JP2001314193A - Icrac変調物質をスクリーニングする方法および組成物 - Google Patents

Icrac変調物質をスクリーニングする方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞中のカルシウムチャンネル、好ましくは
細胞中のカルシウム放出活性化チャンネルの活性を変調
する化合物のスクリーニングまたは特徴づけに向けた組
成物および方法の提供。 【解決手段】 (a)検査化合物およびカルシウムチャ
ンネル活性化剤、好ましくはIcrac活性化剤を、カ
ルシウムチャンネル発現細胞、好ましくはNFAT誘導
性プロモーターの制御下でレポーター遺伝子を含むレポ
ーター構成物を含有するIcrac発現細胞、の集団と
接触させ、(b)カルシウム放出活性化チャンネルにお
ける検査化合物の活性を、前記細胞中のレポーター遺伝
子発現を評価することにより決定することを含む、カル
シウムチャンネル活性を変調する化合物のスクリーニン
グ方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概して、細胞内の
カルシウム流入またはカルシウムの仲介による活性を変
調する化合物をスクリーニングする組成物および方法に
関する。より明確には、本発明は、細胞に基づくアッセ
イなど、細胞中のカルシウム放出活性化チャンネルの活
性を変調する化合物のスクリーニングおよび特徴づけに
向けた組成物および方法を開示する。その組成物および
方法を用いて、前記チャンネルの阻害剤または活性化剤
を生成することが可能であり、それは種々の病的状態を
処置するための模範または有望な治療薬を意味する。
【0002】
【従来の技術】カルシウム流入および調節は、エキソサ
イトーシス、遺伝子発現、細胞分化、細胞活性化、収
縮、など興奮性および非興奮性の両者の哺乳類細胞にお
ける多くの細胞処理に重大な役割を演じる。免疫細胞の
ような非興奮性細胞では、カルシウム濃度および流入
は、本質的に主に電位非依存性Ca++チャンネル(容量
性カルシウム流入(CCE)と呼ばれる場合もある)に
調節され、貯蔵部位操作チャンネル(store-operated c
hannels)(SOC)または受容体操作チャンネル(rec
eptor-operated channels)(ROC)を表す。これら
のチャンネルの活性は、カルシウム流入の調節には必須
で、例えば細胞活性化または成熟のような多くの重要な
細胞処理に直接関与する。貯蔵部位操作カルシウムチャ
ンネルの特に重要な型が、カルシウム放出活性化チャン
ネル(Icrac)であり、細胞内カルシウム貯蔵の枯
渇に応答して開口し、種々の細胞内形質導入シグナルを
仲介する。
【0003】例えば、Icracチャンネルは、T細胞
受容体(TCR)への抗原の結合の後のT細胞活性化に
関わる。Tリンパ球の完全な活性化は、TCR/CD3
複合体およびCD2、CD4、またはCD28の刺激に
よる(レビュー(1)を参照)。T細胞の抗原性刺激の
際(2)、活性化したT細胞の核因子(NFAT)が、
インターロイキン、IFN−γ、またはTNF−αなど
の免疫調節分子の生成に必要とされる(3)。NFAT
は、核に移行した、休止したT細胞およびB細胞のよう
な免疫変調細胞で発現される構成的細胞質成分、ならび
にfosおよびjun属蛋白質の二量体からなる誘導性
核成分(inducible nuclear component)を含む複合体
である。Ca++/カルモジュリン依存性セリン/トレオ
ニンホスファターゼであるカルシニューリンの細胞質成
分の脱リン酸化は、核へのそれの移行を誘導する
(4)。カルシウム細胞内プールの欠乏からもたらされ
る最初の一過性増加を超えた〔Ca++i レベルの長期
上昇は、カルシニューリンホスファターゼを活性化状態
に維持するために必要とされる。外部成分によるT細胞
のような免疫変調細胞の刺激の後は、このカルシウム動
員が容量性カルシウム流入、Ca++貯蔵の枯渇により開
始する処理、および特異的カルシウム放出活性化Ca++
チャンネル(Icrac)を通した細胞外カルシウムの
流入の結果である(5、6)。容量性Ca++流入は、T
−CR、B−CR、高親和性IgE受容体(FсεR
I)、およびIgG受容体(FсγRI)(PLCγお
よびIP3受容体活性化を介した)などの種々の受容
体、CD40(3)の刺激により、またはカルシウムイ
オノフォア(6、7)により引き起こされる。小胞体C
++/ATPアーゼポンプの阻害剤(タプシガルギン
(TG)(Thastrup et al., PNAS 87(1990) 2466、参
考資料(9))またはシクロピアゾン酸(CPA)
(8))は、細胞内カルシウム貯蔵を直接枯渇させ、I
crac活性化を導く。
【0004】Icracが、T細胞のようなその他の血
液細胞により発現されることも示されている。インター
ロイキン生成におけるそれの役割のために、Icrac
は、新規な抗炎症剤および免疫抑制剤として非常に興味
深いターゲットまたは模範化合物と見られている。その
上近年になって、Icracと同様の流れが内皮細胞
(Am. J. Physiol. 269 (1995) C733、参考資料(1
0))および上皮細胞(J.Biol. Chem. 270 (1995) 16
9、参考資料(12))にも存在することが明らかとな
った。根本的なダメージがこれらの細胞におけるCa++
流入に関連する可能性があるため、Icrac遮断物質
は正の影響を有すると考えられる。加えて、Ca++流入
の遮断はIL2合成の遮断を導くため、Icrac遮断
物質は、悪性腫瘍などの増殖性または進行性疾患に潜在
的に有用である。
【0005】このようにIcracは、高い治療的潜在
性を備えた化合物をスクリーニングするための非常に強
力なターゲットを意味している。しかし、このターゲッ
トの使用は今日まで、このチャンネルが当該技術分野で
単離またはクローニングされていないという事実に阻ま
れてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Icrac
変調物質を有効にスクリーニングさせる組成物および方
法を提供する。本発明は、Icrac活性に対するあら
ゆる検査化合物の影響を選択的かつ有効に決定させる、
細胞に基づくアッセイを開示する。本発明の方法を用
い、疑陽性の数を減少させることにより、高処理能力の
原理で化合物のライブラリーなど大量の検査化合物のス
クリーニングを可能にして、あらゆる化合物の影響の選
択性増大および容易なモニタリングを提供する。Icr
ac変調物質は、自己免疫疾患、炎症、アレルギー、喘
息のような免疫関連疾患、癌、またはその他の細胞増殖
性障害など、種々の病的状態を処置または軽減する潜在
性の高い模範、または有望な薬物を意味する。
【0007】本発明によると、方法は、カルシウムチャ
ンネル活性、好ましくはカルシウム放出活性化チャンネ
ル(Icrac)活性を変調する化合物のスクリーニン
グのために提供され、 a.検査化合物および選択的カルシウムチャンネル活性
化剤、好ましくはIcrac活性化剤を、カルシウムチ
ャンネル発現細胞、好ましくはIcrac発現細胞、の
集団と接触させ、前記細胞がNFAT誘導性プロモータ
ーの制御下でレポーター遺伝子を含むレポーター構成物
をさらに含有し、 b.カルシウム放出活性化チャンネルにおける検査化合
物の活性を、前記細胞中のレポーター遺伝子の発現を評
価することにより決定すること、を含む。
【0008】特定の実施態様においては、レポーター遺
伝子発現の決定は、(i)a)の細胞をレポーター遺伝
子発現生成物の基質と接触させ、(ii)カルシウム放出
活性化チャンネルにおける検査化合物の活性を、前記細
胞中の基質の加水分解を評価することにより決定するこ
と、を含む。
【0009】レポーター遺伝子発現(例えば基質の加水
分解)は、検査化合物の活性に直接相関する可能性があ
り、検査化合物が非存在下の対照的状況と比較して、高
い発現レベル(例えば、高レベルの加水分解生成物)ま
たは(加水分解生成物の)発現レベルの上昇は、化合物
がIcracを刺激することを示し、検査化合物が非存
在下の対照的状況と比較して、低い発現レベル(例え
ば、低レベルの加水分解生成物)または(加水分解生成
物の)発現レベルの低下は、化合物がIcracを阻害
することを示している。
【0010】好ましい実施態様においては、プロテイン
キナーゼC(PKC)を優先的に活性化しない選択的I
crac活性化剤と細胞を接触させる。より好ましく
は、選択的Icrac活性化剤は、ホルボールエステル
ミリステートアセテート(PMA)を含有していない。
【0011】好ましい実施態様によると、レポーター遺
伝子はβ−ラクタマーゼ遺伝子であり、基質はβ−ラク
タマーゼの基質である。
