JP2001315353A - インクジェットのプリンタヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク供給管からマニホールド内の共通イン
ク室までのインクの流路において、インクを噴射したと
きの圧力変動で発生する気泡や製造時に発生した異物を
除去するとともに、供給されたインクの異物等を除去す
るプリンタヘッドのフィルタを提供することである。 【解決手段】 プリンタヘッドの共通インク室にフィル
タを設け、フィルタからインクを噴射するインク噴射チ
ャンネルまでの、インクの流路の長さを短縮させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットの
プリンタヘッドに関し、特にインク内の気泡や異物等を
除去するフィルタに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のインクジェット装置は、インクを
貯蔵するインクタンクからインク供給管を通して、イン
クを噴射するプリンタヘッドにインクを供給している。
供給されるインク内に異物や気泡があると、印字不良が
発生し易くなるため、インク供給管にフィルタを設けて
プリンタヘッドに供給するインクから異物等を除去して
いる。

【０００３】図１は、従来のインクジェットのプリンタ
ヘッドの模式図である。プリンタヘッド１は、内部に形
成されたインクを噴射するインク噴射チャンネルからイ
ンクを噴射するアクチュエータ１０、インク噴射チャン
ネルにインクを供給するマニホールド２０、インク供給
管５２、インク受け入れ口５０等から成る。図示しない
インクジェット装置のインクタンクに貯蔵されたインク
は、インク受け入れ口５０、インク供給管５２を通り、
マニホールド２０からアクチュエータ１０に供給され
る。供給されるインク内に異物や気泡があると、インク
噴射チャンネルが目詰まり等の印字不良が発生し易くな
るため、異物等の除去を行う必要がある。異物等の除去
は、メッシュ状のフィルタ２５を収納ケース５３に収納
し、インク供給管５２にインクが流入する入り口に収納
ケース５３を接続する。接続したフィルタ２５に供給さ
れたインクが通過するとインク内の異物等が除去され
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、異物等
を除去するフィルタをインク供給管の入り口に設けてい
るので、インク供給管からマニホールド内の共通インク
室までのインクの流路において、インクを噴射したとき
の圧力変動で発生する気泡や、製造時に発生した異物を
除去することができない。

【０００５】本発明の目的は上記問題を鑑みて、効果的
に異物を除去するプリンタヘッドのフィルタを提供する
ことである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は以下の手段に
より達成される。

【０００７】（１）インクを噴射するインク噴射チャン
ネルを有するアクチュエータと、前記アクチュエータに
密着してインクを供給する共通インク室を有するマニホ
ールドと、を有するインクジェットのプリンタヘッドに
おいて、前記共通インク室は、前記アクチュエータに供
給するインクが通過するフィルタを備えることを特徴と
するインクジェットのプリンタヘッド。

【０００８】（２）２列に配列されたインクを噴射する
インク噴射チャンネルを有するアクチュエータと、前記
アクチュエータの前記インク噴射チャンネルに、インク
を供給する共通インク室を有するマニホールドと、を有
し、前記インク噴射チャンネルの配列方向に、前記アク
チュエータを２つの前記マニホールドで挟んだ構造のイ
ンクジェットのプリンタヘッドにおいて、２つの前記マ
ニホールドそれぞれの前記共通インク室は、前記アクチ
ュエータに供給するインクが通過するフィルタを備える
ことを特徴とするインクジェットのプリンタヘッド。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明に係わる実施の形態の一例
を以下、図面に基づいて説明する。

【００１０】最初にプリンタヘッドへのインクの供給
を、以下に説明する。図２は、インクジェットのプリン
タヘッドの模式図である。図において、プリンタヘッド
１は、上部、下部カバーを外した状態である。

【００１１】プリンタヘッド１は、アクチュエータ１
０、マニホールド２０、３０、インク受け入れ口５０、
インク供給管５２を有している。図示しないインクジェ
ット装置のインクタンクに貯蔵されたインクは、装置本
体側のインク供給口５１と接続するインク受け入れ口５
０からプリンタヘッド１に供給される。供給されたイン
クは、インク供給管５２からマニホールド２０とマニホ
ールド３０に分岐し、マニホールド２０、３０の共通イ
ンク室からインクを噴射するアクチュエータ１０に導か
れる。

