JP2005194262A - プロスタグランジン誘導体を有効成分として含有する睡眠誘発剤 - Google Patents

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史衛 佐藤
Tooru Tanami
亨 田名見
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Abstract

【課題】優れた睡眠誘発作用を有するプロスタグランジン誘導体を有効成分とする睡眠誘発剤を提供する。
【解決手段】式(I)
【化1】
Figure 2005194262

(式中、Xはαまたはβ置換のハロゲン原子を示し、Yはエチレン基、ビニレン基またはエチニレン基を示し、R1はC3-10のシクロアルキル基、C1-4の直鎖または分枝鎖状アルキル基で置換されたC3-10のシクロアルキル基、C4-13のシクロアルキルアルキル基を示し、R2は水素原子またはCO23で表される基を示し、R3は水素原子、C1-4の直鎖または分枝鎖状アルキル基またはC2-4の直鎖または分枝鎖状アルケニル基を示し、nは1〜4の整数を示し、pは0、1または2を示す。)で表されるプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤。
【選択図】なし

Description

本発明は新規なプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤に関する。
プロスタグランジン(以下PGと称する)は微量で種々の重要な生理作用を発揮することから、医薬への応用を意図して天然PGおよび夥しい数のその誘導体の合成と生物活性の検討が行われてきており、多数の文献などで報告されている。
その中で、PGの様々な中枢作用が報告されるとともに、脳内含量、生合成、代謝経路およびそれらの脳内局在や発達、加齢に伴う変化等が明らかとなり、PGによる睡眠、覚醒等との関連などに興味が持たれている。中でもPGD2は脳内における睡眠の発現や維持を調節する液性因子であることは既に知られており、サルでPGD2によって誘発された睡眠は、脳波や行動上において自発性の自然な睡眠と区別がつかないことが明らかとなり(非特許文献1参照)、新しい睡眠誘発作用を有する化合物として期待された。しかし、PGD2を含めPGD2誘導体は脳内移行性および安定性などの問題のため実用化されていない。
また、α鎖にエチニレン基を有する化合物が開示されるが(特許文献1参照)、この化合物は結晶化が困難であり、製剤化の点で問題があった。
WO99/61419号公報 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,第85 巻、第4082〜4086頁、1988年
本発明の目的は、優れた睡眠誘発作用を有するPG誘導体を有効成分とする睡眠誘発剤を提供することにある。
本発明により十分な睡眠誘発作用を有する睡眠誘発剤の提供が可能となった。
本発明者らは鋭意研究を進めた結果、下記式(I)で表されるプロスタグランジン誘導体が、優れた睡眠誘発作用を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の1態様によると、本発明は、式(I)
Figure 2005194262
(式中、Xはαまたはβ置換のハロゲン原子を示し、Yはエチレン基、ビニレン基またはエチニレン基を示し、R1はC3-10のシクロアルキル基、C1-4の直鎖または分枝鎖状アルキル基で置換されたC3-10のシクロアルキル基、C4-13のシクロアルキルアルキル基を示し、R2は水素原子またはCO23で表される基を示し、R3は水素原子、C1-4の直鎖または分枝鎖状アルキル基またはC2-4の直鎖または分枝鎖状アルケニル基を示し、nは1〜4の整数を示し、pは0、1または2を示す。)で表されるプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤である。
本発明の他の態様によると、本発明は、前記式(I)において、R1がC3-10のシクロアルキル基またはC4-13のシクロアルキルアルキル基である上記記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤である。
本発明の他の態様によると、本発明は、前記式(I)において、Xがαまたはβ置換の塩素原子または臭素原子である上記記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤である。
本発明の他の態様によると、本発明は、前記式(I)において、Yがエチニレン基である上記記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤である。
本発明の他の態様によると、本発明は、前記式(I)において、R2がCO23基である上記記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤である。
本発明の他の態様によると、本発明は、前記式(I)において、p=0である上記記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤である。
本発明の他の態様によると、本発明は、式(I)において、n=1または2である上記記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤である。
本発明において、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
3-10のシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。
1-4の直鎖または分枝鎖状のアルキル基で置換されたC3-10のシクロアルキル基としては、例えばメチルシクロプロピル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基が挙げられる。
4-13のシクロアルキルアルキル基とは、シクロアルキル基で置換されたアルキル基を意味するが、好ましくはC3-10シクロアルキル−C1-3アルキル基である。例えばシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロへプチルメチル基が挙げられる。
1-4の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