【0012】その他の好ましい実施態様によると、基質
はレシオメトリーの基質(ratiometric substrate)で
あり、かつ/またはIcrac発現細胞の集団は、血液
細胞、詳細にはリンパ球または肥満細胞、の培養物を含
む。
【0013】本明細書の特定の変形例においては、その
方法は、これらの化合物のいずれが非NFAT依存的手
法でレポーター遺伝子生成物(例えばβ−ラクタマー
ゼ)の発現活性を変調するかを決定するために、上記の
段階b)で検出された活性検査化合物のスクリーニング
をさらに含む。この第二のスクリーニングは、Icra
cを特異的に変調することなくβ−ラクタマーゼ活性、
より一般には細胞代謝を変調する種々の検査化合物(例
えば、細胞毒性化合物、DNAまたは細胞内の蛋白質合
成を変化させる化合物)を排除することにより、その方
法の選択性を増大させる。
【0014】Icracに無関係なヒット(hits)を可
能な限り多く棄却するために、上述の第二のアッセイに
加えて別の第二のアッセイを実施してもよい。このアッ
セイは、NFAT作動遺伝子レポーター発現(NFAT-dri
ven gene receptor expression)がムスカリン受容体1
(M1)のようなGq結合受容体(Gq-coupled recepto
r)の活性化により引き起こされる安定な細胞系を用い
る。この場合、活性化経路の唯一の差異は、きっかけ自
体(IcracまたはM1)自体であるが、全体的な下
流処理は同一のままである。
【0015】本発明を使用して、連続または並行して化
合物のライブラリー(例えば組合せライブラリー)など
種々の検査化合物をスクリーニングすること、およびI
crac遮断物質または刺激物質を同定することが可能
である。本発明は、Icrac変調物質の活性をアッセ
イするためにも適用可能である。
【0016】本発明のその他の様相は、上記方法の実施
において細胞培養、支持体、およびその他の試薬を使用
し、加えて製薬学的目的で前記Icrac変調物質を使
用するキットに存在する。
【0017】
【発明の実施の形態】上に示したように、本発明は、I
cracチャンネルの活性を分析して、前記活性を変調
する化合物をスクリーニングする組成物および方法を提
供する。本発明は、レポーター遺伝子系を介してIcr
ac活性化を特異的に検出させる組成物および方法を記
載する。本発明は、大量の化合物の高処理能力スクリー
ニングに適しており、これまでの戦略により可能であっ
たものよりカルシウムチャンネルに対する選択性の高い
化合物を同定させる。以下に論じるように、本発明の方
法および組成物は、重要な利点および広範囲の適用を提
供する。
【0018】カルシウムチャンネルは、原形質膜を通し
たカルシウムの輸送を援助し、細胞およびその環境の間
のカルシウム流入を調節する。カルシウムチャンネル
は、それらの動態的プロファイルならびに細胞型の生理
学および病理学で特徴づけることが可能である。
【0019】本発明は、より明確には、レポーター系の
使用に基づいてIcrac活性を測定する。より詳細に
は、本発明は、細胞内レポーター遺伝子生成物の、Ic
racが誘導するNFAT依存性生成物をモニタリング
するレポーター系を用いる。上に示したように、NFA
T(活性化したT細胞の核因子)は、Icrac刺激に
応答してT細胞内で生成され、活性化される。NFAT
は、休止したT細胞で発現される構成的細胞質成分、な
らびにfosおよびjun属蛋白質の二量体からなる誘
導性核成分を包含する分子複合体である。Icrac刺
激およびIcracによるカルシウム流入の際、NFA
Tcは核に移行して、そこでそれは特定のDNA領域
(NFAT応答性または誘導性プロモーター領域)に特
異的に結合し、遺伝子発現を仲介する。このようにNF
ATは、細胞内、詳細には免疫系細胞内の興味深いIc
rac活性マーカーを意味する。
【0020】しかし、NFAT生成/移行は、例えばプ
ロテインキナーゼC(PKC)経路など、細胞中のその
他のシグナル経路からもたらされても、または影響され
てもよい。詳細には、第二の経路の成分の多くが、NF
ATプロモーターの活性化、および結果としてアッセイ
の読み取りと相互作用することは周知である(図1参
照)。それらのうちの一つとして、AP−1活性化剤
(例えばPLCγ/PKC経路)またはカルシニューリ
ン非依存性NFAT脱リン酸化経路(CD28/P13
キナーゼ経路)を引用することが可能である。
【0021】本発明は、Icracが誘導する細胞内レ
ポーター分子の特異的生成をモニタリングすることによ
りIcrac活性をスクリーニングすることをここに提
案する。本発明は、より明確には、信頼性のある手法で
Icrac活性を特異的にモニタリングさせる新規な細
胞レポーターアッセイを提供する。
【0022】本発明の第一の目的は、より明確には、カ
ルシウムチャンネル活性、好ましくはカルシウム放出活
性化チャンネル(Icrac)活性、を変調する化合物
をスクリーニングする方法に存し、 a.検査化合物および選択的カルシウムチャンネル活性
化剤、好ましくはIcrac活性化剤を、カルシウムチ
ャンネル発現細胞、好ましくはIcrac発現細胞、の
集団と接触させ、前記細胞がNFAT誘導性プロモータ
ーの制御下でレポーター遺伝子を含むレポーター構成物
をさらに含有し、 b.カルシウムチャンネル、好ましくはカルシウム放出
活性化チャンネル、における検査化合物の活性を、レポ
ーター遺伝子発現を測定することにより決定すること、
を含む。
【0023】好ましい実施態様においては、段階a)の
Icrac活性化剤(直接的または間接的)は、内部カ
ルシウム貯蔵を選択的に枯渇させる可能な選択的Icr
ac活性化剤(例えばあらゆる生成物、処置剤、または
条件)である。より好ましくは、選択的活性化剤は、そ
の方法のより高い選択性を確実にするために、PKCの
ような代替のシグナル経路のあらゆる同時刺激物質(co
-stimulator)を含有しない。
【0024】別の好ましい実施態様においては、その方
法は、非NFAT依存的手法で、または異なる活性化経
路を通してレポーター遺伝子発現を変調する化合物のス
クリーニングをさらに含む。
【0025】その方法の各段階および/または要素を、
より詳細にここに記載する。
【0026】細胞集団 本発明は、種々の化合物および試薬を、カルシウムチャ
ンネル発現細胞、好ましくは特定のレポーター構成物を
含有するIcrac発現細胞、の集団と接触させること
を含む。
【0027】本発明で用いられる細胞集団は、好ましく
は血液細胞、上皮細胞、または内皮細胞のような哺乳類
Icrac発現細胞を含む。好ましい細胞集団は、例え
ばリンパ球(詳細にはTおよびBリンパ球)、肥満細
胞、または樹状細胞のような血液細胞を含む。細胞は、
好ましくは培養し保存し得る細胞系として確立されてい
る。細胞は、ヒト、げっ歯類、ウシ、ブタ、イヌなど種
々の哺乳類起源のものであってもよい。好ましい細胞
は、ヒトまたはげっ歯類(例えばマウス、ラット)起源
のものである。そのような細胞の典型的な例は、ジャー
カットT細胞系およびP815肥満細胞系を包含する。
あらゆるその他のIcrac発現細胞を本発明に用いて
もよいことは、理解されるはずである。
【0028】このことに関連して、本発明の目的は、以
下に記載するレポーター構成物を含有するリンパ球(ま
たはリンパ球由来細胞)に加え、肥満細胞(または肥満
細胞由来細胞)の培養物に存する。より明確には、本発
明は、以下に記載するようなレポーター構成物を含む、
P815細胞系のようなあらゆる肥満細胞由来細胞系に
関する。
【0029】本発明は、以下に記載するようなレポータ
ー構成物を含む、げっ歯類免疫細胞のあらゆる集団、詳
細にはマウスまたはラット免疫細胞のあらゆる集団にも
関する。本発明は、そのような細胞の生成を記載し、そ
れらを用いてIcracによるNFAT依存性β−ラク
タマーゼ生成を効力、感受性、および再現性を備えなが
らスクリーニングし得ることを実証する。
【0030】本発明を実施するために、純粋な細胞集団
を用いる必要はない。詳細には、細胞集団は、非Icr
ac発現細胞またはレポーター構成物を含有しない細胞
を20%含んでいてもよい。しかし、その方法の効力お
よび感受性を増大させるために、Icracチャンネル
を発現し、レポーター系を含有する細胞を好ましくは少
なくとも80%含む細胞集団を使用することが好まし
い。より好ましくは、細胞集団は、これらの細胞を少な
くとも85%、最も好ましくは少なくとも90%含む。
【0031】その細胞に含有されるレポーター構成物
は、NFAT誘導性プロモーターの制御下のレポーター
遺伝子を含む。構成物は、プラスミド、ベクター、ウイ
ルス、エピソーム、YACなどに、即ち細胞内の構成物
を維持させるあらゆる適当な遺伝子系に組入れられるこ