【００１２】図３は、プリンタヘッドのアクチュエータ
とマニホールドを分離したときの模式図である。

【００１３】アクチュエータ１０は、内部に２列に配列
して形成されたインクを噴射するインク噴射チャンネル
を有している。インク噴射チャンネルは、装置本体の制
御部とＦＰＣ（フレキシブルプリントサーキット）５５
を介して、電気的に接続され、インク噴射チャンネル内
のインクが制御部から送られる制御信号に応じて、ノズ
ルパネル１２の穴から噴射する。

【００１４】マニホールド２０はインク噴射チャンネル
の１列に、マニホールド３０はインク噴射チャンネルの
もう一方の１列に、マニホールド内に設けられた共通イ
ンク室からインク噴射チャンネル毎のインク流路１４Ａ
を介してインクを供給する。マニホールド２０の共通イ
ンク室にフィルタ２６Ａ、マニホールド３０の共通イン
ク室にフィルタ２６Ｂが設けられ、インク噴射チャンネ
ルに供給するインクが通過する。フィルタ２６Ａ、２６
Ｂは、メッシュ形状のステンレス等の合金鋼から成る濾
過器で、インクを通過させてインク内の異物や気泡を除
去する。フィルタ２６Ａ、２６Ｂの異物等を除去する能
力は、インク噴射チャンネルの径の大きさに応じて決定
される。例えば、インク噴射チャンネル内の最も狭い内
径が２０μｍであれば、フィルタに要求される除去能力
は、少なくとも２０μｍ以下となる。マニホールドの共
通インク室の説明は、後述する。

【００１５】プリンタヘッド１は、アクチュエータ１０
の溝１６とマニホールド２０の突起２１、アクチュエー
タ１０の溝１７とマニホールド３０の突起３１、を嵌合
させて接着剤により接着し、一体化され、アクチュエー
タ１０のインク噴射チャンネルの配列方向に、２つのマ
ニホールド２０、３０で挟んだ構造となる。

【００１６】次に、フィルタを備えた共通インク室につ
いて以下に説明する。図４は、プリンタヘッドの断面の
模式図で、図２において、プリンタヘッドをＰ−Ｑで切
断し、Ｖ−Ｖ方向にみた断面である。

【００１７】インク供給管５２から供給されたインク
は、マニホールド２０の流路２７Ａとマニホールド３０
の流路２７Ｂに分岐する。流路２７Ａに分岐したインク
は、流路２７Ａを覆うように設けられたフィルタ２６Ａ
を通過して、共通インク室２５Ａに導かれる。マニホー
ルド２０の共通インク室２５Ａは、アクチュエータ１０
とマニホールド２０を一体化したときに形成される。こ
のため、共通インク室２５Ａの壁面は、アクチュエータ
１０の壁面、マニホールド２０の壁面、フィルタ２６Ａ
で構成される。共通インク室２５Ａに導かれたインク
は、アクチュエータ１０のインク流路１４Ａからインク
噴射チャンネル１５Ａに供給される。ここで、共通イン
ク室２５Ａに設けたフィルタ２６Ａは、アクチュエータ
１０の入り口のインク流路１４Ａを覆うように設けても
良い。

【００１８】アクチュエータ１０がセラミック部材から
成る圧電素子のときは、圧電素子の圧力によりインク噴
射チャンネル１５Ａからインクを噴射するが、インク噴
射チャンネルの位置によってインクの流路抵抗が異なる
と、インク噴射にバラツキが発生する。そこで、フィル
タを備えた共通インク室２５Ａを設けると、異物等を除
去するとともに、流路抵抗のバラツキを低減できるので
より好ましい。

【００１９】また、インク噴射チャンネル１５Ａがイン
クを噴射するときに、共通インク室２５Ａ内に気泡があ
ると、インクを噴射させる圧力を気泡が吸収してしま
い、インク噴射能力が減少する。このため、共通インク
室２５Ａはインクで充填されている。

【００２０】マニホールド３０の流路２７Ｂに分岐した
インクも同様に、フィルタ２６Ｂを通過して、共通イン
ク室２５Ｂからアクチュエータ１０のインク噴射チャン
ネル１５Ｂに供給される。インクジェット装置は、上記
と同様の構成のプリンタヘッドを複数個並列に設けて、
複数色の印字、高密度印字、高速印字等をおこなっても
良い。

