JP2001316357A - プロスタグランジンe誘導体 - Google Patents

プロスタグランジンe誘導体

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JP2001316357A
JP2001316357A JP2001055600A JP2001055600A JP2001316357A JP 2001316357 A JP2001316357 A JP 2001316357A JP 2001055600 A JP2001055600 A JP 2001055600A JP 2001055600 A JP2001055600 A JP 2001055600A JP 2001316357 A JP2001316357 A JP 2001316357A
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JP2001055600A
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English (en)
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Fumie Satou
史衛 佐藤
Tooru Tanami
亨 田名見
Hideo Tanaka
英雄 田中
Naoya Ono
直哉 小野
Shin Yagi
慎 八木
Hitomi Hirano
仁美 平野
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PTCA後の再狭窄等の疾患の予防又は治療
薬として強く期待されている、血管平滑筋増殖抑制作用
を有する化合物、及びかかる化合物を含有する医薬組成
物の提供。 【解決手段】 式(I) 【化1】 (式中、Yはエチレン基等、ZはS(O)p等、R1はC
3-10のシクロアルキル基等、R2は水素原子等、mは1
〜4の整数、nは0〜3の整数、pは0〜2の整数、q
は1〜4の整数をそれぞれ示す。)で表されるプロスタ
グランジンE誘導体、その製剤学的に許容される塩又は
その水和物;並びに該化合物を含有する医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なプロスタグラ
ンジンE誘導体、その製薬上許容される塩又は水和物、
及びそれらを含有し、優れた平滑筋増殖抑制作用等を有
する医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジン(以下「PG」と称
する)は、微量で種々の重要な生理作用を発揮すること
が知られている。これまで、PGの医薬への応用を意図
して、天然PGを初め、夥しい数のその誘導体の合成が
なされ、その生物活性の検討が行われてきており、多数
の文献で報告されている。そのような文献としては、例
えば特開昭52−100446号公報、米国特許第4,
131,738号などが挙げられる。
【0003】 PG及びその誘導体の生理作用として
は、血管拡張作用、起炎作用、血小板凝集抑制作用、子
宮筋収縮作用、腸管収縮作用、眼圧下降作用などが挙げ
られ、心筋梗塞、狭心症、動脈硬化、高血圧症、分娩誘
発などの治療又は予防に有用である。
【0004】 一方、経皮的冠動脈形成術(以下「PT
CA」と称する)は、虚血性心疾患の治療法として、患
者への侵襲度が低く、かつ優れた初期治療効果があるこ
とから、近年急速に進展してきた術法である。
【0005】 しかしながら、PTCAは、術後数カ月
以内に冠動脈の再狭窄が30〜40%の頻度で出現する
という問題を有している。血管平滑筋細胞は、かかる再
狭窄発生に深く関与していると考えられている(Ross,
R.(1993) Nature 362, 801-809参照)。この再狭窄発生
のメカニズムに、血管平滑筋細胞の内膜から中膜への遊
走、中膜での増殖が深く関与しており、これを抑制する
化合物は再狭窄防止の有効な薬剤として強く期待される
が、未だ臨床上有用な薬剤は見出されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PTCA後
の再狭窄等の疾患の予防又は治療薬として強く期待され
ている、血管平滑筋増殖抑制作用を有する化合物、及び
かかる化合物を含有する医薬組成物を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を進めた結果、下記式(I)で表される新規PGE誘導
体が、血管平滑筋増殖抑制作用を有し、医薬組成物とし
て有用であることを見出し、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明は、式(I)
【化2】 (式中、mは1〜4の整数を示し、nは0〜3の整数を
示し、pは0〜2の整数を示し、qは1〜4の整数を示
し、Yはエチレン基、ビニレン基又はエチニレン基を示
し、ZはS(O)p、O、エチレン基、ビニレン基又は
エチニレン基を示し、R1は炭素数3〜10のシクロア
ルキル基、水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換
された炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数4〜
13のシクロアルキルアルキル基、炭素数1〜10のア
ルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜
10のアルキニル基又は架橋環式炭化水素基を示し、R
2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数
3〜10のシクロアルキル基を示す。)で表されるPG
E誘導体、その製薬上許容される塩又はその水和物(以
下「PGE誘導体等」と称する)を提供する。また、本
発明は、製薬上許容される担体中に、式(I)で表され
るPGE誘導体等を含有する医薬組成物を提供する。特
に、本発明は、式(I)で表されるPGE誘導体等を有
効成分として含有する血管平滑筋増殖抑制剤、血管平滑
筋増殖に起因する疾患又は病状の予防薬、及び血管平滑
筋増殖に起因する疾患又は病状の治療薬を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、式(I)中、ビ
ニレン基に結合する置換基の立体配置は、E、Zのいず
れでもよい。炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状又
