JP2001316141A - 膨張を抑制した製鋼系スラグの製造方法 - Google Patents

膨張を抑制した製鋼系スラグの製造方法

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JP2001316141A
JP2001316141A JP2000133161A JP2000133161A JP2001316141A JP 2001316141 A JP2001316141 A JP 2001316141A JP 2000133161 A JP2000133161 A JP 2000133161A JP 2000133161 A JP2000133161 A JP 2000133161A JP 2001316141 A JP2001316141 A JP 2001316141A
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slag
steelmaking slag
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aging
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JP2000133161A
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Yasuto Miyata
康人 宮田
Tetsushi Numata
哲始 沼田
Kazuya Yabuta
和哉 藪田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のエージング処理による遊離CaOの水
和反応率よりも高い水和反応率を効率よく達成すること
により、エージング時間を短縮し、エージング処理後の
製鋼系スラグの膨張を抑制した製鋼系スラグの製造方法
を提供する。 【解決手段】 製鋼系スラグをエージング処理する前ま
たはエージング処理中に、前記製鋼系スラグにキレート
化剤を混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄所から発生す
る製鋼系スラグの利用技術に関し、特に、製鋼系スラグ
を埋立用材料や道路路盤材あるいは建設用材料として用
いる場合の膨張を抑制した製鋼系スラグの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】製鋼系スラグは化学組成が高炉スラグほ
ど安定しておらず、時間の経過とともに膨張・粉化する
などの問題があるため、埋立用材料や道路路盤材などの
一部に利用されているに過ぎない。この製鋼系スラグの
膨張・粉化は水分の存在下で起こり、製鋼系スラグ中に
含まれる遊離CaOが水和反応によって体積膨張するこ
とに起因している。
【0003】製鋼系スラグの膨張・粉化を抑制する方法
として、予め製鋼系スラグの水和反応を進行させるエー
ジング処理が一般的には行われている。エージング処理
方法としては、大気中に曝しておく自然エージングの
他、エージング処理を短期間で終了させるために蒸気や
温水を用いて水和反応を促進する蒸気エージングや温水
エージングなどの方法が知られている。
【0004】また、特開平7−223857号公報に
は、製鋼系スラグに石炭灰、シルトあるいは平均粒度
0.01〜1.2mmの高炉水砕スラグなどの含シリカ
微粉末を添加してエージングを促進し、エージング処理
時間を短縮させる方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
いずれの方法においてもエージング処理時に完全に遊離
CaOの水和が完了するわけではない。エージング処理
により水和するのは主に粒子表面に露出した遊離Ca
O、および水和した製鋼系スラグ粒子の崩壊によって新
たに露出した遊離CaOのみである。このため、製鋼系
スラグ粒子内部には未反応の遊離CaO が多く残存し
ており、これをさらに水和させるためにはスラグ粒子中
の遊離CaOを取り巻く水和反応活性が低い鉱物をなん
らかの方法で取り除き、遊離CaOを露出させる必要が
ある。
【0006】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、従来のエージング処理による遊離Ca
Oの水和反応率よりも高い水和反応率を効率よく達成す
ることにより、エージング時間を短縮し、エージング処
理後の製鋼系スラグの膨張を抑制した製鋼系スラグの製
造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために検討を行った結果、製鋼系スラグのエ
ージング処理前またはエージング処理中にキレート化剤
を混合することにより、エージング処理中に製鋼系スラ
グ中の遊離CaOの水和反応が促進されることを見い出
した。
【0008】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、製鋼系スラグをエージング処理する前またはエ
ージング処理中に、前記製鋼系スラグにキレート化剤を
混合することを特徴とする膨張を抑制した製鋼系スラグ
の製造方法である。
【0009】なお、特開平11−21154号公報には
製鋼系スラグにキレート化剤を混合する技術が開示され
ているが、これは製鋼系スラグを用いたセメントなどの
水硬性組成物を提供することを目的に、エージング処理
後の製鋼系スラグにキレート化剤を混合するものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態の一
例について説明する。本発明に係る膨張を抑制した製鋼
系スラグの製造方法は、製鋼系スラグをエージング処理
する前またはエージング処理中に、この製鋼系スラグに
キレート化剤を混合するものである。
【0011】ここで、製鋼系スラグとしては、転炉、電
気炉、混銑車などで発生したスラグのみならず、脱珪ス
ラグ、脱硫スラグ、脱燐スラグなどの溶銑予備処理スラ
グなどを用いることもできる。また、キレート化剤はア
ルカリ条件化でFe,Al,Mnなどの金属イオンとキ
レート錯体を形成する物質であり、例えばトリエタノー
ルアミン又は/及びトリイソプロパノールアミンなどを
用いることができる。
【0012】キレート化剤はエージング処理する前また
はエージング処理中の製鋼系スラグ1tに対し、0.0
01kg以上20kg以下の範囲内で混合することが好
ましい。製鋼系スラグ1tに対して0.001kg未満
ではキレート化剤の濃度が希薄すぎて水和促進効果が十
分でなく、20kgを超えるとキレート化剤の添加によ
るコストが嵩み、製鋼系スラグの水和促進効果を上回る
ため不適切である。
【0013】キレート化剤と製鋼系スラグの混合方法は
特に限定されないが、たとえば、キレート化剤を水に溶
解させて水溶液を作成し、適当な容器内にてキレート化
