JP2001315051A - ワイヤソー及びワイヤソーによる切削加工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸方向の往復運動を繰り返すワイヤソーによ
る切削加工に於て、所定の一定速度で移動しているとき
にのみ切削加工を行わせ得るワイヤソーを提供するこ
と。被加工物を所定の厚さに且つ均一な高品質の加工面
に切削し得るワイヤソーによる切削加工方法を提供する
こと。 【解決手段】 所定長さのワイヤの、往復運動中に停止
状態から増速して被加工物と所定の一定速度で対向する
部位にのみ砥粒を固定してワイヤソーとする。すなわ
ち、所定長さのワイヤの略中間部に砥粒を固定して切り
刃部を形成し、該切り刃部の両側に砥粒が固定されてい
ない素地部を形成し、往復運動の運動条件に応じて、該
往復運動に於ける増速運動及び減速運動時には前記素地
部が被加工物に対向し、等速運動時にのみ前記切り刃部
が被加工物に対向するような寸法条件に前記切り刃部及
び素地部を形成してなるワイヤソーにより切削加工す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤの周囲に砥
粒を固定してなるワイヤソーに関し、特にワイヤの軸方
向に被加工物に対して相対的に所定ストロークで往復運
動を繰り返す態様で使用されるワイヤソーに関する。ま
た、本発明は、ワイヤソーを用いて被加工物を切削する
加工方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】特公昭５８−３４２５３号公報、及び特
開平１１−１３８４１２号公報には、周囲に砥粒が固定
されたワイヤソーを所定ストロークで往復運動させて被
加工物を切削加工する装置が開示されている。このよう
な切削加工に於ては、ワイヤソーの往復運動の単位時間
当りの繰り返し数を高めることが、能率の良い加工を行
う上で肝要である。

【０００３】一方、近時、例えば工作機械のサドルやテ
ーブルあるいはラムをリニアモータにより軸移動制御す
るようになってきた。リニアモータを用いれば、従来の
回転形モータの回転出力をボールねじとナットを介して
直線運動に変換する場合よりも、はるかに応答性が良
く、立上がりの鋭い高速移動を精密にサーボ送り制御す
ることができる。ワイヤソーに於ても、ワイヤソーを緊
張状態で支持するフレームにリニアモータの移動子を固
定し、該フレームを一軸方向に移動可能に支持するベッ
ドにリニアモータの固定子を保持させて該フレームを駆
動制御すれば、往復運動の単位時間当りの繰り返し数を
高め、ワイヤソーを高速で移動させて、能率の良い切削
加工を行うことが可能である。

【０００４】しかし、このようにリニアモータを用いて
ワイヤソーの移動の高速化が実現できたとしても、加工
面の面粗度や物性あるいは加工溝幅等の加工特性が被加
工物とワイヤソーとの相対移動速度に依存するのに対
し、往復運動するワイヤソーは、停止状態から高加速度
での所定速度までの増速、所定速度での所定時間の等速
移動、高加速度（マイナス加速度）での停止状態までの
減速を繰り返し、連続的に変化する様々な移動速度で切
削加工が行われるため、被加工物を所定の厚さに且つ所
定の面粗度及び物性を有する均一な品質の加工面に切削
加工する上で未だ満足し得る状態とは言えなかった。

【０００５】しかしながら、リニアモータは、高応答で
加速性に優れていて増速時及び減速時に大きな推力が作
用するため、周期的に作用する該推力の反作用によりベ
ッドが加振され、切削加工装置全体が振動して加工精度
を悪化させる等加工に悪影響を及ぼすだけでなく、装置
を設置した床面も振動させて騒音を発生させるという問
題があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の問題
点に鑑み、ワイヤソーを被加工物に対して相対的に所定
ストロークで軸方向に繰り返し往復運動させて切削する
切削加工に於て、被加工物と所定の一定速度で相対移動
しているときにのみ切削加工を行わせ得るワイヤソーを
提供すること、また、被加工物を所定の厚さに且つ均一
な高品質の加工面に切削し得るワイヤソーによる切削加
工方法を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明のワイヤソーは、往復運動中に停止状態から
増速して被加工物と所定の一定速度で対向するワイヤ部
位にのみ砥粒が固定されてなることを特徴とする。