2-4の直鎖または分枝鎖状アルケニル基とは、例えば、アリル基、クロチル基、2−メチル−2−プロペニル基を挙げることができる。
製剤学的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノメチルモノエタノールアミン、トロメタミン、リジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンとの塩が挙げられる。
nは1〜4の整数を示すが、結晶性の点からn=1または2であることが好ましい。
式(I)の化合物は、例えば以下の反応式に要約する方法により製造できる。
Figure 2005194262
Figure 2005194262
(上記反応式中、TBSはtert−ブチルジメチルシリル基を示し、Y’はエチレン基またはビニレン基を示し、R31はC1-4アルキル基またはC2-4アルケニル基を示し、p1は1または2を示し、Zはハロゲン原子を示し、X,Y,R1,nは前記と同意義である。)
上記反応式を説明すると、
(1)まず、佐藤らの方法[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),第53巻、第5590ページ(1988年)]により公知の式(II)の化合物に、式(III)または式(III’)で示される化合物0.8〜2.0当量を−78〜30℃で不活性溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、n−ヘキサンなど)中で反応させることにより立体特異的に式(IV)の化合物を得る。ここで、Yがエチレン基またはビニレン基の化合物(即ち、YがY’である化合物)を得るには式(III’)の化合物を用い、−78〜0℃で、Yがエチニレン基の化合物を得るには式(III)の化合物を用い、0〜30℃で反応させる。
(2)式(IV)の化合物を式(V)で表される化合物1〜6当量と必要に応じてラジカル発生剤(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、過酸化ベンゾイル、トリエチルボランなど)0.05〜2当量、さらに必要に応じて、ラジカル性還元剤(例えば、水素化トリブチルスズ、水素化トリフェニルスズ、水素化ジブチルスズ、水素化ジフェニルスズなど)1〜5当量を用い、有機溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−ペンタン、アセトンなど)中、−78〜100℃で反応させることにより、式(VI)の化合物を得る。また、場合によっては塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、ジメチルアニリンなどの有機アミン、ポリビニルピロリドン、ジイソプロピルアミノメチル−ポリスチレン、(ピペリジノメチル)ポリスチレンなどの塩基レジン)0.05〜2当量を用い、有機溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−ペンタン、アセトンなど)中、−78〜100℃で反応させることによっても、式(VI)の化合物を得ることができる。
(3)式(VI)の化合物を水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、リチウム トリsec−ブチルボロヒドリド、水素化ジイソブチルアルミニウム−BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール)などの還元剤0.5〜5当量を有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチルアルコール、メチルアルコール、トルエンなど)中、−78〜40℃で反応させ、式(VII)および式(VII’)の化合物を得る。これらの式(VII)および式(VII’)の化合物はカラムクロマトグラフィーなど通常用いられる分離法にて精製することができる。
(4)式(VII)(または式(VII’))の化合物を、例えばメタンスルホニルクロリドあるいはp−トルエンスルホニルクロリド1〜6当量をピリジンなどの適当な溶媒中、必要に応じて0.8〜6当量の4−ジメチルアミノピリジン存在下、−20〜40℃でメシル化あるいはトシル化した後、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド1〜16当量でクロル化し式(VIII)(または式(VIII’))の化合物(Xは塩素原子)を得る。ここでブロム化、フッ素化も通常の方法で行うことができる。例えば、ブロム化は、1〜10当量の四臭化炭素を用い、トリフェニルホスフィン1〜10当量およびピリジン1〜10当量の存在下、アセトニトリル中反応させることにより得られる。フッ素化は例えば、塩化メチレン中、ジエチルアミノサルファートリフロリド(DAST)5〜20当量を反応させることにより得られる。
(5)式(VIII)(または式(VIII’))の化合物を、適当な不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなど)中、塩基(例えばn−ブチルリチウムなどのアルキルリチウムなど)を、−78℃〜室温で反応させた後、式(IX)の化合物を−78〜40℃で反応させることにより式(Xa)(または式(Xa’))の化合物を、また式(IX)の代わりに炭酸ガスを反応させることにより式(XI)(または式(XI’))の化合物を得ることができる。
(6)式(Xa)(または式(Xa’))の化合物をフッ化水素酸、ピリジニウム ポリ(ハイドロゲンフロリド)、塩酸などを用い通常行われる条件にて、メタノール、エタノール、アセトニトリルあるいはこれらの混合溶媒または、これらと水との混合溶媒中、水酸基の保護基であるtert−ブチルジメチルシリル基をはずし、本発明の式(Ia)(または式(Ia’))のPG誘導体を得ることができる。
(7)式(Ia)(または式(Ia’)の化合物をリン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液などの緩衝液中、必要に応じて有機溶媒(アセトン、メタノール、エタノールなどの水と混和するもの)を用いて酵素と反応させることにより加水分解することにより、本発明に係わるPG誘導体、式(Ib)(または式(Ib’))を得ることができる。酵素としては、微生物が生産する酵素(例えば、キャンディダ属、シュードモナス属に属する微生物が生産する酵素)、動物の臓器から調製される酵素(例えば、ブタ肝臓やブタ膵臓より調製される酵素)などであり、市販の酵素で具体例を挙げると、リパーゼVII(シグマ社製、キャンディダ属の微生物由来)、リパーゼAY(天野製薬製、キャンディダ属の微生物由来)、リパーゼPS(天野製薬製、シュードモナス属の微生物由来)、リパーゼMF(天野製薬製、シュードモナス属の微生物由来)、PLE(シグマ社製、ブタ肝臓より調製)、リパーゼII(シグマ社製、ブタ膵臓より調製)、リポプロテインリパーゼ(東京化成工業社製、ブタ膵臓より調製)などである。