は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、
イソペンチル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル
基、イソヘキシル基、1−エチルブチル基、n−ヘプチ
ル基、イソへプチル基、n−オクチル基、n−ノニル
基、n−デシル基、2,4−ジメチルペンチル基、2−
エチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピ
ルペンチル基、2−プロピルヘキシル基、2,6−ジメ
チルヘプチル基などが挙げられる。
【0009】 炭素数2〜10のアルケニル基は、直鎖
状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばビニル基、ア
リル基、ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ヘキセニ
ル基、5−ヘプテニル基、4−メチル−3−ペンテニル
基、2,4−ジメチル−3−ペンテニル基、6−メチル
−5−ヘプテニル基、2,6−ジメチル−5−ヘプテニ
ル基などが挙げられる。炭素数2〜10のアルキニル基
は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばエチ
ニル基、2−プロピニル基、3−ブチニル基、3−ペン
チニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、1−
メチルペンタ−3−イニル基、2−メチルペンタ−3−
イニル基、1−メチルヘキサ−3−イニル基、2−メチ
ルヘキサ−3−イニル基などが挙げられる。
【0010】 炭素数3〜10のシクロアルキル基とし
ては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、
シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基な
どが挙げられる。水素原子が炭素数1〜4のアルキル基
で置換された炭素数3〜10のシクロアルキル基として
は、例えばメチルシクロプロピル基、メチルシクロヘキ
シル基、エチルシクロヘキシル基、プロピルシクロノニ
ル基などが挙げられる。炭素数4〜13のシクロアルキ
ルアルキル基としては、例えばシクロプロピルメチル
基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、
シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シ
クロヘキシルエチル基、シクロへプチルメチル基、シク
ロノニルブチル基などが挙げられる。
【0011】 架橋環式炭化水素基としては、例えばボ
ルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、ピナニル
基、ツヨイル基、カルイル基、カンファニル基などが挙
げられる。
【0012】 製薬上許容される塩としては、例えば、
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩;カル
シウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;
アンモニアとの塩;メチルアミン、ジメチルアミン、シ
クロペンチルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノメチル
モノエタノールアミン、トロメタミン、リジン、テトラ
アルキルアンモニウム、トリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタンなどのアミン類との塩等が挙げられる。
【0013】 水和物としては、製薬上許容されるもの
であれば、1分子のPGE誘導体に結合する水の個数に
特に制限はない。
【0014】 本発明において、式(I)中のmは、1
〜3の整数であることが好ましい。nは、0〜2の整数
であることが好ましい。pは、0〜2の整数のいずれで
もよいが、0であることが好ましい。qは、2又は3で
あることが好ましい。Yは、エチレン基、(E)ビニレ
ン基、(Z)ビニレン基、エチニレン基のいずれでもよ
いが、(E)ビニレン基、(Z)ビニレン基、エチニレ
ン基が好ましい。Zは、エチレン基、O、S、S(O)
が好ましい。R1は、水素原子が置換基で置換されてい
ない炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数4〜8の
直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数6〜10
の分岐鎖状のアルケニル基、炭素数6〜10の分岐鎖状
のアルキニル基が好ましい。立体配置はR、Sのいずれ
でもよい。あるいはラセミ体でもよい。このうち、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、n−ペンチル基、
(S)−2−メチルヘキシル基、(R)−2−メチルヘ
キシル基、(R)−2,6−ジメチル−5−ヘプテニル
基、(S)−2,6−ジメチル−5−ヘプテニル基、
(R)−1−メチル−3−ヘキシニル基がより好まし
い。R2は、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状もしく
は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基がより好
ましい。式(I)において、7位の炭素原子と8位の炭
素原子との結合(表1及び表2において8位と表記)、
11位の炭素原子と硫黄原子との結合(表1及び表2に
おいて11位と表記)、及び15位の炭素原子と水酸基
との結合(表1及び表2において15位と表記)の立体
配置は、α、βのいずれでもよい。
【0015】 本発明のPGE誘導体等は、式(I)中
のm、n、p及びqが上記の好ましい整数のいずれかで
あり、Y、Z、R1、R2が上記の好ましい基のいずれか
であるものが好ましく、R1、R2が上記のより好ましい
基のいずれかであるものがより好ましい。
【0016】 本発明のプロスタグランジンE誘導体の
うち、特に好ましいものを、化合物1〜48として、表
1及び表2に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】 上記式(I)の化合物は、例えば以下の
反応式に要約する方法により製造できる。