【０００８】また、本発明のワイヤソーによる切削加工
方法は、周囲に砥粒が固定された切り刃部が所定長さの
ワイヤの略中間部に形成され、該切り刃部の両側に砥粒
が固定されていない素地部を有するワイヤソーを使用
し、停止状態から所定速度まで増速する増速運動と、該
所定速度を維持する等速運動と、該所定速度から減速し
て停止する減速運動とを停止する毎に反転して繰り返す
態様で行われる往復運動の運動条件に応じて、前記増速
運動及び減速運動時には前記素地部が被加工物に対向
し、前記等速運動時にのみ前記切り刃部が被加工物に対
向する寸法条件に前記切り刃部及び素地部が形成されて
なるワイヤソーにより切削加工することを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図１に基づい
て説明する。図１では、説明の便宜上、ワイヤソーフレ
ーム６に所定の張力で張架支持されたワイヤソー５に対
して、被加工物１０を該ワイヤソー５の軸方向に図示し
ないリニアモータによって往復運動させて切削加工する
場合について説明する。（ワイヤソー５と被加工物１０
のどちらを往復運動させるかは相対的な問題であり、ど
ちらを往復運動させても良い。） 被加工物１０は停止状態（ｔ＝０）のＡ点から所定加速
度αで加速され、ｔ_１秒後に速度ｖ_０＝α・ｔ_１の所定
速度に増速する。このｔ_１秒間に被加工物１０はＬ_１＝
α・ｔ_１ ^２／２の距離を移動してＢ点に達する。次いで
時刻ｔ_１からｔ _２までの間、所定速度ｖ_０で等速運動を
行い、この間にＬ_２＝ｖ_０・（ｔ_２ −ｔ_１）の距離を
移動してＣ点に達する。次いで時刻ｔ_２から−αの加速
度での減速運動に移行して時刻ｔ_３に停止する。時刻ｔ
_２からｔ_３の間にＬ_３＝Ｌ_１の距離を移動してＤ点に達
する。停止後反転して、上記と同様に加速度αでの所定
速度ｖ_０までの増速、所定速度ｖ_０での等速運動、加速
度−αでの減速運動を行い、Ｄ点からＣ点、Ｂ点を経て
Ａ点に戻って停止する。往復運動の移動ストロークＬは
Ｌ_１＋Ｌ_２＋Ｌ_３＝α・ｔ_１・ｔ_２となる。このような
往復運動を繰り返す被加工物１０とワイヤソー５間に、
加工液を供給しながら両者の対向する鉛直方向に相対的
な加工送りを与えて摺接させることにより、被加工物１
０が所定溝幅で切削されて切断される。

【００１０】このような態様で行われる切削加工に於
て、本発明で使用されるワイヤソー５は、所定長さのワ
イヤ１４の略中間部の周囲に砥粒１５を固定してなる切
り刃部１６と、該切り刃部１６の両側に砥粒が固定され
ていない素地部１７を有している。そして、往復運動の
加速度α、所定速度ｖ_０、及び移動ストロークＬ若しく
は所定速度ｖ_０で等速移動する距離Ｌ_２等の各運動条件
に応じて、切り刃部１６と素地部１７の寸法が、増速運
動及び減速運動時に素地部１７が被加工物１０に対向
し、等速運動時に切り刃部１６が被加工物１０に対向す
るような寸法条件に形成されている。それで、被加工物
１０と所定の一定速度ｖ_０で対向するワイヤ１４の長さ
Ｌ_２の部位の範囲内にのみ砥粒１５が固定されていて、
切り刃部１６の両側の各素地部１７は増速及び減速時の
移動距離Ｌ_１、Ｌ_３の長さよりも長く形成されている。
そして、厳密には、砥粒１５が固定されている距離は、
被加工物１０の直径（幅）寸法をＤ_０としたとき、長さ
（Ｌ_２−Ｄ_０）であるのが最も良い。