とが可能である。本発明の典型的なレポーター構成物
は、少なくとも1コピーのレポーター遺伝子およびプロ
モーターが挿入されている、pcDNAIII、pUCの
ようなプラスミドを含む。プラスミドは、マーカー遺伝
子をさらに含んで、レポーター構成物を含有する組換え
細胞を選択させてもよい。別法として、組換え、トラン
スポゾン、ウイルス組込みなどあらゆる従来の技術によ
り、レポーター構成物を細胞のゲノムへ組込んでもよ
い。好ましい実施態様においては、レポーター構成物を
染色体外ベクターを用いて細胞中に安定に導入する。よ
り好ましくは、構成物は、選択圧下で幾度か(好ましく
は100回)の細胞分裂の後に、細胞中に存在し続ける
ほど安定である。
【0032】レポーター遺伝子は、細胞中の存在が決定
され得る生成物をコード化するあらゆる核酸であること
が可能である。レポーター遺伝子は、細胞中の存在が視
覚化または容易に決定され得る、ポリペプチドをコード
化するあらゆるcDNAであってもよい。そのようなレ
ポーター遺伝子の例は、緑色蛍光蛋白質(およびその変
異体)、β−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファター
ゼ、ルシフェラーゼ、β−ラクタマーゼ、あるいはそれ
らの誘導体または同族体のようなポリペプチドをコード
化するあらゆる核酸を包含する。
【0033】好ましい実施態様においては、レポーター
遺伝子は、β−ラクタマーゼ遺伝子である。
【0034】β−ラクタマーゼ遺伝子は、β−ラクタマ
ーゼポリペプチド、即ちβ−ラクタム環を加水分解し得
るポリペプチド、をコード化するあらゆる核酸分子であ
ってもよい。好ましいβ−ラクタマーゼ遺伝子は、Zlok
arnik et al(13)に記載されるよな細菌遺伝子であ
る。本発明から逸脱することなく、あらゆる変異体、断
片、またはその類似物を使用し得ることは理解されるは
ずである。
【0035】NFAT誘導性プロモーターは、NFAT
応答領域を含むあらゆる転写プロモーター、即ちNFA
Tの存在下で活性化され、NFATの非存在下で本質的
に不活性なプロモーターであることが可能である。プロ
モーターは、1コピー以上のNFAT結合ドメインを含
む、哺乳類細胞で機能的なあらゆるプロモーターである
ことが可能である。より好ましくは、プロモーターは、
以下の配列:GGAGGAAAAACTGTTTCAT
ACAGAAGGCGT(SEQ ID NO:1)、
あるいはあらゆるその誘導体または変異体を1コピー以
上(例えば2〜8コピー)含む。誘導体には、当業者に
知られる従来の方法により生成され得る、断片に加え
て、突然変異、改変、または消去された配列が挙げられ
る。プロモーターへのNFAT応答性を与える前記変異
体/誘導体の能力は、従来の発現技術により検証されて
もよい。レポーター構成物に用いられる、特定で好まし
いプロモーターは、SEQ ID NO:1を3回繰り
返したものを含む。典型的なNFAT誘導性プロモータ
ーの配列は、Mattila et al (19) に記載される。
【0036】レポーター構成物(またはこれを含有する
あらゆるベクター)は、エレクトロポレーション、リン
酸カルシウム沈殿法、陽イオン性脂質による、高分子に
より、またはリポソームによるトランスフェクション、
ウイルスによる感染など従来の技術により細胞へ導入し
てもよい。本発明に用いられる細胞は、1コピー以上、
好ましくは1〜10コピーのレポーター構成物を含んで
いてもよい。細胞は、従来の添加物(抗生物質、アミノ
酸、血清など)を補足した、一般には(ヒト細胞では)
約37℃の、RPMI、DMEMなど哺乳類細胞に適し
たあらゆる培地で保持されることが可能である。好まし
い培地は、DMEMのように高いカルシウム濃度(例え
ば約1mMを超える)を含む。
【0037】細胞は、あらゆる適当な装置(試験管、フ
ラスコ、瓶など)で培養および/または保存することが
可能である。細胞の生存力および/または汚染の非存在
を、本発明の方法を実行する前に検証することが可能で
ある。
【0038】細胞アッセイ 第一のスクリーニング 本発明の方法は、特定の条件下で検査化合物を細胞集団
と接触させて、検査化合物の影響の表示として細胞中の
レポーター遺伝子発現を測定することを含む。典型的に
は、検査化合物の影響は、あらゆる検査化合物の非存在
下で測定した発現レベルと比較する。
【0039】検査化合物および活性化剤のIcrac発
現細胞との接触 本発明の方法の段階a)は、より明確には、上に定義し
たように検査化合物およびIcrac活性化剤を、レポ
ーター構成物を含有するIcrac発現細胞の集団と接
触させることを含む。典型的な実施態様においては、そ
の方法は、並行して幾種かの検査化合物、詳細には少な
くとも2種の検査化合物、より好ましくは少なくとも1
0種、より一層好ましくは少なくとも50種の化合物を
接触させることを含む。以下に論じるように、本発明
は、化合物の高処理能力スクリーニングに適しており、
完全な組合せライブラリー、即ち数千までの化合物をア
ッセイすることが可能である。
【0040】検査化合物 検査化合物は、単離された形態の、またはあらゆるその
他の材料(例えばあらゆるその他の生成物)と混合し
た、任意の生成物であることが可能である。化合物は、
構造および/または組成物に関して定義されてもよく、
またはそれは定義されなくてもよい。例えば、化合物は
単離され、構造的に定義された生成物、未知の構造の単
離された生成物、公知で特徴づけられた幾種かの生成物
の混合物、または1種以上の生成物を含む定義されてい
ない組成物であってもよい。そのような定義されていな
い組成物の例には、例えば組織標本、生物学的液体、細
胞上清液、植物性調製物などが挙げられる。検査化合物
は、ポリペプチド(または蛋白質またはペプチド)、核
酸、脂質、ポリサッカライド、化学的生成物、あるいは
あらゆるその混合物または誘導体などのあらゆる有機ま
たは無機生成物であってもよい。化合物は、化合物のラ
イブラリーなど天然起源、合成起源のものであってもよ
い。
【0041】以下にさらに論じるように、本発明は、詳
細には化合物の組合せライブラリーのような多数の化合
物のスクリーニングに適合する。実際に、本発明は、短
時間に幾種かの化合物を有効かつ簡単にスクリーニング
させる組成物および方法を提供する。詳細には、本発明
は、一部自動化し、それにより多数組の化合物を有効か
つ同時にスクリーニングさせることが可能である。
【0042】一般に、検査化合物の活性は未知であり、
本発明の方法を用いて、選択された特性を呈する化合物
(例えばIcrac変調物質)を同定する。しかし、検
査化合物の活性(または活性の型)が公知または予測さ
れる特定の例では、その方法を用いて前記検査化合物の
誘導体をアッセイすることにより、前記活性を(特異
性、効力などに関して)さらに特徴づける、および/ま
たは前記活性を最適化することが可能である。
【0043】好ましくは、検査化合物は、Icrac活
性化剤の存在下で細胞と接触させる。実際には、Icr
acチャンネルが活性化状態にある検査化合物の変調効
果を、優先的に評価してもよい。その影響のために、化
合物と接触させる前、または後、または同時のいずれか
に、細胞をIcrac活性化剤と接触させる。典型的な
実施態様においては、各化合物および活性化剤は、細胞
と同時に接触させる。
【0044】Icrac活性化剤 上記の説明のように、本発明の有利な様相は、Icra
c活性、より好ましくは選択的なIcracによるNF
AT活性化のターゲットとされるモニタリングに存す
る。その影響のために、そのアッセイで用いられるIc
rac活性化剤(あるいは活性化媒体または処置剤)の
性質は重要であり、本発明の方法の好ましく有利な特徴
は、選択的Icrac変調物質(即ち遮断物質または刺
激物質)をスクリーニングさせる選択的Icrac活性
化剤の使用に存する。
【0045】このことに関連して、Icrac活性化剤
は、好ましくはカルシウム放出活性化剤、即ち細胞内カ
ルシウム貯蔵の枯渇を促進する生成物である。実際に、
Icrac活性化は、細胞内カルシウム貯蔵の枯渇に依
存する。好ましい実施態様においては、Icrac活性
化剤は、細胞内カルシウム貯蔵を選択的に枯渇させる生
成物または処置剤または条件である。Icrac活性化
剤は、細胞内カルシウム貯蔵の直接的枯渇(Icrac
に対する直接的影響)、またはIcrac活性化を請け
負う細胞の1種以上の経路を通した枯渇(Icracに
対する間接的影響)を誘導してもよい。特定的な実施態
様においては、Icrac活性化剤(あるいは活性化す
る処置剤または媒体)は、プロテインキナーゼC(PK
C)のあらゆる同時刺激を誘導せず、詳細にはその活性
化剤は、ホルボールエステルミリステートアセテート