酵素の使用量は、酵素の力価および基質[式(Ia)(または式Ia’)]の化合物]の量に応じて適宜選択すればよいが、通常は基質の0.1〜20倍重量部である。反応温度は、25〜50℃、好ましくは30〜40℃である。
また、式(Ia)(または式(Ia’))の化合物を、塩基を用い通常加水分解に用いられる溶媒中にて加水分解することにより、本発明に係わるPG誘導体、式(Ib)(または式(Ib’))を得ることもできる。ここで用いられる塩基としては、水酸化リチウム、炭酸カリウムなどが例示され、溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、メタノール、エタノール、水あるいはこれらの混合溶媒などが例示される。
また、式(XI)(または式(XI’))の化合物を上記(6)と同様に脱保護することにより本発明に係るPG誘導体、式(Ib)(または式(Ib’))を得ることもできる。
(8)式(Ia)(または式(Ia’))の化合物をメタ過ヨウ素酸ナトリウム、過酸化水素水、過酢酸、m−クロロ過安息香酸、tert−ブチルヒドロペルオキシドなどの酸化剤を用い、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、塩化メチレン、水あるいはこれらの混合溶媒中、−20〜50℃で反応させ本発明に係わる式(Ic)(または式(Ic’))のPG誘導体を得る。
(9)式(Ic)(または式(Ic’))の化合物を上記(7)と同様に加水分解することにより本発明に係わる式(Id)(または式(Id’))のPG誘導体が得られる。また、式(Ib)(または式(Ib’))を用い上記(8)と同様にして酸化することによっても本発明に係わる式(Id)(または式(Id’))のPG誘導体が得ることができる。
なお、α鎖中のS(O)pは、P=1のときは
Figure 2005194262
を表し、P=2のときは
Figure 2005194262
を表す。
本発明に係る代表的な式(I)の化合物としては下記を挙げることができる。
Figure 2005194262
本発明の化合物は、全身的または局所的に経口または静脈内、もしくは経鼻投与などの非経口的に投与することができる。これらは、例えば、通常の方法により製造することができる錠剤、粉剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、液剤、乳剤、懸濁剤等の形で経口投与することができる。静脈内投与の製剤としては、水性または非水性溶液剤、乳剤、懸濁剤、使用直前に注射溶媒に溶解して使用する固形製剤等を用いることができる。経鼻投与としては、一般に薬物を含有した溶液および粉末(硬カプセル)で、専用の点鼻器あるいは噴霧器を用い鼻腔内に定量的にスプレー(噴霧)投与される。また、本発明の化合物は、α、βもしくはγ−シクロデキストリンまたはメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形成させて製剤化することもできる。更に、その水性または非水性溶液剤、乳剤、懸濁剤等を注射等により投与することができる。投与量は年齢、体重等により異なるが、成人に対し1ng〜1mg/日であり、これを1日1回または数回に分けて投与する。
以下、本発明の効果を試験例および実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によってなんら制限されるものではない。
試験例[大槽内投与による睡眠誘発試験]
方法:
雄性カニクイザル4頭(体重2.0kg〜3.5kg))を1頭ずつケージに入れた。薬物投与前1時間および薬物投与後3時間まで、各動物の行動はビデオカメラで記録した。化合物16は生理食塩水に溶解し、ミリポアフィルターで滅菌した。薬物はサルをisoflurane吸入で麻酔し、大槽内に注入した。投与量は10μgおよび100μg/0.1ml/サルとした。コントロール群は同用量の溶媒を大槽内に注入した。実験スケジュールは以下のスケジュールで行った。
第1週目:溶媒投与群
第2週目:化合物16 10μg/サル投与群
第3週目:化合物16 100μg/サル投与群
睡眠は記録したビデオを再生し、両目を閉じていて、体をリラックスさせた時間(秒)を測定し、投与後3時間の睡眠時間を求め、表2に示した。
Figure 2005194262
実施例1
9−デオキシ−9β−クロロ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α
(化合物16)
(1)(3S)−3−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3−シクロヘキシルプロパ−1−イン(6.58g)をトルエン80mlに溶解し、0℃でn−ブチルリチウム(3.0M,ヘキサン溶液、8.0ml)を加え、同温度で30分間撹拌した。この溶液に0℃でジエチルアルミニウムクロリド(0.95M,ヘキサン溶液、29.0ml)を加え、室温まで30分間撹拌した。この溶液に室温で(4R)−2−(N,N−ジエチルアミノ)メチル−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)シクロペント−2−エン−1−オン(0.25M,トルエン溶液、80.0ml)を加え、15分間撹拌した。反応液をヘキサン(190ml)−飽和塩化アンモニウム水溶液(190ml)−塩酸水溶液(3M,56ml)の混合液に撹拌しながら加えた後、有機層を分離し、飽和重曹水溶液(50ml)で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後濃縮して得た残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:エーテル=10:1)で精製して(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3S)−3−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3−シクロヘキシルプロパ−1−イニル]−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オン(7.92g)を得た。