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】 (反応式中、Y’はエチレン基又はビニ
レン基を示し、p1は1又は2を示し、Z1はエチレン
基、ビニレン基、エチニレン基、O、Sを示し、Z
2は、エチレン基、ビニレン基、エチニレン基、O、
S、S(O)p1を示し、Etはエチル基を示し、TBS
はtert−ブチルジメチルシリル基を示し、R3は炭
素数1〜10のアルキル基又は炭素数3〜10のシクロ
アルキル基を示し、Y、R1、m、n、qは前記と同意義
である。)
【0023】 上記反応式を説明する。 (1)まず、佐藤らの方法[ジャーナル・オブ・オーガ
ニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),第
53巻、第5590ページ(1988年)]により公知
の式(II)の化合物に、式(III)又は式(II
I’)で示される化合物約0.8〜2.0当量を、約−
78〜30℃で、不活性溶媒(例えば、ベンゼン、トル
エン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、塩化メ
チレン、n−ヘキサンなど)中で反応させることにより
立体特異的に式(IV)の化合物を得る。ここで、Yが
エチレン基又はビニレン基の化合物(即ち、YがY’で
ある化合物)を得るには式(III’)の化合物を用
い、約−78〜0℃で、またYがエチニレン基の化合物
を得るには式(III)の化合物を用い、約0〜30℃
で反応させる。
【0024】 (2)式(IV)の化合物を、式(V)
で表される化合物約0.5〜4当量と、必要に応じて塩
基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどの有機アミ
ン、ポリビニルピロリドン、ジイソプロピルアミノメチ
ル−ポリスチレン、(ピペリジノメチル)ポリスチレン
などの塩基レジン)又は必要に応じてラジカル発生剤
(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシク
ロヘキサンカルボニトリル、過酸化ベンゾイル、トリエ
チルボラン等)約0.001〜2当量とを用い、不活性
溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘ
キサン、n−ペンタン、アセトン、クロロホルムなど)
中、約−78〜100℃で反応させることによって、式
(VI)の化合物を得る。
【0025】 (3)式(VI)の化合物をフッ化水素
酸、ピリジニウム ポリ(ハイドロゲンフロリド)、塩
酸などを用い、メタノール、エタノール、アセトニトリ
ルもしくはこれらの混合溶媒又はこれらと水との混合溶
媒中で、通常行われる条件にて、水酸基の保護基である
tert−ブチルジメチルシリル基をはずし、式(VI
I)の化合物を得る。
【0026】 (4)式(VII)の化合物を有機溶媒
(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、ジオ
キサンなど)、水又はこれらの混合溶媒中、有機酸(例
えば、蟻酸、酢酸など)又は無機酸(例えば、硫酸、塩
酸など)を用いて約0〜60℃で反応させ式(VII
I)の化合物を得る。
【0027】 (5)式(VIII)の化合物を、式
(IX)で表される化合物約1〜5当量と、必要に応じ
てアミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソブチルア
ミンなど)又は必要に応じてラジカル発生剤(例えば、
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサン
カルボニトリル、過酸化ベンゾイル、トリエチルボラン
など)約0.05〜2当量を用い、不活性溶媒(例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n
−ペンタン、アセトン、クロロホルムなど)中、約−7
8〜100℃で反応させ、式(I)においてR2が水素
原子以外の基(すなわち、R3)で、pが0であり、1
1位の立体配置がそれぞれ異なる本発明に係わる式(I
a)及び(Ia’)のPGE誘導体を得る。これらの式
(Ia)及び(Ia’)の化合物はカラムクロマトグラ
フィーなど通常用いられる分離法にて精製することがで
きる。
【0028】 (6)式(Ia)又は(Ia’)の化合
物をリン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液などの緩衝液
中、必要に応じて有機溶媒(アセトン、メタノール、エ
タノールなどの水と混和する溶媒)を用いて酵素と反応
させ、加水分解することにより、式(I)においてR2
が水素原子で、pが0である本発明の化合物式(Ib)
又は(Ib’)のPGE誘導体が得られる。
【0029】 酵素としては、微生物が生産する酵素
(例えば、キャンディダ属、シュードモナス属に属する
微生物が生産する酵素)、動物の臓器から調製される酵
素(例えば、ブタ肝臓やブタ膵臓より調製される酵素)
などであり、市販の酵素で具体例を挙げると、リパーゼ
VII(シグマ社製、キャンディダ属の微生物由来)、
リパーゼAY(天野製薬製、キャンディダ属の微生物由
来)、リパーゼPS(天野製薬製、シュードモナス属の
微生物由来)、リパーゼMF(天野製薬製、シュードモ
ナス属の微生物由来)、PLE(シグマ社製、ブタ肝臓
より調製)、リパーゼII(シグマ社製、ブタ膵臓より
調製)、リポプロテインリパーゼ(東京化成工業社製、
ブタ膵臓より調製)などである。
【0030】 酵素の使用量は、酵素の力価及び基質
[式(Ia)又は(Ia’)の化合物]の量に応じて適
宜選択すればよいが、通常は基質の約0.1〜20重量
倍である。反応温度は、約25〜50℃、好ましくは約
30〜40℃である。(7)式(Ia)又は(Ia’)
の化合物をメタ過ヨウ素酸ナトリウム、過酸化水素水、
過酢酸、m−クロロ過安息香酸、tert−ブチルヒド
ロペルオキシドなどの酸化剤を用い、ジエチルエーテ
ル、メタノール、エタノール、塩化メチレン、水あるい
はこれらの混合溶媒中、約−20〜50℃で反応させて
酸化することにより、式(I)においてR2が水素原子
以外の基(すなわちR3)で、pが1又は2である(す
なわちp1)本発明の化合物式(Ic)又は(Ic’)
のPGE誘導体が得られる。
【0031】 なお、α鎖中のS(O)pは、p=1の
ときは
【化5】 を表し、p=2のときは
【化6】 を表す。
【0032】 (8)式(Ib)又は(Ib’)の化合