(PMA)のようなPKCのあらゆる刺激物質を含まな
い。
【0046】本発明で使用されるIcrac活性化剤の
明確な例には、タプシガルギン、シクロピアゾン酸、
2,5−ジ−(tert−ブチル)−1,4−ヒドロキ
ノン(Mason, M. J. et al., J. Biol. Chem. 266, 208
56-20862、参考資料(17))、CD8抗体、およびフ
ィトヘマグルチニンが挙げられる。本発明で用いられる
好ましいIcrac活性化剤は、タプシガルギン(Thas
trup et al., 1990 上記)である。好ましくは、タプシ
ガルギンを0.5〜5μMの範囲、より好ましくは2μM
未満の濃度で用いる。
【0047】明確な実施態様においては、細胞は段階
a)でホルボールエステルのようなPKCのあらゆる同
時刺激の非存在下でタプシガルギンと処置する。より好
ましくは、細胞は、段階a)でタプシガルギンのみと処
置する。この実施態様によると、Icrac特異性刺激
(即ちタプシガルギン)を用い、PKC経路は活性化し
ない。この特定の活性化戦略が、Icrac活性をより
選択的にスクリーニングさせる。
【0048】本発明者は、より最適化したシグナルノイ
ズ比が、培地のカルシウム濃度を増加させることにより
得られる可能性があることを発見した。詳細には、1mM
を超える、好ましくは1〜3mMのカルシウム濃度を用い
る場合、シグナルノイズ比が約5倍上昇する。これらの
条件下では、高処理能力の原理で、PKC同時刺激の非
存在下でIcrac遮断物質を信頼性および再現性のあ
る結果をもってスクリーニングすることが可能である。
より好ましい条件は、1mM〜2mMカルシウムを含みホル
ボールエステルを欠いた培地での細胞のインキュベーシ
ョンを含む。
【0049】これらの条件は、本発明の好ましい実施態
様を意味する。このことに関連して、本発明の特定の目
的は、Icrac遮断物質(または阻害剤)のスクリー
ニングの方法に存し、 a.検査化合物およびIcrac活性化剤を、Icra
c発現細胞の集団と接触させ、前記細胞がNFAT誘導
性プロモーターの制御下でレポーター遺伝子を含むレポ
ーター構成物をさらに含有し、前記細胞が少なくともの
1mMカルシウムを含有しホルボールエステルが欠如する
培地で培養され、 b.カルシウム放出活性化チャンネルにおける検査化合
物の活性を、前記細胞中のレポーター遺伝子発現を測定
することにより決定すること、を含む。
【0050】本発明の別の明確な実施態様においては、
細胞は、あらゆるIcrac活性化剤の非存在下で検査
化合物と接触させる。この実施態様は、Icrac活性
化剤(または刺激物質)をスクリーニングさせる。
【0051】その接触は、プレート、試験管、フラスコ
等のあらゆる適当な支持体または装置で実施することが
可能である。一般に接触は、マルチウェルプレートで実
施して、多数のアッセイを並行して実行させる。典型的
支持体は、管理が容易で従来の励起による照明が容易な
ミクロタイタープレート、特に96穴または384穴で
高処理能力のミクロタイタープレート形式を包含する。
より大型のミクロタイタープレートまたはナノテクノロ
ジーなど、その他の形式を用いてもよい。
【0052】支持体および検査化合物に応じて、様々な
量の細胞をそのアッセイに用いることが可能である。典
型的には、103〜106個の細胞、より好ましくは10
4〜105個の細胞を化合物と接触させる。例示として、
96穴ミクロタイタープレートで、約105個の細胞を
各ウェルでインキュベートして、化合物と接触させるこ
とが可能である。384穴ミクロタイタープレートで、
一般に105個未満の細胞、典型的には1〜4104個の
細胞を各ウェルでインキュベートして、化合物と接触さ
せる(図7を参考)。
【0053】検査化合物の量(または濃度)は、化合物
の型(その毒性、細胞透過能力など)、細胞数、インキ
ュベーション期間の長さなどに応じて、使用者により適
合させることが可能である。必要ならば、透過または細
胞との接触を促進する薬剤の存在下で化合物を接触させ
ることが可能である。
【0054】段階a)の接触は、約2〜6時間、典型的
には3〜5時間持続させることが可能である。実際に
は、細胞および種々の試薬を、好ましくはレポーター遺
伝子発現生成物(例えばβ−ラクタマーゼ)を新たに合
成させるのに十分な期間インキュベートする。用いる細
胞の型に応じて、この期間は通常約3〜4時間持続す
る。典型的な実験においては、細胞および上記試薬を約
4時間インキュベートする。
【0055】方法の段階b)は、検査化合物の活性の表
示として、レポーター遺伝子発現を測定することを含
む。測定は、用いられるレポーター遺伝子の型に応じ
て、種々の技術により実施することが可能である。例え
ば、β−ガラクトシダーゼまたはルシフェラーゼを用い
る測定は、光学密度または発した蛍光をドーズすること
を含むことが可能である。
【0056】好ましい実施態様においては、レポーター
遺伝子発現は、レポーター遺伝子発現生成物の基質の加
水分解レベルを評価することにより測定する。この実施
態様は、β−ラクタマーゼの発現の測定に適している。
【0057】従って、好ましい実施態様においては、そ
の方法は、 a.検査化合物および選択的Icrac活性化剤を、I
crac発現細胞の集団と接触させ、前記細胞がNFA
T誘導性プロモーターの制御下でレポーター遺伝子を含
むレポーター構成物をさらに含有し、 b.a)の細胞をレポーター遺伝子発現生成物の基質と
接触させ、 c.カルシウム放出活性化チャンネルにおける検査化合
物の活性を、前記細胞中の基質の加水分解を評価するこ
とにより決定すること、を含む。より好ましい実施態様
においては、レポーター遺伝子は、β−ラクタマーゼで
あり、この方法の段階b)は、a)の細胞をβ−ラクタ
マーゼの基質と接触させることを含む。
【0058】このことに関連して、種々の基質、例えば
β−ラクタム環を含有し加水分解のモニタリングか可能
なあらゆる生成物を用いてβ−ラクタマーゼ発現をモニ
タリングすることが可能である。好ましい基質は、β−
ラクタマーゼに特異的で(即ち、β−ラクタマーゼが非
存在下の哺乳類細胞では本質的に加水分解されない)、
哺乳類細胞への毒性がなく、かつ/またはそれらの加水
分解生成物を容易にモニタリングすることが可能である
(例えば蛍光、放射能、酵素的、またはその他のあらゆ
る検出方法による)。
【0059】より好ましい基質は、レシオメトリーの基
質である。レシオメトリーの基質は、加水分解が細胞数
とは無関係にレポーター遺伝子生成物活性に直接関係し
得る基質である。本発明で用いられる典型的で特異的な
非毒性のレシオメトリー基質は、CCF2−AM(1
3)である。この基質は、β−ラクタム環によりフルオ
レセイン分子に結合するクマリンが予想される。蛍光共
鳴エネルギー移動(FRET)の原理によると、クマリ
ン(ドナー)はフルオレセイン(受容物)を励起するこ
とが可能な青色光を発し、次には緑色光を生成する。従
って、分裂していない基質が緑色光を発し、β−ラクタ
マーゼ加水分解後の生成物が青色光を発する。緑色蛍光
に対する青色蛍光の比は、ラクタマーゼ活性に直接関係
し、細胞数には関係しない。
【0060】基質の濃度は、例えば用いた細胞数および
Icrac活性化条件に応じて、当業者により適合させ
ることが可能である。通常、段階b)は、15分〜3時
間、好ましくは2時間未満の間持続させる。典型的な実
施態様においては、細胞を約60分間基質と接触させ
る。明確な例示として、CCF2−AMを用いた場合に
は、青色/緑色の比の増加が、約2時間検出可能であっ
た。しかし、有意な(および十分な)シグナルは、細胞
に基質を負荷した後1時間検出可能であった。
【0061】上に定義された方法の段階c)は、前記細
胞中での基質の加水分解を評価することにより、検査化
合物の活性を決定することを含む。典型的には、検査化
合物の影響を、あらゆる検査化合物の非存在下で測定し
た基質の加水分解レベルに、またはあらゆる検査化合物
の非存在下で決定した参照平均値に比較させる。
【0062】加水分解の測定は、本質的に各反応試料に
含有される加水分解生成物の測定(または相対量の決
定)を含む。前記測定は、蛍光検出、放射能検出、比色
検出、酵素活性検出、抗原抗体免疫複合体検出など当業
者に知られる種々の技術を用いて実施することが可能で
ある。好ましい実施態様においては、加水分解生成物
は、蛍光検出を用いて検出し定量する。このことに関連
して、細胞試料において種々の蛍光色素を用いてモニタ
リングすることが可能である。典型的な実験において
は、CCF2−AM基質を用いる段階c)は、約405
nmでの励起および460(分裂した基質)および535
nm(分裂していない基質)での発光を含み、細胞による
加水分解活性に直接相関する460/535比を評価す