1H-NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.07,0.08,0.12(3s,12H),0.88(s,18H),0.92-1.92(m,11H),2.32(dd,J=17.8,7.4Hz,1H),2.71(dd,J=17.8,6.5Hz,1H),3.48-3.58(m,1H),4.11(dd,J=6.2,1.4Hz,1H),4.20-4.32(m,1H),5.55(d,J=2.6Hz,1H),6.13(d,J=3.0Hz,1H)
IR(neat);2930,2850,1735,1640,1470,1380,1255,830,770cm-1
(2)上記(1)で得た化合物(2.63g)および4−メルカプト−1−ブチン(4.63g,9.8%キシレン溶液)のトルエン(6ml)溶液を室温で3日間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=40:1)で精製し、2−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGE1 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)(1.52g)を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.08(s,3H),0.09(s,3H),0.10(s,3H),0.13(s,3H),0.82-1.92(m,11H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),2.02(t,J=2.6Hz,1H),2.17-2.55(m,4H),2.67-2.81(m,1H),2.71(t,J=7.2Hz,2H),2.91(d,J=5.9Hz,1H),3.08-3.19(m,1H),4.09(dd,J=6.2,1.7Hz,1H),4.30-4.39(m,1H)
IR(neat):3312,2929,2856,1750,1472,1463,1451,1362,1252,1105,1064,1006,940,898,837,778,669,637cm-1
(3)BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール)(1.13g)のトルエン(6.3ml)溶液に水素化ジイソブチルアルミニウム(0.9Mヘキサン溶液,5.2ml)を−78℃で滴下し、−10℃で1時間攪拌した。この反応液に、上記(2)で得た化合物(1.20g)のトルエン(21.3ml)溶液を−78℃で滴下し、−25℃で1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、1M塩酸水溶液で弱酸性とし酢酸エチル抽出した。有機層を1M塩酸水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。濾液を減圧下濃縮し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜5:1)で精製し、2−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)(930mg)および2−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1β 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)(38mg)を得た。
2−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.08(s,3H),0.09(s,3H),0.10(s,6H),0.80-2.18(m,14H),0.88(s,9H),0.90(s,9H),2.03(t,J=2.6Hz,1H),2.46-2.61(m,2H),2.51(dt,J=2.6,7.5Hz,2H),2.66-2.92(m,4H),4.08(dd,J=6.2,1.7Hz,1H),4.17-4.32(m,2H)
IR(neat):3468,3313,2929,2856,2232,2120,1472,1463,1451,1388,1362,1338,1253,1101,1062,1006,964,898,837,778,668,637cm-1
2−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1β 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.07(s,3H),0.08(s,6H),0.11(s,3H),0.76-2.07(m,14H),0.88(s,9H),0.90(s,9H),2.05(t,J=2.6Hz,1H),2.34(ddd,J=10.7,6.4,1.7Hz,1H),2.41-2.59(m,4H),2.71-2.79(m,2H),3.05(dd,J=13.4,4.3Hz,1H),4.03-4.28(m,2H),4.08(dd,J=6.1,1.7Hz,1H)
IR(neat):3436,3313,2929,2856,2234,2121,1472,1463,1451,1388,1362,1338,1252,1101,1066,1006,898,837,777,669,637cm-1