物を上記(7)と同様に酸化し、式(I)においてR2
が水素原子で、pが1又は2である(すなわちp1)本
発明の化合物式(Id)又は(Id’)のPGE誘導体
が得られる。また、式(Ic)又は(Ic’)の化合物
を用い、上記(6)と同様に加水分解することにより、
式(Id)又は(Id’)のPGE誘導体が得られる。
【0033】 次に、本発明の医薬組成物について説明
する。本発明の医薬組成物は、上記式(I)で表される
PGE誘導体、その製薬上許容される塩又はその水和物
を有効成分として含有するものである。
【0034】 とりわけ、本発明の医薬組成物は、血管
平滑筋増殖抑制剤として用いることができ、血管平滑筋
細胞の増殖に起因する疾患及び病状、特に血管平滑筋細
胞の増殖による血管の肥厚や閉塞の、予防薬又は治療薬
として有用である。
【0035】 この血管平滑筋細胞の増殖に起因する血
管の肥厚は、前述のごとく、PTCA後の再狭窄の原因
であることが知られている。
【0036】 すなわち、PTCA後の再狭窄発生のメ
カニズムとしては、R.Rossによる「血管障害−反応仮
説」が認められており、何らかの原因で引き起こされた
血管内皮細胞障害が障害部位局所への血小板粘着、凝集
を惹起し、更にPDGFやサイトカイン等の放出によ
り、二次的な内膜下での血管平滑筋細胞、細胞間物質の
増殖が起こり、血管が肥厚して動脈硬化が起こると考え
られている。この再狭窄発生のメカニズムに、血管平滑
筋細胞の内膜から中膜への遊走、中膜での増殖が深く関
与している。本発明の医薬組成物は、高い血管平滑筋増
殖抑制効果を有しており、よって、PTCA後の再狭窄
の予防薬又は治療薬として有用である。
【0037】 さらに本発明の医薬組成物は、血管平滑
筋増殖抑制剤として、PTCA後の再狭窄の他にも、動
脈硬化等の血管平滑筋細胞の増殖に起因する疾患及び病
状の予防薬又は治療薬として用いることができる。
【0038】 本発明の医薬組成物は、全身的又は局所
的に、経口投与又は直腸内、皮下、筋肉内、静脈内、経
皮等の非経口投与することができる。このうち、経口投
与又は静脈内投与が好ましい。本発明の医薬組成物は、
PGE誘導体等に、通常用いられる、製薬上許容される
担体を配合して製造することができる。具体的には、経
口投与用の医薬組成物は、PGE誘導体等に、賦形剤、
結合剤、崩壊剤、増量剤、被覆剤、糖衣剤、又は水性も
しくは非水性溶媒等を加え、常法にしたがって、錠剤、
粉剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、液剤、乳剤、懸濁剤
等の形態に製造することができる。
【0039】 また、静脈内投与用の医薬組成物は、常
法にしたがって、水性もしくは非水性溶液剤、乳剤、懸
濁剤、又は使用直前に注射溶媒に溶解して使用する固形
製剤等の形態に製造することができる。また、本発明の
PGE誘導体は、α、βもしくはγ−シクロデキストリ
ン又はメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形
成させて製剤化することもできる。更に、その水性又は
非水性溶液剤、乳剤、懸濁剤等を注射等により投与する
こともできる。
【0040】 本発明のPGE誘導体等の投与量は、疾
患、症状、体重、年齢、性別、投与経路等により異なる
が、成人に対し0.1ng〜10mg/日が好ましく、
これを1日1回又は数回に分けて投与する。また、血管
平滑筋増殖抑制剤として用いる場合、成人に対し1ng
〜1mg/日が好ましく、これを1日1回又は数回に分
けて投与する。特に、PTCA後の再狭窄発生の予防を
目的として本発明のPGE誘導体を含む医薬組成物を投
与する場合は、例えば、PTCAを行なった日から、1
〜3ヶ月程度の期間、上記の量を連続して投与すること
が好ましい。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの記載によってなんら制限
されるものではない。なお、化合物の命名中、「ノル」
とは、その位置の炭素鎖がないことを意味する。例え
ば、「17,18,19,20−テトラノル」の場合、
17〜20位の炭素鎖がないことを意味する。
【0042】 実施例1 (11R,17R)−6−チア−11−デオキシ−11
−(2−ヒドロキシエチルチオ)−17,20−ジメチ
ル−13,14−ジデヒドロ−PGE1メチルエステル
(化合物24)及び(11S,17R)−6−チア−1
1−デオキシ−11−(2−ヒドロキシエチルチオ)−
17,20−ジメチル−13,14−ジデヒドロ−PG
1メチルエステル(化合物25)の製造 (1)(3S,5R)−3−(tert−ブチルジメチ
ルシロキシ)−5−メチルノナ−1−イン(13.96
g)をトルエン160mlに溶解し、0℃でn−ブチル
リチウム(3.02M、ヘキサン溶液、16.0ml)
を加え、同温度で30分間撹拌した。この溶液に0℃で
ジエチルアルミニウムクロリド(0.96M、ヘキサン
溶液、58.3ml)を加え、30分間撹拌して室温ま
で昇温した。この溶液に室温で(4R)−2−(N,N
−ジエチルアミノ)メチル−4−(tert−ブチルジ
メチルシロキシ)シクロペント−2−エン−1−オン
(0.25M、トルエン溶液、160ml)を加え、1
5分間撹拌した。反応液をヘキサン(300ml)−飽
和塩化アンモニウム水溶液(450ml)−塩酸水溶液
(3M,112ml)の混合液に撹拌しながら注いだ
後、有機層を分離し、飽和重曹水溶液(50ml)で洗
浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥、濾過後濃縮して得た残渣をシリカカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;ヘキサン:エーテル=10:1)
で精製して、(3R,4R)−2−メチレン−3−
[(3S,5R)−3−tert−ブチルジメチルシロ
キシ−5−メチルノナ−1−イニル]−4−(tert
−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オン
10.9gを得た。
【0043】 1H−NMR(CDCl3,200MH
z)δppm:0.10(s,6H),0.11(s,
3H),0.14(s,3H),0.80−0.96
(m,24H),1.05−1.85(m,9H),
2.32(dd,J=18.0,7.3Hz,1H),
2.72(dd,J=18.0,6.4Hz,1H),
3.48−3.57(m,1H),4.20−4.32
(m,1H),4.39−4.50(m,1H),5.