る。本発明において、あらゆる代替の検出方法を使用し
得ることは理解されるはずである。
【0063】上に示したように、これらの方法の利点の
一つは、比較的短期間で多数の化合物をスクリーニング
する能力である。例えば典型的実験においては、約90
の化合物を96ウェルプレートで並行して検査し、それ
らの活性を約5時間で決定する。その方法は、より大き
なプレートまたは装置に拡大して、毎日何千もの化合物
をスクリーニングさせることが可能である。その上、反
応装置における細胞および全ての試薬の分配を自動化し
て、その方法の収率および効力をさらに増大させること
が可能である。
【0064】第二のスクリーニング 本発明の特定の変形例においては、その方法は、非NF
AT依存的手法においてβ−ラクタマーゼ活性を変調す
る化合物の追加的スクリーニングを含む。この第二のス
クリーニングは、Icrac活性を特異的に変調するこ
となくβ−ラクタマーゼ活性、またはより一般には細胞
代謝、を変調する種々の検査化合物(例えば、細胞毒性
化合物、DNAまたは細胞中の蛋白質合成を変化させる
化合物など)を排除することにより、その方法の選択性
を増大させる。したがって特定の実施態様においては、
本発明の方法は、非NFAT依存的手法でβ−ラクタマ
ーゼ活性を変調するものを排除するために、c)で得ら
れた化合物をスクリーニングする段階d)をさらに含
む。より好ましくは、段階d)は、c)で選択された化
合物を、非NFAT誘導性プロモーター、より好ましく
はCRE誘導性プロモーター、の制御下でβ−ラクタマ
ーゼ遺伝子を含むレポーター構成物を含む細胞の集団と
接触させることを含む。
【0065】この第二のスクリーニングは、細胞、詳細
には例えば哺乳類細胞(例えばHEK細胞のような)、
あるいはCHO、ジャーカット、またはベロ細胞の種々
の集団を用いて実施することが可能である。レポーター
構成物は、プロモーター領域を除けば、上記と同様の方
法で調製することが可能である。明確な実施態様におい
ては、プロモーター領域は、1以上(1〜8、好ましく
は3)のCRE配列(CGTCA)(細胞内サイクリッ
クAMP濃度に応答する)を含む。例えば、VIP応答
性プロモーター、あるいはNFκBまたはJNK応答要
素を含有するプロモーターのようなその他のプロモータ
ー領域を、この第二のアッセイに用いることが可能であ
る。
【0066】FLIPR(登録商標)アッセイのような
カルシウム流入レベルの直接的測定に基づいて、選択的
化合物を特徴づけるまたはプロファイリングするため
に、追加のまたは代替の第二のスクリーニングを実施し
てもよい。
【0067】さらに、IcracチャンネルのCa取り
込み、電気生理学など選択的化合物をさらに特徴づける
またはプロファイリングするために、追加のまたは代替
の第二のスクリーニングを実施してもよい。
【0068】このことに関連して、Icracに無関係
なヒットを可能な限り多く棄却するために、上述の第二
のアッセイに加えて、またはその変わりに、別の第二の
アッセイを実施してもよい。このアッセイは、NFAT
作動遺伝子レポーター発現が、ムスカリン受容体1(M
1)のようなGq結合受容体の活性化により引き起こさ
れる安定な細胞系を用いる。この場合、活性化経路にお
ける唯一の差異が、きっかけ自体(IcracまたはM
1)であるが、全体的な下流処理は同一のままである。
【0069】本発明を用いて、種々の治療的または研究
的適用によりIcrac変調物質をスクリーニングする
ことが可能である。
【0070】このことに関連して、Icrac変調物質
は、Icracの活性を変調するあらゆる化合物と定義
することが可能である。用語「変調する」が、Icra
c化合物を阻害する、拮抗する、遮断するに加え、刺激
する、増加させる、促進する、を意味することは理解さ
れる。変調物質は、以下に定義するような遮断物質また
は刺激物質であることが可能である。Icrac活性の
変調は、幾種かの作用機序からもたらすことが可能であ
る。詳細には、Icrac変調物質は、Icracと直
接相互作用して、Icracによるカルシウム流入を変
調することが可能である。例として、変調物質は、Ic
racと相互作用して、細胞内のカルシウム流入を妨害
することが可能である。本発明による別の型の変調物質
は、Icracの活性化を変調する化合物、例えばIc
racの上流での活性化を妨害するまたは変調し得る化
合物である。本発明によるさらなる型の変調物質は、I
cracによるシグナル形質導入を変調する化合物を含
む。本発明による好ましい変調物質は、Icrac活性
化を変調する、かつ/またはIcracと相互作用する
化合物である。
【0071】Icrac遮断物質は、より明確にはIc
racチャンネルの活性を遮断する(あるいは阻害また
は拮抗する)あらゆる化合物を表す。より好ましくは、
Icrac遮断物質は、Icrac活性を少なくとも一
部(典型的には前記化合物が非存在下の対照的状況と比
較して少なくとも20%)阻害する化合物である。より
好ましいIcrac遮断物質は、NFATによる基質の
β−ラクタマーゼ依存性加水分解により測定されるIc
rac活性を少なくとも40%阻害する。
【0072】Icrac刺激物質は、より明確には、I
cracチャンネルの活性を刺激する(あるいは増加ま
たは促進する)あらゆる化合物を表す。より好ましく
は、Icrac刺激物質は、前記化合物が非存在下の対
照的状況と比較して、Icrac活性の少なくとも20
%の増加を誘引する化合物である。より好ましいIcr
ac刺激物質は、NFATによる基質のβ−ラクタマー
ゼ依存性加水分解により測定されるIcrac活性の少
なくとも40%の増加を誘引する。
【0073】T細胞(ジャーカット)および肥満細胞
(16)のようなIcrac発現細胞内で(16)、シ
クロスポリンA(CsA)のようなNFAT活性化経路
と相互作用することが知られる幾種かの分子を用いて、
本発明を検査した(14、15)。DMSOは一般に、
化合物可溶化のための賦形剤(加えて抗炎症性分子)と
して用いられるため、NFAT作動活性との可能な相互
作用もチェックした。我々は、この試薬が約0.5%の
濃度ではアッセイを妨げないことをここに示す。300
0を超える化合物を非常に迅速にスクリーニングして、
Icracの3種の有効な変調物質の同定を導いたた
め、この適用で表された結果は、その方法の効力も例示
している。そのようなIcrac変調物質は、免疫疾患
(GVHD、自己免疫疾患、炎症、アレルギー、喘息な
ど)および増殖性障害(癌、狭窄症など)など種々の病
的状態の処置に用いられる有望な薬物または模範を意味
する。その化合物を単独で、またはその他の製薬学的に
活性のある分子と組み合わせて用いることにより、病的
状態を処置、予防、矯正、軽減、または低減してもよ
い。
【0074】本発明のその他の様相および利点を、以下
の実験的セクションにおいて開示するが、それは例示で
あり、保護の範囲の制限とみなすべきではない。
【0075】用いた略語: TG:タプシガルギン、CsA:シクロスポリン、CP
A:シクロピアゾン酸、PHA:フィトヘマグルチニ
ン、PMA:ホルボールミリステートアセテート、CH
X:シクロヘキシミド、Jk−NFAT−blac:N
FAT制御下でb−ラクタマーゼを安定に発現するジャ
ーカット細胞系、Jk−CMV−blac:b−ラクタ
マーゼを構成的に発現するジャーカット細胞系、p81
5−NFAT−blac:NFAT制御下でb−ラクタ
マーゼを発現するp815細胞系、HEK−CRE−b
lac:CRE制御下でb−ラクタマーゼを発現するH
EK細胞系、NFAT:活性化されたT細胞の核因子、
CRE:cAMP応答要素、DMSO:ジメチルスルホ
キシド
【0076】
【実施例】1.材料と方法
【0077】細胞に基づくアッセイ 細胞系の選択 3×NFAT−β−ラクタマーゼレポーター遺伝子(N
FATプロモーター配列として、(19)参照)を含有
するプラスミド、およびCMV−β−ラクタマーゼ(J
k−CMV−βlac)を含有するプラスミドで安定に
トランスフェクトしたジャーカット細胞系(Jk−NF
AT−βlac)(ここで、CMVは構造的に活性のあ
るプロモーターである)、及び3×CRE−β−ラクタ
マーゼ(CREプロモーターはCGTCAのCREボッ
クス配列を含有する、(20))を含むHEK細胞(H
EK−CRE−βlac)は、オーロラ・バイオサイエ
ンシズ・コーポレーション(カリフォルニア州サンディ
エゴ)から入手した。3×NFAT−β−ラクタマーゼ
を含有するプラスミドで安定にトランスフェクトした肥
満細胞モノクローナル細胞系(p815−NFAT−β
lac)を、以下のように得た。DMEM培地中の20
μgのpcDNAIII3×NFAT−β−ラクタマーゼゼ
オマイシン発現ベクター(オーロラ・バイオサイエンシ