【００２１】図５は、ノズルパネル側から見た別の形態
のプリンタヘッドである。プリンタヘッド１は、１列の
インク噴射チャンネルを有するアクチュエータ１０と、
アクチュエータ１０に密着してインクを供給する共通イ
ンク室を有するマニホールド２０と、を有する。

【００２２】マニホールド２０のインク噴射チャンネル
へのインクの供給は、インク供給管から分岐したインク
を２つの共通インク室２５Ａから行っている。駆動して
インクを噴射するインク噴射チャンネルは、駆動しない
インク噴射チャンネル内のインクを引き込むと、駆動し
ないチャンネルの負圧が高くなり、ノズルパネルから気
泡を巻き込んでしまうことがある。そこで、マニホール
ド２０は、複数の共通インク室２５Ａを設け、インク噴
射チャンネルに供給するインクの流路抵抗を下げて、負
圧の低減を行っている。さらに、複数の共通インク室２
５Ａそれぞれにインクが流入する流路２７Ａを覆うよう
にフィルタ２６Ａを設けているため、フィルタ２６Ａの
小型化が図れる。

【００２３】また、マニホールド２０の共通インク室
は、流路抵抗は下げる流線形状にして、１つの共通イン
ク室にフィルタを設けた構成でも良い。

【００２４】

【発明の効果】本発明により、マニホールド内にフィル
タを設けたので、インク噴射チャンネルまでのインクの
流路の長さが短くなったため、製造時の異物の混入や、
インク噴射時の気泡の影響が低下したプリンタヘッドが
提供された。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のインクジェットのプリンタヘッドの模式
図である。

【図２】本発明にかかるインクジェットのプリンタヘッ
ドの模式図である。

【図３】プリンタヘッドのアクチュエータとマニホール
ドを分離したときの模式図である。

【図４】プリンタヘッドの断面の模式図である。

【図５】ノズルパネル側から見た別の形態のプリンタヘ
ッドである。

【符号の説明】

１０ アクチュエータ １２ ノズルパネル １４Ａ インク流路 １５Ａ インク噴射チャンネル ２０ マニホールド ２５Ａ 共通インク室 ２６Ａ フィルタ ２７Ａ 流路 ３０ マニホールド ５５ ＦＰＣ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2C056 EA15 EA26 FA04 HA05 KB25 2C057 AF78 AF80 AG68 AG77 BA05 BA14

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクを噴射するインク噴射チャンネル
   を有するアクチュエータと、 前記アクチュエータに密着してインクを供給する共通イ
   ンク室を有するマニホールドと、を有するインクジェッ
   トのプリンタヘッドにおいて、 前記共通インク室は、前記アクチュエータに供給するイ
   ンクが通過するフィルタを備えることを特徴とするイン
   クジェットのプリンタヘッド。
2. 【請求項２】 前記マニホールドは、複数の共通インク
   室を有し、 前記複数の共通インク室毎に、前記フィルタを備えるこ
   とを特徴とする請求項１に記載のインクジェットのプリ
   ンタヘッド。
3. 【請求項３】 前記フィルタは、前記共通インク室の壁
   面を構成していることを特徴とする請求項１または請求
   項２に記載のインクジェットのプリンタヘッド。
4. 【請求項４】 ２列に配列されたインクを噴射するイン
   ク噴射チャンネルを有するアクチュエータと、 前記アクチュエータの前記インク噴射チャンネルに、イ
   ンクを供給する共通インク室を有するマニホールドと、
   を有し、 前記インク噴射チャンネルの配列方向に、前記アクチュ
   エータを２つの前記マニホールドで挟んだ構造のインク
   ジェットのプリンタヘッドにおいて、 ２つの前記マニホールドそれぞれの前記共通インク室
   は、前記アクチュエータに供給するインクが通過するフ
   ィルタを備えることを特徴とするインクジェットのプリ
   ンタヘッド。
5. 【請求項５】 前記アクチュエータは、セラミック部材
   から成る圧電素子であることを特徴とする請求項１から
   請求項４のいずれか１項に記載のインクジェットのプリ
   ンタヘッド。