55(dd,J=2.8,0.7Hz,1H),6.1
4(d,J=2.8Hz,1H) IR(neat):2956,2930,2858,2
234,1737,1645,1471,1388,1
362,1283,1254,1222,1186,1
123,1088,1006,942,902,83
7,778,669,574 cm-1
【0044】 (2)上記(1)で得た化合物(1.9
7g)のトルエン(4ml)溶液に5−メルカプトペン
タン酸メチルエステル(1.19g)を室温で加え、同
温度で一夜撹拌した。ついでジイソプロピルアミン(4
μl)を加え室温で3時間撹拌した。反応液をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢
酸エチル=20:1〜10:1)で精製し、(17R)
−6−チア−17,20−ジメチル−13,14−ジデ
ヒドロ−PGE1メチルエステル11,15−ビス(t
ert−ブチルジメチルシリルエーテル)(1.54
g)を得た。
【0045】 1H−NMR(CDCl3,200MH
z)δppm;0.09(s,6H),0.11(s,
3H),0.13(s,3H),0.76−1.03
(m,6H),0.89(2s,18H),1.08−
2.06(m,13H),2.12−3.30(m,1
0H),3.67(s,3H),4.25−4.58
(m,2H) IR(neat):2956,292
9,2858,1746,1472,1463,143
6,1362,1252,1207,1117,108
4,1006,939,869,837,810,77
7,670 cm-1
【0046】 (3)上記(2)で得た化合物(475
mg)のアセトニトリル(25ml)溶液に0℃で46
%フッ化水素酸水溶液(5.6ml)を加え、同温度で
2時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(50ml)−飽
和重曹水(170ml)中に撹拌しながら注いだ後、濾
過した。濾液を減圧下濃縮して得られた粗生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:1)で精製し、(17R)−6−
チア−17,20−ジメチル−13,14−ジデヒドロ
−PGE1メチルエステル(228mg)を得た。
【0047】 1H−NMR(CDCl3,300MH
z)δppm;0.83−0.96(m,3H),0.
93(d,J=6.5Hz,3H),1.09−2.0
7(m,15H),2.28(dd,J=18.6,
8.2Hz,1H),2.35(t,J=7.0Hz,
2H),2.49−2.59(m,1H),2.55
(t,J=7.1Hz,2H),2.73−2.88
(m,1H),2.82(dd,J=13.6,4.4
Hz,1H),2.95(dd,J=13.6,6.0
Hz,1H),3.08−3.17(m,1H),3.
68(s,3H),4.34−4.55(m,2H) IR(neat):3400,2953,2930,2
871,2236,1740,1439,1380,1
277,1218,1158,1056,757 cm
-1
【0048】 (4)上記(3)で得た化合物(178
mg)の酢酸エチル(14.4ml)溶液に塩酸の酢酸
エチル溶液(4規定,0.65ml)を室温で加え、4
時間撹拌した。反応液を飽和重曹水で中和後、有機層を
分取し、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾
燥、濾過した。濾液を減圧下濃縮して得られた粗生成物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘ
キサン:酢酸エチル=2:3)により精製し、(17
R)−6−チア−17,20−ジメチル−13,14−
ジデヒドロ−PGA1メチルエステル(56mg)を得
た。
【0049】 1H−NMR(CDCl3,200MH
z)δppm;0.82−1.01(m,3H),0.
92(d,J=6.6Hz,3H),1.08−1.9
0(m,14H),2.34(t,J=7.1Hz,2
H),2.49−2.81(m,2H),2.57
(t,J=6.9Hz,2H),2.93−3.11
(m,1H),3.68(s,3H),3.76−3.
84(m,1H),4.38−4.54(m,1H),
6.21(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),
7.54(dd,J=5.7,2.6Hz,1H) IR(neat): 3436,2953,2929,
2230,1740,1718,1590,1460,
1438,1418,1379,1347,1293,
1260,1202,1174,1054,908,8
33,751cm-1
【0050】 (5)上記(4)で得た化合物(50m
g)のクロロホルム(1.27ml)溶液に2−メルカ
プトエタノール(17.7μl)及びジイソプロピルア
ミン(3.5μl)を加え、室温で一夜撹拌した。反応
液を短いシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;酢酸エチル)に付し、得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢
酸エチル=1:1)により精製し、(11R,17R)
−6−チア−11−デオキシ−11−(2−ヒドロキシ
エチルチオ)−17,20−ジメチル−13,14−ジ
デヒドロ−PGE1メチルエステル(6mg)及び(1
1S,17R)−6−チア−11−デオキシ−11−
(2−ヒドロキシエチルチオ)−17,20−ジメチル
−13,14−ジデヒドロ−PGE1メチルエステル
(16mg)を得た。
【0051】 (11R,17R)−6−チア−11−
デオキシ−11−(2−ヒドロキシエチルチオ)−1
7,20−ジメチル−13,14−ジデヒドロ−PGE
1メチルエステル1 H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;
0.81−0.99(m,3H),0.93(d,J=
6.6Hz,3H),1.08−2.42(m,15
H),2.15(dd,J=18.8,11.5Hz,
1H),2.34(t,J=7.0Hz,2H),2.
46−3.40(m,5H),2.55(t,J=6.
7Hz,2H),2.79(dd,J=13.7,4.
6Hz,1H),2.98(dd,J=13.7,4.