ズ・コーポレーション、カリフォルニア州サンディエ
ゴ)を用い、960μFおよび300Vのバイオラド社
ジーンパルサーIIを用いて、0.4cmギャップキュベッ
トにて細胞(1.107/ml)をエレクトロポレーション
した。48時間後に、エレクトロポレーションしたp8
15細胞を、250μg/mlのゼオシン(インビトロゲン
社、カリフォルニア州)を用いて2週間選択した。最初
に、ファックス(FACS)バンテージ(ベクトン・ディッ
キンソン社、カリフォルニア州)を用いてTG応答細胞
のプールを分類し、1週間後にこのプールから200個
の細胞を個別分類した(1細胞/ウェル)。15クロー
ンが発育して、以下のように検査された。
【0078】遺伝子−レポーターアッセイ 10%ウシ胎児血清、2mMのL−グルタミン、1mMのN
EAA、1mMのピルビン酸ナトリウム、25mMのHEP
ES(pH7.4)、ゲンタマイシン100μg/mlを補
足したRPMI 1640中で、ジャーカット細胞を発
育させた。10%のFBS、ゲンタマイシン100μg/
ml、20mMのHEPESを補充したMEMグルタマック
ス中で、HEK−293細胞を発育させた。安定な細胞
繁殖のための培地は、250μg/mlゼオシン(Jk−N
FAT−βlac)または800μg/mlゲネチシン(J
k−CMV−βlac、HEK−CRE−βlac)を
含有した。96穴プレートで1μMタプシガルギン(T
G)を用いて、NFATジャーカット細胞(105/ウ
ェル)をダルベッコ改変必須培地(〔Ca++〕1.8m
M)、10%FBS、100μg/mlゲンタマイシン中で
37℃、5%CO2にて4時間刺激した。その後細胞に
12μMのCCF2−AMを、室温の暗室で1時間負荷
した(13)。フルオスター(BMG社、ドイツ)蛍光
計で蛍光をモニタリングした。励起は405nmであり、
発光の記録は460nM および535nmであった。蛍光
単位(F.U.)の比(460nm/535nm)を、バッ
クグランド(細胞を含まない培地)で補正した後評価し
た。上述の培地中でフォルスコリン10μMを用いてH
EK−CRE−βlacを刺激した(4×104細胞/
ウェル)。注記されていない限り、試薬は全て刺激剤
(例えばTGまたはフォルスコリン)と共に添加した。
【0079】細胞内〔Ca++〕の光学的測定 3×106細胞懸濁液を用いて、ハンクス緩衝液生理食
塩液(HBSS)中で2μMフラ−2−AMの負荷を3
7℃で30分間実施した。細胞を洗浄し、2回再懸濁さ
せて、細胞外染色を最小にした。1mlの細胞懸濁液を含
有し連続攪拌する水ジャケット付のキュベット(water-
jaketed cuvette)(室温)中でフラ−2蛍光測定を実
施した。島津蛍光分光光度計で340nmおよび380nm
での励起シグナルおよび510nmでの発光シグナルを連
続的に収集(1秒間隔)することにより蛍光をモニタリ
ングした。25μMイオノマイシンおよびEGTA(2
0mM)をそれぞれ実験終了時に継続して添加することに
より、最大および最小蛍光を得た。Kdを155nMと仮
定して、340nmおよび380nmでの励起シグナルの比
を用いて、これまで記載したように(21)〔Ca++
を計算した。
【0080】薬物 タプシガルギン、ホルボールエステルミリステートアセ
テート(PMA)、フィトヘマグルチニン(PHA)、
オカダ酸、カリキュリン、シクロヘキシミド、乾燥DM
SO、シクロピアゾン酸、シクロスポリン、およびフラ
−2は、シグマ社から購入した。CCF2−AMは、オ
ーロラ・バイオサイエンシズ社からであった。細胞培養
試薬は全て、ライフテック社(メリーランド州ゲイザー
ズバーグ)からであった。p815細胞は、ATCC
(バージニア州マナサス、ATCC番号TIB64)か
らであった。
【0081】2.ジャーカット細胞系におけるNFAT
活性化 遺伝子レポーターアッセイ(図解による原理を図2Aで
参照)を設定して、Icracの活性化およびゲーティ
ングに関係するT細胞活性化およびNFAT作動遺伝子
生成を研究した。この検査においては、アッセイを行っ
てIcrac遮断物質または不活性化剤を同定したが、
PKC阻害剤は同定しなかったため、PKC活性化剤と
の同時刺激は回避した。しかし、タプシガルギン単独で
NFAT関係遺伝子生成を引き起こし得るが、得られた
β−ラクタマーゼ活性は、従来の条件では弱いことが判
明した(従来の条件は0.4mM〔Ca++〕)(図2
B)。この問題を克服して選択的スクリーニングアッセ
イをデザインするために、我々は〔Ca++0を(約
0.4mMに代わって)1.8mMに増加させた時に、シグ
ナルノイズ比が5倍高くなり、HTSアッセイに適する
ようになることを見出した。加えて、遺伝子レポーター
(β−ラクタマーゼ)発現が0〜1μMのTG濃度に関
係することが示され、より高い濃度は、β−ラクタマー
ゼ合成をさらに増加させず(図2C)、5〜10μMの
TG濃度では減少さえも観察された。
【0082】3.NFAT系の阻害剤および活性化剤
(スクリーニングの有効性) フィトヘマグルチニン(PHA)、タプシガルギン(T
G)、シクロピアゾン酸(CPA)、およびCD28に
対する抗体のような幾種かの公知のIcrac活性化剤
を検査して、β−ラクタマーゼ発現を刺激するそれらの
相対的効能をチェックした。得られた結果(表1)は、
TGが最も活性の高いIcrac活性化剤であること、
およびこれまで記載されたように(22)TG/PMA
の組合せがシグナルを有意に増大させることを示した。
【0083】
【表1】
【0084】オカダ酸(OKA)、PP1A、およびP
P2ホスファターゼ阻害剤は、β−ラクタマーゼ合成を
遮断し、ジャーカット細胞(図4)および肥満細胞(示
さない)の両者におけるこれまでの結果(23)と一致
した。カリキュリン(別のホスファターゼ阻害剤)は、
用量依存的手法でNFAT活性化を遮断した(図4およ
び(11))。シクロスポリン(CsA)(カルシニュ
ーリンホスファターゼ阻害剤)は、β−ラクタマーゼ合
成を抑制し(IC50は17nM(図5))、これまでの報
告(18nM、(22)参照)と良好に一致した。ジャー
カット細胞は、電位依存性Ca++チャンネルを欠いてい
ると考えられる。この仮定と良好に一致して、これらの
チャンネルの特異的阻害剤(ベラパミル、ジルチアゼ
ム、およびニフェジピン)は、10μMで使用した場合
には、β−ラクタマーゼ合成に対するいかなる影響も有
しなかった(図4)。毒性的影響を50μMで検出した
(弱い負荷、データは示さない)。タゾバクタム(β−
ラクタマーゼ阻害剤)(Ki=0.7μM)が、NFA
T作動(図4)および構成的β−ラクタマーゼ(CMV
作動)の両者を遮断する(IC50は2μM)ことが示さ
れた。
【0085】4.DMSOの影響 DMSOは、水不溶性化合物の非常に一般的な賦形剤で
あるだけでなく、周知の抗炎症性化合物でもある。我々
は、この適用に記載された異なる細胞系および異なるプ
ロモーターに対するこの化学薬品の影響を検査した。図
6に示すように、DMSOはJk−CMV−βlac細
胞のβ−ラクタマーゼ(構成的)合成に対する影響は有
しなかった。しかし、それはJk−NFAT−βla
c、p815−NFAT−βlac、およびHEK−C
RE−βlac細胞のβ−ラクタマーゼ生成を阻害し、
IC50が1%であった。その上、表IIは、負荷がDMS
O処置後に改変されないことを示した。DMSO阻害機
序をさらに研究するために、DMSO、CsA、および
CHXを、TG添加の後異なる時間に添加した。DMS
OおよびCsAの阻害的影響の時間推移は、極めて類似
しており、両者の化合物はTG活性化の3時間後に添加
しても、β−ラクタマーゼ合成を遮断しなかったが、C
HXの時間推移パターンは大きく異なり、TG刺激後4
時間たって添加しても阻害的影響を呈しており、その化
合物が蛋白質合成レベルで作用することを示唆した。こ
のDMSOの阻害的影響は、HEK−CRE−βlac
により等しく検出され、DMSOが〔Ca++i の増加
後および蛋白質合成の前に作用することが示唆された。
これらの結果を確認したところ、フラ−2をプローブと
して用いる〔Ca++i 決定は、この化合物がIcra
cチャンネル自体に影響を有しないことを示した。
【0086】
【表2】
【0087】5.高処理能力アッセイ 3000の化合物のサブライブラリーについての検査
を、以下の条件で実施した:
【0088】プレートの調製および細胞刺激 96穴透明底黒色プレート(96-well clear bottom bla
ck plates)(コスター社(COSTAR)、カタログ番号3
603)中の90%DMEM培地(ギブコ社、カタログ
番号)、10%FBSに105細胞/180μl/ウェル
の細胞を播種した。50%DMSO(即ち最終的に0.