【００１１】往復運動の移動ストロークＬが運動条件と
して所定長さに指定される場合は、ワイヤソー５は、切
り刃部１６と素地部１７を様々な寸法に形成した複数種
のワイヤソーを用意しておき、リニアモータの推力Ｆと
往復運動する移動体の質量ｍ（前述の案内軸受、スライ
ダ、ワイヤソー、ワイヤソーフレームの合計質量）とか
ら算出した往復運動の加速度αと、切削加工装置の設計
・仕様により定まっているあるいは作業者により設定さ
れる等速運動の所定速度ｖ_０から増速及び減速時の移動
距離Ｌ_１＝Ｌ_３＝ｖ_０ ^２／２αを算出し、指定移動スト
ロークＬから等速移動距離Ｌ_２を算出することにより、
切り刃部１６と素地部１７の寸法が使用に適しているワ
イヤソーが選ばれる。即ち、所定長さのワイヤ１４の略
中間部に切り刃部１６が算出長さ（Ｌ_２−Ｄ_０）以下の
長さに形成されるとともに、該切り刃部１６の両側に算
出長さＬ_１、Ｌ_３以上の長さの素地部１７を有するワイ
ヤソーを選択して使用する。これ等演算に必要な所要デ
ータ、演算結果、及び切り刃部１６と素地部１７の使用
に適した寸法条件が切削加工装置の表示装置に適宜表示
される。

【００１２】また、所定速度ｖ_０で等速移動する距離Ｌ
_２が運動条件として所定長さに指定される場合は、所定
長さのワイヤ１４の略中間部に切り刃部１６が指定長さ
（Ｌ _２−Ｄ_０）以下の長さで形成され、その両側が素地
部１７に形成されているワイヤソーを使用すれば良く、
多種類のワイヤソーを用意する必要がない。この場合、
往復運動の加速度αと所定速度ｖ_０により算出される増
速及び減速時の移動距離Ｌ_１、Ｌ_３に応じて移動ストロ
ークＬが長短変化することになるが、ワイヤソーフレー
ム６の寸法形状により制限される移動ストロークの最大
長さを超えないことは言うまでもない。

【００１３】また、前記移動体の質量ｍ及び所定速度ｖ
_０に応じ、リニアモータの推力Ｆを調整して、増速及び
減速時の移動距離Ｌ_１、Ｌ_３が所定の長さになるように
加速度αを制御するようにしても良い。この場合、移動
ストロークＬを運動条件として所定長さに指定すれば、
等速移動距離Ｌ_２も所定長さとなるから、多種類のワイ
ヤソーを用意する必要がない。

【００１４】図２は、ワイヤソーフレーム６に両端を固
定して所定張力で張架した複数本のワイヤソー５により
被加工物１０を切削加工する態様を模式的に示してお
り、前述のスライダ上に設置したフレーム６をワイヤソ
ー５の軸方向に水平に所定ストロークで往復運動させ、
加工部に加工液を供給すると共に被加工物１０にワイヤ
ソー５と対向する鉛直方向の加工送りを与えて摺接させ
ることにより、被加工物１０が所定溝幅で切削されて、
所定厚さの多数の板状体に切断される。

【００１５】ワイヤ１４としては、高張力鋼やタングス
テン、モリブデン等の高い引っ張り強さを有する通常φ
０．０５ｍｍ以上の線径の線材が使用され、これ等線材
の周囲にダイヤモンド、ＣＢＮ等の砥粒がメタルボンド
あるいはレジンボンドにより固定されてワイヤソーが作
成される。ワイヤ１４の所定長さ部位の周囲の全面に一
様に砥粒を固定したワイヤソーの他、例えば実開昭５１
−１５７０８５号公報に記載されているように、ワイヤ
１４の所定長さ部位の周囲に、所定間隔を置いて環状に
砥粒を固定したワイヤソーやスパイラル状に連続的に砥
粒を固定したワイヤソーが使用され、後二者はワイヤの
周囲に加工屑溜めが形成され、能率の良い切削加工が可
能である。被加工物１０としては、石材やシリコン単結
晶インゴット等、硬質で脆性のある材料が適しており、
これ等材料を高速に高品質に切削加工することができ
る。

【００１６】次に、以上のようなワイヤソーによって切
削加工する切削方法を実施する切削装置の実施例につき
説明する。これらの実施例は、被加工物とワイヤソーと
の相対往復移動をリニアモータを使用する送り機構によ
って行わせるように構成したものであるが、リニアモー
タ搭載機が有する、前述の装置振動や騒音発生等の欠点
を排除したものである。

【００１７】まず、第１の実施例装置は、図３及び図４
に示すように、機構的に対称に構成した二つの加工ステ
ージをベッド上に並設し、両加工ステージ上の動作が常
に対称になるように駆動制御すれば、リニアモータの推
力の反作用による加振力を相殺させて、振動の発生を防
止することができる。