6Hz,1H),3.29(ddd,J=11.5,1
0.3,7.7Hz,1H),3.68(s,3H),
3.87(t,J=6.3Hz,2H),4.36−
4.54(m,1H) IR(neat): 3400,2953,2929,
2871,2236,1750,1746,1456,
1436,1418,1380,1353,1282,
1208,1158,1046,958,876 cm
-1
【0052】 (11S,17R)−6−チア−11−
デオキシ−11−(2−ヒドロキシエチルチオ)−1
7,20−ジメチル−13,14−ジデヒドロ−PGE
1メチルエステル1 H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;
0.80−1.00(m,3H),0.93(d,J=
6.6Hz,3H),1.06−2.12(m,16
H),2.34(t,J=7.1Hz,2H),2.4
5−3.20(m,9H),3.47−3.92(m,
3H),3.68(s,3H),4.39−4.55
(m,1H) IR(neat):3436,2953,2929,2
871,2236,1746,1740,1456,1
436,1380,1278,1208,1170,1
050,849 cm-1
【0053】 実施例2 (11R,17R)−3−オキサ−6−チア−11−デ
オキシ−11−(2−ヒドロキシエチルチオ)−17,
20−ジメチル−13,14−ジデヒドロ−PGE1
チルエステル(化合物30)及び(11S,17R)−
3−オキサ−6−チア−11−デオキシ−11−(2−
ヒドロキシエチルチオ)−17,20−ジメチル−1
3,14−ジデヒドロ−PGE1メチルエステル(化合
物31)の製造 (1)実施例1(2)において、5−メルカプトペンタ
ン酸メチルエステルの代わりに、5−メルカプト−3−
オキサ−ペンタン酸メチルエステルを用い、実施例1
(2)と実質的に同様にして、(17R)−3−オキサ
−6−チア−17,20−ジメチル−13,14−ジデ
ヒドロ−PGE1メチルエステル11,15−ビス(t
ert−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
【0054】 1H−NMR(CDCl3,200MH
z)δppm;0.09(s,6H),0.11(s,
3H),0.13(s,3H),0.80−0.99
(m,6H),0.89(s,18H),1.09−
1.81(m,9H),2.22(dd,J=18.
1,6.0Hz,1H),2.41−2.55(m,1
H),2.64−2.82(m,1H),2.77
(t,J=6.7Hz,2H),2.88−2.97
(m,2H),3.08−3.20(m,1H),3.
71(t,J=6.7Hz,2H),3.76(s,3
H),4.13(s,2H),4.29−4.47
(m,2H) IR(neat);2956,2930,2235,1
762,1472,1464,1439,1380,1
362,1257,1208,1138,1084,1
006,940,903,868,837,778,6
69,578cm-1
【0055】 (2)上記(1)で得た化合物を用い、
実施例1(3)と実質的に同様にして、(17R)−3
−オキサ−6−チア−17,20−ジメチル−13,1
4−ジデヒドロ−PGE1 メチルエステルを得た。
【0056】 1H−NMR(CDCl3,200MH
z)δppm;0.83−2.20(m,12H),
0.93(d,J=6.6Hz,3H),2.29(d
d,J=18.5,7.9Hz,1H),2.48−
2.64(m,1H),2.69−3.08(m,3
H),2.77(t,J=6.5Hz,2H),3.1
6(ddd,J=10.1,7.5,1.8Hz,1
H),3.73(t,J=6.5Hz,2H),3.7
7(s,3H),4.14(s,2H),4.32−
4.54(m,2H) IR(neat);3400,2956,2929,2
872,2236,1746,1440,1385,1
289,1218,1137,1056,762 cm
-1
【0057】 (3)実施例1(4)において、(17
R)−6−チア−17,20−ジメチル−13,14−
ジデヒドロ−PGE1 メチルエステルの代わりに、上記
(2)で得た化合物を用い、実施例1(4)と実質的に
同様にして、(17R)−3−オキサ−6−チア−1
7,20−ジメチル−13,14−ジデヒドロ−PGA
1 メチルエステルを得た。
【0058】 1H−NMR(CDCl3,200MH
z)δppm;0.83−1.90(m,13H),
0.92(d,J=6.6Hz,3H),2.64−
3.18(m,5H),3.68−3.86(m,1
H),3.74(t,J=6.4Hz,2H),3.7
6(s,3H),4.14(s,2H),4.39−
4.53(m,1H),6.21(dd,J=5.7,
2.2Hz,1H),7.54(dd,J=5.7,
2.4Hz,1H) IR(neat);3436,2955,2929,2
872,1752,1712,1590,1439,1
347,1290,1213,1130,1055,9
06,844,580 cm-1
【0059】 (4)上記(3)で得た化合物を用い、
実施例1(5)と実質的に同様にして、標記化合物を得
た。
【0060】 (11R,17R)−3−オキサ−6−
チア−11−デオキシ−11−(2−ヒドロキシエチル
チオ)−17,20−ジメチル−13,14−ジデヒド
ロ−PGE1メチルエステル1 H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;
0.83−3.55(m,24H),0.93(d,J
=6.6Hz,3H),2.16(dd,J=18.