5%DMSO)中の11.1μMタプシガルギン18μl
+1mM 化合物2μLを添加した。湿度90%、5%CO
2、37℃で4時間インキュベートした。
【0089】染料負荷 1mMのCCF2−AMの12μlを、60μlのプルロン
酸(pluronic acid)、その後1mlのPEG400溶液
と激しく混合した。得られた溶液の40μlをそのウェ
ルに添加した。その後プレートをホイルに包んで、45
分〜2時間室温で穏やかに攪拌した。
【0090】蛍光計アッセイ 405nmで励起を、460および535nmで発光を実施
した。以下の対照を各プレートに添加した。i)ブラン
ク(細胞を含まない培地)、ii)陽性対照(100%)
(タプシガルギンで刺激したJkNFATβ−la
c)、iii)陰性対照(0%)(非刺激のJkNFAT
β−lac)。比の計算は以下の通りであった。ブラン
ク値の平均をF.U.(F.U.460nmおよびF.
U.535nmの両者)から差し引いて、得られた値の比
(460/535)を評価した。通常は、陰性対照値が
約0.010であり、陽性対照値が0.400〜0.5
00であった。
【0091】第二のスクリーニング 選択されたヒットが、核因子活性化の上流または下流の
いずれに影響を有するかを決定するために、CRE作動
β−ラクタマーゼ合成の潜在的阻害を、CRE3×βラ
クタマーゼ発現ベクターで安定に形質転換されたHEK
細胞を用いてチェックした。細胞は10μMフォルスコ
リンで6時間刺激した。
【0092】結果 アッセイは、プレート内およびプレート間標準偏差が5
%より高くないことを示した(データは示さない)。3
000種の検査化合物のうち17種がそのアッセイでI
crac遮断物質としてスクリーニングされ、3種が第
二のアッセイの後選択された。この例は、その方法が有
効で信頼性があり選択的にIcrac変調物質をスクリ
ーニングさせることを示している。
【0093】6.考察 この適用においては、細胞に基づく/遺伝子レポーター
系を記載する。誘導シグナルの増幅およびこのアッセイ
の再現性が96穴ミクロタイタープレートの使用に適合
するため、それはNFAT活性化処理の利便的分析を可
能にした(予備データは、384プレートもこのアッセ
イで使用し得ることを示した、図7)。
【0094】Icrac関連NFAT活性化経路の幾種
かの変調物質を検査して、それらの影響がこれまでの報
告と良好に一致することが見出された。注目すべきこと
に、NFAT作動遺伝子活性化は、二元的事象であるら
しく、活性化された(脱リン酸化された)NFATが閾
値濃度に達するまで、T細胞は不活性化されたままであ
った。その後T細胞は、刺激物の全ての形態および濃度
で等しく活性化状態に入るきっかけを持った(22、2
4)。このような状況においては、IC50は個々の細胞
での応答強度ではなくむしろ応答細胞の割合の減少を反
映した。
【0095】ここで表された検査の重要な様相は、用い
られたIcrac特異性刺激物(即ちTG)であり、か
つPKC経路がここで活性化されず、より特異的なアッ
セイを導いたという事実である。その上、非特異的化合
物の中から真実のIcrac変調物質を分類するため
に、異なる応答要素を含む別の遺伝子レポーターアッセ
イ(即ちHEK−CRE−βlacに基づくアッセイ)
を設定して、疑陽性の数を劇的に減少させた。Icra
cチャンネルの45Ca取り込みおよび電気生理学のよう
なその他の第二の低処理能力アッセイを開発することが
可能である。その検査は、HTSに適している。実際
に、細胞はTGおよびその化合物の混合物を受けて、3
7℃で4時間インキュベートし、CCF2−AMを30
分間負荷しなければならない。この技術のその他の長所
は、β−ラクタマーゼ基質である。CCF2は無毒で、
レシオメトリックであり、数時間細胞内に滞留する。そ
の上β−ラクタマーゼは、遺伝子レポーターアッセイに
最も適した蛋白質のようである。実際に、それは生存細
胞でモニタリングすることが可能で(β−ガラクトシダ
ーゼまたはルシフェラーゼとは異なる)、β−ラクタマ
ーゼが細菌酵素であるため、哺乳類細胞では内因性活性
が交差反応しない(アルカリホスファターゼとは異な
る)。しかし、この検査の最も魅力的な特徴は、それが
真実のCa++流入遮断物質だけでなく、Icrac活性
化レベルに作用する分子も検出することである。この活
性化が幾種かの蛋白質(TRP、IP3(26、27)
およびSNAP25(18))の足場を支えた結果であ
ることが極最近になって提示されたため、これらの成分
間の蛋白質−蛋白質相互作用のあらゆる遮断物質が、I
crac活性化の事実上の変調物質である。これは、予
測可能な低い副作用を備え、非特異的Ca++チャンネル
の「栓(corks)」に対してのみではない、非常に特異
的な分子の発見に導く可能性がある。
【0096】この試験の際、DMSOを潜在的非特異的
β−ラクタマーゼ遮断物質としてチェックした。我々
は、肥満細胞およびリンパ球の両者においては、DMS
OがNFAT作動β−ラクタマーゼ発現を遮断すること
に加え、それがHEK細胞においてもCRE作動β−ラ
クタマーゼ発現を遮断し、IC50が約1%であること示
した。興味深いことに、我々は、DMSOの阻害的影響
がNFAT活性化およびRNA翻訳の間で起こるが、非
特異的蛋白質合成遮断物質として作用しないことを示し
た。細胞内のDMSOのターゲットを正確に見分けるた
めには、さらなる研究が必要である。しかし我々は、
0.5%DMSOがそのアッセイを妨げず、最終濃度と
して使用し得ることを示した。注目すべきことに、この
研究で用いた薬理学的手段は、T細胞および肥満細胞か
らのIcracチャンネルの間の差異を(もしあったと
しても)検出させなかった。
【0097】したがって、ここに記載した細胞に基づく
スクリーニングは、スクリーニング手順を実質的に促進
し、炎症、細胞増殖(例えば癌)、自己免疫、またはア
レルギーに関係する病理の治療的潜在性を備える新規試
薬の同定を目指す検討分野を拡張する。
【0098】
【配列表】 <110> WARNER LAMBERT COMPANY <120> Methods and compositions for screening Icrac modulators <130> GP-10147 <150> EP 00 400923.9 <151> 2000-04-03 <160> 1 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Descriptin of Artificial Sequence: NFAT binding domain <400> 1 ggaggaaaaa ctgtttcata cagaaggcgt 30
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】NFAT関連の活性化経路を示す図である。
【図2A】遺伝子レポーターの細胞に基づいたアッセイ
の原理を示す図である。β−ラクタマーゼは、細胞内カ
ルシウムプールの枯渇およびIcrac刺激による〔C
++〕変動により引き起こされるNFAT系の活性化の
後に発現した。この実施例においては、β−ラクタマー
ゼの基質の加水分解を用いて、β−ラクタマーゼの発現
レベルを決定した。
【図2B】CCF2−AMの加水分解により測定したレ
ポーター蛋白質(β−ラクタマーゼ)合成に対する細胞
外〔Ca++〕の影響を示す図である。NFAT−β−ラ
クタマーゼジャーカット細胞を、TG1μMの存在下で
RPMI培地(0.4mM〔Ca++〕)またはDME培地
(1.8mM〔Ca++〕)中で4時間刺激した。
【図2C】β−ラクタマーゼ合成に対するTG濃度の影
響を示す図である。NFAT−β−ラクタマーゼジャー
カット細胞を、DME培地中で種々のTG濃度で4時間
刺激した。
【図3】ジャーカット細胞およびp815細胞における
TG1μM刺激の後のNFAT作動遺伝子発現を示す図
である。NFAT−β−ラクタマーゼジャーカット細胞
およびNFAT−βlac p815を、基質の負荷前
に種々の変調物質と共に4時間インキュベートした。
1)対照、2)TG1μM+PMA 10nM、3)TG
1μM、4)CsA 10nM、5)CsA 100nM、
6)DMSO 0.5%、7)DMSO 1%、8)DM
SO 2%
【図4】TG作動β−ラクタマーゼ合成に対する種々の
阻害剤の影響を示す図である。NFAT−β−ラクタマ
ーゼジャーカット細胞を、基質の負荷前にTG 1μMと
共に種々の阻害剤/変調物質と時間インキュベートし
た。1)対照、2)TG1μM。TG 1μMを 3)C
sA 50nM、4)オカダ酸、5)カリキュリン、6)
ベラパミル10μM、7)ジルチアゼム10μM、8)ニ
フェジピン10μM、9)シクロヘキシミド10μg/m
l、10)DMSO 2%に添加した。100%は、TG
1μMのみで刺激した細胞と定義した。
【図5】TGにより刺激されたNFAT−β−ラクタマ
ーゼジャーカット細胞に対するシクロスポリンの影響を
示す図である。NFAT−β−ラクタマーゼジャーカッ
ト細胞を、種々の濃度のシクロスポリンの存在下、TG
1μMで処理した。100%は、CsAを含まずに刺激
した細胞と定義した。
【図6】種々の細胞型およびプロモーターに対するDM
SOの影響を示す図である。3%DMSOを、TG1μ
Mで刺激したCMV−β−ラクタマーゼジャーカット細
胞()およびNFAT−β−ラクタマーゼジャーカット