【００１８】即ち、切削加工装置のベッド１上に第１の
案内軸（レール）２ａと第２の案内軸（レール）２ｂと
を水平に同一直線上に設置し、第１の案内軸２ａに案内
されて直線移動する第１の案内軸受３ａを有する第１の
スライダ４ａと、第２の案内軸２ｂに案内されて直線移
動する第２の案内軸受３ｂを有する第２のスライダ４ｂ
とを並設する。第１のスライダ４ａは第１のワイヤソー
５ａを緊張状態で支持する第１のワイヤソーフレーム６
ａを固定保持し、第２のスライダ４ｂは第２のワイヤソ
ー５ｂを緊張状態で支持する第２のワイヤソーフレーム
６ｂを固定保持する。１本または複数本からなるワイヤ
ソー５ａ，５ｂはスライダ４ａ，４ｂの移動方向と平行
に設けられている。前記両スライダ４ａ及び４ｂの夫々
に対応させてベッド１上に第１のコラム７ａと第２のコ
ラム７ｂとが並設され、二つの加工ステージが形成され
る。

【００１９】第１のコラム７ａには第１の加工ヘッド８
ａが鉛直（Ｚ軸）方向に移動可能に支持されて、Ｚ軸の
送りが与えられる。同様に第２のコラム７ｂには第２の
加工ヘッド８ｂが鉛直方向に移動可能に支持されて、Ｚ
軸の送りが与えられる。両加工ヘッド８ａ及び８ｂは夫
々第１及び第２の支持部材９ａ，９ｂを介して第１の被
加工物１０ａと第２の被加工物１０ｂを固定保持する。
また、第１のスライダ４ａの下面には第１のリニアモー
タの移動子１１ａが固定され、第２のスライダ４ｂの下
面には第２のリニアモータの移動子１１ｂが固定される
と共に、ベッド１上の第１及び第２の案内軸２ａ，２ｂ
の両部位には第１のリニアモータの固定子１２ａと第２
のリニアモータの固定子１２ｂが夫々固定設置され、前
記両スライダ４ａ及び４ｂがリニアモータによって水平
方向に駆動される。

【００２０】このように、ベッド１上に二つの加工ステ
ージを対称に並設し、前記両スライダ４ａ及び４ｂを水
平方向に往復移動させながら、加工ヘッド８ａ及び８ｂ
を下方に移動させ被加工物１０ａ，１０ｂに加工送りを
与えると共に、図示しない加工液ノズルから加工液を供
給して、ワイヤソー５ａ，５ｂによる切削加工を行う際
に、第１の加工ステージの案内軸受３ａ、スライダ４
ａ、ワイヤソー５ａ、ワイヤソーフレーム６ａの合計質
量ｍ_１と、第２の加工ステージの案内軸受３ｂ、スライ
ダ４ｂ、ワイヤソー５ｂ、ワイヤソーフレーム６ｂの合
計質量ｍ_２とを等しく構成し、第１のリニアモータと第
２のリニアモータを同期させて逆向きに同じ加速度αで
動作させて、両スライダ４ａ及び４ｂを矢印のように常
に逆向きに所定ストロークで往復移動させるようにすれ
ば、両リニアモータの増速時及び減速時の推力の各反作
用が相殺され、ベッド１に対する周期的な加振力が打ち
消され、ベッド１及び床面の振動が防止される。

【００２１】また、加工ステージが一つで足りる場合に
は、第２の実施例装置として示す図５のように、第２の
加工ステージに代えて、振動防止用のダミースライダ１
３を設けるようにしても良い。この場合、ベッド１及び
床面の振動を防止するには、同期して逆向きに駆動され
る両リニアモータの各推力を等しくすればよいのである
から、ダミースライダ１３と案内軸受３ｂの合計質量ｍ
_ｄを第１の加工ステージの前記合計質量ｍ_１よりも十分
に大きく構成し、推力Ｆ＝ｍ_１・α＝ｍ_ｄ・α _ｄとなる
ように第１のリニアモータとダミースライダ１３用の第
２のリニアモータを動作させれば、α_ｄがαより小さく
なるので、図５に矢印で示すようにダミースライダ１３
の往復移動ストロークをスライダ４ａのそれよりも短く
して、ベッド１を小さく構成することができる。