9,11.4Hz,1H),3.72(J=6.6H
z,2H),3.76(s,3H),3.86(t,J
=6.3Hz,2H),4.14(s,2H),4.3
6−4.54(m,1H) IR(neat);3400,2953,2929,1
746,1461,1440,1402,1384,1
352,1288,1214,1137,1049,9
52,848,504 cm-1
【0061】 (11S,17R)−3−オキサ−6−
チア−11−デオキシ−11−(2−ヒドロキシエチル
チオ)−17,20−ジメチル−13,14−ジデヒド
ロ−PGE1メチルエステル1 H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;
0.84−1.87(m,14H),0.93(d,J
=6.6Hz,3H),2.55−3.11(m,6
H),2.78(t,J=6.6Hz,2H),3.7
2(t,J=6.6Hz,2H),3.46−3.89
(m,5H),3.76(s,3H),4.13(s,
2H),4.40−4.54(m,1H) IR(neat);3400,2955,2929,2
871,2236,1746,1456,1440,1
402,1380,1352,1288,1218,1
137,1046,952,849,708,580
cm-1
【0062】 実施例3 (11R,17R)−3,6−ジチア−11−デオキシ
−11−(2−ヒドロキシエチルチオ)−17,20−
ジメチル−13,14−ジデヒドロ−PGE1メチルエ
ステル(化合物44)及び(11S,17R)−3,6
−ジチア−11−デオキシ−11−(2−ヒドロキシエ
チルチオ)−17,20−ジメチル−13,14−ジデ
ヒドロ−PGE1メチルエステル(化合物45)の製造 (1)実施例1(2)において、5−メルカプトペンタ
ン酸メチルエステルの代わりに、5−メルカプト−3−
チア−ペンタン酸メチルエステルを用い、実施例1
(2)と実質的に同様にして、(17R)−3,6−ジ
チア−17,20−ジメチル−13,14−ジデヒドロ
−PGE1 メチルエステル−11,15−ビス(ter
t−ブチルジメチルシリルエーテル)及び(17R)−
3,6−ジチア−17,20−ジメチル−13,14−
ジデヒドロ−8β−PGE1 メチルエステル−11,1
5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルエーテル)
を得た。
【0063】 (17R)−3,6−ジチア−17,2
0−ジメチル−13,14−ジデヒドロ−PGE1 メチ
ルエステル−11,15−ビス(tert−ブチルジメ
チルシリルエーテル)1 H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;
0.10(s,6H),0.11(s,3H),0.1
3(s,3H),0.81−0.97(m,6H),
0.89(s,18H),1.06−1.82(m,9
H),2.22(dd,J=18.4,6.2Hz,1
H),2.41−2.54(m,1H),2.64−
2.94(m,7H),3.06−3.18(m,1
H),3.27(s,2H),3.75(s,3H),
4.29−4.48(m,2H) IR(neat);2956,2930,2858,2
236,1751,1746,1472,1436,1
407,1377,1362,1257,1122,1
084,1006,940,903,837,778,
670 cm-1。
【0064】 (17R)−3,6−ジチア−17,2
0−ジメチル−13,14−ジデヒドロ−8β−PGE
1 メチルエステル−11,15−ビス(tert−ブチ
ルジメチルシリルエーテル)1 H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;
0.07(s,3H),0.09(s,6H),0.1
1(s,3H),0.79−0.98(m,6H),
0.88(s,18H),1.04−1.79(m,9
H),2.16−2.32(m,1H),2.53−
2.95(m,7H),3.01−3.14(m,1
H),3.21−3.36(m,1H),3.26
(s,2H),3.75(s,3H),4.31−4.
43(m,1H),4.47−4.55(m,1H) IR(neat);2929,2855,2236,1
750,1746,1472,1464,1436,1
390,1362,1258,1168,1090,1
067,1006,961,899,837,810,
778,670cm-1
【0065】 (2)上記(1)で得た化合物を用い、
実施例1(3)と実質的に同様にして、(17R)−
3,6−ジチア−17,20−ジメチル−13,14−
ジデヒドロ−PGE1 メチルエステル及び(17R)−
3,6−ジチア−17,20−ジメチル−13,14−
ジデヒドロ−8β−PGE1 メチルエステルを得た。
【0066】 (17R)−3,6−ジチア−17,2
0−ジメチル−13,14−ジデヒドロ−PGE1 メチ
ルエステル1 H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;
0.82−1.01(m,3H),0.93(d,J=
6.6Hz,3H),1.07−2.42(m,11
H),2.28(dd,J=18.6,8.2Hz,1
H),2.48−2.63(m,1H),2.70−
3.19(m,8H),3.28(s,2H),3.7
6(s,3H),4.33−4.53(m,2H) IR(neat);3422,2955,2929,2
871,2236,1746,1740,1437,1
289,1202,1149,1082,1008,7
14,590 cm-1
【0067】 (17R)−3,6−ジチア−17,2
0−ジメチル−13,14−ジデヒドロ−8β−PGE
1 メチルエステル1 H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;
0.83−2.18(m,13H),0.91(d,J
=6.6Hz,3H),2.25−2.44(m,1
H),2.60−3.18(m,9H),3.28
(s,2H),3.40−3.50(m,1H),3.
76(s,3H),4.34−4.52(m,1H),
4.60−4.70(m,1H) IR(neat);3400,2953,2929,1
740,1436,1385,1299,1196,1
148,1034,762 cm-1
【0068】 (3)上記(2)で得た(17R)−
3,6−ジチア−17,20−ジメチル−13,14−
ジデヒドロ−PGE1 メチルエステルを用い、実施例1
(4)と実質的に同様にして、(17R)−3,6−ジ
チア−17,20−ジメチル−13,14−ジデヒドロ
−PGA1 メチルエステルを得た。
【0069】 1H−NMR(CDCl3,200MH
z)δppm;0.83−2.02(m,13H),
0.92(d,J=6.6Hz,3H),2.65−
3.14(m,7H),3.28(s,2H),3.7
3−3.85(m,1H),3.75(s,3H),
4.38−4.54(m,1H),6.22(dd,J
=5.7,2.4Hz,1H),7.55(dd,J=
5.7,2.4Hz,1H) IR(neat);3442,2954,2929,2
871,2236,1730,1718,1590,1
436,1346,1289,1148,1009,9
05,828,585 cm-1
【0070】 (4)上記(3)で得た化合物を用い、
実施例1(5)と実質的に同様にして、標記化合物を得
た。
【0071】 (11R,17R)−3,6−ジチア−
11−デオキシ−11−(2−ヒドロキシエチルチオ)
−17,20−ジメチル−13,14−ジデヒドロ−P
GE1メチルエステル1 H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;
0.82−1.86(m,12H),0.93(d,J
=6.6Hz,3H),2.16(dd,J=19.