(4)アルゴン気流下、上記(3)で得た 2−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)(925mg)のピリジン(16ml)溶液に、0℃でメタンスルホニルクロリド(0.253ml)を加え、室温にて3.5時間撹拌した。この溶液にテトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド(3.64g)およびトルエン(16ml)を加え、45℃で一夜撹拌した。これに水およびヘキサンを加え、6M塩酸水溶液にて弱酸性とし、n−ヘキサン抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥、濾過した。濾液を減圧下濃縮、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、9−デオキシ−9β−クロロ−2−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロへキシル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)(850mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.07(s,3H),0.08(s,3H),0.09(s,3H),0.11(s,3H),0.78-1.90(m,11H),0.88(s,9H),0.90(s,9H),2.03(t,J=2.6Hz,1H),2.11-2.37(m,3H),2.50(dt,J=2.6,7.2Hz,2H),2.57(ddd,J=9.3,5.4,1.6Hz,1H),2.74(t,J=7.2Hz,2H),2.87(d,J=5.4Hz,2H),4.09(dd,J=6.1,1.6Hz,1H),4.13-4.33(m,2H)
IR(neat):3313,2953,2929,2856,2234,2121,1472,1463,1451,1387,1362,1339,1281,1253,1155,1101,1006,962,927,898,837,778,668,638cm-1
(5)アルゴン気流下、上記(4)で得た化合物(840mg)のテトラデヒドロフラン(28.8ml)溶液に、−78℃でn−ブチルリチウム(1.59M,ヘキサン溶液、0.95ml)を加え、同温度で1.5時間撹拌した。反応液にドライアイスを加え、次いで室温まで昇温させた後、飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、2M塩酸水溶液にて弱酸性とし酢酸エチル抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。濾液を減圧下濃縮し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜1:2)で精製し、9−デオキシ−9β−クロロ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)(728mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.08(s,3H),0.09(2s,6H),0.11(s,3H),0.74-1.92(m,12H),0.88(s,9H),0.90(s,9H),2.13-2.36(m,3H),2.55(ddd,J=9.1,5.2,1.6Hz,1H),2.59-2.83(m,4H),2.88(d,J=5.4Hz,2H),4.05-4.32(m,2H),4.09(dd,J=6.3,1.6Hz,1H)
IR(neat):3400, 2929,2856,2241,1691,1472,1464,1451,1411,1385,1362,1279,1255,1156,1087,1006,962,898,837,778,670,590,504cm-1
(6)上記(5)で得た化合物(720mg)のメチルアルコール(22.8ml)溶液に、室温で濃塩酸(0.114ml)を加え、4時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと飽和重曹水の混合液に加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル抽出し、有機層を合わせて飽和重曹水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。濾液を減圧下濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=20:1)で精製し、標記化合物(312mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.84-1.90(m,11H),2.20-2.44(m,3H),2.59-3.50(m,8H),2.90(dd,J=13.6,5.0Hz,1H),2.97(dd,J=13.6,5.5Hz,1H),4.07-4.23(m,2H),4.35-4.45(m,1H)
IR(neat):3368,2928,2853,2624,2239,1696,1450,1417,1278,1156,1082,1005,893,828,795,755,592cm-1
m.p. 77-78℃
実施例2
9−デオキシ−9β−クロロ−2−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α(化合物12)
実施例1(4)で得た化合物(112mg)を用い、実施例1(6)と実質的に同様にして、標記化合物を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.82-2.98(m,16H), 2.05(t,J=2.6Hz,1H), 2.51(dt,J=2.6,7.2Hz,2H), 2.61(ddd,J=10.1,6.6,1.9Hz,1H), 2.76(t,J=7.2Hz,2H), 2.87(dd,J=13.8,5.0Hz,1H),2.93(dd,J=13.8,5.1Hz,1H),4.07-4.25(m,2H),4.34-4.45(m,1H)
IR(neat):3368,3304,2926,2852,2236,2118,1450,1384,1284,1228,1153,1083,1008,893,832,641cm-1
実施例3
9−デオキシ−9β−クロロ−2,16,17,18,19,20−ヘキサノル−15−シクロヘキシル−3,3,4,4,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α(化合物14)
(1)実施例1(2)において4−メルカプト−1−ブチンの代わりに、3−メルカプト−1−プロピンを用い、実施例1(2)と実質的に同様にして、2−デカルボキシ−2,16,17,18,19,20−ヘキサノル−15−シクロヘキシル−3,3,4,4,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGE1 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.08(s,3H),0.09(s,3H),0.10(s,3H),0.13(s,3H),0.80-1.90(m,11H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),2.24(dd,J=18.0,6.4Hz,1H),2.25(t,J=2.6Hz,1H),2.50-2.60(m,1H),2.73(ddd,J=18.0,6.3,1.0Hz,1H),2.99(dd,J=13.7,7.2Hz,1H),3.08(dd,J=13.7,5.1Hz,1H),3.08-3.16(m,1H),3.27(d,J=2.6Hz,2H),4.08(dd,J=6.4,1.7Hz,1H),4.32-4.40(m,1H)