細胞()、ならびにフォルスコリン10μM()で刺激
したCRE−β−ラクタマーゼHEK細胞を含有するウ
ェルに添加した。
【図7】384ウェルプレート形式におけるJk−NF
AT−βlacの刺激を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 C12N 5/00 B (72)発明者 ジャネット・アラン フランス国、92190 ミュドン、リュ・ デ・カプュサン−バ 1 2 (72)発明者 フランソワ・ロマン フランス国、94400 ヴィトリ・シュー ル・セーヌ、アレ・ピエール・フレスネ 11 (72)発明者 ジル・ブリュネル フランス国、92160 アントニ、アレ・ド ゥ・リル・ヴェルト 4

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウムチャンネル活性、好ましくは
    カルシウム放出活性化チャンネル(Icrac)活性を
    変調する化合物をスクリーニングする方法であって、 a.検査化合物および選択的カルシウムチャンネル活性
    化剤、好ましくはIcrac活性化剤を、NFAT誘導
    性プロモーターの制御下のレポーター遺伝子を含むレポ
    ーター構成物をさらに含有するカルシウムチャンネル発
    現細胞、好ましくはIcrac発現細胞の集団と接触さ
    せ、 b.カルシウムチャンネル、好ましくはカルシウム放出
    活性化チャンネルにおける検査化合物の活性を、前記細
    胞中のレポーター遺伝子発現を測定することにより決定
    すること、を含む方法。
  2. 【請求項2】 工程a)において、細胞をプロテインキ
    ナーゼC活性化剤の非存在下でIcrac活性化剤と接
    触させる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 Icrac活性化剤が細胞内カルシウム
    貯蔵を選択的に枯渇させる生成物または処置剤、好まし
    くはタプシガルギンである、請求項1または2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 (a)検査化合物、および選択的で直接
    的または間接的なIcrac活性化剤を、NFAT誘導
    性プロモーターの制御下のレポーター遺伝子を含むレポ
    ーター構成物をさらに含有するIcrac発現細胞の集
    団と接触させ、(b)a)の細胞をレポーター遺伝子の
    基質と接触させ、(c)カルシウム放出活性化チャンネ
    ルにおける検査化合物の活性を、前記細胞中の基質の加
    水分解を評価することにより決定すること、を含む請求
    項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 【請求項5】 レポーター遺伝子がβ−ラクタマーゼ遺
    伝子である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 【請求項6】 工程b)において、基質がレシオメトリ
    ーの基質である、請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 基質がCCF2−AMである、請求項6
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 細胞の集団が血液細胞、特にリンパ球、
    肥満細胞または樹状細胞、の培養物を含む、請求項1〜
    7のいずれか一項記載の方法。
  9. 【請求項9】 検査化合物およびIcrac活性化剤を
    細胞と同時に接触させる、請求項1〜8のいずれか一項
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも2種の検査化合物を並行し
    て細胞集団と接触させる、請求項1〜9のいずれか一項
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも10種、好ましくは50種
    の化合物を並行して接触させる、請求項10記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 工程a)をマルチウェルプレートで実
    施する、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 【請求項13】 細胞集団を少なくとも1mMのカルシウ
    ムを含む培地でインキュベートする、請求項1〜12の
    いずれか一項記載の方法。
  14. 【請求項14】 検査化合物の活性をアッセイするため
    に用いる、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  15. 【請求項15】 a)検査化合物およびIcrac活性
    化剤を、NFAT誘導性プロモーターの制御下のレポー
    ター遺伝子を含むレポーター構成物をさらに含有するI
    crac発現細胞の集団と接触させ、前記細胞を少なく
    とも1mMのカルシウムを含有する培地でインキュベート
    し、 b)a)の細胞をレポーター遺伝子発現生成物の基質と
    接触させ、 c)カルシウム放出活性化チャンネルにおける検査化合
    物の活性を、前記細胞中の基質の加水分解を評価するこ
    とにより決定すること、を含むIcrac遮断物質をス
    クリーニングする方法。
  16. 【請求項16】 a)検査化合物およびIcrac活性
    化剤を、NFAT誘導性プロモーターの制御下のβ−ラ
    クタマーゼ遺伝子を含むレポーター構成物をさらに含有
    するIcrac発現細胞の集団と接触させ、前記細胞を
    少なくとも1mMのカルシウムを含有する培地でインキュ
    ベートし、 b)a)の細胞をβ−ラクタマーゼのレシオメトリーの
    基質と接触させ、 c)カルシウム放出活性化チャンネルにおける検査化合
    物の活性を、前記細胞中の基質の加水分解を評価するこ
    とにより決定すること、を含むIcrac遮断物質をス
    クリーニングする方法。
  17. 【請求項17】 a)検査化合物をNFAT誘導性プロ
    モーターの制御下のレポーター遺伝子を含むレポーター
    構成物をさらに含有するIcrac発現細胞の集団と接
    触させ、前記細胞を少なくとも1mMのカルシウムを含有
    する培地でインキュベートし、(b)a)の細胞をレポ
    ーター遺伝子発現生成物の基質と接触させ、(c)カル
    シウム放出活性化チャンネルにおける検査化合物の活性
    を、前記細胞中の基質の加水分解を評価することにより
    決定すること、を含むIcrac刺激物質をスクリーニ
    ングする方法。
  18. 【請求項18】 レポーター遺伝子がβ−ラクタマーゼ
    遺伝子である、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 細胞をホルボールエステルが欠如する
    培地でインキュベートする、請求項1〜18のいずれか
    一項記載の方法。
  20. 【請求項20】 Icracによるカルシウム流入を変
    調する化合物をスクリーニングするための、請求項1〜
    19のいずれか一項記載の方法。
  21. 【請求項21】 d)c)で選択された化合物を、好ま
    しくはCRE誘導性プロモーター、VIP応答性プロモ
    ーター、NFκB、またはJNK応答要素を含有するプ
    ロモーターから選択される非NFAT誘導性プロモータ
    ー、より好ましくはCRE誘導性プロモーターの制御下
    のβ−ラクタマーゼ遺伝子を含むレポーター構成物を含
    む細胞の集団と接触させることにより、非NFAT依存
    的手法でβ−ラクタマーゼ活性を変調する化合物を排除
    するために、c)で得られた前記化合物をスクリーニン
    グすることをさらに含む、請求項1〜20のいずれか一
    項記載の方法。
  22. 【請求項22】 請求項1に定義した細胞集団、支持
    体、および基質を含む、請求項1〜21のいずれか記載
    の方法で用いるキット。
  23. 【請求項23】 NFAT誘導性プロモーターの制御下
    のレポーター遺伝子を含むレポーター構成物を含有す
    る、請求項1〜22のいずれか記載の方法又はキットで
    用いる血液細胞または血液由来細胞。
  24. 【請求項24】 NFAT誘導性プロモーターの制御下
    のレポーター遺伝子を含むレポーター構成物を含有す
    る、請求項1〜22のいずれか記載の方法又はキットで
    用いるリンパ球またはリンパ球由来細胞、あるいは肥満
    細胞または肥満細胞由来細胞。
  25. 【請求項25】 NFAT誘導性プロモーターの制御下
    のレポーター遺伝子を含むレポーター構成物を含む、請
    求項1〜22のいずれか記載の方法又はキットで用いる
    げっ歯類免疫細胞、特にマウスまたはラット免疫細胞、
    あるいはヒト免疫細胞の集団。
  26. 【請求項26】 Icracチャンネルを発現する細胞
    を少なくとも80%含む、請求項25記載の細胞集団。
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