【００２２】また、リニアモータによる増速時及び減速
時の推力の反作用によるベッドの振動を防止するには、
図６に示す第３の実施例装置のように、ダミースライダ
１３を第１の加工ステージの下方のベッド１内部に設
け、第１の加工ステージ用の第１のリニアモータとダミ
ースライダ１３用の第２のリニアモータを矢印のように
同期させて逆向きに動作させるようにしても良い。この
場合は、両リニアモータの推力の各反作用が横梁をはさ
んで偶力として働くが、反力間の距離が小さいので図
３、図４、及び図５の場合と同様に振動防止効果が得ら
れ、さらに、ベッド１の設置面積を小さく構成すること
ができる。

【００２３】このようにリニアモータを用いて、ワイヤ
ソーを所定ストロークで往復運動させることにより、ベ
ッドや床面の振動、騒音の発生を防止して、高速の切削
加工を行うことができる。

【００２４】

【発明の効果】以上述べたとおり、本発明によれば、ワ
イヤソーと被加工物とが該ワイヤソーの軸方向に所定の
一定速度で相対移動するときにのみ切削加工を行わせる
ことができ、被加工物を所定の面粗度及び物性を有する
均一な高品質の加工面に切削加工することができ、所定
の厚さに精度良く切断することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を説明する説明図。

【図２】本発明のワイヤソーにより被加工物を切削加工
する態様を示す模式図。

【図３】リニアモータの推力の反作用によるベッドへの
加振を防止する構成のワイヤソー切削加工装置の第１実
施例の正面図。

【図４】リニアモータの推力の反作用によるベッドへの
加振を防止する構成のワイヤソー切削加工装置の第１実
施例の側面図。

【図５】リニアモータの推力の反作用によるベッドへの
加振を防止する他の構成のワイヤソー切削加工装置の第
２の実施例の正面図。

【図６】リニアモータの推力の反作用によるベッドへの
加振を防止する他の構成のワイヤソー切削加工装置の第
３の実施例の正面図。

【符号の説明】

１ ベッド ２ａ 第１の案内軸 ２ｂ 第２の案内軸 ３ａ 第１の案内軸受 ３ｂ 第２の案内軸受 ４ａ 第１のスライダ ４ｂ 第２のスライダ ５ ワイヤソー ５ａ 第１のワイヤソー ５ｂ 第２のワイヤソー ６ ワイヤソーフレーム ６ａ 第１のワイヤソーフレーム ６ｂ 第２のワイヤソーフレーム ７ａ 第１のコラム ７ｂ 第２のコラム ８ａ 第１の加工ヘッド ８ｂ 第２の加工ヘッド ９ａ 第１の支持部材 ９ｂ 第２の支持部材 １０ 被加工物 １０ａ 第１の被加工物 １０ｂ 第２の被加工物 １１ａ 第１のリニアモータの移動子 １１ｂ 第２のリニアモータの移動子 １２ａ 第１のリニアモータの固定子 １２ｂ 第２のリニアモータの固定子 １３ ダミースライダ １４ ワイヤ １５ 砥粒 １６ 切り刃部 １７ 素地部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定長さのワイヤの周囲に砥粒が固定さ
   れてなり、対向配置された被加工物に対して該ワイヤの
   軸方向に所定ストロークの相対的な往復運動を繰り返し
   て切削加工を行うワイヤソーに於て、前記所定長さのワ
   イヤの、前記往復運動中に停止状態から増速して被加工
   物と所定の一定速度で対向する部位にのみ砥粒が固定さ
   れてなることを特徴とするワイヤソー。
2. 【請求項２】 所定長さのワイヤの周囲に砥粒が固定さ
   れてなるワイヤソーに被加工物を対向配置し、該ワイヤ
   ソーを被加工物に対して軸方向に所定ストロークで繰り
   返し相対的に往復運動させて切削加工するワイヤソーに
   よる切削加工方法に於て、周囲に砥粒が固定された切り
   刃部が前記所定長さのワイヤの略中間部に形成され、該
   切り刃部の両側に砥粒が固定されていない素地部を有す
   るワイヤソーを使用し、停止状態から所定速度まで増速
   する増速運動と、該所定速度を維持する等速運動と、該
   所定速度から減速して停止する減速運動とを停止する毎
   に反転して繰り返す態様で行われる前記往復運動の運動
   条件に応じて、前記増速運動及び減速運動時には前記素
   地部が被加工物に対向し、前記等速運動時にのみ前記切
   り刃部が被加工物に対向する寸法条件に前記切り刃部及
   び素地部が形成されてなるワイヤソーにより切削加工す
   ることを特徴とするワイヤソーによる切削加工方法。