IR(neat):3311,2929,2856,2236,1750,1472,1386,1362,1253,1106,1065,1006,940,898,837,778,669cm-1
(2)上記(1)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして、2−デカルボキシ−2,16,17,18,19,20−ヘキサノル−15−シクロヘキシル−3,3,4,4,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)および2−デカルボキシ−2,16,17,18,19,20−ヘキサノル−15−シクロヘキシル−3,3,4,4,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1β 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)を得た。
2−デカルボキシ−2,16,17,18,19,20−ヘキサノル−15−シクロヘキシル−3,3,4,4,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.08(s,3H),0.09(s,3H),0.11(s,6H),0.82-1.90(m,12H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),2.02-2.16(m,2H),2.23(t,J=2.6Hz,1H),2.59-2.63(m,2H),2.98(d,J=7.8Hz,2H),3.23-3.37(m,2H),4.07(dd,J=6.3,1.8Hz,1H),4.20-4.33(m,2H)
IR(neat):3468,3313,2929,2856,2232,1472,1451,1388,1362,1338,1253,1101,1062,1005,926,898,837,777,668,634cm-1
2−デカルボキシ−2,16,17,18,19,20−ヘキサノル−15−シクロヘキシル−3,3,4,4,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1β 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.07(s,3H),0.08(s,6H),0.12(s,3H),0.78-2.12(m,13H),0.88(s,9H),0.90(s,9H),1.97(t,J=6.6Hz,2H),2.27(t,J=2.0Hz,1H),2.37(ddd,J=9.6,6.1,1.5Hz,1H),2.68(dd,J=13.4,9.7Hz,1H),3.16(dd,J=13.4,4.5Hz,1H),3.22-3.39(m,2H),4.02-4.29(m,2H),4.08(dd,J=6.2,1.5Hz,1H)
IR(neat):3400,3313,2929,2856,2233,1472,1463,1451,1386,1362,1338,1252,1101,1066,1006,898,837,777,669,636cm-1
(3)上記(2)で得た 2−デカルボキシ−2,16,17,18,19,20−ヘキサノル−15−シクロヘキシル−3,3,4,4,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)を用い、実施例1(4)と実質的に同様にして、9−デオキシ−9β−クロロ−2−デカルボキシ−2,16,17,18,19,20−ヘキサノル−15−シクロヘキシル−3,3,4,4,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.08(2s,6H),0.09(s,3H),0.12(s,3H),0.82-1.90(m,11H),0.88(s,9H),0.90(s,9H),2.14-2.29(m,2H),2.26(t,J=2.6Hz,1H),2.31-2.43(m,1H),2.56(ddd,J=8.8,4.9,1.7Hz,1H),2.95(dd,J=13.6,6.1Hz,1H),3.02(dd,J=13.6,5.8Hz,1H),3.31(d,J=2.6Hz,2H),4.08(dd,J=6.2,1.7Hz,1H),4.12-4.32(m,2H)
IR(neat):3313,2952,2929,2856,2234,1472,1464,1451,1408,1389,1362,1253,1100,1006,962,927,898,837,778,668,637cm-1
(4)上記(3)で得た化合物を用い、実施例1(5)と実質的に同様にして、9−デオキシ−9β−クロロ−2,16,17,18,19,20−ヘキサノル−15−シクロへキシル−3,3,4,4,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.08(s,3H),0.09(2s,6H),0.12(s,3H),0.76-1.91(m,12H),0.88(s,9H),0.91(s,9H),2.14-2.40(m,3H),2.54(ddd,J=9.1,5.0,1.5Hz,1H),2.96(dd,J=13.6,5.8Hz,1H),3.04(dd,J=13.6,5.4Hz,1H),3.37-3.51(m,2H),4.01-4.33(m,2H),4.09(dd,J=6.3,1.5Hz,1H)
IR(neat):2929,2856,2240,1692,1472,1451,1409,1362,1279,1256,1100,1006,962,898,837,778,670,602cm-1
(5)上記(4)で得た化合物を用い、実施例1(6)と実質的に同様にして、標記化合物を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.93-1.92(m,11H),2.22-2.46(m,3H),2.67-2.81(m,1H),2.87-3.58(m,3H),2.93(dd,J=13.8,4.8Hz,1H),3.15(dd,J=13.8,5.4Hz,1H),3.44(s,2H),4.09-4.25(m,2H),4.34-4.47(m,1H)