0,11.5Hz,1H),2.40−3.42(m,
14H),3.28(s,2H),3.76(s,3
H),3.87(t,J=6.3Hz,2H),4.3
7−4.53(m,1H) IR(neat);3400,2953,2929,2
871,1746,1740,1461,1436,1
407,1381,1352,1284,1202,1
153,1050,1009,714,593 cm-
1。
【0072】 (11S,17R)−3,6−ジチア−
11−デオキシ−11−(2−ヒドロキシエチルチオ)
−17,20−ジメチル−13,14−ジデヒドロ−P
GE1メチルエステル1 H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;
0.84−1.87(m,12H),0.93(d,J
=6.6Hz,3H),2.10−3.19(m,13
H),3.27(s,2H),3.48−3.93
(m,4H),3.76(s,3H),4.40−4.
55(m,1H) IR(neat);3400,2953,2929,2
871,2236,1740,1730,1461,1
436,1396,1284,1202,1154,1
050,1011,714 cm-1
【0073】 試験例 [PGE1誘導体のヒト血管平滑筋細胞に対するDNA合
成阻害活性の測定]前記実施例で製造した化合物24、
25、又は44を被験化合物として、以下の方法で、ヒ
ト血管平滑筋細胞に対するDNA合成阻害活性の測定を
行ない、増殖阻害活性の評価を行なった。
【0074】 24ウェルプレート(コーニング社製)
に、正常ヒト大動脈由来血管細胞(ヒト正常血管平滑筋
細胞、クラボウ製)の5次培養(培地Hv Media-SG2、3
7℃、5%CO2にて培養したもの)細胞を1×104
ル/ウェルで播種し、増殖用培地(SG2;クラボウ
製)にて、37℃、5%CO2で2日間培養した。この
後、培地を増殖用培地から、基礎培地(SB2;クラボ
ウ製)500mlに交換し、37℃、24時間培養し
た。これに、前記実施例で製造した化合物24、25、
又は44を、各々1×10-3Mの濃度で含むエタノール
溶液5μlを添加した増殖用培地(SG2)490μl
を加えた。このとき、3H‐チミジン(第一化学薬品
製)を0.01mci/ウェルで加え、24時間培養
後、培養上清を吸引除去し、リン酸緩衝液(PBS)で
洗浄した。
【0075】 5%トリクロロ酢酸(TCA)750μ
lを加えて、4℃で20分間放置した後、TCAで1回
洗浄した。PBSで洗浄した後、0.5M水酸化カリウ
ム水溶液1.0mlにて溶解した。核内に3Hチミジン
を取り込んだ細胞を溶解した水酸化カリウム水溶液を2
0μl取り、液体シンチレーションカウンター(ヒュー
レットパッカード社製)を用いて3H−チミジンの取り
込み量を測定した。
【0076】 一方対照として、被験化合物を添加しな
いエタノールで処理した群についても同様に3Hチミジ
ンの取り込み量を測定し、以下の式に従って、各被験化
合物の増殖阻害率を算出した。その結果を表3に示す。
【0077】
【化7】
【0078】
【表3】
【0079】 この結果より、化合物24、25、及び
44は、ヒト血管平滑筋細胞に対する高い増殖阻害活性
を有することがわかった。
【0080】
【発明の効果】本発明のPGE誘導体等は、優れた血管
平滑筋細胞の増殖抑制作用を示すものであり、これを含
有する医薬組成物は、血管平滑筋細胞の増殖に起因する
疾患又は病状の予防薬又は治療薬、特に血管の肥厚又は
閉塞の抑制剤として有用であり、中でも、血管平滑筋細
胞の増殖による血管の肥厚に起因するPTCA後の再狭
窄の予防薬又は治療薬として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/14 A61P 9/14 (72)発明者 田中 英雄 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 小野 直哉 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 八木 慎 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 平野 仁美 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、mは1〜4の整数を示し、nは0〜3の整数を
    示し、pは0〜2の整数を示し、qは1〜4の整数を示
    し、Yはエチレン基、ビニレン基又はエチニレン基を示
    し、ZはS(O)p、O、エチレン基、ビニレン基又は
    エチニレン基を示し、R1は炭素数3〜10のシクロア
    ルキル基、水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換
    された炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数4〜
    13のシクロアルキルアルキル基、炭素数1〜10のア
    ルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜
    10のアルキニル基又は架橋環式炭化水素基を示し、R
    2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数
    3〜10のシクロアルキル基を示す。)で表されるプロ
    スタグランジンE誘導体、その製薬上許容される塩又は
    その水和物。
  2. 【請求項2】 式(I)において、p=0である請求項
    1に記載のプロスタグランジンE誘導体、その製薬上許
    容される塩又はその水和物。
  3. 【請求項3】 式(I)において、Yがビニレン基であ
    る請求項1又は2に記載のプロスタグランジンE誘導
    体、その製薬上許容される塩又はその水和物。
  4. 【請求項4】 式(I)において、Yがエチニレン基で
    ある請求項1又は2に記載のプロスタグランジンE誘導
    体、その製薬上許容される塩又はその水和物。
  5. 【請求項5】 製薬上許容される担体中に、請求項1乃
    至4のいずれか1項に記載のプロスタグランジンE誘導
    体、その製薬上許容される塩又はその水和物を含有する
    医薬組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    プロスタグランジンE誘導体、その製薬上許容される塩
    又はその水和物を、有効成分として含有する血管平滑筋
    増殖抑制剤。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    プロスタグランジンE誘導体、その製薬上許容される塩
    又はその水和物を有効成分として含有する、血管平滑筋
    増殖に起因する疾患又は病状の予防薬。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    プロスタグランジンE誘導体、その製薬上許容される塩
    又はその水和物を有効成分として含有する、血管平滑筋
    増殖に起因する疾患又は病状の治療薬。
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