強度が過剰
で、靭性に劣り、遷移温度が高い。また、十字引張試験
では脆性的にナゲット内で破断し溶接部強度が低い。C
によりナゲット内の硬度が過剰に硬化したためと思われ
る。鋼12は、Mn濃度が低く、窒化後の強度が低い。
鋼13はMn濃度が高いため、窒化後の強度が過剰で、
遷移温度が高い。鋼14はCr濃度が高いため、遷移温
度が高い。詳細は不明であるが、窒化後の鋼板表面の硬
度が過剰に上昇し、表面から脆性破壊したためと考えら
れる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】[実施例2]表1の鋼番号1の成分組成のス
ラブを用いて、表3に示す条件で熱延後、連続焼鈍を行
った。その他の製造条件、窒化条件及び評価方法は実施
例1に準じた。本発明例である記号a〜gは強度が59
0MPa以上、遷移温度は−50℃以下、溶接部引張せ
ん断、十字引張においては母材破断で良好な継手強度を
示した。
【0041】一方、比較例記号h〜jは熱延仕上温度が
本発明範囲外で、靭性が劣っていた。記号hは熱延仕上
温度が鋼番号1のAr3以下である850℃より低く、
窒化後の遷移温度が高い。熱延板の表層に発生した粗大
粒が冷延板に引き継がれ、靭性が劣化したと考えられ
る。記号i、jはいずれも熱延温度が890℃を超える
ため、遷移温度が高い。熱延後、オーステナイトが粒成
長することにより熱延板のフェライト粒径が粗大化し、
冷延板に引き継がれた結果、靭性が劣化したと考えられ
る。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】以上、本発明によれば、窒化による硬化
が板厚方向に均一で、窒化後の溶接性に優れ、更に高い
強度、靭性の得られる窒化用鋼板が製造可能で、プレス
成形後窒化した部品をスポット溶接など溶融溶接により
自動車などの機械構造部品とすることができ産業上、極
めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 武史 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 正実 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4K037 EA01 EA05 EA15 EA18 EA23 EA25 EA27 EA31 EB05 EB08 FC03 FC04 FC07 FD03 FD04 FE01 FE02 FH01 FH03 FJ04 FJ05 FL01 FL02 FM02 GA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C:0.02〜0.1%、S
    i:0.1%以下、Mn:0.6〜1.5%、P:0.
    1%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.0
    1〜0.1%、N:0.0050%以下を含有し、残部
    が実質的にFeまたは不可避不純物よりなる窒化用鋼
    板。
  2. 【請求項2】鋼成分として、更にTi:0.003〜
    0.02%を含有することを特徴とする請求項1記載の
    窒化用鋼板。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の化学成分を有する
    鋼を圧延仕上温度Ar3以上、890℃以下で熱間圧延
    し、更に、冷間圧延、連続焼鈍またはバッチ焼鈍するこ
    とを特徴とする窒化用鋼板の製造方法。
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