IR(KBr):3402,2929,2854,2239,1694,1576,1451,1380,1275,1162,1083,1007,894,880,782,758,666,588,499,471cm-1
実施例4
1a−ホモ−9−デオキシ−9β−クロロ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−1a,1a,2,2,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α メチルエステル(化合物19)
(1)実施例1(2)において、4−メルカプト−1−ブチンの代わりに、5−メルカプト−1−ペンチンを用い、実施例1(2)と実質的に同様にして、1a−ホモ−1a−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−1a,1a,2,2,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGE1 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.08(s,3H),0.09(s,3H),0.10(s,3H),0.13(s,3H),0.80-1.92(m,13H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),1.96(t,J=2.6Hz,1H),2.23(dd,J=18.0,5.8Hz,1H),2.31(dt,J=2.6,7.0Hz,2H),2.43-2.52(m,1H),2.64(t,J=7.2Hz,2H),2.71(dd,J=18.0,7.3Hz,1H),2.81-2.94(m,2H),3.10-3.20(m,1H),4.08(dd,J=6.3,1.6Hz,1H),4.30-4.39(m,1H)
IR(neat):3314,2929,2856,2236,1751,1472,1463,1451,1386,1362,1253,1106,1065,1006,940,898,837,778,669,634cm-1
(2)上記(1)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして、1a−ホモ−1a−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−1a,1a,2,2,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)および1a−ホモ−1a−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−1a,1a,2,2,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1β 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテルを得た。
1a−ホモ−1a−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−1a,1a,2,2,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.08(s,3H),0.09(s,3H),0.11(s,6H),0.78-1.91(m,14H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),1.93-2.18(m,2H),1.96(t,J=2.6Hz,1H),2.33(dt,J=2.6,6.9Hz,2H),2.50-2.61(m,2H),2.68(t,J=7.1Hz,2H),2.81(d,J=7.6Hz,2H),4.08(dd,J=6.2,1.6Hz,1H),4.20-4.33(m,2H)
IR(neat):3468,3313,2929,2855,2232,1472,1451,1388,1362,1338,1252,1101,1062,1005,918,898,837,777,668,633cm-1
1a−ホモ−1a−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−1a,1a,2,2,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1β 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.06(s,3H),0.07(s,3H),0.08(s,3H),0.11(s,3H),0.74-2.10(m,17H),0.88(s,9H),0.90(s,9H),2.21-2.37(m,1H),2.33(dt,J=2.5,7.0Hz,2H),2.47(dd,J=13.3,10.4Hz,1H),2.53-2.63(m,1H),2.69(t,J=7.2Hz,2H),3.00(dd,J=13.3,4.1Hz,1H),4.00-4.28(m,2H),4.08(dd,J=6.1,1.3Hz,1H)
IR(neat):3400,3314,2929,2856,2232,1472,1463,1451,1385,1362,1253,1101,1067,1006,898,836,777,669,634cm-1
(3)上記(2)で得た 1a−ホモ−1a−デカルボキシ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−1a,1a,2,2,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテルを用い、実施例1(4)と実質的に同様にして、1a−ホモ−1a−デカルボキシ−9−デオキシ−9β−クロロ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−1a,1a,2,2,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α 11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エーテル)を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.08(2s,6H),0.09(s,3H),0.12(s,3H),0.81-1.90(m,13H),0.88(s,9H),0.91(s,9H),1.97(t,J=2.6Hz,1H),2.11-2.44(m,5H),2.53-2.62(m,1H),2.68(t,J=7.1Hz,2H),2.82(d,J=5.4Hz,2H),4.04-4.32(m,3H)