剤水溶液に製鋼系スラグを浸漬させるか、もしくは製鋼
系スラグにキレート化剤水溶液を散布するなどの方法を
用いることができる。また、蒸気エージングや温水エー
ジングを利用する場合には、蒸気または温水中にあらか
じめキレート化剤を含有させても良い。
【0014】蒸気や温水中にキレート化剤を含有させず
に蒸気エージングや温水エージングを実施する場合は、
キレート化剤を添加後エージング処理の開始までに1時
間程度放置することが望ましい。なお、蒸気や温水中に
キレート化剤を含有させる場合はこの必要はない。
【0015】キレート化剤混合による製鋼系スラグの膨
張抑制メカニズムについて以下に説明する。
【0016】製鋼系スラグの膨張抑制は、製鋼系スラグ
のエージング処理中にキレート化剤により製鋼系スラグ
に含まれる遊離CaOの水和反応が促進され、高い水和
反応率が達成されることに起因する。
【0017】上記遊離CaOの水和反応を促進させる要
因としては以下(1)〜(3)のように考えられる。 (1)スラグ粒子中の2CaO(Al23,Fe23
鉱物に含まれるAl,Fe成分の溶解を促進することに
より、2CaO(Al23,Fe23)鉱物の水和反応
(溶解・析出反応)を促進し、スラグ粒子に内在してい
る遊離CaOと水との接触確率を向上させる。
【0018】製鋼系スラグ中に含まれる2CaO(Al
23,Fe23)はポルトランドセメント中のカルシウ
ム・アルミネート系鉱物と同様に、水和反応により水和
物を生成するが、鉄イオンの水への溶解度が小さいため
水和反応活性が低い。そこで、溶解剤、反応促進剤とし
てキレート化剤を添加することにより、2CaO(Al
23,Fe23)中のAl、Fe成分が強制溶解し、溶
解・析出反応である水和反応を著しく促進させる。これ
により内在していた遊離CaO を水分と接触させ、水
和を進行させることができ、残存する遊離CaOを減少
させることが可能になる。 (2)遊離CaOに固溶しているFe,Mn成分(2価
の金属)の溶解を促進することにより、遊離CaOの水
和活性を向上させる。
【0019】遊離CaOに固溶しているFe、Mn成分
などの2価金属の固溶量が大きいほど遊離CaOが安定
化し、水和活性が低下することが広く知られている。な
お、通常の遊離CaO中のFe、Mn成分などの2価金
属の固溶量は、FeO及びMnOとして10〜20%
(質量百分率)程度である。キレート化剤を添加するこ
とにより、遊離CaO中のFe、Mn成分が強制溶解
し、製鋼系スラグ中の遊離CaOの水和活性を向上さ
せ、残存する遊離CaOを減少させることが可能にな
る。 (3)遊離CaOの表面には水和反応速度の遅い2Ca
O・Fe23の層が存在し、これが遊離CaOのエージ
ング処理による水和を遅らせていると報告されている。
キレート化剤を添加することにより、2CaO・Fe2
3中のFe成分の溶解を促進し、遊離CaO表面の2
CaO・Fe23層の水和反応(溶解・析出反応)が促
進され、内部の遊離CaOの水和反応を向上させる。こ
れにより、残存する遊離CaOを減少させることが可能
になる。
【0020】以上により、製鋼系スラグの膨張抑制が達
成される。
【0021】
【実施例】(実施例1)エージング処理前の製鋼系スラ
グを容器に入れ、所定の濃度のキレート化剤水溶液中に
浸漬し、24時間常温で静置した。このスラグを蒸気流
量50kg/t(slag)で蒸気エージング処理し
た。なお、エージング処理する製鋼系スラグの粒度は5
0mm以下とした。このスラグについて、JIS A
5015に則り、水浸膨張試験の試験体を作製し、80
℃水浸膨張比を測定した。
【0022】表1にキレート化剤としてトリエタノール
アミンを使用したときの水溶液中キレート化剤濃度に対
する水浸膨張率の結果を示す。
【0023】また、表2にキレート化剤としてトリイソ
プロパノールアミンを使用したときの水溶液中キレート
化剤濃度に対する水浸膨張率の結果を示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】比較例のキレート化剤を添加しない製鋼系
スラグに対し、トリエタノールアミンまたはトリイソプ
ロパノールアミンを混合することにより、低い膨張率が
得られており、特に0.001kg/t(slag)以
上の混合でその効果が顕著になっている。
【0027】(実施例2)エージング処理前の製鋼系ス
ラグを容器に入れ、0.1質量%のトリエタノールアミ
ン水溶液中に浸漬し、常温で所定の時間静置した。この
スラグを蒸気流量50kg/t(slag)で蒸気エー
ジング処理した。なお、エージング処理する製鋼系スラ
グの粒度は50mm以下とした。このスラグについて、
JIS A5015に則り、水浸膨張試験の試験体を作
製し、80℃水浸膨張比を測定した。表3に、静置した
時間に対する水浸膨張率の結果を示す。
【0028】
【表3】
【0029】静置時間1時間以上で効果が顕著となり、
72時間以降では効果は飽和する。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来のエージング処理による遊離CaOの水和反応率より
も高い水和反応率が効率よく達成することにより、エー
ジング時間を短縮し、エージング処理後の製鋼系スラグ
の膨張を抑制した製鋼系スラグの製造方法が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藪田 和哉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4G012 JD02 JD03 JE02 4K063 BA06 CA03 HA39

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製鋼系スラグをエージング処理する前ま
    たはエージング処理中に、前記製鋼系スラグにキレート
    化剤を混合することを特徴とする膨張を抑制した製鋼系
    スラグの製造方法。
JP2000133161A 2000-05-02 2000-05-02 膨張を抑制した製鋼系スラグの製造方法 Pending JP2001316141A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008247715A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Jfe Steel Kk セメント向け高炉水砕スラグの選別方法及びセメント組成物の製造方法
JP2015101528A (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 Jfeスチール株式会社 土木用資材及びその製造方法

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