IR(neat):3313,2929,2856,2234,1472,1463,1451,1388,1362,1281,1253,1100,1006,962,927,898,837,778,668,635cm-1
(4)上記(3)で得た化合物(395mg)のテトラヒドロフラン(3.3ml)溶液に、−78℃でn−ブチルリチウム(1.59M,ヘキサン溶液,447μl)を加え同温度で1時間攪拌した後、さらに同温度でメチル クロロフォルメート(75mg)のテトラヒドロフラン(3.3ml)溶液を滴下し、室温で一夜攪拌した。反応液を飽和食塩水に注ぎ、1M塩酸水溶液にて弱酸性とした後、n−ヘキサン抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。濾液を減圧下濃縮し、得られた粗生成物のメチルアルコール(8.0ml)溶液に、室温で濃塩酸(0.04ml)を加え、4時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと飽和重曹水の混合液に加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル抽出し、有機層を合わせて飽和重曹水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。濾液を減圧下濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、標記化合物(130mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.95-1.39(m,6H),1.46-2.00(m,9H),2.18-2.44(m,3H),2.46-2.56(m,2H),2.62(ddd,J=10.1,6.5,1.9Hz,1H),2.65-2.76(m,2H),2.80(dd,J=13.7,5.0Hz,1H),2.88(dd,J=13.7,5.1Hz,1H),3.77(s,3H),4.06-4.27(m,2H),4.34-4.45(m,1H)
IR(neat):3368,2928,2853,2237,1716,1435,1384,1326,1257,1154,1078,1011,894,832,753cm-1
実施例5
1a−ホモ−9−デオキシ−9β−クロロ−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−1a,1a,2,2,13,14−ヘキサデヒドロ−6−チア−PGF1α(化合物22)
実施例4で得た化合物(100mg)のアセトン(4.8ml)溶液を、リパーゼPS(2.3g)の水(16ml)の懸濁液に加え、次いでリン酸緩衝液(0.2M,pH=7.0,2.5ml)および水(32ml)を加えた後、30℃で一夜攪拌した。濾過後、硫酸アンモニウムを加え塩析し、酢酸エチル抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。濾液を減圧下濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)で精製し、標記化合物(85mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.86-1.40(m,6H),1.46-2.00(m,7H),2.10-4.05(m,12H),2.95(dd,J=14.1,4.8Hz,1H),4.10-4.55(m,3H)
IR(neat):3368,2927,2853,2237,1695,1574,1450,1418,1384,1347,1279,1258,1157,1082,1008,957,893,834,756,592cm-1
本発明に係る睡眠誘発剤を用いて優れた睡眠誘発作用を有する睡眠薬、睡眠導入薬の開発が期待される。

Claims (7)

  1. 式(I)
    Figure 2005194262
    (式中、Xはαまたはβ置換のハロゲン原子を示し、Yはエチレン基、ビニレン基またはエチニレン基を示し、R1はC3-10のシクロアルキル基、C1-4の直鎖または分枝鎖状アルキル基で置換されたC3-10のシクロアルキル基、C4-13のシクロアルキルアルキル基を示し、R2は水素原子またはCO23で表される基を示し、R3は水素原子、C1-4の直鎖または分枝鎖状アルキル基またはC2-4の直鎖または分枝鎖状アルケニル基を示し、nは1〜4の整数を示し、pは0、1または2を示す。)で表されるプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤。
  2. 前記式(I)において、R1がC3-10のシクロアルキル基またはC4-13のシクロアルキルアルキル基である請求の範囲第1項に記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤。
  3. 前記式(I)において、Xがαまたはβ置換の塩素原子または臭素原子である請求の範囲第1項または2項に記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤。
  4. 前記式(I)において、Yがエチニレン基である請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤。
  5. 前記式(I)において、R2がCO23基である請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤。
  6. 前記式(I)において、p=0である請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤。
  7. 前記式(I)において、n=1または2である請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載のプロスタグランジン誘導体、その製薬学的に許容される塩またはその水和物を有効成分として含有する睡眠誘発剤。
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